(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0015】
(実施の形態1)
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。はじめに、
図1を用いて本発明の実施の形態1にかかる無線通信装置2の構成例について説明する。無線通信装置2は、通信端末1と無線通信を行う。さらに、無線通信装置2は、ネットワーク3を介して外部装置4と接続している。次に、無線通信装置2の構成例について説明する。
【0016】
無線通信装置2は、通信部5、通信部6、設定情報通知部7及びネットワーク通信部8を有している。通信部5は、通信端末1と、第1の設定を用いて通信する。通信部6は、通信端末1と、第1の設定とは異なる第2の設定を用いて通信する。
【0017】
ネットワーク通信部8は、ネットワーク3を介して接続している外部装置4と通信を行う。さらに、設定情報通知部7は、第1の設定を用いて接続する通信端末1に対して、通信部5を介して、第2の設定を通信端末1へ通知する。
【0018】
続いて、
図2を用いて本発明の実施の形態1にかかる無線通信装置20の構成例について説明する。無線通信装置20は、無線LAN通信部21、無線LAN通信部22、無線LAN設定情報通知部23、データ通信制御部25及びネットワーク通信部27を有している。無線LAN通信部21は、
図1の通信部5に相当する。無線LAN通信部22は、
図1の通信部6に相当する。無線LAN設定情報通知部23は、
図1の設定情報通知部7に相当する。また、通信端末30及び通信端末40は、無線LANを用いて無線通信装置20へアクセスする。外部装置10は、ネットワーク11を介して無線通信装置20と接続している。
【0019】
外部装置10は、Webサーバ装置、ストレージ装置等であってもよく、携帯電話もしくはスマートフォン端末等の端末装置であってもよい。ネットワーク11は、インターネット等の公衆通信ネットワークであってもよく、イントラネット等の企業内に閉じたネットワークであってもよい。
【0020】
通信端末30は、無線LAN通信機能を有する端末装置である。例えば、通信端末30は、携帯電話端末、スマートフォン端末、タブレット型通信端末もしくはパーソナルコンピュータ等であってもよい。
【0021】
無線通信装置20を管理するユーザは、セキュリティ対策等により、定期的にもしくは任意のタイミングに無線通信装置20における無線LAN設定を変更する。以下に、無線通信装置20における無線LAN設定が変更されたことを前提として、無線通信装置20が有するそれぞれの構成要素に関して説明を行う。
【0022】
無線LAN通信部21は、無線通信装置20において無線LAN設定が変更される前の無線LAN設定内容を用いて通信端末30と通信を行う。無線LAN通信部21は、複数の無線LAN通信規格に対応した通信部であってもよい。
【0023】
無線LAN通信部22は、無線通信装置20において無線LAN設定が変更された後の無線LAN設定内容を用いて通信端末40と通信を行う。無線LAN通信部22も無線LAN通信部21と同様に、複数の無線LAN通信規格に対応した通信部であってもよい。
【0024】
ネットワーク通信部27は、ネットワーク11を介して外部装置10と通信を行う。ネットワーク通信部27は、ネットワーク11と有線回線を介して接続してもよく、無線回線を介して接続してもよい。
【0025】
無線LAN設定情報通知部23は、通信端末30が、変更前の無線LAN設定内容を用いて無線通信装置20へ接続してきた場合に、無線LAN通信部21を介して、変更後の無線LAN設定内容を通信端末30に通知する。
【0026】
データ通信制御部25は、通信端末40が変更後の無線LAN設定内容を用いて、外部装置10と通信を行うために無線通信装置20へ接続してきた場合に、通信端末40と外部装置10との間において通信されるデータを、無線LAN通信部22及びネットワーク通信部27を用いて中継する。
【0027】
つまり、無線LAN通信部22は、通信端末40から変更後の無線LAN設定内容を用いて接続され、通信端末40から外部装置10を宛先とするデータを受信した場合、受信したデータをデータ通信制御部25へ出力する。データ通信制御部25は、無線LAN通信部22から出力されたデータをネットワーク通信部27へ出力する。また、ネットワーク通信部27は、通信端末40を宛先とするデータを外部装置10から受信した場合、受信したデータをデータ通信制御部25へ出力する。データ通信制御部25は、ネットワーク通信部27から出力されたデータを無線LAN通信部22へ出力する。
