(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0023】
[第1実施形態]
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
図1は、第1実施形態の交通情報処理システム100を示した概念図である。交通情報処理システム100は、道路を走行する複数の車両2−1,2−2,2−3…に搭載され一意に識別可能なID(Identifier)が付与された車載器1−1,1−2,1−3…と、センターサーバ装置3と、GPS(Global Positioning System)衛星90と、携帯電話の基地局装置80とを備えている。
この交通情報処理システム100において、車両2−1,2−2,2−3…が走行する道路はセグメントと呼ばれる複数の区間に予め分割され、一意に識別可能なIDが、例えば、セグメント1,2,3…のように各セグメントに付与されている。
なお、以下の説明では、車両、車載器のいずれか1つを代表して示す場合、それぞれ車両2、車載器1と記載する。各車載器1−1,1−2,1−3…は、以下で説明する車載器1の内部構成と同じ内部構成を有する。また、
図1において符号70,71,72として示すセグメントの連結点を、進入通知ポイントという。
【0024】
図2は、車載器1の内部構成を示すブロック図である。車載器1は、車両2に搭載され、様々な情報の検出を行う検出装置である。この車載器1は、電源回路10と、内蔵電池11と、広域通信機12と、位置検出部13と、マップマッチング処理部14と、道路地図データ記憶部15と、セグメント変化判定部16と、表示部17と、報知部18と、記憶部19と、制御部20とを備えている。また、位置検出部13は、GPS受信機13−1と、GPS補完センサ部13−2と、推測航法処理部13−3とを備えている。
車載器1において、電源回路10は、電源を安定化するレギュレータ、ノイズプロテクタを有しており、車両2から12Vまたは24Vの電源供給を受けて車載器1の各部に供給する。
内蔵電池11は、バックアップバッテリであり、車両2の電源が消失、または瞬断した際に、車載器1の内部に記憶されているデータを保護するため各部に電源を供給する。
広域通信機12は、例えば、携帯電話端末であり、携帯電話通信の通信網を経由して基地局装置80と通信し、センターサーバ装置3との間でデータの送受信を行う。
【0025】
位置検出部13は、GPS受信機13−1と、GPS補完センサ部13−2と、推測航法処理部13−3とにより、車載器1の位置を検出する。
GPS受信機13−1は、GPS衛星90から電波を受信して時刻の情報を読み出すとともに、受信したデータから緯度と経度の情報を測定する。
GPS補完センサ部13−2は、ジャイロセンサと加速度センサを有しており、ジャイロセンサと加速度センサの情報から車載器1の位置を推定する演算を行う。なお、GPS補完センサ部13−2は、例えば、GPS衛星90からの電波の受信感度が好ましくない場合などに用いられる構成部であってもよい。
推測航法処理部13−3は、GPS受信機13−1が受信した電波に含まれる情報の精度に応じて、GPS受信機13−1が測定した緯度と経度の情報と、GPS補完センサ部13−2が推定した車載器1の位置の情報とに基づいて車載器1の位置を補完する演算を行う。
【0026】
マップマッチング処理部14は、道路地図データ記憶部15に記憶されているセグメントの位置の情報と、位置検出部13が検出した車載器1の位置の情報とをマッチングさせて、車載器1がどのセグメントに存在するかを検出する。つまり、マップマッチング処理部14は、道路を分割した区間である複数のセグメントから位置検出部13が検出した位置に対応するセグメントを検出するセグメント検出部として機能する構成部の一例である。
【0027】
セグメント変化判定部16は、マップマッチング処理部14の検出処理の結果に基づいて、車載器1が進入通知ポイント70〜72を通過して新たなセグメントに進入したか否か等を判定する。また、セグメント変化判定部16は、例えば、車載器1が進入通知ポイント70〜72のいずれかを通過したと判定した場合等に、新たに進入したセグメントのIDと、時刻に関する情報と、車載器IDとをそれぞれ対応づけた情報を、広域通信機12を通じてセンターサーバ装置3に送信する。言い換えると、自車載器1が存在するセグメントが変化したことをセグメント変化判定部16が判定した場合、広域通信機12は、自車載器1が存在するセグメント(言い換えると、変化後のセグメント、新たに進入されたセグメント)を示す情報と自車載器1が当該セグメントに存在し始めた時刻を示す情報とを対応付けた情報を、センターサーバ装置3に送信する送信部として機能する構成部の一例である。
【0028】
表示部17は、車載器1の状態や地図上における位置、センターサーバ装置3から受信する道路の混雑度を示す情報などを表示する。
報知部18は、スピーカを内蔵しており、ブザー音やメロディ音で車両2の運転者に情報を通知する。
記憶部19は、車載器1で用いられるプログラムやデータを記憶する。この記憶部19は、例えば、
図3に示すように、GPS衛星90からの電波に含まれている時刻の情報に対応付けて、位置検出部13が検出した緯度と経度の情報と、マップマッチング処理部14のマッチングの結果として得られるセグメントIDとを記憶するテーブルを有している。なお、当該テーブルにおいて、セグメントIDに記録がないもの(「−」となっている項目)は、マップマッチング処理部14において該当するセグメントが検出されなかったことを示す。
