特許第6049421号(P6049421)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 三菱日立パワーシステムズ株式会社の特許一覧
特許6049421発電システム及び発電システムの運転方法
<>
  • 特許6049421-発電システム及び発電システムの運転方法 図000002
  • 特許6049421-発電システム及び発電システムの運転方法 図000003
  • 特許6049421-発電システム及び発電システムの運転方法 図000004
  • 特許6049421-発電システム及び発電システムの運転方法 図000005
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6049421
(24)【登録日】2016年12月2日
(45)【発行日】2016年12月21日
(54)【発明の名称】発電システム及び発電システムの運転方法
(51)【国際特許分類】
   H01M 8/04746 20160101AFI20161212BHJP
   H01M 8/04 20160101ALI20161212BHJP
   H01M 8/00 20160101ALI20161212BHJP
   F02C 6/00 20060101ALI20161212BHJP
   F02C 6/10 20060101ALI20161212BHJP
   F02C 3/30 20060101ALI20161212BHJP
   H01M 8/12 20160101ALN20161212BHJP
【FI】
   H01M8/04 A
   H01M8/04 J
   H01M8/00 Z
   F02C6/00 E
   F02C6/10
   F02C3/30 A
   !H01M8/12
【請求項の数】6
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2012-258025(P2012-258025)
(22)【出願日】2012年11月26日
(65)【公開番号】特開2014-107071(P2014-107071A)
(43)【公開日】2014年6月9日
【審査請求日】2015年7月13日
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成24年度、独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構、「固体酸化物形燃料電池を用いた事業用発電システム要素技術開発」共同研究、産業技術力強化法第19条の適用を受ける特許出願
(73)【特許権者】
【識別番号】514030104
【氏名又は名称】三菱日立パワーシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100089118
【弁理士】
【氏名又は名称】酒井 宏明
(74)【代理人】
【識別番号】100118762
【弁理士】
【氏名又は名称】高村 順
(72)【発明者】
【氏名】大澤 弘行
【審査官】 武市 匡紘
(56)【参考文献】
【文献】 特開2003−317780(JP,A)
【文献】 特開2004−134262(JP,A)
【文献】 特開2009−205930(JP,A)
【文献】 特開2012−227064(JP,A)
【文献】 特開昭62−064067(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2006/0237583(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 8/00−8/24
F02C 1/00−9/58
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
圧縮機と燃焼器を有するガスタービンと、
空気極及び燃料極を有する燃料電池と、
前記圧縮機で圧縮した圧縮酸化性ガスを前記燃焼器に供給する第1圧縮酸化性ガス供給ラインと、
前記圧縮機で圧縮した圧縮酸化性ガスの少なくとも一部を前記空気極に供給する第2圧縮酸化性ガス供給ラインと、
前記第2圧縮酸化性ガス供給ラインに設けられる酸化性ガス昇圧機と、
前記空気極から排出される排酸化性ガスを前記燃焼器に供給する排酸化性ガス供給ラインと、
第1の燃料ガスを前記燃焼器に供給する第1燃料ガス供給ラインと、
第2の燃料ガスを前記燃料極に供給する第2燃料ガス供給ラインと、
前記燃料極から排出される排燃料ガスを前記燃焼器に供給する排燃料ガス供給ラインと、
前記排燃料ガス供給ラインに設けられる排燃料ガス昇圧機と、
前記空気極の圧力と前記燃料極の圧力が均一化されるように前記酸化性ガス昇圧機と前記排燃料ガス昇圧機を駆動制御する制御部と、
を有し、
前記制御部は、前記酸化性ガス昇圧機を駆動制御することで前記圧縮機からの圧縮酸化性ガスを所定圧力まで昇圧して前記空気極に供給する一方、前記排燃料ガス昇圧機を駆動制御することで前記燃料極からの排燃料ガスを昇圧して前記燃焼器に供給すると共に、前記酸化性ガス昇圧機を駆動制御することで、前記圧縮機からの圧縮酸化性ガスの前記空気極での圧力損失分を昇圧し、前記排燃料ガス昇圧機を駆動制御することで、前記燃料極からの排燃料ガスの前記燃焼器での圧力損失分を昇圧する、
ことを特徴とする発電システム。
【請求項2】
前記燃料極から排出される排燃料ガスを前記燃料極に戻す燃料ガス再循環ラインが設けられると共に、前記燃料ガス再循環ラインに再循環送風機が設けられ、前記制御部は、前記再循環送風機を駆動制御することで、再循環燃料ガス量を調整することを特徴とする請求項1に記載の発電システム。
【請求項3】
前記排燃料ガス供給ラインに制御弁が設けられ、前記制御部は、前記制御弁の開度を制御することで、前記燃料極の圧力を調整することを特徴とする請求項2に記載の発電システム。
【請求項4】
前記空気極の圧力を検出する第1検出器と、前記燃料極の圧力を検出する第2検出器とが設けられ、前記制御部は、前記第1検出器により検出された第1圧力と前記第2検出器により検出された第2圧力が同圧となるように、前記酸化性ガス昇圧機と前記排燃料ガス昇圧機を駆動制御することを特徴とする請求項1から3のいずれか一つに記載の発電システム。
