特許第6049503号(P6049503)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6049503
(24)【登録日】2016年12月2日
(45)【発行日】2016年12月21日
(54)【発明の名称】燃焼バーナ及びボイラ
(51)【国際特許分類】
   F23D 1/00 20060101AFI20161212BHJP
   F23D 14/24 20060101ALI20161212BHJP
   F23D 17/00 20060101ALI20161212BHJP
【FI】
   F23D1/00 C
   F23D14/24 C
   F23D17/00 102
【請求項の数】11
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2013-45863(P2013-45863)
(22)【出願日】2013年3月7日
(65)【公開番号】特開2014-173777(P2014-173777A)
(43)【公開日】2014年9月22日
【審査請求日】2015年2月20日
(73)【特許権者】
【識別番号】514030104
【氏名又は名称】三菱日立パワーシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100089118
【弁理士】
【氏名又は名称】酒井 宏明
(74)【代理人】
【識別番号】100118762
【弁理士】
【氏名又は名称】高村 順
(72)【発明者】
【氏名】松本 啓吾
(72)【発明者】
【氏名】藤村 皓太郎
(72)【発明者】
【氏名】武野 計二
(72)【発明者】
【氏名】堂本 和宏
(72)【発明者】
【氏名】平原 悠智
(72)【発明者】
【氏名】田中 隆一郎
【審査官】 黒石 孝志
(56)【参考文献】
【文献】 特開平2−110202(JP,A)
【文献】 特開2007−24323(JP,A)
【文献】 実開昭63−30714(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F23D 1/00
F23D 14/24
F23D 17/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体燃料を噴射可能な起動用燃料ノズルと、
前記起動用燃料ノズルの外側にリング形状をなすように配置されて固体燃料と1次空気とを混合した燃料ガスを噴出可能な燃料ノズルと、
前記燃料ノズルの内部であって前記燃料ガスの噴射方向下流側の軸心側に配置された保炎器と、
前記燃料ノズルの外側にリング形状をなすように配置され、2次空気を直進流として噴出可能な2次空気ノズルと、
前記2次空気ノズルの外側にリング形状をなすように配置されて3次空気を噴出可能な3次空気ノズルと、
備え、
前記保炎器は、前記燃料ノズルにおける燃料ガスの流動方向の下流側に向けて、該燃料ノズルの内面側から外面側に傾斜する傾斜面を有する、
ことを特徴とする燃焼バーナ。
【請求項2】
前記保炎器は、前記燃料ノズルにおける燃料ガスの流動方向の下流側に向けて径方向の長さが長くなることを特徴とする請求項1に記載の燃焼バーナ。
【請求項3】
前記保炎器は、前記燃料ノズルにおける燃料ガスの流動方向の下流側に向けて周方向の幅が広くなることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の燃焼バーナ。
【請求項4】
前記保炎器は、周方向に均等間隔で拡張部が設けられることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一つに記載の燃焼バーナ。
【請求項5】
前記保炎器は、正面視が星形状をなすことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一つに記載の燃焼バーナ。
【請求項6】
前記保炎器は、正面視がリング形状をなすことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一つに記載の燃焼バーナ。
【請求項7】
前記保炎器は、周方向に均等間隔で前記燃料ノズルの外面側に開口する切欠部が設けられることを特徴とする請求項6に記載の燃焼バーナ。
【請求項8】
前記保炎器は、正面視が矩形のリング形状をなすことを特徴とする請求項6に記載の燃焼バーナ。
【請求項9】
前記保炎器は、径方向に沿うと共に周方向に均等間隔で配置される複数の第1保炎部と、リング形状をなして前記複数の第1保炎部に連結される第2保炎部とを有することを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一つに記載の燃焼バーナ。
【請求項10】
前記3次空気ノズルに3次空気に旋回力を付与する旋回力付与装置が設けられることを特徴とする請求項1から請求項9のいずれか一つに記載の燃焼バーナ。
【請求項11】
中空形状をなして鉛直方向に沿って設置される火炉と、
前記火炉内に火炎を形成可能な燃焼装置と、
を有し、
前記燃焼装置は、前記請求項1から請求項10のいずれか一つに記載の燃焼バーナが水平方向に対向して配置されて構成される、
ことを特徴とするボイラ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発電用または工場用などのために蒸気を生成するためのボイラに適用される燃焼バーナ、並びに、この燃焼バーナが適用されるボイラに関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば、従来の微粉炭焚きボイラは、中空形状をなして鉛直方向に設置される火炉を有し、この火炉壁に複数の燃焼バーナが周方向に沿って配設されると共に、上下方向に複数段にわたって配置されている。この燃焼バーナは、石炭が粉砕された微粉炭(燃料)と1次空気との混合気が供給されると共に、高温の2次空気が供給され、この混合気と2次空気を火炉内に吹き込むことで火炎を形成し、この火炉内で燃焼可能となっている。そして、この火炉は、上部に煙道が連結され、この煙道に排ガスの熱を回収するための過熱器、再熱器、節炭器などが設けられており、火炉での燃焼により発生した排ガスと水との間で熱交換が行われ、蒸気を生成することができる。