【0029】
制御部20は、車載器1の各部のデータの送受信など総合的な管理を行う。この制御部20は、車載器1が、例えば、カーナビゲーションシステムを兼ねている場合、カーナビゲーションシステムが有する目的地までの経路誘導の処理や、センターサーバ装置3から受信した混雑度を示す情報に基づいて目的地までの最適な経路を選択する処理なども行う。
【0030】
道路地図データ記憶部15は、道路の地図データを上述したセグメントの形式で記憶しており、例えば、各セグメントの起点と終点の緯度と経度の情報と、各セグメントの連結関係を示す情報とが含まれている。なお、本実施の形態において、全ての道路がセグメントに分割されて示されているわけではなく、混雑の度合いを検出したい道路についてセグメント形式で記憶されているものとする。
道路をセグメントに分割する手法としては、例えば、
図4に示すように、道路における混雑度を精度よく推定するためのいくつかの手法がある。
一般的な手法は、
図4(a)に示すように分岐点から分岐点までを1つのセグメントとして分割する手法である。
これに対して、
図4(b)の分割の手法は、分岐点における分割に加えて、長い直線を一定距離ごとに複数のセグメントに分割する手法である。これにより、一直線の道路でもどのあたりで混雑しているかを検出することが可能となる。
【0031】
図4(c)と(d)は、曲線の道路に対するセグメントの分割手法である。
図4(c)のように2本の直線で近似して分割する手法を適用してもよいし、
図4(d)のように複数の短い直線で近似する手法を適用してもよい。
図4(d)の場合、曲線部分の複数の短い直線をそれぞれセグメントとしてもよいし、複数の短い直線が節で連結されているものとし、連結されたものを1つのセグメントとしてもよい。この場合、各節の緯度と経度の情報も対応づけて記憶されることになる。
図4(d)のようにすることで、位置検出部13によって検出された位置とセグメントの位置との誤差が小さくなり、マップマッチング処理部14におけるマッチングの精度を高めることが可能となる。また、
図4(c)のように分割するのに比べて、
図4(d)のように分割する方が、直線道路と合流する地点の混雑度を正確に検出することが可能となる。
また、道路地図データ記憶部15に記憶されるデータは、制御部20が、広域通信機12を経由してセンターサーバ装置3から最新のデータをダウンロードすることにより更新される。
【0032】
図5は、センターサーバ装置3の内部構成を示すブロック図である。
このセンターサーバ装置3は、道路地図データ記憶部30と、記憶部31と、インターネット通信部32と、セグメントテーブル33と、交通情報検出部34と、移動方向判定部35と、制御部36と、交通情報提供部37とを備えている。
道路地図データ記憶部30は、上述した車載器1の道路地図データ記憶部15に記憶されているデータと同じデータを記憶する。また、道路地図データ記憶部30には、最新のデータが記憶され、上述したように車載器1が、道路地図データ記憶部30に記憶されているデータをダウンロードして道路地図データ記憶部15のデータを更新する。
記憶部31は、センターサーバ装置3の制御に用いられるプログラムやデータを記憶する。
インターネット通信部32は、インターネット網を経由して基地局装置80に接続されており、各車載器1との間でデータの送受信を行う。このインターネット通信部32は、例えば、セグメントを示す情報と時刻を示す情報と対応付けた情報を、各車載器1から受信する受信部として機能する構成部の一例である。
セグメントテーブル33は、例えば、
図6に示す形式のテーブルであって、インターネット通信部22が各車載器1−1,1−2,1−3…から受信するデータを記憶する。このセグメントテーブル33は、最初に車載器IDの項目を有しており、時刻及びSeg(セグメント)の項目を1組とした項目を複数有している。
交通情報検出部34は、セグメントテーブル33に記憶されている情報に基づいて道路の交通状態を示す情報を検出する。
移動方向判定部35は、セグメントテーブル33に記憶されている情報に基づいて車両2の移動方向を判定する。
制御部36は、センターサーバ装置3の各部のデータの送受信など総合的な管理を行う。
交通情報提供部37は、交通情報検出部34が検出した交通状態を示す情報を車載器1にインターネット通信部22を通じて送信する。
【0033】
次に、車載器1の処理動作について
図7のフローチャートを参照しつつ説明する。
(ステップST101)
例えば、
図1において、車両2−1が、セグメント1に至る道路でセグメントが割り当てられていない領域を走行している状態から、セグメント1に進入したとする。この車両2−1の車載器1−1のGPS受信機13−1は、GPS衛星90から一定の周期で電波を受信している。このGPS受信機13−1は、受信した電波に含まれる情報から緯度と経度を測定し、緯度と経度の情報と、受信した電波に含まれている時刻の情報と、受信した電波に含まれる情報の信頼度を示す情報を出力する。なお、本実施形態において、GPS受信機13−1は、車載器1−1の位置がポイントP1(緯度ψ
1,経度λ
