(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下に、本発明にかかる実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0015】
(実施の形態1)
本発明の実施の形態1にかかる洗浄装置1を
図1、2に示す。
図1は洗浄装置1の断面図、
図2は洗浄装置1の上面図である。
【0016】
図1に示されるように、洗浄装置1は、内部にウェハ2が配置される槽3と、槽3を覆うように配置され、槽3からオーバーフローする液体を収容するシンク4と、槽3内に配置されたウェハ2に洗浄液を噴射するための洗浄液噴射装置5と、槽3内に洗浄液を貯留するように洗浄液を供給するための洗浄液供給装置6と、槽3内の洗浄液を外部へ排出するための排出装置7と、洗浄液噴射装置5、洗浄液供給装置6、および排出装置7を制御する制御装置8とを備える。
【0017】
図1、2に示されるとおり、槽3は、上方に開口が形成された略直方体形状を有しており、ウェハ2は槽3の中央部に配置される。
【0018】
図1に示されるように、洗浄液噴射装置5は、槽3内に洗浄液を噴射するシャワーノズル9と、シャワーノズル9に接続するとともにシャワーノズル9に洗浄液を供給するシャワーパイプ10とを備える。
図2に示されるように、シャワーパイプ10は、複数のシャワーノズル9に接続した状態で、左右に1組ずつ設けられている。このように左右のシャワーパイプ10に接続されたシャワーノズル9は、
図1に示されるように槽3の左右端部やや上方付近において互いに対向するようにして設けられ、その向きは、ウェハ2の配置される中央部に洗浄液を噴射できるよう中央やや下向きに向けられている。このようなシャワーノズル9の配置により、ウェハ2に対して洗浄液が左右方向から噴射される。
【0019】
さらに、洗浄液噴射装置5は、パイプを介してシャワーパイプ10に接続するとともに槽3の外部に存在する洗浄液供給源22とも接続して、洗浄液供給源22からシャワーパイプ10への洗浄液の供給を可能にする洗浄液供給口11と、シャワーパイプ10とシャワー供給口11を接続するパイプの途中に配置されたシャワーバルブ12とを備える。シャワーバルブ12の開閉により、シャワーパイプ10とシャワー供給口11を接続するパイプを経由する洗浄液の供給と停止を調節する。本実施の形態1では、シャワーバルブ12は、制御装置8によって自動制御される制御バルブである。
【0020】
シャワーバルブ12を開状態に制御することにより、洗浄液供給源22からの洗浄液がシャワー供給口11からシャワーパイプ10を通じてシャワーノズル9に流れて、シャワーノズル9から洗浄液が噴射される。一方、シャワーバルブ12を閉状態に制御すると、シャワー供給口11からシャワーパイプ10に洗浄液が流れないため、シャワーノズル9から洗浄液が噴射されない。本実施の形態1では、洗浄液として、優れた洗浄効果を発揮することができる超純水を使用しているが、その他にも純水やウェハの薬液洗浄に適した液体(例えば、IPAなどの溶剤)を用いても良い。
【0021】
図1に示されるように、洗浄液供給装置6は、槽3内に配置されるとともに槽3内に洗浄液を貯留するために洗浄液を供給する洗浄液供給ノズル13と、パイプを介して洗浄液供給ノズル13に接続するとともに槽3の外部に配置された洗浄液供給源22に接続することにより、洗浄液供給源22から洗浄液供給ノズル13への洗浄液の供給を可能にする洗浄液供給口14とを備える。さらに、洗浄液供給装置6は、洗浄液供給ノズル13と洗浄液供給口14を接続するパイプの途中に配置された洗浄液供給バルブ15とを備え、洗浄液供給バルブ15の開閉により、同パイプを経由する洗浄液の供給と停止を調節する。本実施の形態1では、洗浄液供給バルブ15もシャワーバルブ12と同様に、制御装置8により自動制御される制御バルブである。
【0022】
