特許第6049372号(P6049372)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6049372
(24)【登録日】2016年12月2日
(45)【発行日】2016年12月21日
(54)【発明の名称】洗濯乾燥機
(51)【国際特許分類】
   D06F 39/06 20060101AFI20161212BHJP
   D06F 33/02 20060101ALI20161212BHJP
【FI】
   D06F39/06
   D06F33/02 P
【請求項の数】5
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2012-205632(P2012-205632)
(22)【出願日】2012年9月19日
(65)【公開番号】特開2014-57788(P2014-57788A)
(43)【公開日】2014年4月3日
【審査請求日】2015年7月21日
(73)【特許権者】
【識別番号】503376518
【氏名又は名称】東芝ライフスタイル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000567
【氏名又は名称】特許業務法人 サトー国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】西村 孝
(72)【発明者】
【氏名】西村 好美
(72)【発明者】
【氏名】池田 仁志
(72)【発明者】
【氏名】牧野 嘉幸
(72)【発明者】
【氏名】森山 圭一
【審査官】 山内 康明
(56)【参考文献】
【文献】 特開2001−212394(JP,A)
【文献】 特開2009−022346(JP,A)
【文献】 特開2012−110462(JP,A)
【文献】 特開平08−299696(JP,A)
【文献】 特開2002−119787(JP,A)
【文献】 特開2000−019043(JP,A)
【文献】 特開平01−185296(JP,A)
【文献】 特開2004−283431(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2005/0081308(US,A1)
【文献】 特開昭57−089891(JP,A)
【文献】 特開平02−172497(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
D06F 39/06
D06F 33/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
衣類を洗濯するための水を受ける水受槽と、
前記水受槽内に設けられ、衣類が投入される回転槽と、
前記水受槽内に風を送る送風機と、
前記送風機が送る風を加熱することで前記回転槽内の衣類を乾かすための乾燥風を生成する加熱源と、
前記水受槽内に接続された圧力室および当該圧力室内の圧力を受けて弾性変形するダイアフラムを有するものであって、前記水受槽内の洗剤の泡量に応じた電気信号として当該ダイアフラムの変形量に応じた泡量信号を出力する泡量センサと、
前記泡量センサからの泡量信号に応じて前記水受槽内の洗剤の泡量を検出する泡量検出手段と、
前記回転槽を回転操作することで前記回転槽内の衣類から水分を遠心力で排出する脱水処理を行う脱水処理手段と、
前記送風機を回転状態とすると共に前記加熱源を加熱状態とすることで前記水受槽内に乾燥風を送る乾燥処理を行う乾燥処理手段と、
前記乾燥処理の後に行う前記脱水処理での前記回転槽の回転状態で前記送風機を回転状態とすることで前記圧力室内に風を送り、前記ダイアフラムに、当該ダイアフラムを前記圧力室の壁面に接触させる押圧力が作用することを防止する強制送風手段を備えたことを特徴とする洗濯乾燥機。
【請求項2】
衣類を洗濯するための水を受ける水受槽と、
前記水受槽内に設けられ、衣類が投入される回転槽と、
前記水受槽内に風を送る送風機と、
前記送風機が送る風を加熱することで前記回転槽内の衣類を乾かすための乾燥風を生成する加熱源と、
前記水受槽内に接続された圧力室および当該圧力室内の圧力を受けて弾性変形するダイアフラムを有するものであって、前記水受槽内の洗剤の泡量に応じた電気信号として当該ダイアフラムの変形量に応じた泡量信号を出力する泡量センサと、
前記泡量センサからの泡量信号に応じて前記水受槽内の洗剤の泡量を検出する泡量検出手段と、
前記回転槽を回転操作することで前記回転槽内の衣類から水分を遠心力で排出する脱水処理を行う脱水処理手段と、
前記送風機を回転状態とすると共に前記加熱源を加熱状態とすることで前記水受槽内に乾燥風を送る乾燥処理を行う乾燥処理手段と、
前記乾燥処理の後に行う前記脱水処理で前記回転槽が定常速度から減速開始された以後に前記送風機を回転状態とすることで前記圧力室内に風を送り、前記ダイアフラムに、当該ダイアフラムを前記圧力室の壁面に接触させる押圧力が作用することを防止する強制送風手段を備えたことを特徴とする洗濯乾燥機。
【請求項3】
前記強制送風手段は、
前記脱水処理で前記回転槽が定常速度から減速されている減速期間内に前記送風機を回転状態とすることを特徴とする請求項1および2のいずれかに記載の洗濯乾燥機。
【請求項4】
前記強制送風手段は、
前記送風機が設定速度に加速されたときに前記送風機の回転操作を停止することを特徴とする請求項3に記載の洗濯乾燥機。
【請求項5】
前記水受槽内の温度に応じた電気信号である温度信号を出力する温度センサを備え、
前記ダイアフラムが前記圧力室の壁面に貼り付いたままの状態にあるか否かを判定するための閾値が決められており、
前記強制送風手段は、
前記温度センサからの温度信号が前記閾値以上である場合に前記送風機を回転状態とするものであって、前記温度センサからの温度信号が前記閾値以上でない場合には前記送風機を回転状態としないことを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の洗濯乾燥機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
実施例は洗濯乾燥機に関する。
【背景技術】
【0002】
