(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、添付図面を参照して本発明を例示により説明する。
【0010】
本明細書に記載された実施形態は、ベース基板と、ベース基板に連結された電気コンタクトのアレーとを有するインタポーザを具備する電気コネクタ組立体からなる。インタポーザは一側面を有する。電気コネクタ組立体の1個以上のシールド壁は、隣接する電気コンタクト間を一側面に沿って延びる。例えば、シールド壁は、側面に対して直交して直立に延びる。電子モジュールは、電気コネクタ組立体上のシールド壁に実装するよう構成される。本明細書に記載された様々な実施形態は、シールド壁を通って存在し且つインタポーザまで延びる1以上の接地経路を有する。いくつかの実施形態において、接地経路は、電子モジュールからシールド壁を通ってインタポーザまで延びる。別の実施形態において、接地経路は、側壁に沿って露出した電気コンタクトからシールド壁を通ってインタポーザまで延びる。いくつかの実施形態において、シールド壁は、スルーホールでインタポーザに電気接続される。別の実施形態において、シールド壁は突起を有する。突起は、ベース基板を通って突起が電気接続されるベース基板の他側面の電気コンタクトまで延びる。本明細書に記載された様々な実施形態は、シールドマトリクスを形成する複数のシールド壁を有してもよい。
【0011】
図1は、本発明の一実施形態に従って形成された電気コネクタ組立体106を有する電気システム100の分解斜視図である。このシステム100は、電子モジュール102、電気部品104、並びに電子モジュール102及び電子部品104間に配置され、電子モジュール102及び電子部品104を相互接続する電気コネクタ組立体106を具備する。電気コネクタ組立体106は、互いに積み重ねられるシールド枠組立体108及びインタポーザ110を具備する。電気コネクタ組立体106は、電子モジュール102及び電気部品104間に配置されると共に複数の導電経路を通って電流(例えば、データ信号の形態)を伝送するよう構成される。
図1に示されるように、システム100は、横軸191,192及び垂直軸193からなる相互に直交する軸191〜193に関して方向付けられる。
【0012】
いくつかの実施形態において、電子モジュール102は、入力データ信号を受信して処理し、出力データ信号を提供する。電子モジュール102は、チップ、パッケージ、中央演算ユニット(CPU)、プロセッサ、メモリ、マイクロプロセッサ、集積回路、印刷回路、特定用途向け集積回路(ASIC)、電気コネクタ等の様々のタイプのモジュールのうち任意の一つである。典型的な一実施形態において、電気部品104は、印刷回路基板(PCB)であるが、電気コネクタ組立体106を介して電子モジュール102と通信できる他の電気部品であってもよい。図示されていないが、電気システム100はヒートシンクを具備してもよい。ヒートシンクは、電気システム100からの熱エネルギーの放散を容易にするために電子モジュール102や電気コネクタ組立体106の一部に実装される。
【0013】
インタポーザ110は、垂直軸193に沿った互いに逆向きの側面114,116を有する。インタポーザ110は、側面114,116間で定義される厚さT
1を有するベース基板112を具備する。側面114は、その上にシールド枠組立体108が実装されるよう構成される。ベース基板112は、PCBと同様に製造される。例えば、ベース基板112は、誘電性材料製の複数の重ねられた層と、バイア、めっきスルーホール、導電トレース等で形成された、重ねられた層を貫通する導電経路とを有する。ベース基板112は、セラミック、ガラス入りエポキシ、ポリイミド(例えば、カプトン(登録商標)等)、有機材料、プラスチック、ポリマ等の任意の材料で製造されるが、これらの材料に限定されない。また、
図1に示されるように、ベース基板112はシールド穴136を有する。シールド穴136は、ベース基板112内へ所定の深さまで延びる。シールド穴136は、厚さT
1の途中まで延びてもよいし、その厚さ全体にわたって延びてもよい。
【0014】
また、インタポーザ110は、側面114に沿って露出する電気コンタクト120のアレー118を有する。図示の実施形態において、アレー118は、整列した電気コンタクト120の行及び列を有する。しかし、別の実施形態において、電気コンタクト120は、異なる所望の配列で配置されてもよい。特定実施形態において、電気コンタクト120は、ベース基板112とは別体の個別部品である。例えば、典型的な一実施形態において、電気コンタクト120は、板材を打抜き加工及び曲げ加工され、ベース基板112に電気接続される。図示されていないが、電気コンタクト120は、ベース基板112の対応するめっきスルーホールに挿入されるコンタクトテール部を有する。
【0015】
他の実施形態において、電気コンタクト120は、他の手段によりベース基板112に機械的及び電気的に接続された、ベース基板112とは別体の個別部品である。例えば、電気コンタクト120は、側面114に沿ってコンタクトパッドに半田付けされてもよい。電気コンタクト120は、ベース基板112と共に製造されてもよい。例えば、電気コンタクト120はコンタクトパッドであってもよい。このような実施形態において、電子モジュール102の相手コンタクトは、インタポーザ110の電気コンタクトと係合するよう特に構成されてもよい。
【0016】
図1に示されるように、シールド枠組立体108は、ソケット枠124と、複数のシールド壁127とを有する。ソケット枠124は、互いに連結された複数の枠壁131〜134を有する。枠壁131〜134は、電気コンタクトが電気コネクタ組立体106に配置されるシールド枠組立体108の接触領域すなわち受容領域128を取り囲み且つ区画するよう構成される。シールド壁127は、接触領域128を貫通するよう構成される。特定実施形態において、シールド壁127はシールドマトリクス130を形成するよう配列される。シールド壁127は互いに交差することができる。以下に詳細に説明されるように、シールド壁127及びシールドマトリクス130は、電気システム100の作動中に生ずる電磁妨害(EMI)を制御すなわち低減するよう構成される。
【0017】
