特許第6049275号(P6049275)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6049275画像処理システム、画像処理装置、画像処理装置の制御方法、及びプログラム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6049275
(24)【登録日】2016年12月2日
(45)【発行日】2016年12月21日
(54)【発明の名称】画像処理システム、画像処理装置、画像処理装置の制御方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   H04N 1/00 20060101AFI20161212BHJP
   B41J 29/38 20060101ALI20161212BHJP
   G06F 3/12 20060101ALI20161212BHJP
   G03G 21/00 20060101ALI20161212BHJP
【FI】
   H04N1/00 C
   B41J29/38 Z
   G06F3/12 338
   G03G21/00 388
【請求項の数】8
【全頁数】25
(21)【出願番号】特願2012-50692(P2012-50692)
(22)【出願日】2012年3月7日
(65)【公開番号】特開2013-187706(P2013-187706A)
(43)【公開日】2013年9月19日
【審査請求日】2015年3月9日
(73)【特許権者】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100126240
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 琢磨
(74)【代理人】
【識別番号】100124442
【弁理士】
【氏名又は名称】黒岩 創吾
(72)【発明者】
【氏名】寺尾 仁秀
【審査官】 橋爪 正樹
(56)【参考文献】
【文献】 特開2011−160463(JP,A)
【文献】 特開2004−222141(JP,A)
【文献】 特開2008−117315(JP,A)
【文献】 特開2006−209586(JP,A)
【文献】 特開2010−183528(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 1/00
B41J29/38
G03G21/00
G06F 3/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザを認証する認証手段と、
前記認証手段によって認証されたユーザによって登録されたフォルダを、データの宛先として設定する操作キーと、
前記操作キーの選択に従って設定される前記フォルダにデータを送信する送信手段と、
ユーザから前記操作キーの使用を制限するための指示を受け付けたことに従って前記操作キーの使用を制限する制限手段とを備えることを特徴とする画像処理システム。
【請求項2】
前記操作キーを表示する表示手段を更に備え、
前記表示手段は、前記制限手段による制限に基づいて前記操作キーを表示しないことを特徴とする請求項1に記載の画像処理システム。
【請求項3】
前記認証手段によって認証されたユーザの電子メールアドレスを、データの宛先として設定する他の操作キーを更に備えることを特徴とする請求項1に記載の画像処理システム。
【請求項4】
前記他の操作キーを表示する表示手段を更に備え、
前記表示手段は、前記制限手段による制限に関わらずに、前記他の操作キーを表示することを特徴とする請求項3に記載の画像処理システム。
【請求項5】
前記表示手段は、前記操作キーと前記他の操作キーとを1つの操作画面に表示することを特徴とする請求項4に記載の画像処理システム。
【請求項6】
前記操作キーの使用を制限するための指示を受け付ける操作部を更に備え、
前記制限手段は、前記操作部によって前記操作キーの使用を制限するための指示を受け付けたことに従って、前記操作キーの使用を制限することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の画像処理システム。
【請求項7】
ユーザを認証する認証工程と、
前記認証工程で認証されたユーザによって登録されたフォルダを、データの宛先として設定する操作キーの選択に従って設定される前記フォルダにデータを送信する送信工程と、
ユーザから前記操作キーの使用を制限するための指示を受け付けたことに従って前記操作キーの使用を制限する制限工程とを備えることを特徴とする画像処理システムの制御方法。
【請求項8】
請求項7に記載された画像処理システムの制御方法を、コンピュータに実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像データを送信する画像処理システム、画像処理装置、画像処理装置の制御方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、「自分へメール送信」という操作キーを設える画像処理装置が知られている(特許文献1)。特許文献1では、「自分へメール送信」の操作キーが操作されると、画像処理装置を操作しているユーザのメールアドレスを、画像データの宛先として設定する。これにより、画像データを自分のメールアドレス宛てに送信したい場合に、自分のメールアドレスを入力する手間を軽減することが可能となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−101484号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1には、メールアドレスを設定するための「自分へメール送信」の操作キーが示されているが、これとは別に「自分へファイル送信」という操作キーを画像処理装置に設けることが考えられている。ファイル送信とは、例えばSMB(Server Message Block)やFTP(File Transfer Protocol)などのプロトコルを用いて画像データを送信することを意味する。
【0005】
「自分へファイル送信」の操作キーを備える画像処理装置では、「自分へファイル送信」の操作キーが操作されたことに応じて、画像処理装置を操作しているユーザのフォルダを、画像データの宛先として設定する。これにより、画像データを自分のフォルダ宛てに送信(自分のフォルダに格納)したい場合に、自分のフォルダを示すフォルダ情報を入力する手間を軽減することが可能となる。「自分へファイル送信」の操作キーの操作に応じて設定するフォルダは、例えばユーザ自身が予め登録しておいたものとすることが考えられる。
【0006】
一方、ファイル送信の宛先として使用できるフォルダを、「自分へファイル送信」で設定されるフォルダに限定する機能(以下、マイフォルダ限定とする)が考えられている。これは、一般のユーザが誤って或いは意図的に不適切なフォルダを宛先として画像データを送信し、機密情報が漏洩することを防止することを目的としたものである。管理者がマイフォルダ限定の設定をすると、一般のユーザは、「自分へファイル送信」以外の方法でファイル送信のための宛先を設定することはできなくなる。
【0007】