洗濯乾燥機には泡量センサを備えたものがある。この泡量センサは水受槽内の洗剤の泡量に応じた泡量信号を出力するものであり、泡量センサからの泡量信号に応じて水受槽内に多量の洗剤の泡が発生したと判定された場合には水受槽内から洗剤の泡を消す泡消し処理が開始される。この泡量センサは水受槽内にホースを介して接続された圧力室および圧力室内の圧力を受けて弾性変形するダイアフラムを有するものであり、泡量センサの圧力室内には乾燥処理中にホースを通して乾燥風が進入する。この乾燥風は加熱源で加熱されたものであり、泡量センサのダイアフラムは乾燥処理中に乾燥風で加熱されることで軟化状態となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−99984号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の洗濯乾燥機の場合には脱水処理中に回転槽が回転することに応じて水受槽内で空気の流れが発生する。この水受槽内で空気の流れが発生した場合には泡量センサの圧力室の内圧が空気の流れの影響で変動し、泡量センサの圧力室の内圧が変動した場合にはダイアフラムが弾性変形する。このダイアフラムは圧力室の内圧が負圧となった場合には水受槽内に洗剤の泡が発生した場合と反対方向へ弾性変形するものであり、ダイアフラムが負圧方向へ弾性変形した場合には圧力室の壁面に接触することがある。このダイアフラムは乾燥処理中に乾燥用の熱の影響を受けて軟化状態となることで弾性復元力が低下する場合があり、ダイアフラムが乾燥処理の終了直後の軟化状態で圧力室の壁面に接触した場合には湿気等で圧力室の壁面に貼り付いたまま自然状態に復帰しない虞がある。このダイアフラムが圧力室の壁面に貼り付いたままの状態では水受槽内の洗剤の泡量を正確に検出できない。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施例の洗濯乾燥機は、衣類を洗濯するための水を受ける水受槽と、前記水受槽内に設けられ衣類が投入される回転槽と、前記水受槽内に風を送る送風機と、前記送風機が送る風を加熱することで前記回転槽内の衣類を乾かすための乾燥風を生成する加熱源と、前記水受槽内に接続された圧力室および当該圧力室内の圧力を受けて弾性変形するダイアフラムを有するものであって前記水受槽内の洗剤の泡量に応じた電気信号として当該ダイアフラムの変形量に応じた泡量信号を出力する泡量センサと、前記泡量センサからの泡量信号に応じて前記水受槽内の洗剤の泡量を検出する泡量検出手段と、前記回転槽を回転操作することで前記回転槽内の衣類から水分を遠心力で排出する脱水処理を行う脱水処理手段と、前記送風機を回転状態とすると共に前記加熱源を加熱状態とすることで前記水受槽内に乾燥風を送る乾燥処理を行う乾燥処理手段と、前記乾燥処理の後に行う前記脱水処理での前記回転槽の回転状態で前記送風機を回転状態とすることで前記圧力室内に風を送り、前記ダイアフラムに、当該ダイアフラムを前記圧力室の壁面に接触させる押圧力が作用することを防止する強制送風手段または前記乾燥処理の後に行う前記脱水処理で前記回転槽が定常速度から減速開始された以後に前記送風機を回転状態とすることで前記圧力室内に風を送り、前記ダイアフラムに、当該ダイアフラムを前記圧力室の壁面に接触させる押圧力が作用することを防止する強制送風手段を備えたものである。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】実施例1を示す図(洗濯乾燥機の内部構成を示す断面図)
図2】洗濯乾燥機の内部構成を示す外観図
図3】洗濯乾燥機の電気構成を示す図
図4】泡量センサの内部構成を示す断面図
図5】制御回路の標準コース処理を示す図
図6】制御回路の槽温度検出処理を示す図
図7】制御回路のすすぎ前脱水処理を示す図
図8】洗濯モータおよびファンモータの運転内容を示す図
図9】実施例2を示す図(図8相当図)
図10】実施例3を示す図(図8相当図)
図11】実施例4を示す図(図8相当図)
【発明を実施するための形態】
【実施例1】
【0007】
図1の外箱1は前板と後板と左側板と右側板と底板と天板を相互に接合することから構成されたものであり、中空状をなしている。この外箱1内には水受槽2が固定されている。この水受槽2は前面が開口するものであり、円形状の後板および後板を取り囲む円筒状の周板を有している。この水受槽2は衣類を洗濯するための水を受けるものであり、軸心線CLが前から後へ下降する傾斜状態に配置されている。この水受槽2の後板には水受槽2の外部に位置して洗濯モータ3が固定されている。この洗濯モータ3は速度制御可能なDCブラシレスモータからなるものであり、水受槽2内に突出する回転軸を有している。この洗濯モータ3は速度センサ4(図3参照)を有している。この速度センサ4はホール素子からなるものであり、洗濯モータ3の回転軸が単位量だけ回転する毎にパルス信号を出力する。
【0008】
洗濯モータ3の回転軸には、図1に示すように、水受槽2内に位置してドラム5が固定されている。このドラム5は前面が開口するものであり、円形状の後板および後板を取り囲む円筒状の周板を有している。このドラム5は衣類が投入されるものであり、洗濯モータ3の回転軸と一体的に回転する。このドラム5の周板および後板のそれぞれには複数の貫通孔6が形成されており、ドラム5の内部空間は周板の複数の貫通孔6および後板の複数の貫通孔6のそれぞれを通して水受槽2の内部空間に接続されている。このドラム5は回転槽に相当するものであり、ドラム5の軸心線が水受槽2の軸心線CLに重なるように配置されている。
【0009】
ドラム5内には、図1に示すように、複数のバッフル7が固定されている。これら複数のバッフル7のそれぞれはドラム5の内周面から内部に向けて突出するものであり、円周方向に相互に離間して配置されている。これら複数のバッフル7のそれぞれはドラム5が回転することに応じてドラム5の軸心線CLを中心に円周方向へ移動するものであり、ドラム5内の衣類は複数のバッフル7のそれぞれに引掛かることで円周方向へ移動した後に重力で落下することで撹拌される。
【0010】
外箱1内には、図1に示すように、給水弁8が固定されている。この給水弁8は入口と水受槽2への注水出口と後述する除湿ダクト21へ注水する除湿出口を有するものであり、給水弁8の入口は水道の蛇口に接続されている。この給水弁8は給水弁モータ9(図3参照)を駆動源とするものであり、給水弁モータ9が回転操作されることに応じて閉鎖状態と注水状態と除湿状態相互間で切換えられる。この給水弁8の閉鎖状態では注水出口および除湿出口のそれぞれが閉鎖された状態であり、注水出口および除湿出口のいずれからも水道水が放出されない。この給水弁8の注水状態では除湿出口は閉鎖状態で注水出口が開放された状態であり、注水出口から水受槽2へ水道水が放出される。この給水弁8の除湿状態では注水出口は閉鎖状態で除湿出口が開放された状態であり、除湿出口から後述する除湿ダクト21に水道水が放出される。
【0011】
給水弁8の注水出口には、図1に示すように、接続ホース10を介して注水ケース11が接続されている。この注水ケース11は中空な箱状をなすものであり、外箱1内に水受槽2に比べて高所に位置して固定されている。この注水ケース11には注水ホース12の上端部が接続されている。この注水ホース12の下端部は水受槽2内に接続されており、給水弁8の注水状態では水道水が接続ホース10と注水ケース11と注水ホース12のそれぞれを順に通して水受槽2内に注入される。
