【実施例】
【0045】
本発明は以下の実施例によってさらに例示される。本明細書において使用される全ての化合物は、手順が以下に示されているもの以外は市販されている。構造的な特徴付けはOMNI−PROBEを用いるINOVA 500NMRスペクトロメータ(プロトンについて500MHzで操作する)、またはGEMINI300NMRスペクトロメータ(フッ素について282MHzで操作する)(それぞれ、Varianから)における核磁気共鳴(NMR)スペクトル分析よって行われた。他に特定されない限りは全ての試薬は商業的に得られた。比較例のPAGであるトリフェニルスルホニウム1,1,2,2,3,3,4,4,4−ノナフルオロブタン−1−スルホナート(TPS−PFBuS)およびビス(4−tert−ブチルフェニル)ヨードニウム1,1,2,2,3,3,4,4,4−ノナフルオロブタン−1−スルホナート(DTBPI−PFBuS)は東洋合成工業株式会社から商業的に入手された。
【0046】
実施例1:(4−tert−ブチルフェニル)ジナフタレン−2−イル−スルホニウム1,1,2,2,3,3,4,4,4−ノナフルオロブタン−1−スルホナートの合成。
A:ビス(2−ナフチル)スルフィドの合成
2−ナフトール(33.3g、0.23mol)、2−ナフタレンチオール(36.7g、0.23mol)およびp−トルエンスルホン酸(44g、0.23mol)の混合物がトルエン(500mL)中で、4時間、N
2雰囲気下で加熱還流された。冷却後、飽和NaHCO
3溶液を用いて反応が停止させられた。次いで、この混合物はCH
2Cl
2で抽出され、合わせた有機抽出物はH
2Oで洗浄され、次いでロータリーエバポレーションによって濃縮乾固された。粗生成物はトルエンからの結晶化によって精製されて、52g(79%)の上記スルフィドを得た。
1H NMR(CDCl
3)δ=7.44−7.52(m,3H)、7.72−7.85(m,3H)、7.9(br s,1H)。
【0047】
B:PAGの合成
DTBPI−PFBuS(3.4g、4.91mol)、ビス(2−ナフチル)スルフィド(1.43g、4.99mmol、1.02当量)を、上記ジアリールスルフィドとして、および安息香酸銅(0.038g、0.124mmol、0.025当量)のクロロベンゼン(約10mL)中の懸濁物が80℃に、約3時間加熱され、室温(本明細書においてr.t.と略す)に冷却された。この反応混合物は減圧下でロータリーエバポレーションによって濃縮され、粗残留物を沸騰ヘキサンで洗浄し、乾燥させて標記化合物(2.94g、83%)を灰白色固体として得た。
1H NMR(アセトン−d
6)δ:8.71(s,2H)、8.37(d,J=9Hz,2H)、8.18(d,J=8.5Hz,2H)、8.12(d,J=8Hz,2H)、8.00(d,J=8.5Hz,2H)、7.89−7.96(m,4H)、7.87(t,J=8Hz,2H)、7.79(t,J=8Hz,2H)、1.39(s,9H)。
19F NMR(アセトン−d
6)δ:−82.21(3F)、−115.72(2F)、0122.38(2F)、−127.00(2F)。
【0048】
実施例2:A.4,4’−スルフィニルジフェノールの合成
過酸化水素(H
2O中30重量%、50mL、0.382mol)およびトリフルオロメタンスルホン酸無水物(32.4mL、0.191mmol、0.5当量)のエタノール(350mL)中溶液を4,4’−チオジフェノール(125g、0.573mol、1.5当量)のエタノール(1.25L)中溶液に、4時間にわたって滴下添加した。完全に添加した後、反応混合物を室温で30分間攪拌し、減圧濃縮し、酢酸エチル(1L)で希釈し、水(600mL)で洗浄した。水性層は酢酸エチルで抽出(3回×600mL)され、合わせた有機層を乾燥(Na
2SO
4)させ、減圧濃縮した。粗固体はメチルtert−ブチルエーテル(1L)で希釈され、一晩攪拌された。沈殿がメチルtert−ブチルエーテル(3回×500mL)で洗浄され、空気乾燥されて、標記化合物を定量収率で白色固体として得た。
1H NMR(アセトン−d
