特許第6049069号(P6049069)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6049069耐クリープ性を向上させたプラスチック製燃料タンク及びその製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6049069
(24)【登録日】2016年12月2日
(45)【発行日】2016年12月21日
(54)【発明の名称】耐クリープ性を向上させたプラスチック製燃料タンク及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
   B60K 15/03 20060101AFI20161212BHJP
【FI】
   B60K15/03 B
【請求項の数】12
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2012-506480(P2012-506480)
(86)(22)【出願日】2010年4月21日
(65)【公表番号】特表2012-524691(P2012-524691A)
(43)【公表日】2012年10月18日
(86)【国際出願番号】EP2010055287
(87)【国際公開番号】WO2010122065
(87)【国際公開日】20101028
【審査請求日】2013年1月28日
【審判番号】不服2015-1272(P2015-1272/J1)
【審判請求日】2015年1月22日
(31)【優先権主張番号】0952651
(32)【優先日】2009年4月23日
(33)【優先権主張国】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】507383057
【氏名又は名称】イナジー・オートモーティブ・システムズ・リサーチ・(ソシエテ・アノニム)
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】ビョルン・クリエル
(72)【発明者】
【氏名】ヴァンサン・クフェリール
【合議体】
【審判長】 島田 信一
【審判官】 氏原 康宏
【審判官】 出口 昌哉
(56)【参考文献】
【文献】 特表2002−536586(JP,A)
【文献】 国際公開第2008/31830(WO,A1)
【文献】 特開平4−151332(JP,A)
【文献】 特開平9−2578(JP,A)
【文献】 特開昭48−62858(JP,A)
【文献】 欧州特許出願公開第875411(EP,A2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60K15/03
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
下壁と、上壁と、これら2つの壁を接続する少なくとも1つの補強要素とを有するプラスチック製の燃料タンクであって、前記補強要素は、2つの端部を有する中空のプラスチックピラーの形状を有し、前記2つの端部は、前記燃料タンクの前記下壁及び前記上壁にそれぞれ取り付けられ、前記中空のプラスチックピラーはその下部に開口を有し、かつその上部に開口を有し、前記下部開口と前記上部開口とがそれぞれ前記中空のプラスチックピラーの充填と前記中空のプラスチックピラーのガス抜きを可能にするような位置に配置されており、少なくとも前記中空のプラスチックピラーの一部が前記燃料タンクで能動的役割を担う付属品の構成要素であり、少なくとも1つの能動部品を含み、
前記燃料タンクは、前記付属品に接続されるラインをさらに備えることを特徴とする燃料タンク。
【請求項2】
前記中空のプラスチックピラーが、所与の断面積を有する中央と、この中心の両端でより大きな断面積を有する2つの末端部とを含む筒状構造であることを特徴とする、請求項1に記載の燃料タンク。
【請求項3】
前記下部開口が前記燃料タンクの下壁にできるだけ接近して位置付けされ、前記上部開口が前記燃料タンクの最大の満杯レベル以上に位置していることを特徴とする、請求項1又は2に記載の燃料タンク。
【請求項4】
前記少なくとも1つの能動部品がチャンバーに位置付けされており、少なくとも前記中空のプラスチックピラーの一部がこのチャンバーの少なくとも一部を構成することを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載の燃料タンク。
【請求項5】