しかしながら、「自分へファイル送信」で設定するフォルダを、ユーザ自身が予め登録しておくものとする場合、たとえ管理者がマイフォルダ限定の設定をしたとしても、ユーザが登録内容を変更しさえすれば、どこへでも送信できてしまう。これにより、機密情報が漏洩してしまうおそれがある。
【0008】
本発明は、上記の問題点に鑑みなされたものであり、ータの宛先としてォルダを設定する作キーを備える画像処理システム、不適切な宛先にータが送信されることを防止する仕組みを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の目的を達成するために本発明の画像処理システムは、ユーザを認証する認証手段と、前記認証手段によって認証されたユーザによって登録されたフォルダを、データの宛先として設定する操作キーと、前記操作キーの選択に従って設定される前記フォルダにデータを送信する送信手段と、ユーザから前記操作キーの使用を制限するための指示を受け付けたことに従って前記操作キーの使用を制限する制限手段とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、ータの宛先としてォルダを設定する作キーを備える画像処理システム、不適切な宛先にータが送信されることを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の実施形態における画像処理システムの全体図である。
図2】本発明の実施形態におけるMFP101の構成を示すブロック図である。
図3】本発明の実施形態における認証サーバ102及びファイルサーバ103の構成を示すブロック図である。
図4】本発明の実施形態における認証サーバ102が管理する情報を示す図である。
図5】本発明の実施形態におけるMFP101の操作画面を示す図である。
図6】本発明の実施形態におけるMFP101の操作画面を示す図である。
図7】本発明の実施形態におけるMFP101の操作画面を示す図である。
図8】本発明の実施形態におけるMFP101の操作画面を示す図である。
図9】本発明の実施形態におけるMFP101の操作画面を示す図である。
図10】本発明の実施形態におけるMFP101のログイン動作を示すフローチャートである。
図11】本発明の実施形態におけるMFP101の「自分へファイル送信」が選択された場合の動作を示すフローチャートである。
図12】本発明の実施形態におけるMFP101のスタートキーが操作された場合の動作を示すフローチャートである。
図13】本発明の実施形態におけるMFP101のマイフォルダ限定=「ON」の設定が指示された場合の動作を示すフローチャートである。
図14】本発明の実施形態におけるMFP101の「ユーザ毎に登録」の設定が指示された場合の動作を示すフローチャートである。
図15】本発明の実施形態におけるMFP101の操作画面を示す図である。
図16】本発明の実施形態におけるMFP101のマイフォルダ限定の設定画面の表示が指示された場合の動作を示すフローチャートである。
図17】本発明の実施形態におけるMFP101のフォルダ設定方法の設定画面の表示が指示された場合の動作を示すフローチャートである。
図18】本発明の実施形態におけるMFP101の操作画面を示す図である。
図19】本発明の実施形態におけるMFP101の操作画面を示す図である。
図20】本発明の実施形態におけるMFP101のログイン動作を示すフローチャートである。
図21】本発明の実施形態におけるMFP101のマイフォルダ限定=「ON」の設定が指示された場合の動作を示すフローチャートである。
図22】本発明の実施形態におけるMFP101のホスト名制限=「OFF」の設定が指示された場合の動作を示すフローチャートである。
図23】本発明の実施形態におけるMFP101の操作画面を示す図である。
図24】本発明の実施形態におけるMFP101のマイフォルダ限定の設定画面の表示が指示された場合の動作を示すフローチャートである。
図25】本発明の実施形態におけるMFP101のホスト名制限の設定画面の表示が指示された場合の動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を詳しく説明する。なお、以下の実施の形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものでなく、また実施の形態で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須のものとは限らない。
【0013】
<第1の実施形態>
まず、本発明の第1の実施形態について説明する。図1は、画像処理システムの全体図である。LAN(Local Area Network)100上には、MFP(Multifunction Peripheral)101、認証サーバ102、ファイルサーバ103が互いに通信可能に接続されている。MFP101は、画像処理装置の一例である。認証サーバ102は、認証装置の一例である。ファイルサーバ103は、ファイル管理装置の一例である。なお、MFP101は、ファイルサーバ103内のフォルダを宛先としてSMBやFTPを用いて画像データのファイル送信を行うことができるが、ファイルサーバ103以外にも、図示しないクライアントPC内のフォルダを宛先とすることもできる。また、MFP101は、図示しないメールサーバを介して画像データを電子メールで送信することができる。また、画像処理システムは、MFP101、認証サーバ102、ファイルサーバ103を含むものとするが、MFP101および認証サーバ102のみ、或いはMFP101のみを画像処理システムと称することもできる。
【0014】
図2は、MFP101の構成を示すブロック図である。CPU211を含む制御部210は、MFP101全体の動作を制御する。CPU211は、ROM212に記憶された制御プログラムを読み出して読取制御や送信制御などの各種制御を行う。RAM213は、CPU211の主メモリ、ワークエリア等の一時記憶領域として用いられる。なお、MFP101は、1つのCPU211が1つのメモリ(RAM213またはHDD214)を用いて後述する図10乃至14、16、17、20乃至22、24、25のフローチャートに示す各処理を実行するものとするが、他の態様であっても構わない。例えば、複数のCPUや複数のRAMまたはHDDを協働させて図10乃至14、16、17、20乃至22、24、25のフローチャートに示す各処理を実行するようにすることもできる。
【0015】
HDD214は、画像データや各種プログラムを記憶する。操作部I/F215は、操作部219と制御部210を接続する。操作部219には、タッチパネル機能を有する液晶表示部やキーボードなどが備えられ、ユーザの指示を受け付ける受付部として機能する。
【0016】
プリンタI/F216は、プリンタ220と制御部210を接続する。プリンタ220で印刷すべき画像データはプリンタI/F216を介して制御部210から転送され、プリンタ220において記録媒体上に印刷される。
【0017】
スキャナI/F217は、スキャナ221と制御部210を接続する。スキャナ221は、原稿上の画像を読み取って画像データ(画像ファイル)を生成し、スキャナI/F217を介して制御部210に入力する。MFP101は、スキャナ221で生成された画像データ(画像ファイル)をファイル送信またはメール送信することができる。