6)δ:8.85−9.05(brs,2H)、7.50(d,J=8.5Hz,4H)、6.95(d,J=8.5Hz,4H)。
【0049】
B.(2−(2−メトキシエトキシ)エトキシ)ベンゼンの合成
フェノール(150g、0.159mol)、炭酸カリウム(26.4g、0.191mol、1.2当量)およびテトラメチルエチレンジアミン(0.92g、7.95mmol、0.05当量)がジメチルスルホキシド(DMSO;100mL)中に溶解され、室温で30分間攪拌された。1−ブロモ−2−(2−メトキシエトキシ)エタン(30.56g、0.166mol、1.04当量)が添加され、この溶液が18時間にわたって90℃に加熱され、室温に冷却された。この反応混合物が酢酸エチル(600mL)で希釈され、1Mの水酸化カリウム(3回×300mL)で洗浄され、乾燥(Na
2SO
4)させられ、減圧濃縮されて、標記化合物(16.50g、52%)を橙色オイルとして得た。
1H NMR(アセトン−d
6)δ:7.27(dt,J=8.5Hz,1Hz,2H)、6.94(dd,J=8Hz,1Hz,2H)、6.92(dt,J=8Hz,1Hz,1H)、4.12(t,J=5Hz,2H)、3.80(t,J=5Hz,2H)、3.64(t,J=5Hz,2H)、3.50(t,J=5Hz,2H)、3.29(s,3H)。
【0050】
C.4,4’−スルフィニルビス((2−(2−メトキシエトキシ)エトキシ)ベンゼン)の合成
4,4’−スルフィニルジフェノール(20.0g、85.0mmol)、炭酸カリウム(26.6g、0.192mol、2.26当量)およびテトラメチルエチレンジアミン(0.495g、4.25mmol、0.05当量)がDMSO(100mL)に溶解され、室温で30分間攪拌された。次いで、1−ブロモ−2−(2−メトキシエトキシ)エタン(32.67g、0.179mmol、2.1当量)が添加され、この溶液が18時間、90℃に加熱され、室温に冷却された。この反応混合物は酢酸エチル(600mL)で希釈され、水(5回×500mL)で洗浄され、乾燥(Na
2SO
4)させられ、減圧濃縮されて、標記化合物(33.40g、90%)を橙色オイルとして得た。
1H NMR(アセトン−d
6)δ:7.59(d,J=8.5Hz,4H)、7.07(d,J=8.5Hz,4H)、4.17(t,J=4.5Hz,4H)、3.80(t,J=5Hz,4H)、3.63(t,J=4.5Hz,4H)、3.48(t,J=4.5Hz,4H)、3.28(s,6H)。
【0051】
D.トリス(4−(2−(2−メトキシエトキシ)エトキシ)フェニル)スルホニウム1,1,2,2,3,3,4,4,4−ノナフルオロブタン−1−スルホナートの合成
Eaton’s試薬(メタンスルホン酸中7.7重量%のP
2O
5;4mL)が、4,4’スルフィニルビス((2−(2−メトキシエトキシ)エトキシ)ベンゼン)(1.00g、2.28mmol)および(2−(2−メトキシエトキシ)エトキシ)ベンゼン(0.447g、2.28mmol、1当量)のジクロロメタン(5mL)中溶液に2時間にわたって滴下添加され、一晩室温で攪拌された。この反応混合物は水(75mL)の添加によりゆっくりとクエンチされ、酢酸エチル(4回×50mL)で抽出された。1,1,2,2,3,3,4,4,4−ノナフルオロブタン−−スルホン酸カリウム(1.54g、4.56mmol、2当量)がこの水層に添加され、次いでジクロロメタン(100mL)が添加され、得られた二相混合物が室温で一晩攪拌された。これら層は分離され、水性層はジクロロメタン(3回×50mL)で抽出され、合わせた有機層が減圧濃縮された。粗オイルが熱水(100mL)中に溶解され、メチルtert−ブチルエーテル(2×50mL)、次いでジクロロメタン(3回×100mL)で抽出された。ジクロロメタン層が乾燥(Na
2SO
4)させられ、減圧濃縮されて、橙色オイルとして標記化合物(0.80g、38%)を得た。
1H NMR(アセトン−d
6)δ:7.79(d,J=9.5Hz,6H)、7.34(d,J=9Hz,6H)、4.29(t,J=5Hz,6H)、3.85(t,J=5Hz,6H)、3.64(t,J=5Hz,6H)、3.49(t,J=5Hz,6H)、3.28(s,9H)。