前記付属品が、前記中空のプラスチックピラーの側壁の少なくとも一部によって構成される側壁を有するチャンバーによって画定される液体/蒸気分離器(すなわち、LVS(Liquid/vapour separator))であることを特徴とする、請求項4に記載の燃料タンク。
【請求項6】
前記付属品がROVタイプ弁(反転弁(Roll Over Valve))及び/又はFLVVタイプ弁(給油制限ベント弁(Fill Limit Vent Valve))であり、前記中空のプラスチックピラーに組み込まれた能動部品がフロートであり、前記中空のプラスチックピラーの少なくとも一部は、前記フロートがスライドする前記チャンバーを構成することを特徴とする、請求項4に記載の燃料タンク。
【請求項7】
前記付属品が燃料逆流防止装置であることを特徴とする、請求項4に記載の燃料タンク。
【請求項8】
前記付属品が過充填予防装置であることを特徴とする、請求項4に記載の燃料タンク。
【請求項9】
燃料タンクが溶融プラスチックパリソン又は溶融プラスチックシートから成形され、前記中空のプラスチックピラーを導入するための開口を得るために、離型され冷却された燃料タンクに切断部が設けられ、前記燃料タンクの下壁及び上壁の両方の内面に存在する装着用レリーフに前記中空のプラスチックピラーが固定されることを特徴とする、請求項1〜のいずれか一項に記載の燃料タンクを製造する方法。
【請求項10】
管状パリソンを任意に切断して得られた溶融プラスチックシートがキャビティとコアとを含む型で成形され、前記中空のプラスチックピラー又はこの中空のプラスチックピラーのための付属構造の少なくとも一部が、コアを使用した成形中に前記燃料タンクの前記上壁及び前記下壁に装着されることを特徴とする、請求項1〜のいずれか一項に記載の燃料タンクを製造する方法。
【請求項11】
前記中空のプラスチックピラーが、2つの部品によって形成され、
前記2つの部品のそれぞれには、前記中空のプラスチックピラーを形成するために、前記2つの部品のクリップ結合を可能にする他のレリーフが設けられており、
前記2つの部品は、コアを使用して溶接またはリベット打抜によってパリソンの両側に装着され、
前記2つの部品は、離型後、前記燃料タンクの収縮によってクリップ結合され、且つ/又は離型後、手動で又は機械によって前記燃料タンクの壁に加えられた外圧によって、クリップ結合されることを特徴とする、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記中空のプラスチックピラーが単一の部品であり、溶接によってパリソンに取り付けられることを特徴とする、請求項10に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、耐クリープ性を向上させたプラスチック製燃料タンク及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車両又は自動車用のプラスチック製燃料タンクは、これらの下側スキン層に関する最大許容撓み度を規定する仕様を満たさなければならない。かかる仕様に記載された撓み度は、通常、老化試験の際に満足されなければならず、かかる老化試験では、燃料タンクは、所与の期間(典型的には数週間)、所定の温度(通常、40℃)で一定量の燃料を収容する。仕様の目的は、車両がそのロードクリアランス(最低地上高)を維持するようにすると共に、燃料タンクのスキン層が車両の高温箇所に接触するのを防止することにある。
【0003】
現時点では、プラスチック製燃料タンクは、一般に、プラスチック製の突出部を介して車両のシャーシに固定され、金属製ストラップによって支持されている。金属製ストラップは、特に、最大許容撓みを遵守することが困難なより容量の多いタンクについて用いられている。しかしながら、金属製ストラップに頼るには、追加の取り付け工程が必要であり、したがって、あまり経済性がよくない。
【0004】
さらに、ハイブリッド車、特に電気方式のみで作動する自動車は、キャニスターを浄化する空気の量を大幅に削減できることが特徴である。このタイプを採用するための燃料系統を開発するにあたって、圧力に応じてガソリン蒸気の生成が減少するので、タンクを加圧することが想起される。350〜450mbarの圧力で、蒸気生成はほとんど排除される。したがって、キャニスターは、もはや周囲の温度変化に影響されない。一方、加圧に起因する変形が燃料の重量による変形に加わるので、タンクの機械的強さ/耐クリープ性は増加されなければならない。
【0005】