【0018】
ネットワークI/F218は、制御部210(MFP101)をLAN100に接続する。ネットワークI/F218は、LAN100上の外部装置(認証サーバ102やファイルサーバ103など)に画像データや情報を送信したり、LAN100上の外部装置から各種情報を受信したりする。
【0019】
図3は、認証サーバ102の構成を示すブロック図である。CPU311を含む制御部310は、認証サーバ102全体の動作を制御する。CPU311は、ROM312に記憶された制御プログラムを読み出して各種制御処理を実行する。RAM313は、CPU311の主メモリ、ワークエリア等の一時記憶領域として用いられる。HDD314は、画像データや各種プログラムを記憶する。
【0020】
ネットワークI/F315は、制御部310(サーバ102)をLAN100に接続する。ネットワークI/F315は、LAN100上の他の装置との間で各種情報を送受信する。なお、ファイルサーバ103の構成は、認証サーバ102と同様(図3)であるため、説明は省略する。
【0021】
図4は、認証サーバ102がHDD314内で管理している情報を示す図である。認証サーバ102は、図1に示す画像処理システムを含むドメインを管理し、ユーザを認証するために必要な情報401及び402と、ユーザに関する情報403乃至406を、ユーザ毎に管理している。情報401は、ユーザを一意に示すユーザ名であって、例えばMFP101が設置されている会社の社員コードである。
【0022】
図4には、A1001というユーザ名に対応するユーザの情報を示す。A1001のユーザは、MFP101の使用を開始するときに、ユーザ名として「A1001」を、パスワードとして「secret33」を、それぞれ入力する必要がある。MFP101で入力された認証情報(ユーザ名及びパスワード)は、認証サーバ102に送信される。認証サーバ102は、MFP101から送信された認証情報(ユーザ名及びパスワード)を、情報401及び402として管理しているものと照合し、一致した場合は認証OKをMFP101に通知する。一方、認証情報が一致しなかった場合は、認証NGをMFP101に通知する。
【0023】
情報403乃至406は、認証情報が一致した場合に、認証OKとともにMFP101に通知される情報である。情報403は、A1001のユーザの名前が「Taro Tanaka」であることを示している。情報404は、A1001のユーザが「users」というグループに属していることを示している。情報405は、A1001のユーザ自身のメールアドレスを示している。A1001のユーザは、情報405として管理されているメールアドレスを宛先として送信された電子メールを受け取ることができる。情報406は、A1001のユーザ自身のフォルダが置かれている位置を示している。A1001のユーザは、情報406が示すフォルダにアクセス可能であり、そのフォルダに格納されたデータを取得することができる。
【0024】
図5は、操作部219に表示される操作画面の一例を示す図である。ユーザは、図5の画面において、操作キー501乃至503のいずれかを操作することにより、機能を選択することができる。図5は、操作キー501が選択された状態を示している。なお、図5では、機能として「スキャンして送信」「コピー」「ファクス」を例示しているが、MFP101がこれら以外の機能を備えていてもよい。
【0025】
操作キー501を選択したユーザは、操作キー511乃至515のいずれかを操作することにより、送信する画像データの宛先を設定することができる。操作キー511を操作すると、HDD214に保持されているアドレス帳の内容が表示され、ユーザは、アドレス帳に登録された内容を参照し、画像データの宛先として設定することができる。
【0026】
操作キー512を操作すると、ワンタッチキーの一覧が表示される。ワンタッチキーには1つまたは複数の宛先が予め対応付けられており、ユーザは、所望のワンタッチキーを操作することにより、ワンタッチキーに対応付けられている内容を、画像データの宛先として設定することができる。操作キー513を操作すると、ユーザからの宛先情報の入力を受け付ける画面が表示される。ユーザは、表示された画面を介して宛先情報を入力し、画像データの宛先として設定することができる。
【0027】
操作キー514は、ユーザが自分自身のフォルダを画像データの宛先として設定したい場合に操作する操作キーである。ユーザが操作キー514を操作すると、ユーザ自身のフォルダが画像データの宛先として自動的に設定される(詳細は後述する)。操作キー515は、ユーザが自分自身のメールアドレスを画像データの宛先として設定したい場合に操作する操作キーである。ユーザが操作キー515を操作すると、ユーザ自身のメールアドレスが画像データの宛先として自動的に設定される。
【0028】
操作キー521は、カラー/モノクロなどの読取設定を行う場合に使用する操作キーである。操作キー522は、読取解像度を設定する場合に使用する操作キーである。操作キー523は、送信する画像データのファイル形式を設定する場合に使用する操作キーである。操作キー524は、片面/両面読取の設定を行う場合に使用する操作キーである。操作キー525は、読取サイズを設定する場合に使用する操作キーである。
【0029】
図6は、操作部219に表示される操作画面の一例を示す図である。図6の画面は、管理者のみが操作可能であり、一般のユーザがMFP101を操作する場合には表示されない。管理者は、操作キー601乃至603のいずれかを操作することにより、操作キー514が操作された場合のフォルダの設定方法を選択することができる。
【0030】
MFP101は、フォルダの設定方法として、「ホームフォルダ」「ユーザ毎に登録」「サーバで管理」の3つの方法を備えている。「ホームフォルダ」は、フォルダのホスト名とパスの一部を、各ユーザに共通のものとして管理者が予めMFP101に登録しておき、これらを画像データの宛先として設定する方法である。管理者は、図6の情報610及び620として、「ホームフォルダ」を選択した場合に使用するフォルダのホスト名とパスの一部を登録しておく。この設定方法は、例えば、同一のホスト内及び/または同一のフォルダ内に各ユーザのフォルダを設けることができるため、管理者による管理が容易であるという利点がある。
【0031】
「ユーザ毎に登録」は、ユーザ自身のフォルダのホスト名とパスを、ユーザ毎に対応付けて一般のユーザが予めMFP101に登録しておき、これらを画像データの宛先として設定する方法である。登録の詳細については、図8を用いて後述する。この設定方法は、ユーザが任意のフォルダを自分のフォルダとして登録しておくことができるため、ユーザにとって使い勝手が良いという利点がある。
【0032】
「サーバで管理」は、図4の情報406として認証サーバ102で管理している情報を、画像データの宛先として設定する方法である。この設定方法は、ユーザ毎のフォルダをサーバで一元的に管理するため、フォルダ情報の更新が必要となったときに更新のための手間が軽減されるという利点がある。
【0033】