【0012】
水受槽2には、図1に示すように、最底部に位置して排水管13の上端部が接続されており、排水管13には排水弁14が介在されている。この排水弁14は排水弁モータ15(図3参照)を駆動源とするものであり、排水弁モータ15が回転操作されることに応じて開放状態および閉鎖状態相互間で切換えられる。この排水弁14は閉鎖状態となることで水が通過不能となるものであり、排水弁14の閉鎖状態では給水弁8の注水出口から水受槽2内に注入された水道水が水受槽2内に貯留される。この排水弁14は開放状態となることで水が通過可能となるものであり、排水弁14の開放状態では水受槽2内の水道水が排水管13を通して水受槽2の外部に排出される。
【0013】
外箱1の前板には、図1に示すように、貫通孔からなる出入口16が形成されており、ドラム5内に対しては出入口16と水受槽2の前面とドラム5の前面を通して衣類が出し入れされる。この外箱1の前板には扉17が装着されている。この扉17は閉鎖状態および開放状態相互間で使用者が操作することが可能にされたものであり、外箱1の出入口16は扉17の閉鎖状態で気密状態に閉鎖されると共に扉17の開放状態でドラム5内に対して衣類を出し入れすることが可能に開放される。
【0014】
水受槽2には、図2に示すように、前ダクト18の入口が接続されている。この前ダクト18は外箱1内に水受槽2の上方に位置して収納されたものであり、前ダクト18の出口には右中継ダクト19を介して後ダクト20の入口が接続されている。この後ダクト20は外箱1内に水受槽2の後方に位置して収納されたものであり、上下方向へ指向する直状をなしている。この後ダクト20の出口には除湿ダクト21の入口が接続されている。この除湿ダクト21は外箱1内に後ダクト20の左方に並べて収納されたものであり、上下方向へ指向する直状をなしている。
【0015】
除湿ダクト21の出口には、図2に示すように、ファンケーシング22の入口が接続されている。このファンケーシング22は外箱1内に水受槽2の上方に位置して収納されたものであり、ファンケーシング22には誘導モータからなるファンモータ23が固定されている。このファンモータ23はファンケーシング22の外部に配置されたものであり、上下方向へ指向する回転軸を有している。このファンモータ23の回転軸はファンケーシング22内に挿入されており、ファンモータ23の回転軸にはファンケーシング22内に位置してファン24が固定されている。このファン24は送風機に相当する。
【0016】
ファンケーシング22の出口には、図2に示すように、ヒータダクト25の入口が接続されている。このヒータダクト25は外箱1内に水受槽2の上方に位置して収納されたものであり、ファンモータ23の電気的なオン状態ではファン24が回転状態となることで水受槽2内の空気が前ダクト18と右中継ダクト19と後ダクト20と除湿ダクト21とファンケーシング22のそれぞれを順に通ってヒータダクト25内に進入する(矢印参照)。このヒータダクト25内にはヒータ26が固定されており、ファンモータ23およびヒータ26のそれぞれの電気的なオン状態ではヒータ26がヒータダクト25内で風を加熱することでドラム5内の衣類を乾かすための乾燥風を生成する。このヒータ26は加熱源に相当する。
【0017】
ヒータダクト25の出口には、図2に示すように、左中継ダクト27の入口が接続されている。この左中継ダクト27は外箱1内に水受槽2の上方に位置して収納されたものであり、左中継ダクト27の出口には吹込み口カバー28が接続されている。この吹込み口カバー28は前面が開口するものであり、水受槽2の後板に接合されている。この吹込み口カバー28は前面が水受槽2の後板で閉鎖されたものであり、吹込み口29を後方から覆っている。この吹込み口29は水受槽2の後板に形成された貫通孔であり、ファンモータ23およびヒータ26のそれぞれの電気的なオン状態では乾燥風がヒータダクト25から左中継ダクト27と吹込み口カバー28と吹込み口29のそれぞれを順に通して水受槽2内に注入される(矢印参照)。即ち、前ダクト18と右中継ダクト19と後ダクト20と除湿ダクト21とファンケーシング22とヒータダクト25と左中継ダクト27と吹込み口カバー28は水受槽2の内部から外部を通して内部に空気を戻す循環通路を構成するものである。
【0018】
除湿ダクト21内には、図2に示すように、除湿ホース30の下端部が接続されている。この除湿ホース30は外箱1内に収納されたものであり、除湿ホース30の上端部は給水弁8の除湿出口に接続されている。この除湿ホース30は給水弁8の除湿状態で除湿ダクト21内に水道水を注入するものであり、ドラム5内に水分を含んだ未乾燥の衣類が投入されている状態でファンモータ23およびヒータ26のそれぞれがオン状態にされた場合には高温度で高湿度なドラム5内の空気が除湿ダクト21内で水道水に接触することで冷却される。この空気は除湿ダクト21内で冷却されることで除湿されるものであり、除湿された空気はヒータダクト25内でヒータ26に接触することで加熱され、ヒータダクト25内で加熱された空気は吹込み口29から水受槽2内に高温度で低湿度な乾燥風として注入される。
【0019】
除湿ダクト21内には、図2に示すように、入口温度センサ31および出口温度センサ32が固定されている。入口温度センサ31は除湿ダクト21内の入口側に配置されたものであり、水道水で除湿される前の空気の温度に応じたレベルの電気信号として入口温度信号を出力する。この入口温度センサ31はサーミスタからなるものであり、温度センサに相当する。出口温度センサ32は除湿ダクト21内の出口側に配置されたサーミスタからなるものであり、水道水で除湿された後の空気の温度に応じたレベルの電気信号として出口温度信号を出力する。
【0020】
水受槽2の後板には、図1に示すように、水位ホース33の下端部が接続されている。この水位ホース33の上端部には水位センサ34が接続されており、水位ホース33の上端部は水位センサ34で気密状態に閉鎖されている。水位ホース33は目標水位の設定結果が最低水位([1]参照)であった場合の水面に比べて低所で水受槽2内に接続されたものである。この水位ホース33は水受槽2内に水道水が貯留される場合に水道水の水面の高さに拘わらず水道水が下端部から進入するものであり、水位ホース33内の空気圧は水受槽2内の水道水の水面の高さに応じて変動する。水位センサ34は圧力センサからなるものであり、水位信号として水位ホース33内の空気圧の高さに応じたレベルの電気信号を出力する。
【0021】