図示の実施形態において、電気コネクタ組立体106は、ランドグリッドアレー(LGA)組立体及びボールグリッドアレー(BGA)組立体等の面グリッド組立体を構成してもよい。しかし、本明細書に記載され、示された本発明は、図に示された部品の数及びタイプに限定されず、本明細書に示されたり記載されていない追加の部品等を有したりこれら追加の部品等と連動して作動してもよいことを理解されたい。このため、以下の説明及び図面は、限定目的ではなく例示目的で提供され、本明細書に記載され、示された本発明の或る用途のみを示すものである。
【0018】
図2は、シールド枠組立体108(
図1参照)で使用される第1シールド壁127A及び第2シールド壁127Bを示す側面図である。第1シールド壁127Aは、壁端部204,206間を延びる壁本体202を有する。第1シールド壁127Aは、壁端部204,206間を長さL
1で延びる。壁本体202は、互いにほぼ平行に延びる対向する側面を有するほぼパネル状すなわち板状の構造を有する。対向する側面の間に、壁本体202の厚さT
2(
図4参照)が定義される。壁本体202は、壁端部204,206間を互いにほぼ平行に延びるモジュール縁208及び部品縁210を有する。第1シールド壁127Aは、モジュール縁208及び部品縁210間を高さH
1で延びる。モジュール縁208は、電子モジュール102(
図1参照)と整合(interface)するよう構成される。部品縁210は、電気部品104(
図1参照)と整合するよう構成される。
【0019】
第2シールド壁127Bは、壁端部224,226間を延びる壁本体222を有する。壁本体222は、互いにほぼ平行に延びる対向する側面を有するほぼパネル状すなわち板状の構造を有する。対向する側面の間に、壁本体222の厚さT
3(
図4参照)が定義される。厚さT
2及びT
3は、例えば、0.127mmより薄く、より具体的には0.051mm又は0.025mmより薄くてもよい。壁本体222は、壁端部224,226間を互いにほぼ平行に延びるモジュール縁228及び部品縁230を有する。第2シールド壁127Bは、モジュール縁228及び部品縁230間を高さH
2で延びる。モジュール縁228は、電子モジュール102と整合するよう構成される。部品縁230は、電気部品104と整合するよう構成される。
【0020】
シールド壁127A,127Bは、電気システム100(
図1参照)の作動中やシールドマトリクス130(
図1参照)の形成中に、EMIの効果の制御を容易にする様々な構造を有する。例えば、第1シールド壁127Aは、壁端部204,206にタブ205,207をそれぞれ有する。タブ205,207は、ソケット枠124(
図1参照)と係合するよう構成される。第1シールド壁127Aはまた、部品縁210から突出する複数の実装突起212を有する。図示の実施形態において、実装突起212はテール又はピンである。実装突起212は、第1シールド壁127Aとベース基板112(
図1参照)を機械的及び電気的に係合するためにシールド穴136(
図1参照)内に挿入するよう構成される。
【0021】
第1シールド壁127Aはまた、電子モジュール102と係合するよう構成された複数の接地構造214を有する。典型的な一実施形態において、接地構造214は、モジュール縁208から離れる方向に突出する、すなわちモジュール縁208を越えるビームである。接地構造214は、電子モジュール102が接地構造214に係合する際にいくらかの湾曲を許容する湾曲輪郭を有する。特定実施形態において、接地構造214は1個の実装突起212にほぼ近接し、この結果、接地経路が接地構造214及び実装突起212間を延びる。また、図示されるように、第1シールド壁127Aは、モジュール縁208に沿って複数の交差構造216を有する。典型的な一実施形態において、交差構造216は、モジュール縁208におけるV形状のスリットすなわち切欠である。
【0022】
第2シールド壁127Bは、ソケット枠124と係合するよう構成されたタブ225,227を有する。第2シールド壁127Bはまた、部品縁230から突出する複数の実装突起232を有する。実装突起232は、第2シールド壁127Bとベース基板112を機械的及び電気的に係合するためにベース基板112のシールド穴136内に挿入するよう構成される。さらに、第2シールド壁127Bは、電子モジュール102と係合するよう構成された複数の接地構造234を有する。接地構造214と同様に、接地構造234は、モジュール縁228から離れる方向に突出する、すなわちモジュール縁228を越えるビームを有する。接地構造234は、電子モジュール102が接地構造234に係合する際にいくらかの湾曲を許容する湾曲輪郭を有する。特定実施形態において、接地構造234は1個の実装突起232にほぼ近接し、この結果、接地経路が接地構造234及び実装突起232間を延びる。また、図示されるように、第2シールド壁127Bは、部品縁230に沿って複数の交差構造236を有する。交差構造236はV形状のスリットすなわち切欠である。
【0023】
特定実施形態において、シールド壁127A,127Bは、導電材料製板を打抜き加工される。例えば、シールド壁127A,127Bは、導電材料製板を打抜き加工される際に、接地構造、交差構造及び実装突起を有してもよい。接地構造は、次に(或いは同時に)湾曲輪郭を有するよう曲げ加工されてもよい。別の実施形態において、上述した様々な構造を、打抜き加工後に機械加工してもよい。シールド壁127A,127Bは他の方法(例えば、ダイカスト)で製造されてもよい。シールド壁127A,127B又はシールドマトリクス130全体は、導電性ポリマで成形することもできる。このような場合、シールドマトリクス130は、本明細書に記載した同一又は類似の構造を有する単一の連続的な構造であってもよい。
【0024】
図2は、シールド壁127A,127Bの一部のみを示す。複数の接地構造、交差構造及び実装突起の各々は、任意の所定の配列で長さに沿って分布してもよい。例えば、接地構造は長さに沿って均等に分布し、交差構造は長さに沿って均等に分布し、実装突起は長さに沿って均等に分布してもよい。しかし、別の実施形態において、これらの構造は、均等に分布するのではなく、所望の効果(例えば、電気性能の改善)を達成するために局在化してもよい。
【0025】