19F NMR(300MHz、(CD
3)
2CO)δ:−82.21(3F)、−115.89(2F)、−122.42(2F)、−127.00(2F)。
【0052】
実施例3〜5、7〜9
実施例3〜5および7〜9のPAGへの前駆体スルフィドは以下のジアリールスルフィド手順に従って製造され、対応するPAGは、表1に示された具体的なジアリールスルフィドおよび試薬モル比が使用され、かつメチルt−ブチルエーテル、ジクロロメタンおよびヘプタンもしくはヘキサンの混合物が沈殿溶媒として使用されたことを除いて、実施例1の一般的な手順に従って製造された。
【0053】
ビス(4−ビフェニル)スルフィド(実施例3についての前駆体)の合成
4−ヨードビフェニル(25g、0.089mol)、無水Na
2S(3.84g、0.049mol)、CuI(1.7g、8.9mmol)およびK
2CO
3(6.77g、0.049mol)の無水DMF(100mL)中の懸濁物がN
2下で130℃で24時間加熱された。冷却後、水が添加され、混合物はジクロロメタンで抽出された。合わせた有機相が2NのNaOH(水性)、次いで水で洗浄された。溶媒が除去され、残留物はカラムクロマトグラフィ(シリカ/ヘキサン)によって精製され、9.4g(31%)の上記スルフィドを生じさせた。
1H NMR(CDCl
3)δ=7.33−7.38(m,1H)、7.42−7.48(m,4H)、7.54−7.61(m,4H)。
【0054】
ビス(1−ナフチル)スルフィド(実施例4についての前駆体)の合成
1−ヨードナフタレン(25.4g、0.10mol)、無水Na
2S(3.90g、0.05mol)、CuI(1.71g、9.0mmol)およびK
2CO
3(6.91g、0.05mol)の無水N,N−ジメチルホルムアミド(DMF;100mL)中の懸濁物がN
2下で130℃で24時間加熱された。冷却後、水が添加され、混合物はジクロロメタンで抽出された。合わせた有機相が2NのNaOH(水性)、次いで水で洗浄された。溶媒がロータリーエバポレーションによって除去され、残留物はカラムクロマトグラフィ(シリカ/ヘキサン)によって精製され、9.7g(34%)の上記スルフィドを生じさせた。
1H NMR(CDCl
3)δ=7.31−7.33(m,2H)、7.51−7.56(m,2H)、7.78(dd,J=4.25,4.25Hz,1H)、7.89(dd,J=6.25,3.2Hz,1H)、8.43(dd,J=6.1,3.5Hz,1H)。
【0055】
4−ビフェニル(2−ナフチル)スルフィド(実施例5についての前駆体)の合成
2−ナフタレンチオール(21.4g、0.134mol)、4−ヨードビフェニル(25.0g、0.89mol)、CuI(16.95g、0.089mmol)、K
2CO
3(12.3g、0.089mol)およびエチレングリコール(10mL)のtert−アミルアルコール(500mL)中の混合物がN
2下で48時間還流された。冷却後、ジクロロメタンが添加され、混合物は2NのNaOH、水で抽出され、アルミナプラグを通してろ過された。溶媒が減圧下で除去されて、残留物はカラムクロマトグラフィ(シリカ/ヘキサン)によって精製され、8.9g(32%)の上記スルフィドを生じさせた。
1H NMR(CDCl
3)δ=7.33−7.38(m,1H)、4.41−7.50(m,7H)、7.52−7.61(m,4H)、7.74−7.84(m,3H)、7.9(br s,1H)。
【0056】
(ビス4−ブロモフェニル)スルフィド(実施例7についての前駆体)の合成
臭素(38.4g、0.24mol)が室温で、ジクロロメタン(50mL)およびH
2O(50mL)の混合物中のジフェニルスルフィド(18.6g、0.1mol)の溶液に滴下添加された。冷却後、飽和水性亜硫酸水素ナトリムを添加することにより過剰の臭素が使い尽くされた。粗生成物がジクロロメタンで抽出され、合わせた有機層が水で洗浄された。溶媒はロータリーエバポレーションによって除去され、生成物はイソプロパノールから結晶化されて、29.6g(86%)のスルフィドを生じさせた。