【請求項5】
前記第2圧縮酸化性ガス供給ラインにおける前記酸化性ガス昇圧機より酸化性ガスの流れ方向の上流側に冷却器が設けられることを特徴とする請求項1から4のいずれか一つに記載の発電システム。
【請求項6】
圧縮機で圧縮した圧縮酸化性ガスをガスタービンの燃焼器に供給する工程と、
燃料ガスを前記燃焼器に供給する工程と、
前記圧縮機で圧縮した圧縮酸化性ガスの一部を所定圧力まで昇圧して燃料電池の空気極に供給する工程と、
燃料ガスを前記燃料電池の燃料極に供給する工程と、
前記空気極から排出される排酸化性ガスを前記燃焼器に供給する工程と、
前記燃料極から排出される排燃料ガスを昇圧して前記燃焼器に供給する工程と、
前記空気極の圧力と前記燃料極の圧力が均一化されるように前記空気極に供給される圧縮酸化性ガスの圧力と前記燃焼器に供給される排燃料ガスの圧力を調整する工程と、
前記圧縮機からの圧縮酸化性ガスの前記空気極での圧力損失分を昇圧すると共に前記燃料極からの排燃料ガスの前記燃焼器での圧力損失分を昇圧する工程と、
を有することを特徴とする発電システムの運転方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、燃料電池とガスタービンと蒸気タービンを組み合わせた発電システム及び発電システムの運転方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
固体酸化物形燃料電池(Solid Oxide Fuel Cell:以下SOFC)は、用途の広い高効率な燃料電池として知られている。このSOFCは、イオン伝導率を高めるために作動温度が高くされているので、ガスタービンの圧縮機から吐出された空気を空気極側に供給する空気(酸化剤)として使用することができる。また、SOFCは、利用できなかった高温の燃料及び排熱をガスタービンの燃焼器において燃料及び酸化性ガスとして使用することができる。また、SOFCの他に作動温度が高い燃料電池として溶融炭酸塩形燃料電池が知られており、SOFCと同様にガスタービンとの連携による排熱利用が検討されている。
【0003】
このため、例えば、下記特許文献1、2に記載されるように、高効率発電を達成することができる発電システムとして、SOFCとガスタービンと蒸気タービンを組み合わせたものが各種提案されている。この特許文献1に記載されたコンバインドシステムは、SOFCと、このSOFCから排出された排燃料ガスと排出空気とを燃焼するガスタービン燃焼器及び空気を圧縮してSOFCに供給する圧縮機を有するガスタービンとを設けたものである。また、特許文献2に記載された燃料電池発電装置は、蒸気が含まれる燃料ガスを水素が含まれるアノードガスに改質する改質器と、アノードガスと酸素及び二酸化炭素を含むカソードガスとから発電する燃料電池とを設けたものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−205932号公報
【特許文献2】特開平10−294119号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述した従来の発電システムにて、ガスタービンは、圧縮機が空気を圧縮して燃焼器に供給すると共にその一部をSOFCに供給し、SOFCからの排空気を燃焼器に供給する。また、ガスタービンは、燃料ガスを燃焼器に供給すると共にSOFCからの排燃料ガスを燃焼器に供給する。この場合、SOFCでは、供給される空気の圧力と燃料の圧力をほぼ均一にする必要がある。ところが、ガスタービンでは、燃料噴射ノズルの圧力損失を考慮すると、供給される空気の圧力に対して燃料の圧力を高く設定する必要がある。そのため、ガスタービンとSOFCを連携させる発電システムでは、空気と燃料ガスとの圧力バランス制御が困難なものとなってしまう。
【0006】
本発明は、上述した課題を解決するものであり、ガスタービンと燃料電池との間で酸化性ガスの圧力と燃料ガスの圧力を適正に調整することで発電効率の向上を可能とする発電システム及び発電システムの運転方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成するための本発明の発電システムは、圧縮機と燃焼器を有するガスタービンと、空気極及び燃料極を有する燃料電池と、前記圧縮機で圧縮した圧縮酸化性ガスを前記燃焼器に供給する第1圧縮酸化性ガス供給ラインと、前記圧縮機で圧縮した圧縮酸化性ガスの少なくとも一部を前記空気極に供給する第2圧縮酸化性ガス供給ラインと、前記第2圧縮酸化性ガス供給ラインに設けられる酸化性ガス昇圧機と、前記空気極から排出される排酸化性ガスを前記燃焼器に供給する排酸化性ガス供給ラインと、第1の燃料ガスを前記燃焼器に供給する第1燃料ガス供給ラインと、第2の燃料ガスを前記燃料極に供給する第2燃料ガス供給ラインと、前記燃料極から排出される排燃料ガスを前記燃焼器に供給する排燃料ガス供給ラインと、前記排燃料ガス供給ラインに設けられる排燃料ガス昇圧機と、前記空気極の圧力と前記燃料極の圧力が均一化されるように前記酸化性ガス昇圧機と前記排燃料ガス昇圧機を駆動制御する制御部と、を有することを特徴とするものである。
【0008】
従って、第2圧縮酸化性ガス供給ラインに酸化性ガス昇圧機を設けると共に、排燃料ガス供給ラインに排燃料ガス昇圧機を設け、制御部が空気極の圧力と燃料極の圧力が均一化されるように酸化性ガス昇圧機と排燃料ガス昇圧機を駆動制御する。そのため、ガスタービンの燃焼器入口での燃料ガス圧力と酸化性ガス圧力が相違することを考慮して、燃料電池を経由し、排燃料ガス供給ラインと排酸化性ガス供給ラインを介して供給される燃料ガスの圧力と酸化性ガスの圧力を適正に調整することで、ガスタービンと燃料電池とを効率的に連携運転することが可能となり、発電効率を向上することができる。
【0009】
本発明の発電システムでは、前記制御部は、前記酸化性ガス昇圧機を駆動制御することで前記圧縮機からの圧縮酸化性ガスを所定圧力まで昇圧して前記空気極に供給する一方、前記燃料ガス昇圧機を駆動制御することで前記燃料極からの排燃料ガスを昇圧して前記燃焼器に供給することを特徴としている。
【0010】
