特許第6049087号(P6049087)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6049087
(24)【登録日】2016年12月2日
(45)【発行日】2016年12月21日
(54)【発明の名称】天然起源のエピクロロヒドリンの誘導体
(51)【国際特許分類】
   C07D 493/04 20060101AFI20161212BHJP
   C09D 163/00 20060101ALI20161212BHJP
   C08G 59/02 20060101ALI20161212BHJP
【FI】
   C07D493/04 101D
   C09D163/00
   C08G59/02
【請求項の数】15
【全頁数】22
(21)【出願番号】特願2013-530693(P2013-530693)
(86)(22)【出願日】2011年9月26日
(65)【公表番号】特表2013-541531(P2013-541531A)
(43)【公表日】2013年11月14日
(86)【国際出願番号】EP2011066689
(87)【国際公開番号】WO2012041816
(87)【国際公開日】20120405
【審査請求日】2014年8月11日
(31)【優先権主張番号】10183593.2
(32)【優先日】2010年9月30日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】591001248
【氏名又は名称】ソルヴェイ(ソシエテ アノニム)
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】パトリック・ギルボー
【審査官】 伊藤 佑一
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2008/147473(WO,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2007/0112224(US,A1)
【文献】 特開2007−314549(JP,A)
【文献】 W. Giger, et al,Nuclear Instruments and Methods in Physics Research,1984年,p. 394-397
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07D
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
50g/当量以上15000g/当量以下のエポキシド当量を示すグリシジルエーテルから、グリシジルエステルから、グリシジルアミドから、グリシジルイミドから、グリシジルアミンから、およびそれらの任意の混合物からなる群から選択される天然起源のエピクロロヒドリンの誘導体であって、14C/12C比を0.7×10−12より大きいものとする14C質量含有率を有する、天然起源の誘導体。
【請求項2】
グリシジルエーテルからなる群から選択される請求項1に記載の天然起源の誘導体。
【請求項3】
前記グリシジルエーテルが、次の特性:
・ 0.008以上1.0以下の誘導体の100g当たりの当量単位でのエポキシ価、
・ 50mPa・s以上50000以下の25℃での動粘度、
・ 0.01%以上2.2%以下の加水分解性塩化物の含有率
の少なくとも1つをさらに示す請求項2に記載の天然起源の誘導体。
【請求項4】
前記グリシジルエーテルが、0.008以上1.0以下の誘導体の100g当たりの当量単位でのエポキシ価を示す請求項3に記載の天然起源の誘導体。
【請求項5】
前記グリシジルエーテルが50mPa・s以上50000以下の25℃での動的粘度を示す請求項3または4に記載の天然起源の誘導体。
【請求項6】
前記グリシジルエーテルが0.01%以上2.2%以下の加水分解性塩化物の含有率を示す請求項3〜5のいずれか一項に記載の天然起源の誘導体。
【請求項7】
前記グリシジルエーテルがポリグリシジルエーテルである請求項1〜6のいずれか一項に記載の天然起源の誘導体。
【請求項8】
前記ポリグリシジルエーテルがポリグリシジルエーテルポリマーである請求項7に記載の天然起源の誘導体。
【請求項9】
前記14C質量含有率が、14C/12C比が1.2×10−12に等しいものである、請求項1〜8のいずれか一項に記載の天然起源の誘導体。
【請求項10】
天然起源のエピクロロヒドリンを、少なくとも1個の活性水素原子を含む少なくとも1つの化合物(前記化合物の少なくとも一部は再生可能な原材料から得られたものである)と反応させる工程を含む、請求項1〜9のいずれか一項に規定される天然起源の誘導体の製造における、天然起源のエピクロロヒドリンの使用。
【請求項11】
前記エピクロロヒドリンの14C/12C比および前記化合物の14C/12C比が、
[Xepi14C/12C)epi+Xcpd14C/12C)cpd]>0.7×10−12
[式中、
epiは、前記天然起源の誘導体中の天然起源のエピクロロヒドリンからのC原子の分率であり、
cpdは、前記天然起源の誘導体中の前記化合物からのC原子の分率であり、
14C/12C)epiは、前記エピクロロヒドリン中の炭素14対炭素12同位元素比であり、
14C/12C)cpdは、前記化合物中の炭素14対炭素12同位元素比である]
である、
請求項10に記載の使用。
【請求項12】
前記化合物がイソソルビドである請求項10または11に記載の使用。
【請求項13】
天然起源のエピクロロヒドリンを、少なくとも1個の活性水素原子を含む少なくとも1つの化合物(前記化合物の少なくとも一部は再生可能な原材料から得られたものである)と反応させる工程を含む請求項1〜9のいずれか一項に記載の天然起源の誘導体の製造方法であって、前記エピクロロヒドリンの14C/12C比および前記化合物の14C/12C比が、
[Xepi14C/12C)epi+Xcpd14C/12C)cpd]>0.7×10−12
[式中、
epiは、前記天然起源の誘導体中の天然起源のエピクロロヒドリンからのC原子の分率であり、
cpdは、前記天然起源の誘導体中の前記化合物からのC原子の分率であり、
14C/12C)epiは、前記エピクロロヒドリン中の炭素14対炭素12同位元素比であり、
14C/12C)cpdは、前記化合物中の炭素14対炭素12同位元素比である]
である、方法。
【請求項14】
次の特徴:
・ 前記(14C/12C)epiが0.2×10−12以上である、
・ 前記(14C/12C)cpdが0.2×10−12以上である
の少なくとも1つを示す請求項13に記載の方法。
【請求項15】
コーティングおよび/または複合材料の製造における請求項1〜9のいずれか一項に記載の天然起源の誘導体の使用であって、
前記コーティングが、海洋および工業メンテナンス、金属容器、コイルコーティング、自動車コーティング、またはインクおよびレジストの分野において使用されるか、または、
前記複合材料が、構造用複合材料、土木工学、床仕上げ、建造、電気用積層板、電気および電子用途、トランスファー成形、接着剤、エネルギー生産、または工具製作の分野において使用される、使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、その内容があらゆる目的のために参照により本明細書に援用される、2010年9月30日出願の欧州特許出願第10183593.2号明細書の優先権を主張するものである。
【0002】
参照により本明細書に援用される特許、特許出願、および刊行物のいずれもの開示が、それが用語を不明確にし得る程度に本出願の記載と矛盾する場合、本発明の記載が優先するものとする。
【0003】
本発明は、エピクロロヒドリンの誘導体、そのような誘導体を製造するためのエピクロロヒドリンの使用、そのような誘導体の製造方法、およびそのような誘導体の使用に関する。本発明はより具体的には、天然起源のエピクロロヒドリンの誘導体、そのような誘導体を製造するための天然起源のエピクロロヒドリンの使用、そのような誘導体の製造方法、およびそのような誘導体の使用に関する。
【背景技術】
【0004】
