(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記配信手段は、前記探索指示に基づいて、発生した異常内容を特定し、この異常内容を異常情報として、前記第2のユーザに配信する、ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理システム。
前記配信手段は、前記取得した数が所定数を超えた場合に、前記異常情報を前記第2のユーザに配信する、ことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の情報処理システム。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本実施形態について、図面を参照して説明する。
【0011】
(第1実施形態)
第1実施形態について説明する。第1実施形態では、異常内容を含む異常情報に基づいて、交通の異常に応じた処理を実行する例について説明する。第1実施形態において、異常内容とは、異常の具体的な内容(例えば、異常場所、異常路線、及び異常種別等)である。
【0012】
第1実施形態の情報処理システム1の構成について説明する。
図1は、第1実施形態の情報処理システム1の構成を示すブロック図である。
【0013】
情報処理システム1は、サーバ10と、端末装置30と、ネットワーク50と、を備える。サーバ10及び端末装置30は、互いに、ネットワーク50を介して接続される。なお、サーバ10及び端末装置30の数は、これに限定されるものではない。
【0014】
サーバ10は、サーバ制御部12と、サーバ記憶部14と、サーバ通信部16と、を備える。例えば、サーバ制御部12は、コンピュータプロセッサである。サーバ記憶部14には、サーバ制御部12が取り扱うデータが記憶される。サーバ通信部16は、サーバ10とネットワーク50との間の通信インタフェースである。
【0015】
サーバ制御部12は、サーバ通信制御部120と、経路ネットワーク情報取得部122と、経路探索部126と、サーバ出力制御部128と、サーバ異常処理部136と、を備える。サーバ制御部12の各部については、後述する。
【0016】
端末装置30は、端末制御部32と、端末記憶部34と、端末通信部36と、操作部38と、位置情報取得部40と、表示部42と、を備える。例えば、端末制御部32は、コンピュータプロセッサである。端末記憶部34には、端末制御部32が取り扱うデータが記憶される。端末通信部36は、端末装置30とサーバ10との間の通信インタフェースである。操作部38は、端末装置30のユーザから指示を受け付ける。例えば、操作部38は、ハードウェアキーボード、ソフトウェアキーボード、及びポインティングデバイス等の入力ユーザインタフェースである。位置情報取得部40は、端末装置30の位置を示す位置情報を取得する。例えば、位置情報取得部40は、GPS(Global Positioning System)レシーバである。表示部42は、画像を表示する。例えば、表示部42は、LCD(Liquid Crystal Display)である。
【0017】
端末制御部32は、端末通信制御部320と、端末出力制御部322と、端末異常処理部324と、異常内容特定部326と、利用経路情報取得部328と、を備える。端末制御部32の各部については、後述する。
【0018】
第1実施形態の情報処理について説明する。
図2は、第1実施形態の情報処理のフローチャートである。
【0019】
第1実施形態の情報処理は、案内経路探索処理(S10)と、異常処理(S12)と、迂回経路探索処理(S14)と、を含む。
【0020】
第1実施形態の案内経路探索処理(S10)について説明する。
図3は、第1実施形態の案内経路探索処理(S10)のシーケンス図である。
【0021】
<S10−30> 操作部38は、ユーザから探索要求を受け付ける。探索要求は、少なくとも、出発地及び目的地を含む。出発地は、経路探索部126によって探索される案内経路の始点である。目的地は、経路探索部126によって探索される案内経路の終点である。次いで、端末通信制御部320は、端末通信部36及びネットワーク50を介して、探索要求をサーバ10へ送信する。なお、探索要求は、出発地及び目的地に加えて、利用経路の条件(例えば、出発時刻又は到着時刻、経由地、及び利用路線の少なくとも1つ)を含んでも良い。
【0022】
<S10−10> サーバ通信制御部120は、ネットワーク50及びサーバ通信部16を介して、探索要求を受信する。
【0023】
<S10−12> 経路ネットワーク情報取得部122は、交通網の経路ネットワーク情報を取得する。サーバ記憶部14に経路ネットワーク情報が記憶されている場合には、経路ネットワーク情報取得部122は、サーバ記憶部14から経路ネットワーク情報を読み出す。一方、サーバ記憶部14に経路ネットワーク情報が記憶されていない場合には、経路ネットワーク情報取得部122は、サーバ通信部16及びネットワーク50を介して、経路ネットワーク情報を取得する。