先行技術において、燃料タンクの機械的強度(耐クリープ性を含む)を高めることを目的とした解決策が提案された。
【0006】
すなわち、本出願人名義の(特許文献1)が、以下の工程からなる耐クリープ性を向上させたプラスチック製燃料タンクの製法について記載している。
(a)2つの別々の部分を有するプラスチック製のパリソンを、開いた2つのキャビティ(凹部)付きの型内に挿入する工程と、
(b)パリソンの2つの部分を固定する、又は、2つの部分の間のリンクを形成することができる補強要素の少なくとも一部分を支持するコアを、パリソンの内側に挿入する工程と、
(c)パリソンをコアを介して吹込成形することによって且つ/又は型のキャビティの後方に吸引力を生じさせることによって、パリソンをキャビティにしっかりと押し付ける工程と、
(d)コアを用いて、補強要素の一部分をパリソンの2つの部分のうちの少なくとも一方に固定する工程と、
(e)コアを引出す工程と、
(f)型を再び閉じ、それらの2つのキャビティを互いに合わせ、パリソンの2つの部分をキャビティの周囲に沿って把持して2つの部分を互いに溶着させる工程と、
(g)加圧流体を型内に注入し、且つ/又は、真空を型のキャビティの後方に生じさせてパリソンを型のキャビティにしっかりと押し付ける工程と、
(h)型を開いて燃料タンクを取出す工程。
【0007】
この出願において、補強要素は、通常の使用方法又は動作において燃料タンクと一般に関連し且つ一方の壁から他方の壁まで延びるのに十分な大きさを有する任意の機能装置又は物体であってもよいことが記載されている。特に適したそのような構造の一例は、タンク用ポンプ/ゲージモジュールである。しかしながら、広い表面積を覆うように広がるフラットタンク及び/又は(少なくとも2つの区画を含む)一種の「サドル」タンクにおいて、単一の補強要素では一般に不十分である。しかも、タンクの形状によっては、補強が不要であるか又は不可能であるような位置にモジュールが位置していることがある。その場合、タンクの使用容量を減少し且つ/又はタンクの重さを増加する影響があり、他の(1つ又は複数の)補強材をタンクに設ける必要がある。例えば、この補強材は、従来の吹込成形において「分離(kiss−off)」タイプの補強材(例えば、タンクの上壁と下壁との局部的溶接)か、又はツインシート吹込成形での内部補強でもよい。これらの補強材により余分なコストが発生し、タンクの内部使用容量が減少する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】国際公開第2006/064004号パンフレット
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、特に単純構造の強化タンクを提供することによりこれらの問題を解決することを目指す。補強要素はタンクの使用容量を著しく縮小せず、タンクの重量をあまり増加させないが、それにも関わらず、ガス抜き、計量又は燃料逆流防止機能のようなタンクにおける能動的役割を担う付属品の構成要素である。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この目的のために、本発明は、下壁と、上壁と、これら2つの壁を接続する少なくとも1つの補強要素とを有するプラスチック製燃料タンクであって、補強要素が中空のプラスチックピラーを含み、プラスチックピラーはその下部に開口を有し、かつその上部に開口を有し、下部開口と上部開口とがそれぞれピラーの充填とピラーのガス抜きを可能にするような位置に配置されており、少なくとも中空ピラーの一部がタンクで能動的役割を担う付属品の構成要素である。
【0011】
「燃料タンク」という用語は、種々の且つ多様な環境及び使用上の条件下において燃料を貯蔵できる不浸透性のタンクを意味すると解される。このタンクの一例は、自動車両又は自動車に取り付けられるタンクである。
【0012】
本発明の燃料タンクは、プラスチック、即ち、少なくとも1種類の合成樹脂ポリマーで作られる。
【0013】
全ての種類のプラスチックが適している。熱可塑性樹脂の種類に属するプラスチックが、特に適している。
【0014】
「熱可塑性樹脂」という用語は、熱可塑性エラストマーを含む任意の熱可塑性ポリマー並びにこれらのブレンドを意味すると解される。「ポリマー」という用語は、ホモポリマーとコポリマー(特に、2成分又は3成分コポリマー)の両方を意味すると解される。かかるコポリマーの例は、非限定的に言えば、ランダムコポリマー、リニアブロックコポリマー、他のブロックコポリマー及びグラフトコポリマーである。