MFP101は、「ホームフォルダ」「ユーザ毎に登録」「サーバで管理」の3つの方法を備えることにより、MFP101が設置されている環境に合わせて、フォルダの設定方法を選択的に切り替えて使用することができる。なお、操作キー602及び603が操作された場合に、情報610及び620を入力できないようにグレーアウト表示しても良い。
【0034】
図7は、操作部219に表示される操作画面の一例を示す図である。図7の画面は、管理者のみが操作可能であり、一般のユーザがMFP101を操作する場合には表示されない。管理者は、図7の画面を介して、マイフォルダ限定の設定を行うことができる。操作キー701を操作するとマイフォルダ限定が「ON」に設定される。マイフォルダ限定が「ON」に設定されると、ファイル送信に関しては、操作キー514を用いて設定される宛先以外への送信が禁止される。なお、マイフォルダ限定の「ON」に応じて、ファイル送信以外のプロトコル(例えば、電子メール)に関する宛先の制限も併せて制限するようにしても良い。
【0035】
マイフォルダ限定が「ON」に設定された場合、図5の操作キー511が操作されると、アドレス帳に登録されている宛先のうち、ファイル送信以外のプロトコルに対応する宛先のみが表示される。同様に、操作キー512が操作されると、登録されているワンタッチキーのうち、ファイル送信以外のプロトコルに対応するワンタッチキーのみが表示される。同様に、操作キー513が操作されると、ファイル送信以外のプロトコルに対応する宛先のみが入力可能となる。但し、操作キー514を用いて設定される宛先と同じ内容であれば、マイフォルダ限定が「ON」に設定された状態で、操作キー511乃至513を用いて宛先を選択・指定できるようにしても構わない。管理者が、操作キー702を操作すると、マイフォルダ制限は行われない。
【0036】
図8は、操作部219に表示される操作画面の一例を示す図である。図8の画面は、一般のユーザがMFP101を操作する場合に表示される。ユーザは、図8の画面を介して、ユーザ自身(図8の例ではA1001のユーザ)のフォルダ情報を登録する。情報801は、ユーザによって選択されたプロトコルを示す情報である。MFP101では、SMBまたはFTPのいずれかを選択可能であるものとするが、これら以外のプロトコルが選択肢として含まれていても良い。
【0037】
情報802及び803は、それぞれ画像データの宛先となるフォルダの位置情報(ホスト名及びパス)である。情報804及び805は、情報802及び803によって特定されるフォルダにアクセスするために必要な認証情報(ユーザ名及びパスワード)である。
【0038】
図9は、操作部219に表示される操作画面の一例を示す図である。図9の画面は、一般のユーザがMFP101を操作する場合に表示される。ユーザは、図9の画面を介して、アドレス帳への宛先登録を行うことができる。ここでは、ファイル送信の一例であるSMBを用いて画像データを送信するための宛先登録を行う場合を例に説明する。
【0039】
情報901は、ユーザによって選択されたプロトコルを示す情報である。MFP101では、SMBまたはFTPのいずれかを選択可能であるものとするが、これら以外のプロトコルが選択肢として含まれていても良い。
【0040】
情報902及び903は、それぞれ画像データの宛先となるフォルダの位置情報(ホスト名及びパス)である。情報904及び905は、情報902及び903によって特定されるフォルダにアクセスするために必要な認証情報(ユーザ名及びパスワード)である。
【0041】
情報906は、情報905のパスワードを、送信毎にユーザに入力させるか否かを示す情報である。情報906が「ON」に設定されると、実際に画像データを送信するときに、(たとえ、情報905としてパスワードが登録されていたとしても)ユーザはパスワードを入力する必要が生じる。
【0042】
図10は、MFP101におけるログイン動作(ユーザがMFP101の使用を開始するときの一連の動作)を説明するフローチャートである。図10のフローチャートに示す各動作(ステップ)は、MFP101のCPU211がHDD214に記憶された制御プログラムを実行することにより実現される。
【0043】
ステップS1001では、操作部219に表示した画面を介して、ユーザからの認証情報(ユーザ名及びパスワード)の入力を受け付ける。
【0044】
ステップS1002では、ステップS1001で受け付けた認証情報を認証サーバ102に送信し、ユーザ認証を依頼する(ユーザによるMFP101の使用可否を問い合わせる)。ステップS1003では、認証サーバ102から通知される内容が、認証OKであるか認証NGであるかを判定する。この結果、認証OKである場合にはステップS1004に進み、ユーザによるMFP101の使用を許可する。一方、認証NGである場合にはそのまま処理を終了する(或いは、ステップS1001に戻り、認証情報を入力するための画面を再表示する)。
【0045】
ステップS1005では、図6の画面で予め設定されているフォルダ設定方法が「ユーザ毎に登録」であるか否かを判定する。フォルダ設定方法が「ユーザ毎に登録」であると判定した場合はステップS1006に進み、そうでなければステップS1007に進む。ステップS1007では、図5の画面に操作キー514を表示させる。
【0046】
ステップS1006では、図7の画面で予め設定されているマイフォルダ限定が「ON」であるか否かを判定する。マイフォルダ限定が「ON」であると判定した場合はステップS1008に進み、そうでなければステップS1007に進む。つまり、フォルダ設定方法が「ユーザ毎に登録」であって且つマイフォルダ限定が「ON」の場合は、ステップS1007をスキップするため、図5の画面に操作キー514は表示されない。
【0047】
この結果、フォルダ設定方法が「ユーザ毎に登録」であって且つマイフォルダ限定が「ON」の場合はファイル送信を行えなくなるため、マイフォルダ限定を「ON」にした管理者の意図に反して不適切な宛先に画像データがファイル送信されることを防止できる。
【0048】
ステップS1008では、図4の情報405として認証サーバ102に登録され、認証OKの旨とともに通知されるメールアドレスを取得する。ステップS1009では、図5の画面に操作キー515を表示させる。
【0049】
図11は、MFP101において、図5の操作キー514が操作された場合の一連の動作を説明するフローチャートである。図11のフローチャートに示す各動作(ステップ)は、MFP101のCPU211がHDD214に記憶された制御プログラムを実行することにより実現される。
【0050】
ステップS1101では、選択されているフォルダ設定方法が何かを判定する。選択されているフォルダ設定方法が「ユーザ毎に登録」であればステップS1102へ、「ホームフォルダ」であればステップS1104へ、「サーバで管理」であればステップS1106へ、それぞれ進む。
【0051】
ステップS1102では、図8の情報802を変数HOSTの値として設定する。また、ステップS1103では、図8の情報803を変数FOLDERの値として設定する。
【0052】