従って、圧縮酸化性ガスを昇圧して空気極に供給することで、空気極で圧力損失が発生しても燃料電池、ガスタービンを適正に運転することができ、また、排燃料ガスを昇圧して燃焼器に供給することで、燃焼器で圧力損失が発生しても燃料電池、ガスタービンを適正に運転することができる。
【0011】
本発明の発電システムでは、前記制御部は、前記酸化性ガス昇圧機を駆動制御することで、前記圧縮機からの圧縮酸化性ガスの少なくとも圧力損失分を昇圧することを特徴としている。
【0012】
従って、圧縮酸化性ガスの少なくとも圧力損失分を昇圧することで、空気極から排出された排酸化性ガスの圧力は圧縮機で圧縮した圧縮酸化性ガスの圧力と同等となり、排酸化性ガスを適正に燃焼器に戻すことができ、燃焼器を安定して運転することができる。
【0013】
本発明の発電システムでは、前記燃料極から排出される排燃料ガスを前記燃料極に戻す燃料ガス再循環ラインが設けられると共に、前記燃料ガス再循環ラインに再循環送風機が設けられ、前記制御部は、前記再循環送風機を駆動制御することで、再循環燃料ガス量を調整することを特徴としている。
【0014】
従って、前記制御部は、再循環送風機を駆動制御することで、燃料極の圧力を調整するため、燃料極の圧力と燃焼器に供給する排燃料ガスの圧力を容易に適正圧力に調整することができる。
【0015】
本発明の発電システムでは、前記排燃料ガス供給ラインに制御弁が設けられ、前記制御部は、前記制御弁の開度を制御することで、前記燃料極の圧力を調整することを特徴としている。
【0016】
従って、制御弁の開度調整により容易に燃料極の圧力を調整することができる。
【0017】
本発明の発電システムでは、前記空気極の圧力を検出する第1検出器と、前記燃料極の圧力を検出する第2検出器とが設けられ、前記制御部は、前記第1検出器により検出された第1圧力と前記第2検出器により検出された第2圧力が同圧となるように、前記酸化性ガス昇圧機と燃料ガス昇圧機を駆動制御することを特徴としている。
【0018】
従って、空気極の圧力と燃料極の圧力を用いてフィードバック制御することで、この空気極の圧力と燃料極の圧力を高精度に調整することができる。
【0019】
本発明の発電システムでは、前記第2圧縮酸化性ガス供給ラインにおける前記酸化性ガス昇圧機より酸化性ガスの流れ方向の上流側に冷却器が設けられることを特徴としている。
【0020】
従って、圧縮機で圧縮された圧縮酸化性ガスを冷却器により冷却してから酸化性ガス昇圧機で昇圧し、空気極に供給することで、この酸化性ガス昇圧機の駆動力を低減することができる。
【0021】
また、本発明の発電システムの運転方法は、圧縮機で圧縮した圧縮酸化性ガスをガスタービンの燃焼器に供給する工程と、燃料ガスを前記燃焼器に供給する工程と、前記圧縮機で圧縮した圧縮酸化性ガスの一部を燃料電池の空気極に供給する工程と、燃料ガスを前記燃料電池の燃料極に供給する工程と、前記空気極から排出される排酸化性ガスを前記燃焼器に供給する工程と、前記燃料極から排出される排燃料ガスを前記燃焼器に供給する工程と、前記空気極の圧力と前記燃料極の圧力が均一化されるように前記空気極に供給される圧縮酸化性ガスの圧力と前記燃焼器に供給される排燃料ガスの圧力を調整する工程と、を有することを特徴とするものである。
【0022】
従って、ガスタービンの燃焼器入口での燃料ガス圧力と酸化性ガス圧力が相違することを考慮して、燃料電池を経由し、排燃料ガス供給ラインと排酸化性ガス供給ラインを介して供給される燃料ガスの圧力と酸化性ガスの圧力を適正に調整することで、ガスタービンと燃料電池とを効率的に連携運転することが可能となり、発電効率を向上することができる。発電効率を向上することができる。
【発明の効果】
【0023】
本発明の発電システム及び発電システムの運転方法によれば、空気極の圧力と燃料極の圧力が均一化されるように酸化性ガス昇圧機と排燃料ガス昇圧機を駆動制御するので、ガスタービンと燃料電池とを効率的に連携運転することが可能となり、発電効率を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1図1は、本発明の実施例1に係る発電システムにおける圧縮空気と燃料ガスの圧力制御を表す概略図である。
図2図2は、実施例1の発電システムを表す概略構成図である。
図3図3は、本発明の実施例2に係る発電システムにおける圧縮空気と燃料ガスの圧力制御を表す概略図である。
図4図4は、本発明の実施例3に係る発電システムを表す概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下に添付図面を参照して、本発明に係る発電システム及び発電システムの運転方法の好適な実施例を詳細に説明する。なお、この実施例により本発明が限定されるものではなく、また、実施例が複数ある場合には、各実施例を組み合わせて構成するものも含むものである。
【実施例1】
【0026】
実施例1の発電システムは、固体酸化物形燃料電池(以下、SOFCと称する。)とガスタービンと蒸気タービンを組み合わせたトリプルコンバインドサイクル(Triple Combined Cycle:登録商標)である。このトリプルコンバインドサイクルは、ガスタービンコンバインドサイクル発電(GTCC)の上流側にSOFCを設置することにより、SOFC、ガスタービン、蒸気タービンの3段階で電気を取り出すことができるため、極めて高い発電効率を実現することができる。なお、以下の説明では、本発明の燃料電池として固体酸化物形燃料電池を適用して説明するが、この形式の燃料電池に限定されるものではない。
【0027】
図1は、本発明の実施例1に係る発電システムにおける圧縮空気と燃料ガスの圧力制御を表す概略図、図2は、実施例1の発電システムを表す概略構成図である。
【0028】
実施例1において、図2に示すように、発電システム10は、ガスタービン11及び発電機12と、SOFC13と、蒸気タービン14及び発電機15とを有している。この発電システム10は、ガスタービン11による発電と、SOFC13による発電と、蒸気タービン14による発電とを組み合わせることで、高い発電効率を得るように構成したものである。
【0029】