1)であることを示す情報と、位置を検出した時刻が「9:56」であることを示す情報と、信頼度「高」を示す情報とを、それぞれ対応付けた情報を出力する。
【0034】
(ステップST102)
次いで、車載器1−1のGPS補完センサ部13−2は、ジャイロセンサから得られる車両2−1の回転の方向と、加速度センサから得られる車両2−1の速度の情報に基づいて、GPS受信機13−1が出力した時刻「9:56」において、車載器1−1が存在する位置を推測する演算を行う。本実施形態において、GPS補完センサ部13−2は、車載器1−1の位置として、ポイントP2(緯度ψ
2,経度λ
2)を示す情報を、演算結果で得たとする。
そして、推測航法処理部13−3は、GPS受信機13−1とGPS補完センサ部13−2から得られた2つの位置の情報を用いて、
図8に示す手法により、車載器1−1の位置を算出する。
具体的に説明すると、GPS補完センサ部13−2が、演算により推測した車載器1−1の位置がポイントP2(緯度ψ
2,経度λ
2)で示される位置であり、GPS受信機13−1が出力した緯度と経度の情報による位置がポイントP1(緯度ψ
1,経度λ
1)で示される位置である。この場合、推測航法処理部13−3は、GPS受信機13−1が出力する情報の信頼度を重みとして、重み平均の演算によりポイントP3(緯度ψ
3,経度λ
3)の位置を車載器1−1の位置として算出する。つまり、GPS受信機13−1が出力する情報の信頼度が高ければ高いほど、ポイントP3(緯度ψ
3,経度λ
3)の位置は、GPS受信機13−1が出力するポイントP1(緯度ψ
1,経度λ
1)の位置に近づくことになる。
この推測航法処理部13−3は、算出した位置の情報(つまり、ポイントP3(緯度ψ
3,経度λ
3)を示す情報)と、GPS受信機13−1が出力した時刻の情報「9:56」を、それぞれ対応付けて、
図3に示す記憶部19のテーブルに書き込んで記憶させるとともに、マップマッチング処理部14に出力する。なお、GPS補完センサ部13−2が、位置を推測する演算を行うときの起点となる位置は、ポイントP3(緯度ψ
3,経度λ
3)で示される位置となる。
図3に示す例では、ポイントP3は、緯度ψ
3=+35.25.33.135,経度λ
3=+139.40.20.234で示される位置である。
【0035】
(ステップST103)
次いで、マップマッチング処理部14は、推測航法処理部13−3から位置の情報であるポイントP3(緯度ψ
3,経度λ
3)と時刻の情報「9:56」を受けて、記憶部19のテーブルに記憶されている過去の車載器1−1の位置の情報と、当該位置の情報に対応付けられている時刻の情報を読み出し、時系列に並べて車両2−1の軌跡、すなわち車載器1−1の軌跡を求める。
例えば、車載器1−1の軌跡が、
図9に点線で示されるような軌跡Iであるとする。マップマッチング処理部14は、この軌跡Iに基づき、求めた軌跡Iに対応する経路の候補として、経路候補C1、C2、C3の3つの経路を道路地図データ記憶部15に記憶されているデータから抽出する。そして、マップマッチング処理部14は、求めた軌跡Iと経路候補C1、C2、C3のそれぞれの経路とによって囲まれた領域の面積(
図9の網掛けの領域)から誤差量の最も少ない経路候補を判定する。本実施形態において、マップマッチング処理部14は、軌跡Iと経路候補とによって囲まれた領域の面積(
図9の網掛けの領域)が一番小さい経路候補C2を、車載器1−1の軌跡Iに対応する経路として判定する。
【0036】
そして、マップマッチング処理部14は、軌跡Iの経路であると判定した経路C2と、最新の位置の情報をマッチングさせて、車載器1−1が存在するセグメントを検出する。このマップマッチング処理部14は、検出したセグメントのセグメントIDを、当該セグメントIDに対応する時刻の情報に基づいて、記憶部19の位置と時刻の情報に対応づけて記録するとともにセグメント変化判定部16に出力する。
本実施形態において、ポイントP3(緯度ψ
3,経度λ
3)が、セグメント1に対応するエリアに含まれる位置であるとする。この場合、マップマッチング処理部14は、車載器1−1が時刻「9:56」において、セグメント1に進入したことを判定する。そして、マップマッチング処理部14は、時刻「9:56」と対応するSeg(セグメント)の項目に、「1」を書き込む。なお、マップマッチング処理部14は、該当するセグメントIDが検出できなかった場合、前述したように記憶部19のテーブルのSegの項目に「−」を書き込む。
【0037】
(ステップST104)
次いで、セグメント変化判定部16は、マップマッチング処理部14からセグメントID「1」と時刻の情報「9:56」を受けて、記憶部19のテーブルから、1つ前の時刻のセグメントIDの情報を読み出し、セグメントIDが変化しているか否かを判定する。
ここでは、車両2−1は、セグメントが割り当てられていない領域を走行していてセグメント1に進入しているので、1つ前の時刻(
図3の「9:55」)に対応するSegの項目には、該当するセグメントIDがないことを示す「−」が記録されている。セグメント変化判定部16は、セグメントIDが記録されていない状態から新たにセグメントIDが検出された場合、および、対象時刻のセグメントIDと異なる値が1つ前の時刻に対するセグメントIDに記録されている場合、セグメントIDが変化したとして判定する。
