特許第6049444号(P6049444)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6049444
(24)【登録日】2016年12月2日
(45)【発行日】2016年12月21日
(54)【発明の名称】粒子状物質センサユニット
(51)【国際特許分類】
   F01N 3/023 20060101AFI20161212BHJP
   F01N 3/00 20060101ALI20161212BHJP
   G01N 27/60 20060101ALI20161212BHJP
   G01N 27/61 20060101ALI20161212BHJP
【FI】
   F01N3/023 K
   F01N3/00 F
   G01N27/60 D
   G01N27/61
【請求項の数】16
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2012-282436(P2012-282436)
(22)【出願日】2012年12月26日
(65)【公開番号】特開2014-84862(P2014-84862A)
(43)【公開日】2014年5月12日
【審査請求日】2015年7月16日
(31)【優先権主張番号】10-2012-0119183
(32)【優先日】2012年10月25日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】591251636
【氏名又は名称】現代自動車株式会社
【氏名又は名称原語表記】HYUNDAI MOTOR COMPANY
(73)【特許権者】
【識別番号】500518050
【氏名又は名称】起亞自動車株式会社
【氏名又は名称原語表記】KIA MOTORS CORPORATION
(73)【特許権者】
【識別番号】508298075
【氏名又は名称】ソウル大学校産学協力団
【氏名又は名称原語表記】SEOUL NATIONAL UNIVERSITY R&DB FOUNDATION
(74)【代理人】
【識別番号】100117787
【弁理士】
【氏名又は名称】勝沼 宏仁
(74)【代理人】
【識別番号】100107582
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 毅
(74)【代理人】
【識別番号】100127465
【弁理士】
【氏名又は名称】堀田 幸裕
(74)【代理人】
【識別番号】100176094
【弁理士】
【氏名又は名称】箱田 満
(72)【発明者】
【氏名】イ、ジン、ハ
(72)【発明者】
【氏名】リム、セラ
(72)【発明者】
【氏名】ジャン、クンホ
(72)【発明者】
【氏名】チュン、ククジン
(72)【発明者】
【氏名】ジョン、ジン‐ウー
【審査官】 石川 貴志
(56)【参考文献】
【文献】 特開2011−141209(JP,A)
【文献】 特開2002−365263(JP,A)
【文献】 特開2012−047596(JP,A)
【文献】 特開2011−080781(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F01N 3/00
F01N 3/023
G01N 27/60−27/61
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
排気ガスが通過する排気ライン;及び
前記排気ラインの一側に設置されて、前記排気ガスに含まれている電荷を帯びた粒子状物質が付近を通る時、前記粒子状物質によって電荷が発生する静電誘導方式のセンサ;
を含み、
前記センサには、
前記粒子状物質を含む前記排気ガスの流路中に配置される前面に電極部が形成され、
前記電極部は、排気ガスが流れる方向と交差する方向に突出し、前記電極部の間に溝が形成されていることを特徴とする、粒子状物質センサユニット
【請求項2】
前記電極部は、排気ガスが流れる方向と垂直に形成されることを特徴とする、請求項に記載の粒子状物質センサユニット。
【請求項3】
前記電極部の幅は20nmであり、前記溝の幅は20nm乃至120nmの範囲に含まれる一つの値であり、高さは20nm乃至数百nmであることを特徴とする、請求項に記載の粒子状物質センサユニット。
【請求項4】
前記電極部の先端面から前記溝方向に傾いた傾斜面が形成されることを特徴とする、請求項に記載の粒子状物質センサユニット。
【請求項5】
前記傾斜面は、前記前面と50度乃至60度を形成することを特徴とする、請求項に記載の粒子状物質センサユニット。
【請求項6】
前記傾斜面によって前記電極部の断面は梯形であることを特徴とする、請求項に記載の粒子状物質センサユニット。
【請求項7】
前記傾斜面によって前記電極部の断面は三角形であることを特徴とする、請求項に記載の粒子状物質センサユニット。
【請求項8】
排気ガスが通過する排気ライン;及び