【0028】
以上説明したように、本発明の実施の形態1にかかる無線通信装置20は、無線LAN通信部21及び無線LAN通信部22を用いて、変更前の無線LAN設定を用いた通信と、変更後の無線LAN設定を用いた通信とを行うことができる。これより、無線LANの設定を変更した後に、変更前の無線LAN設定を用いて接続を行ってきた通信端末30と通信を行うために、無線LANの設定を元に戻す必要はない。そのため、変更後の無線LAN設定を用いた通信を中断することなく、変更前の無線LAN設定を用いて接続を行ってきた通信端末30へ、変更後の無線LAN設定内容を通知することができる。
【0029】
(実施の形態2)
続いて、
図3を用いて本発明の実施の形態2にかかる無線通信装置20の構成例について説明する。ここでは、無線通信装置20を、無線LAN通信を行う際に用いられるアクセスポイントとして説明する。また、以下の記載において、無線LANとの用語をWLANと記載することもあるが、無線LANとWLANとは同じである。
【0030】
図3の無線通信装置20は、無線LAN通信部21、無線LAN通信部22、無線LAN設定情報通知部23、WLAN接続先管理部24、データ通信制御部25、ユーザ設定I/F26及びネットワーク通信部27を有している。
【0031】
無線LAN通信部21は、WLAN接続制御部211及びWLAN設定管理部212を有している。ここでは、無線LAN通信部21は、ユーザ等により無線LAN設定が変更される前の無線LAN設定(以下、旧WLAN設定と称する)を用いて、子機と接続し、通信を行う。無線LAN通信部21は、標準規格であるWiFi(Wireless Fidelity)に規定されているSSID及び暗号化設定等を用いて子機と通信を行う。子機は、WLAN通信を用いてアクセスポイントと接続する通信端末である。例えば子機は、
図2における通信端末30もしくは通信端末40に相当する。
【0032】
WLAN設定管理部212は、旧WLAN設定情報を保持している。旧WLAN設定情報は、例えば、変更前のSSIDもしくは変更前の暗号キー情報等であってもよい。
【0033】
WLAN接続制御部211は、WLAN設定管理部212に格納されている旧WLAN設定情報に従い、子機と接続する。WLAN接続制御部211は、子機が接続されると、子機が接続されたことをWLAN接続先管理部24へ通知する。さらに、WLAN接続制御部211は、子機から送信された通信データを無線LAN設定情報通知部23の新WLAN設定情報受信応答検知部232へ出力する。
【0034】
無線LAN通信部22は、WLAN接続制御部221及びWLAN設定管理部222を有している。ここでは、無線LAN通信部22は、ユーザ等により無線LAN設定が変更された後の無線LAN設定(以下、新WLAN設定と称する)を用いて、子機と接続し、通信を行う。
【0035】
WLAN設定管理部222は、新WLAN設定情報を保持している。新WLAN設定情報は、旧WLAN設定情報と同様に、変更後のSSIDもしくは変更後の暗号キー情報等であってもよい。
【0036】
WLAN接続制御部221は、WLAN設定管理部222に格納されている新WLAN設定情報に従い、子機と接続する。WLAN接続制御部221は、子機から送信された通信データをデータ通信制御部25へ出力する。
【0037】
無線LAN設定情報通知部23は、新WLAN設定情報データ生成部231、新WLAN設定情報受信応答検知部232及び子機切断タイマ233を有している。
【0038】
新WLAN設定情報データ生成部231は、WLAN接続先管理部24から出力された新WLAN設定情報を受け取ると、受け取った新WLAN設定情報を子機へ送信するために用いるデータフォーマットへ変換し、新WLAN設定情報データを生成する。新WLAN設定情報データ生成部231は、生成した新WLAN設定情報データを、WLAN接続制御部211を介して子機へ送信する。新WLAN設定情報データ生成部231は、新WLAN設定情報データを子機へ送信するために、新WLAN設定情報データをWLAN接続制御部211へ出力するとともに、子機切断タイマ233へ新WLAN設定情報データを出力したことを通知する。