一方、セグメント変化判定部16は、マップマッチング処理部14からセグメントのIDと、1つ前の時刻のセグメントIDが同じ場合、変化なしとして判定し、ステップST101の処理に戻る。
【0038】
(ステップST105)
そして、セグメント変化判定部16は、セグメントIDが変化したと判定した場合、マップマッチング処理部14から受けたセグメントID「1」と、当該セグメントID「1」に対応する時刻の情報「9:56」と、車載器ID「12340001」とを、広域通信機12を介してセンターサーバ装置3に送信する。
センターサーバ装置3の制御部36は、インターネット通信部32を通じて車載器1−1からデータを受信すると、受信したデータを、
図6に示すようにセグメントテーブル33に書き込んで記憶させる。ここでは、車載器1−1が車載器ID「12340001」に対応し、車載器ID「12340001」の行の時刻1の項目に「9:56」が書き込まれ、対応するSegの項目にセグメント1を示す「1」が書き込まれる。
【0039】
図1に示すように、車両2−1が移動していくにつれて、車載器1−1は、位置を測定するごとに記憶部19のテーブルにデータを書き込んでいく。そして、セグメント変化判定部16が、セグメントIDが変化したと判定した場合、車載器1−1は、センターサーバ装置3にデータを送信して、センターサーバ装置3のセグメントテーブル33にデータが書き込まれる。
このようにして、車載器1−1が、例えば、セグメント1、2、4、6の順に動いていくと、1つ前の時刻に対するセグメントIDと対象時刻のセグメントIDとが変化する。この場合、セグメント変化判定部16は、ステップST104において、セグメントが変化したものとして判定し、マップマッチング処理部14から受けたセグメントIDと、当該セグメントIDに対応する時刻の情報と、車載器ID「12340001」とを、それぞれ対応付けた情報をセンターサーバ装置3に送信する。センターサーバ装置3は、受信した情報を、セグメントテーブル33に書き込む。具体的に説明すると、センターサーバ装置3は、セグメントテーブル33において、
図6の車載器ID「12340001」の行に示されるようなデータを記録する。
【0040】
次いで、車両2−1が、セグメント6を退出する場合、マップマッチング処理部14は、ステップST103の処理において該当するセグメントIDを検出できないことになる。このため、マップマッチング処理部14は、車載器1−1の記憶部19の時刻が「10:53」の項目に対応するSegの項目に示すように、該当するセグメントIDがないものとして「−」を書き込む。
セグメント変化判定部16は、ステップST104において、セグメントIDがある状態から該当するセグメントIDがない状態に変化した場合、セグメントが変化したものとして判定し、センターサーバ装置3にデータを送信する。センターサーバ装置3は、セグメントテーブル33に、
図6の時刻5のSegの項目に示すように該当するセグメントIDがない状態(「−」)を書き込む。セグメントテーブル33のSegの項目に「−」が書き込まれている場合、車載器1−1が、その1つ前の時刻までに存在していたセグメントを退出したことを表す。
このように、本実施形態に係る車載器1−1は、セグメント変化判定部16によってセグメントIDが変化したと判定された場合、車載器1−1が存在するセグメントIDと、このセグメントIDが示すセグメントに車載器1−1が存在し始めた時刻とを対応付けて、センターサーバ装置3に送信する。これにより、
図3に示すような時刻と位置情報をすべてセンターサーバ装置3に送信する場合に比べて、送信回数を低減させることができる。
【0041】
[センターサーバ装置の動作]
次に、
図10、
図11を参照して、センターサーバ装置3の交通情報検出部34の動作について説明する。
複数の車両2−1,2−2,2−3・・・が、セグメントに分割された道路を走行すると、
図6に示すセグメントテーブル33には、複数の車載器1−1,1−2,1−3・・・によるデータが記憶されることになる。
図10は、セグメントテーブル33に記憶されているデータを視覚的に分かりやすく示した図である。例えば、
図10において、車載器ID「12340001」の車載器1−1は、9:56にセグメント1に進入し、10:04にセグメント2に進入し、10:16にセグメント4に進入し、10:36にセグメント6に進入し、10:53にセグメント6から退出したことを示している。
【0042】
図11は、本実施形態に係る交通情報処理システム100における処理フローの一例を示すフローチャートである。
(ステップST201)
このセグメントテーブル33から、所定の時刻におけるいずれか1つのセグメントに存在する車両2の台数を検出するため、交通情報検出部34は、最初に検出対象の時刻を選択する。ここで、交通情報検出部34は、例えば、時刻「10:30」を選択したとする。
(ステップST202)
次いで、交通情報検出部34は、対象となるセグメントを選択する。ここでは、セグメント4を選択したとする。なお、時刻の選択やセグメントの選択は、センターサーバ装置3の運用者が、任意に選択して設定するようにしてもよいし、予め定められた時刻、例えば、0時から開始して30分ごとの時刻を選択してもよい。また、セグメントについては、セグメント1から順に全てのセグメントを1つずつ選択するようにしてもよい。