ガスタービン11は、圧縮機21、燃焼器22、タービン23を有しており、圧縮機21とタービン23は、回転軸24により一体回転可能に連結されている。圧縮機21は、空気取り込みライン25から取り込んだ空気(酸化性ガス)Aを圧縮する。燃焼器22は、圧縮機21から第1圧縮空気供給ライン(第1圧縮酸化性ガス供給ライン)26を通して供給された圧縮空気(圧縮酸化性ガス)A1と、第1燃料ガス供給ライン27から供給された燃料ガスL1とを混合して燃焼する。タービン23は、燃焼器22から排ガス供給ライン28を通して供給された排ガス(燃焼ガス)Gにより回転する。なお、図示しないが、タービン23は、圧縮機21で圧縮された圧縮空気A1が車室を通して供給され、この圧縮空気A1を冷却空気として翼などを冷却する。発電機12は、タービン23と同軸上に設けられており、タービン23が回転することで発電することができる。なお、ここでは、燃焼器22に供給する燃料ガスL1及び後述する燃料ガスL2の各燃料ガスは、例えば、液化天然ガス(LNG)、水素(H2)および一酸化炭素(CO)、メタン(CH4)などの炭化水素ガス、石炭など炭素質原料のガス化設備により製造したガスを用いることが可能である。
【0030】
SOFC13は、還元剤としての高温の燃料ガスと、酸化剤としての高温の空気(酸化性ガス)とが供給されることで、所定の作動温度にて反応して発電を行うものである。このSOFC13は、圧力容器内に空気極と固体電解質と燃料極が収容されて構成される。空気極に圧縮機21で圧縮された一部の圧縮空気(圧縮酸化性ガス)A2が供給され、燃料極に燃料ガスL2が供給されることで発電を行う。なお、ここでは、SOFC13に供給する燃料ガスL2として、例えば、液化天然ガス(LNG)、水素(H)および一酸化炭素(CO)、メタン(CH)などの炭化水素ガス、石炭など炭素質原料のガス化設備により製造したガスを用いている。また、SOFC13に供給される酸化性ガスは、酸素を略15%〜30%含むガスであり、代表的には空気が好適であるが、空気以外にも燃焼排ガスと空気の混合ガスや、酸素と空気の混合ガスなどが使用可能である(以下、SOFC13に供給される酸化性ガスを空気という)。
【0031】
このSOFC13は、第1圧縮空気供給ライン26から分岐した第2圧縮空気供給ライン(第2圧縮酸化性ガス供給ライン)31が連結され、圧縮機21が圧縮した一部の圧縮空気A2を空気極の導入部に供給することができる。この第2圧縮空気供給ライン31は、供給する空気量を調整可能な制御弁32と、圧縮空気A2を昇圧可能なブロワ(酸化性ガス昇圧機)33とが空気の流れ方向に沿って設けられている。制御弁32は、第2圧縮空気供給ライン31における空気の流れ方向の上流側に設けられ、ブロワ33は、制御弁32の下流側に設けられている。なお、制御弁32とブロワ(昇圧機)33の配置は図1及び図2の配置に限定されることはなく、ブロワ(昇圧機)や制御弁の形式によって順序を逆にして配置しても良い。
【0032】
SOFC13は、空気極で用いられた排空気(排酸化性ガス)A3を排出する排空気ライン34が連結されている。この排空気ライン(排酸化性ガスライン)34は、空気極で用いられた排空気A3を外部に排出する排出ライン35と、燃焼器22に連結される排空気供給ライン(排酸化性ガス供給ライン)36とに分岐される。排出ライン35は、排出する空気量を調整可能な制御弁37が設けられ、排空気供給ライン36は、循環する空気量を調整可能な制御弁38が設けられている。
【0033】
また、SOFC13は、燃料ガスL2を燃料極の導入部に供給する第2燃料ガス供給ライン41が設けられている。第2燃料ガス供給ライン41は、供給する燃料ガス量を調整可能な制御弁42が設けられている。SOFC13は、燃料極で用いられた排燃料ガスL3を排出する排燃料ライン43が連結されている。この排燃料ライン43は、外部に排出する排出ライン44と、燃焼器22に連結される排燃料ガス供給ライン45とに分岐される。排出ライン44は、排出する燃料ガス量を調整可能な制御弁46が設けられ、排燃料ガス供給ライン45は、供給する燃料ガス量を調整可能な制御弁47と、排燃料ガスL3を昇圧可能なブロワ(排燃料ガス昇圧機)48が排燃料ガスL3の流れ方向に沿って設けられている。制御弁47は、排燃料ガス供給ライン45における排燃料ガスL3の流れ方向の上流側に設けられ、ブロワ48は、制御弁47の排燃料ガスL3の流れ方向の下流側に設けられている。なお、制御弁32とブロワ(昇圧機)33の配置は図1及び図2の配置に限定されることはなく、ブロワ(昇圧機)や制御弁の形式によって順序を逆にして配置しても良い。
【0034】
また、SOFC13は、排燃料ライン43と第2燃料ガス供給ライン41とを連結する燃料ガス再循環ライン49が設けられている。燃料ガス再循環ライン49は、排燃料ライン43の排燃料ガスL3を第2燃料ガス供給ライン41に再循環する再循環ブロワ(再循環送風機)50が設けられている。
【0035】
蒸気タービン14は、排熱回収ボイラ(HRSG)51で生成された蒸気によりタービン52を回転するものである。この排熱回収ボイラ51は、ガスタービン11(タービン23)からの排ガスライン53が連結されており、空気と高温の排ガスGとの間で熱交換を行うことで、蒸気Sを生成する。蒸気タービン14(タービン52)は、排熱回収ボイラ51との間に、蒸気供給ライン54と給水ライン55とが設けられている。そして、給水ライン55は、復水器56と給水ポンプ57とが設けられている。発電機15は、タービン52と同軸上に設けられており、タービン52が回転することで発電することができる。なお、排熱回収ボイラ51で熱が回収された排ガスGは、有害物質を除去されてから大気へ放出される。なお、本実施例においては排ガスGをHRSG51の熱源として利用しているが、排ガスGはHRSG以外の各種機器の熱源として利用することも可能である。
【0036】
ここで、実施例1の発電システム10の作動について説明する。発電システム10を起動する場合、ガスタービン11が起動した後に蒸気タービン14、SOFC13の順に起動する。
【0037】
まず、ガスタービン11にて、圧縮機21が空気Aを圧縮し、燃焼器22が圧縮空気A1と燃料ガスL1とを混合して燃焼し、タービン23が排ガスGにより回転することで、発電機12が発電を開始する。次に、蒸気タービン14にて、排熱回収ボイラ51により生成された蒸気Sによりタービン52が回転し、これにより発電機15が発電を開始する。
【0038】