【0024】
<S10−14> 経路探索部126は、経路ネットワーク情報を用いて、探索要求に含まれる出発地から目的地までの案内経路を探索する。なお、探索要求が利用経路の条件を含む場合には、経路探索部126は、利用経路の条件を考慮して、案内経路を探索する。
【0025】
<S10−16> サーバ出力制御部128は、案内経路を示す案内経路情報を生成し、次いで、サーバ通信部16及びネットワーク50を介して、案内経路情報を端末装置30へ送信する。
【0026】
<S10−32> 端末通信制御部320は、ネットワーク50及び端末通信部36を介して、案内経路情報を受信する。
【0027】
<S10−34> 端末出力制御部322は、案内経路情報に対応する出力用案内情報を生成する。次いで、表示部42は、出力用案内情報を表示する。例えば、端末出力制御部322は、案内経路情報に対応する出力用案内情報として、案内経路画像を生成する。
図4は、第1実施形態の案内経路画像の一例を示す図である。
【0028】
図4(A)の案内経路画像は、出発地Sから目的地Gまでの案内経路(例えば、路線名又は道路名)を示す画像と、異常通知ボタン42a−1〜42a−3(異常通知生成指示情報)と、を含む。異常通知ボタン42a−1は、出発地Sに対応する。異常通知ボタン42a−2は、案内経路に対応する。異常通知ボタン42a−3は、目的地Gに対応する。異常通知ボタン42a−1〜42a−3は、対応する場所で異常が発生したことを示す異常通知を生成する異常通知画像である。例えば、ユーザが異常通知ボタン42a−2を選択すると、案内経路で異常(例えば、電車遅延又は事故渋滞)が発生したことを示す異常通知が生成され、ユーザが異常通知ボタン42a−2を選択すると、出発地Sで異常(例えば、人身事故)が発生したことを示す異常通知が生成される。
【0029】
図4(B)の案内経路画像は、出発地Sから駅St1までの徒歩の経路R1を示す画像と、駅St1から駅St2までの路線Aの経路R2を示す画像と、駅St2から目的地Gまでの路線Bの経路R3を示す画像と、異常通知ボタン42a−4及び42a−5(異常通知生成指示情報)と、を含む。異常通知ボタン42a−4は、経路R2に対応する。異常通知ボタン42a−5は、経路R3に対応する。異常通知ボタン42a−4及び42a−5は、対応する経路で異常が発生したことを示す異常通知を生成する異常通知画像である。例えば、ユーザが異常通知ボタン42a−4を選択すると、路線Aの駅名リスト42a−6が表示される。次いで、ユーザが駅名リスト42a−6から駅St1を選択すると、駅St1で異常が発生したことを示す異常通知が生成される。
【0030】
なお、端末出力制御部322は、
図4(A)又は(B)の案内経路画像の代わりに、案内経路情報に対応する出力用案内情報として、テキスト情報を生成しても良い。テキスト情報は、異常通知用の文字列等の異常通知生成指示情報が含まれる。この場合には、表示部42は、テキスト情報を表示する。
【0031】
即ち、異常通知は、ユーザの利用経路上の交通状態に異常が発生したことを示す情報である。異常通知画像は、異常通知を生成するというユーザの指示を受け付ける異常通知手段である。なお、異常通知手段は、異常通知画像に限られるものではない。
【0032】
第1実施形態の異常処理(S12)について説明する。
図5は、第1実施形態の異常処理(S12)のシーケンス図である。
【0033】
<S12−30> 端末異常処理部324は、異常通知が生成されたか否かを判定する。異常通知が生成された場合には(S12−30:YES)、端末異常処理部324は、異常通知を取得し、次いで、S12−32が実行される。異常通知が生成されていない場合には(S12−30:NO)、異常通知が生成されるまで、S12−30が繰り返し実行される。
【0034】
<S12−32> 利用経路情報取得部328は、案内経路情報を、ユーザの利用経路を示す利用経路情報として取得する。これにより、端末装置30内で、ユーザの利用経路が特定される。
【0035】
<S12−34> 異常内容特定部326は、異常通知と、利用経路情報(案内経路情報)と、に基づいて、利用経路内の異常内容を特定する。これにより、端末装置30内で、異常通知に対応する異常内容が特定される。例えば、ユーザが
図4(A)の異常通知ボタン42a−2を選択した場合には、異常内容特定部326は、案内経路上の場所を異常場所として特定し、案内経路上の路線を異常路線として特定する。また、ユーザが
図4(B)の駅名リストから駅St1を選択した場合には、異常内容特定部326は、駅St1を異常場所として特定し、駅St1を通過する路線Aを異常路線として特定する。