吹込み口カバー28には、図2に示すように、泡量ホース35の下端部が接続されている。この泡量ホース35は目標水位の設定結果が最高水位([1]参照)の場合の水面に比べて高所で吹込み口カバー28に接続されたものであり、泡量ホース35内には水受槽2内に水道水が貯留される場合に水道水の水面の高さに拘わらず水道水が進入しない。この泡量ホース35は水受槽2内の水面から上に洗剤の泡が発生した場合に洗剤の泡が吹込み口29から泡量ホース35の下端部を通して進入するものであり、泡量ホース35の上端部には、図1に示すように、泡量センサ36が接続されている。この泡量センサ36は泡量ホース35の上端部を気密状態に閉鎖するものであり、泡量ホース35内の空気圧は泡量ホース35内に進入する洗剤の泡量に応じて変動する。
【0022】
図4は泡量センサ36であり、泡量センサ36はセンサケース37およびダイアフラム38を有している。センサケース37は下面が閉鎖され且つ上面が開放された円筒状をなすものであり、ダイアフラム38はセンサケース37内に収納されている。このダイアフラム38はゴムおよび合成樹脂の複合材からなる水平な円板状をなすものであり、ダイアフラム38の外周面はセンサケース37の内周面に固定されている。このダイアフラム38はセンサケース37内を測定圧力室39および基準圧力室40に区画するものである。基準圧力室40はダイアフラム38に比べて上側の空間を称するものであり、大気圧に開放されている。測定圧力室39はダイアフラム38に比べて下側の空間を称するものであり、気密状態に密閉されている。この測定圧力室39は圧力室に相当する。
【0023】
センサケース37には、図4に示すように、円筒状の差込み口42が固定されており、差込み口42には泡量ホース35の上端部が接続されている。この差込み口42は測定圧力室39内に接続されたものであり、測定圧力室39内は泡量ホース35および吹込み口29を介して水受槽2内に接続されている。この測定圧力室39は泡量ホース35内に洗剤の泡が進入していない状態で基準圧力室40と同一の内圧となるものであり、ダイアフラム38は泡量ホース35内に洗剤の泡が進入していない状態で平坦で水平な自然状態となる。この測定圧力室39は泡量ホース35内に洗剤の泡が進入している状態で基準圧力室40に比べて高い内圧となるものであり、ダイアフラム38は下から上へ測定圧力室39の内圧で押されることで外周部から中央部に向けて上昇する弾性変形状態となり、泡量センサ36はダイアフラム38の自然状態を基準とする下から上への弾性変形量に応じたレベルの電気信号を泡量信号として出力する。
【0024】
図3の制御回路43はCPUとROMとRAMを有するものであり、泡量検出手段と脱水処理手段と乾燥処理手段と強制送風手段のそれぞれに相当する。この制御回路43は速度センサ4からのパルス信号に応じて洗濯モータ3の回転速度を検出するものであり、入口温度センサ31からの入口温度信号に応じて除湿ダクト21の入口の温度を検出し、出口温度センサ32からの出口温度信号に応じて除湿ダクト21の出口の温度を検出する。この制御回路43は水位センサ34からの水位信号に応じて水受槽2内の水道水の水位を検出するものであり、泡量センサ36からの泡量信号に応じて水受槽2内の洗剤の泡量を検出する。この制御回路43は運転コーススイッチ44の操作内容に応じて複数の運転コースのうちから1つを選択するものであり、スタートスイッチ45の操作内容に応じて運転コースの選択結果を開始する。これら運転コーススイッチ44およびスタートスイッチ45のそれぞれは使用者が操作することが可能にされたものであり、外箱1の前板に固定されている。
【0025】
制御回路43は給水弁モータ9および排水弁モータ15のそれぞれを電気的に回転操作するものであり、給水弁モータ9を回転操作することで給水弁8を閉鎖状態と注水状態と除湿状態相互間で切換え、排水弁モータ15を回転操作することで排水弁14を閉鎖状態および開放状態相互間で切換える。
【0026】
制御回路43はファンモータ23およびヒータ26のそれぞれをオフ状態およびオン状態相互間で電気的に操作するものであり、ファンモータ23がオフ状態からオン状態とされた場合にはファン24が回転停止状態から加速した後に一定速度で回転し、ファンモータ23がオン状態からオフ状態とされた場合にはファン24が惰性回転することで一定速度から減速した後に回転停止状態となる。ヒータ26はオン状態とされた場合に一定出力で発熱するものであり、オフ状態とされた場合に発熱停止状態となる。
【0027】
図3のモータ制御回路46はCPUとROMとRAMを有するものであり、速度センサ4からのパルス信号に応じて洗濯モータ3の回転速度を検出する。このモータ制御回路46は制御回路43から制御コマンドが送信されるものであり、洗濯モータ3を制御回路43からの制御コマンドの受信結果に応じて回転操作する。
【0028】
図5の標準コース処理は制御回路43が運転コーススイッチ44の操作内容に応じて複数の運転コースのうちから標準コースを選択した場合に設定するものであり、制御回路43は標準コースの選択状態でスタートスイッチ45が操作されたと判断した場合に標準コース処理を起動し、標準コース処理を起動した場合にはステップS1の重量測定処理とステップS2の槽温度検出処理とステップS3の洗い処理とステップS4の脱水処理とステップS5のシャワーすすぎ処理とステップS6の脱水処理とステップS7のシャワーすすぎ処理とステップS8の脱水処理とステップS9のためすすぎ処理とステップS10の脱水処理とステップS11の乾燥処理のそれぞれを順に実行した後に標準コース処理を終える。
[1]重量測定処理
制御回路43はステップS1の重量測定処理でモータ制御回路46に測定開始コマンドを送信する。このモータ制御回路46は測定開始コマンドを受信した場合に洗濯モータ3の回転操作を一定の重量測定パターンで開始するものであり、制御回路43は測定開始コマンドを送信したことを基準に一定時間が経過した場合に速度センサ4からの速度信号に応じて洗濯モータ3の回転速度を検出する。この制御回路43は洗濯モータ3の回転速度を検出した場合にモータ制御回路46に測定停止コマンドを送信するものであり、モータ制御回路46は測定停止コマンドを受信した場合に洗濯モータ3の回転操作を停止する。
【0029】
制御回路43は測定停止コマンドを送信した場合に回転速度の検出結果に応じてドラム5内の衣類の重量を演算する。この衣類の重量は回転速度の検出結果が遅くなることに応じて重く演算されるものであり、制御回路43は衣類の重量を演算した場合には衣類の重量の演算結果に応じて目標水位と洗い時間と脱水時間とすすぎ時間のそれぞれを設定する。洗い時間と脱水時間とすすぎ時間のそれぞれは重量の演算結果が重くなることに応じて長く設定されるものである。目標水位は最低水位および最高水位を含む3以上のいずれか1つに設定されるものであり、重量の演算結果が重くなることに応じて高く設定される。
[2]槽温度検出処理