しかし、上述したシールド壁127A,127Bは典型的なシールド壁に過ぎないことを理解されたい。このため、シールド壁127A,127Bは、所望の機械的効果や電気的効果を達成するために様々な方法で変更してもよい。例えば、シールド壁127A,127Bは、複数の接地構造、複数の実装突起及び複数の交差構造を有するものとして記載されたが、単一の接地構造、単一の実装突起や、単一の交差構造を有してもよい。さらに、第1シールド壁127A及び第2シールド壁127Bは、異なる数の接地構造、交差構造及び実装突起を有してもよい。
【0026】
図3は、シールド枠組立体108の分解図である。ソケット枠124は、枠壁131〜134を有する枠本体125を有する。枠本体125は一体構造であってもよい。例えば、典型的な一実施形態において、枠本体125は誘電性材料で成形される。枠壁131,133は接触領域128にわたって互いに対向し、枠壁132,134は接触領域128にわたって互いに対向する。図示の実施形態において、枠壁131〜134はそれぞれ枠スロット251〜254を有する。枠スロット251〜254は接触領域128に向かって開放する。
【0027】
シールド枠組立体108を構成するために、第1シールド壁127Aは対応する枠スロット251,253に整列し、第2シールド壁127Bは対応する枠スロット252,254に整列する。より具体的には、第1シールド壁127Aは、横軸192と平行に延びると共に横軸191に沿って互いに離間する。第2シールド壁127Bは、横軸191と平行に延びると共に横軸192に沿って互いに離間する。タブ205,207は、壁スロット251,253にそれぞれ受容されるよう構成される。そして、タブ225,227は、壁スロット252,254にそれぞれ受容されるよう構成される。
【0028】
図4は、分解したシールド枠組立体108の一部の拡大図であり、シールド壁127A,127Bを示す。図示されているように、シールド壁127A,127Bはそれぞれ、ほぼ一様な厚さT
2及びT
3を有するほぼ平坦な本体を有する。シールド壁127A,127Bが
図3に示されたように整列すると、第1シールド壁127Aの交差構造216及び第2シールド壁127Bの交差構造236は、互いに交差するよう構成される。より具体的には、図示の実施形態において、各交差構造216は、1個の第2シールド壁127Bのみから1個の交差構造236のみを受容する。交差構造216,236は、横方向に沿って延びながら、第1及び第2のシールド壁127A,127Bを重ね合わせると共に互いにかみ合わせる。シールド壁127A.127Bは、シールド枠組立体108が
図1に示された1部品としてインタポーザ110に実装可能となるように、ソケット枠124に固定される。この目的のために、ソケット枠124及びインタポーザ110は、シールド枠組立体108及びインタポーザ110の整列を容易にする、対応する整列構造を有してもよい。
【0029】
図5は、シールド壁127A,127Bが互いに及びソケット枠124に係合してシールドマトリクス130を形成する際のシールド枠組立体108の拡大図である。図示されているように、シールドマトリクス130は、部品縁210又は230であってもよい最下端の部品縁からモジュール縁208又は228であってもよい最上端のモジュール縁まで計測した高さH
3を有する。図示の実施形態において、交差構造216,236(
図2参照)は、高さH
3がシールド壁127A,127Bの高さH
1,H
2とほぼ等しくなるように、寸法及び形状が設定される。換言すると、モジュール縁208,228は同じ平面に沿って延び(すなわち共平面)、部品縁210,230は同じ平面に沿って延びる。また、
図5に示されるように、接地構造214は、モジュール縁208から末端242まで延びる湾曲した本体215を有する。
【0030】
図6は、インタポーザ110に連結されたシールド枠組立体108を有する、構成された電気コネクタ組立体106の斜視図である。接触領域128は、電子モジュール102(
図1参照)がシールド枠組立体108に実装される際に、電気コンタクト120のアレー118や電子モジュール102の電気コンタクト262(
図7参照)を受容するよう構成される。シールド壁127A,127Bは、側面114に対して直立する。シールドマトリクス130がソケット枠124に連結されると、シールド壁127A.127Bは、接触領域128をシールドされた小領域(シールド小領域)244からなる複数の小領域に分割する。構成されたコネクタ組立体106に示されるように、各シールド小領域244内に少なくとも1個の電気コンタクト120が配置される。より具体的には、シールド壁127A,127Bは、隣接するコンタクト120間を延びて、隣接する電気コンタクト120をEMIからシールドする。
【0031】
典型的な一実施形態において、各第1シールド枠127Aは複数の第2シールド壁127Bを交差し、各第2シールド枠127Bは複数の第1シールド壁127Aを交差する。図示されるように、アレー118は、電気コンタクト120の行及び列を有する。第1シールド壁127Aは、電気コンタクト120の隣接する行間を横軸192に沿って直線的に延びる。そして、第2シールド壁127Bは、電気コンタクト120の隣接する列間を横軸191に沿って直線的に延びる。シールド壁127A,127Bは、互いに直交して交差する。別の実施形態において、シールド壁127A,127Bは、互いに対して非直角の角度を形成してもよい。
【0032】
図示の実施形態において、シールド小領域244は、1個の電気コンタクト120のみを有する。しかし、別の実施形態において、シールド小領域244は、2個以上の電気コンタクト120を有してもよい。例えば、シールド小領域244は、差動対を構成する2個の電気コンタクト120を有してもよいし、或いは、3個以上の電気コンタクトを有することもできる。さらに、シールド小領域244は、異なる数の電気コンタクト120を有してもよい。
【0033】
シールド枠組立体108は、他のコネクタ組立体と比較してより少ない数の接地コンタクトをアレー118内に使用することができる。例えば、少なくとも約60%又は少なくとも約70%の電気コンタクト120を、データ信号を伝送するよう構成された信号コンタクトとすることができ、残余の電気コンタクト120を接地コンタクトにしてもよい。特定実施形態において、少なくとも約90%の電気コンタクト120を信号コンタクトにすることができる。特定の実施形態において、ほぼ全ての電気コンタクト120を信号コンタクトにすることができる。