洗浄液供給バルブ15を開状態に制御することにより、洗浄液供給源22からの洗浄液が洗浄液供給口14からパイプを通じて洗浄液供給ノズル13へと流れて、洗浄液供給ノズル13から槽3内に洗浄液が供給される。一方、洗浄液供給バルブ15を閉状態に制御すると、洗浄液供給口14からパイプに洗浄液が流れないため、洗浄液供給ノズル13から洗浄液は供給されない。本実施の形態1では、洗浄液供給装置6の洗浄液として、洗浄液噴射装置5と同様の超純水を使用しているが、洗浄液噴射装置5の洗浄液と異なる液体を用いても良く、さらには洗浄液供給口14を洗浄液供給源22とは異なる供給源に接続するようにしても良い。
【0023】
図1に示されるように、排出装置7は、槽3内の洗浄液を外部へ排出する洗浄液排出管16と、洗浄液排出管16の途中に配置された洗浄液排出管バルブ17とを備える。洗浄液排出管バルブ17の開閉により、洗浄液排出管16を経由する洗浄液の供給と停止を調節する。本実施の形態1では、洗浄液排出管バルブ17もシャワーバルブ12および洗浄液供給バルブ15と同様に、制御装置8により自動制御される制御バルブである。
【0024】
洗浄液排出管バルブ17を開状態に制御することにより、槽3内の洗浄液が洗浄液排出管16を通じて外部へ排出されて、後述するクイックダンプリンスが行われる。クイックダンプリンス時に槽3内の洗浄液を短時間で排出できるように、洗浄液排出管16の形状や大きさが設計されている。一方、洗浄液排出管バルブ17を閉状態に制御すると、槽3内の洗浄液は洗浄液排出管16から排出されない。洗浄液排出管バルブ17を閉状態に保ったまま、洗浄液噴射装置5や洗浄液供給装置6から槽3内へ洗浄液を供給し続けると、槽3内の洗浄液はオーバーフローする。オーバーフローした洗浄液はシンク4へと流れ、シンク4に形成されたシンクドレン18を通じて外部へ排出される。
【0025】
図3は、本実施の形態1で用いるウェハ2の上面図である。ウェハ2は、既に薬液処理によってエッチング加工されており、図面では省略しているもののウェハ2の表面上には所望のパターンが形成されている。
図3に示されるように、ウェハ2は直径約100mmの略円板状で、
図3における上方には直線部分(オリエンテーションフラット若しくは単にオリフラ19という)が形成されている。
【0026】
次に、上述したような構成を有する洗浄装置1を用いて、ウェハ2から残存する薬液を洗浄する方法について、
図4に示すフローチャートを用いて説明する。なお、以降に説明するそれぞれの処理は、洗浄装置1が備える制御装置8によりそれぞれの構成部が予め設定されたプログラムおよび運転条件に基づいて制御されることにより実施される。
【0027】
(配置工程)
まず、
図4のフローチャートにおける配置工程(ステップS1)を実施する。具体的には、ウェハ2をキャリア20に保持させた状態で、キャリア20ごと槽3内に配置する。このとき、シャワーバルブ12、洗浄液供給バルブ15、および洗浄液排出管バルブ17はいずれも閉状態に制御されている。
【0028】
配置工程後の洗浄装置1を
図5、6に示す。
図5は洗浄装置1の断面図、
図6は洗浄装置1の上面図である。
図6に示されるように、本実施の形態1では、ウェハ2を例えば25枚収容したキャリア20を槽3内に2つ配置し、ウェハ2は、鉛直方向を向きながら互いに略平行となるように所定の間隔をもって配置されている。本実施の形態1では、配置工程の段階で槽3内に洗浄液が溜められていない。なお、ウェハ2およびキャリア20を配置する手段(図示せず)としては様々なものを用いることができる。
【0029】
(第1洗浄工程)
次に、第1洗浄工程(ステップS2)を実施する。具体的には、
図5に示されるように、シャワーノズル9から槽3内に配置された複数のウェハ2に対して洗浄液を噴射する。これは、閉状態とされていたシャワーバルブ12を開状態に制御することにより、洗浄液供給源22に接続されたシャワー水供給口11からシャワーパイプ10を通じてシャワーノズル9に超純水を供給して行う。
【0030】
シャワーノズル9から噴射された超純水がウェハ2の表面に当たることにより、ウェハ2表面に残存する薬液が超純水の洗浄作用で除去される。このとき、ウェハ2は所定の間隔をもって互いに平行に配置されているため、超純水の噴射されるスペースが確保されている。さらに、
