(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6049167
(24)【登録日】2016年12月2日
(45)【発行日】2016年12月21日
(54)【発明の名称】照明器具
(51)【国際特許分類】
F21S 8/02 20060101AFI20161212BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20161212BHJP
【FI】
F21S8/02 430
F21Y115:10
【請求項の数】4
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2012-144483(P2012-144483)
(22)【出願日】2012年6月27日
(65)【公開番号】特開2014-10905(P2014-10905A)
(43)【公開日】2014年1月20日
【審査請求日】2015年6月9日
(73)【特許権者】
【識別番号】000005821
【氏名又は名称】パナソニック株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】391027561
【氏名又は名称】株式会社朝陽
(74)【代理人】
【識別番号】100119552
【弁理士】
【氏名又は名称】橋本 公秀
(74)【代理人】
【識別番号】100138771
【弁理士】
【氏名又は名称】吉田 将明
(74)【代理人】
【識別番号】100108589
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 利光
(72)【発明者】
【氏名】片岡 英雄
(72)【発明者】
【氏名】中岡 裕之
【審査官】
當間 庸裕
(56)【参考文献】
【文献】
登録実用新案第3174800(JP,U)
【文献】
特開2010−057317(JP,A)
【文献】
特開平01−151295(JP,A)
【文献】
実開昭64−040232(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 8/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
天井に設けられた取付穴に取り付ける器具本体と、
前記器具本体に設置される電源装置と、
前記器具本体に着脱可能に取り付けられる灯具本体と、
前記電源装置と前記灯具本体に設けられたLEDユニットとを電気的に接続する電線と、を有し、
前記電線に弾性を有するガイド板を取り付けるとともに、
前記ガイド板の一端を前記器具本体に取り付け、
前記ガイド板には、前記電線が挿通される複数個の開口が設けられている照明器具。
【請求項2】
請求項1に記載の照明器具において、
前記ガイド板の幅寸法が、前記電線の幅寸法よりも大きい照明器具。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の照明器具において、
前記ガイド板の長さ寸法が、前記電線の長さ寸法と同等である照明器具。
【請求項4】
請求項1ないし請求項3のうちのいずれか1項に記載の照明器具において、
前記ガイド板が、折曲げ可能である照明器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、器具本体に取り付けられた電源装置と灯具本体とを電線で電気的に接続する照明器具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、器具本体に取り付けられた電源装置と、器具本体に着脱可能に取り付けられる灯具本体とを電線で電気的に接続することが行われている(例えば、特許文献1参照)。
図7に示すように、特許文献1に記載の照明器具100は、被取付部である天井(図示省略)等に取り付けられる器具本体101と、反射板102と、一対のランプソケット103と、電線104と、を有する。ランプソケット103には、光源である蛍光ランプ(図示省略)が取り付けられる。
反射板102は、断面略V字形状を呈しており、その内側の斜面間に取付杆105が設けられている。反射板102は蛍光ランプの光を下方に反射する。
【0003】
器具本体101は、反射板102の取付杆105の中間部を挟持する取付金具106を有する。取付金具106は、取付杆105を侵入させるスリット107を有しており、スリット107の内側にはスリット107に挿入された取付杆105を係止する取付ばね108を有する。
一対のランプソケット103は、器具本体101の長手方向両端部に設けられており、反射板102の前方(下方)に突出している。ランプソケット103は、電線104により器具本体101に接続されている。
【0004】
従って、反射板102を器具本体101に取り付ける際には、反射板102を器具本体101に被せるようにして、取付杆105を取付金具106のスリット107に挿入し、取付ばね108に押し込む。