【0034】
図示の実施形態において、シールド壁127A,127Bは、一方向のみに沿って延びる直線状の本体である。しかし、別の実施形態において、シールド壁127A,127Bは異なる方向に延びてもよい。例えば、シールド壁127A,127Bは、互いに直交して延びる2個の平坦部を有するL形状であってもよい。このような実施形態において、シールド壁127A,127Bは、L形状を有するように打抜き加工及び曲げ加工される。また、シールド壁127A,127Bは3個以上の平坦部を有してもよい。シールド壁127A,127Bは2個以上の湾曲部を有してもよい。
【0035】
多数のシールド小領域244を有する接触領域128について上述したが、他の実施形態において、電気コネクタ組立体106は2個のシールド小領域244のみを有してもよい。例えば、単一のシールド壁127が接触領域128に渡って延びており、これにより接触領域128を2個のシールド小領域244に分割してもよい。シールド壁127が接触領域128を分割することに依っては、シールド小領域244は異なる寸法に設定されてもよい。
【0036】
図7は、電子モジュール102が実装された、
図6の7−7線に沿った電気コネクタ組立体106の断面図である。シールド壁127Aは、ソケット枠124に連結されると共にインタポーザ110に連結される。より具体的には、タブ207が、対応する壁スロット253内に保持される。タブ207は、壁スロット253と圧入を形成する。実装突起212は、対応するシールド穴136内に挿入される。典型的な一実施形態において、実装突起212は、インタポーザ110と機械的及び電気的に結合する。シールド穴136は、側面116に沿ってインタポーザ110の電気コンタクト256に電気接続される。電気コンタクト256は半田ボールコンタクトであるが、他のタイプの電気コンタクトであってもよい。シールド穴136は、インタポーザ110の導電トレース258を介して電気コンタクト256に電気接続されるめっきスルーホールである。このように、接地経路は、電気システム100(
図1参照)の作動中に、シールド壁127A及びインタポーザ110を通って存在する。
【0037】
図示されているように、電気コンタクト120は、シールド壁127Aのモジュール縁208を越えて突出するよう構成される。電子モジュール102がコネクタ組立体106に実装されると、電気コンタクト120は、電子モジュール102の電気コンタクト262と係合すると共に、垂直軸193(
図1参照)に沿って延びる嵌合方向Mに圧縮される。接地構造214は、電子モジュール102の対応する電気コンタクト263と係合する。シールド壁127Aの部品縁210は側面114と整合し、モジュール縁208は電子モジュール102の下面260と整合する。
【0038】
いくつかの実施形態において、シールド壁127A,127Bやソケット枠124は、電子モジュール102が実装されるよう構成された格子状の載置平面P
1を形成するよう構成される。載置平面P
1は、横軸191,192(
図1参照)により形成された平面と平行で、垂直軸193に直交して延びる。特定実施形態において、シールド壁127A,127Bのモジュール縁208,228は、互いに対して載置平面P
1を形成するよう構成される。例えば、モジュール縁208,228は、載置平面P
1に沿ってほぼ同一空間を占める。載置平面P
1は、電気コンタクト120が過圧縮や不均一圧縮しない積極的停止部として作用する。電子モジュール102が電気コネクタ組立体106に実装されると、載置平面P
1は、所定地点を越えた嵌合方向Mに沿ったさらなる圧縮を防止する。
【0039】
図8は、本発明の一実施形態に従って形成された電気コネクタ組立体306の斜視図である。電気コネクタ組立体306は、
図1ないし
図7に示され上述した電気コネクタ組立体106と同様の部材及び構造を有する。例えば、電気コネクタ組立体306も、ベース基板312と、ベース基板312に連結された電気コンタクト320のアレー318とを有するインタポーザ310を具備する。
図8において、電気コンタクト320のアレー318の一部のみがベース基板312に連結されている。電気コンタクト320は、側面314から離れる方向に電気コンタクト320の嵌合端321まで突出する。電気コネクタ組立体306はまた、インタポーザ310に連結したソケット枠324を有する。ソケット枠324は、側面314に沿って延びる接触領域328を取り囲む。電気コンタクト320は、接触領域328内に配置されると共に電子モジュール(図示せず)と係合するよう構成される。電気コネクタ組立体306はまた、ベース基板312に沿って延びると共に接触領域328をシールド小領域344に分割するシールド壁327を有する。シールド壁327は、導電材料からなり、ベース基板312に電気接続される。対応する電気コンタクト320は、各シールド小領域344内に配置される。上述したシールド壁127と同様に、シールド壁327は、EMI効果の制御を容易にする。
【0040】
しかし、
図1のソケット枠124及びシールド壁127とは異なり、シールド壁327は、ソケット枠324に直接連結されていない。
図8の詳細部に示されるように、シールド壁327は、実装突起313と、ベース基板312と係合するよう構成された実装脚330,332とを有する。より具体的には、実装突起313はシールド穴336内に挿入される。実装脚330,332は、側面314に直接半田付けされる。このように、シールド壁327はベース基板312に固定される。シールド壁327は、電気コンタクト320の取付け前、取付け後、又は取付け中に、ベース基板312に固定される。
【0041】
典型的な一実施形態において、シールド壁327は、格子状の載置平面P
1と同様の格子状の載置平面を形成するよう構成される。例えば、シールド壁327は、シールド壁327は、モジュール縁338が共通平面に沿って延びることにより載置平面を形成するように構成される。載置平面は、電気コンタクト320が過圧縮や不均一圧縮しない積極的停止部として作用する。電子モジュールが電気コネクタ組立体306に実装されると、載置平面P