【0039】
新WLAN設定情報受信応答検知部232は、WLAN接続制御部211から出力された通信データを受け取ると、通信データを解析する。新WLAN設定情報受信応答検知部232は、通信データを解析した結果、通信データが、新WLAN設定情報データ生成部231から送信された新WLAN設定情報データに対する応答データであった場合、応答データを受け取った旨の情報を子機切断タイマ233へ通知する。
【0040】
新WLAN設定情報受信応答検知部232は、通信データを解析した結果、通信データが、新WLAN設定情報データ生成部231から送信された新WLAN設定情報データに対する応答データではなかった場合、通信データを破棄する。
【0041】
子機切断タイマ233は、新WLAN設定情報データ生成部231から、新WLAN設定情報データを出力したことを通知された場合、タイマのカウントを開始する。また、子機切断タイマ233は、新WLAN設定情報受信応答検知部232から、新WLAN設定情報データに対する応答データを受け取った旨の情報を通知された場合、タイマのカウントを終了する。
【0042】
子機切断タイマ233は、予め定められた時間が経過しても、新WLAN設定情報受信応答検知部232から応答データを受け取った旨の情報を通知されない場合、WLAN接続制御部211へ、子機との接続を解除もしくは切断することを指示するメッセージを出力する。WLAN接続制御部211は、子機との接続を解除もしくは切断することを指示するメッセージを受け取ると、子機との接続を解除もしくは切断する。
【0043】
WLAN接続先管理部24は、ユーザ設定I/F26を介して新WLAN設定情報が入力されると、入力された新WLAN設定情報をWLAN設定管理部222及びデータ通信制御部25へ出力する。さらに、WLAN接続先管理部24は、WLAN接続制御部211から子機が接続されたことを通知されると、新WLAN設定情報を新WLAN設定情報データ生成部231へ出力する。これにより、旧WLAN設定情報を用いて無線通信装置20へ接続した子機に対して、新WLAN設定情報を通知することができる。
【0044】
ユーザ設定I/F26は、例えば、インターネットブラウザ等の一般的なユーザインタフェースであってもよい。ユーザ設定I/F26は、ユーザから新WLAN設定情報が入力されると、入力された新WLAN設定情報をWLAN接続先管理部24へ出力する。
【0045】
データ通信制御部25は、WLAN接続先管理部24から新WLAN設定情報が通知されると、WLAN接続制御部221とネットワーク通信部27との間の通信を中継する。つまり、データ通信制御部25は、WLAN接続先管理部24から新WLAN設定情報が通知されると、WLAN接続制御部221とネットワーク通信部27との間の通信を許可する。
【0046】
データ通信制御部25は、WLAN接続制御部221から外部装置10を宛先とするデータを受け取った場合、受け取ったデータをネットワーク通信部27へ出力する。さらに、データ通信制御部25は、ネットワーク通信部27から新WLAN設定情報を用いて接続している子機を宛先とするデータを受け取った場合、受け取ったデータをWLAN接続制御部221へ出力する。
【0047】
ネットワーク通信部27は、ネットワーク11と接続する。ネットワーク通信部27は、ネットワーク11を介して外部装置10と通信を行う。
【0048】
続いて、
図4を用いて本発明の実施の形態2にかかる子機の構成例について説明する。子機は、通信端末30もしくは通信端末40に相当する。子機は、親機である無線通信装置20を介してネットワーク通信を行う装置である。
【0049】
子機は、WLAN制御部31、WLAN設定情報処理部32及び通常通信データ処理部33を有している。WLAN制御部31は、標準規格であるWiFi(Wireless Fidelity)に規定されているSSID及び暗号化設定等を用いて無線通信装置20と通信を行う。WLAN制御部31は、WLAN接続制御部311及びWLAN設定管理部312を有している。
【0050】
WLAN設定管理部312は、WLAN設定情報を保持している。WLAN設定管理部312は、WLAN設定情報設定部323から新WLAN設定情報を受け取ると、保持しているWLAN設定情報を新WLAN設定情報へ更新する。
【0051】