前記排気ラインの一側に設置されて、前記排気ガスに含まれている電荷を帯びた粒子状物質が付近を通る時、前記粒子状物質によって電荷が発生する静電誘導方式のセンサ;
を含み、
前記センサには、前記粒子状物質を含む前記排気ガスの流路中に配置される前面に電極部が形成され、
前記電極部は、前記前面で突出した柱形態あることを特徴とする、粒子状物質センサユニット
【請求項9】
前記突出部の側面には、その幅が先端部から前記前面方向に広くなる傾斜面が形成されることを特徴とする、請求項に記載の粒子状物質センサユニット。
【請求項10】
前記電極部の断面は梯形であることを特徴とする、請求項に記載の粒子状物質センサユニット。
【請求項11】
前記電極部の断面は三角形であることを特徴とする、請求項に記載の粒子状物質センサユニット。
【請求項12】
排気ガスが通過する排気ライン;及び
前記排気ラインの一側に設置されて、前記排気ガスに含まれている電荷を帯びた粒子状物質が付近を通る時、前記粒子状物質によって電荷が発生する静電誘導方式のセンサ;
を含み、
前記センサには、前記粒子状物質を含む前記排気ガスの流路中に配置された前面に電極部が形成され、
前記電極部は、柱形態に凹んだ溝を形成されていることを特徴とする、粒子状物質センサユニット
【請求項13】
前記溝は、直六面体形態であることを特徴とする、請求項12に記載の粒子状物質センサユニット。
【請求項14】
前記溝は、前記前面から前記溝の内側面にその幅が狭くなる梯形であることを特徴とする、請求項12に記載の粒子状物質センサユニット。
【請求項15】
排気ガスが通過する排気ライン;及び
前記排気ラインの一側に設置されて、前記排気ガスに含まれている電荷を帯びた粒子状物質が付近を通る時、前記粒子状物質によって電荷が発生する静電誘導方式のセンサ;
を含み、
前記センサには、
前記粒子状物質を含む前記排気ガスの流路中に配置される前面に電極部が形成され、
前記電極部は、柱形態に突出して、その外径は10nm以下のナノワイヤータイプであることを特徴とする、粒子状物質センサユニット。
【請求項16】
前記センサの上流側にディーゼル煤煙フィルター(DPF)が設置され、前記センサは前記ディーゼル煤煙フィルターから排出される粒子状物質によって電荷信号を発生させ、その発生した電荷信号によって前記ディーゼル煤煙フィルターの破損を判断する制御部;をさらに含むことを特徴とする、請求項1〜15のいずれか一項に記載の粒子状物質センサユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、排気ガスに含まれている粒子状物質(煤煙)をフィルタリングする煤煙フィルターの破損を精密で効果的に感知し、このような信号を制御部に送信する粒子状物質センサユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
ディーゼル自動車には煤煙を減少させるためのディーゼル煤煙フィルター(DPF:diesel particulate filter)が適用されており、このようなディーゼル煤煙フィルターに捕集される煤煙の量を感知するために差圧センサが適用される。
今後、排気ガスの規制によって、既存の差圧センサを利用して前記ディーゼル煤煙フィルターに捕集される粒子状物質の感知精密度が落ちる可能性があり、前記ディーゼル煤煙フィルターの破損も感知するのが容易でない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の目的は、煤煙フィルターの後端にスリップされる煤煙の量を精密に感知し、これを利用して煤煙フィルターに捕集される煤煙量と破損の有無を精密に感知する粒子状物質センサユニットを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上述のように、本発明の実施例による粒子状物質センサユニットは、排気ガスが通過する排気ライン、及び前記排気ラインの一側に設置されて、前記排気ガスに含まれている電荷を帯びた粒子状物質が付近を通る時、前記粒子状物質によって電荷が発生する静電誘導方式のセンサを含み、前記センサには、前記粒子状物質と隣接した前面に形成される電極部が形成される。
【0005】
前記電極部は、排気ガスが流れる方向と交差する方向に突出する溝タイプであってもよい。
前記電極部は、排気ガスが流れる方向と垂直に形成されてもよい。
前記電極部の幅は20nmであり、前記溝の幅は20乃至120nmの範囲に含まれる一つの値であり、高さは20nm乃至数百nmであってもよい。
前記電極部の先端面から前記溝方向に傾いた傾斜面が形成されてもよい。
前記傾斜面は、前記前面と50度乃至60度を形成してもよい。
前記傾斜面によって前記電極部の断面は梯形であってもよい。
前記傾斜面によって前記電極部の断面は三角形であってもよい。
前記電極部は、前記前面で柱形態に突出する柱タイプであってもよい。