【0036】
<S12−36> 端末異常処理部324は、異常内容特定部326が特定した異常内容を含む異常情報を生成する。これにより、異常内容(即ち、交通の異常)に応じた処理結果が得られる。
【0037】
<S12−38> 端末通信制御部320は、端末通信部36及びネットワーク50を介して、異常情報をサーバ10へ送信する。
【0038】
<S12−10> サーバ通信制御部120は、ネットワーク50及びサーバ通信部16を介して、異常情報を受信する。
【0039】
第1実施形態の迂回経路探索処理(S14)について説明する。
図6は、第1実施形態の迂回経路探索処理(S14)のシーケンス図である。
【0040】
<S14−10> 経路ネットワーク情報取得部122は、S10−12と同様に、交通網の経路ネットワーク情報を取得する。
【0041】
<S14−12> サーバ異常処理部136は、経路ネットワーク情報を用いて、出発地から目的地までの迂回経路を探索する。迂回経路とは、異常通知に対応する異常内容を回避する経路(即ち、案内経路とは異なる経路)である。これにより、交通の異常に応じた処理結果が得られる。例えば、ユーザが
図4(A)の異常通知ボタン42a−2を選択した場合には、サーバ異常処理部136は、案内経路上の異常内容を回避する迂回経路を探索する。また、ユーザが
図4(B)の駅名リストから駅St1を選択した場合には、サーバ異常処理部136は、駅St1を経由する路線Aを含まない迂回経路(例えば、駅St6を経由する路線を利用する経路)を探索する。
【0042】
<S14−14> サーバ出力制御部128は、迂回経路を示す迂回経路情報を生成し、次いで、サーバ通信部16及びネットワーク50を介して、迂回経路情報を端末装置30へ送信する。
【0043】
<S14−30> 端末通信制御部320は、ネットワーク50及び端末通信部36を介して、迂回経路情報を受信する。
【0044】
<S14−32> 端末出力制御部322は、迂回経路情報に対応する迂回経路画像を生成する。次いで、表示部42は、迂回経路画像を表示する。
図7は、第1実施形態の迂回経路画像の一例を示す図である。
図7に示すように、迂回経路画像は、出発地Sから目的地Gまでの迂回経路を示す画像を含む。なお、迂回経路画像も、案内経路画像(
図4を参照)と同様に、異常通知画像をさらに含んでも良い。
【0045】
仮に、第1実施形態の異常処理が実行されなかった場合には、交通機関が提供する公式情報が公表されるまでは、サーバ10は、異常場所を特定することができない。従って、公式情報を公表されるまでは、サーバ10は、迂回経路を探索することはできない。
【0046】
これに対して、第1実施形態によれば、公式情報が公表される前に、サーバ10は、異常場所を特定することができる。その結果、公式情報が公表される前に、サーバ10は、迂回経路を探索することができる。これにより、ユーザは、公式情報が公表される前に、交通の異常に応じた処理結果(例えば、迂回経路情報)を取得することができる。
【0047】
(第2実施形態)
第2実施形態について説明する。第2実施形態では、異常内容を含まない異常情報に基づいて、交通の異常に応じた処理を実行する例について説明する。なお、上述の実施形態と同様の説明は省略する。
【0048】
第2実施形態の情報処理システム1の構成について説明する。
図8は、第2実施形態の情報処理システム1の構成を示すブロック図である。
【0049】
情報処理システム1は、第1実施形態と同様に、サーバ10と、端末装置30と、ネットワーク50と、を備える。なお、サーバ10及び端末装置30の数は、これに限定されるものではない。
【0050】
サーバ10は、第1実施形態と同様に、サーバ制御部12と、サーバ記憶部14と、サーバ通信部16と、を備える。
【0051】
サーバ制御部12は、サーバ通信制御部120と、経路ネットワーク情報取得部122と、利用経路情報取得部124と、経路探索部126と、サーバ出力制御部128と、異常内容特定部130と、を備える。サーバ制御部12の各部については、後述する。
【0052】
端末装置30は、第1実施形態と同様に、端末制御部32と、端末記憶部34と、端末通信部36と、操作部38と、位置情報取得部40と、表示部42と、を備える。
【0053】
端末制御部32は、端末通信制御部320と、端末出力制御部322と、端末異常処理部324と、を備える。端末制御部32の各部については、後述する。
【0054】
第2実施形態の情報処理について説明する。第2実施形態の情報処理は、第1実施形態と同様である(
図2を参照)。また、第2実施形態の案内経路探索処理(S10)は、第1実施形態と同様である(
図3を参照)。また、第2実施形態の迂回経路探索処理(S14)は、第1実施形態と同様である(
図6を参照)。
【0055】