【0003】
このような微粉炭焚きボイラの燃焼バーナとしては、例えば、下記特許文献1、2に記載されたものがある。特許文献1に記載された燃焼装置では、微粉炭噴出孔(1次流路)の内部の中心と外周部との間に保炎器を設けることで、この保炎器に微粉炭濃縮流を衝突させ、広い負荷範囲において安定して低NOx燃焼を可能とするものである。また、特許文献2に記載された固体燃料用バーナは、固体燃料と輸送気体からなる固気2相流が流れる1次流路に末広がり状のブラフボディ保炎器を設けることで、着火・保炎を損なわずに内部保炎器の冷却性を良くするものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平08−135919号公報
【特許文献2】特開平09−203505号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述した特許文献1の燃焼装置にあっては、微粉炭と空気との燃料ガスが保炎器に衝突したとき、この保炎器の後端部で流れが剥離し、保炎器前端部での保炎能力を十分に発揮することが困難となってしまう。また、特許文献2に記載された固体燃料用バーナにあっては、ブラフボディ保炎器により保炎することができるものの、1次流路の外周側で保炎することから、2次流路を流れる2次空気と混合し、高温での燃焼が進行してNOxが発生してしまうという問題がある。
【0006】
本発明は、上述した課題を解決するものであり、固体燃料と空気とが混合した燃料ガスの適正な流れを実現可能とする燃焼バーナ及びボイラを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成するための本発明の燃焼バーナは、液体燃料を噴射可能な起動用燃料ノズルと、前記起動用燃料ノズルの外側にリング形状をなすように配置されて固体燃料と1次空気とを混合した燃料ガスを噴出可能な燃料ノズルと、前記燃料ノズルの先端部における軸心側に循環する循環流を形成可能な保炎器と、前記燃料ノズルの外側にリング形状をなすように配置されて2次空気を噴出可能な2次空気ノズルと、前記2次空気ノズルの外側にリング形状をなすように配置されて3次空気を噴出可能な3次空気ノズルと、を有することを特徴とするものである。
【0008】
従って、燃料ガスが燃料ノズルから火炉内に噴射され、その外側に2次空気が2次空気ノズルから火炉内に噴射され、その外側に3次空気が3次空気ノズルから火炉内に吹き込まれる。この微粉燃料混合気は、燃料ノズルの先端部にて、保炎器により軸心側に循環する循環流となることから、燃焼火炎の内部保炎を実現することができる。そして、燃料ノズルにおける先端部の軸心側で燃料ガスの着火及び保炎が行われることから、2次空気ノズルから吹き込まれる2次空気との混合が抑制され、燃焼火炎の生成領域で高酸素領域の発生を抑制することができ、燃焼火炎の外周部における有害物質の発生量を低減することができる。その結果、燃料ガスの適正な流れを実現することができる。
【0009】
本発明の燃焼バーナでは、前記保炎器は、前記燃料ノズルにおける燃料ガスの流動方向の下流側に向けて径方向の長さが長くなることを特徴としている。
【0010】
従って、保炎器により適正に燃料ガスを軸心側に循環する循環流とすることができ、燃焼火炎の内部保炎を実現することができる。
【0011】
本発明の燃焼バーナでは、前記保炎器は、前記燃料ノズルにおける燃料ガスの流動方向の下流側に向けて内面側から外面側に傾斜する傾斜部を有することを特徴としている。
【0012】
従って、傾斜部により適正に燃料ガスを軸心側に循環する循環流とすることができ、構造の簡素化を可能とすることができる。
【0013】
本発明の燃焼バーナでは、前記保炎器は、前記燃料ノズルにおける燃料ガスの流動方向の下流側に向けて周方向の幅が広くなることを特徴としている。
【0014】
従って、保炎器により燃料ガスを軸心側だけでなく、周方向にも循環する循環流とすることができ、燃焼火炎の安定した内部保炎を実現することができる。
【0015】
本発明の燃焼バーナでは、前記保炎器は、周方向に均等間隔で拡張部が設けられることを特徴としている。
【0016】
従って、構造の簡素化を可能とすることができる。
【0017】
本発明の燃焼バーナでは、前記保炎器は、正面視が星形状をなすことを特徴としている。
【0018】
従って、保炎器が星形状をなすことで、軸心側に循環する循環流を複数の箇所で形成することができ、燃焼火炎の安定した内部保炎を実現することができる。
【0019】
本発明の燃焼バーナでは、前記保炎器は、正面視がリング形状をなすことを特徴としている。
【0020】
従って、保炎器がリング形状をなすことで、簡単な構成で容易に軸心側に循環する循環流を形成することができる。
【0021】
本発明の燃焼バーナでは、前記保炎器は、周方向に均等間隔で前記燃料ノズルの外面側に開口する切欠部が設けられることを特徴としている。
【0022】
従って、クリンカが切欠部を通過することで、保炎器へのクリンカの付着を防止することができ、燃焼火炎の安定した内部保炎を実現することができる。
【0023】
本発明の燃焼バーナでは、前記保炎器は、正面視が矩形のリング形状をなすことを特徴としている。
【0024】
従って、保炎器が矩形のリング形状をなすことで、簡単な構成で容易に軸心側に循環する循環流を形成することができる。
【0025】
本発明の燃焼バーナでは、前記保炎器は、径方向に沿うと共に周方向に均等間隔で配置される複数の第1保炎部と、リング形状をなして前記複数の第1保炎部に連結される第2保炎部とを有することを特徴としている。
【0026】
従って、保炎器を第1保炎部と第2保炎部を交差して形成することで、燃焼ガスが通過する複数の開口部により軸心側に循環する循環流を複数の箇所で形成することができ、燃焼火炎の安定した内部保炎を実現することができる。
【0027】
本発明の燃焼バーナでは、前記3次空気ノズルに3次空気に旋回力を付与する旋回力付与装置が設けられることを特徴としている。
【0028】
従って、2次空気が旋回することなく直進流として吹き込まれることで、燃料ガスと燃焼火炎との早期混合が抑制され、燃焼火炎と2次空気との混合によるNOx発生量を低減することができ、また、3次空気が旋回しながら吹き込まれることで、3次空気による燃焼ガスへの影響を少なくし、燃料ガスの早期着火を抑制し、燃焼火炎と3次空気との混合による有害物質発生量を低減することができる。