WLAN接続制御部311は、WLAN設定管理部312が保持するWLAN設定情報に従い、無線通信装置20と接続を行う。また、WLAN接続制御部311は、無線通信装置20から送信された通信データを受信すると、受信した通信データをWLAN設定情報検知部321へ出力する。
【0052】
さらに、WLAN接続制御部311は、WLAN設定情報検知部321から新WLAN設定情報に対する応答情報を含む新WLAN設定情報受信応答データを受け取ると、新WLAN設定情報受信応答データを無線通信装置20へ送信する。さらに、WLAN接続制御部311は、通常通信データ処理部33から通信データを受け取ると、通信データを無線通信装置20へ送信する。
【0053】
次に、WLAN設定情報処理部32の構成について説明する。WLAN設定情報処理部32は、WLAN設定情報検知部321、WLAN設定情報受信応答データ生成部322及びWLAN設定情報設定部323を有している。
【0054】
WLAN設定情報検知部321は、WLAN接続制御部311から出力された通信データを受け取ると、通信データを解析する。WLAN設定情報検知部321は、通信データが新WLAN設定情報を含んでいない場合、通信データを通常通信データ処理部33へ出力する。WLAN設定情報検知部321は、WLAN接続制御部311から出力された通信データが新WLAN設定情報を含んでいる場合、新WLAN設定情報をWLAN設定情報設定部323へ出力するとともに、新WLAN設定情報を受信した旨の情報をWLAN設定情報受信応答データ生成部322へ通知する。
【0055】
WLAN設定情報受信応答データ生成部322は、WLAN設定情報検知部321から新WLAN設定情報を受信した旨の情報を受け取ると、新WLAN設定情報受信応答データを生成する。さらに、WLAN設定情報受信応答データ生成部322は、生成したWLAN設定情報受信応答データをWLAN接続制御部311を介して無線通信装置20へ送信する。
【0056】
WLAN設定情報設定部323は、WLAN設定情報検知部321から新WLAN設定情報を受け取ると、WLAN設定管理部312へ新WLAN設定情報を出力する。つまり、WLAN設定情報設定部323は、WLAN設定管理部312へ新WLAN設定情報を出力し、WLAN設定管理部312を更新する。
【0057】
通常通信データ処理部33は、WLAN設定情報検知部321から通信データを受け取ると、一般的な通信データ処理を行う。通常通信データ処理部33は、通信データを無線通信装置20へ送信する場合、WLAN接続制御部311へ通信データを出力する。
【0058】
続いて、
図5を用いて本発明の実施の形態2にかかる無線通信装置20における新WLAN設定情報の通知処理の流れについて説明する。はじめに、WLAN接続先管理部24は、WLAN接続制御部211が旧WLAN設定情報を用いて子機と接続しているか否かを判定する(S41)。
【0059】
例えば、WLAN接続先管理部24は、WLAN接続制御部211から子機と接続したことを示す情報を受け取っている場合、WLAN接続制御部211が旧WLAN設定情報を用いて子機と接続していると判定してもよい。もしくは、WLAN接続先管理部24は、WLAN接続制御部211に対して、子機と接続しているか否かを問い合わせるメッセージを出力し、その応答信号に従って、WLAN接続制御部211が旧WLAN設定情報を用いて子機と接続しているか否かを判定してもよい。
【0060】
ステップS41において、WLAN接続先管理部24においてWLAN接続制御部211が旧WLAN設定情報を用いて子機と接続していると判定された場合、新WLAN設定情報データ生成部231は、WLAN接続先管理部24から新WLAN設定情報を受け取り、WLAN接続制御部211へ新WLAN設定情報データを出力する(S42)。ステップS41において、WLAN接続先管理部24においてWLAN接続制御部211が旧WLAN設定情報を用いて子機と接続していないと判定された場合、ステップS41の処理を繰り返す。
【0061】
次に、子機切断タイマ233は、新WLAN設定情報データ生成部231が新WLAN設定情報データをWLAN接続制御部211へ通知したことに伴い、子機切断タイマのカウントを開始する(S43)。
【0062】