【0015】
用いられることが多いポリマーの1つは、ポリエチレンである。高密度ポリエチレン(HDPE)により優れた結果が得られた。好ましくは、燃料タンクは、燃料を通さない樹脂、例えばEVOH(部分加水分解エチレン/ビニルアセテートのコポリマー)の層を更に有する。他の選択肢として、燃料に対して不透過性になるようにタンクを表面処理(フッ素化またはスルホン化)に付すことが可能である。
【0016】
本発明によるタンクは補強要素を含み、この補強要素はその下壁(車両において下向きに搭載された壁であり、燃料の重量により変形し得る)をその上壁(上向きに搭載され、使用中殆ど若しくは全く変形しない壁)に接続する。
【0017】
この要素は明らかに剛体、すなわち、タンクの寿命に亘って数mmを超えて変形せず、理想的にはlmm未満の変形である。
【0018】
本発明によれば、この要素は中空ピラー形状、すなわち略筒形状の中空体(それを構成する材料で充填されない内部容積の限界を定める壁)であり、その全長に亘って任意に変わる断面積、及びその全容積に対して無視できる割合(典型的に0.2%〜0.5%)を占める壁厚を有する。好ましくは、それは構造上の意味におけるピラーであり、すなわちその両端でより大きな断面積であり、その中心でより小さな断面積(言い換えれば、両端から中心に向かうにつれて減少する断面積)を有する筒状構造である。
【0019】
本発明によれば、ピラーは、ピラーに燃料が充填されることを可能にする下部開口と、好ましくはタンクの実質的に全範囲に亘って十分なレベルでガス抜きされることを可能にする上部開口とを含む。好ましくは、下部開口は、(製造上の制約とタンクが有効になるのに必要な寸法を考慮に入れて)タンクの下壁にできるだけ接近して位置付けしている。同様に、上部開口は、好ましくはタンクの最大の満杯レベルより上に位置しており、より好ましくは(製造上の制約とタンクが有効になるのに必要な寸法を考慮に入れて)タンクの上壁にできるだけ接近している。
【0020】
前の段落で言及したように、これらのオリフィスの寸法及び形状は、好ましくは、それらが有効に役割を遂行できるように構成される。形状は好ましくは実質的に環状(実際上製造が一般により容易)であるが、他の形状でも特に問題はない。
【0021】
寸法については、好ましくは以下のようなものである。
− 充填は十分な原動力で(過大な圧力低下を引き起こさずに)実行される。5mm〜10mm程度の直径を有するオリフィスが非常に適切である。
− ガス抜きは、充填オリフィスの圧力低下より大きな圧力低下をもたらさない。実際には、10〜15mmの直径は非常に適切である。
【0022】
前述の補強ピラーは、任意の耐燃料性のプラスチックに基づき、また、補強材がタンクに溶接される場合、好ましくは、補強材はタンクの(少なくとも表面の)プラスチックと相溶性のあるプラスチックに基づく。
【0023】
純HDPE、またはガラス繊維若しくは任意の他のタイプの充填剤(天然又は高分子の繊維)が充填されたHDPE、POM、PEEK等が適切であり得る。好ましくは、それらは射出成形によって製造されたプラスチックピラーである。また、それは2つの材料からなるピラーでもよく、1つがHDPEと相溶性のある材料で作られ、もう1つがわずかなゆがみ及び/又は変形しか生じない材料(POM、PA、PEEK、金属等)で作られてもよい。
【0024】
本発明によれば、少なくとも中空ピラーの一部は、タンクにおいて(ガス抜き、計量、燃料逆流防止機能等の)能動的役割を担う付属品の構成要素である。一般に、かかる付属品はチャンバー/ハウジングにおける少なくとも1つの能動部品を含んでおり、好ましくは、少なくとも中空ピラーの一部はこの場合、ハウジングの少なくとも一部を構成する。言い換えれば、中空ピラーの壁は、好ましくは付属品のハウジングの少なくとも一部を構成する。
【0025】
本発明の第1の有利な変形例によれば、中空ピラーは、その内部容積において、少なくとも一部の換気システムを含む。この換気システムは、一般にキャニスター又は別の汚染防止装置を介してタンクの内部を外部に接続する。この部分は、1つ又は2つ以上の構成要素の換気システムを含んでもよい。言い換えれば、この変形例において、中空ピラーが構成要素である付属品はタンクの換気システムの一部である。
【0026】