1は、所定地点を越えた嵌合方向M
2の沿ったさらなる圧縮を防止する。
【0042】
図9は、本発明の一実施形態に従って形成された電気コネクタ組立体406を示す斜視図である。電気コネクタ組立体406は、
図1ないし
図8に示され上述した電気コネクタ組立体106,306と同様の部材及び構造を有する。電気コネクタ組立体106と同様に、電気コネクタ組立体406は、ソケット枠424により支持されたシールドマトリクス430を形成する複数のシールド壁427を有する。シールド壁427は、ベース基板412に沿って延びると共に接触領域428をシールド小領域444に分割する。
図9に示されるように、各シールド小領域444は、単一列の電気コンタクト420を有する。交差するシールド壁427は無い。
【0043】
図10及び
図11は、シールド枠組立体508,608をそれぞれ示す拡大斜視図である。シールド枠組立体508,608は、電気コネクタ組立体106(
図1参照)等の電気コネクタ組立体の一部であり、シールド枠組立体108(
図1参照)と同様の部材及び構造を有する。
図10に関し、シールド枠組立体508は、互いに係合するシールド壁527A,527Bと、ソケット枠124(
図1参照)と同様のソケット枠(図示せず)とを有する。シールド壁527A,527Bは、シールドマトリクス530を形成するよう互いに係合する。シールド壁527A,527Bは、シールド壁127A,127B(
図2参照)と同様であり、交差構造(
図10に図示せず)及び接地構造514を有する。シールド壁527Aの各交差構造は、シールド壁527Bの対応する交差構造を受容する。
図2の交差構造216,236と同様に、シールド枠組立体508の交差構造は、横方向に延びながら、第1及び第2のシールド壁527A,527Bを重ね合わせると共に互いにかみ合わせることができる。長さL
1及びL
2に沿って交差構造216,236の間に接地構造214,234が配置された
図2に示されたシールド壁127A,127Bとは異なり、接地構造514は対応する交差構造上に配置される。
図10において、接地構造514は、シールド壁527A,527Bの交差構造上に配置されるか、又はその交差構造と整列する。
【0044】
典型的な一実施形態ではシールド壁527Bのみが接地構造514を有するが、別の実施形態では双方のシールド壁527A,527B又はシールド壁527Aのみが接地構造514を有してもよい。典型的な一実施形態において、シールド壁527A,527Bは互いに直交して交差する。別の実施形態では、シールド壁527A,527Bは、互いに対して直角でない角度をなしてもよい。シールド壁527A,527Bは、交差する際に、シールド小領域544を含む複数の小領域を形成する。各シールド小領域544内には、少なくとも1個の電気コンタクト520を配置できる。シールド壁527A,527Bは、互いに隣接する電気コンタクト520間に延び、互いに隣接する電気コンタクト520をEMIからシールドする。
【0045】
各シールド小領域544は、4個の交差点591〜594で互いに交差するシールド壁527A,527Bの4個の壁区分581〜584により区画できる。交差点591〜594は少なくとも1個の接地構造514を有する。例えば、図示の実施形態において、各交差点591〜594は単一の接地構造514のみを有する。しかし、別の実施形態では、2個以上の接地構造514を使用してもよい。
【0046】
図11は、シールド小領域644の接地構造614の別の配列を示す。シールド小領域644は、シールド壁627A,627Bの4個の壁区分681〜684により区画される。典型的な一実施形態において、接地構造614は交差点691〜694間に配置される。例えば、互いに隣接する交差点の異なる各対について、互いに隣接する交差点間のほぼ中間に単一の接地構造614のみが配置される。他の実施形態において、互いに隣接する交差点間に2個以上の接地構造614が配置されてもよい。さらに、他の実施形態では、接地構造614は、互いに隣接する交差点間と、
図10の接地構造514のように交差点にも配置されてもよい。
【0047】
図10及び
図11に示されるように、シールド小領域は、対応するシールド小領域を区画する各壁区分について少なくとも1個の接地構造514,614を有する。別の実施形態において、シールド小領域内の接地構造の数に対する壁区分の数の比は、1対1より小さいか、又は1対1より大きくてもよい。図示の実施形態ではシールド小領域544,644は1個の電気コンタクト520,620のみを有するが、別の実施形態では2個以上を使用してもよい。シールド枠組立体108と同様に、シールド枠組立体508,608は、他のコネクタ組立体と比較してより少ない数の接地コンタクトを使用することができる。例えば、少なくとも約60%又は少なくとも約70%の電気コンタクト520,620を、データ信号を伝送するよう構成された信号コンタクトとすることができ、残余の電気コンタクト520,620を接地コンタクトにしてもよい。特定実施形態において、少なくとも約90%の電気コンタクト520,620を信号コンタクトにすることができる。特定の実施形態において、ほぼ全ての電気コンタクト520,620を信号コンタクトにすることができる。
【0048】
図12は、本発明の一実施形態に従って形成された電気コネクタ組立体700の部分分解図である。
図13は、構成された電気コネクタ組立体700の斜視図である。電気コネクタ組立体700は、ベース基板712と、ベース基板712に連結された電気コンタクト720のアレーとを有するインタポーザ710を具備する。ベース基板712は、互いに逆向きの第1側面714及び第2側面716を具備する。電気コンタクト720は側面714に沿って露出する。図示されていないが、電気コネクタ組立体700は、インタポーザに連結されたソケット枠を具備する。ソケット枠は、上述したソケット枠124,424と同様であってもよい。側面714に沿って接触領域728が存在する。電気コンタクト720は、接触領域728内に配置されると共に、接触領域728上に実装された電子モジュール(図示せず)と係合するよう構成される。電子モジュールは、電子モジュール102(
図1参照)と同様であってもよい。