エポキシ樹脂は、エピクロロヒドリンの重要な部類の誘導体である。今日、エポキシ樹脂の世界生産のほぼ90%が、ビスフェノールA(2,2−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)プロパン)とエピクロロヒドリンとの間の反応に基づいている。健康問題が最近提起されており、それは経時的ポリマー崩壊のためにエポキシ樹脂由来物品中に放出される可能性があるビスフェノールAのエストロゲン特性に関連している。
【0005】
国際出願(特許文献1)は、イソソルビドをエピクロロヒドリンと反応させることによる、ビスフェノールAジグリシジルエーテル(DGEBA)の代替品としてのイソソルビドジグリシジルエーテルの製造方法を開示している。しかし、そのような化合物および誘導生成物は、それらを特定の用途において不適当なものにし得る不純物を含有する可能性がある。それらの不純物は、最終製品に残り、品質の悪化を伴い最終製品の特性を低下させる場合もある。それらは、最終製品が食品および飲料と接触することを意図するときに特に安全性の問題を引き起こす、ある毒性を示す化合物を表し得るかまたはその化合物に分解し得る。さらに、それらは、たとえば廃水などの工業プロセス水中に蓄積し、プロセス水を汚染し得る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】国際公開第2008/147473号パンフレット
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、すべての既知の用途に好適なエピクロロヒドリンの新規誘導体を提供することによってそれらの問題を解決することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
したがって本発明は第1実施形態において、50g/当量以上15000g/当量以下のエポキシド当量を示すグリシジルエーテル類から、グリシジルエステル類から、グリシジルアミド類から、グリシジルイミド類から、グリシジルアミン類から、およびそれらの任意の混合物からなる群から選択され、14C質量含有率が、14C/12C比が0.70×10−12より大きいものである、天然起源のエピクロロヒドリンの誘導体に関する。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の本質的な特性の1つは14C/12C比にある。そのような比が得られるとき、有害な不純物の量は、誘導体において、誘導体を製造するためのプロセスの流れにおいて、およびそのような誘導体から得ることができる最終物品において低減することができる。
【0010】
天然起源のエピクロロヒドリンとは、その少なくとも10%が再生可能な原材料から得られた、好ましくはその少なくとも50%が再生可能な原材料から得られた、より好ましくはその少なくとも75%が再生可能な原材料から得られた、さらにより好ましくはその少なくとも90%が再生可能な原材料から得られた、その上より好ましくはその少なくとも95%が再生可能な原材料から得られた、最も好ましくはその少なくとも99%が再生可能な原材料から得られたエピクロロヒドリンを意味することを意図される。その多くとも99.99%が再生可能な原材料から得られたエピクロロヒドリンもまた好適である。再生可能な原材料だけから得られたエピクロロヒドリンが特に都合が良い。
【0011】
再生可能な原材料から得られたエピクロロヒドリンとは、そのようなエピクロロヒドリンを製造するために使用される方法および出発原料がどんなものであれ、その炭素骨格の少なくとも一部が、好ましくは炭素骨格がすべて再生可能な原材料に由来するエピクロロヒドリンを意味することを意図される。
【0012】
本発明による天然起源のエピクロロヒドリンの誘導体は、50g/当量以上15000g/当量以下のエポキシド当量を示すグリシジルエーテル類から、グリシジルエステル類から、グリシジルアミド類から、グリシジルイミド類から、グリシジルアミン類から、およびそれらの任意の混合物からなる群から選択される。
【0013】
天然起源のエピクロロヒドリンの誘導体は、グリシジルエステル、グリシジルエーテル、グリシジルアミド、グリシジルアミン、グリシジルイミド、それらの任意の混合物およびそれらの任意の組み合わせからなる群から選択することができる。グリシジルエステルは、モノエステルまたはポリエステル、多くの場合ジエステルであることができる。グリシジルエステルは、モノマー、ポリマー、およびそれらの任意の混合物からなる群から選択することができる。グリシジルエステルは、好ましくはモノマー、より好ましくはポリマーである。グリシジルエステルは代表的なものである。グリシジルエーテルは、モノエーテルまたはポリエーテル、多くの場合ジエーテルであることができる。グリシジルエーテルは、モノマー、ポリマー、およびそれらの任意の混合物からなる群から選択することができる。グリシジルエーテルは、好ましくはモノマー、より好ましくはポリマーである。グリシジルエーテルは代表的なものである。グリシジルアミドは、モノアミドまたはポリアミド、多くの場合ジアミドであることができる。グリシジルアミドは、モノマー、ポリマー、およびそれらの任意の混合物からなる群から選択することができる。グリシジルアミドは、好ましくはモノマー、より好ましくはポリマーである。グリシジルアミドは代表的なものである。グリシジルアミンは、ポリアミンのモノアミン、好ましくはジアミンであることができる。グリシジルアミンは、モノマー、ポリマー、およびそれらの任意の混合物からなる群から選択することができる。グリシジルアミンは、好ましくはモノマー、より好ましくはポリマーである。グリシジルアミンは代表的なものである。グリシジルイミドは、モノイミドまたはポリイミド、多くの場合ジイミドであることができる。グリシジルイミドは、モノマー、ポリマー、およびそれらの任意の混合物からなる群から選択することができる。グリシジルイミドは、好ましくはモノマー、より好ましくはポリマーである。グリシジルイミドは代表的なものである。グリシジルイミンは、モノイミンまたはポリイミン、多くの場合ジイミンであることができる。グリシジルイミンは、モノマー、ポリマー、およびそれらの任意の混合物からなる群から選択することができる。グリシジルイミンは、好ましくはモノマー、より好ましくはポリマーである。グリシジルイミンは代表的なものである。組み合わせは、グリシジルエーテル−エステル、グリシジルアミノ−エステル、グリシジルアミド−エーテル、グリシジルイミド−エーテル、またはそれらの任意の混合物からなる群から選択することができる。
【0014】
本発明による天然起源のエピクロロヒドリンの誘導体は好ましくは、50g/当量以上15000g/当量以下のエポキシド当量を示すグリシジルエーテル類からなる群から選択される。
【0015】
本発明による天然起源のエピクロロヒドリンの誘導体は、樹脂、凝固剤として使用することができる製品、湿潤強度樹脂、カチオン化剤、難燃剤、洗剤用の原料、エラストマーおよびそれらの任意の混合物からなる群から選択することができる。
【0016】
本発明による天然起源のエピクロロヒドリンの誘導体は、好ましくはポリグリシジルエーテルである。ポリグリシジルエーテルは、モノマー、ポリマー、およびそれらの任意の混合物からなる群から選択することができる。ポリグリシジルエーテルは、好ましくはモノマー、より好ましくはポリマーである。
【0017】
ポリマーとは、多くの場合繰り返すやり方で、多くの単位が化学共有結合によって互いに結合した分子を意味することを意図され、それらの単位は繰り返し単位と言われる。繰り返し単位の数は1つ以上である。ポリマーは少なくとも1種の繰り返し単位を含有する。ポリマーが1種のみの繰り返し単位を含有するとき、それはホモポリマーと呼ばれる。ポリマーが2種以上の繰り返し単位を含有するとき、それはコポリマーと呼ばれる。コポリマーは、「Polymer Science Dictionary,M.S.M.,Elsevier Applied Science,London and New York l989年,ページ86」に記載されているものなどの、ランダム型のもの、交互型のもの、またはブロック型のものであることができる。
【0018】
本発明のポリグリシジルエーテルは、好ましくは樹脂、より好ましくはエポキシ樹脂である。
【0019】