(ステップST203)
交通情報検出部34は、選択した時刻「10:30」に対応付けられたセグメントIDを、セグメントテーブル33から、車載器1ごとに読み出す。なお、交通情報検出部34は、選択した時刻「10:30」の前後5分以内の時間内「10:25〜10:35」の時刻と対応付けられたセグメントIDを、セグメントテーブル33から、車載器1ごとに読み出すものであってもよい。また、交通情報検出部34は、選択したセグメントID「4」に対応付けられた選択した時刻「10:30」の前後5分以内の時間内「10:25〜10:35」の時刻を、セグメントテーブル33から、車載器1ごとに読み出すものであってもよい。
【0043】
(ステップST204)
そして、交通情報検出部34は、読み出した情報に基づき、選択した時刻「10:30」(あるいは、その前後5分以内)において、各車載器1が、選択したセグメント4に存在しているか否かを、車載器1ごとに判定する。
セグメントテーブル33に示す通り、車載器ID「12340001」の車載器1−1については、時刻「10:30」にセグメント4に存在している。このため、交通情報検出部34は、車載器ID「12340001」の車載器1−1が、選択した時刻「10:30」に、選択したセグメント4に存在していたと判定する。
【0044】
(ステップST205)
交通情報検出部34は、対象の車載器1−1が、時刻「10:30」にセグメント4に存在していると判定した場合、対象の車載器1−1の車載器ID「12340001」と選択中のセグメントID「4」を、移動方向判定部35に出力する。
そして、移動方向判定部35は、交通情報検出部34が出力した車載器ID「12340001」に対応するデータを、セグメントテーブル33から読み出す。この移動方向判定部35は、読み出したデータの中から、交通情報検出部34が出力したセグメントID「4」に相当する項目を検出し、検出した項目の1つ前の時刻のセグメントIDを読み出す。
図6に示す例では、移動方向判定部35が、検出したセグメントID「4」の項目の1つ前の時刻「10:04」のセグメントID=2を読み出す。
次に、移動方向判定部35は、道路地図データ記憶部30に記憶されているセグメントの連結関係を示すデータに基づいて、車両2−1の移動方向を判定する。ここで、移動方向判定部35は、セグメントIDが、2から4の順に変わっている経路を、道路地図データ記憶部30から検出し、この検出した経路が上り車線であることを判定する。そして、交通情報検出部34に、車載器ID「12340001」とともに判定結果「上り車線であること」を出力する。
【0045】
(ステップST206)
一方、交通情報検出部34は、対象の車載器1−1が、時刻「10:30」にセグメント4に存在していないと判定した場合、ステップST206の処理に進む。この交通情報検出部34は、全ての車載器1−1,1−2,1−3・・・のデータを読み出したか否かを判定する。この交通情報検出部34は、全ての車載器1−1,1−2,1−3・・・のデータを読み出していない場合、ステップST203〜ST205までの処理を繰り返す。
(ステップST207)
一方、全ての車載器1−1,1−2,1−3・・・のデータを読み出した場合、移動方向判定部35は、車載器IDとともにそれぞれの判定結果を交通情報提供部37に出力する。
【0046】
図10に示す例では、車載器IDが12340001、12340008、12340015、12340003、12340030の5台がセグメント4に存在しており、移動方向判定部35は、それぞれが、上り車線、下り車線、下り車線、上り車線、下り車線であることを示す判定結果を出力することになる。これにより、交通情報提供部37は、移動方向判定部35から入力する判定結果に基づいて、時刻10:30においてセグメント4に存在していた車両2の台数を示す値を、当該時刻にセグメント4の混雑度を示す情報として、各車両2に送信することができる。また、交通情報提供部37は、上り車線と下り車線のそれぞれについての混雑度を示す情報を、各車両2に送信することが可能となる。
なお、移動方向判定部35による判定において、1つ前の時刻の項目が存在しない場合、例えば、対象とするセグメントとしてセグメント1が選択された場合、車載器ID=12340001の車載器1−1については、
図6に示すように1つ前の時刻の項目が存在しないことになる。このような場合、道路地図データ記憶部30に、セグメントIDが存在しない状態からセグメント1に進入している場合、上り車線を示すことを記憶させておくことで移動方向判定部35に方向を判定させることができる。
【0047】
上記の第1実施形態では、各車載器1が、位置の検出を行い、検出した位置からどのセグメントに存在しているのかを検出し、存在するセグメントが変化する場合に、センターサーバ装置3に新しく進入するセグメントのセグメントIDを送信する構成とした。これにより、センターサーバ装置3では、セグメントの単位で、ある時刻における各車両2の台数の検出を行い、セグメントにおける混雑度を示す情報を収集することが可能となる。また、メッシュごとの交通情報を取得する場合と比較して、交通情報を提供する際に各道路状況に応じた詳細な経路案内を行うことができるというメリットを得ることができる。