図6はステップS2の槽温度検出処理であり、制御回路43はステップS21で入口温度センサ31からの入口温度信号を検出し、ステップS22で入口温度信号の検出結果を閾値と比較する。この閾値はROMに予め記録されたものであり、制御回路43はステップS22で入口温度信号の検出結果が閾値に比べて小さいと判断した場合には槽温度検出処理を終え、ステップS22で入口温度信号の検出結果が閾値以上であると判断した場合にはステップS23でフラグをオン状態に設定する。このフラグは標準コース処理が起動された場合にオフ状態にリセットされるものであり、制御回路43はステップS23でフラグをオン状態に設定した場合には槽温度検出処理を終える。
[3]洗い処理
制御回路43はステップS3の洗い処理で給水弁8を排水弁14の閉鎖状態で注水状態とすることで水受槽2内に目標水位の設定結果の水道水を貯留する。この制御回路43は水受槽2内に目標水位の設定結果の水道水を貯留した場合にモータ制御回路46に洗い開始コマンドを送信し、洗い開始コマンドを送信したことを基準に洗い時間の設定結果が経過した場合にモータ制御回路46に洗い停止コマンドを送信する。このモータ制御回路46は洗い開始コマンドを受信した場合に洗濯モータ3の回転操作を洗いパターンで開始し、洗い停止コマンドを受信した場合に洗濯モータ3を回転停止状態とする。この洗いパターンは洗濯モータ3を正方向および逆方向へ回転操作することでドラム5内の衣類をバッフル7で撹拌するものであり、洗い処理ではドラム5内の衣類がバッフル7で撹拌されながら洗剤分を含有する水道水で洗われる。
[4]脱水処理
図7はステップS4とS6とS8とS10のそれぞれの脱水処理であり、制御回路43はステップS31で排水弁14を給水弁8の閉鎖状態で開放状態とすることで水受槽2内から水道水を排出する。この制御回路43はステップS31で水受槽2内から水道水を排出した場合にステップS32でモータ制御回路46に脱水開始コマンドを送信し、モータ制御回路46は脱水開始コマンドを受信した場合に洗濯モータ3の回転操作を脱水パターンで開始する。
【0030】
図8は脱水パターンである。この脱水パターンは洗濯モータ3を一定方向へ継続的に回転操作するものであり、加速期間と定速期間と減速期間を有している。加速期間は洗濯モータ3の回転速度Rを(0)から一定の時間的な割合で直線的に上げる期間であり、定速期間は洗濯モータ3の回転速度を一定の定常速度Rcに収束させる期間であり、減速期間は洗濯モータ3の回転速度Rを定常速度Rcから(0)に一定の時間的な割合で直線的に下げる期間である。この定常速度Rcはドラム5内の衣類がドラム5の内周面に張付いたまま円周方向へ移動する速度に設定されたものであり、ドラム5内の衣類はドラム5の内周面に張付いたまま円周方向へ移動することで水分が遠心力で放出される。
【0031】
脱水処理は水受槽2内に水道水が貯留されていない状態でドラム5を回転操作するものであり、ドラム5内の空気が複数のバッフル7のそれぞれで撹拌されることに応じて水受槽2内で空気の流れが発生する。図1の矢印は脱水処理での水受槽2内の空気の流れであり、空気はドラム5の内部から周板の貫通孔6を通してドラム5の外部へ排出される。このドラム5の外部へ排出された空気は水受槽2の周板に沿って前から後へ流れることで水受槽2の後板に到達するものであり、水受槽2の後板に到達した空気は水受槽2の後板に沿って外周部から中央部へ流れた後にドラム5の後板の貫通孔6を通してドラム5の内部に進入する。
【0032】
脱水処理で水受槽2内に空気の流れが発生した場合には泡量センサ36の測定圧力室39内の空気が泡量ホース35および吹込み口29のそれぞれを通して水受槽2側へ吸引される。この測定圧力室39内の空気が水受槽2側へ吸引された場合には測定圧力室39の内圧が基準圧力室40の内圧に比べて低くなり、泡量ホース35内に洗剤の泡が進入した場合と反対方向の押圧力F(図4参照)が泡量センサ36のダイアフラム38に作用する。このダイアフラム38に押圧力Fが作用した場合には水受槽2内で洗剤の泡が発生した場合と反対方向へダイアフラム38が弾性変形し、測定圧力室39の壁面に接触することがある(図4の二点鎖線参照)。
【0033】
ファンモータ23およびヒータ26のそれぞれのオン状態ではファン24からヒータダクト25および左中継ダクト27を通して吹込み口カバー28内に乾燥風が注入される。この吹込み口カバー28内に乾燥風が注入された場合には乾燥風の一部が泡量ホース35内から泡量センサ36の測定圧力室39内に進入し、ダイアフラム38が乾燥風で加熱される。このダイアフラム38はゴムおよび合成樹脂の複合材からなるゴム弾性を有するものであり、乾燥風で加熱されることで軟化状態となる。このダイアフラム38の軟化状態はダイアフラム38が降温することで自然に解消されるが、ダイアフラム38の軟化状態ではダイアフラム38の弾性復元力が低下する。
【0034】
ダイアフラム38の軟化状態でダイアフラム38に押圧力Fが作用した場合にはダイアフラム38が弾性変形することで測定圧力室39の壁面に接触する。このダイアフラム38の軟化状態ではダイアフラム38の弾性復元力が低下しており、ダイアフラム38が測定圧力室39の壁面に接触した場合には押圧力Fの消滅後にも湿気等で測定圧力室39の壁面に貼り付いたまま自然状態に復帰しないことがある。図6のステップS22はダイアフラム38の温度を入口温度センサ31からの入口温度信号として間接的に判断するものであり、ステップS22の閾値はダイアフラム38に押圧力Fが作用した場合にダイアフラム38が測定圧力室39の壁面に貼り付いたままの状態となる軟化状態にあるか否かを判定するためのものである。
【0035】
制御回路43はステップS32でモータ制御回路46に脱水開始コマンドを送信すると、ステップS33でフラグがオン状態に設定されているか否かを判断する。ここでフラグがオフ状態に設定されていると判断した場合にはステップS35へ移行し、フラグがオン状態に設定されていると判断した場合にはステップS34でファンモータ23をヒータ26のオフ状態からオン状態に切換えた後にステップS35へ移行する。
【0036】
ファンモータ23はオフ状態からオン状態とされることで回転停止状態から加速した後に定速回転するものであり(図8参照)、泡量センサ36のダイアフラム38に押圧力Fが作用した場合にダイアフラム38が測定圧力室39の壁面に貼り付いたままの状態となる軟化状態にあると判定されたフラグのオン状態ではドラム5の定速期間内にファン24が一定速度の回転状態とされることでファン24から吹込み口カバー28内に常温度の風が注入される。このファン24から吹込み口カバー28内に風が注入された場合には泡量センサ36の測定圧力室39内から水受槽2側へ空気が吸引されずに泡量センサ36のダイアフラム38に押圧力Fが作用しないので、ダイアフラム38が測定圧力室39の壁面に貼り付いたままの状態となることが防止される。
【0037】