エポキシ樹脂とは、その化学式が少なくとも2つの2,3−エポキシプロピルオキシ基を含有する、ポリグリシジルエーテルポリマーを意味することを意図される。
【0020】
生成物の14C含有率は、生成物を製造するための天然のおよび再生可能な原材料の使用の指標である。実際に、化石原材料とは違って、再生可能な原材料からなるすべての材料は14Cを含有する。生体(動物または植物)に由来するすべての炭素試料は、3つの同位元素:12C(約98.892%を示す)、13C(約1.108%)および14C(痕跡:1.2×10−10%)の混合物でできている。生体組織の14C/12C比は、大気のそれと同一である。環境中では、14Cは、2つの主要な形態:無機物すなわち二酸化炭素(CO)および有機物、すなわち有機分子に組み込まれた炭素下で存在する。
【0021】
生体では、14C/12C比は、炭素が環境と絶えず交換されるので、代謝によって一定に保たれている。14Cの割合は大気中でほぼ一定であり、それは有機体が12Cを吸収するようにその14Cを吸収するため、生きている有機体中でも同じである。平均14C/12Cは、1.2×10−12に等しい。
【0022】
12Cは安定である、すなわち所与の試料中の12Cの数は経時的に一定である。14Cは放射性であり、生物の14Cの各グラムは13.6崩壊毎分を与えるのに十分な14Cを含有する。
【0023】
14Cの崩壊定数と関係がある、半減時間(期)T1/2は5730年である。この持続期間を考慮すると、14C含有率は、再生可能な原材料(動物または植物起源)の抽出から最終製品の製造まで事実上一定であると考えることができる。
【0024】
今日、試料の14C含有率を測定するための少なくとも2つの異なる技法が存在する:
・ 液体シンチレーション分光法による
・ 質量分析法による:試料は黒鉛またはガス状COへ転化され、質量分析法によって分析される。この技法は、加速器および質量分析計を用いて14Cおよび12Cイオンを分離し、その結果2つの同位元素の比を測定する。
【0025】
試料の14C含有率を測定するためのすべてのそれらの方法は、標準ASTM D 6866(とりわけD 6866−06およびD 6866−08)ならびに標準ASTM 7026(とりわけD 7026−04)に正確に記載されている。好ましくは用いられる方法は、標準ASTM D6866−08(「accelerator mass spectroscopy」)に記載されている質量分析法である。
【0026】
本発明による天然起源のエピクロロヒドリンの誘導体中で、14C質量含有率は、14C/12C比が好ましくは0.75×10−12以上、より好ましくは0.8×10−12以上、さらにより好ましくは0.9×10−12以上、その上より好ましくは1.0×10−12以上、最も好ましくは1.1×10−12以上であり、1.2×10−12に等しい値に達し得るものである。この最後の場合には、本発明の誘導体を製造するために使用される炭素元素はすべて、再生可能な(すなわち非化石)天然起源のものであろう。
【0027】
14C質量含有率が、14C/12C比が1.2×10−12に等しいものである、本発明による天然起源のエピクロロヒドリンの誘導体が都合が良い。
【0028】
天然起源のエピクロロヒドリンの誘導体がグリシジルエーテル、特にポリグリシジルエーテルであるとき、より特にポリグリシジルエーテルがポリマーであるとき、最も好ましくはポリグリシジルエーテルがエポキシ樹脂であるとき、それは、4つの次の特性の少なくとも1つをさらに示すことができる。
【0029】
g/当量単位で表されるエポキシド当量(EEW)は、通常100以上、しばしば150以上、頻繁に500以上、多くの場合に1000以上、より特に5000以上であり、そのエポキシド当量は、通常12000以下、しばしば10000以下、頻繁に8000以下、多くの場合に7000以下、より特に6000以下である。エポキシド当量は、1当量のエポキシド官能基を得るために必要とされる樹脂の重量であり、それは、ASTM標準D 1652に従って得られる。
【0030】
誘導体の100g当たりの当量単位でのエポキシ価は、一般に0.008以上、通常0.009以上、しばしば0.01以上、頻繁に0.013以上、多くの場合に0.014以上、より特に0.017以上であり、そのエポキシ価は、一般に1.0以下、通常0.8以下、しばしば0.7以下、頻繁に0.2以下、多くの場合に0.1以下である。100g当たりの当量単位でのエポキシ価は、樹脂の100g当たりのエポキシ基の数であり、それは、ASTM標準D 1652に従って得られる。
【0031】
25℃でのその動的粘度は、一般に50mPa・s以上、通常100mPa・s以上、しばしば500mPa・s以上、頻繁に1000mPa・s以上、多くの場合に5000mPa・s以上、より特に10000mPa・s以上であり、その動的粘度は、一般に50000mPa・s以下、通常30000mPa・s以下、しばしば20000mPa・s以下、頻繁に17000mPa・s以下、多くの場合に15000mPa・s以下、より特に10000mPa・s以下である。25℃でのこの粘度は、ASTM標準D 445に従って得られる。
【0032】
加水分解性塩化物のその含有率は、一般に0.01%以上、通常0.02%以上、しばしば0.05%以上、頻繁に0.07%以上、多くの場合に0.1%以上、より特に0.15%以上であり、加水分解性塩化物のその含有率は、一般に2.2%以下、通常1%以下、しばしば0.8%以下、頻繁に0.6%以下、多くの場合に0.5%以下、より特に0.4%以下である。加水分解性含有率は、ASTM標準D 1726に従って得られる。
【0033】
天然起源のエピクロロヒドリンの誘導体がグリシジルエーテル、特にポリグリシジルエーテルであるときに、より特にポリグリシジルエーテルがポリマーであるときに、最も好ましくはポリグリシジルエーテルがエポキシ樹脂であるときに、それは、次の特性の少なくとも1つをさらに示すことができ、ここで、グリシジルエーテルは、次の特性:
・ 0.008以上1.0以下の誘導体の100g当たりの当量単位でのエポキシ価、
・ 50mPa・s以上50000以下の25℃での動的粘度、
・ 0.01%以上2.2%以下の加水分解性塩化物の含有率
の少なくとも1つをさらに示す。
【0034】
天然起源のエピクロロヒドリンの誘導体がグリシジルエーテル、特にポリグリシジルエーテルであるときに、より特にポリグリシジルエーテルがポリマーであるときに、最も好ましくはポリグリシジルエーテルがエポキシ樹脂であるときに、それは、0.008以上1.0以下の誘導体の100g当たりの当量単位でのエポキシ価を一般に示す示す。
【0035】
天然起源のエピクロロヒドリンの誘導体がグリシジルエーテル、特にポリグリシジルエーテルであるときに、より特にポリグリシジルエーテルがポリマーであるときに、最も好ましくはポリグリシジルエーテルがエポキシ樹脂であるときに、それは通常、50mP・s以上50000以下の25℃での動的粘度を示す。
【0036】
天然起源のエピクロロヒドリンの誘導体がグリシジルエーテル、特にポリグリシジルエーテルであるときに、より特にポリグリシジルエーテルがポリマーであるときに、最も好ましくはポリグリシジルエーテルがエポキシ樹脂であるときに、それは頻繁に、0.01%以上2.2%以下の加水分解性塩化物の含有率を示す。
【0037】
本発明はまた、第2実施形態において50g/当量以上15000g/当量以下のエポキシド当量を示すグリシジルエーテル類から、グリシジルエステル類から、グリシジルアミド類から、グリシジルイミド類から、グリシジルアミン類から、およびそれらの任意の混合物から選択される、14C質量含有率が、14C/12C比が0.70×10−12より大きいものである、天然起源のエピクロロヒドリンの誘導体の製造における天然起源のエピクロロヒドリンの使用に関する。
【0038】
本発明によるこの使用は一般に、天然起源のエピクロロヒドリンを、少なくとも1個の活性水素原子を含む少なくとも1つの化合物と反応させる工程であって、天然起源のエピクロロヒドリンの14C/12C比および前記化合物の14C/12C比が、
[Xepi14C/12C)epi+Xcpd14C/12C)cpd]>0.7×10−12
[式中、