また、セグメントの連結関係を示す情報を道路地図データ記憶部15に記憶させ、この情報を用いてセンターサーバ装置3において移動方向の判定を行う構成としたことにより、上り車線、下り車線のそれぞれについての混雑度を示す情報を車両2に提供することが可能となる。また、セグメントに変化があった場合のみ、車載器1からセンターサーバ装置3にデータを送信することから、センターサーバ装置3への送信量を削減することができ、処理負荷を軽減させることが可能となる。
【0048】
また、上記の第1実施形態では、移動方向判定部35をセンターサーバ装置3に備えるようにしていたが、移動方向判定部21を車載器側に備えるようにしてもよい。例えば、
図12に示すように移動方向判定部21を新たに機能ブロックとして加えた車載器1aを構成する。この構成の場合、上述した
図7の処理は以下のようになる。
車載器1aにおいて、セグメント変化判定部16は、セグメントが変化したと判定した場合(ステップST204のYes)、移動方向判定部21に、対象のセグメントIDを出力する。移動方向判定部21は、セグメント変化判定部16が出力したセグメントIDに対応する項目を記憶部19のテーブルから読み出し、読み出した項目の1つ前の時刻のセグメントIDを検出する。セグメント変化判定部16が、セグメントが変化したと判定していることから、1つ前の時刻に記録されているセグメントIDは、処理の対象となっているセグメントIDとは異なるセグメントIDとなる。
移動方向判定部21は、対象のセグメントID及び1つ前の時刻のセグメントIDと、道路地図データ記憶部15に記憶されているデータから移動方向の判定を行い、その結果をセグメント変化判定部16に出力する。セグメント変化判定部16は、時刻とセグメントIDと移動方向を示す情報(例えば、up:上り車線、またはdown:下り車線)と車載器IDをセンターサーバ装置3に送信する。
【0049】
センターサーバ装置3の制御部36は、車載器1aから受信したデータをセグメントテーブル33に書き込む。
図13は、移動方向が書き込まれたセグメントテーブルの構成の一例であり、Seg(セグメント)の項目に、セグメントIDとともに上り車線か下り車線かを示す情報が書き込まれている。
このように構成することで、センターサーバ装置3の交通情報検出部34は、
図11のステップST205の処理を行うことなく、セグメントテーブル33からセグメントIDを読み出す際に、上り車線か下り車線かの情報を読み出すことが可能となり、センターサーバ装置3における処理を削減することが可能となる。
【0050】
なお、上記の処理において、移動方向判定部21が、記憶部19のテーブルから1つ前の時刻のセグメントIDを読み出す際に、セグメントIDがないものを示す情報(「−」)を読み出す場合がある。この情報を読み出した場合についても、セグメントIDがない状態から、あるセグメントIDに変化した場合に、それが上り車線であるか下り車線であるかを予め情報として道路地図データ記憶部15に記憶させておくことで上り車線か下り車線かの判定を行うことができる。
また、車載器側に移動方向判定部を備える場合、車載器1aではGPS補完センサ部13−2により、車両2が進んでいる方向を示す情報が得られることから、移動方向判定部21によって上り車線か下り車線かの判定が行われた際に、GPS補完センサ部13−2から得られる方向の情報により、判定した方向が正確であるか否かのチェックを行うことができ、さらに精度を高めることが可能となる。
【0051】
また、上記の第1実施形態の構成において、セグメント変化判定部16においてセグメントIDが変化したと判定するタイミングとして、車両2が、セグメントの分岐点である
図1の進入通知ポイント70、71、72を通過した場合としていた。これに対して、実際の環境、例えば、高層ビルの多い市街地では、GPSの受信感度が低下するため、
図14(A)に示すように、車両2−1が、セグメント2とセグメント3とセグメント4の分岐点を通過する場合、セグメント3に進んだのか、セグメント4に進んだのかを精度よく判定することが困難になる場合がある。
例えば、実際には、セグメント2からセグメント4に直進している場合であっても、電波の感度によっては、セグメント2を検出している状態から、セグメント3を検出し、その後、セグメント4を検出する場合もある。
このような場合に、判定の精度を高める手法として、例えば、
図14(B)に示すように、分岐点から少し離れたP1やP2の点を進入通知ポイントとし、マップマッチング処理部14において、車載器11の位置が、これらのポイントを超えたか否かによって、新たなセグメントIDを出力するか否かを選択するようにしてもよい。
例えば、車両2−1が、セグメント2から4に直進した場合、P1のポイントを越えるまでは、マップマッチング処理部14は、セグメント2を出力し、P1のポイントを越えたらセグメント4を出力する。この構成であれば、セグメント変化判定部16の処理を変えることなく、セグメント変化の判定を精度よく行うことが可能となる。
【0052】
また、上記の手法以外に、セグメント変化判定部16の判定のタイミングを変える手法もある。例えば、セグメント変化判定部16において、セグメントIDが変化したことを判定してから、一定時間経過した後に、判定した変化の結果を用いてもよい。この一定時間とは、マップマッチング処理部14におけるセグメントの検出が安定するまでの時間、例えば、同じセグメントIDが連続して検出されるまでの時間である。