ステップS1104では、図6の情報610を、変数HOSTの値として設定する。また、ステップS1105では、図6の情報620に、図10のステップS1001で表示された画面を介してユーザから入力されたユーザ名を組み合わせたものを、変数FOLDERの値として設定する。図4及び図6に示した例では、ステップS1005で設定される値は「/home/A1001」となる。
【0053】
ステップS1106では、図4の情報406の一部を、変数HOSTの値として設定する。また、ステップS1107では、図4の情報406の残りの一部を、変数FOLDERの値として設定する。図4に示した例では、ステップS1106で設定される値は「server.abc.co.jp」となり、ステップS1107で設定される値は「/user/tanaka」となる。
【0054】
ステップS1108では、画像データのファイル送信に用いるプロトコルを設定する。ファイル送信に用いるプロトコルは、アドレス帳の宛先を参照した場合は図9の情報901で選択されたものとなるが、操作キー514を操作して宛先を設定した場合はSMBが自動的に設定される。ここでSMBを自動的に設定するのは、ファイル送信に用いられるプロトコルのうちSMBの使用頻度が最も高いためであるが、他のプロトコル(例えばFTP)を自動的に設定するようにしても構わない。また、フォルダ設定方法が「ユーザ毎に登録」の場合は、情報801として設定されているプロトコルを優先的に設定するようにしても構わない。
【0055】
ステップS1109では、ステップS1102,S1104,S1106で設定された変数HOSTの値を、画像データの宛先となるフォルダを特定するためのホスト名として設定する。また、ステップS1110では、ステップS1103,S1105,S1107で設定された変数FOLDERの値を、画像データの宛先となるフォルダを特定するためのパスとして設定する。
【0056】
ステップS1111では、図10のステップS1001で表示された画面を介してユーザから入力されたユーザ名の情報を、画像データの宛先となるフォルダにアクセスするためのユーザ名として設定する。また、ステップS1112では、図10のステップS1001で表示された画面を介してユーザから入力されたパスワードの情報を、画像データの宛先となるフォルダにアクセスするためのパスワードとして設定する。
【0057】
このように、MFP101では、図10のステップS1001で表示された画面を介してユーザから入力された認証情報を、画像データの宛先となるフォルダにアクセスするための認証情報として引き継ぐ(流用する)ようにしている。これにより、画像データの宛先となるフォルダにアクセスするための認証情報を予めMFP101に登録しておくことを必要とせずに、ファイル送信のための宛先設定の手間を軽減することができる。
【0058】
ステップS1113では、送信毎にユーザにパスワードを入力させるか否かを示す情報(図9の情報906として説明したもの)をOFFに設定する。
【0059】
図12は、MFP101において、図5の画面を介した宛先設定が行われた後、図示しないスタートキーが操作された場合の一連の動作を説明するフローチャートである。図12のフローチャートに示す各動作(ステップ)は、MFP101のCPU211がHDD214に記憶された制御プログラムを実行することにより実現される。
【0060】
ステップS1201では、設定されている宛先(複数の宛先が設定されている場合はそのうちの1つ)を取り出し、画像データをファイル送信するための宛先であるか否かを判定する。取り出した宛先が画像データをファイル送信するための宛先であればステップS1202に進み、そうでない場合はステップS1204に進む。ここで、画像データをファイル送信するための宛先でない場合とは、取り出した宛先が画像データを電子メールで送信するための宛先であるものとするが、電子メール以外のプロトコルで画像データを送信するための宛先であっても構わない。
【0061】
ステップS1202では、取り出した宛先に対して設定されている、送信毎にユーザにパスワードを入力させるか否かを示す情報(図9の情報906として説明したもの)を判定する。この判定の結果、送信毎にユーザにパスワードを入力させることが設定されている場合はステップS1203に進み、そうでない場合はステップS1203をスキップしてステップS1204に進む。なお、図5の操作キー514を用いて設定された宛先は、図11のステップS1113で説明した通り、送信毎にユーザにパスワードを入力させるか否かを示す情報がOFFに設定されているため、ステップS1202の判定結果はNoとなる。ステップS1203では、ユーザからのパスワードの入力を受け付けるための画面を表示し、ユーザからのパスワードの入力を受け付ける。
【0062】
ステップS1204では、他の宛先が設定されているか否かを判定し、他の宛先が指定されていればステップS1201に戻り、そうでない場合はステップS1205に進む。
【0063】
ステップS1205では、設定されている宛先に応じたプロトコルで画像データを送信する。設定されている宛先が図5の操作キー514を用いて設定されたものであれば、図11のステップS1109で設定されたホスト名に対応するファイルサーバ103にSMBで接続する。そして、ステップS1110で設定されたパスを用いて画像データの格納先となるフォルダを特定する。また、図11のステップS1111及びS1112で設定された認証情報を用いてファイルサーバ103へのログイン(フォルダへのアクセス)を行い、画像データをファイルサーバ103へ送信(フォルダへ格納)する。
【0064】
設定されている宛先がアドレス帳を参照したものであり、且つ、ファイル送信に対応したものであれば、図9の情報902に対応するファイルサーバ103に接続し、図9の情報903を用いて画像データの格納先となるフォルダを特定する。また、図9の情報904及び905(或いは図12のステップS1203で入力されたパスワード)を用いてファイルサーバ103へのログイン(フォルダへのアクセス)を行い、画像データをファイルサーバ103へ送信(フォルダへ格納)する。設定されている宛先が図5の操作キー515を用いて設定されたものであれば、メールサーバへのログイン(SMTP認証)を行い、画像データを添付した電子メールを送信する。
【0065】
以上の通り、第1の実施形態では、フォルダ設定方法が「ユーザ毎に登録」であって且つマイフォルダ限定が「ON」の場合に操作キー514を表示しないようにする。この結果、マイフォルダ限定を「ON」にした管理者の意図に反して不適切な宛先に画像データがファイル送信されることを防止できる。
【0066】
<第2の実施形態>
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。第2の実施形態では、フォルダ設定方法が「ユーザ毎に登録」である場合に、マイフォルダ限定を「ON」にすることを制限する。なお、上述した第1の実施形態と同様の構成については詳細な説明は省略する。
【0067】
図13は、MFP101において、図7の操作キー701が操作された場合の一連の動作を説明するフローチャートである。図13のフローチャートに示す各動作(ステップ)は、MFP101のCPU211がHDD214に記憶された制御プログラムを実行することにより実現される。
【0068】