・ Xepiは、天然起源のエピクロロヒドリンの誘導体中の天然起源のエピクロロヒドリンからのC原子の分率であり、
・ Xcpdは、天然起源のエピクロロヒドリンの誘導体中の前記化合物からのC原子の分率であり、
・ (14C/12C)epiは、天然起源のエピクロロヒドリン中の炭素14対炭素12同位元素比であり、
・ (14C/12C)cpdは、前記化合物中の炭素14対炭素12同位元素比である]
である工程を含む。
【0039】
本発明によるこの使用は通常、次の特徴:
・ (14C/12C)epiが0.2×10−12以上である、
・ (14C/12C)cpdが0.2×10−12以上である
の少なくとも1つを示す。
【0040】
本発明による使用において、(14C/12C)epi比は、一般に0.2×10−12以上、好ましくは0.4×10−12以上、より好ましくは0.6×10−12以上、その上より好ましくは0.8×10−12以上、さらにより好ましくは1.1×10−12以上、最も好ましくは1.2×10−12以上である。この最後の場合には、エピクロロヒドリンを製造するために使用される炭素元素はすべて、非化石天然起源のものであろう。
【0041】
本発明による使用において、(14C/12C)cpd比は、一般に0.2×10−12以上、好ましくは0.4×10−12以上、より好ましくは0.6×10−12以上、その上より好ましくは0.8×10−12以上、さらにより好ましくは1.1×10−12以上、最も好ましくは1.2×10−12以上である。この最後の場合には、前記化合物を製造するために使用される炭素元素はすべて、非化石天然起源のものであろう。
【0042】
本発明によるこの使用は好ましくは、次の特徴:
・ (14C/12C)epiが1.2×10−12に等しい、
・ (14C/12C)cpdが1.2×10−12に等しい
を示す。
【0043】
本発明による使用の非常に好ましい実施形態においては、(14C/12C)epi比および(14C/12C)cpd比は両方とも1.2×10−12に等しい。
【0044】
本発明による使用において、少なくとも1個の活性水素原子を含有する化合物の少なくとも一部は再生可能な原材料から得られたものであることが好ましい。前記化合物の少なくとも10%は再生可能な原材料から得られたものであることがより好ましく、少なくとも33%は再生可能な原材料から得られたものであることがさらにより好ましく、少なくとも50%は再生可能な原材料から得られたものであることがその上より好ましく、少なくとも75%は再生可能な原材料から得られたものであることが最も好ましく、少なくとも90%は再生可能な原材料から得られたものであることがさらに最も好ましく、少なくとも95%は再生可能な原材料から得られたものであることがその上最も好ましく、少なくとも99%は再生可能な原材料から得られたものであることが特に最も好ましい。その99.99%未満が再生可能な原材料から得られたものである少なくとも1個の活性水素原子を含有する化合物もまた好適である。再生可能な原材料のみから得られたものである少なくとも1個の活性水素原子を含有する化合物が特に都合が良い。
【0045】
本発明による使用において、エピクロロヒドリンと反応する少なくとも1つの化合物は、多くの場合少なくとも2個の活性水素原子、頻繁に4個以上の活性水素原子を含有する。その化合物はより好ましくは2個の活性水素原子を含有する。4個以上の活性水素原子を持った化合物もまた都合が良い。
【0046】
本発明による使用において、天然起源のエピクロロヒドリンは、エピクロロヒドリンの少なくとも一部の炭素骨格が再生可能な原材料に由来するという、そして好ましくはエピクロロヒドリンのすべての炭素骨格が再生可能な原材料に由来するという条件で、あらゆる出発原料からあらゆる方法によって得ることができる。
【0047】
この方法は、ジクロロプロパノール脱塩化水素、塩化アリルエポキシ化、およびそれらの組み合わせからなる群から選択することができる。エピクロロヒドリンの少なくとも一部は、ジクロロプロパノールの脱塩化水素によって、好ましくは塩基性化合物でのジクロロプロパノールの脱塩化水素によって得られることが好ましい。ジクロロプロパノールは、あらゆる方法によって得ることができる。その方法は、塩化アリル次亜塩素酸化、グリセロール塩化水素化、アリルアルコール塩素化、1,3−ジクロロアセトン還元、2,3−ジクロロプロパナール還元、およびそれらの任意の組み合わせからなる群から選択することができる。ジクロロプロパノールの少なくとも一部は、グリセロールと塩化水素との間の反応によって製造されることが好ましい。グリセロールは、あらゆる方法によって得ることができる。その方法は、再生可能な原材料、化石原材料、またはそれらの任意の組み合わせから出発することができる。前記グリセロールの少なくとも一部は、再生可能な原材料の転化プロセスで製造されたものであることが好ましい。
【0048】
本発明による使用の一実施形態においては、天然起源のエピクロロヒドリンの少なくとも一部は、ジクロロプロパノールの脱塩化水素によって得られたものであり、前記ジクロロプロパノールの少なくとも一部は、塩化アリルと次亜塩素酸との間の反応によって製造されたものであり、前記塩化アリルの少なくとも一部は、プロピレンから得られたものであり、前記プロピレンの少なくとも一部は、再生可能な原材料の転化プロセスで製造されたものである。
【0049】
本発明による使用の別の実施形態においては、天然起源のエピクロロヒドリンの少なくとも一部は、過酸化水素での塩化アリルのエポキシ化によって得られたものであり、前記塩化アリルの少なくとも一部は、プロピレンから得られたものであり、前記プロピレンの少なくとも一部は、再生可能な原材料の転化プロセスで製造されたものである。
【0050】
本発明による使用のさらに別の実施形態においては、天然起源のエピクロロヒドリンの少なくとも一部は、ジクロロプロパノールの脱塩化水素によって得られたものであり、前記ジクロロプロパノールの少なくとも一部は、アリルアルコールの塩素化によって製造されたものであり、前記アリルアルコールの少なくとも一部は、プロピレンオキシドの異性化によって得られたものであり、プロピレンオキシドの少なくとも一部は、プロピレンから得られたものであり、前記プロピレンの少なくとも一部は、再生可能な原材料の転化プロセスで製造されたものである。
【0051】
本発明による使用のより好ましい実施形態においては、天然起源のエピクロロヒドリンの少なくとも一部は、ジクロロプロパノールの脱塩化水素によって得られたものであり、前記ジクロロプロパノールの少なくとも一部は、グリセロールと塩化水素との間の反応によって製造されたものであり、前記グリセロールの少なくとも一部は、再生可能な原材料の転化プロセスで製造されたものである。
【0052】
本発明による使用の最も好ましい実施形態においては、天然起源のエピクロロヒドリンは、ジクロロプロパノールの脱塩化水素によって得られたものであり、前記ジクロロプロパノールは、グリセロールと塩化水素との間の反応によって製造されたものであり、前記グリセロールの少なくとも一部は、再生可能な原材料の転化プロセスで製造されたものである。
【0053】
再生可能な原材料の転化プロセスで製造されたグリセロールとは、動物および/または植物および/または藻類起源の油および/または脂肪の加水分解、鹸化、エステル交換、アミノ分解および水素化から、バイオマスに由来するまたはバイオマス中に天然に存在する、単糖類および多糖類ならびに誘導アルコール、ならびにそれらの任意の組み合わせの発酵、水素化および水素化分解からなる群から選択されるプロセスで得られたグリセロールを意味することを意図される。
【0054】
バイオディーゼルの製造中に、すなわち、動物および/または植物および/または藻類の油および/または脂肪のエステル交換中に、好ましくは植物起源の油および/または脂肪のエステル交換中に得られたグリセロールが特に都合が良い。
【0055】
バイオディーゼルの製造において得られたグリセロールがより特に都合が良い。
【0056】
石鹸の製造中に、すなわち、動物および/または植物および/または藻類の油および/または脂肪の鹸化中に、好ましくは植物起源の油および/または脂肪の鹸化中に得られたグリセロールが特に都合が良い。