また、セグメント変化判定部16において、セグメントIDが変化したことを判定してから、続けて数回以上同じセグメントIDがマップマッチング処理部14から出力された場合に、セグメントIDが変化したとして判定するようにしてもよい。
いずれの手法にしても、時刻については、車両2が分岐点を通過した時刻に戻しておく必要があり、マップマッチング処理部14において、進入通知ポイントを変える場合には、分岐点からの距離が分かっているため、P1やP2を通過する速度をGPS補完センサ部13−2から取得しておき、逆算によって分岐点を通過した時刻を求めることができる。
また、セグメント変化判定部16側で精度を高める処理を行う場合、セグメント変化判定部16が、最初にセグメントIDが変化したと判定した時刻を記憶しておくことで、この時刻を分岐点を通過した時刻とすることができる。
上記のように構成することで、GPSの受信感度が低い領域であっても精度よくセグメントの変化を検出することが可能となる。
【0053】
[第2実施形態]
第1実施形態のセンターサーバ装置3は、ある時刻にあるセグメントに存在する車両の台数を検出し、そのセグメントの混雑度を示す処理を行う構成を備えていた。この構成は、多くの車両2が車載器1を搭載している場合には、そのセグメントの実際の状態に近い混雑度を示すことになる。車載器1がそれほど普及していない状況下、例えば、
図15(A)に示すように、車載器1を搭載していない車両M1、M2、M3が車載器1を搭載している車両2−2よりも多数存在する場合では、車載器1−2を搭載している車両が2−2の1台だけを検出してもセグメント2における正確な混雑度を示すことにはならない。
これに対して、第2実施形態のセンターサーバ装置3は、セグメントに存在する車両2の台数を混雑度とせず、
図15(B)に示すように、あるセグメントにおいて車両2が通過するのに要した通過時間や、そのセグメントを走行している間の平均速度を算出し、これを混雑度を示す情報として算出する構成を有している。
【0054】
図16は、第2実施形態のセンターサーバ装置3aの内部構成を示すブロック図である。第2実施形態のセンターサーバ装置3aにおいて、第1実施形態のセンターサーバ装置3と同じ構成については同じ符号を付与し、以下、異なる構成である交通情報検出部34aについて説明する。
図17は、セグメントテーブル33に記憶されている情報を視覚的に分かりやすく示した図である。以下、
図18のフローチャートを参照しつつ第2実施形態のセンターサーバ装置3aの動作について説明する。
【0055】
(ステップST301)
まず、センターサーバ装置3aの交通情報検出部34aは、所定の時刻におけるいずれか1つのセグメントを通過し終えている車両2を検出するため、対象の時刻を選択する。ここでは、10:40を選択したとする。
(ステップST302)
次に、交通情報検出部34aは、対象となるセグメントを選択する。ここでは、セグメント4を選択したとする。
第1実施形態と同じく、時刻の選択やセグメントの選択は、センターサーバ装置3aの運用者が、任意に選択して設定するようにしてもよいし、予め定められた時刻、例えば、0時から開始して30分ごとの時刻を選択してもよいし、セグメントについては、セグメント1から順に全てのセグメントを1つずつ選択するようにしてもよい。
(ステップST303)
交通情報検出部34aは、セグメントテーブル33から車載器1ごとのデータを読み出す。
(ステップST304)
次いで、交通情報検出部34aは、読み出したデータに基づき、選択した時刻に、選択したセグメントを車載器1が通過し終えているか否かを判定する。
最初に読み出される車載器ID=12340001の車載器1については、10:40にはセグメント4を通過が完了しているため、交通情報検出部34aは、通過し終えていると判定する。一方、交通情報検出部34aは、対象の車載器1が、10:40にセグメント4を通過し終えていないと判定した場合、ステップST307の処理に進む。
【0056】
(ステップST305)
交通情報検出部34aは、対象の車載器1が、10:40にセグメント4を通過し終えていると判定した場合、対象の車載器1の車載器IDと選択中のセグメントIDを移動方向判定部35に出力する。移動方向判定部35は、第1実施形態と同じ処理によって、上り車線か下り車線かの判定を行う。ここでは、移動方向判定部35は、セグメントIDが4の項目の1つ前の時刻のセグメントIDを読み出すため、「2」を読み出すことになる。移動方向判定部35は、セグメントIDが、2から4の順に変わっている経路を道路地図データ記憶部30から検出し、上り車線であることを判定し、交通情報検出部34aに、車載器IDとともに判定結果を出力する。
(ステップST306)
次に、交通情報検出部34aは、対象の車載器1がセグメント4に進入した時刻と退出した時刻をセグメントテーブル33から検出する。セグメント4を退出した時刻とは、セグメント6に進入した時刻である。交通情報検出部34aは、道路地図データ記憶部30に記憶されているセグメント4の起点と終点の緯度と経度からセグメント4の距離を算出し、算出した距離と、検出した進入と退出の時刻から、通過時間と平均速度を算出する。
なお、道路地図データ記憶部30に予めセグメントごとの距離を示す情報を記憶させておくことで交通情報検出部34aでの演算処理の負荷を軽減させることもできる。