好ましい下位変形例において、中空ピラーは液体/蒸気分離器(すなわち、LVS(Liquid/vapour separator))、すなわち、燃料蒸気中に存在する蒸気の液滴の減少を促進するような内部幾何構造を有する中空の容積である。有利には、この分離器は、受動的でもよい(すなわち、弁(傘、ROV又はFLVV弁)のように、遮られた液体が例えば重力によって流れることを可能にする)し、能動的でもよい(すなわち、低い位置でポンプ吸引に接続している)排水装置を含む。また、それは、一般に障害物を構成する1セットのバッフルのような軽減レリーフを含む。この下位変形例において、中空ピラーの一部の壁は、好都合にLVSの側壁を構成する。言い換えれば、この変形例において、LVSは、ピラーの側壁の少なくとも一部によって構成される側壁を有するチャンバーによって画定される。
【0027】
別の好ましい下位変形例において、付属品はROV及び/又はFLVVタイプ弁であり、ピラーに組み込まれた能動的な要素はフロートである。この場合、中空ピラーの少なくとも一部は、フロートがスライドするチャンバーを構成する。
【0028】
これらの2つのサブ変形において、分離器と弁とは一般に、少なくとも1つの換気ラインに接続される。
【0029】
本発明の第2の有利な変形例によれば、中空ピラーは過充填予防装置(OPD(overfill prevention device))のためのハウジングとして作用する。この変形例において、中空ピラーの少なくとも一部は、OPDが設置されるチャンバーを構成する。このとき、様々なROVが入口でこのOPD装置に接続されてもよい。
【0030】
一つの好ましい下位変形例において、ピラー内でLVS機能及びOPD機能を組み合わせることが可能である。
【0031】
本発明の第3の有利な変形例によれば、中空ピラーは、燃料逆流防止装置として働き(言い換えれば、付属品は燃料逆流防止装置である)、この目的のために、その内部容積に燃料ポンプ用の少なくとも1つの吸引場所と、非常に特に好ましくは、ポンプが吸引する際に介するフィルターとを含む。
【0032】
本発明の第4の有利な変形例によれば、中空ピラーは容量計量器を含み、この容量計量器用の保護チャンバーとして作用する(すなわち、そのままで保護ハウジングとなっている)。この場合、その機能は以下の通りである。
− (燃料の移動による)波の影響を取り除き、それにより燃料油面測定ノイズを軽減すること。
− (測定要素の材料の選択により)寄生容量から測定要素を保護すること。
− この高感度な要素に堆積する燃料のフィルムの影響を低減すること。
【0033】
様々な前述の変形例が全く同一のタンク内で、又は全く同一のピラー内でさえ、組み合わせられてもよいことは注目されるべきである。
【0034】
また、本発明は上述されるようなタンクを製造する過程に関する。
【0035】
一般に、タンクは、管状パリソンを押し出し吹込成形すること(任意に、さまざまな種類のシートを製造するために2つの平坦な部分に切り分けること)、又は、2枚のシートを熱成形することによって得られるプラスチックタンクである。これらのプロセスはキャビティが2つある型を一般に必要とし、キャビティを組み立てる場合、その内部形状が、タンクの外部形状に実質的に相当する。一般に、適切な装置は、型内にパリソンを維持するか、又はさらに成形を補助するようにパリソン(又はシート)とキャビティの間を真空にすることを可能にする。
【0036】
第1の変形例において、一旦タンクが離型され冷却されたならば、中空ピラーをタンクに導入するための開口部を得るためにタンクに切断部が設けられる。中空ピラーは、タンクの内面に、好ましくはタンクの下壁及び上壁に存在する、装着用レリーフに固定される。いかなるタイプのレリーフもこの目的に適していると言える。特に、ピラーの両端部が各壁でスライドされるダブテールレリーフは非常に適切である。そのようなレリーフは、例えば出願人名義の欧州特許第875411号明細書に述べられている。その内容は、この目的で、参照によって本明細書に援用される。
【0037】
第2の変形例において、(管状パリソンを任意に切断して得られた)シートが成形される。型は、上述のキャビティ以外にコアを含み、このコアは、タンクの成形中、特に、(特許文献1)に記載されているプロセスのステップd)において、タンクの(上及び下)壁にピラー又はこのピラーのための付属構造の装着を可能にする。
【0038】
用語「コア」は、また(特許文献1)に記載されているプロセスのステップb)〜d)においてキャビティ同士が接合されるのを予防するのにキャビティ間に挿入されるのに、適切なサイズ及び形状の部品を意味すると解される。そのような部品は、例えば英国特許第1,410,215号明細書に述べられている。その内容は、参照によって本明細書に援用される。