第2実施形態の異常処理(S12)について説明する。
図9は、第2実施形態の異常処理(S12)のシーケンス図である。
【0056】
<S22−30> 端末異常処理部324は、第1実施形態(S12−30)と同様に、異常通知が生成されたか否かを判定する。異常通知が生成された場合には(S22−30:YES)、端末異常処理部324は、異常通知を取得し、次いで、S22−32が実行される。異常通知が生成されていない場合には(S22−30:NO)、異常通知が生成されるまで、S22−30が繰り返し実行される。
【0057】
<S22−32> 位置情報取得部40は、端末装置30の位置を示す位置情報を取得する。これにより、端末装置30内で、異常通知に対応する端末装置30の位置が特定される。
【0058】
<S22−34> 端末異常処理部324は、ユーザを識別するユーザID(Identification)と、位置情報取得部40が取得した位置情報と、異常通知が生成された時刻(以下「異常発生時刻」という)と、を含む異常情報を生成する。これにより、交通の異常に応じた処理結果が得られる。例えば、ユーザIDは、操作部38が受け付ける情報又は端末記憶部34に記憶された情報であり、異常発生時刻は、端末制御部32から得られる情報である。
【0059】
<S22−36> 端末通信制御部320は、第1実施形態(S12−38)と同様に、端末通信部36及びネットワーク50を介して、異常情報をサーバ10へ送信する。
【0060】
<S22−10> サーバ通信制御部120は、第1実施形態(S12−10)と同様に、ネットワーク50及びサーバ通信部16を介して、異常情報を受信する。
【0061】
<S22−12> 利用経路情報取得部124は、サーバ記憶部14に記憶されたユーザ情報と、異常情報と、に基づいて、利用経路情報を取得する。これにより、サーバ10内で、異常情報に含まれるユーザIDに対応するユーザの利用経路が特定される。
【0062】
図10は、第2実施形態のユーザ情報のデータ構造を示す図である。
【0063】
図10(A)のユーザ情報は、ユーザIDに対応付けられた利用経路情報を含む。この場合には、利用経路情報取得部124は、サーバ記憶部14に記憶されたユーザ情報から、異常情報に含まれるユーザIDに該当する利用経路情報を取得する。例えば、ユーザIDが“001”である場合には、利用経路情報取得部124は、利用経路情報1を取得する。
【0064】
図10(B)のユーザ情報は、ユーザIDと、時刻と、に対応付けられた利用経路情報を含む。この場合には、利用経路情報取得部124は、サーバ記憶部14に記憶されたユーザ情報から、異常情報に含まれるユーザID及び異常発生時刻に該当する利用経路情報を取得する。例えば、ユーザIDが“001”であり、異常発生時刻が“8:30”である場合には、利用経路情報取得部124は、利用経路情報1Aを取得する。
【0065】
<S22−14> 異常内容特定部130は、異常情報に含まれる位置情報と、利用経路情報取得部124が取得した利用経路情報と、に基づいて、異常内容を特定する。これにより、サーバ10内で、異常通知に対応する異常内容が特定される。
【0066】
第2実施形態によれば、端末装置30が異常内容を特定することができない場合であっても、サーバ10は、公式情報が公表される前に、異常内容を特定することができ、特定した異常内容に基づいて迂回経路を探索することができる。これにより、異常内容を特定することができない端末装置30のユーザも、公式情報が公表される前に、交通の異常に応じた処理結果(例えば、迂回経路情報)を取得することができる。
【0067】
(第3実施形態)
第3実施形態について説明する。第3実施形態では、あるユーザから得られた異常情報に基づいて、交通の異常に応じた処理結果を別のユーザに提供する例について説明する。なお、上述の実施形態と同様の説明は省略する。
【0068】
第3実施形態の情報処理システム1の構成について説明する。
図11は、第3実施形態の情報処理システム1の構成を示すブロック図である。
【0069】
情報処理システム1は、サーバ10と、複数の端末装置(第1端末装置30a及び第2端末装置30b)と、ネットワーク50と、公式情報配信サーバ70と、を備える。サーバ10、第1端末装置30a、第2端末装置30b、及び公式情報配信サーバ70は、互いに、ネットワーク50を介して接続される。なお、サーバ10、複数の端末装置、公式情報配信サーバ70の数は、これに限定されるものではない。
【0070】
サーバ10の構成は、第1実施形態又は第2実施形態と同様である。第1端末装置30a及び第2端末装置30bの構成は、第1実施形態又は第2実施形態の端末装置30と同様である。なお、第1端末装置30a及び第2端末装置30bの構成は、互いに、同一であっても良いし、異なっても良い。例えば、第1端末装置30aの構成が第1実施形態又は第2実施形態の端末装置30と同様であり、第2端末装置30bは、第1実施形態又は第2実施形態の端末装置30の一部の構成のみを備えていても良い。