【0029】
また、本発明のボイラは、中空形状をなして鉛直方向に沿って設置される火炉と、前記火炉内に火炎を形成可能な燃焼装置と、を有し、前記燃焼装置は、上述した燃焼バーナが水平方向に対向して配置されて構成される、ことを特徴とするものである。
【0030】
従って、燃焼火炎の生成領域で高酸素領域の発生を抑制することができ、燃焼火炎の外周部における有害物質の発生量を低減することができる。その結果、燃料ガスの適正な流れを実現することができる。
【発明の効果】
【0031】
本発明の燃焼バーナ及びボイラによれば、燃焼バーナの燃料ノズルの先端部に軸心側に循環する循環流を形成可能な保炎器を設けるので、燃料ガスと2次空気との混合が抑制され、燃焼火炎の生成領域で高酸素領域の発生を抑制することができ、燃焼火炎の外周部における有害物質の発生量を低減することができ、その結果、燃料ガスの適正な流れを実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
図1図1は、本発明の実施例1に係る燃焼バーナを表す正面図である。
図2図2は、実施例1の燃焼バーナを表す縦断面図である。
図3図3は、燃焼バーナの保炎器を表す図1のIII−III断面図である。
図4図4は、実施例1の燃焼バーナにおける変形例を表す縦断面図である。
図5図5は、実施例1の燃焼バーナにおける変形例を表す縦断面図である。
図6図6は、実施例1の燃焼バーナにおける変形例を表す縦断面図である。
図7図7は、実施例1の燃焼バーナが適用された微粉炭焚きボイラを表す概略構成図である。
図8図8は、微粉炭焚きボイラにおける燃焼バーナを表す平面図である。
図9図9は、本発明の実施例2に係る燃焼バーナを表す正面図である。
図10図10は、実施例2の燃焼バーナを表す縦断面図である。
図11図11は、本発明の実施例3に係る燃焼バーナを表す正面図である。
図12図12は、実施例3の燃焼バーナを表す図11のX−X断面図である。
図13図13は、実施例3の燃焼バーナを表す図11のXI−XI断面図である。
図14図14は、本発明の実施例4に係る燃焼バーナを表す正面図である。
図15図15は、実施例4の燃焼バーナを表す縦断面図である。
図16図16は、本発明の実施例5に係る燃焼バーナを表す正面図である。
図17図17は、実施例5の燃焼バーナを表す縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下に添付図面を参照して、本発明の燃焼バーナ及びボイラの好適な実施例を詳細に説明する。なお、この実施例により本発明が限定されるものではなく、また、実施例が複数ある場合には、各実施例を組み合わせて構成するものも含むものである。
【実施例1】
【0034】
図1は、本発明の実施例1に係る燃焼バーナを表す正面図、図2は、実施例1の燃焼バーナを表す縦断面図、図3は、燃焼バーナの保炎器を表す図1のIII−III断面図、図4から図6は、実施例1の燃焼バーナにおける変形例を表す縦断面図、図7は、実施例1の燃焼バーナが適用された微粉炭焚きボイラを表す概略構成図、図8は、微粉炭焚きボイラにおける燃焼バーナを表す平面図である。
【0035】
実施例1の燃焼バーナが適用された微粉炭焚きボイラは、石炭を粉砕した微粉炭を固体燃料として用い、この微粉炭を燃焼バーナにより燃焼させ、この燃焼により発生した熱を回収することが可能なボイラである。
【0036】
この実施例1において、図7に示すように、微粉炭焚きボイラ10は、コンベンショナルボイラであって、火炉11と燃焼装置12とを有している。火炉11は、四角筒の中空形状をなして鉛直方向に沿って設置され、この火炉11を構成する火炉壁の下部に燃焼装置12が設けられている。
【0037】
燃焼装置12は、火炉壁に装着された複数の燃焼バーナ21,22,23,24,25を有している。本実施例にて、この燃焼バーナ21,22,23,24,25は、周方向に沿って4個均等間隔で配設されたものが1セットとして、鉛直方向に沿って5セット、つまり、5段配置されている。
【0038】
そして、各燃焼バーナ21,22,23,24,25は、微粉炭供給管26,27,28,29,30を介して微粉炭機(ミル)31,32,33,34,35に連結されている。この微粉炭機31,32,33,34,35は、図示しないが、ハウジング内に鉛直方向に沿った回転軸心をもって粉砕テーブルが駆動回転可能に支持され、この粉砕テーブルの上方に対向して複数の粉砕ローラが粉砕テーブルの回転に連動して回転可能に支持されて構成されている。従って、石炭が複数の粉砕ローラと粉砕テーブルとの間に投入されると、ここで所定の大きさまで粉砕され、搬送空気(1次空気)により分級された微粉炭を微粉炭供給管26,27,28,29,30から燃焼バーナ21,22,23,24,25に供給することができる。
【0039】
また、火炉11は、各燃焼バーナ21,22,23,24,25の装着位置に風箱36が設けられており、この風箱36に空気ダクト37の一端部が連結されており、この空気ダクト37は、他端部に送風機38が装着されている。従って、送風機38により送られた燃焼用空気(2次空気、3次空気)を、空気供給配管37から風箱36に供給し、この風箱36から各燃焼バーナ21,22,23,24,25に供給することができる。
【0040】
ここで、燃焼装置12について詳細に説明するが、この燃焼装置12を構成する各燃焼バーナ21,22,23,24,25は、ほぼ同様の構成をなしていることから、最上段に位置する燃焼バーナ21についてのみ説明する。
【0041】
燃焼バーナ21は、図8に示すように、火炉11における対向する2つの壁面11a,11bに設けられる複数の燃焼バーナ21a,21bから構成されている。4個の燃焼バーナ21aは、一方の壁面11aに設けられ、4個の燃焼バーナ21bは、他方の壁面11bに設けられ、燃焼バーナ21aと燃焼バーナ21bは、吹き込み口が互いに対向して配置されている。そして、各燃焼バーナ21a,21bは、微粉炭供給管26から分岐した各分岐管26a,26bが連結されると共に、空気ダクト37から分岐した各分岐管37a,37bが風箱36a,36bに連結されている。