SOFC13では、まず、圧縮空気A2を供給して昇圧を開始し、加熱を開始する。排出ライン35の制御弁37と排酸化性ガス供給ライン36の遮断弁38を閉止し、第2圧縮空気供給ライン31のブロワ33を停止した状態もしくはブロワ33を運転した状態で、制御弁32もしくは加圧専用の図示されていない制御弁を所定開度だけ開放する。なお、ここで昇圧速度を制御する為の開度調整を行っても良い。すると、圧縮機21で圧縮した一部の圧縮空気A2が第2圧縮空気供給ライン31からSOFC13側へ供給される。これにより、SOFC13側は、圧縮空気A2が供給されることで圧力が上昇する。
【0039】
一方、SOFC13では、燃料極側に燃料ガスL2、図示されていない圧縮空気ラインの分岐から圧縮空気(酸化性ガス)を供給するか、窒素等の不活性ガスを供給して昇圧を開始する。排出ライン44の制御弁46と排燃料ガス供給ライン45の制御弁47を閉止し、ブロワ48を停止した状態で、第2燃料ガス供給ライン41の制御弁42を開放すると共に、燃料ガス再循環ライン49の再循環ブロワ50を駆動する。なお、再循環ブロワ50は燃料極側の加圧前に起動していても良い。すると、燃料ガスL2が第2燃料ガス供給ライン41からSOFC13側へ供給されると共に、排燃料ガスL3が燃料ガス再循環ライン49により再循環する。これにより、SOFC13側は、燃料ガスL2、圧縮空気、不活性ガス等が供給されることで圧力が上昇する。
【0040】
そして、SOFC13の空気極側の圧力が圧縮機21の出口圧力になると、制御弁32にてSOFCへの供給空気流量を制御すると共に、ブロワ33が起動していなければブロワ33を駆動する。それと同時に遮断弁38を開放してSOFC13からの排空気A3を排酸化性ガス供給ライン36から燃焼器22に供給する。このとき、制御弁37も開放してSOFC13からの排空気A3の一部を排出ライン35から排出してもよい。すると、圧縮空気A2がブロワ33によりSOFC13側へ供給される。それと同時に制御弁46を開放してSOFC13からの排燃料ガスL3を排出ライン44から排出する。そして、SOFC13における空気極側の圧力と燃料極側の圧力とが目標圧力に到達すると、SOFC13の昇圧が完了する。
【0041】
その後、SOFC13の圧力制御が安定したら、制御弁37が開となっている場合は閉止する一方、遮断弁38の開放を維持する。このため、SOFC13からの排空気A3が排酸化性ガス供給ライン36から燃焼器22に供給され続ける。また、排燃料ガスL3の成分が燃焼器へ投入可能な成分となったら、制御弁46を閉止する一方、制御弁47を開放してブロワ48を駆動する。すると、SOFC13からの排燃料ガスL3が排燃料ガス供給ライン45から燃焼器22に供給される。このとき、第1燃料ガス供給ライン27から燃焼器22に供給される燃料ガスL1を減量する。
【0042】
ここで、ガスタービン11の駆動による発電機12での発電、SOFC13での発電、蒸気タービン14の駆動により発電機15での発電が全て行われることとなり、発電システム10が定常運転となる。
【0043】
ところで、一般的な発電システムにて、ガスタービン11は、圧縮機21が空気Aを圧縮して燃焼器22に供給すると共にその一部をSOFC13に供給し、SOFC13からの排空気A3を燃焼器22に供給する。また、ガスタービン11は、燃料ガスL1を燃焼器22に供給すると共にSOFC13からの排燃料L3ガスを燃焼器22に供給する。この場合、SOFC13では、微小な隙間からのリークにより圧縮空気A2と燃料ガスL2が燃料電池内で相互に混入し、消費されることで効率が低下することを防止するために、供給される圧縮空気A2の圧力と燃料ガスL2の圧力をほぼ均一にする必要がある。ところが、ガスタービン11では、ガスタービン燃焼器の燃料噴射ノズルの圧力損失を考慮すると、供給される空気の圧力に対して燃料の圧力を高く設定する必要があるので、圧縮空気と燃料ガスとの圧力バランス制御が困難なものとなっている。
【0044】
そこで、実施例1の発電システム10では、図1に示すように、第2圧縮空気供給ライン31に空気昇圧機(酸化性ガス昇圧機)としてのブロワ33を設けると共に、排燃料ガス供給ライン45に排燃料ガス昇圧機としてのブロワ48を設け、制御装置(制御部)61は、SOFC13における空気極の圧力と燃料極の圧力が均一化されるように各ブロワ33,48を駆動制御する。
【0045】
即ち、制御装置61は、ブロワ33を駆動制御することで圧縮機21からの圧縮空気A2を所定圧力まで昇圧して空気極に供給する一方、ブロワ48を駆動制御することで燃料極からの排燃料ガスを昇圧して燃焼器22に供給する。
【0046】
具体的に、制御装置61は、ブロワ33を駆動制御することで、圧縮機21からの圧縮空気A2を空気極での圧力損失分だけ昇圧する。また、制御装置61は、ブロワ48を駆動制御することで、燃料極からの排燃料ガスL3を燃焼器(燃料噴射ノズル)22での圧力損失分だけ昇圧する。
【0047】
また、SOFC13の燃料極から排出される排燃料を燃料極に戻す燃料ガス再循環ライン49を設けると共に、この燃料ガス再循環ライン49に再循環ブロワ(再循環送風機)50を設け、制御装置61は、この再循環ブロワ50を駆動制御することで、再循環される排燃料ガスの流量を調整する。
【0048】
この場合、SOFC13にて、空気極の圧力を検出する第1検出器62と、燃料極の圧力を検出する第2検出器63とを設け、各検出器62,63は、検出結果を制御装置61に出力する。制御装置61は、第1検出器62により検出された空気極の圧力(第1圧力)と、第2検出器63により検出された燃料極の圧力(第2圧力)が同圧、もしくは規定の差圧となるように、各ブロワ33,48を駆動制御する。
【0049】
実施例1の発電システムの運転方法は、圧縮機21で圧縮した圧縮空気A1をガスタービン11の燃焼器22に供給する工程と、燃料ガスL1を燃焼器22に供給する工程と、圧縮機21で圧縮した一部の圧縮空気A2をSOFC13の空気極に供給する工程と、燃料ガスL2をSOFC13の燃料極に供給する工程と、空気極から排出される排空気L3を燃焼器22に供給する工程と、燃料極から排出される排燃料ガスを燃焼器22に供給する工程と、空気極の圧力と燃料極の圧力が均一化されるように空気極に供給される圧縮空気の圧力と燃焼器22に供給される排燃料ガスの圧力を調整する工程とを有している。