1H NMR(CDCl
3)δ7.19(dてJ=8.5Hz,4H)、7.43(d,J=8.5,4H)。
【0057】
ビス(4−ペンタフルオロフェノキシフェニル)スルフィド(実施例8についての前駆体)の合成
無水DMF(150mL)中の4,4’−チオジフェノール(20.0g、0.092mol)、ヘキサフルオロベンゼン(68g、0.37mol)およびK
2CO
3がN
2下で48時間、90℃で加熱された。冷却後、水が添加され、混合物はジクロロメタンで抽出された。有機層は水で洗浄され、ロータリーエバポレーションによってジクロロメタンが除去された。このクルード物はカラムクロマトグラフィ(シリカゲル/ヘキサン)によって精製され、41g(81.3%)の上記スルフィドを生じさせた。
1H NMR(CDCl
3)δ6.91(d,J=8.75Hz)、7.31(d,J=8.75Hz)。
【0058】
9−アントラセニル(2−ナフチル)スルフィド(実施例9についての前駆体)の合成
2−ナフタレンチオール(15.5g、0.097mol)、9−ブロモアントラセン(25.0g、0.0.097mol)、CuI(19.1g、0.1mol)、K
2CO
3(15.0g、0.11mol)、KI(16.6g、0.1mol)およびエチレングリコール(10mL)のtert−アミルアルコール(500mL)中の混合物がN
2下で48時間還流された。冷却後、ジクロロメタンが添加され、混合物は2NのNaOHおよび水で洗浄され、アルミナプラグを通してろ過された。溶媒が減圧下ロータリーエバポレーションによって除去され、残留物はカラムクロマトグラフィ(シリカ/ヘキサン)によって精製され、16.5g(50.5%)の上記スルフィドを生じさせた。
1H NMR(CDCl
3)δ7.13(dd,J=8.7,1.85Hz,1H)、7.28−7.35(m,3H)、7.43−7.47(m,1H)、7.49−7.56(m,4H)、7.58(d,J=8.7Hz,1H)、7.66−7.70(m,1H)、8.06−8.10(m,2H)、8.64(s,1H)、8.84−8.89(m,2H)。
【0059】
【表1】
【0060】
実施例6
実施例6のPAGは、(2−(2−メトキシエトキシ)エトキシ)ベンゼンの代わりに2,6−ジメチルフェノール(0.975g、7.98mmol、1当量)(シグマアルドリッチから市販)が使用されたこと、かつ3.50g(7.98mmol、1当量)の4,4’−スルフィニルビス((2−(2−メトキシエトキシ)エトキシ)ベンゼン)および3.24g(9.58mmol、1.2当量)の1,1,2,2,3,3,4,4,4−ノナフルオロブタン−1−スルホン酸カリウムが使用されたことを除いて、実施例2の工程AおよびDの手順に従って製造された。
【0061】
表2は実施例3〜9のPAGについての特徴付けデータ(
1H NMR)を示す。
【表2】
【0062】
実施例10:1,1,2,2,3,3,4,4,4−ノナフルオロブタン−1−スルホン酸ビフェニル−4−イル(4−フェノキシフェニル)ヨードニウムの合成
過ホウ酸ナトリウム四水和物(55mmol、8.46g)が氷酢酸(45mL)中の4−ヨードビフェニル(5.00mmol、1.40g)の溶液に40℃で、複数ポーションで添加され、8時間攪拌され、室温に冷却された。この反応物の体積は真空下で20mLまで低減させられ、水(50mL)で希釈され、ジクロロメタン(3×20mL)で抽出された。合わせた有機物画分が乾燥(MgSO
4)させられ、真空下で濃縮されて、4−ジアセトキシヨードビフェニルを生じさせ、これは次の工程においてさらに精製することなく使用される。
【0063】
アセトニトリル(3mL)中p−トルエンスルホン酸(1当量、0.364g、2.00mmol)の溶液がアセトニトリル(3mL)中の4−ジアセトキシヨードビフェニル(1当量、0.796g、2.00mmol)に添加され、次いでアセトニトリル(1mL)中のフェニルエーテル(1当量、0.340g、2.00mmol)が添加され、室温で2時間攪拌された。この反応混合物は水(20mL)で希釈され、ヘプタン(3回×10mL)で抽出された。ジクロロメタン(20mL)が水性層に添加され、次いで1,1,2,2,3,3,4,4,4−ノナフルオロブタン−1−スルホン酸カリウム(1.1当量、0.744g、2.20mmolが添加され、室温で一晩攪拌された。この有機層は水(3回×20mL)で洗浄され、乾燥(MgSO