【0057】
石鹸の製造において得られたグリセロールがより特に都合が良い。
【0058】
脂肪酸の製造中に、すなわち、動物および/または植物および/または藻類の油および/または脂肪の加水分解中に、好ましくは植物起源の油および/または脂肪の加水分解中に得られたグリセロールが特に都合が良い。
【0059】
脂肪酸の製造において得られたグリセロールがより特に都合が良い。
【0060】
脂肪アルコールの製造中に、すなわち、動物および/または植物および/または藻類の油および/または脂肪の加水分解および/またはエステル交換中に、好ましくは植物起源の油および/または脂肪の加水分解および/またはエステル交換中に得られたグリセロールが特に都合が良い。
【0061】
脂肪アルコールの製造において得られたグリセロールがより特に都合が良い。
【0062】
石鹸、脂肪酸および脂肪アルコールの製造の少なくとも1つにおいて得られたグリセロールがより特に都合が良い。
【0063】
本発明による使用において、少なくとも1個の活性水素原子を含有する化合物は、あらゆる種類のものであることができる。それは、好ましくは4個以上の炭素原子を含有する、モノアルコール、ポリオール;モノカルボン酸、ポリカルボン酸、モノアミン、ポリアミン、アミノアルコール、ポリイミド、ポリアミド、ポリアミノアミド、ポリイミン、酸性モノ−もしくはポリフェノールおよびこれらの化合物の少なくとも2つの混合物からなる群から好ましくは選択される。
【0064】
本発明による使用において、好ましくは4個以上の炭素原子を含有する、ポリオールは好ましくは、ポリフェノール、糖、糖に由来するポリオール、酸性ポリフェノール、それらのあらゆる誘導体、およびそれらの任意の混合物からなる群から選択される。
【0065】
本発明による使用において、ポリオールがポリフェノールであるとき、ポリフェノールは好ましくは、カシューナッツ殻液から抽出された天然に存在するポリフェノール、リグナン、リグニン、スチルベン、フラボノイド、リグニン原料からのバイオオイル中に存在するポリフェノール、およびそれらの任意の混合物からなる群から選択される。
【0066】
本発明による使用において、ポリフェノールがカシューナッツ殻液から抽出された天然に存在するポリフェノールであるとき、それは好ましくは、カルダノール、カードール、2−メチル−カードール、およびそれらの任意の混合物からなる群から選択される。
【0067】
本発明による使用において、ポリフェノールがリグナンであるとき、それは好ましくは、ピノレシノール、ラリシレシノール、マタイレシノールおよびアルファ−コニデントリン(conidentrin)、およびそれらの任意の混合物からなる群から選択される。
【0068】
本発明による使用において、ポリフェノールがスチルベンであるとき、それは通常、1つの環が通常2個のヒドロキシル基をメタ位に有する状態での1,2−ジアリールエテンであり、第2環は、オルト、メタおよび/またはパラ位にヒドロキシルおよびメトキシ基で置換されている。スチルベンは好ましくは、レスベラトロール、ピノシルビン、ピセアタノール、およびそれらの任意の混合物からなる群から選択される。
【0069】
本発明による使用において、ポリフェノールがフラボノイドであるとき、それは好ましくは、フラボン、フラボノール、フラバノン、ジヒドロフラボノールおよびカルコンからなる群から選択される。フラボノイドは通常、非加水分解性タンニンのようなモノマー、ダイマー、オリゴマーおよびポリマーの形態にある。これらのポリフェノールは、混合物として優先的に使用される。ポリフェノールはまた、タンニン酸のような加水分解性タンニン、部分加水分解タンニンまたは没食子酸およびエラグ酸のような完全加水分解によって生じるポリフェノール酸であることができる。フラボノイドは好ましくは、クェルセチン、エピカテキン、フラバン−3,4−ジオール、およびそれらの任意の混合物からなる群から選択される。
【0070】
本発明による使用において、ポリフェノールは、リグニン原料からのバイオオイル中に存在することができ、それは好ましくは、レゾルシノール、ヒドロキノン、カテコール、4−エチル−カテコール、ピロガロール、およびそれらの任意の混合物からなる群から選択される。
【0071】
本発明による使用において、ポリオールが糖であるとき、糖は好ましくは、ペントース、ヘキソース、オリゴ糖、多糖類、およびそれらの任意の混合物から選択される。ヘキソースは好ましくは、D−アロース、D−アルトロース、D−グルコース、D−マンノース、D−グロース、D−イドース、D−ガラクトース、D−タロースおよびそれらの混合物から選択される。ヘキソースはより好ましくは、D−グルコース、D−マンノース、およびそれらの混合物から選択される。
【0072】
本発明による使用において、糖は、そのようなものとしてかまたは化学修飾後に使用することができる。そのような修飾は、たとえば、オキシアルキル化糖を生成するためのエチレンオキシド、プロピレンオキシドまたはブチレンオキシドとの反応および水素化、引き続くオキシアルキル化である。
【0073】
本発明による使用において、ポリオールは、糖から製造された他のポリオール誘導体から誘導することができる。イソソルビド、イソマンニド、イソイジドのようなアンヒドロ糖は、そのようなポリオールの例である。ヒドロキシメチルフルフラール(HMF)、2,4−ビス−(ヒドロキシメチル)−フランおよび2,5−ビス−(ヒドロキシメチル)−テトラヒドロフラン、ならびにより特にシス−異性体の還元生成物は、そのようなポリオールの他の例である。ヒドロメチルフルフラールは、ヘキソース(主としてフラクトースおよびグルコース)から、しかしまたオリゴ糖(たとえばサッカロースおよびセロビオース)から、多糖類(デンプンおよびセルロースのようなキシラン、キチン、マンナン、グルカン、寒天−寒天のようなガラクタンおよびイヌリンのようなフルクタン)から、リグノセルロースからならびにリグノセルロース性バイオマスから得ることができる。
【0074】
本発明による使用において、ポリオールが糖から誘導される生成物であるとき、糖から誘導される生成物は好ましくは、アンヒドロ糖、糖からの還元生成物、ヒドロキシメチルフルフラールの還元生成物、フルフラールのジフラン誘導体およびそれらの任意の混合物からなる群から選択される。
【0075】
本発明による使用において、糖から誘導される生成物がアンヒドロ糖であるとき、それは好ましくは、イソソルビド、イソマンニド、イソイジドおよびそれらの任意の混合物からなる群から選択される。アンヒドロ糖はより好ましくはイソソルビドである。
【0076】
本発明による使用において、糖から誘導される生成物が糖からの還元生成物であるとき、それは好ましくは、ソルビトール、マンニトール、キシリトール、イジトールおよびそれらの任意の混合物から選択される。
【0077】
本発明による使用において、糖から誘導される生成物がヒドロキシメチルフルフラールの還元生成物であるとき、それは好ましくは、2,5−ビス−(ヒドロキシメチル)−フラン、2,5−ビス−(ヒドロキシメチル)−テトラヒドロフラン、およびそれらの任意の混合物からなる群から選択される。
【0078】
本発明による使用において、糖から誘導される生成物がヒドロキシメチルフルフラールの酸化生成物であるとき、それは好ましくは、2,5−フランジカルボン酸、2,5−テトラヒドロフランジカルボン酸およびそれらの任意の混合物からなる群から選択される。
【0079】
本発明による使用において、糖から誘導される生成物がフルフラールのジフラン誘導体であるとき、それは好ましくは、5,5’−メチレン−ビス−2−フランメタノール、5,5’−イソプロピリデン−ビス−2−フランメタノール、およびそれらの任意の混合物からなる群から選択される。
【0080】
本発明による使用において、糖から誘導される生成物がフルフラールのジフラン誘導体であるとき、それは好ましくは、5,5’−メチレン−ビス−2−フランカルボン酸、5,5’−イソプロピリデン−ビス−2−フランカルボン酸、およびそれらの任意の混合物からなる群から選択される。
【0081】
本発明による使用のより好ましい実施形態においては、天然起源のエピクロロヒドリンの誘導体は、天然起源のエピクロロヒドリンを少なくともイソソルビドと反応させることによって得られる。