【0042】
従って、火炉11の各壁面11a,11bにある各燃焼バーナ21a,21bは、火炉11に対して、微粉炭と搬送用空気が混合した微粉燃料混合気を吹き込むと共に、その微粉燃料混合気の外側に燃焼用空気を吹き込む。そして、各燃焼バーナ21a,21bからの微粉燃料混合気に着火することで、4つの火炎F1,F2を形成することができ、この各火炎F1と各火炎F2は、火炉11の上方から見て左右から衝突する火炎流となる。
【0043】
そのため、燃焼装置12にて、各燃焼バーナ21,22,23,24,25は、微粉炭と1次空気とを混合した微粉燃料混合気(燃料ガス)を火炉11内に吹き込み可能であると共に、2次空気を火炉11内に吹き込み可能となっており、図示しない点火トーチにより微粉燃料混合気に点火することで、火炎を形成することができる。
【0044】
なお、後述するが、ボイラの起動時に、各燃焼バーナ21,22,23,24,25は、油燃料を火炉11内に噴射して火炎を形成している。
【0045】
火炉11は、上部に煙道40が連結されており、この煙道40に、対流伝熱部として排ガスの熱を回収するための過熱器(スーパーヒータ)41,42、再熱器43,44、節炭器(エコノマイザ)45,46,47が設けられており、火炉11での燃焼で発生した排ガスと水との間で熱交換が行われる。
【0046】
煙道40は、その下流側に熱交換を行った排ガスが排出される排ガス管48が連結されている。この排ガス管48は、空気ダクト37との間にエアヒータ49が設けられ、空気ダクト37を流れる空気と、排ガス管48を流れる排ガスとの間で熱交換を行い、燃焼バーナ21,22,23,24,25に供給する燃焼用空気を昇温することができる。
【0047】
なお、排ガス管48は、図示しないが、脱硝装置、電気集塵機、誘引送風機、脱硫装置が設けられ、下流端部に煙突が設けられている。
【0048】
このように構成された石炭焚きボイラ10にて、微粉炭機31,32,33,34,35が駆動すると、生成された微粉炭が搬送用空気(1次空気)と共に微粉炭供給管26,27,28,29,30を通して燃焼バーナ21,22,23,24,25に供給される。また、加熱された燃焼用空気(2次空気、3次空気)が空気ダクト37から風箱36を介して各燃焼バーナ21,22,23,24,25に供給される。すると、燃焼バーナ21,22,23,24,25は、微粉炭と搬送用空気とが混合した微粉燃料混合気を火炉11に吹き込むと共に燃焼用空気を火炉11に吹き込み、このときに着火することで火炎を形成することができる。この火炉11では、微粉燃料混合気と燃焼用空気とが燃焼して火炎が生じ、この火炉11内の下部で火炎が生じると、燃焼ガス(排ガス)がこの火炉11内を上昇し、煙道40に排出される。
【0049】
なお、火炉11では、空気の供給量が微粉炭の供給量に対して理論空気量未満となるように設定されることで、内部が還元雰囲気に保持される。そして、微粉炭の燃焼により発生したNOxが火炉11で還元され、その後、アディショナルエアが追加供給されることで微粉炭の酸化燃焼が完結され、微粉炭の燃焼によるNOxの発生量が低減される。
【0050】
このとき、図示しない給水ポンプから供給された水は、節炭器45,46,47によって予熱された後、図示しない蒸気ドラムに供給され火炉壁の各水管(図示せず)に供給される間に加熱されて飽和蒸気となり、図示しない蒸気ドラムに送り込まれる。更に、図示しない蒸気ドラムの飽和蒸気は過熱器41,42に導入され、燃焼ガスによって過熱される。過熱器41,42で生成された過熱蒸気は、図示しない発電プラント(例えば、タービン等)に供給される。また、タービンでの膨張過程の中途で取り出した蒸気は、再熱器43,44に導入され、再度過熱されてタービンに戻される。なお、火炉11をドラム型(蒸気ドラム)として説明したが、この構造に限定されるものではない。
【0051】
その後、煙道40の節炭器45,46,47を通過した排ガスは、排ガス管48にて、図示しない脱硝装置にて、触媒によりNOxなどの有害物質が除去され、電気集塵機で粒子状物質が除去され、脱硫装置により硫黄分が除去された後、煙突から大気中に排出される。
【0052】
このように構成された燃焼バーナ21(21a,21b)は、図1から図3に示すように、中心(軸心O)側から、起動用燃料ノズル51と、燃料ノズル52と、2次空気ノズル53と、3次空気ノズル54とが設けられると共に、保炎器55が設けられている。
【0053】
起動用燃料ノズル51は、軸心Oを中心とする円筒管であり、液体燃料としての油を火炉11内に噴射可能となっている。この起動用燃料ノズル51は、ボイラ起動時に、油を火炉11内に噴射して点火することで、火炉11内に火炎を形成することができる。
【0054】
燃料ノズル52は、起動用燃料ノズル51の外側にリング形状をなすように配置されており、微粉炭(固体燃料)と搬送用空気(1次空気)とを混合した微粉燃料混合気(燃料ガス)を火炉11内に噴射可能となっている。2次空気ノズル53は、燃料ノズル52の外側にリング形状をなすように配置されており、燃料ノズル52から噴射された微粉燃料混合気の外周側に燃焼用空気(2次空気)を噴射可能となっている。3次空気ノズル54は、2次空気ノズル53の外側にリング形状をなすように配置されており、2次空気ノズル53から噴射された2次空気の外周側に3次空気を噴射可能となっている。
【0055】
また、保炎器55は、燃料ノズル52の内部であって、微粉燃料混合気の噴射方向の下流側で、且つ、軸心O側に配置されることで、微粉燃料混合気の着火用及び保炎用として機能するものである。この保炎器55は、燃料ノズル52の先端部における軸心O側に循環する循環流C1を形成可能となっている。
【0056】
この保炎器55は、燃焼バーナ21の正面視が星形状をなしている。即ち、保炎器55は、燃料ノズル52の内周面側に、周方向に所定間隔(均等間隔)で複数(本実施例では、6個)の拡張部61が設けられて構成されている。この各拡張部61は、燃料ノズル52における燃料ガスの流動方向の下流側に向けて燃料ノズル52における径方向の長さが長くなるように設定されている。また、各拡張部61は、燃料ノズル52における燃料ガスの流動方向の下流側に向けて燃料ノズル52における周方向の幅が広くなるように設定されている。