【0049】
電気コネクタ組立体700はまた、側面714に沿って延びると共に接触領域728をシールド小領域744(
図13参照)に分割する複数のシールド壁727を具備する。シールド壁727は、導電材料からなり、インタポーザ710に電気接続される。例えば、シールド壁727は、ベース基板712のトレース又はスルーホールに電気接続されるか、又は電気コンタクト756(
図14参照)に電気接続される。各シールド小領域744は、その中に1個以上の電気コンタクト720を有する。図示されているように、シールド壁727は、互いに隣接する電気コンタクト720間を延び、電気コンタクト720をEMIからシールドする。
【0050】
図12に示されるように、シールド壁727は、モジュール縁758及び部品縁760を有する壁本体752を具備する。モジュール縁758は電子モジュールと係合するよう構成され、部品縁760は側壁714と係合するよう構成される。図示されているように、モジュール縁758はモジュール縁758に沿って形成された接地構造764を有し、部品縁760は部品縁760から突出する実装突起762を有する。典型的な一実施形態において、接地構造764は、対応する電気コンタクト720に向かって延びると共に、これら電気コンタクト720に電気接続される。
【0051】
図14は、コネクタ組立体700の下面(すなわち側面716)から見た底面図である。図示の実施形態において、実装突起762は、ベース基板712のスロット765(
図12にも図示)を通って挿入されるよう構成される。2個以上の実装突起762が、側面716に沿って露出した電気コンタクト756に電気接続されてもよい。例えば、16個のうちの6個の電気コンタクト720が接地構造764に連結されてもよい。
【0052】
図示の実施形態において、電気コンタクト756は半田ボールコンタクトである。実装突起762は、電気コンタクト756に向かって延びると共に例えば半田ペースト770を用いて対応する電気コンタクト756に機械的及び電気的に連結された指部763(
図12にも図示)を有する。他の実施形態において、実装突起762は指部を有していない。例えば、半田ペースト770は、実装突起762の一部が配置されたスロット765まで延びてもよい。このように、電気コネクタ組立体700は、電気コネクタ組立体700は、シールド壁727を通ってインタポーザ710まで延びる接地経路を有するよう構成される。より具体的には、1本の接地経路が、1個の接地構造764、壁本体752及び1個の実装突起762を通って延びる。接地経路は、電気コネクタ組立体700用に所望のシールド効果を得るために所定方法で配置されてもよい。
【0053】
図15は、本発明の一実施形態に従って形成された電気コネクタ組立体800を示す斜視図である。
図16は、電気コネクタ組立体800の平面図である。電気コネクタ組立体800は、ベース基板812と、ベース基板812に連結された電気コンタクト820のアレーとを有するインタポーザ810を具備する。ベース基板812は、互いに逆向きの第1側面814及び第2側面816(
図15参照)を具備する。電気コンタクト820は側面814に沿って露出する。図示されていないが、電気コネクタ組立体800は、インタポーザに連結されたソケット枠を具備する。ソケット枠は、上述したソケット枠124,424と同様であってもよい。側面814に沿って接触領域828が存在する。電気コンタクト820は、接触領域828内に配置されると共に、接触領域828上に実装された電子モジュール(図示せず)と係合するよう構成される。電子モジュールは、電子モジュール102(
図1参照)と同様であってもよい。
【0054】
電気コネクタ組立体800はまた、側面814に沿って延びると共に接触領域828をシールド小領域844に分割する複数のシールド壁827を具備する。シールド壁827は、導電材料からなり、インタポーザ810に電気接続される。例えば、シールド壁827は、ベース基板812のトレース又はスルーホールに電気接続されるか、又は側面816に沿って電気コンタクト(例えば、半田ボールコンタクト;図示せず)に直接接続される。各シールド小領域844は、その中に1個以上の電気コンタクト820を有する。図示されているように、シールド壁827は、互いに隣接する電気コンタクト820間を延び、電気コンタクト820をEMIからシールドする。
【0055】
図15に示されるように、シールド壁827は、モジュール縁858及び部品縁860を有する壁本体852を具備する。モジュール縁858は電子モジュールと係合するよう構成され、部品縁860は側壁814と係合するよう構成される。図示されているように、モジュール縁858はモジュール縁858に沿って形成された接地構造864を有する。図示されていないが、部品縁860は部品縁860から突出する実装突起を有する。このような実装突起は、上述した実装突起762,212と同様である。典型的な一実施形態において、接地構造864は、電子モジュールの対応する電気コンタクト(図示せず)に向かって延びると共に、これら電気コンタクトに電気接続される。
図15に示されるように、接地構造864は、側面814から離れる方向に延びる。例えば、接地構造864は、鋭角で側面814から離れる方向に延びる。典型的な一実施形態において、接地構造864は、電気コンタクト820が配置されていないコンタクト穴865上に延びる。換言すると、いくつかのコンタクト穴865はコンタクト穴865に機械的及び電気的に接続された対応する電気コンタクト820を有するのに対し、他のコンタクト穴865は電気コンタクト820を有していない。接地構造864は、空のコンタクト穴865上に延びると共に電子モジュールと係合する。
【0056】
このように、電気コネクタ組立体800は、シールド壁827を通ってインタポーザ810まで延びる接地経路を有するよう構成される。より具体的には、一接地経路は、電子モジュールから1個の接地構造864、壁本体852及び任意の実装突起(図示せず)を通って延びる。接地経路は、電気コネクタ組立体800用に所望のシールド効果を得るために所定方法で配置されてもよい。
【0057】
図17ないし
図21は、本発明の一実施形態に従って形成された電気コネクタ組立体900(
図17参照)を示す。