次に、子機切断タイマ233は、子機切断タイマが予め定められた時間を経過しているか否かを判定する(S44)。子機切断タイマ233は、子機切断タイマが予め定められた時間を経過していると判定した場合、つまり、タイムアウトしていると判定した場合、旧WLAN設定を用いて接続している子機との間の接続を切断する(S47)。WLAN接続制御部211と子機との間の接続が切断された後は、ステップS41の処理を繰り返す。
【0063】
ステップS44において、子機切断タイマ233は、タイムアウトしていないと判定した場合、子機から新WLAN設定情報受信応答データを受信したか否かを判定する(S45)。子機切断タイマ233は、子機から新WLAN設定情報受信応答データを受信していないと判定した場合、ステップS44の処理を繰り返す。子機切断タイマ233は、子機から新WLAN設定情報受信応答データを受信していると判定した場合、子機切断タイマのカウントを終了する(S46)。子機切断タイマのカウントが終了された後は、ステップS41の処理を繰り返す。
【0064】
続いて、
図6を用いて本発明の実施の形態2にかかる子機が旧WLAN設定接続から新WLAN設定接続へ切り替える処理の流れについて説明する。
【0065】
はじめに、子機のWLAN接続制御部311は、無線通信装置20と旧WLAN設定情報を用いて接続している状態とする(S51)。次に、WLAN設定情報検知部321は、新WLAN設定情報を含む通信データを受信したか否かを判定する(S52)。WLAN設定情報検知部321は、新WLAN設定情報を含む通信データを受信していないと判定した場合、ステップS52の処理を繰り返す。WLAN設定情報検知部321において、新WLAN設定情報を含む通信データを受信していると判定された場合、WLAN接続制御部311は、WLAN設定情報受信応答データ生成部322において生成された新WLAN設定情報受信応答データを無線通信装置20へ送信する(S53)。
【0066】
次に、WLAN設定情報設定部323は、WLAN設定管理部312に新WLAN設定情報を設定する(S54)。次に、WLAN接続制御部311は、WLAN設定管理部312から新WLAN設定情報への更新が通知されると、無線通信装置20との間における旧WLAN設定情報を用いた接続を切断する(S55)。
【0067】
次に、WLAN接続制御部311は、WLAN設定管理部312に保持されている新WLAN設定情報を用いて無線通信装置20と接続する(S56)。
【0068】
続いて、
図7を用いて本発明の実施の形態2にかかる子機と無線通信装置20との間の接続及び切断処理の流れについて説明する。
【0069】
はじめに、子機は、旧WLAN設定情報を用いて、無線LAN通信部21に接続する(S60)。次に、無線LAN通信部21のWLAN接続制御部211は、新WLAN設定情報を子機へ通知するために、新WLAN設定情報データ通知メッセージを送信する(S61)。次に、子機は、新WLAN設定情報データを受信したことを示す、新WLAN設定情報受信応答データ通知メッセージを無線LAN通信部21へ送信する(S62)。
【0070】
次に、子機のWLAN設定情報設定部323は、WLAN設定管理部312に新WLAN設定情報を設定する(S63)。次に、子機のWLAN接続制御部311は、旧WLAN設定情報を用いた無線LAN通信部21との間の接続を切断するために、無線LAN通信部21へ切断メッセージを送信する(S64)。次に、WLAN接続制御部311は、WLAN設定管理部312に保存されている新WLAN設定情報を用いて、無線LAN通信部22に接続するために、無線LAN通信部22へ接続メッセージを送信する(S65)。
【0071】
続いて、
図8を用いて、WLAN設定情報を複数回変更する場合における、WLAN設定管理部212及びWLAN設定管理部222の保持データについて説明する。本図は、旧WLAN設定情報A、旧WLAN設定情報B、旧WLAN設定情報C、新WLAN設定情報の順番にWLAN設定情報が更新したことを示している。現状は、WLAN設定管理部212が旧WLAN設定情報Cを有しており、WLAN設定管理部222が新WLAN設定情報を有していることを示している。
【0072】