前記突出部の側面には、その幅が先端部から前記前面方向に広くなる傾斜面が形成されてもよい。
【0006】
前記電極部の断面は梯形であってもよい。
前記電極部は、柱形態に凹んだ溝によって形成されてもよい。
前記溝は、直六面体形態であってもよい。
前記溝は、先端面から前記前面にその幅が狭くなる梯形であってもよい。
前記電極部は、柱形態に突出して、その外径は10nm以下のナノワイヤータイプであってもよい。
【発明の効果】
【0007】
上述のように、本発明の実施例による粒子状センサユニットは、このような目的を達成するための本発明の実施例によって、ディーゼル煤煙フィルター(DPF)の煤煙(soot)のような粒子状物質の捕集量や、排気ガスに含まれている粒子状物質の量を精密に判断することによって、強化される排気ガス規制に効果的に対応することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の実施例による差圧に応じたディーゼル煤煙フィルターに捕集された粒子状物質の量を示すグラフである。
図2】本発明の実施例による粒子状物質センサが排気ラインに配置された状態を示す概略的な内部斜視図である。
図3】本発明の実施例によるセンサと粒子状物質との距離変化によってセンサユニットで発生する電荷量を示すグラフである。
図4】本発明の実施例による粒子状物質センサの前面を示す斜視図である。
図5】本発明の実施例による粒子状物質センサの後面を示す斜視図である。
図6】本発明の実施例による粒子状物質センサの表面とその周囲の排気ガス流れを示す側面図である。
図7】本発明の実施例による粒子状物質センサの表面の一部詳細側断面図である。
図8】本発明の実施例による粒子状物質センサの表面形態を示す斜視図である。
図9】本発明の実施例による粒子状物質センサの表面に形成された溝と突起の幅の間の比率による等電位面線を示すグラフである。
図10】(a)、(b)、及び(c)は、本発明の実施例による粒子状物質センサの表面に形成されたグルーブタイプの溝を示す斜視図である。
図11】(a)、(b)、及び(c)は本発明の実施例による粒子状物質センサの表面に形成された溝の他の形態を示す斜視図である。
図12】本発明の実施例による粒子状物質センサの表面に形成された溝の形態による信号を示すグラフである。
図13】本発明の実施例によるセンサが備わる排気システムの概略的な構成図である。
図14】本発明の実施例による粒子状物質センサの種々の表面形態を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の好ましい実施例について、添付した図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明の実施例による差圧に応じたディーゼル煤煙フィルターに捕集された粒子状物質の量を示すグラフであり、図2は、本発明の実施例による粒子状物質センサが排気ラインに配置された状態を示す概略的な内部斜視図であり、図3は、本発明の実施例によるセンサと粒子状物質との距離変化によってセンサで発生する電荷量を示すグラフであり、図4は本発明の実施例による粒子状物質センサの前面を示す斜視図である。
【0010】
図1を参照すれば、横軸は差圧の大きさを示し、縦軸は捕集効率を示す。
中間の第1領域140は、次第に強化されるセンサユニットの差圧領域であり、第2領域12は、一般的な差圧センサが感知できるディーゼル煤煙フィルターの捕集効率が50%以下である領域である。同時に、第3領域10は、ディーゼル煤煙フィルターが破損されて、捕集効率が0に近い領域である。
【0011】
図示したように、既存の差圧センサは、捕集効率と差圧側面から敏感度が劣り、感知領域が限定されて、新たなタイプの差圧センサまたは粒子状物質センサが必要である。
図2及び図4を参照すれば、排気ライン100の内部に排気ガスが流れ、排気ガスの中には粒子状物質110が含まれている。
【0012】
前記粒子状物質110は、センサ120(PM:particulate matters sensor)を隣接して通過するようになり、前記粒子状物質110が通ることによって前記センサ120は信号を発生させる。
前記センサ120で信号が発生する要因は、帯電した粒子状物質が通過する時、前記センサ120に誘導される電荷によって発生する。
【0013】
一般的に、帯電した粒子によって生成する電場は、次の式で示される。
【数1】
Qは、帯電粒子が有する電荷量であり、rは、帯電粒子から離れた距離である。また、εは、真空中での誘電率である。
【0014】
センサ電極界面で帯電粒子状物質による電場値と同一の大きさの表面電荷がセンサ電極に発生するようになる。この誘導された電荷はラプラス方程式で解ける。直交座標系において、zが0である平面に置かれた導体平板に対して、Q値の電荷量を有する帯電点電荷が(0、0、d)に置かれている時、点電荷によって生成される電位及び誘導される表面電荷密度は、次の式の通りである。
【数2】