【0050】
具体的に説明すると、ガスタービン11の圧縮機21は、空気Aを圧縮し、例えば、1.5Mpaの圧縮空気A1,A2を生成する。SOFC13における空気極の圧力損失が、例えば、0.1Mpaとすると、ブロワ33は、1.5Mpaの圧縮空気A2を0.1Mpaだけ昇圧して1.6Mpaとし、第2圧縮空気供給ライン31から空気極に供給する。すると、1.6Mpaの圧縮空気A2は、空気極で発電に使用されることで0.1Mpaの圧力損失を受け、1.5Mpaの排空気A3として排出される。この1.5Mpaの排空気A3は、排空気供給ライン36から燃焼器22に供給される。このとき、圧縮機21が生成した圧縮空気A1は、1.5Mpaであることから、圧縮空気A1と排空気A3が同圧となる。燃焼器22は、同圧の圧縮空気A1と排空気A3が供給されることとなり、安定して運転される。
【0051】
また、SOFC13の燃料極は、例えば、1.6Mpaの燃料ガスL2が第2燃料ガス供給ライン41から供給され、0.1Mpaの圧力損失を受け、1.5Mpaの排燃料ガスL3として排出される。一方、ガスタービン11の燃焼器22における燃料噴射ノズルの圧力損失が、例えば、0.4Mpaとすると、ブロワ48は、1.5Mpaの排燃料ガスL3を0.4Mpaだけ昇圧して1.9Mpaとし、排燃料ガス供給ライン45から燃焼器22に供給する。すると、1.9Mpaの排燃料ガスL3は、燃焼器22で噴射されることで0.4Mpaの圧力損失を受け、1.5Mpaの排燃料ガスL3となる。この1.5Mpaの排燃料ガスL3は、第1圧縮空気供給ライン26からの圧縮空気A1及び排空気供給ライン36からの排空気A3と同圧となる。燃焼器22は、同圧の圧縮空気A1と排空気A3と排燃料ガスL3が供給されることとなり、安定して運転される。
【0052】
そのため、SOFC13は、空気極に1.6Mpaの圧縮空気A2が供給され、燃料極に1.6Mpaの燃料ガスL2が供給されることから、空気極と燃料極の圧力がほぼ同圧に維持される。
【0053】
また、SOFC13では、燃料極から排出された排燃料ガスL3が燃料ガス再循環ライン49により燃料極に戻されており、排燃料ガスL3の循環量(圧力)は、再循環ブロワ50により制御される。燃焼器に供給する排燃料ガスL3の量に対して、圧縮機21から空気極に供給される圧縮空気A2の量は極めて多い。そのため、この大量の圧縮空気A2をブロワ33で高い圧力まで昇圧することは多くの動力を要するので、ブロワ33は、空気極の圧力損失分だけを昇圧する。一方、圧縮空気A2に対して少量の燃料ガス(排燃料ガス)は、ブロワ48により圧縮空気A2よりも少ない動力で昇圧可能であることから、ここで、燃焼器22の圧力損失分を昇圧することで、より少ない動力でSOFC13における空気極と燃料極の圧力をほぼ同圧に維持することができる。また、SOFC13の運転に応じて排燃料ガスL3の圧力変動があったとき、ブロワ48の吐出ガス量をブロワ48もしくは制御弁47で制御する。また、過渡的な変動の場合はブロワ48で調整せずに、再循環ブロワ50または燃料ガス再循環ライン49に設置した制御弁40により調整することもできる。制御装置61は、ブロワ33を燃料電池での発電に必要な空気流量(酸化性ガス流量)を供給する制御を行い、ブロワ48の吐出ガス量をブロワ48もしくは制御弁47による調整を行うことで、さらに、過渡的な変動に対しては再循環ブロワ50による排燃料ガスL3の循環量もしくは燃料ガス再循環ライン49の制御弁40による調整を併用することで、SOFC13における空気極に対して燃料極の圧力がほぼ同圧となるように制御する。
【0054】
この場合、制御装置61は、第1検出器62が検出したSOFC13の空気極の圧力と、第2検出器63が検出したSOFC13の燃料極の圧力が入力しており、この空気極の圧力と燃料極の圧力がほぼ同圧となるように、各ブロワ33,48,50を駆動制御する。
【0055】
なお、制御装置61は、制御弁32,47の開度も制御可能となっている。
【0056】
このように実施例1の発電システムにあっては、圧縮機21と燃焼器22を有するガスタービン11と、空気極及び燃料極を有するSOFC13と、圧縮機21で圧縮した一部の圧縮空気A2を空気極に供給する第2圧縮空気供給ライン31と、第2圧縮空気供給ライン31に設けられるブロワ33と、空気極から排出される排空気A3を燃焼器22に供給する排空気供給ライン36と、燃料極から排出される排燃料ガスL3を燃焼器22に供給する排燃料ガス供給ライン45と、排燃料ガス供給ライン45に設けられるブロワ48と、空気極の圧力と燃料極の圧力が均一化されるように各ブロワ33,48を駆動制御する制御装置61とを設けている。
【0057】
従って、ガスタービンの燃焼器入口での燃料ガス圧力と酸化性ガス圧力が相違することを考慮して、燃料電池を経由し、排燃料ガス供給ラインと排酸化性ガス供給ラインを介して供給される燃料ガスの圧力と酸化性ガスの圧力を適正に調整することで、ガスタービンと燃料電池とを効率的に連携運転することが可能となり、発電効率を向上することができる。
【0058】
実施例1の発電システムでは、制御装置61は、ブロワ33を駆動制御することで圧縮機21からの圧縮空気A2を所定圧力まで昇圧して空気極に供給する一方、ブロワ48を駆動制御することで燃料極からの排燃料ガスL3を昇圧して燃焼器22に供給している。従って、圧縮空気A2を昇圧して空気極に供給することで、空気極で圧力損失が発生してもSOFC13を適正に運転することができ、また、排燃料ガスL3を昇圧して燃焼器22に供給することで、燃焼器22で圧力損失が発生してもガスタービン11を適正に運転することができる。
【0059】
実施例1の発電システムでは、制御装置61は、ブロワ33を駆動制御することで、圧縮機21からの圧縮空気A2を空気極での圧力損失分だけ昇圧している。従って、空気極から圧力損失を受けて排出された排空気L3の圧力は、圧縮機21で圧縮した圧縮空気A2の圧力と同等となり、排空気L3を適正に燃焼器22に戻すことができ、燃焼器22を安定して運転することができる。
【0060】