【0082】
本発明による使用において、少なくとも1個の活性水素原子を含有する化合物が酸性モノ−またはポリフェノールであるとき、それは好ましくは、p−クマリン酸、コーヒー酸、フェルラ酸、5−ヒドロキシ−フェルラ酸、シナピン酸、およびそれらの混合物のようなトランス−桂皮酸モノ−またはポリ−フェノールの群から選択される。
【0083】
本発明による使用において、少なくとも1個の活性水素原子を含有する化合物は、リグノセルロース系バイオマス原料、リグニン富化バイオマス画分およびリグニンのようなリグニン含有原料から得ることができる。原料は、たとえば、針葉樹樹皮、粉砕針葉樹、松、おが屑木屑、広葉樹、混合広葉樹のような木材であることができる。他の可能な原料は、樹皮廃棄物、ピートモス、梢、大枝、バガス、竹の棒、カシューナッツ殻、トウモロコシふすま、穀物わら、コーヒー殻、トウモロコシの茎、ソルガム、綿または大麻、アシ、パピルス、ココナツ殻のような森林残渣および農業残渣、オイルやし葉状体、根、幹、空の果房および繊維殻のようなやし油生産からの副産物である。原料はまた、新聞紙、紙廃棄物、クレオソート処理木材廃棄物、樺木材廃棄物、木材産業残渣、黒色パルプ化液、樺の蒸気爆発からのリグニン、リグノスルホネート、クラフトリグニン、加水分解リグニン、ソーダリグニン、糸状菌処理木材材料、オルガノソルブリグニン、船岡リグニンおよびハイドロトピックリグニンからのリグニンのような工業残渣および工業リグニンであることができる。リグニン含有原料は、そのようなものとして使用することができる。リグニン含有原料は、エピクロロヒドリンとの反応前に修飾することができる。この修飾は、たとえばアルコールでのエステル化、モノカルボン酸もしくはジカルボン酸のモノエステルでのエステル化、アルキル化試薬でのエーテル化である。この修飾はまた、エピクロロヒドリンとのリグニン誘導体の反応能力を高めることができる。そのような修飾は、たとえば、鎖延長ヒドロキシアルキルリグニンを生成するためのエチレンオキシドもしくはプロピレンオキシドとの反応、鎖延長ヒドロキシメチルリグニンを生成するためのホルムアルデヒドとの反応、ジカルボン酸もしくはジカルボン酸の無水物との反応である。
【0084】
本発明による使用において、少なくとも1個の活性水素原子を含有する化合物は、遅い、速いおよびフラッシュ熱分解、水素化熱分解、真空熱分解、液化および加溶媒分解(フェノール、レゾルシノール…)のような処理によって本明細書において上に記載されたリグニン原料からバイオオイルとして優先的に製造されるフェノール類に富む生成物であることができる。バイオオイルは、植物油またはデンプン質原料のようなリグニンを含有しないバイオマスの接触熱分解によって製造することができる。バイオオイルはまた、生物スラッジ(たとえば、フルクトース製造工場、ミルク誘導体工場またはビール醸造工場からの生物スラッジ)の熱分解によっても製造することができる。バイオオイルは、脂肪族炭化水素、酸、エステル、アルコール、ケトン、アルデヒド、フランおよびフェノール類を含有する。フェノール類は、フェノール、p−クレゾール、オルト−クレゾール、メタ−クレゾール、エチルフェノール、2,3−ジメチルフェノール、2,4−ジメチルフェノール、2,5−ジメチルフェノール、2,6−ジメチルフェノール、3,5−ジメチルフェノール、レゾルシノール、ヒドロキノン、カテコール、4−エチル−カテコール、ピロガロール、2−メトキシ−4−メチル−フェノール、グアイアコール、4−メチル−グアイアコール、4−エチル−グアイアコール、4−プロピル−グアイアコール、4−アリル−グアイアコール、4−(1−プロペニル)−グアイアコール、シリンゴール、4−メチル−シリンゴール、4−エチル−シリンゴール、4−アリル−シリンゴール、4−(1−プロペニル)−シリンゴール、4−ヒドロキシ安息香酸、4−ヒドロキシ安息香酸メチルエステルおよび3−ヒドロキシ−4−メトキシ安息香酸から構成される。バイオオイルは、そのようなものとして使用することができるか、または追加の化学処理、物理的分別処理もしくはこれら2種の処理の任意の組み合わせを用いて処理して精製されたもしくは富化されたフェノール類画分にすることができる。追加の化学処理は、たとえば、加水分解、脱水、水素化分解、オキシ脱ヒドロキシ化などであることができる。分別処理は、蒸発、蒸留、結晶化、抽出、クロマトグラフィーなどであることができる。
【0085】
本発明による使用において、アルコールがフェノールであるとき、それは、そのようなものとしてかまたは混合物で使用することができる。それはまた、天然起源のエピクロロヒドリンとの反応前に修飾することができる。ケトンとのカップリング、アルデヒドとのカップリングおよび酸化カップリングは、そのような修飾の例である。使用されるケトンおよびアルデヒドは、非再生可能な起源のものまたは再生可能な起源のものであることができる。アセトン、レブリン酸およびホルムアルデヒドは、再生可能な起源のものであることができるケトンおよびアルデヒドの例である。レブリン酸は具体的には、多糖類、ヘミセルロースおよびグルカン、二糖類またはグルコースおよびフルクトースのような単糖類から製造される。ジフェノール酸[4,4−ビス−(4’−ヒドロキシフェニル)ペンタン酸]は、レブリン酸と2分子のフェノールとの反応によって製造される。
【0086】
本発明による使用において、少なくとも1個の活性水素原子を含有する化合物が酸であるとき、それは、好ましくはアビエチン酸、ネオアビエチン酸、デヒドロアビエチン酸、パルストリン酸、レボピマール酸、ピマル酸、イソピマル酸、およびそれらの任意の混合物からなる群から選択される樹脂酸、より好ましくはアビエチン酸からおよびアビエチン酸由来イミド二酸から誘導される酸である。
【0087】
本発明による使用のための反応条件は、決定的に重要であるわけではない。反応は、エピクロロヒドリンの誘導体についての先行技術に記載されている条件下に実施することができる。
【0088】
本発明による使用において、エピクロロヒドリンおよび少なくとも1個の活性水素原子を含む少なくとも1つの化合物は両方とも再生可能な材料のみから得られることが好ましい。
【0089】
本発明は、第3実施形態において、天然起源のエピクロロヒドリンを少なくとも1個の活性水素原子を含む少なくとも1つの化合物と反応させる工程を含む、50g/当量以上15000g/当量以下のエポキシド当量を示すグリシジルエーテル類から、グリシジルエステル類から、グリシジルアミド類から、グリシジルイミド類から、グリシジルアミン類から、およびそれらの任意の混合物からなる群から選択される、14C質量含有率が、14C/12C比が0.7×10−12より大きいものである、天然起源のエピクロロヒドリンの誘導体の製造方法であって、天然起源のエピクロロヒドリンの14C/12C比および前記化合物の14C/12C比が、
[Xepi14C/12C)epi+Xcpd14C/12C)cpd]>0.7×10−12
[式中、
epiは、天然起源のエピクロロヒドリンの誘導体中の天然起源のエピクロロヒドリンからのC原子の分率であり、
cpdは、天然起源のエピクロロヒドリンの誘導体中の前記化合物からのC原子の分率であり、
14C/12C)epiは、天然起源のエピクロロヒドリン中の炭素14対炭素12同位元素比であり、
14C/12C)cpdは、前記化合物中の炭素14対炭素12同位元素比である]
である方法に関する。
【0090】
本発明による方法の好ましい変形形態においては、前記方法は、次の特徴:
・ (14C/12C)epiが0.2×10−12以上である、
・ (14C/12C)cpdが0.2×10−12以上である
の少なくとも1つを示す。
【0091】
本発明による方法の別の好ましい変形形態においては、前記方法における(14C/12C)epiは0.2×10−12以上である。
【0092】
本発明による方法のさらに別の好ましい変形形態においては、(14C/12C)cpdは0.2×10−12以上である。
【0093】
本発明による方法のその上別の好ましい変形形態においては、前記方法における(14C/12C)epiは0.2×10−12以上であり、(14C/12C)cpdは0.2×10−12以上である。
【0094】