【0071】
公式情報配信サーバ70は、交通の異常を示す公式情報を配信する。
【0072】
第3実施形態のサーバ制御部12の構成について説明する。
図12は、第3実施形態のサーバ制御部12の構成を示すブロック図である。
【0073】
サーバ制御部12は、サーバ通信制御部120と、経路ネットワーク情報取得部122と、利用経路情報取得部124と、経路探索部126と、サーバ出力制御部128と、異常内容特定部130と、異常情報検証部132と、信頼度管理部134と、を備える。サーバ制御部12の各部については、後述する。
【0074】
第3実施形態の情報処理について説明する。第3実施形態の情報処理は、第1実施形態と同様である(
図2を参照)。また、第3実施形態の案内経路探索処理(S10)は、第1実施形態と同様である(
図3を参照)。また、第3実施形態の迂回経路探索処理(S14)は、第1実施形態と同様である(
図6を参照)。
【0075】
第3実施形態の異常処理(S12)について説明する。
図13は、第3実施形態の異常処理(S12)のシーケンス図である。
【0076】
<S32−30> 第1端末装置30aの端末異常処理部324は、第1実施形態(S12−30)と同様に、異常通知が生成されたか否かを判定する。異常通知が生成された場合には(S32−30:YES)、第1端末装置30aの端末異常処理部324は、異常通知を取得し、次いで、S32−32が実行される。異常通知が生成されていない場合には(S32−30:NO)、異常通知が生成されるまで、S32−30が繰り返し実行される。
【0077】
<S32−32> 第1端末装置30aの位置情報取得部40は、第2実施形態(S22−32)と同様に、第1端末装置30aの位置を示す位置情報を取得する。これにより、第1端末装置30a内で、異常通知に対応する第1端末装置30aの位置が特定される。
【0078】
<S32−34> 第1端末装置30aの端末異常処理部324は、ユーザを識別するユーザIDと、位置情報取得部40が取得した位置情報と、異常発生時刻と、を含む異常情報を生成する。これにより、交通の異常に応じた処理結果が得られる。例えば、ユーザIDは、第1端末装置30aの操作部38が受け付ける情報又は第1端末装置30aの端末記憶部34に記憶された情報であり、異常発生時刻は、第1端末装置30aの端末制御部32から得られる情報である。
【0079】
<S32−36> 第1端末装置30aの端末通信制御部320は、第1実施形態(S12−38)と同様に、第1端末装置30aの端末通信部36及びネットワーク50を介して、異常情報をサーバ10へ送信する。
【0080】
<S32−10> サーバ通信制御部120は、第1実施形態(S12−10)と同様に、ネットワーク50及びサーバ通信部16を介して、異常情報を受信する。
【0081】
<S32−12> 利用経路情報取得部124は、第2実施形態(S22−12)と同様に、サーバ記憶部14に記憶されたユーザ情報と、異常情報と、に基づいて、利用経路情報を取得する。これにより、サーバ10内で、異常情報に含まれるユーザIDに対応するユーザの利用経路が特定される。
【0082】
図14は、第3実施形態のユーザ情報のデータ構造を示す図である。
【0083】
ユーザ情報は、ユーザIDに対応付けられた利用経路情報及びユーザアドレスを含む。ユーザアドレスは、サーバ10が送信する情報の宛先を示す情報である。利用経路情報取得部124は、サーバ記憶部14に記憶されたユーザ情報から、異常情報に含まれるユーザIDに該当する利用経路情報を取得する。例えば、ユーザIDが“001”である場合には、利用経路情報取得部124は、利用経路情報1を取得する。
【0084】
<S32−14> 異常内容特定部130は、第2実施形態(S22−14)と同様に、異常情報に含まれる位置情報と、利用経路情報取得部124が取得した利用経路情報と、に基づいて、異常内容を特定する。これにより、サーバ10内で、異常通知に対応する異常内容が特定される。
【0085】
なお、異常内容特定部130は、異常発生時刻と、利用経路情報と、に基づいて、異常内容を特定しても良い。例えば、異常内容特定部130は、利用経路情報を参照して、異常発生時刻に利用経路を走行中の路線を、異常路線として特定する。
【0086】
<S32−16> 異常情報検証部132は、サーバ通信制御部120が受信した異常情報に対して、異常情報検証処理を実行する。
図15は、第3実施形態の異常情報検証処理(S32−16)のフローチャートである。
【0087】
<S32−160> 異常情報検証部132は、サーバ記憶部14に記憶された信頼度情報から、異常情報に含まれるユーザIDに対応するユーザの信頼度を取得する。