WLAN接続先管理部24は、新しいWLAN設定情報が設定されるたびに、無線LAN設定情報通知部23及びデータ通信制御部25の接続先を、無線LAN通信部21及び無線LAN通信部22との間において切り替える。例えば、新たに旧WLAN設定情報Cが設定された際に、WLAN接続先管理部24は、無線LAN通信部21に接続していた無線LAN設定情報通知部23を無線LAN通信部22に接続するように切り替える。さらに、WLAN接続先管理部24は、無線LAN通信部22に接続していたデータ通信制御部25を無線LAN通信部21へ接続するように切り替える。
【0073】
この時、旧WLAN設定情報Bを用いて接続する子機41は、無線通信装置20に接続することができない。子機41のように、自律的にWLAN設定情報を更新することができない端末は、実施の形態3において説明するように、手動でWLAN設定情報を更新する必要がある。旧WLAN設定情報Cを用いて接続する子機42は、無線LAN通信部21に接続し、新WLAN設定情報を取得する。既に新WLAN設定情報を有する子機43は、無線LAN通信部22に接続し、外部装置等と通信を行う。
【0074】
以上説明したように、本発明の実施の形態2にかかる通信システムを用いることにより、子機は、無線通信装置20から新WLAN設定情報を受け取ると、自律的に新WLAN設定情報を設定するように設定を変更することができる。これにより、子機を所持するユーザは、無線通信装置20の設定が変更したことによる子機の設定変更作業が不要になるため、ユーザの負担が軽減される。
【0075】
さらに、無線通信装置20は、暗号化されている旧WLAN設定上の通信経路を介して新WLAN設定情報を子機へ送信する。そのため、新WLAN設定情報が第三者へ漏えいすることを防止することができる。
【0076】
さらに、無線通信装置20は、新WLAN設定情報を設定した無線LAN通信部22と接続した子機にのみ、インターネット等を介した外部装置との通信を許可するように構成されている。つまり、旧WLAN設定情報を用いて、インターネット等を介した外部装置の通信を禁止することによって、セキュリティを強化している。
【0077】
さらに、無線通信装置20は、マルチSSIDと称される機能を使用することによって、旧WLAN設定及び新WLAN設定の両方の接続を併存させることができる。そのため、旧WLAN設定から新WLAN設定、もしくは、新WLAN設定から旧WLAN設定へ切り替えている最中のデータ通信の中断等を防止することができる。
【0078】
(実施の形態3)
続いて、
図9を用いて、自律的に新WLAN設定情報を設定する処理を実行することができない子機と無線通信装置20との間の接続及び切断処理の流れについて説明する。
【0079】
はじめに、子機は、旧WLAN設定情報を用いて、無線LAN通信部21に接続する(S70)。次に、無線LAN通信部21のWLAN接続制御部211は、新WLAN設定情報を子機へ通知するために、新WLAN設定情報データ通知メッセージを送信する(S71)。ここで、子機は、自律的に新WLAN設定情報を設定する処理を実行せず、さらに、無線通信装置20に対して、新WLAN設定情報受信応答メッセージを送信することもない。そのため、無線LAN通信部21は、子機切断タイマ233が満了(タイムアウト)したことを検出する(S72)。
【0080】
次に、無線LAN通信部21は、子機切断タイマ233が満了したことを検出すると、子機との接続を切断する(S73)。ここで、子機は、無線通信装置20との間の接続が切断されたことを、ディスプレイ等に表示してもよい。これによって、子機を保持するユーザにおける、新WLAN設定情報の手動設定を促すことができる。子機を保持するユーザによって新WLAN設定情報の手動設定が実行されると(S74)、WLAN接続制御部311は、WLAN設定管理部312に保存されている新WLAN設定情報を用いて、無線LAN通信部22に接続するために、無線LAN通信部22へ接続メッセージを送信する(S75)。
【0081】
以上説明したように、自律的に新WLAN設定情報を設定する処理を実行することができない子機を用いた場合においても、子機切断タイマ233を用いて、無線通信装置20側から子機との間の接続を切断することができる。これによって、子機を保持するユーザに対して、手動により新WLAN設定情報を設定することを促すことができる。
【0082】
(実施の形態4)
続いて、
図10を用いて本発明の実施の形態4にかかる無線通信装置20の構成例について説明する。本図の無線通信装置20は、