【0057】
そのため、各拡張部61は、燃料ノズル52における燃料ガスの流動方向の上流側に向けて細くなる三角錐形状をなし、燃料ノズル52における燃料ガスの流動方向の下流端側にこの燃料ガスの流動方向に直交する端面61aと、燃料ノズル52における燃料ガスの流動方向の下流側に向けて内面側から外面側に傾斜する2個の傾斜面(傾斜部)61bが設けられている。
【0058】
また、3次空気ノズル54は、内部を流動する3次空気に旋回力を付与する旋回力付与装置としてのスワール62が設けられている。なお、旋回力付与装置としてダンパなどを適用してもよい。
【0059】
このように構成された燃焼バーナ21にて、微粉炭と1次空気とを混合した微粉燃料混合気が燃料ノズル52から火炉11内に吹き込まれると共に、その外側にて2次空気が2次空気ノズル53から火炉11内に吹き込まれ、その外側にて3次空気が3次空気ノズル54から火炉11内に吹き込まれる。このとき、微粉燃料混合気は、燃料ノズル52の先端部にて、保炎器55により分岐されて着火され、燃焼して燃焼ガスとなる。また、この微粉燃料混合気の外周に2次空気が吹き込まれることで、燃料ガスの燃焼が促進される。更に、燃焼火炎の外周に旋回する3次空気が吹き込まれることで、2次空気と3次空気の割合を調整し、最適な燃焼を得ることができる。
【0060】
そして、この燃焼バーナ21は、保炎器55がスプリット形状をなすため、微粉燃料混合気が燃料ノズル52の出口で保炎器55により軸心O側に循環する循環流C1が形成される。この循環流C1は、各拡張部61の各傾斜面61bにより燃料ノズル52の径方向の外側から内側へ、且つ、周方向の外側から内側へ端面61aに向けて流れ込むものであり、燃料ノズル52における軸心O(起動用燃料ノズル51)側にて、燃料ガスの着火及び保炎が行われる。これにより、燃焼火炎の内部保炎が実現される。
【0061】
そのため、燃料ノズル52における軸心O側で微粉燃料混合気の着火及び保炎が行われることから、2次空気ノズル53から吹き込まれる2次空気との混合が抑制され、燃焼火炎の生成領域で高酸素領域の発生が抑制され、燃焼火炎の外周部におけるNOx発生量が低減される。
【0062】
また、燃焼バーナ21は、内部保炎する構成が採用されるため、2次空気ノズル53から吹き込まれる2次空気が直進流として供給される。即ち、2次空気が旋回することなく直進流として吹き込まれることで、燃焼火炎との早期混合が抑制され、燃焼火炎と2次空気との混合によるNOx発生量が低減される。更に、燃焼バーナ21は、3次空気ノズル54から吹き込まれる3次空気がスワール62により旋回流として供給される。即ち、2次空気が旋回することなく直進流として吹き込まれ、3次空気が旋回しながら吹き込まれることで、3次空気による微粉燃料混合気(1次空気)への影響が少なくなる。そのため、3次空気の旋回によるせん断力により、微粉燃料混合気の着火が抑制され、燃焼火炎と3次空気との混合によるNOx発生量が低減される。
【0063】
なお、燃焼バーナ21にて、保炎器55の構成は、上述した実施例に限定されるものではない。
【0064】
例えば、図4に示すように、燃焼バーナ71は、中心側から、起動用燃料ノズル51と、燃料ノズル52と、2次空気ノズル53と、3次空気ノズル54とが設けられると共に、保炎器55が設けられている。
【0065】
そして、この燃焼バーナ71は、燃料ノズル52と2次空気ノズル53との間に所定厚さの壁部(空間部)72が設けられることで、燃料ノズル52に対して2次空気ノズル53が所定距離だけ外側に離間して配置されている。
【0066】
従って、微粉炭と1次空気とを混合した微粉燃料混合気が燃料ノズル52から火炉11内に吹き込まれると共に、その外側にて2次空気が2次空気ノズル53から火炉11内に吹き込まれ、その外側にて3次空気が3次空気ノズル54から火炉11内に吹き込まれる。このとき、微粉燃料混合気は、燃料ノズル52の先端部にて、保炎器55により分岐されて着火され、燃焼して燃焼ガスとなる。また、この微粉燃料混合気の外周に2次空気が吹き込まれることで、燃料ガスの燃焼が促進される。更に、燃焼火炎の外周に旋回する3次空気が吹き込まれることで、2次空気と3次空気の割合を調整し、最適な燃焼を得ることができる。
【0067】
このとき、微粉燃料混合気が燃料ノズル52の出口で保炎器55により軸心O側に循環する循環流C1が形成される。一方、壁部72により燃料ノズル52から所定距離だけ離れた外側から2次空気ノズル53から2次空気が直進流として噴射される。そのため、保炎器55により燃料ノズル52における軸心O側で燃料ガスの着火及び保炎が行われると共に、微粉燃料混合気と2次空気との混合が抑制され、燃焼火炎の生成領域で高酸素領域の発生が抑制され、燃焼火炎の外周部におけるNOx発生量が低減される。
【0068】
また、図5に示すように、燃焼バーナ81は、中心側から、起動用燃料ノズル51と、燃料ノズル52と、2次空気ノズル82と、3次空気ノズル83とが設けられると共に、保炎器55が設けられている。
【0069】
そして、この燃焼バーナ81は、燃料ノズル52における径方向の長さに対して、2次空気ノズル82における径方向の長さが長く、3次空気ノズル83における径方向の長さが短く設定されている。
【0070】
従って、微粉炭と1次空気とを混合した微粉燃料混合気が燃料ノズル52から火炉11内に吹き込まれると共に、その外側にて2次空気が2次空気ノズル82から火炉11内に吹き込まれ、その外側にて3次空気が3次空気ノズル83から火炉11内に吹き込まれる。このとき、微粉燃料混合気は、燃料ノズル52の先端部にて、保炎器55により分岐されて着火され、燃焼して燃焼ガスとなる。また、この微粉燃料混合気の外周に2次空気が吹き込まれることで、燃料ガスの燃焼が促進される。更に、燃焼火炎の外周に旋回する3次空気が吹き込まれることで、2次空気と3次空気の割合を調整し、最適な燃焼を得ることができる。
【0071】
このとき、微粉燃料混合気が燃料ノズル52の出口で保炎器55により軸心O側に循環する循環流C1が形成される。一方、径方向の長さが長い2次空気ノズル82から2次空気が直進流として噴射される。そのため、保炎器55により燃料ノズル52における軸心O側で燃料ガスの着火及び保炎が行われると共に、微粉燃料混合気と2次空気との混合が抑制され、燃焼火炎の生成領域で高酸素領域の発生が抑制され、燃焼火炎の外周部におけるNOx発生量が低減される。