【0039】
上述のプロセスのステップc)において、型のキャビティに対してパリソンを押圧し、タンク内のほとんどの内部要素を装着するために型へ加圧ガスを吹きつけるためにコアが使用されてもよい。
【0040】
第1の下位変形例において、ピラーは、クリップ(又は迅速な結合を可能にする別のレリーフ)を各々備えている2つの部品に分割される。この2つの部品はコアを使用するがクリップ固定することなく、(溶接またはリベット打抜によって)パリソンへ両側を装着される。この場合、離型後、タンクの収縮が2つの部品をクリップ固定するのに十分であるか、又は、タンクの壁に外圧を(手動で又は機械によって)加え、クリップ結合を行なう/増強する。
【0041】
第2の下位変形例において、ピラーは単一の部品である。また、ピラーはパリソンの内部の両側に溶接されることによりパリソンに取り付けられる。しかし、成形後収縮によりピラーがタンクに装着された場所で応力を導入しがちなため、この変形例はそれほど有利ではない。溶接による装着の場合には、コアは、好都合に加熱要素(鏡、フィラメント等)を含むラムを備えている。加熱要素は、補強要素の第1端部が溶接されている間、補強要素の第2端部(2番目に溶接される端部)を、熱い状態に維持することを可能にする。
【0042】
図1図4の目的は、本発明の範囲を決して制限せずに、本発明の具体的な態様をいくつか図示することである。
【図面の簡単な説明】
【0043】
図1】液体/蒸気分離器と受動的な排水系とを統合する中空ピラーを示す。
図2】液体/蒸気分離器と能動的な排水系とを統合する中空ピラーを示す。
図3】換気弁の本体として作用する中空ピラーを示す。
図4】燃料逆流防止機能を実行する中空ピラーを示す。
【発明を実施するための形態】
【0044】
これらの図において、参照符号1〜3は同一の構成要素を示す。すなわち、(上述のように、その両端部をタンクの下壁及び上壁にそれぞれ取り付けることにより)燃料タンクにおいて補強要素として機能するよう意図される中空ピラー(3)のための充填孔(1)及びガス抜き孔(2)である。
【0045】
図1は中空ピラー(3)を示す。中空ピラー(3)は、液体/蒸気分離器(6)に開口した入口(4)及び出口(5)を有する換気ラインを備えており、この液体/蒸気分離器(6)はバッフル、及びバッフルによって止められた液体の重量がある値に達した場合に分離器(6)を空にすることを可能にする傘弁(7)を備える。この換気ラインは、燃料タンクのキャニスター(どちらも図示せず)に接続されることが意図される。
【0046】
図2に示されたピラーの変形例もまた、換気ライン(4、5)及びバッフルを備えた液体/蒸気分離器(6)を含むが、傘弁がROV(反転弁(Roll Over Valve))及び/又はFLVV(給油制限ベント弁(Fill Limit Vent Valve))機能を実行する弁(7)に交換されており、ポンプ吸引(図示せず)に接続しているライン(8)によって、分離器の能動的な排水(すなわち、分離器中の液体の高さ(重量)と無関係に、ポンプが作動するとその直後に能動的に排水すること)を可能にする。
【0047】
図1図2の変形例を「混合」して、例えば、傘隔膜によってではなくROV弁によって排水オリフィスが保護される、受動的な液体/蒸気分離器に関するものとしてもよいことに注目するべきである。
【0048】
実際、図3に示されたピラー変形例は、当業者に公知で、その種の弁の従来の要素を含む、ROV及び/又はFLVV弁の本体を構成する。すなわち、
ROVボール(4)と;
フロート(5)と;
換気管(8)がOリング(7)に開口し、換気オリフィス(9)を介してタンク(図示せず)の内部と連通するOリング(7)を使用して、ピラー(3)の下部に取り付けられた上部(6)と;及び最後に、
特に波発生の場合には、このオリフィス経由で入る液体燃料を防ぐためにオリフィス(9)と相対して位置するピラーの上部(10)とを含む。反転機能(ボール又はスプリング)を提供する他の要素とボール(4)とを取り替えることができることは注目されるべきである。
【0049】
図4に示された変形例はプレフィルター(4)を含み、それを通して燃料供給ポンプ(図示せず)が吸引ライン(5)経由で吸収することができ、したがって、ピラーはポンプの燃料逆流防止機能として作用する。
【符号の説明】
【0050】
1・・・充填孔
2・・・ガス抜き孔
3・・・中空ピラー
6・・・液体/蒸気分離器
図1
図2
図3
図4