(ステップST307)
交通情報検出部34aは、全ての車載器1のデータを読み出したか否かを判定する。この交通情報検出部34aは、全ての車載器1のデータを読み出していない場合は、ステップST303からの処理を繰り返す。
(ステップST308)
一方、全ての車載器1のデータを読み出した場合、交通情報検出部34aは、結果を交通情報提供部37に出力する。
【0057】
図17に示す例では、車載器IDが12340001、12340008、12340015の3台がセグメント4の通過を完了しているため、交通情報提供部37は、これら3つの車載器1のデータを用いて求められたセグメント4の通過時間と平均速度を提供することが可能となる。また、車載器IDが12340008、12340015については、両方ともセグメント4の下り車線を通過しており、これら2つの車載器1から得られる通過時間と平均速度をさらに平均した値を提供するようにしてもよい。
【0058】
上記の第2実施形態の構成により、センターサーバ装置3aは、セグメントテーブル33に記憶されているデータから、あるセグメントを通過した車両2のデータを読み出してそのセグメントにおける通過時間と平均速度を算出することが可能となる。これにより、車載器1を搭載していない車両2が少ない場合であっても、車載器1を搭載した車両のセグメントの通過時間と平均速度を算出し、この情報を混雑度を示す情報として提供することが可能となる。
【0059】
なお、上記の第2実施形態においても、
図12、
図13を参照して説明した移動方向判定部を車載器側に備える構成を適用することができ、適用した場合、センターサーバ装置3aは、
図18のステップST305の処理を行う必要がなく、ステップST303においてセグメントテーブル33からデータを読み出す際に、上り車線か下り車線かの情報を得ることができる。
【0060】
また、上記の第1及び第2実施形態において、移動方向判定部35によって移動方向の判定が行われる場合、道路地図データ記憶部30に一方通行などの道路における車の進行方向を示す情報を記憶させておくことで、移動方向の判定結果が正確であるか否かのチェックを行うことが可能となる。これは、
図12を参照して説明した移動方向判定部21を車載器側に備える構成についても同様であり、道路地図データ記憶部15に同様の情報を記憶させておくことで移動方向の判定結果が正確であるか否かのチェックを行うことが可能となる。
【0061】
さらに、上記の第1及び第2実施形態において、マップマッチング処理部14において、該当するセグメントIDがない場合、セグメントIDがないことを示す「−」を記憶部19や、セグメントテーブル33に記憶させるようにしていたが、例えば、セグメントが割り当てられていない領域については実際の道路には割り当てられない特別なセグメントID、例えば、セグメント0を与えてセグメントの1つとし、セグメント変化判定部16や移動方向判定部35及び21の処理において、セグメントIDの変化として処理させるようにしてもよい。この場合、道路地図データ記憶部15及び30には、セグメント0と他のセグメントIDの位置関係、例えば、
図1においてセグメント0からセグメント1への移動は上り車線であり、セグメント0からセグメント6への移動は下り車線である等の位置関係を示す情報が記憶されている必要がある。
【0062】
また、上述したように、車載器1及び1aは、カーナビゲーションシステムの端末装置に適用することも可能であるが、ETC(Electronic Toll Collection System)(登録商標)の車載器に含まれるものであってもよく、また、車両情報の収集に用いられるプローブカーの車載センサに含まれるものであってもよい。また、GPSを備えた携帯電話端末に適用されるものであってもよい。
【0063】
なお、本発明における各処理部の機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することによりアセンブリプログラムの変換を行ってもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータシステム」は、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)を備えたWWWシステムも含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(RAM)のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。
【0064】
また、上記プログラムは、このプログラムを記憶装置等に格納したコンピュータシステムから、伝送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピュータシステムに伝送されてもよい。ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネット等のネットワーク(通信網)や電話回線等の通信回線(通信線)のように情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良い。さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であっても良い。