図17は、電気コネクタ組立体900の斜視図である。電気コネクタ組立体900は、上述した電気コネクタ組立体106,306,406,700と同様に作動する。例えば、電気コネクタ組立体900は、電子モジュール940(
図21参照)及び電気部品(図示せず)を相互接続するよう構成され、作動中に生ずる電磁妨害(EMI)を制御すなわち低減するよう構成される。この目的のために、以下に詳細に説明するように、電気コネクタ組立体900は、シールド壁、又は複数のシールド壁を有する接地マトリクスを有してもよい。
【0058】
図示されているように、電気コネクタ組立体900はインタポーザ902を具備する。インタポーザ902は、複数の積み重ねられた材料層からなる複合構造を有する。積み重ねられた層は、印刷回路基板を使用するために使用される層と同様である。例えば、積み重ねられた層は、基板材料(例えば、FR−4、ポリイミド、ガラス入りポリイミド、金属等)を含む層、接着材料(例えば、アクリル接着剤、変性エポキシ樹脂、フェノールブチラール、感圧接着剤(PSA)、予め含浸された材料等)を含む層、及び銅(又は銅合金)、銅ニッケル、銀エポキシ等の導電材料を含む層を具備する。場合によっては、層は2タイプ以上の材料を有してもよい。また、インタポーザ902は、トレース及びめっきバイア(例えば、スルーホール、有底バイア等)等の様々な導電構造を有してもよい。
【0059】
典型的な一実施形態において、インタポーザ902は、互いに逆向きの1対の側面を有する。インタポーザ902は複数の積み重ねられた層を有し、積み重ねられた層は、その内部に配置されたトレース片やめっきバイアを有する。例えば、インタポーザ902はボード基板904を有する。導電材料のシートすなわち層912はボード基板904に接着され、レジスト材料(又は他の非導電性材料)のシートすなわち層914は導電性シート912に沿って接着される。レジスト材料の別のシートすなわち層916は側面910に沿って接着される。インタポーザ902はまた、複数の電気コンタクト906を有する。電気コンタクト906は、側面908に沿って延びる接触領域920内に配置される。電気コンタクト906は、電気コネクタ組立体900の外部に露出する。上述した電気コネクタ組立体106,306,406,700と同様に、電気コンタクト906は、接触領域920上に実装された電子モジュールと係合するよう構成される。
【0060】
電気コネクタ組立体900は、他の電気コネクタ組立体106,306,406,700について上述したような互いに隣接する電気コンタクト906を分離するよう構成された少なくとも1個のシールド壁を具備する。例えば、電気コネクタ組立体900はシールドマトリクス918を有する。シールドマトリクス918は、側面908に取り付けられると共に側面908に沿って延びる複数の壁924〜929を有する。複数の壁924〜929は、導電材料の導電性シート912及びレジスト材料の非導電性シート914から形成される。典型的な一実施形態において、シールドマトリクス918は、側面908に沿って開口を形成するために、電気コネクタ組立体900の製造中に導電性シート912をエッチングすることにより形成される。例えば、開口は、ボード基板904の一部を露出する。ボード基板904が露出された後、電気コンタクト906はインタポーザ902に結合される。
【0061】
実施形態によっては、導電性シート912は、エッチング後、側面908に沿って単一の連続した構造を依然として構成する。他の実施形態において、シールドマトリクス918は、側面908に沿って2個以上導電構造を有してもよい。例えば、導電性シート912は、導電材料が2個の分離した構造に分離されるようにエッチングされてもよい。また、
図17に示されるように、レジスト材料の非導電性シート914は、開口を有するようにエッチングしてもよい。或いは、非導電性シート914は、導電性シート912がエッチングされた後、導電性シート912に付着されてもよい。
【0062】
壁924〜929は、シールド壁924,295及び外壁926〜929からなる。シールド壁924,925は、2個以上の電気コンタクト906に沿って延びると共に、互いに隣接する電気コンタクト906を分離することができる。図示の実施形態において、電気コネクタ組立体900は、シールドマトリクス918内で互いに平行に延びる2個以上のシールド壁924,295を有する。しかし、別の実施形態において、シールド壁924,925は、所定角度(例えば、90°)で互いに交差してもよい。シールド壁924,925は導電性シート912からエッチングされるので、シールド壁924,925は様々な構造又はパターンを有するようにエッチングされてもよい。別の実施形態において、電気コネクタ組立体900は、シールド壁のシールドマトリクス918を有する代わりに、1個のシールド壁924又は925のみを有する。
【0063】
図18は、電気コネクタ組立体900の平面図である。シールド壁924,925は、側面908に沿って延びると共に、接触領域920をシールド小領域922A〜922Cに分割する。少なくとも1個の電気コンタクト906は、各シールド小領域922A〜922C内に配置される。各電気コンタクト906は、対応するめっきバイア934(例えばスルーホール)に結合されることにより、電気コンタクト906を側面910に沿って別の電気コンタクト936(
図19参照)に電気接続する。図示されているように、シールド壁924,925は、電気コンタクト906をEMIからシールドするために、互いに隣接する電気コンタクト906間を延びる。図示の実施形態において、3個のシールド小領域922A〜922Cのみが図示されているが、他の実施形態において、4個以上のシールド小領域又は2個のシールド小領域922のみが含まれていてもよい。
【0064】
また、
図18は、(破線の円で示される)接地バイア930及び接地トレース932を示す。接地トレース932及び接地バイア930は、シールドマトリクス918に電気接続される。接地トレース932は、接地バイア930を対応する電気コンタクト906及びめっきバイア934に電気接続する。インタポーザ902の製造中に、接地バイア930、接地トレース932及びめっきバイア934は、ボード基板904に形成されてもよい。図示の実施形態において、接地トレース932は側面908に沿って延びると共に外部に露出するが、別の実施形態ではボード基板904内に配置されてもよい。