4)させられ、真空下で濃縮されて標記化合物を生じさせた。
【0064】
実施例1〜10からのPAGカチオンは以下の表3に示され;それぞれは1,1,2,2,3,3,4,4,4,−ノナフルオロブタン−1−スルホナート(ペルフルオロブタンスルホナート、PFBuS)アニオンを用いて、以下の合成手順に従って製造された。
【0065】
【表3】
【0066】
ポリマーAの合成
メタクリル酸1−エチルシクロペンチル(59.24g、0.325mol)、メタクリル酸(2−イソプロピル)−2−アダマンチル(12.18g、0.046mol)、メタクリル酸アルファ−(ガンマ−ブチロラクトン)(39.51g、0.232mol)、メタクリル酸(3−ヒドロキシ)−1−アダマンチル(65.84g、0.279mol)、およびメタクリル酸3,5−ビス(1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−ヒドロキシプロパン−2−イル)シクロヘキシル(23.23g、0.046mol)が、乳酸エチル(本明細書において、EL)、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセタート(本明細書において、PGMEA)およびガンマ−ブチロラクトンの溶媒混合物(それぞれ40/30/30 v/v比)300gに溶解された。VAZO V−601開始剤(32.08g;デュポンから入手可能)が、同じ溶媒混合物20gに溶解された。追加の前記溶媒混合物280gを収容する反応器が70〜72℃に加熱され、その温度で開始剤溶液が添加された。数分後、モノマー溶液がこの反応器に3.5時間にわたって供給された。この反応溶液はさらに30分間70℃に保持された。11.6Lの攪拌された水中に沈殿させることにより粗ポリマーが単離され、集められ、空気乾燥された。空気乾燥されたこのポリマーは976.8gの前記溶媒混合物に溶解され、メタノールおよび水(それぞれ80/20 v/v比)の攪拌された混合物19.5L中で沈殿させられ、集められ、空気乾燥された。このポリマーは真空オーブン中で60℃で乾燥させられて、128.6g(64%)のポリマーAを白色粉体(GPC:Mw=6,551、多分散度=1.41)として生じさせた。
【0067】
ポリマーBの合成
メタクリル酸1−エチルシクロペンチル(48.78g、0.268mol)、メタクリル酸(2−イソプロピル)−2−アダマンチル(10.03g、0.038mol)、メタクリル酸ガンマ−ブチロラクトン(45.55g、0.268mol)、およびメタクリル酸3,5−ビス(1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−ヒドロキシプロパン−2−イル)シクロヘキシル(95.64g、0.191mol)が、EL、PGMEAおよびガンマ−ブチロラクトンの溶媒混合物(それぞれ40/30/30 v/v比)300gに溶解された。VAZO V−601開始剤(27.29g;デュポンから入手可能)が、上記溶媒混合物20gに溶解された。追加の前記溶媒混合物280gを収容する反応器が70〜75℃に加熱され、その温度で開始剤溶液が添加された。数分後、モノマー溶液がこの反応器に3.5時間にわたって供給された。この反応溶液はさらに30分間70−71℃に保持された。メタノールおよび水(それぞれ50/50 v/v比)の攪拌された混合物12Lに沈殿させることにより粗ポリマーが単離され、集められ、空気乾燥された。空気乾燥されたこのポリマーは760.2gの前記溶媒混合物に溶解され、メタノールおよび水(それぞれ50/50 v/v比)の攪拌された混合物15.2L中で沈殿させられ、集められ、空気乾燥された。このポリマーは真空オーブン中で60℃で乾燥させられて、165g(82%)のポリマーBを白色粉体(GPC:Mw=6,655、多分散度=1.60)として生じさせた。