【0072】
また、図6に示すように、燃焼バーナ91は、中心側から、起動用燃料ノズル51と、燃料ノズル52と、2次空気ノズル92と、3次空気ノズル93とが設けられると共に、保炎器55が設けられている。
【0073】
そして、この燃焼バーナ91は、2次空気ノズル92の外周壁が外方に拡張し、3次空気ノズル93の外周壁が外方に拡張している。
【0074】
従って、微粉炭と1次空気とを混合した微粉燃料混合気が燃料ノズル52から火炉11内に吹き込まれると共に、その外側にて2次空気が2次空気ノズル92から火炉11内に吹き込まれ、その外側にて3次空気が3次空気ノズル93から火炉11内に吹き込まれる。このとき、微粉燃料混合気は、燃料ノズル52の先端部にて、保炎器55により分岐されて着火され、燃焼して燃焼ガスとなる。また、この微粉燃料混合気の外周に2次空気が吹き込まれることで、燃料ガスの燃焼が促進される。更に、燃焼火炎の外周に旋回する3次空気が吹き込まれることで、2次空気と3次空気の割合を調整し、最適な燃焼を得ることができる。
【0075】
このとき、微粉燃料混合気が燃料ノズル52の出口で保炎器55により軸心O側に循環する循環流C1が形成される。一方、2次空気ノズル92から2次空気が直進流として外方に噴射され、3次空気ノズル93から3次空気が旋回流として外方に噴射される。そのため、保炎器55により燃料ノズル52における軸心O側で燃料ガスの着火及び保炎が行われると共に、微粉燃料混合気と2次空気及び3次空気との混合が抑制され、燃焼火炎の生成領域で高酸素領域の発生が抑制され、燃焼火炎の外周部におけるNOx発生量が低減される。
【0077】
このように実施例1の燃焼バーナにあっては、油燃料を噴射可能な起動用燃料ノズル51と、起動用燃料ノズル51の外側にリング形状をなすように配置されて微粉炭と1次空気とを混合した微紛燃料混合気を噴出可能な燃料ノズル52と、燃料ノズル52の外側にリング形状をなすように配置されて2次空気を噴出可能な2次空気ノズル53と、2次空気ノズル53の外側にリング形状をなすように配置されて3次空気を噴出可能な3次空気ノズル54と、燃料ノズル52の先端部における軸心O側に循環する循環流C1を形成可能な保炎器55とを設けている。
【0078】
従って、微紛燃料混合気が燃料ノズル52から火炉11内に噴射され、その外側に2次空気が2次空気ノズル53から火炉11内に噴射され、その外側に3次空気が3次空気ノズル54から火炉11内に噴射される。この微粉燃料混合気は、燃料ノズル52の先端部にて、保炎器55により軸心O側に循環する循環流C1となることから、燃焼火炎の内部保炎を実現することができる。そして、燃料ノズル52における先端部の軸心O側で微紛燃料混合気の着火及び保炎が行われることから、2次空気ノズル53から吹き込まれる2次空気との混合が抑制され、燃焼火炎の生成領域で高酸素領域の発生を抑制することができ、燃焼火炎の外周部におけるNOxなどの有害物質の発生量を低減することができる。その結果、微紛燃料混合気の適正な流れを実現することができる。
【0079】
実施例1の燃焼バーナでは、保炎器55が燃料ノズル52における微紛燃料混合気の流動方向の下流側に向けて径方向の長さが長く設定されている。また、保炎器55が燃料ノズル52における燃料ガスの流動方向の下流側に向けて周方向の幅が広く設定されている。具体的には、保炎器として、周方向に均等間隔で拡張部61を設け、微紛燃料混合気の流動方向の下流側に向けて内面側から外面側に傾斜する傾斜面61bが形成されている。
【0080】
従って、保炎器55により適正に微紛燃料混合気を軸心O側や周方向に循環する循環流C1とすることができ、燃焼火炎の内部保炎を実現することができる。また、傾斜部61bを有する拡張部61を設けることで、構造の簡素化を可能としながら、適正に微紛燃料混合気を軸心O側に循環する循環流C1とすることができる。
【0081】
実施例1の燃焼バーナでは、正面視が星形状をなす保炎器55とし、複数の拡張部61を設けている。従って、軸心O側に循環する循環流C1を複数の箇所で形成することができ、燃焼火炎の安定した内部保炎を実現することができる。
【0082】
実施例1の燃焼バーナでは、3次空気ノズル54に3次空気に旋回力を付与する旋回力付与装置としてのスワール62を設けている。従って、2次空気が旋回することなく直進流として吹き込まれることで、微紛燃料混合気と燃焼火炎との早期混合が抑制され、燃焼火炎と2次空気との混合によるNOx発生量を低減することができる。また、3次空気が旋回しながら吹き込まれることで、3次空気による燃焼ガスへの影響を少なくし、微紛燃料混合気の早期着火を抑制し、燃焼火炎と3次空気との混合による有害物質発生量を低減することができる。
【0083】
また、実施例1のボイラにあっては、中空形状をなして鉛直方向に沿って設置される火炉11と、火炉11内に火炎を形成可能な燃焼装置12とを設け、燃焼装置として、燃焼バーナ21,22,23,24,25を水平方向に対向して配置している。
【0084】
従って、燃焼火炎の生成領域で高酸素領域の発生を抑制することができ、燃焼火炎の外周部における有害物質の発生量を低減することができる。その結果、微紛燃料混合気の適正な流れを実現することができる。
【実施例2】
【0085】
図9は、本発明の実施例2に係る燃焼バーナを表す正面図、図10は、実施例2の燃焼バーナを表す縦断面図である。なお、上述した実施例と同様の機能を有する部材には、同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
【0086】
実施例2において、図9及び図10に示すように、燃焼バーナ101は、中心(軸心O)側から、起動用燃料ノズル51と、燃料ノズル52と、2次空気ノズル53と、3次空気ノズル54とが設けられると共に、保炎器102が設けられている。
【0087】
保炎器102は、燃料ノズル52の内部であって、微粉燃料混合気の噴射方向の下流側で、且つ、軸心O側に配置されることで、微粉燃料混合気の着火用及び保炎用として機能するものである。この保炎器102は、燃料ノズル52の先端部における軸心O側に循環する循環流C1を形成可能となっている。