実施例1の発電システムでは、燃料極から排出される排燃料ガスL3を燃料極に戻す燃料ガス再循環ライン49を設けると共に、燃料ガス再循環ライン49に再循環ブロワ50を設け、制御装置61は、再循環ブロワ50を駆動制御することで、燃料極の圧力を調整している。従って、ブロワ48を定格運転で運転する一方で、再循環ブロワ50を駆動制御することで、燃料極に循環する排燃料ガスL3の圧力を調整するため、燃料極の圧力と燃焼器22に供給する排燃料ガスL3の圧力を容易に適正圧力に調整することができる。
【0061】
実施例1の発電システムでは、空気極の圧力を検出する第1検出器62と、燃料極の圧力を検出する第2検出器63とを設け、制御装置61は、第1検出器62により検出された空気極の圧力と第2検出器63により検出された燃料極の圧力が同圧もしくは規定の差圧となるように各ブロワ33,48を駆動制御している。従って、空気極の圧力と燃料極の圧力を用いてフィードバック制御することで、この空気極の圧力と燃料極の圧力を高精度に調整することができる。
【0062】
また、実施例1の発電システムの運転方法にあっては、圧縮機21で圧縮した圧縮空気A1をガスタービン11の燃焼器22に供給する工程と、燃料ガスL1を燃焼器22に供給する工程と、圧縮機21で圧縮した一部の圧縮空気A2をSOFC13の空気極に供給する工程と、燃料ガスL2をSOFC13の燃料極に供給する工程と、空気極から排出される排空気L3を燃焼器22に供給する工程と、燃料極から排出される排燃料ガスを燃焼器22に供給する工程と、空気極の圧力と燃料極の圧力が均一化されるように空気極に供給される圧縮空気の圧力と燃焼器22に供給される排燃料ガスの圧力を調整する工程とを有している。
【0063】
従って、ガスタービンの燃焼器入口での燃料ガス圧力と酸化性ガス圧力が相違することを考慮して、燃料電池を経由し、排燃料ガス供給ラインと排酸化性ガス供給ラインを介して供給される燃料ガスの圧力と酸化性ガスの圧力を適正に調整することで、ガスタービンと燃料電池とを効率的に連携運転することが可能となり、発電効率を向上することができる。
【実施例2】
【0064】
図3は、本発明の実施例2に係る発電システムにおける圧縮空気と燃料ガスの圧力制御を表す概略図である。なお、上述した実施例と同様の機能を有する部材には、同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
【0065】
実施例2の発電システムにおいて、図3に示すように、SOFC13は、第1圧縮空気供給ライン26から分岐した第2圧縮空気供給ライン31が連結され、圧縮機21が圧縮した一部の圧縮空気A2を空気極の導入部に供給することができる。この第2圧縮空気供給ライン31は、供給する空気量を調整可能な制御弁32と、圧縮空気A2を昇圧可能なブロワ33とが空気の流れ方向に沿って設けられている。
【0066】
また、第2圧縮空気供給ライン31は、ブロワ33より空気の流れ方向の上流側、つまり、制御弁32とブロワ33との間に再生熱交換器71と冷却器72が設けられている。即ち、第2圧縮空気供給ライン31にて、制御弁32より空気の流れ方向の下流側に再生熱交換器71が設けられ、再生熱交換器71がより下流側に冷却器72が設けられ、冷却器72より下流側にブロワ33が設けられている。冷却器72は、圧縮機21が圧縮した一部の圧縮空気A2と、冷却ライン73を流れる冷却水との間で熱交換を行うことで、圧縮空気A2を冷却する。再生熱交換器71は、圧縮機21が圧縮した一部の圧縮空気A2と、冷却器72で冷却されてブロワ33で昇圧された圧縮空気A2との間で熱交換を行うことで、空気極に供給される圧縮空気A2を加熱する。なお、再生熱交換器及びブロワ(昇圧機)33に対する制御弁32の配置は図3の配置に限定されることはなく、ブロワ(昇圧機)、制御弁又は再生熱交換器の形式によっては順序を逆にして配置しても良い。
【0067】
即ち、圧縮機21は、圧縮した圧縮空気Aのうち一部の圧縮空気A2を第2圧縮空気供給ライン31に送り出す。この圧縮空気A2は、まず、冷却器72で冷却されてからブロワ33に送られ、このブロワ33により昇圧される。冷却後に昇圧された圧縮空気A2は、再生熱交換器71で冷却器72により冷却される前の圧縮空気A2により加熱される。そして、加熱後の圧縮空気A2は、第2圧縮空気供給ライン31からSOFC13の空気極に供給される。
【0068】
このように実施例2の発電システムにあっては、第2圧縮空気供給ライン31におけるブロワ33より空気の流れ方向の上流側に冷却器72を設けている。従って、圧縮機21で圧縮された圧縮空気A2は、冷却器72により冷却してからブロワ33により昇圧することで、このブロア33の駆動力を低減することができる。
【0069】
また、圧縮空気A2は、冷却器72により冷却してブロワ33により昇圧された後、再生熱交換器71により加熱されてから空気極に供給される。従って、SOFC13の昇温遅れを抑制することができる。
【実施例3】
【0070】
図4は、本発明の実施例3に係る発電システムを表す概略構成図である。なお、上述した実施例と同様の機能を有する部材には、同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
【0071】
実施例3の発電システムにおいて、図4に示すように、発電システム10は、ガスタービン11及び発電機12と、SOFC13と、蒸気タービン14及び発電機15とを有している。
【0072】
SOFC13は、第1圧縮空気供給ライン26から分岐した第2圧縮空気供給ライン31が連結され、圧縮機21が圧縮した一部の圧縮空気A2を空気極の導入部に供給することができる。この第2圧縮空気供給ライン31は、制御弁32とブロワ33が設けられている。SOFC13は、空気極で用いられた排空気A3を排出する排空気ライン34が連結され、排出ライン35と排空気供給ライン36に分岐され、それぞれ制御弁37、遮断弁38、制御弁39が設けられている。なお、制御弁32とブロワ(昇圧機)33の配置は図1の配置に限定されることはなく、ブロワ(昇圧機)や制御弁の形式によって順序を逆にして配置しても良い。また、遮断弁38と制御弁39も逆にして配置しても良い。
【0073】