【0015】
距離xに対して、帯電粒子によってセンシング電極に誘導される誘導電荷量をグラフに表現すれば、帯電粒子と電極間の距離変化によって、下のグラフに示すようにパルス形態の信号が発生するようになる。
【0016】
図3を参照すれば、センサと粒子状物質の距離xによる誘導された電荷信号グラフを示す。
図4を参照すれば、前記センサ120は、シリコン電極層330及び絶縁層340で形成される。
【0017】
前記シリコン電極層330は、中間で設定された厚さに形成され、前記シリコン電極層330の前面300と後面310に、前記絶縁層340が薄く形成される構造である。
前記絶縁層340は、前記シリコン電極層330の上に形成される酸化物層342(Oxide)、及び前記酸化物層342の上に形成される窒化物層344(Nitride)を含む。
【0018】
前記センサ120の前面300には四角形で突出した電極部320が形成され、前記電極部320は幅方向に第1距離D1を有して形成され、長さ方向に第2距離D2を有して形成される。
前記第1距離D1と前記第2距離D2は、設計仕様によって多様に可変する。同時に、前記突出部320が突出した高さも、設計仕様によって多様に適用できる。
【0019】
本発明の実施例において、前記電極部320は、前記センサの前面から突出して形成されることによって、その形状は直六面体、正六面体、球形、三角錐、四角錐、及び円錐ののいずれか一つの一部分の形態を有するように形成してもよい。
【0020】
前記センサ120の後面310については、図5を参照して説明する。
図5は、本発明の実施例による粒子状物質センサの後面を示す斜視図である。
図5を参照すれば、前記センサ120の後面の一側には前記絶縁層340が形成され、他側には前記絶縁層340が形成されない。
【0021】
前記絶縁層340の上にヒータ電極400が形成され、図示したように、前記ヒータ電極400はジグザグ状で「己」字状を有する部分を含む。
前記絶縁層340が形成されていない部分には、前記シリコン電極層330と直接的に電気的に接続するセンシング電極パッド410が形成される。
本発明の実施例において、前記シリコン電極層330は、シリコンウエハーと類似する材質でSi成分を含み、前記ヒータ電極400と前記センシング電極パッド410は、電気がよく通って、耐久性の高い白金(Pt)成分で形成される。
【0022】
図6は、本発明の実施例による粒子状物質センサの表面と、その周囲の排気ガス流れを示す側面図である。
図6を参照すれば、前記センサ120には、排気ガスの流れ方向に設定された間隔を有して、前面300から突出して電極部320が形成され、前記電極部320と前記電極部320の間に溝の形態に沿って等電位線(面)が形成される。
【0023】
図7は、本発明の実施例による粒子状物質センサの表面の一部詳細側断面図である。図7を参照すれば、溝形態の電極部の断面を示す。
図8は、本発明の実施例による粒子状物質センサの表面形態を示す斜視図である。図8を参照すれば、前記センサ120には長さ方向と垂直方向にグルーブ800が形成され、前記グルーブ800は、長さ方向に設定された間隔を有して配列される。そして、前記グルーブ800の間に電極部320が突出して形成される。
【0024】
図9は、本発明の実施例による粒子状物質センサの表面に形成された溝と突起の幅の間の比率による等電位面線を示すグラフである。
図9を参照すれば、横軸は、前記電極部320の幅Wと溝の幅Sの間の比(ratio)を示し、縦軸は、等電位面積(area of equipotential)の大きさを示す。
【0025】
図10の(a)、(b)、及び(c)は、本発明の実施例による粒子状物質センサユニットの表面に形成されたグルーブタイプの溝を示す斜視図である。
図10の(a)、(b)、(c)を参照すれば、前記センサ120の前面には排気ガスの流れ方向と垂直な突出形態の電極部320が形成され、前記電極部320の間にグルーブ800(groove)が形成される。
同時に、前記電極部320の幅と高さは全て20μmであり、前記電極部320の間の幅は、(a)で20μm、(b)で40μm、(c)で60μmである。つまり、前記グルーブ800の幅は、(a)で20μm、(b)で40μm、(c)で60μmである。
【0026】
図11の(a)、(b)、及び(c)は、本発明の実施例による粒子状物質センサの表面に形成された溝の他の形態を示す斜視図である。
図11の(a)を参照すれば、設定された幅W、距離s、及び高さhを有する電極部320を示す。
ここで、センサ120の前面に形成される前記電極部320は、排気ガスの流れ方向と垂直な方向に連続的に形成され、溝(groove、グルーブ)タイプである。ここで、幅Wと高さhは20μmに設定され、距離sは20μm 、40μm 、60μmなどに変更して製作してもよい。
図11の(b)を参照すれば、設定された幅w、距離s、及び高さhを有する電極部320を示す。