【0088】
図16は、第3実施形態の信頼度情報のデータ構造を示す図である。
【0089】
図16(A)の信頼度情報は、ユーザID毎の信頼度を示す。異常情報検証部132は、サーバ記憶部14に記憶された信頼度情報を用いて、異常通知に含まれるユーザIDに対応する信頼度を取得する。これにより、サーバ10内で、異常情報に含まれるユーザIDに対応するユーザの信頼度が特定される。例えば、異常通知に含まれるユーザIDが“001”である場合には、信頼度“1”が取得され、異常通知に含まれるユーザIDが“002”である場合には、信頼度“3”が取得され、異常通知に含まれるユーザIDが“003”である場合には、信頼度“5”が取得される。
【0090】
図16(B)の信頼度情報は、異常内容毎の信頼度を示す。異常情報検証部132は、サーバ記憶部14に記憶された信頼度情報を用いて、異常内容特定部130が特定した異常内容(例えば、異常種別)に対応する信頼度を取得する。これにより、サーバ10内で、異常情報に含まれる異常内容に対応する信頼度が特定される。例えば、異常種別が “A線遅延”である場合には、信頼度“1”が取得され、異常種別が “B線遅延”である場合には、信頼度“3”が取得され、異常種別が“C線遅延”である場合には、信頼度“5”が取得される。なお、信頼度情報の初期値は、0でも良いし、ユーザが設定した任意の値であっても良い。
【0091】
<S32−162> 異常情報検証部132は、取得した信頼度が閾値Thより大きいか否かを判定する。閾値Thは、固定値であっても良いし、ユーザが設定した任意の値であっても良い。信頼度が閾値Thより大きい場合(即ち、異常情報が信頼できる場合)には(S32−162:YES)、S32−164が実行される。信頼度が閾値Thより小さい場合(即ち、異常情報が信頼できない場合)には(S32−162:NO)、異常情報検証処理が終了する(即ち、異常情報は送信されない)。なお、信頼度が閾値Thと等しい場合には、S32−164が実行されても良いし、異常情報検証処理が終了しても良い。
【0092】
<S32−164> 異常情報検証部132は、
図14のユーザ情報に基づいて、異常情報の宛先を決定する。例えば、異常情報検証部132は、異常情報に含まれるユーザIDに対応するユーザアドレス(例えば、第2端末装置30bのユーザに対応する“002@xyz”)を、異常情報の宛先として決定する。
【0093】
<S32−166> サーバ通信制御部120は、サーバ通信部16及びネットワーク50を介して、異常情報の宛先に対応する第2端末装置30bへ、異常情報を送信する。サーバ通信制御部120が送信する異常情報は、異常場所と、異常発生時刻と、を含む。これにより、第1端末装置30aから送信された異常情報のうち、信頼度できる異常情報が、異常により影響を受けるユーザが利用する第2端末装置30bへ配信される。
【0094】
一例として、閾値Thが4の場合における例について説明する。
【0095】
図16(A)のユーザID“001”及び“002”に対応する異常情報と、
図16(B)の異常内容“路線A遅延”及び“路線B遅延”に対応する異常情報とは、信頼度が閾値Thより小さいので、信頼度できない異常情報である。この場合には、S32−164及びS32−166が実行されないので、異常情報は、第2端末装置30bへ送信されない。その結果、信頼度の低い異常情報がユーザを混乱させることを防ぐことができる。
【0096】
一方、
図16(A)のユーザID“003”に対応する異常情報と、
図16(B)の異常内容“路線C遅延”に対応する異常情報とは、信頼度が閾値Thより大きいので、信頼度できる異常情報である。この場合には、S32−164及びS32−166が実行されるので、異常情報は、第2端末装置30bへ送信される。その結果、ユーザは、公式情報が公表される前に、信頼度の高い異常情報を取得することができる。
【0097】
<S32−40> 第2端末装置30bの端末通信制御部320は、ネットワーク50及び端末通信部36を介して、異常情報(即ち、信頼度が高い異常情報)を受信する。異常情報は、異常内容と、異常発生時刻と、を含む。位置情報及び異常発生時刻は、S32−36で送信された異常情報に含まれる情報と同一である。即ち、位置情報及び異常発生時刻は、第1端末装置30a内で取得された位置情報及び異常発生時刻である。換言すると、異常情報が信頼できる場合には、第2端末装置30bは、第1端末装置30a内で取得された位置情報及び異常発生時刻を取得することができる。
【0098】
<S32−42> 第2端末装置30bの端末出力制御部322は、異常情報に対応する出力用案内情報として、異常画像を生成する。次いで、第2端末装置30bの表示部42は、異常画像を表示する。
図17は、第3実施形態の異常画像の一例を示す図である。