図6に示されるように、1枚のウェハ2に対して複数のシャワーノズル9から超純水が噴射されるため、ウェハ2の表面に対して様々な角度から超純水を噴射することができる。したがって、ウェハ2表面の中央部や端部に対して均一な条件にて超純水の噴射を実施することができる。なお、ウェハ2は鉛直方向に配置されているため、除去された薬液を含む使用済みの洗浄液はウェハ2から落下して、槽3内に貯められる。
【0031】
(第2洗浄工程)
次に、第2洗浄工程(ステップS3)を実施する。具体的には、まず、洗浄液供給ノズル13から超純水を供給することにより槽3内に超純水を貯めていく。これは、閉状態とされていた洗浄液供給バルブ15を開状態に制御することにより、洗浄液供給源22に接続された洗浄液供給口14からパイプを通じて洗浄液供給ノズル13に超純水を供給して行う。洗浄液供給ノズル13からの超純水の供給を開始してから所定時間経過すると、ウェハ2は超純水によって浸漬され、さらに時間が経過すると、槽3が超純水によってオーバーフローする。オーバーフローによって、ウェハ2に付着していた薬液を含む超純水が槽3外部へ排出されることにより、ウェハ2表面の洗浄が進む。槽3がオーバーフローしてから所定時間経過後に洗浄液供給バルブ15を閉状態に制御することにより、超純水の供給を停止する。なお、ステップS2にて実施していたシャワーノズル9からウェハ2への超純水の噴射は、ステップS3開始後も引き続き実施し、ウェハ2が超純水によって浸漬されたら停止する。
【0032】
洗浄液供給ノズル13からの超純水の供給を停止したら、次に、槽3内の超純水を排出する。すなわち、閉状態とされていた洗浄液排出管バルブ17を開状態に制御することにより、洗浄液排出管16を通じて槽3内の超純水を槽3の外部へ排出する(クイックダンプリンス)。クイックダンプリンスによって槽3内の液面が下降する際にウェハ2表面に残留している薬液が取り除かれて洗浄が進む。超純水の排出が完了したら、洗浄液排出管バルブ17を再び閉状態に戻すように制御する。
【0033】
本実施の形態1では、洗浄液供給ノズル13による超純水の供給および洗浄液排出管16による超純水の排出を複数回繰り返すことで、ウェハ2表面の薬液を除去している。ステップS2終了後ウェハ2が浸漬されるまでの間シャワーノズル9による超純水のシャワーを継続していたのと同様に、超純水が排出されてから再びウェハ2が浸漬されるまでの間、ウェハ2が乾燥するのを防ぐためシャワーノズル9からウェハ2に対して超純水を噴射している。このように、第1洗浄工程後に第2洗浄工程を実施することにより、第1洗浄工程で既に洗浄されたウェハ2の表面をさらに洗浄することができる。なお、超純水の供給および排出の回数は複数回に限らず1回であっても良い。
【0034】
(搬出工程)
次に、搬出工程(ステップS4)を実施する。具体的には、搬出手段(図示せず)を用いて、ウェハ2をキャリア20ごと槽3の外部へ搬出する。搬出手段としては様々なものを用いることができる。搬出されたウェハ2は、続く半導体製造工程へと送られる。
【0035】
上述の通り、ステップS1からS4までを行うことにより、ウェハ2表面に付着した薬液の除去が行われる。本実施の形態1によれば、槽3内へのウェハ2の配置後、まず最初に、洗浄液噴射装置5を用いてウェハ2に超純水を噴射して薬液の除去(第1洗浄工程)を行うことにより、ウェハ2上の位置に関わらずエッチング量が均一となるような薬液除去を実施することができる。あるシャワーノズル9から噴射される超純水が他の近接するシャワーノズル9から噴射される超純水と重なるようにシャワーノズル9が配置されており、また、複数のシャワーノズル9によって1枚のウェハ2上の様々な位置に超純水を噴射できるため、ウェハ2上の位置に関わらず均一な超純水の噴射および薬液除去を行うことができる。さらに、第1洗浄工程後に、洗浄液供給装置6を用いてクイックダンプリンスによる薬液の除去(第2洗浄工程)を行うことにより、第1洗浄工程後もウェハ2上に残留している薬液を除去することができる。
【0036】
(実施の形態2)