ステップS1301では、マイフォルダ限定が「OFF」に設定されている状態で、マイフォルダ限定を「ON」にするためのユーザからの指示(操作キー701の操作)を受け付ける。
【0069】
ステップS1302では、図6の画面で予め設定されているフォルダ設定方法が「ユーザ毎に登録」であるか否かを判定する。フォルダ設定方法が「ユーザ毎に登録」であると判定した場合はステップS1304に進み、そうでなければステップS1303に進む。ステップS1303では、マイフォルダ限定を「ON」に設定する。一方、ステップS1304では、図15に示すエラーメッセージ画面を表示する。
【0070】
これにより、フォルダ設定方法を「ユーザ毎に登録」とすることと、マイフォルダ限定を「ON」にすることを同時に行うことができなくなるため、管理者の意図に反して不適切な宛先に画像データがファイル送信されることを防止できる。なお、ステップS1304では、マイフォルダ限定を「ON」にすることを禁止するようにしてもよいし、エラーメッセージ画面を表示した上での管理者の更なる指示があれば、マイフォルダ限定を「ON」に設定するようにしてもよい。
【0071】
<第3の実施形態>
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。第3の実施形態では、マイフォルダ限定が「ON」である場合に、フォルダ設定方法を「ユーザ毎に登録」にすることを制限する。なお、上述した第1の実施形態と同様の構成については詳細な説明は省略する。
【0072】
図14は、MFP101において、図6の操作キー602が操作された場合の一連の動作を説明するフローチャートである。図14のフローチャートに示す各動作(ステップ)は、MFP101のCPU211がHDD214に記憶された制御プログラムを実行することにより実現される。
【0073】
ステップS1401では、フォルダ設定方法が「ユーザ毎に登録」以外に設定されている状態で、フォルダ設定方法を「ユーザ毎に登録」にするためのユーザからの指示(操作キー602の操作)を受け付ける。
【0074】
ステップS1402では、図7の画面で予め設定されているマイフォルダ限定が「ON」であるか否かを判定する。マイフォルダ限定が「ON」であると判定した場合はステップS1404に進み、そうでなければステップS1403に進む。ステップS1403では、フォルダ設定方法を「ユーザ毎に登録」に設定する。一方、ステップS1404では、図15に示すエラーメッセージ画面を表示する。
【0075】
これにより、フォルダ設定方法を「ユーザ毎に登録」とすることと、マイフォルダ限定を「ON」にすることを同時に行うことができなくなるため、管理者の意図に反して不適切な宛先に画像データがファイル送信されることを防止できる。なお、ステップS1404では、フォルダ設定方法を「ユーザ毎に登録」にすることを禁止するようにしてもよいし、エラーメッセージ画面を表示した上での管理者の更なる指示があれば、フォルダ設定方法を「ユーザ毎に登録」に設定するようにしてもよい。
【0076】
<第4の実施形態>
次に、本発明の第4の実施形態について説明する。第4の実施形態では、フォルダ設定方法が「ユーザ毎に登録」である場合に、マイフォルダ限定を「ON」にすることが不可能な状態で画面を表示する。なお、上述した第1の実施形態と同様の構成については詳細な説明は省略する。
【0077】
図16は、MFP101において、図7の画面の表示が指示された場合の一連の動作を説明するフローチャートである。図16のフローチャートに示す各動作(ステップ)は、MFP101のCPU211がHDD214に記憶された制御プログラムを実行することにより実現される。
【0078】
ステップS1601では、図7の画面を表示する指示をユーザから受け付ける。ステップS1602では、図6の画面で予め設定されているフォルダ設定方法が「ユーザ毎に登録」であるか否かを判定する。フォルダ設定方法が「ユーザ毎に登録」であると判定した場合はステップS1604に進み、そうでなければステップS1603に進む。ステップS1603では、マイフォルダ限定を「ON」にすることが可能な状態で図7の画面を表示する。一方、ステップS1604では、マイフォルダ限定を「ON」にすることが不可能な状態で図7の画面を表示する。具体的には、操作キー701を表示しないようにしてもよいし、操作キー701をグレーアウトして表示するようにしてもよい。また、この際に、フォルダ設定方法が「ユーザ毎に登録」となっていることが理由でマイフォルダ限定を「ON」にすることができない旨のメッセージを表示しても良い。
【0079】
これにより、フォルダ設定方法を「ユーザ毎に登録」とすることと、マイフォルダ限定を「ON」にすることを同時に行うことができなくなるため、管理者の意図に反して不適切な宛先に画像データがファイル送信されることを防止できる。
【0080】
<第5の実施形態>
次に、本発明の第5の実施形態について説明する。第5の実施形態では、マイフォルダ限定が「ON」である場合に、フォルダ設定方法を「ユーザ毎に登録」にすることが不可能な状態で画面を表示する。なお、上述した第1の実施形態と同様の構成については詳細な説明は省略する。
【0081】
図17は、MFP101において、図6の画面の表示が指示された場合の一連の動作を説明するフローチャートである。図17のフローチャートに示す各動作(ステップ)は、MFP101のCPU211がHDD214に記憶された制御プログラムを実行することにより実現される。
【0082】
ステップS1701では、図6の画面を表示する指示をユーザから受け付ける。ステップS1702では、図7の画面で予め設定されているマイフォルダ限定が「ON」であるか否かを判定する。マイフォルダ限定が「ON」であると判定した場合はステップS1704に進み、そうでなければステップS1703に進む。ステップS1703では、フォルダ設定方法を「ユーザ毎に登録」にすることが可能な状態で図6の画面を表示する。一方、ステップS1704では、フォルダ設定方法を「ユーザ毎に登録」にすることが不可能な状態で図6の画面を表示する。具体的には、操作キー602を表示しないようにしてもよいし、操作キー602をグレーアウトして表示するようにしてもよい。また、この際に、マイフォルダ限定が「ON」となっていることが理由でフォルダ設定方法を「ユーザ毎に登録」にすることができない旨のメッセージを表示しても良い。
【0083】
これにより、フォルダ設定方法を「ユーザ毎に登録」とすることと、マイフォルダ限定を「ON」にすることを同時に行うことができなくなるため、管理者の意図に反して不適切な宛先に画像データがファイル送信されることを防止できる。
【0084】
<第6の実施形態>
次に、本発明の第6の実施形態について説明する。第6の実施形態では、マイフォルダ限定が「ON」、フォルダ設定方法が「ユーザ毎に登録」、ホスト名制限が「OFF」である場合に、操作キー514表示しないようにする。なお、上述した第1の実施形態と同様の構成については詳細な説明は省略する。
【0085】
図18は、操作部219に表示される操作画面の一例を示す図である。図18の画面は、図6の画面に対応するものであり、図6と同様に管理者のみが操作可能であり、一般のユーザがMFP101を操作する場合には表示されない。また、操作キー601乃至603及び情報610及び620は、第1の実施形態で説明したものと同様である。