【0065】
実施形態によっては、導電性シート912(
図17参照)は、ボード基板904に付着される際に、ボード基板904内で接地バイア930に結合される。接地トレース932は、導電性シート912から形成されてもよいし、別の材料から製造されてもよい。従って、シールド壁924は複数の接地バイア930に直接結合され、シールド壁925も複数の接地バイア930に直接結合される。実施形態によっては、シールド壁924,925は、接地トレース932を介して1個以上の電気コンタクト906及びめっきバイア934に電気結合されてもよい。
【0066】
図19は、電気コネクタ組立体900の側面図である。そして、
図20は、電気コネクタ組立体900の底面図である。図示されているように、接地バイア930は、非導電性シート916が配置された側面910までインタポーザ902を貫通する。側面910は複数の電気コンタクト936を有する。図示の実施形態において、接地バイア930は、側面910に沿って又はボード基板904(
図19参照)内で対応する電気コンタクト936に接続されていない。それにもかかわらず、接地バイア930は、めっきバイア934(
図20参照)に対して所定の方法で配置してもよい。例えば、
図20に示されるように、接地バイア930は、めっきバイア934間の間隙に配置される。より具体的には、
図20の各接地バイア930は、4個のめっきバイア934に取り囲まれる。接地バイア930は、電気コネクタ組立体900の所望の電気性能により決定される、めっきバイア934に対する様々な配置を有してもよい。
【0067】
別の実施形態において、シールド壁924,925(
図17参照)は、電気コンタクト906(
図19参照)のいずれにも電気結合されていない。このような実施形態において、シールド壁924,925は、電子モジュールに直接係合する構造を有してもよい。例えば、レジスト材料の非導電性シート914(
図19参照)の一部は、下方に位置する導電性シート912(
図19参照)を露出するために除去されてもよい。換言すると、シールド壁924,925又は外壁926〜929(
図17参照)は、電子モジュールに直接係合する電気パッドを有してもよい。これらの実施形態において、接地バイア930は、側面910に沿って電気コンタクトを分離するよう電気結合されてもよい。
【0068】
図21は、電子モジュール940はインタポーザ902から離間している非係合位置942(破線で図示)と、電子モジュール940がインタポーザ902に実装されインタポーザ902に電気結合した実装位置944(実線で図示)に位置する電子モジュール940を示すインタポーザ902(
図17参照)の断面図である。図示の実施形態において、電気コンタクト906は、電子モジュール940により側面908に向かって撓むよう構成された弾性ビーム948を有する。電気コンタクト906は、撓みに抗すると共に側面908から離れる方向に抵抗力を及ぼすように付勢される。
【0069】
電子モジュール940が実装位置944に位置すると、シールド壁924,925(
図17参照)やシールドマトリクス918(
図17参照)は、電子モジュール940が実装されるよう構成された格子状の載置平面P
2を形成する。この載置平面P
2は、載置平面P
1と同様であると共に、非導電性シート914により区画される。載置平面P
2は、電気コンタクト906が過圧縮や不均一圧縮しない積極的停止部として作用する。電子モジュール940がインタポーザ902上に実装されると、載置平面P
2は電気コンタクト906のさらなる圧縮を防止する。
【0070】
図22は、本発明の別の実施形態に従って形成されたインタポーザ952の一部の断面図である。図示されているように、インタポーザ952は、ボード基板970、側面954、側面954に付着した導電性材料のシート956、及び導電性シート956に付着した非導電性材料(例えば、レジスト)のシート958を具備する。導電性シート956は、シールド小領域960を形成するために上述したようにエッチングされる。しかし、導電性シート956がエッチングされた後、非導電性シート958が導電性シート956に付着される。非導電性シート958は、シールド小領域960で導電性シート956を越えてボード基板970に直接係合するカバー延長部962を有する。カバー延長部962は、電子モジュール968が電気コンタクト964をボード基板970の方へ撓ませる際に、電気コンタクト964用にシールド小領域960での積極的停止部として作用する。実施形態によっては、電気コンタクト964は、非導電性シート958を越えて突出するよう非導電性シート958を越えてもよい。このような場合、電子モジュール968は、非導電性シート958の代わりに電気コンタクト964上に載置される。
【0071】
本明細書に記載され図示された実施形態は、所定寸法のコネクタ用や、全体で所定数の電気コンタクトを有するアレー用の少なくともいくつかの公知の電気コネクタ組立体よりも少ない接地コンタクトを有する電気コネクタ組立体を提供する。本明細書に記載され図示された実施形態は、所定寸法のコネクタ用や、全体で所定数の電気コンタクトを有するアレー用の少なくともいくつかの公知の電気コネクタ組立体よりも多い信号コンタクトを有する電気コネクタ組立体を提供する。本明細書に記載され図示された実施形態は、所定寸法のコネクタ用や、全体で所定数の電気コンタクトを有するアレー用の少なくともいくつかの公知の電気コネクタ組立体よりも高密度の信号コンタクトを有する電気コネクタ組立体を提供する。本明細書に記載され図示された実施形態は、少なくともいくつかの公知の電気コネクタ組立体よりも、電気コンタクトのアレー内での信号コンタクト、接地コンタクトや、信号コンタクト対の相対配置のより大きな柔軟性を有する電気コネクタ組立体を提供する。本明細書に記載され図示された実施形態は、接地コンタクトが信号コンタクトに隣接したり、隣接する2個の信号コンタクト間に配置されたりする必要が無い電気コネクタ組立体を提供する。本明細書に記載され図示された実施形態は、少なくともいくつかの公知の電気コネクタ組立体より組立が容易で、組立にかかるコストが低く、組立に時間を要しない電気コネクタ組立体を提供する。