本発明による方法のより好ましい変形形態においては、前記方法は、次の特徴:
・ (14C/12C)epiが1.2×10−12に等しい、
・ (14C/12C)cpdが1.2×10−12に等しい
を示す。
【0095】
天然起源のエピクロロヒドリンの誘導体、天然のエピクロロヒドリン、少なくとも1個の活性水素原子を含む化合物、ならびに本方法に関する好ましい実施形態に関する詳細な情報は、言及される、本発明に従った生成物および使用に関する前の詳細な説明から獲得することができる。
【0096】
エピクロロヒドリンの誘導体、ジクロロプロパノールおよびエピクロロヒドリンの製造方法は、それらの内容が参照により本明細書に援用される、SOLVAYの名前で出願されている、国際出願国際公開第2005/054167号パンフレット、国際公開第2006/100311号パンフレット、国際公開第2006/100312号パンフレット、国際公開第2006/100313号パンフレット、国際公開第2006/100314号パンフレット、国際公開第2006/100315号パンフレット、国際公開第2006/100316号パンフレット、国際公開第2006/100317号パンフレット、国際公開第2006/106153号パンフレット、国際公開第2007/054505号パンフレット、国際公開第2006/100318号パンフレット、国際公開第2006/100319号パンフレット、国際公開第2006/100320号パンフレット、国際公開第2006/106154号パンフレット、国際公開第2006/106155号パンフレット、国際公開第2007/144335号パンフレット、国際公開第2008/107468号パンフレット、国際公開第2008/101866号パンフレット、国際公開第2008/145729号パンフレット、国際公開第2008/110588号パンフレット、国際公開第2008/152045号パンフレット、国際公開第2008/152043号パンフレット、国際公開第2009/000773号パンフレット、国際公開第2009/043796号パンフレット、国際公開第2009/121853号パンフレット、国際公開第2008/152044号パンフレット、国際公開第2009/077528号パンフレット、国際公開第2010/066660号パンフレット、国際公開第2010/029039号パンフレット、国際公開第2010/029153号パンフレット、国際公開第2011/054769号パンフレットおよび国際公開第2011/054770号パンフレットに開示されているものなどであることができる。
【0097】
本発明は、第4実施形態において、50g/当量以上15000g/当量以下のエポキシド当量を示すグリシジルエーテル類から、グリシジルエステル類から、グリシジルアミド類から、グリシジルイミド類から、グリシジルアミン類から、およびそれらの任意の混合物から選択される、14C質量含有率が、14C/12C比が0.7×10−12より大きいものである、天然起源のエピクロロヒドリンの誘導体の、より具体的にはコーティングまたは複合材料の製造における原材料としての使用に関する。その使用において、天然起源のエピクロロヒドリンの誘導体およびその生成物の製造方法は、本明細書において上に記載された通りである。
【0098】
第4実施形態の第1態様において、天然起源のエピクロロヒドリンの誘導体から得られるコーティングは、海洋および工業メンテナンス、金属容器、コイルコーティング、自動車コーティング、またはインクおよびレジストの分野において使用することができる。
【0099】
天然起源のエピクロロヒドリンの誘導体から得られるコーティングは、海洋および工業メンテナンス(船舶、輸送容器、海洋石油掘削装置およびプラットフォーム、橋などの輸送機関インフラストラクチャー用の耐腐食性コーティング、鉄道車両コーティング、工業貯蔵タンク用のコーティング、ならびに軽工業および農業設備用のプライマー)、金属容器(食品および飲料用のアルミニウム缶およびスチール缶)、コイルコーティング(金属缶エンド、缶体、建材、電化製品パネル、輸送機関、および金属家具塗布)、自動車コーティング(プライマー表面コーティング)、ならびにインクおよびレジストの分野において使用することができる。コーティングは、低固形分溶剤希釈型コーティング、高固形分溶剤希釈型コーティング、無溶媒コーティング、水性コーティング、粉体コーティングおよび放射線硬化性コーティングのような様々な技法を用いて行うことができる。
【0100】
第1態様の好ましい第1変形形態においては、天然起源のエピクロロヒドリンの誘導体の使用は、船舶、輸送容器、海洋石油掘削装置およびプラットフォーム、橋などの輸送機関インフラストラクチャー用の耐腐食性コーティング、鉄道車両コーティング、工業貯蔵タンク用のコーティング、ならびに軽工業および/または農業設備用のプライマーを含む海洋および工業メンテナンスのためのコーティングの製造においてである。
【0101】
第1態様の好ましい第2変形形態においては、天然起源のエピクロロヒドリンの誘導体の使用は、食品および飲料用のアルミニウム缶およびスチール缶を含む金属容器用のコーティングの製造においてである。
【0102】
第1態様の好ましい第3変形形態においては、天然起源のエピクロロヒドリンの誘導体の使用は、金属缶エンド、缶体、建材、電化製品パネル、輸送機関、および金属家具塗布を含むコイルコーティングのためのコーティングの製造においてである。
【0103】
第1態様の好ましい第4変形形態においては、天然起源のエピクロロヒドリンの誘導体の使用は、プライマー表面コーティングを含む自動車コーティングのためのコーティングの製造においてである。
【0104】
第1態様の好ましい第5変形形態においては、天然起源のエピクロロヒドリンの誘導体の使用は、インクおよびレジスト用のコーティングの製造においてである。
【0105】
第4実施形態の第2態様においては、複合材料は、構造用複合材料(ガラス、ホウ素、黒鉛、芳香族ポリアラミドおよび天然繊維をベースとする繊維強化材料)の分野において使用することができる。天然繊維は、植物起源のものまたは動物起源のものであることができる。植物繊維は、靱皮繊維、葉繊維、種子毛繊維、草繊維、わら繊維、根繊維または木質繊維であることができる。靱皮繊維は、たとえば亜麻、大麻、ジュート、バナナ、チャイナ・ジュート、ケナフ、葛、イラクサ、カジノキ、パピルス、ペニーウォ−ト(Pennywort)、ラミー、ローゼル、海草、サンヘンプ、ダンチク、エレファントグラス、竹、サボテンカ、ヒマワリ、ホテイアオイならびにサトウキビおよびモロコシからのバガスによって生産される。葉繊維は、たとえばアバカ、カンタラ、カロア、トウモロコシ、クラワ、フィケ、ヘネッケン、イストレ、モーリシャス(Mauritius)、フォルミウム、パイナップル、サンセベリア、サイザルアサ、サトウヤシ、パルミラ・ヤシ、ピアサバ、クリン・ベジタルおよびラフィアのようなヤシの木によって生産される。種子毛繊維は、たとえばアフリカンパーム、コイア、綿、カポックおよびトウワタ綿毛によって生産される。草繊維は、たとえばアルファルファ、バブハー(Babhar)草、エスパルト、クサヨシ、サバイ草、スイッチグラスおよびススキによって生産される。わら繊維は、たとえば大麦、米、オートムギ、ライ麦および小麦によって生産される。根繊維は、たとえばキャッサバおよびエニシダ根によって生産される。木質繊維は、針葉樹または広葉樹から発せられ得る。動物繊維は、たとえば家禽羽毛、絹および羊毛であることができる。
【0106】
第2態様においては、複合材料はまた、床仕上げ(床塗装、セルフレベリング床、こて塗り可能な床、および小石仕上げ床)の土木工学および建造の、電気用積層板(プリント配線板およびプリント回路基板)の、キャスティング、注封、カプセル封入のような、他の電気および電子用途(開閉装置部品、変圧器、絶縁体、高電圧ケーブル付属品、および類似デバイス)およびトランスファー成形(半導体チップ、受動素子、および集積回路などの電子部品のカプセル封入)の、接着剤(金属、ガラス、セラミックス、木材、布、および多種類のプラスチックなどの同種および異種材料間の粘着)のならびに工具製作(航空宇宙、自動車、鋳物類、ボート建造、および様々な工業成形品のための原型、マスターモデル、金型および他の部品)の分野において使用することができる。