本発明の実施の形態2では、実施の形態1と同じ洗浄装置1を用いて、
図7に示すフローチャートの工程を実施する。以下に実施の形態1との相違点についてのみ説明する。
【0037】
図7に示す本実施の形態2の工程は、実施の形態1と比較してステップS2の洗浄工程が異なっており、ステップS1の配置工程およびステップS3の搬出工程は実施の形態1と同様である。よって、ステップS1からステップS3のうち、特にステップS2について説明する。
【0038】
本実施の形態2におけるステップS2の開始状態は、
図5および
図6と同じであり、槽3内に、キャリア20に保持されたウェハ2が配置されている。ここから、実施の形態1では、洗浄液排出管バルブ17を閉状態としたままシャワーノズル9からウェハ2に超純水を噴射することで第1の洗浄工程を実施していたが、本実施の形態2では、洗浄液排出管バルブ17を開状態に制御した上でシャワーノズル9からウェハ2に超純水を噴射する。すなわち、シャワーノズル9からウェハ2に噴射された超純水は、洗浄液排出管16から槽3の外部へ排出され続けることとなる。
【0039】
シャワーノズル9からの超純水の噴射を開始してから所定時間経過後に、シャワーバルブ12を閉状態となるように制御してシャワーノズル9からの超純水の噴射を停止するとともに、洗浄液排出管バルブ17も閉状態となるように制御して洗浄液排出管16からの超純水の排出も停止する。実施の形態1では、さらに第2の洗浄工程によりクイックダンプリンスを実施していたが、本実施の形態2では、クイックダンプリンスは実施せずにシャワーノズル9からの超純水の噴射のみで洗浄工程を終了する。このような洗浄工程の実施により、エッチング量がウェハ2上の位置に関わらず均一となるような薬液除去を実現し、さらにはクイックダンプリンスのように大量の超純水を使用せずともウェハ2表面上の薬液を除去することができるため、コスト削減にもつながる。
【0040】
本実施の形態2では、ウェハ2を超純水によって浸漬させる必要がないため、洗浄装置1の構成部品のうち洗浄液供給装置6を省略することができる。同様に、槽3を超純水でオーバーフローさせる必要もないため、シンク4およびシンクドレン18を省略することもできる。このように洗浄装置1の構成部品を省略した場合、洗浄装置1の構成は簡素化される。また、本実施の形態2ではクイックダンプリンスを行わないため、実施の形態1ほど洗浄液排出管16の形状や大きさについて制限されない。
【0041】
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その他種々の態様で実施できる。例えば、その変形例を
図8−
図11に示す。
図8、9、11は、洗浄装置1における正面方向、すなわちウェハ2の配列方向から見た断面図であり、
図10は、ウェハ2の配列方向に直交する方向から見た側面図である。
図8に示すように、シャワーノズル9を、隣接するもの同士が異なる方向を向くようにずらして配置したり、
図9に示すように、シャワーパイプ10を左右に2つずつ上下に設置することによりシャワーノズル9を2段に配置することもできる。さらには、
図10に示すように、シャワーパイプ10に回転駆動部21を設け、回転駆動部21を駆動させることによりシャワーノズル9をウェハ2の配列方向に沿って回転(揺動)可能とすることもできる。あるいは、
図11に示すように、シャワーノズル9をウェハ2の配列方向に直交する方向に並べた上で
図10と同様の回転駆動部21を設けることにより、シャワーノズル9をウェハ2の配列方向に直交する方向に沿って回転(揺動)可能とすることもできる。このような配置を行うことで、シャワーノズル9の噴霧角度を適宜変化させてウェハ2の様々な位置に超純水を噴射することができ、均一な噴射が可能となる。なお、
図9に示すシャワーパイプ10は左右にそれぞれ3つ以上設置しても良い。
【0042】
また実施の形態1では、ステップS2に引き続きステップS3時にもシャワーノズル9からウェハ2への超純水の噴射を行うものとして説明したが、ステップS2の終了時に超純水の噴射を停止して、ステップS3時にはシャワーノズル9による超純水の噴射を行わないようにしても良い。