図3の無線通信装置20に、新WLAN設定情報自動生成部28を追加した構成となっている。新WLAN設定情報自動生成部28は、事前に設定した周期において、定期的に新WLAN設定情報を生成する。新WLAN設定情報自動生成部28は、生成した新WLAN設定情報をWLAN接続先管理部24へ出力する。新WLAN設定情報自動生成部28は、新WLAN設定情報を生成する際に、SSID及び暗号キー等を、任意の値に設定してもよい。もしくは、新WLAN設定情報自動生成部28は、ユーザ等により事前に作成されたWLAN設定リスト等を用いて、新WLAN設定情報を生成してもよい。
【0083】
以上説明したように、本発明の実施の形態4にかかる無線通信装置20を用いることによって、無線通信装置20を管理するユーザが、定期的にWLAN設定情報を変更する操作を行う必要がなく、ユーザの負担が軽減する。また、定期的にWLAN設定情報が変更されるため、同一のWLAN設定情報を使用し続けるセキュリティリスクを回避することができる。
【0084】
(実施の形態5)
続いて、
図11を用いて本発明の実施の形態5にかかる無線通信装置20の構成例について説明する。
図11の無線通信装置20は、
図10の無線通信装置20に、子機識別部234を追加した構成となっている。無線通信装置20は、子機識別部234を備えることによって、ユーザの指定した任意の子機(以下、登録子機と称する)に対してのみ新WLAN設定情報データを送信するように動作する。
【0085】
子機識別部234は、ユーザ設定I/F26を介して入力された登録子機の識別情報を取得する。識別情報は、例えば、MACアドレス等のアドレス情報が用いられてもよい。
【0086】
ここで、WLAN接続先管理部24は、子機がWLAN接続制御部211に接続されると、新WLAN設定情報データ生成部231へ新WLAN設定情報を出力する。また、WLAN接続先管理部24は、新WLAN設定情報とともに、接続してきた子機の識別情報も新WLAN設定情報データ生成部231へ出力する。新WLAN設定情報データ生成部231は、新WLAN設定情報と、接続してきた子機の識別情報を取得すると、子機識別部234に登録子機に関する問い合わせを行う。具体的には、子機識別部234は、登録子機の識別情報を取得する。
【0087】
新WLAN設定情報データ生成部231は、接続してきた子機の識別情報と、登録子機の識別情報とが一致した場合、新WLAN設定情報データを生成し、WLAN接続制御部211へ出力する。
【0088】
また、新WLAN設定情報データ生成部231は、接続してきた子機の識別情報と、登録子機の識別情報とが一致しない場合、WLAN接続制御部211へ新WLAN設定情報データを出力しない。もしくは、新WLAN設定情報データ生成部231は、新WLAN設定情報データを生成しなくてもよい。この場合、子機は、新WLAN設定情報データを受信することができないため、新WLAN設定情報受信応答データを無線通信装置20へ送信しない。そのため、無線通信装置20は、子機切断タイマ233を用いてタイムアウトを検出すると、接続してきた子機との接続を切断する。
【0089】
以上説明したように、新WLAN設定情報データを送信する子機を予め登録することによって、セキュリティを向上させることができる。
【0090】
上述の実施の形態では、本発明をハードウェアの構成として説明したが、本発明は、これに限定されるものではない。本発明は、無線通信装置における
図5の処理を、CPU(Central Processing Unit)にコンピュータプログラムを実行させることにより実現することも可能である。)
【0091】
上述の例において、プログラムは、様々なタイプの非一時的なコンピュータ可読媒体(non-transitory computer readable medium)を用いて格納され、コンピュータに供給することができる。非一時的なコンピュータ可読媒体は、様々なタイプの実体のある記録媒体(tangible storage medium)を含む。非一時的なコンピュータ可読媒体の例は、磁気記録媒体(例えばフレキシブルディスク、磁気テープ、ハードディスクドライブ)、光磁気記録媒体(例えば光磁気ディスク)、CD−ROM(Read Only Memory)、CD−R、CD−R/W、半導体メモリ(例えば、マスクROM、PROM(Programmable ROM)、EPROM(Erasable PROM)、フラッシュROM、RAM(Random Access Memory))を含む。また、プログラムは、様々なタイプの一時的なコンピュータ可読媒体(transitory computer readable medium)によってコンピュータに供給されてもよい。一時的なコンピュータ可読媒体の例は、電気信号、光信号、及び電磁波を含む。一時的なコンピュータ可読媒体は、電線及び光ファイバ等の有線通信路、又は無線通信路を介して、プログラムをコンピュータに供給できる。