また、SOFC13は、燃料ガスL2を燃料極の導入部に供給する第2燃料ガス供給ライン41が設けられ、制御弁42が設けられている。SOFC13は、排燃料ガスL3を排出する排燃料ライン43が連結され、排出ライン44と排燃料ガス供給ライン45に分岐され、それぞれ制御弁46,47が設けられている。SOFC13は、排燃料ガスを循環する燃料ガス再循環ライン49が設けられ、再循環ブロワ50が設けられている。
【0074】
実施例3の発電システム10にて、制御装置は、SOFC13における空気極の圧力と燃料極の圧力が均一化されるように各ブロワ33,50を駆動制御すると共に、制御弁39,47を開閉制御する。即ち、制御装置は、ブロワ33を駆動制御することで圧縮機21からの圧縮空気A2を所定圧力まで昇圧して空気極に供給する一方、ブロワ50を駆動制御すると共に制御弁39を開閉制御することで、空気極からの排酸化性ガスを減圧し、制御弁47を開閉制御することで燃料極からの排燃料ガスを減圧して燃焼器22に供給する。
【0075】
具体的に、制御装置は、ブロワ33を駆動制御することで、圧縮機21からの圧縮空気A2を空気極での圧力損失分以上昇圧する。また、制御装置は、ブロワ50を駆動制御することで、燃料極からの排燃料ガスL3を燃料極での圧力損失分以上昇圧する。また、制御装置は、制御弁39を開閉制御することで、空気極からの排酸化性ガスA3を燃焼器(空気側)22での圧力損失分を考慮して減圧し、制御弁47を開閉制御することで、燃料極からの排燃料ガスL3を燃焼器(燃料噴射ノズル)22での圧力損失分を考慮して減圧する。
【0076】
具体的に説明すると、ガスタービン11の圧縮機21は、空気Aを圧縮し、例えば、1.5Mpaの圧縮空気A1,A2を生成する。SOFC13における空気極の圧力損失が、例えば、0.1Mpaとすると、ブロワ33は、1.5Mpaの圧縮空気A2を0.5Mpa以上昇圧して2.0Mpaとし、第2圧縮空気供給ライン31から空気極に供給する。すると、2.0Mpaの圧縮空気A2は、空気極で発電に使用されることで0.1Mpaの圧力損失を受け、1.9Mpaの排空気A3として排出される。この1.9Mpaの排空気A3は、制御弁39により調圧されて1.5Mpaの排空気A3として排空気供給ライン36から燃焼器22に供給される。このとき、圧縮機21が生成した圧縮空気A1は、1.5Mpaであることから、圧縮空気A1と排空気A3が同圧となる。燃焼器22は、同圧の圧縮空気A1と排空気A3が供給されることとなり、安定して運転される。
【0077】
また、SOFC13の燃料極は、例えば、2.0Mpaの燃料ガスL2が第2燃料ガス供給ライン41から供給され、0.1Mpaの圧力損失を受け、1.9Mpaの排燃料ガスL3として排出される。一方、ガスタービン11の燃焼器22における燃料噴射ノズルの圧力損失が、例えば、0.4Mpaとすると、制御弁47は、1.9Mpaの排燃料ガスL3をそのまま、排燃料ガス供給ライン45から燃焼器22に供給する。すると、1.9Mpaの排燃料ガスL3は、燃焼器22で噴射されることで0.4Mpaの圧力損失を受け、1.5Mpaの排燃料ガスL3となる。この1.5Mpaの排燃料ガスL3は、第1圧縮空気供給ライン26からの圧縮空気A1及び排空気供給ライン36からの排空気A3と同圧となる。燃焼器22は、同圧の圧縮空気A1と排空気A3と排燃料ガスL3が供給されることとなり、安定して運転される。
【0078】
また、SOFC13の燃料極から排出された1.9Mpaの排燃料ガスL3は、再循環ブロワ50により2.0Mpaまで昇圧されてSOFC13の燃料極に戻される。すると、2.0Mpaの排燃料ガスL3は、第2燃料ガス供給ライン41から燃料極に供給される2.0Mpaの燃料ガスL2と同圧となり、SOFC13は、同圧の燃料ガスL2と排燃料ガスL3が供給されることとなり、安定して運転される。
【0079】
そのため、SOFC13は、空気極に2.0Mpaの圧縮空気A2が供給され、燃料極に2.0Mpaの燃料ガスL2及び排燃料ガスL3が供給されることから、空気極と燃料極の圧力がほぼ同圧に維持される。
【0080】
このように実施例3の発電システムにあっては、第2圧縮空気供給ライン31に設けられるブロワ33と、排空気供給ライン36に設けられる制御弁38と、排燃料ガス供給ライン45に設けられる制御弁47と、燃料ガス再循環ライン49に設けられる再循環ブロワ50と、空気極の圧力と燃料極の圧力が均一化されるように各ブロワ33,50及び制御弁39,47を駆動制御する制御装置とを設けている。
【0081】
従って、ガスタービンの燃焼器入口での燃料ガス圧力と酸化性ガス圧力が相違することを考慮して、燃料電池を経由し、排燃料ガス供給ラインと排酸化性ガス供給ラインを介して供給される燃料ガスの圧力と酸化性ガスの圧力を適正に調整することで、ガスタービンと燃料電池とを効率的に連携運転することが可能となり、発電効率を向上することができる。
【0082】
なお、上述した実施例にて、SOFC13燃料極からの排燃料ライン43に排燃料ガス供給ライン45を連結すると共に、排燃料ライン43と第2燃料ガス供給ライン41を燃料ガス再循環ライン49により連結したが、この構成に限定されるものではない。例えば、燃料ガス再循環ライン49における再循環ブロワ50より排燃料ガスL3の流れ方向の下流側に排燃料ガス供給ライン45を連結してもよい。また、ブロワ(酸化性ガス昇圧機)33の昇圧幅が増加する場合は、実施例2と同様に再生熱交換器、冷却器を設置することで、ブロワ33の動力を低減しても良い。
【符号の説明】
【0083】
10 発電システム
11 ガスタービン
12 発電機
13 固体酸化物形燃料電池(SOFC)
14 蒸気タービン
15 発電機
21 圧縮機
22 燃焼器
23 タービン
26 第1圧縮空気供給ライン(第1圧縮酸化性ガス供給ライン)
27 第1燃料ガス供給ライン
31 第2圧縮空気供給ライン(第2圧縮酸化性ガス供給ライン)
32 制御弁
33 ブロワ(酸化性ガス昇圧機)
34 排空気ライン
36 排空気供給ライン(排酸化性ガス供給ライン)
38 遮断弁
39 制御弁
40 制御弁
41 第2燃料ガス供給ライン
42 制御弁
43 排燃料ライン
45 排燃料ガス供給ライン
47 制御弁
48 ブロワ(排燃料ガス昇圧機)
49 燃料ガス再循環ライン
50 再循環ブロワ(再循環送風機)
61 制御装置(制御部)
62 第1検出器
63 第2検出器
71 再生熱交換器
72 冷却器
図1
図2
図3
図4