図17に示すように、異常画像は、異常情報に含まれる異常内容(例えば、異常路線“路線A”、異常場所“駅St1〜駅St2”、及び異常発生時刻“2011/01/05 10:09”)と、を示す。
【0099】
なお、第3実施形態では、S32−42において、異常画像を表示するだけでなく、第1実施形態の迂回経路探索処理(S14)が実行されても良い。この場合には、第2端末装置30bのユーザは、公式情報が公表される前に、信頼度の高い異常情報に応じた迂回経路情報を取得することができる。
【0100】
<S32−18> 信頼度管理部134は、異常情報検証処理(S32−16)に続いて、信頼度管理処理を実行する。信頼度管理処理において、信頼度管理部134は、異常内容の信頼度信を示す信頼度情報を管理する。
【0101】
第3実施形態の信頼度管理処理の第1例について説明する。
図18は、第3実施形態の信頼度管理処理(S32−18)の第1例のフローチャートである。
【0102】
<S32−180> 信頼度管理部134は、ネットワーク50及びサーバ通信部16を介して、公式情報配信サーバ70が配信した公式情報を取得する。
【0103】
<S32−182> 信頼度管理部134は、S32−10で受信した異常情報が、S32−180で取得した公式情報と一致するか否かを判定する。異常情報が公式情報と一致する場合には(S32−182:YES)、S32−184が実行される。異常情報が公式情報と一致しない場合には(S32−182:NO)、S32−186が実行される。
【0104】
<S32−184> 信頼度管理部134は、
図16(A)の信頼度情報において、異常情報に含まれるユーザIDに対応する信頼度を上げる。例えば、信頼度管理部134は、ユーザIDが“001”である場合には、
図16(A)のユーザID“001”に対応する信頼度を上げる。これにより、公式情報に一致する異常情報を投稿したユーザほど、信頼度が高くなる。
【0105】
<S32−186> 信頼度管理部134は、
図16(A)の信頼度情報において、異常情報に含まれるユーザIDに対応する信頼度を下げる。例えば、信頼度管理部134は、ユーザIDが“002”である場合には、
図16(A)のユーザID“002”に対応する信頼度を下げる。これにより、公式情報に一致しない異常情報を投稿したユーザほど、信頼度が低くなる。
【0106】
第3実施形態の信頼度管理処理の第2例について説明する。
図19は、第3実施形態の信頼度管理処理(S32−18)の第2例のフローチャートである。
【0107】
<S32−280> 信頼度管理部134は、S32−10で受信した異常情報の数を、異常内容毎にカウントする。
【0108】
<S32−282> 信頼度管理部134は、異常内容毎に、異常情報の数が所定数を超えたか否かを判定する。異常情報の数が所定数を超えた場合には(S32−282:YES)、S32−284が実行される。異常情報の数が所定数を超えていない場合には(S32−282:NO)、S32−284は実行されない(即ち、信頼度が維持される)。
【0109】
<S32−284> 信頼度管理部134は、
図16(B)の信頼度情報において、所定数を超える数だけ受信した異常情報の異常内容に対応する信頼度を上げる。例えば、信頼度管理部134は、S32−14で特定した異常内容が“路線A遅延”である場合には、異常内容“路線A遅延”に対応する信頼度を上げる。これにより、投稿された異常情報の数が多い異常内容ほど、信頼度が高くなる。
【0110】
第3実施形態によれば、公式情報が公表される前に、第2端末装置30bは、第1端末装置30aが生成した異常情報を取得することができる。その結果、第2端末装置30bのユーザは、公式情報が公表される前に、交通の異常に応じた処理結果(例えば、異常情報又は迂回経路情報)を取得することができる。
【0111】
また、第3実施形態によれば、信頼度が閾値を超える場合に、異常情報が第2端末装置30bへ送信されるので、第2端末装置30bが取得する異常情報の信頼性を上げることができる。その結果、信頼度の低い異常情報がユーザを混乱させることを防ぐことができる。
【0112】
また、第3実施形態によれば、異常情報が公式情報と一致するか否かに応じて、信頼度を管理することができる。その結果、公式情報が公表される前の異常情報の信頼度の精度を改善することができる。特に、ユーザの投稿履歴に応じて信頼度を管理することができる。
【0113】
また、第3実施形態によれば、異常内容の数に応じて、信頼度を管理することができる。その結果、公式情報が公表される前の異常情報の信頼度の精度を改善することができる。特に、異常内容の投稿数に応じて信頼度を管理することができる。
【0114】
なお、上述の実施形態では、案内経路探索処理(
図2のS10)の後に異常処理(