これにより、取付杆105が取付ばね108に挟持されるので、反射板102を器具本体101に取付けることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】実開平6−5020号公報(第1図)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上述したような従来の照明器具においては、反射板102(灯具本体)を器具本体101に取り付ける際に、器具本体101との間に電線104を挟み込む場合があり、絶縁不良等の不具合を生じる場合があるという問題があった。
【0007】
本発明は、従来の問題を解決するためになされたもので、灯具本体を器具本体に取り付ける際に、灯具本体と器具本体との間に電線を挟み込むのを防止できる照明器具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の照明器具は、天井に設けられた取付穴に取り付ける器具本体と、前記器具本体に設置される電源装置と、前記器具本体に着脱可能に取り付けられる灯具本体と、前記電源装置と前記灯具本体に設けられたLEDユニットとを電気的に接続する電線と、を有し、前記電線に弾性を有するガイド板を取り付けるとともに、前記ガイド板の一端を前記器具本体に取り付け
、前記ガイド板には、前記電線が挿通される複数個の開口が設けられているものである。
【0009】
また、本発明の照明器具は、前記ガイド板の幅寸法が、前記電線の幅寸法よりも大きいものである。
【0010】
また、本発明の照明器具は、前記ガイド板の長さ寸法が、前記電線の長さ寸法と同等であるものである。
【0011】
さらに、本発明の照明器具は、前記ガイド板が、折曲げ可能であるものである。
【発明の効果】
【0012】
本発明は、器具本体に設置された電源装置と灯具本体に設けられたLEDユニットとを電気的に接続する電線に、弾性を有するガイド板を取り付けて、ガイド板の一端を器具本体に取り付けた。このため、電線は自由に変形できず、弾性を有する板状のガイド板の変形可能方向に沿ってのみ変形するので、灯具本体を器具本体に取り付ける際に、電線が灯具本体と器具本体との間に挟まれるのを防止できるという効果を有する照明器具を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本発明に係る実施形態の照明器具を天井の取付穴に取り付けた状態の断面図
【
図2】本発明に係る実施形態の照明器具の分解斜視図
【
図5】
図4中V方向から見た器具本体およびガイド板の斜視図
【
図6】電線を支持するガイド板を湾曲させた状態の斜視図
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明に係る実施形態の照明器具について、図面を用いて説明する。
図1に示すように、本発明に係る実施形態の照明器具10は、天井11に設けられている取付穴12に取り付けて、下方を照明するのに用いることができる。
図1および
図2に示すように、照明器具10は、下方に開口する矩形箱状の器具本体20と、器具本体20に取り付けられる灯具本体30を有する。
【0015】
器具本体20の下端部には、器具本体20を天井11の取付穴12に取り付けた際に、天井11の下面に当接して下方に露出する枠部26が設けられている。
器具本体20の天板21には長手方向の両端部に吊金具22が設けられており、天井11の取付穴12に設けられている取付ボルト13に吊金具22を取り付けることにより、器具本体20を天井11の取付穴12に取り付ける。
器具本体20の天板21の上面には、電源装置23が取り付けられており、ブロックカバー27で覆われている。
【0016】
電源装置23は、長手方向の一端部に電源用端子台231を有しており、取付穴12に配線されている電源線14に接続される。また、電源装置23は、長手方向他端部に調光信号用端子台232を有しており、取付穴12に配線されている調光信号線15に接続される。電源装置23には、点灯電力供給用の電線28の一端が接続されており、他端には器具側コネクタ24が取り付けられている。
また、器具本体20の長手方向両端部には落下防止ワイヤ25が設けられており、落下防止ワイヤ25の先端は灯具本体30に取り付けられる。これにより、灯具本体30を器具本体20から取り外した際に、灯具本体30が落下するのを防止している。
【0017】
灯具本体30は、内部に光源であるLED(図示省略)を備えたLEDユニット32を有し、LEDユニット32の前方(下方)には複数枚のルーバー板331を有するルーバー33が取り付けられる。
LEDユニット32には灯具側コネクタ31が取り付けられており、電線28に取り付けられている器具側コネクタ24に接続して、点灯電力の供給を受ける。
【0018】
図3に示すように、電線28には、弾性を有するガイド板40が取り付けられる。
ガイド板40は、弾性を有する細長い矩形板状部材であり、例えば、樹脂製のものを用いることができる。ガイド板40の幅寸法B1は、器具本体20の内幅寸法W(
図4参照)よりも小さく、かつ、電線28の幅寸法B2よりも大きい。
なお、ガイド板40の上端部(一端)43には凸部431が設けられており、先端部46には先細りの傾斜が設けられている。
【0019】
また、ガイド板40の長さ寸法は、電線28の長さ寸法と同等である。ここで、同等とは、電線28をガイド板40に取り付けた際に、電線28が過度にあまってガイド板40から長くはみ出さないような長さであることを意味する。