ここで、前記センサ120の前面に形成される前記電極部320は、柱タイプ(pillar type)である。ここで、幅Wと高さhは20μmに設定され、距離sは20μm 、40μm 、60μmなどに変更して製作してもよい。
図11の(c)を参照すれば、設定された幅W、距離s、及び高さhを有する電極部320を示す。
ここで、前記センサ120の前面に形成される前記電極部320は、溝102が柱形態(pillar type)に凹んだポアタイプ(pore type)である。
幅Wと高さhは20μmに設定され、距離sは20μm 、40μm、60μmなどに変更して制作してもよい。
【0027】
図12は、本発明の実施例による粒子状物質センサの表面に形成された溝の形態による信号を示すグラフである。
図12を参照すれば、横軸は、粒子状物質の密度(mg/m)を示し、縦軸は、センサのタイプによって発生する信号の大きさを示す。
ここで、センサ120のタイプは、図11で説明された溝タイプ、柱タイプ、及びポアタイプを含む。図示したように、溝タイプでセンサ信号が大きくて意味がある。
同時に、幅W及び距離sは10μmに設定され、高さhは40μmに設定されてもよい。
【0028】
図13は、本発明の実施例によるセンサが備わる排気システムの概略的な構成図である。
図13の(a)及び(b)を参照すれば、排気システムは、エンジン130、排気ライン100、ディーゼル煤煙フィルター132、センサ120、及びガス分析器134を含む。
図13の(a)において、前記ディーゼル煤煙フィルター132を通過する前の排気ガスは、同時に前記センサ120と前記ガス分析器134に供給される。したがって、前記ディーゼル煤煙フィルター132を通過する前の排気ガスの特性を前記センサ120と前記ガス分析器134で感知して、前記センサ120の信号特性を分析することができる。
図13の(b)において、前記ディーゼル煤煙フィルター132を通過した排気ガスは、同時に前記センサ120と前記ガス分析器134に供給される。したがって、前記ディーゼル煤煙フィルター132を通過した排気ガスの特性を前記センサ120と前記ガス分析器134で感知して、前記センサ120の信号特性を分析することができる。
【0029】
図14は、本発明の実施例による粒子状物質センサの種々の表面形態を示す斜視図である。
図14の(a)は、柱タイプの電極部320を有するセンサを示し、前記柱タイプの電極部320の側面には傾斜面142が形成される。前記傾斜面142は、先端面に向かうほど前記電極部320の幅が狭くなるように形成される。
図14の(b)は、ナノワイヤータイプの電極部320を有するセンサ120を示し、前記ナノワイヤータイプの電極部320は、直径d、及び高さhを有し、これらの間に距離sが形成される。
図14の(c)は、溝タイプの電極部320を有するセンサを示し、前記溝タイプの電極部320には側面に傾斜面142が形成される。前記傾斜面142によって前記電極部320の断面は梯形状を有する。
図14の(d)は、溝タイプの電極部320を有するセンサを示し、前記溝タイプの電極部320には側面に傾斜面142が形成される。前記傾斜面142によって前記電極部320の断面は三角形状を有する。
図14の(e)は、ポアタイプの電極部320を有するセンサ120を示し、前記ポアタイプの溝102には内側面に傾斜面142が形成される。前記傾斜面142によって前記溝102の断面は梯形状を有する。
【0030】
ここで、前記ナノワイヤータイプの電極部320の直径dは、10nm以下でナノワイヤーである。そして、幅Wは20μm、高さhは20μm以上、距離sは20乃至120μmに設定されてもよい。同時に、前記傾斜面142の傾斜は、約50乃至60度(54.7度)の一つの値に設定されてもよい。
本発明の実施例において、前記センサは前記ディーゼル煤煙フィルターの後端部に設置され、前記センサは、前記ディーゼル煤煙フィルターの後端に抜け出る粒子状物質によって電荷信号を発生させて、発生する電荷信号の大きさと頻度によって前記ディーゼル煤煙フィルターの破損を判断する制御部をさらに含むことができる。
【0031】
以上、本発明に関する好ましい実施例について説明したが、本発明は前記実施例に限定されず、本発明の実施例から当該発明が属する技術分野における通常の知識を有する者による容易に変更されて均等であると認められる範囲の全ての変更を含む。
【符号の説明】
【0032】
100 排気ライン
102 溝
110 粒子状物質
120 センサ
130 エンジン
132 ディーゼル煤煙フィルター
134 ガス分析器
142 傾斜面
300 前面
310 後面
320 電極部
330 シリコン電極層
340 絶縁層
342 酸化物層
344 窒化物層
400 ヒータ電極
410 センシング電極パッド
800 グルーブ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14