【0068】
フォトレジスト製造および処理
比較配合例
EL中のポリマーAの10重量%溶液5.563g、EL中のポリマーBの10重量%の溶液5.563g、EL中のTPS−PFBuSの2重量%溶液6.250g(比較PAG例)、PGMEA中のTroger’s塩基の1重量%溶液1.113g、EL中のOmnova PF656界面活性剤の0.5重量%溶液0.250g、EL溶媒21.51gおよびPGMEA9.750gを混合することにより、ポジティブトーンフォトレジスト組成物が製造された。配合されたレジストはろ過された(0.2μm)。
【0069】
配合例1〜8
比較配合例(CFEx)について記載された配合に従って、表4に特定された量に置き換えて、実施例1〜6、8および9のPAGを含むポジティブトーンフォトレジスト組成物が製造された。
【0070】
【表4】
【0071】
上記フォトレジスト配合物CFExおよび配合例(FEx)1〜8は以下のようにリソグラフィ処理された。配合されたレジストはTEL ACT−8(東京エレクトロン株式会社)コーティングトラックを用いて、下部反射防止コーティング(BARC)(248nm露光についてはAR
商標9、ロームアンドハースエレクトニックマテリアルズLLC、または193nm露光についてはAR
商標19、ロームアンドハースエレクトニックマテリアルズLLC、またはEUVについての有機下層)をウェハ上に有する200mmシリコンウェハ上にコーティングされ、130℃で90秒間ソフトベークされて厚さ約60nmのレジスト膜を形成した。このフォトレジスト層はフォトマスクを通して248nmKrFエキシマレーザー放射線、193nmArFエキシマレーザー放射線、またはEUV放射線(eMET、13.4〜13.5nm)の放射線で露光され、露光された層は90℃で60秒間露光後ベーク(PEB)された。コーティングされたウェハは、次いで、金属イオンを含まない塩基現像剤(0.26Nのテトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液)で処理されて、フォトレジスト層を現像した。
【0072】
各露光波長についてのクリアのための線量(E
0)値、並びに248nmおよび193nmでのEUVについて相対的なレジスト除去線量(帯域外感度、OOB)が表5に示される。
【0073】
【表5】
【0074】
表5に認められるように、PAG実施例1〜6、8および9は、それぞれ、E
0によって測定されるようにEUV放射線に対する望ましい感度を示すが、比較例(CFEx.トリフェニルスルホニウムカチオンを有する)は、実施例2(2.0mJ/cm
2)および6(1.6mJ/cm
2)以外の全てより高い感度(2.7mJ/cm
2)を有していた。しかし、実施例1、3〜6、8および9のPAGはそれぞれ、CFEx(248nmでのOOB=0.6)よりも248nmでの向上した帯域外感度(248nmでの0.4以下のOOB)を示し、実施例1〜6、8および9の全てのPAGはCFEx(193nmでのOOB=1.9)よりも193nmでの向上したOOB(193nmでの1.5以下のOOB)を示す。よって、実施例1〜6、8および9の代表的なPAGはEUV露光に対して感受性であると共に、比較例よりもEUVでない露光波長に対してより低い感度を示すことが認められうる。
【0075】
本明細書に開示された全ての範囲は終点を含み、その終点は互いに独立して組み合わせ可能である。「場合によって」または「任意の」とはその後に記載された事象もしくは状況が起こってもよく、または起こらなくてもよく、そしてその記載はその事象が起こる例およびその事象が起こらない例を含む。本明細書において使用される場合、「組み合わせ」は、ブレンド、混合物、合金もしくは反応生成物を包含する。全ての参考文献は参照により本明細書に組み込まれる。
【0076】
さらに、用語「第1」、「第2」などは、本明細書においては、順序、品質もしくは重要性を示すものではなく、1つの要素を他のものから区別するために使用されることもさらに留意されたい。