制御回路43はステップS35へ移行すると、脱水開始コマンドを送信したことを基準に脱水時間の設定結果が経過したか否かを判断する。ここで脱水時間の設定結果が経過したと判断した場合にはステップS36でモータ制御回路46に脱水停止コマンドを送信し、ステップS37へ移行する。このモータ制御回路46は脱水停止コマンドを受信した場合に洗濯モータ3の回転速度を定常速度Rcから(0)に向けて減速することで洗濯モータ3を回転停止状態とする。即ち、脱水パターンの減速期間はモータ制御回路46が脱水停止コマンドを受信することで開始されるものであり、一定時間ΔTで終了する。
【0038】
制御回路43はステップS37へ移行すると、フラグがオン状態に設定されているか否かを判断する。ここでフラグがオフ状態に設定されていると判断した場合にはすすぎ前脱水処理を終え、フラグがオン状態に設定されていると判断した場合にはステップS38で脱水停止コマンドを送信したことを基準に一定時間ΔTが経過したか否かを判断する。ここで一定時間ΔTが経過したと判断した場合にはステップS39でファンモータ23をオン状態からオフ状態に切換え、脱水処理を終える。即ち、ファンモータ23は、図8に示すように、洗濯モータ3が回転停止状態とされると同時にオフ状態とされるものであり、オフ状態とされた場合には惰性回転することでドラム5が回転停止状態となった後に回転停止状態となる。
[5]シャワーすすぎ処理
制御回路43はステップS5およびS7のそれぞれのシャワーすすぎ処理で給水弁8を排水弁14の開放状態で注水状態とし、モータ制御回路46にシャワーすすぎ開始コマンドを送信する。このモータ制御回路46はシャワーすすぎ開始コマンドを受信した場合に洗濯モータ3の回転操作をシャワーすすぎパターンで開始する。このシャワーすすぎパターンは洗濯モータ3を低速で回転操作することでドラム5内の衣類をバッフル7で撹拌しながらドラム5内の衣類に撹拌状態で水道水が浴びせられることでドラム5内の衣類に含水させ、その後注水を停止してから所定時間脱水処理を行うことで衣類から洗剤分が排出される。この脱水処理の時にも図8のパターンで制御され、ファンモータ23が回転駆動される。
【0039】
制御回路43はシャワーすすぎ開始コマンドを送信したことを基準にすすぎ時間の設定結果が経過した場合にモータ制御回路46にシャワーすすぎ停止コマンドを送信し、モータ制御回路46にシャワーすすぎ停止コマンドを送信した場合にシャワーすすぎ処理を終える。このモータ制御回路46はシャワーすすぎ停止コマンドを受信した場合に洗濯モータ3を回転停止状態とする。
[6]ためすすぎ処理
制御回路43はステップS9のためすすぎ処理で給水弁8を排水弁14の閉鎖状態で注水状態とすることで水受槽2内に目標水位の設定結果に基づく量の水道水を貯留し、水道水を貯留した場合にはモータ制御回路46にためすすぎ開始コマンドを送信し、ためすすぎ開始コマンドを送信したことを基準にすすぎ時間の設定結果が経過した場合にはモータ制御回路46にためすすぎ停止コマンドを送信する。このモータ制御回路46はためすすぎ開始コマンドを受信した場合に洗濯モータ3の回転操作をためすすぎパターンで開始するものであり、ためすすぎ停止コマンドを受信した場合には洗濯モータ3を回転停止状態とする。このためすすぎパターンは洗濯モータ3を正方向および逆方向へ交互に回転操作することでドラム5内の衣類をバッフル7で撹拌するものであり、このためすすぎ処理では衣類が水道中で撹拌されることで衣類から洗剤分が排出される。
【0040】
制御回路43はステップS5のシャワーすすぎ処理とステップS7のシャワーすすぎ処理とステップS9のためすすぎ処理のそれぞれで泡量検出処理を行う。この泡量検出処理2は泡量センサ36からの泡量信号を一定時間毎に検出し、泡量信号を検出する毎に泡量信号の検出結果を閾値と比較するものであり、泡量信号の検出結果が閾値に比べて大きいと判断した場合には水受槽2内に多量の洗剤の泡が発生していると判定する。
【0041】
制御回路43はステップS5のシャワーすすぎ処理およびステップS7のシャワーすすぎ処理のそれぞれで水受槽2内に多量の洗剤の泡が発生していると判定すると、給水弁8の注水状態で排水弁14を開放状態とすると共にドラム5を撹拌することで水受槽2内から水道水と共に泡を排出し、所定時間水受槽2内から水道水と泡の排出を実行し終了した場合にはシャワーすすぎ処理を最初から再開する。
【0042】
制御回路43はステップS9のためすすぎ処理で水受槽2内に多量の洗剤の泡が発生していると判定すると、給水弁8の閉鎖状態で排水弁14を開放状態とすることで水受槽2内から水道水を排出し、水受槽2内から水道水を排出した場合には排水弁14の閉鎖状態で給水弁8を注水状態とすることで水受槽2内に水道水を再び貯留する。この水受槽2内に水道水を再び貯留した場合には給水弁8の閉鎖状態で排水弁14を開放状態とすることで水受槽2内から水道水を再び排出し、水受槽2内から水道水を再び排出した場合にはためすすぎ処理を最初から再開する。即ち、ステップS5のシャワーすすぎ処理とステップS7のシャワーすすぎ処理とステップS9のためすすぎ処理のそれぞれで水受槽2内に多量の洗剤の泡が発生した場合には洗剤の泡に水道水を浴びせることで洗剤の泡を消す泡消し処理が行われる。
[7]乾燥処理
制御回路43はステップS11の乾燥処理で給水弁8を除湿状態とすることで除湿ダクト21内に水道水を注入し、ファンモータ23およびヒータ26のそれぞれをオン状態とすることで水受槽2内に乾燥風を送る。このヒータ26は入口温度センサ31からの入口温度信号が一定の乾燥温度となるようにオンオフ制御されるものであり、制御回路43はファンモータ23およびヒータ26のそれぞれをオン状態とした場合にはモータ制御回路46に乾燥開始コマンドを送信する。このモータ制御回路46は乾燥開始コマンドを受信した場合に洗濯モータ3の回転操作を乾燥パターンで開始する。この乾燥パターンは洗濯モータ3を正方向および逆方向へ回転操作するものであり、乾燥処理ではドラム5内の衣類の撹拌状態で水受槽2内に乾燥風が注入される。
【0043】
制御回路43は乾燥開始コマンドを送信すると、入口温度センサ31からの入口温度信号および出口温度センサ32からの出口温度信号のそれぞれを一定時間毎に検出する。この制御回路43は入口温度信号および出口温度信号のそれぞれを検出する毎に両者の差分を演算するものであり、差分の時間的な変化率を演算する。この制御回路43は差分の変化率の演算結果を閾値と比較するものであり、両者の比較結果に応じてドラム5内の衣類が乾燥したか否かを判断する。
【0044】
制御回路43はドラム5内の衣類が乾燥したと判断した場合にファンモータ23およびヒータ26のそれぞれをオフ状態とし、ファンモータ23およびヒータ26のそれぞれをオフ状態とした場合に乾燥停止コマンドをモータ制御回路46に送信し、モータ制御回路46に乾燥停止コマンドを送信した場合に乾燥処理を終える。このモータ制御回路46は乾燥停止コマンドを受信した場合に洗濯モータ3を回転停止状態とする。