従って、電線28が若干あまるような場合も含む。
なお、電線28には、アース線281を含む場合もある。
【0020】
ガイド板40には、複数個(
図3においては、例えば3個)の開口41が設けられている。開口41は、ガイド板40の幅方向中央部において、例えば、菱形に設けられているが、開口41の形状は菱形に限定するものではない(
図6参照)。
従って、電線28を、ガイド板40の裏側(紙面裏側)から開口411に通して表側(紙面表側)に出し、隣接する開口412においてガイド板40の裏側に通す。さらに、次の開口413においてガイド板40の表側に通すことにより、電線28をガイド板40に取り付けることができる。このとき、開口41が菱形形状なので、電線28は開口41の中心に位置決めされる。
また、ガイド板40には、中央部において幅方向に折曲げ線42が設けられており、折曲げ線42において折曲げ可能となっている。
【0021】
図4および
図5に示すように、ガイド板40の上端部43は、例えば、ねじ44によって器具本体20に取り付けられる。この際、ガイド板40の上端部43に設けられている凸部431を器具本体20に設けられているスリット211に挿嵌することにより、位置決めすることができる。
従って、ガイド板40を器具本体20内において幅方向中央に取り付けることにより、電線28を器具本体20における幅方向中央に取り付けることができる。同様に、ガイド板40を器具本体20内における幅方向端部側に設けることにより、電線28を、幅方向端部側に設けることも可能である。
【0022】
図6に示すように、ガイド板40は、弾性を有する板状部材であるので、ガイド板40を曲げると、ガイド板40の表面側あるいは裏面側にのみ湾曲可能である。このため、ガイド板40に支持される電線28も、ガイド板40の表面側あるいは裏面側にのみ湾曲可能である。
なお、
図6においては、矩形の開口45を所定間隔で設け、開口45において電線28をガイド板40の裏面側から表面側へ通し、隣接する次の開口45において電線28を表面側から裏面側へ通して電線28を保持している。
【0023】
ガイド板40の長手方向中央部分には折曲げ線42が設けられているので、ガイド板40を一定量以上湾曲させると、折曲げ線42から折曲げることができる。折曲げ線42は、幅方向に設けられているので、ガイド板40は表面と直交する方向へのみ折曲げ可能である。
従って、灯具本体30を器具本体20に取り付けると、ガイド板40は折曲げ線42において折曲げられて、器具本体20内部に収容される(
図1参照)。
【0024】
以上、説明した本発明に係る実施形態の照明器具10によれば、器具本体20に設置された電源装置23と、灯具本体30に設けられたLEDユニット32とを電気的に接続する電線28に、弾性を有するガイド板40を取り付けた。そして、ガイド板40の上端部43を器具本体20に取り付けた。
このため、電線28は自由に変形できず、弾性を有する板状のガイド板40の変形可能方向に沿ってのみ変形するので、灯具本体30を器具本体20に取り付ける際に、電線28が灯具本体30と器具本体20との間に挟まれるのを防止できる。
【0025】
ガイド板40の幅寸法B1は、電線28の幅寸法B2よりも大きいので、電線28をガイド板40の幅からはみ出さないように収容できる。
これにより、灯具本体30を器具本体20に取り付ける際に、電線28がガイド板40からはみ出して、灯具本体30と器具本体20との間に挟まれるのを確実に防止できる。
【0026】
ガイド板40の長さ寸法が、電線28の長さ寸法と同等であるので、電線28の余長がガイド板40から大きくはみ出さない。
これにより、灯具本体30を器具本体20に取り付ける際に、電線28がたるんで灯具本体30と器具本体20との間に挟まれるのを確実に防止できる。
【0027】
ガイド板40は折曲げ可能であるので、電線28は、ガイド板40の折曲げ方向に沿って変形する。
従って、電線28の収納方向および収納スペースが限定できるので、電線28を挟み込むような部品等を収納スペースに設けないようにすることにより、電線28が灯具本体30と器具本体20との間に挟まれるのを確実に防止できる。
【0028】
なお、本発明の照明器具は、前述した実施形態に限定されるものでなく、適宜な変形、改良等が可能である。
例えば、前述した実施形態にかかる照明器具10では、灯具本体30の下側にルーバー33を取り付けた場合を例示したが、ルーバー33の代わりに、透光性を有するカバーを取り付ける場合にも適用可能である。
【0029】
また、前述した実施形態にかかる照明器具10では、ガイド板40に開口41、45を設け、開口41、45に電線28を通すことにより電線28を保持する場合を例示したが、これに限定するものではない。そのほかの保持手段により、電線28をガイド板40に保持する場合にも適用可能である。
【符号の説明】
【0030】
10 照明器具
11 天井
12 取付穴
20 器具本体
23 電源装置
28 電線
30 灯具本体
32 LEDユニット
40 ガイド板
43 上端部(一端)
B1 ガイド板の幅寸法
B2 電線の幅寸法