【0088】
この保炎器102は、燃焼バーナ101の正面視がリング形状をなし、拡張部103が設けられている。この拡張部103は、燃料ノズル52における燃料ガスの流動方向の下流側に向けて燃料ノズル52における径方向の長さが長くなるように設定されている。そのため、拡張部103は、燃料ノズル52における燃料ガスの流動方向の上流側に向けて細くなる三角断面形状をなし、燃料ノズル52における燃料ガスの流動方向の下流端側にこの燃料ガスの流動方向に直交する端面103aと、燃料ノズル52における燃料ガスの流動方向の下流側に向けて内面側から外面側に傾斜すると共に周方向にリング状に連続する傾斜面(傾斜部)103bが設けられている。
【0089】
このように構成された燃焼バーナ101にて、微粉炭と1次空気とを混合した微粉燃料混合気が燃料ノズル52から火炉11内に吹き込まれると共に、その外側にて2次空気が2次空気ノズル53から火炉11内に吹き込まれ、その外側にて3次空気が3次空気ノズル54から火炉11内に吹き込まれる。このとき、微粉燃料混合気は、燃料ノズル52の先端部にて、保炎器102により分岐されて着火され、燃焼して燃焼ガスとなる。また、この微粉燃料混合気の外周に2次空気が吹き込まれることで、燃料ガスの燃焼が促進される。更に、燃焼火炎の外周に旋回する3次空気が吹き込まれることで、2次空気と3次空気の割合を調整し、最適な燃焼を得ることができる。
【0090】
そして、この燃焼バーナ101は、保炎器102がスプリット形状をなすため、微粉燃料混合気が燃料ノズル52の出口で保炎器102により軸心O側に循環する循環流C1が形成される。この循環流C1は、拡張部103の傾斜面103bにより燃料ノズル52の径方向の外側から内側へ端面103aに向けて流れ込むものであり、燃料ノズル52における軸心O(起動用燃料ノズル51)側にて、燃料ガスの着火及び保炎が行われる。これにより、燃焼火炎の内部保炎が実現される。
【0091】
そのため、燃料ノズル52における軸心O側で燃料ガスの着火及び保炎が行われることから、2次空気ノズル53から吹き込まれる2次空気との混合が抑制され、燃焼火炎の生成領域で高酸素領域の発生が抑制され、燃焼火炎の外周部におけるNOx発生量が低減される。
【0092】
このように実施例2の燃焼バーナにあっては、保炎器102の正面視をリング形状としている。従って、簡単な構成で容易に軸心O側に循環する循環流C1を形成することができる。
【実施例3】
【0093】
図11は、本発明の実施例3に係る燃焼バーナを表す正面図、図12は、実施例3の燃焼バーナを表す図11のX−X断面図、図13は、実施例3の燃焼バーナを表す図11のXI−XI断面図である。なお、上述した実施例と同様の機能を有する部材には、同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
【0094】
実施例3において、図11から図13に示すように、燃焼バーナ111は、中心(軸心O)側から、起動用燃料ノズル51と、燃料ノズル52と、2次空気ノズル53と、3次空気ノズル54とが設けられると共に、保炎器112が設けられている。
【0095】
保炎器112は、燃料ノズル52の内部であって、微粉燃料混合気の噴射方向の下流側で、且つ、軸心O側に配置されることで、微粉燃料混合気の着火用及び保炎用として機能するものである。この保炎器112は、燃料ノズル52の先端部における軸心O側に循環する循環流C1を形成可能となっている。
【0096】
この保炎器112は、径方向に沿うと共に周方向に均等間隔で配置される複数の第1保炎部113と、リング形状をなして複数の第1保炎部113に連結される第2保炎部114とを有している。第1保炎部113は、第1拡張部115が設けられ、第2保炎部114は、第2拡張部116が設けられている。第1拡張部115は、燃料ノズル52における燃料ガスの流動方向に沿って設けられ、燃料ノズル52の内周面と外周面を連結するように配置されている。そのため、第1拡張部115は、燃料ノズル52における燃料ガスの流動方向に沿う矩形断面形状をなし、燃料ノズル52における燃料ガスの流動方向の下流端側にこの燃料ガスの流動方向に直交する端面115aと、燃料ノズル52における燃料ガスの流動方向に沿う平面115bが設けられている。なお、第1拡張部115を燃料ノズル52における燃料ガスの流動方向の下流側に向けて燃料ノズル52における周方向の幅が広くなるように設定してもよい。
【0097】
また、第2拡張部116は、燃料ノズル52における燃料ガスの流動方向の下流側に向けて燃料ノズル52における径方向の長さが長くなるように設定されている。そのため、第2拡張部116は、燃料ノズル52における燃料ガスの流動方向の上流側に向けて細くなる三角断面形状をなし、燃料ノズル52における燃料ガスの流動方向の下流端側にこの燃料ガスの流動方向に直交する端面116aと、燃料ノズル52における燃料ガスの流動方向の下流側に向けて内面側から外面側に傾斜すると共に周方向にリング状に連続する傾斜面(傾斜部)116bが設けられている。
【0098】
このように構成された燃焼バーナ111にて、微粉炭と1次空気とを混合した微粉燃料混合気が燃料ノズル52から火炉11内に吹き込まれると共に、その外側にて2次空気が2次空気ノズル53から火炉11内に吹き込まれ、その外側にて3次空気が3次空気ノズル54から火炉11内に吹き込まれる。このとき、微粉燃料混合気は、燃料ノズル52の先端部にて、保炎器112により分岐されて着火され、燃焼して燃焼ガスとなる。また、この微粉燃料混合気の外周に2次空気が吹き込まれることで、燃料ガスの燃焼が促進される。更に、燃焼火炎の外周に旋回する3次空気が吹き込まれることで、2次空気と3次空気の割合を調整し、最適な燃焼を得ることができる。
【0099】
そして、この燃焼バーナ111は、保炎器112の第2保炎部114がスプリット形状をなすため、微粉燃料混合気が燃料ノズル52の出口で保炎器112により軸心O側に循環する循環流C1が形成される。この循環流C1は、第2拡張部116の傾斜面116bにより燃料ノズル52の径方向の外側から内側へ端面116aに向けて流れ込むものであり、燃料ノズル52における軸心O(起動用燃料ノズル51)側にて、燃料ガスの着火及び保炎が行われる。これにより、燃焼火炎の内部保炎が実現される。