【0043】
次に、洗浄装置1を用いて、実施の形態1、2のフローチャートに従ってウェハ2の洗浄を行ったときのエッチング量(実施例1、2)と、従来のクイックダンプリンス法によるウェハ2の洗浄を行ったときのエッチング量(従来例)について、以下、その結果を比較する。なお、
図3に示されるように、円の中心Cを通るオリフラ19に平行な直線をX軸とし、円の中心Cを通るオリフラ19に垂直な直線をY軸とすることにより、ウェハ2上における円の中心Cからの方向および距離を設定する。図中の数字の単位はいずれもmmである。
【0044】
(従来例)
従来例では、超純水の噴射は行わないでクイックダンプリンス工程のみでウェハ2の洗浄を行う。すなわち、
図7に示す実施の形態1のフローチャートから第1洗浄工程を抜いたフローに従って、ウェハ2の洗浄を行うというものである。
図12A、12Bに、従来例によるウェハ2のエッチング量の結果を示す。
図12Aは、ウェハ2のX軸(水平中心軸)上におけるエッチング量を示すグラフであり、縦軸がウェハ2のエッチング量(nm)、横軸がX座標位置(mm)である。
図12Bは、ウェハ2のY軸(垂直中心軸)上におけるエッチング量を示すグラフであり、縦軸がウェハ2のエッチング量(nm)、横軸がY座標位置(mm)である。設定条件としては、シャワーノズル9からの超純水の噴射量が8L(リットル)/分、洗浄液供給ノズル13からの超純水の供給量が10L/分、洗浄工程におけるクイックダンプリンス工程の回数が3回、クイックダンプリンス工程1回あたりの超純水の供給・排出量が約20Lである。
【0045】
(実施例1)
実施例1では、上述した実施の形態1に沿ったフロー(
図4)でウェハ2の洗浄を行う。
図13A、13Bに、実施例1によるウェハ2のエッチング量の結果を示す。設定条件としては、シャワーノズル9からの超純水の噴射量が8L/分、洗浄液供給ノズル13からの超純水の供給量が10L/分、第1洗浄工程における超純水の噴射時間が30秒、第2洗浄工程におけるクイックダンプリンス工程の回数が3回、クイックダンプリンス工程1回あたりの超純水の供給・排出量が約20Lである。
【0046】
(実施例2)
実施例2では、上述した実施の形態2に沿ったフロー(
図7)でウェハ2の洗浄を行う。
図14A、14Bに、実施例2によるウェハ2のエッチング量の結果を示す。設定条件としては、シャワーノズル9からの超純水の噴射量が10L/分、洗浄工程における超純水の噴射時間が180秒である。
【0047】
図12A、12Bに示されるとおり、従来例によれば、ウェハ2の端部付近におけるエッチング量に関し、垂直方向および水平方向の両方向においてばらつきが見られる。また、
図12Bに示されるとおり、垂直方向においてウェハ2の上方にいくほどエッチング量が小さくなっている。
【0048】
一方、
図13A、13Bおよび
図14A、14Bに示されるとおり、実施例1、2によれば、ウェハ2の端部付近におけるエッチング量のばらつきはほとんど見られない。また、
図13Bおよび
図14Bに示されるとおり、垂直方向においてウェハ2の上方にいくほどエッチング量が小さくなるという傾向があるものの従来例と比較すればその傾向は小さい。このように、従来例に比べて実施例1、2の方が、ウェハ2に付着した薬液の除去を均一に行うことができ、結果としてウェハ2におけるエッチング量を均一化することができる。
【0049】
なお、本発明は上述の構成に限定されるものではなく、その他種々の態様で実施できる。例えば、洗浄工程を実施する前に、フッ化水素酸が貯められた洗浄槽にウェハ2を浸漬させて洗浄を行っても良い。このように、洗浄液による洗浄の前にあらかじめウェハ2をフッ化水素酸に浸漬させておくことにより、その後に行われる洗浄液による洗浄効果を促進することができる。したがって、ウェハ2に付着した薬液の除去をより均一に行うことができ、エッチング量をより均一化することができる。
【0050】
なお、上記様々な実施の形態のうちの任意の実施の形態を適宜組み合わせることにより、それぞれの有する効果を奏するようにすることができる。