図2のS12)が行われる例について説明したが、案内経路探索処理と異常処理が連動して行われても良い。特に、第3実施形態では、サーバ10が、第1端末装置30aから受信した異常情報に基づいて、第2端末装置30bへ異常情報を送信する例について述べたが、サーバ10は、第2端末装置30bから探索要求を受信したときに、探索要求に対応する案内経路情報だけでなく、案内経路情報に対応する異常情報も、第2端末装置30bへ送信しても良い。
【0115】
具体的には、
図13のS32−10〜S32−14のように、サーバ通信制御部120が、第1端末装置30aから異常情報(異常発生時刻を含む)を受信し、異常内容特定部130が、異常情報に基づいて異常内容(異常路線を含む)を特定する。一方、
図3のS10−10〜S10−14のように、サーバ通信制御部120が、第2端末装置30bから探索要求を受信し、経路探索部126が、探索要求に基づいて案内経路を探索する。
【0116】
次いで、サーバ異常処理部136が、異常情報に含まれる異常発生時刻からの経過時間(例えば、異常発生時刻から探索要求の受信時刻までの経過時間)が所定時間(例えば、30分)以内であるか否か、及び、案内経路が異常路線を含むか否か、を判定する。
【0117】
次いで、異常発生時刻からの経過時間が所定時間以内であって、且つ、案内経路が異常路線を含む場合には、サーバ出力制御部128が、
図3のS10−16において、案内経路情報だけでなく、異常情報(異常内容及び異常発生時刻を含む)も、第2端末装置30bへ送信する。
【0118】
次いで、
図3のS10−32及びS10−34において、第2端末装置30bの端末出力制御部322が、サーバ10から受信した案内経路情報及び異常情報を含む出力用案内情報を生成する。
【0119】
これにより、第2端末装置30bのユーザは、操作部38を用いて探索要求を入力するだけで、探索要求に対応する案内経路情報だけでなく、案内経路情報に対応する異常情報(即ち、第1端末装置30aのユーザが提供した情報)も得ることができる。
【0120】
また、本実施形態のサーバ10及び端末装置30(第1端末装置30a及び第2端末装置30bを含む)の各構成は、
図1又は
図8に限られるものではない。即ち、サーバ10の少なくとも一部の構成が端末装置30に設けられても良いし、端末装置30の少なくとも一部の構成がサーバ10に設けられても良い。
【0121】
例えば、第1実施形態のサーバ10における、サーバ記憶部14に記憶された情報が端末記憶部34に記憶され、経路ネットワーク情報取得部122と、経路探索部126と、が端末装置30に設けられ、端末異常処理部324が、サーバ異常処理部136の処理を実行しても良い。この場合には、端末装置30は、ネットワーク50と接続されない場合であっても、第1実施形態の情報処理を実行することができる。
【0122】
例えば、第2実施形態のサーバ10における、サーバ記憶部14に記憶された情報が端末記憶部34に記憶され、経路ネットワーク情報取得部122と、利用経路情報取得部124と、経路探索部126と、異常内容特定部130と、が端末装置30に設けられても良い。この場合には、端末装置30は、ネットワーク50と接続されない場合であっても、第2実施形態の情報処理を実行することができる。
【0123】
また、サーバ記憶部14は、サーバ10外に設けられても良い。この場合には、サーバ10及び端末装置30(第1端末装置30a及び第2端末装置30bを含む)は、ネットワーク50を介してサーバ記憶部14と接続される。
【0124】
本実施形態に係る情報処理システム1の少なくとも一部は、ハードウェアで構成しても良いし、ソフトウェアで構成しても良い。ソフトウェアで構成する場合には、情報処理システム1の少なくとも一部の機能を実現するプログラムをフレキシブルディスクやCD−ROM等の記録媒体に収納し、コンピュータに読み込ませて実行させても良い。記録媒体は、磁気ディスクや光ディスク等の着脱可能なものに限定されず、ハードディスク装置やメモリなどの固定型の記録媒体でも良い。
【0125】
また、本実施形態に係る情報処理システム1の少なくとも一部の機能を実現するプログラムを、インターネット等の通信回線(無線通信も含む)を介して頒布しても良い。さらに、同プログラムを暗号化したり、変調をかけたり、圧縮した状態で、インターネット等の有線回線や無線回線を介して、あるいは記録媒体に収納して頒布しても良い。
【0126】
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化される。また、上述した実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明が形成可能である。例えば、上述した実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。