【0086】
管理者は、操作キー602を操作して「ユーザ毎に登録」を選択した場合に、更にホスト名制限の「ON」または「OFF」を設定することができる。ホスト名制限とは、「ユーザ毎に登録」を用いてフォルダ情報を設定する場合に、フォルダのホスト名に関しては管理者が登録したもの以外を使用できないように制限する機能である。ホスト名制限を「ON」にした場合は、情報1802及び1803として、ファイル送信のプロトコルとホスト名を管理者が登録する。
【0087】
図19は、図8の画面に対応するものであり、図8と同様に一般のユーザがMFP101を操作する場合に表示される。情報801乃至805は、第1の実施形態で説明したものと同様である。ホスト名制限が「ON」の場合は、図19に示すように、情報1802及び1803の内容が情報801及び802としてプリセットされ、ユーザによる変更ができない状態となっている。これにより、フォルダ設定方法を「ユーザ毎に登録」とする場合であっても、ファイル送信の宛先を特定のホストに限定することができるため、セキュリティを高めることができる。
【0088】
図20は、MFP101におけるログイン動作(ユーザがMFP101の使用を開始するときの一連の動作)を説明するフローチャートである。図20のフローチャートは、図10のフローチャートに対応するものであり、図20のフローチャートに示す各動作(ステップ)は、MFP101のCPU211がHDD214に記憶された制御プログラムを実行することにより実現される。また、ステップS1001乃至S1004、S1007乃至9は、第1の実施形態で説明したものと同様である。
【0089】
ステップS2001では、図18の画面で予め設定されているフォルダ設定方法が「ユーザ毎に登録」であるか否かを判定する。フォルダ設定方法が「ユーザ毎に登録」であると判定した場合はステップS2002に進み、そうでなければステップS1007に進む。ステップS1007では、図5の画面に操作キー514を表示させる。
【0090】
ステップS2002では、図7の画面で予め設定されているマイフォルダ限定が「ON」であるか否かを判定する。マイフォルダ限定が「ON」であると判定した場合はステップS2003に進み、そうでなければステップS1007に進む。ステップS2003では、図18の画面で予め設定されているホスト名制限が「ON」であるか否かを判定する。ホスト名制限が「ON」であると判定した場合はステップS1007に進み、そうでなければステップS1008に進む。
【0091】
つまり、フォルダ設定方法が「ユーザ毎に登録」であり且つマイフォルダ限定が「ON」であったとしても、ホスト名制限が「ON」である(「OFF」でない)場合は、ステップS1007で操作キー514を表示するようにしている。これにより、ホスト名制限を行う場合は、管理者の意図に反した不適切な宛先に画像データがファイル送信される可能性が低くなるため、セキュリティの確保とユーザの利便性向上を両立させることができる。
【0092】
<第7の実施形態>
次に、本発明の第7の実施形態について説明する。第7の実施形態では、フォルダ設定方法が「ユーザ毎に登録」であり且つホスト名制限が「OFF」である場合に、マイフォルダ限定を「ON」にすることを制限する。なお、上述した第1の実施形態と同様の構成については詳細な説明は省略する。
【0093】
図21は、MFP101において、図7の操作キー701が操作された場合の一連の動作を説明するフローチャートである。図21のフローチャートに示す各動作(ステップ)は、MFP101のCPU211がHDD214に記憶された制御プログラムを実行することにより実現される。
【0094】
ステップS2101では、マイフォルダ限定が「OFF」に設定されている状態で、マイフォルダ限定を「ON」にするためのユーザからの指示(操作キー701の操作)を受け付ける。
【0095】
ステップS2102では、図18の画面で予め設定されているフォルダ設定方法が「ユーザ毎に登録」であるか否かを判定する。フォルダ設定方法が「ユーザ毎に登録」であると判定した場合はステップS2105に進み、そうでなければステップS2103に進む。ステップS2103では、マイフォルダ限定を「ON」に設定する。
【0096】
ステップS2105では、図18の画面で予め設定されているホスト名制限が「ON」であるか否かを判定する。ホスト名制限が「ON」であると判定した場合はステップS2103に進み、そうでなければステップS2104に進む。ステップS2104では、図23に示すエラーメッセージ画面を表示する。
【0097】
以上の通り、第7の実施形態では、フォルダ設定方法が「ユーザ毎に登録」であっても、ホスト名限定が「ON」の場合は、マイフォルダ限定を「ON」にすることを許容している。これにより、ホスト名制限を行う場合は、管理者の意図に反した不適切な宛先に画像データがファイル送信される可能性が低くなるため、セキュリティの確保とユーザの利便性向上を両立させることができる。なお、ステップS2104では、マイフォルダ限定を「ON」にすることを禁止するようにしてもよいし、エラーメッセージ画面を表示した上での管理者の更なる指示があれば、マイフォルダ限定を「ON」に設定するようにしてもよい。
【0098】
<第8の実施形態>
次に、本発明の第8の実施形態について説明する。第8の実施形態では、マイフォルダ限定が「ON」である場合に、ホスト名制限を「OFF」にすることを制限する。なお、上述した第1の実施形態と同様の構成については詳細な説明は省略する。
【0099】
図22は、MFP101において、図18の情報1801がOFFとなるように指示された場合の一連の動作を説明するフローチャートである。図22のフローチャートに示す各動作(ステップ)は、MFP101のCPU211がHDD214に記憶された制御プログラムを実行することにより実現される。
【0100】
ステップS2201では、ホスト名制限が「ON」に設定されている状態で、ホスト名制限を「OFF」にするためのユーザからの指示を受け付ける。
【0101】
ステップS2202では、図7の画面で予め設定されているマイフォルダ限定が「ON」であるか否かを判定する。マイフォルダ限定が「ON」であると判定した場合はステップS2204に進み、そうでなければステップS2203に進む。ステップS2203では、ホスト名制限を「OFF」に設定する。一方、ステップS2204では、図23に示すエラーメッセージ画面を表示する。
【0102】
これにより、ホスト名制限を「OFF」とすることと、マイフォルダ限定を「ON」にすることを同時に行うことができなくなるため、管理者の意図に反して不適切な宛先に画像データがファイル送信されることを防止できる。なお、ステップS2204では、ホスト名制限を「OFF」にすることを禁止するようにしてもよいし、エラーメッセージ画面を表示した上での管理者の更なる指示があれば、ホスト名制限を「OFF」に設定するようにしてもよい。
【0103】
<第9の実施形態>