【0107】
第2態様の好ましい第1変形形態においては、天然起源のエピクロロヒドリンの誘導体の使用は、構造用複合材料、土木工学、床仕上げ、建造、電気用積層板、電気および電子用途、トランスファー成形、接着剤、エネルギー生産、または工具製作の分野においてである。
【0108】
第2態様の好ましい第2変形形態においては、天然起源のエピクロロヒドリンの誘導体の使用は、ガラス、ホウ素、黒鉛、芳香族ポリアラミドおよび/または天然繊維をベースとする繊維強化材料を含む構造用複合材料のための複合材料の製造においてである。
【0109】
第2態様の好ましい第3変形形態においては、天然起源のエピクロロヒドリンの誘導体の使用は、たとえば接着剤を含む土木工学のための複合材料の製造においてである。接着剤塗布は、たとえば、飛行場滑走路およびエプロン、ハイウェイおよび橋接合部、橋台、コンクリート内張り用水路、横および縦接合部、マルチレベル駐車場接合部、地下トンネル建設接合部および部分、コンクリート中の取付け金属スタッド、車道および中央分離帯上の結合性交通標識、空港滑走路、駐車場における結合性パンケーキ照明システムなどの分野においてである。
【0110】
第2態様の好ましい第4変形形態においては、天然起源のエピクロロヒドリンの誘導体の使用は、床塗装、セルフレベリング床、こて塗り可能な床、および/または小石仕上げ床を含む床仕上げのための複合材料の製造においてである。
【0111】
第2態様の好ましい第5変形形態においては、天然起源のエピクロロヒドリンの誘導体の使用は、接着剤塗布と、たとえば、押出、引き抜き成形およびあらゆる他の成形技法によって得られる、成形部品とをとりわけ含む建造のための複合材料の製造においてである。
【0112】
第2態様の好ましい第6変形形態においては、天然起源のエピクロロヒドリンの誘導体の使用は、風車の羽根および/またはタービンハウジングを含むエネルギー生産のための複合材料の製造においてである。
【0113】
第2態様の好ましい第7変形形態においては、天然起源のエピクロロヒドリンの誘導体の使用は、プリント配線板および/またはプリント回路基板を含む電気用積層板のための複合材料の製造においてである。
【0114】
第2態様の好ましい第8第1変形形態においては、天然起源のエピクロロヒドリンの誘導体の使用は、開閉装置部品、変圧器、絶縁体、高電圧ケーブル付属品、および/または類似デバイスを含む電気および電子用途向けの複合材料の製造においてである。
【0115】
第2態様の好ましい第9変形形態においては、天然起源のエピクロロヒドリンの誘導体の使用は、半導体チップ、受動素子、および/または集積回路などの電子部品のカプセル封入を含むトランスファー成形のための複合材料の製造においてである。
【0116】
第2態様の好ましい第10変形形態においては、天然起源のエピクロロヒドリンの誘導体の使用は、金属、ガラス、セラミックス、木材、布、および多種類のプラスチックなどの同種および異種材料間の粘着用の接着剤のための複合材料の製造においてである。
【0117】
第2態様の好ましい第11変形形態においては、天然起源のエピクロロヒドリンの誘導体の使用は、航空宇宙、自動車、鋳物類、ボート建造、および/または様々な工業成形品のための原型、マスターモデル、金型および/または他の部品を含む工具製作のための複合材料の製造においてである。
【実施例】
【0118】
以下の実施例は、本発明を例示することを意図するが、それを限定しない。
【0119】
比較例1(本発明によらない)
用いられる装置は、機械撹拌機を、熱電対を含有するジャケットをおよび水冷冷却器が上に置かれたディーン−スターク(Dean−Stark)セパレータを備えた温度自動調節器付きフラスコであった。ポンプを用いて苛性ソーダ水溶液を一定速度でフラスコに注入した。
【0120】
反応フラスコに最初に、イソソルビド(43.8g、0.3モル)とプロピレン−塩素プラントに由来するエピクロロヒドリン試料ECH1(275.0g、3.0モル)との混合物をロードした。エピクロロヒドリンECH1は、ジクロロプロパノールの脱塩化水素によって得られたものであり、ジクロロプロパノールは、塩化アリルの次亜塩素酸化によって得られたものであり、塩化アリルは、プロピレン、化石原材料の塩素化によって得られたものである。エピクロロヒドリンECH1の分析結果を表1に示す。混合物を115℃の温度に攪拌下に還流で加熱した。苛性ソーダの50%水溶液(49.8g、0.6モル)を10時間の間ずっと3.276ml/時の速度で導入した。フラスコ中の混合物の温度は、一定の還流を確実にするために範囲100℃〜115℃に維持した。セパレータにおいて下相として反応中にデカントされたエピクロロヒドリンに富む有機相は、反応フラスコに定期的にリサイクルし、セパレータにおいて上相として集められた水に富む相は、定期的に取り除いた。加熱を、デカンターでの水相の収集を達成するために苛性ソーダ溶液の全導入後の15分間維持した。33.0gの水相(W1)を、表1に示される組成で集めた。
【0121】
過剰のエピクロロヒドリンを、30トルの減圧下の蒸留によっておよび107℃への混合物の斬進的加熱によって反応混合物から除去した。199.7g(2.1モル)のエピクロロヒドリンをこの工程において回収した。留出物(ECH2)の組成を表1に示す。
【0122】
塩を、攪拌下での78.0gのアセトンの添加後に、濾過によって粗生成物から分離した(40.3g)。濾過のケーキを50.0mlのアセトンで洗浄した。アセトン溶液を混合し、20トルの圧力下に60℃で蒸発させた。
【0123】
蒸発の残留生成物(75.9g)は、1%g/g未満の未転化イソソルビドを含有した。残留物は、100g当たり0.450モルのエポキシおよび0.32%の加水分解性塩素を含有した。
【0124】
残留生成物は、14C/12C比が0.64×10−12(標準ASTM D6866に従って測定される)である14C質量含有率を有した。
【0125】
実施例2(本発明による)
試行を、比較例1に記載される装置で行った。
【0126】
反応フラスコに最初に、イソソルビド(43.8g、0.3モル)とエピクロロヒドリン試料ECH3(278g、3.0モル)との混合物を装入した。エピクロロヒドリンECH3は、ジクロロプロパノールの脱塩化水素によって得られたものであり、ジクロロプロパノールは、天然グリセロールの塩化水素化によって得られたものであり、グリセロールは、再生可能な原材料から得られたものである。エピクロロヒドリンの分析結果を表1に示す。混合物を115℃の温度に攪拌下に還流で加熱した。苛性ソーダの50%水溶液(49.8g、0.6モル)を10時間の間ずっと3.276ml/時の速度で導入した。フラスコ中の混合物の温度は、一定の還流を確実にするために範囲104℃〜115℃に維持した。セパレータにおいて下相として反応中にデカントされたエピクロロヒドリンに富む有機相は、反応フラスコに定期的にリサイクルし、セパレータにおいて上相として集められた水に富む相は、定期的に取り除いた。加熱を、デカンターにおいて水相の収集を達成するために苛性ソーダ溶液の全導入後の15分間維持した。33.5gの水相(W2)を、表1に示される組成で集めた。
【0127】
過剰のエピクロロヒドリンを、40トルの減圧下の蒸留によっておよび70℃への混合物の斬進的加熱によって反応混合物から除去した。202.1g(2.2モル)のエピクロロヒドリンをこの工程において回収した。留出物(ECH4)の組成を表1に示す。
【0128】
塩を、攪拌下での78gのアセトンの添加後に、濾過によって粗生成物から分離した(38.4g)。濾過のケーキを50mlのアセトンで洗浄した。アセトン溶液を混合し、20トルの圧力下に60℃で蒸発させた。
【0129】
蒸発の残留生成物(73.8g)は、1%g/g未満の未転化イソソルビドを含有した。残留物は、100g当たり0.457モルのエポキシおよび0.16%の加水分解性塩素を含有した。
【0130】
残留生成物は、14C/12C比が1.2×10−12(標準ASTM D6866に従って測定される)である14C質量含有率を有した。
【0131】
比較例1および実施例2において得られた残留生成物の高速液体クロマトグラフィー分析結果を表1に示す。
【0132】
【表1】