【0045】
上記実施例1によれば次の効果を奏する。
図5のステップS4とS6とS8とS10のそれぞれの脱水処理でドラム5が回転状態とされている場合にファン24を回転状態とすることでファン24から吹込み口カバー28内に風を送り、ファン24から吹込み口カバー28内に風を送ることで泡量センサ36のダイアフラム38に押圧力Fが作用することを防止した。従って、図5のステップS4とS6とS8とS10のそれぞれの脱水処理がステップS11の乾燥処理を終えた直後のダイアフラム38の軟化状態で開始された場合にダイアフラム38が押圧力Fで測定圧力室39の壁面に貼り付いたままの状態となることが未然に防止されるので、ステップS5のシャワーすすぎ処理とステップS7のシャワーすすぎ処理とステップS9のためすすぎ処理のそれぞれで泡量センサ36から水受槽2内の洗剤の泡量に整合した正確な泡量信号が出力される。
【0046】
入口温度センサ31からの入口温度信号が閾値以上である場合に図5のステップS4とS6とS8とS10のそれぞれの脱水処理でファン24を回転状態とし、入口温度センサ31からの入口温度信号が閾値以上でない場合には図5のステップS4とS6とS8とS10のそれぞれの脱水処理でファン24を回転状態としないようにしたので、泡量センサ36のダイアフラム38が軟化状態にない場合にファンモータ23が不必要にオン状態とされることがなくなるため、電力消費を極力抑えることができると同時にファンモータ23の回転に伴う騒音の低減にも有効である。
【実施例2】
【0047】
制御回路43は図5のステップS4とS6とS8とS10のそれぞれの脱水処理でモータ制御回路46に脱水停止コマンドを送信すると、フラグがオン状態に設定されているか否かを判断する。ここでフラグがオフ状態に設定されていると判断した場合には脱水処理を終え、フラグがオン状態に設定されていると判断した場合にはファンモータ23をヒータ26のオフ状態でオン状態とする。図9はステップS4とS6とS8とS10のそれぞれの脱水処理での洗濯モータ3およびファンモータ23の運転内容であり、制御回路43はファンモータ23をオン状態としたことを基準に一定時間ΔTが経過した場合にファンモータ23をオフ状態とする。即ち、ファンモータ23はドラム5が減速開始されたときに運転開始されるものであり、ドラム5の減速期間内に定速運転される。
【0048】
上記実施例2によれば次の効果を奏する。
図5のステップS4とS6とS8とS10のそれぞれの脱水処理が泡量センサ36のダイアフラム38の軟化状態で開始された場合にはドラム5の定速期間内にダイアフラム38に押圧力Fが作用することでダイアフラム38が測定圧力室39の壁面に貼り付く可能性がある。このときダイアフラム38が測定圧力室39の壁面に貼り付いた場合にはドラム5の減速期間内にファン24から吹込み口カバー28内に風が注入され、その風の一部が泡量センサ36の測定圧力室39内に進入する。この風によりダイアフラム38が測定圧力室39の壁面に貼り付いた状態から風で自然状態に向けて押し戻され、測定圧力室39の壁面から剥がされる。このダイアフラム38が測定圧力室39の壁面から剥がされた場合には弾性復元力で自然状態に復帰するので、ステップS5のシャワーすすぎ処理とステップS7のシャワーすすぎ処理とステップS9のためすすぎ処理のそれぞれで泡量センサ36から水受槽2内の洗剤の泡量に整合した正確な泡量信号を出力できるようになる。しかも、ステップS4とS6とS8とS10のそれぞれの脱水処理でファン24をドラム5の定常速度での回転状態で継続的に運転する必要がなくなり、ファン24を短時間だけ回転状態とすることでダイアフラム38の貼付きが解消される。従って、使用者にとってファン24が回転することに応じて生じる音が気にならなくなる上に使用電力量が低減される。
【実施例3】
【0049】
制御回路43は図5のステップS4とS6とS8とS10のそれぞれの脱水処理でモータ制御回路46に脱水停止コマンドを送信すると、フラグがオン状態に設定されているか否かを判断する。ここでフラグがオフ状態に設定されていると判断した場合には脱水処理を終え、フラグがオン状態に設定されていると判断した場合には脱水停止コマンドを送信したことを基準に一定時間ΔT´(<ΔT)が経過したか否かを判断する。
【0050】
制御回路43は一定時間ΔT´が経過したと判断すると、ファンモータ23をヒータ26のオフ状態でオンすることでファン24から吹込み口カバー28内に常温度の風を注入する。図10はステップS4とS6とS8とS10のそれぞれの脱水処理での洗濯モータ3およびファンモータ23の運転内容であり、制御回路43は脱水停止コマンドを送信したことを基準に一定時間ΔTが経過した場合にファンモータ23をオフ状態とする。この時間(ΔT−ΔT´)はファンモータ23が最高速度に到達するまでに要する時間に設定されたものであり、ファンモータ23はドラム5の減速期間内に最高速度に到達したときにオフ状態とされることで惰性回転した後に回転停止状態となる。この最高速度は泡量センサ36のダイアフラム38を測定圧力室39の壁面から剥がすことが可能な風をファン24から測定圧力室39内に注入するための速度であり、設定速度に相当する。
【0051】
上記実施例3によれば次の効果を奏する。
図5のステップS4とS6とS8とS10のそれぞれの脱水処理が泡量センサ36のダイアフラム38の軟化状態で開始された場合にはドラム5の定速期間内にダイアフラム38が測定圧力室39の壁面に貼り付く可能性があるものの、ドラム5の減速期間内にファン24から吹込み口カバー28を通して泡量センサ36の測定圧力室39内に風が進入することでダイアフラム38が測定圧力室39の壁面から剥がされ、自然状態に復帰するので、ステップS5のシャワーすすぎ処理とステップS7のシャワーすすぎ処理とステップS9のためすすぎ処理のそれぞれで泡量センサ36から水受槽2内の洗剤の泡量に整合した正確な泡量信号を出力できるようになる。しかも、ステップS4とS6とS8とS10のそれぞれの脱水処理でファン24が短時間だけ回転状態とされるので、使用者にとってファン24が回転することに応じて生じる音が気にならなくなる上に使用電力量が一層低減されるのみならず、極力強い風を泡量センサ36に送り込めるためダイアフラム38の剥がし作用を確実に得ることができるようになる。
【0052】
上記実施例3においては、ファンモータ23が最高速度に比べて低い設定速度に到達したときにファンモータ23をオフ状態としても良い。要は泡量センサ36のダイアフラム38を測定圧力室39の壁面から剥がすことが可能な風をファン24から測定圧力室39内に注入可能な設定速度にファンモータ23が到達したときにファンモータ23をオフ状態とすれば良い。