次に、本発明の第9の実施形態について説明する。第9の実施形態では、フォルダ設定方法が「ユーザ毎に登録」であり且つホスト名制限が「OFF」である場合に、マイフォルダ限定を「ON」にすることが不可能な状態で画面を表示する。なお、上述した第1の実施形態と同様の構成については詳細な説明は省略する。
【0104】
図24は、MFP101において、図7の画面の表示が指示された場合の一連の動作を説明するフローチャートである。図24のフローチャートに示す各動作(ステップ)は、MFP101のCPU211がHDD214に記憶された制御プログラムを実行することにより実現される。
【0105】
ステップS2401では、図7の画面を表示する指示をユーザから受け付ける。ステップS2402では、図18の画面で予め設定されているフォルダ設定方法が「ユーザ毎に登録」であるか否かを判定する。フォルダ設定方法が「ユーザ毎に登録」であると判定した場合はステップS2405に進み、そうでなければステップS2403に進む。ステップS2403では、マイフォルダ限定を「ON」にすることが可能な状態で図7の画面を表示する。
【0106】
ステップS2405では、図18の画面で予め設定されているホスト名制限が「ON」であるか否かを判定する。ホスト名制限が「ON」であると判定した場合はステップS2403に進み、そうでなければステップS2404に進む。ステップS2404では、マイフォルダ限定を「ON」にすることが不可能な状態で図7の画面を表示する。具体的には、操作キー701を表示しないようにしてもよいし、操作キー701をグレーアウトして表示するようにしてもよい。また、この際に、フォルダ設定方法が「ユーザ毎に登録」であり且つホスト名制限が「ON」でないことが理由でマイフォルダ限定を「ON」にすることができない旨のメッセージを表示しても良い。
【0107】
以上の通り、第9の実施形態では、フォルダ設定方法が「ユーザ毎に登録」であっても、ホスト名限定が「ON」の場合は、マイフォルダ限定を「ON」にすることを許容している。これにより、ホスト名制限を行う場合は、管理者の意図に反した不適切な宛先に画像データがファイル送信される可能性が低くなるため、セキュリティの確保とユーザの利便性向上を両立させることができる。
【0108】
<第10の実施形態>
次に、本発明の第10の実施形態について説明する。第10の実施形態では、マイフォルダ限定が「ON」である場合に、ホスト名制限を「OFF」にすることが不可能な状態で画面を表示する。なお、上述した第1の実施形態と同様の構成については詳細な説明は省略する。
【0109】
図25は、MFP101において、図18の画面の表示が指示された場合の一連の動作を説明するフローチャートである。図25のフローチャートに示す各動作(ステップ)は、MFP101のCPU211がHDD214に記憶された制御プログラムを実行することにより実現される。
【0110】
ステップS2501では、図18の画面を表示する指示をユーザから受け付ける。ステップS2502では、図7の画面で予め設定されているマイフォルダ限定が「ON」であるか否かを判定する。マイフォルダ限定が「ON」であると判定した場合はステップS2504に進み、そうでなければステップS2503に進む。ステップS2503では、ホスト名制限を「OFF」にすることが可能な状態で図18の画面を表示する。一方、ステップS2504では、ホスト名制限を「OFF」にすることが不可能な状態で図18の画面を表示する。具体的には、情報1801の入力欄を表示しないようにしてもよいし、情報1801の入力欄をグレーアウトして表示するようにしてもよい。また、この際に、マイフォルダ限定が「ON」となっていることが理由でホスト名制限を「OFF」にすることができない旨のメッセージを表示しても良い。
【0111】
これにより、ホスト名制限を「OFF」とすることと、マイフォルダ限定を「ON」にすることを同時に行うことができなくなるため、管理者の意図に反して不適切な宛先に画像データがファイル送信されることを防止できる。
【0112】
なお、上述した各実施形態では、図7に示す操作画面を介してマイフォルダ限定のON/OFFを切り替える例を説明したが、他の態様を採用しても構わない。例えば、ユーザ毎の使用権限を管理する仕組みを用いて、操作キー511乃至513の操作キーを使用できないようにすることで結果的にマイフォルダ限定を実現するようにしても良い。
【0113】
以上説明したように、MFP101は、ユーザからの認証情報の入力を受け付ける(ステップS1001)。認証サーバは、MFP101が受け付けた認証情報に基づいてユーザを認証する(ステップS1002)。MFP101は、画像データの宛先を設定する(図5)。MFP101は、画像データの宛先としてユーザのフォルダを設定するための操作キーを備える(操作キー514)。MFP101は、設定された宛先に対して画像データを送信する(ステップS1205)。また、MFP101は、設定される宛先が、操作キー514を用いて設定される宛先に限定され(マイフォルダ限定=「ON」)、且つ、操作キー514が操作されたことに応じて設定されるフォルダが、ユーザにより登録されるものである場合(フォルダ設定方法=「ユーザ毎に登録」)は、操作キー514を用いた宛先の設定が行われないようにする(ステップS1006でYes)。
【0114】
また、MFP101は、設定される宛先が、操作キー514を用いて設定される宛先に限定されている場合(マイフォルダ限定=「ON」)に、操作キー514が操作されたことに応じて設定されるフォルダを、ユーザにより登録されるものとするように設定(フォルダ設定方法=「ユーザ毎に登録」)することを制限する(ステップS1404及びS1704)。
【0115】
また、MFP101は、操作キー514が操作されたことに応じて設定されるフォルダが、ユーザにより登録されるものである場合(フォルダ設定方法=「ユーザ毎に登録」)に、設定される宛先を、操作キー514を用いて設定される宛先に限定するように設定(マイフォルダ限定=「ON」)することを制限する(ステップS1304及びS1604)。
【0116】
これにより、ユーザのフォルダを設定するための操作キーを備える画像処理システムにおいて、不適切な宛先に画像データが送信されることを防止することができる。
【0117】
なお、本発明の目的は、以下の処理を実行することによっても達成される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記録した記憶媒体を、システム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)が記憶媒体に格納されたプログラムコードを読み出す処理である。
【0118】
この場合、記憶媒体から読み出されたプログラムコード自体が前述した実施の形態の機能を実現することになり、そのプログラムコード及び該プログラムコードを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。
【符号の説明】
【0119】
101 MFP
210 制御部
211 CPU
212 ROM
213 RAM
214 HDD
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
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