【0092】
なお、本発明は上記実施の形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。
【0093】
(付記1)第1の設定を用いて通信する第1の通信部と、第2の設定を用いて通信する第2の通信部と、ネットワークを介して接続している外部装置と通信を行うネットワーク通信部と、前記第1の設定を用いて接続する第1の通信端末に対して、前記第1の通信部を介して、前記第2の設定を通知する設定情報通知部と、を備える無線通信装置。
(付記2)無線LAN設定を変更する変更手段をさらに備え、前記変更手段は、変更前の設定である、前記第1の設定から、変更後の設定である、前記第2の設定に変更する、付記1に記載の無線通信装置。
(付記3)前記第1の通信部は、前記第1の通信端末へ前記変更後の無線LAN設定内容を通知した後に、前記第1の通信端末から前記無線LAN設定内容の通知に対する応答メッセージとは異なるメッセージを受信した場合、受信したメッセージを破棄する、付記2に記載の無線通信装置。
(付記4)前記第1の通信部は、前記第1の通信端末へ前記変更後の無線LAN設定内容を通知してから所定時間内に前記応答メッセージを受信しない場合、前記第1の通信端末と前記第1の無線LAN通信部との間の接続を解除する、付記2又は3に記載の無線通信装置。
(付記5)前記変更後の無線LAN設定内容の入力を受け付けるデータ入力部をさらに備え、前記第2の通信部は、前記データ入力部を介して入力された前記変更後の無線LAN設定内容を用いて通信する、付記2乃至4のいずれか1項に記載の無線通信装置。
(付記6)
前記データ入力部は、
ユーザから入力される前記無線LAN設定内容を受け付けるか、もしくは、定期的に生成される前記無線LAN設定内容を受け付ける、付記5に記載の無線通信装置。
(付記7)前記第1の通信部及び前記第2の通信部は、異なるSSIDを有する、付記1乃至6のいずれか1項に記載の無線通信装置。
(付記8)無線通信装置において無線LAN設定内容が変更された場合に、変更前の無線LAN設定内容を用いて設定された通信経路を介して、変更後の無線LAN設定内容を受信し、前記変更後の無線LAN設定内容を受信した後に前記無線通信装置へ応答信号を送信する通信部と、前記変更後の無線LAN設定内容を受信すると、受信した前記変更後の無線LAN設定内容を設定する情報設定部と、を備える通信端末。
(付記9)変更前の無線LAN設定内容を用いて接続してきた第1の通信端末に対して、変更前の無線LAN設定内容を用いて通信する第1の無線LAN通信部を介して、変更後の無線LAN設定内容を通知し、変更後の無線LAN設定内容を用いて接続してきた第2の通信端末と外部装置との間において通信されるデータを、変更後の無線LAN設定内容を用いて通信する第2の無線LAN通信部及びネットワークを介して接続している外部装置と通信を行うネットワーク通信部を用いて中継する通信制御方法。
(付記10)無線通信装置において無線LAN設定内容が変更された場合に、変更前の無線LAN設定内容を用いて設定された通信経路を介して、変更後の無線LAN設定内容を受信し、前記変更後の無線LAN設定内容を受信すると、自律的に受信した前記変更後の無線LAN設定内容を設定し、前記変更後の無線LAN設定内容を設定した後に前記無線通信装置へ応答信号を送信する設定変更方法。
(付記11)変更前の無線LAN設定内容を用いて接続してきた第1の通信端末に対して、変更前の無線LAN設定内容を用いて通信する第1の無線LAN通信部を介して、変更後の無線LAN設定内容を通知し、
変更後の無線LAN設定内容を用いて接続してきた第2の通信端末と外部装置との間において通信されるデータを、変更後の無線LAN設定内容を用いて通信する第2の無線LAN通信部及びネットワークを介して接続している外部装置と通信を行うネットワーク通信部を用いて中継することをコンピュータに実行させるプログラム。