【0053】
上記実施例2〜3のそれぞれにおいては、図5のステップS4とS6とS8とS10のそれぞれの脱水処理でドラム5が定常速度Rcから減速開始された後にファン24の回転操作を開始することでファン24をドラム5の減速期間内に回転状態としても良い。
【0054】
上記実施例1〜3のそれぞれにおいては、図5のステップS4とS6とS8とS10のそれぞれの脱水処理でドラム5が回転停止状態とされる前のドラム5の減速期間内にファン24を回転停止状態としても良い。
【0055】
上記実施例1〜3のそれぞれにおいては、図5のステップS4とS6とS8とS10のそれぞれの脱水処理でドラム5が回転停止状態とされるときにファン24を回転停止状態としても良い。
【実施例4】
【0056】
制御回路43は図5のステップS4とS6とS8とS10のそれぞれの脱水処理でモータ制御回路46に脱水停止コマンドを送信すると、一定時間ΔTが経過したか否かを判断する。ここで一定時間ΔTが経過したと判断した場合にはフラグがオン状態に設定されているか否かを判断する。ここでフラグがオフ状態に設定されていると判断した場合には脱水処理を終え、フラグがオン状態に設定されていると判断した場合にはファンモータ23をヒータ26のオフ状態でオンとすることで泡量センサ36の測定圧力室39内に常温度の風を注入する。
【0057】
図11はステップS4とS6とS8とS10のそれぞれの脱水処理での洗濯モータ3およびファンモータ23の運転内容であり、制御回路43はファンモータ23をオン状態としたことを基準に一定時間ΔTが経過した場合にファンモータ23をオフ状態とする。即ち、ファン24はドラム5が回転停止状態とされたときに回転操作が開始されるものである。このファン24はドラム5の回転停止状態で一定の最高速度で回転した後に惰性回転するものであり、図5のステップS5のシャワーすすぎ処理とステップS7のシャワーすすぎ処理とステップS9のためすすぎ処理のそれぞれはファン24の惰性回転が停止した後に開始される。
【0058】
上記実施例4によれば次の効果を奏する。
図5のステップS4とS6とS8とS10のそれぞれの脱水処理が泡量センサ36のダイアフラム38の軟化状態で開始された場合にはドラム5の定速期間内にダイアフラム38が測定圧力室39の壁面に貼り付く可能性があるものの、ドラム5が回転停止状態とされた場合にファン24から吹込み口カバー28を通して泡量センサ36の測定圧力室39内に風が進入することでダイアフラム38が測定圧力室39の壁面から剥がされ、自然状態に復帰するので、ステップS5のシャワーすすぎ処理とステップS7のシャワーすすぎ処理とステップS9のためすすぎ処理のそれぞれで泡量センサ36から水受槽2内の洗剤の泡量に整合した正確な泡量信号を出力できるようになる。しかも、ステップS4とS6とS8とS10のそれぞれの脱水処理でファン24が短時間だけ回転状態とされるので、使用者にとってファン24が回転することに応じて生じる音が気にならなくなる上に使用電力量が低減される。
【0059】
上記実施例4においては、図5のステップS4とS6とS8とS10のそれぞれの脱水処理でドラム5が回転停止状態とされた後にファン24を回転状態としても良い。
上記実施例1〜4のそれぞれにおいては、図6の槽温度検出処理で入口温度センサ31からの入口温度信号に換えて出口温度センサ32からの出口温度信号を検出し、出口温度信号の検出結果を閾値と比較しても良い。
【0060】
上記実施例1〜4のそれぞれにおいては、図5のステップS2の槽温度検出処理を廃止しても良い。この場合にはステップS4とS6とS8とS10のそれぞれの脱水処理でフラグがオン状態に設定されているか否かを判断することなくファンモータ23をオン状態とすると良い。
【0061】
上記実施例1〜4のそれぞれにおいては、循環通路内を循環する風をヒートポンプで加熱することで乾燥風を生成しても良い。このヒートポンプはコンプレッサとコンデンサとエバポレータを有するものであり、コンデンサは加熱原に相当する。
【0062】
上記実施例1〜4のそれぞれにおいては、ファンモータ23として速度制御可能なDCブラシレスモータを用いても良い。
上記実施例1〜4のそれぞれにおいては、図5のステップS10の最終の脱水処理で泡量センサ36のダイアフラム38が圧力室39の壁面に貼付くことを未然に防止する処理または泡量センサ36のダイアフラム38を圧力室39の壁面から剥がす処理を行わなくても良い。要するに泡量センサ36のダイアフラム38が圧力室39の壁面に貼付くことを未然に防止する処理および泡量センサ36のダイアフラム38を圧力室39の壁面から剥がす処理は泡量センサ36からの泡量信号に応じて洗剤の泡量を検出する処理が行われる場合に当該処理の前に行うだけでも良い。
【0063】
上記実施例1〜4のそれぞれにおいては、本発明を縦型の洗濯乾燥機に適用しても良い。この縦形の洗濯乾燥機は回転槽の静止状態でパルセータを回転操作することで回転槽内の衣類を水流で洗う洗い処理および回転槽内の衣類から洗剤分を排出するすすぎ処理のそれぞれを行い、回転槽をパルセータと共に回転操作することで回転槽内の衣類から水分を遠心力で排出する脱水処理を行うものであり、脱水処理では回転槽およびパルセータのそれぞれが回転操作されることで水受槽内に空気の流れが発生する。この脱水処理では水受槽内に空気の流れが発生することで泡量センサの圧力室内から水受槽側へ空気が吸引されるので、泡量センサのダイアフラムが軟化状態にある場合には弾性変形することで圧力室の壁面に貼り付く虞がある。従って、実施例1の態様でファンを回転状態とすることでダイアフラムが圧力室の壁面に貼り付くことを未然に防止または実施例2〜4のいずれかの態様でファンを回転状態とすることでダイアフラムを圧力室の壁面から剥がすことが好ましい。
【0064】
本発明のいくつかの実施例を説明したが、これらの実施例は例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施例はその他の様々な例で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の省略、置換、変更を行うことができる。これら実施例やその変更は発明の範囲や要旨に含まれると共に特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0065】
2は水受槽、5はドラム(回転槽)、24はファン(送風機)、26はヒータ(加熱源)、31は入口温度センサ(温度センサ)、36は泡量センサ、38はダイアフラム、39は測定圧力室(圧力室)、43は制御回路(泡量検出手段,脱水処理手段,乾燥処理手段,強制送風手段)である。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11