【0100】
そのため、燃料ノズル52における軸心O側で燃料ガスの着火及び保炎が行われることから、2次空気ノズル53から吹き込まれる2次空気との混合が抑制され、燃焼火炎の生成領域で高酸素領域の発生が抑制され、燃焼火炎の外周部におけるNOx発生量が低減される。また、複数の第1保炎部113の間に第2保炎部114が位置することから、循環流C1が複数の箇所で生成されることとなり、保炎効果が向上される。
【0101】
このように実施例3の燃焼バーナにあっては、保炎器112として、径方向に沿うと共に周方向に均等間隔で配置される複数の第1保炎部113と、リング形状をなして複数の第1保炎部113に連結される第2保炎部114とを設けている。
【0102】
従って、保炎器112を第1保炎部113と第2保炎部114を交差して形成することで、燃焼ガスが通過する複数の開口部により軸心O側に循環する循環流C1を複数の箇所で形成することができ、燃焼火炎の安定した内部保炎を実現することができる。
【実施例4】
【0103】
図14は、本発明の実施例4に係る燃焼バーナを表す正面図、図15は、実施例4の燃焼バーナを表す縦断面図である。なお、上述した実施例と同様の機能を有する部材には、同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
【0104】
実施例4において、図14及び図15に示すように、燃焼バーナ121は、中心(軸心O)側から、起動用燃料ノズル51と、燃料ノズル52と、2次空気ノズル53と、3次空気ノズル54とが設けられると共に、保炎器122が設けられている。
【0105】
保炎器122は、燃料ノズル52の内部であって、微粉燃料混合気の噴射方向の下流側で、且つ、軸心O側に配置されることで、微粉燃料混合気の着火用及び保炎用として機能するものである。この保炎器122は、燃料ノズル52の先端部における軸心O側に循環する循環流C1を形成可能となっている。
【0106】
この保炎器122は、燃焼バーナ121の正面視がリング形状をなし、拡張部123が設けられている。この拡張部123は、燃料ノズル52における燃料ガスの流動方向の下流側に向けて燃料ノズル52における径方向の長さが長くなるように設定されている。そのため、拡張部123は、燃料ノズル52における燃料ガスの流動方向の上流側に向けて細くなる三角断面形状をなし、燃料ノズル52における燃料ガスの流動方向の下流端側にこの燃料ガスの流動方向に直交する端面123aと、燃料ノズル52における燃料ガスの流動方向の下流側に向けて内面側から外面側に傾斜すると共に周方向にリング状に連続する傾斜面(傾斜部)123bが設けられている。また、拡張部123は、周方向に均等間隔で燃料ノズル52の外面側に開口する切欠部124が設けられている。
【0107】
このように構成された燃焼バーナ121にて、微粉炭と1次空気とを混合した微粉燃料混合気が燃料ノズル52から火炉11内に吹き込まれると共に、その外側にて2次空気が2次空気ノズル53から火炉11内に吹き込まれ、その外側にて3次空気が3次空気ノズル54から火炉11内に吹き込まれる。このとき、微粉燃料混合気は、燃料ノズル52の先端部にて、保炎器122により分岐されて着火され、燃焼して燃焼ガスとなる。また、この微粉燃料混合気の外周に2次空気が吹き込まれることで、燃料ガスの燃焼が促進される。更に、燃焼火炎の外周に旋回する3次空気が吹き込まれることで、2次空気と3次空気の割合を調整し、最適な燃焼を得ることができる。
【0108】
そして、この燃焼バーナ121は、保炎器122がスプリット形状をなすため、微粉燃料混合気が燃料ノズル52の出口で保炎器122により軸心O側に循環する循環流C1が形成される。この循環流C1は、拡張部123の傾斜面123bにより燃料ノズル52の径方向の外側から内側へ端面123aに向けて流れ込むものであり、燃料ノズル52における軸心O(起動用燃料ノズル51)側にて、微粉燃料混合気の着火及び保炎が行われる。これにより、燃焼火炎の内部保炎が実現される。
【0109】
そのため、燃料ノズル52における軸心O側で燃料ガスの着火及び保炎が行われることから、2次空気ノズル53から吹き込まれる2次空気との混合が抑制され、燃焼火炎の生成領域で高酸素領域の発生が抑制され、燃焼火炎の外周部におけるNOx発生量が低減される。
【0110】
また、微粉燃料混合気は、保炎器122の各切欠部124を通過可能であることから、発生したクリンカは、この切欠部124を通過することができ、保炎器122へクリンカの付着が防止される。
【0111】
実施例4の燃焼バーナにあっては、保炎器122の正面視をリング形状とし、周方向に均等間隔で燃料ノズル52の外面側に開口する切欠部124を設けている。従って、簡単な構成で容易に軸心O側に循環する循環流C1を形成することができ、また、保炎器122へのクリンカの付着を防止することができ、燃焼火炎の安定した内部保炎を実現することができる。
【実施例5】
【0112】
図16は、本発明の実施例5に係る燃焼バーナを表す正面図、図17は、実施例5の燃焼バーナを表す縦断面図である。なお、上述した実施例と同様の機能を有する部材には、同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
【0113】
実施例5において、図16及び図17に示すように、燃焼バーナ131は、中心(軸心O)側から、起動用燃料ノズル51と、燃料ノズル52と、2次空気ノズル53と、3次空気ノズル54とが設けられると共に、保炎器132が設けられている。
【0114】
保炎器132は、燃料ノズル52の内部であって、微粉燃料混合気の噴射方向の下流側で、且つ、軸心O側に配置されることで、微粉燃料混合気の着火用及び保炎用として機能するものである。この保炎器132は、燃料ノズル52の先端部における軸心O側に循環する循環流C1を形成可能となっている。
【0115】
この保炎器132は、燃焼バーナ131の正面視が矩形のリング形状をなし、拡張部133が設けられている。この拡張部133は、燃料ノズル52における燃料ガスの流動方向の下流側に向けて燃料ノズル52における径方向の長さが長くなるように設定されている。そのため、拡張部133は、燃料ノズル52における燃料ガスの流動方向の上流側に向けて細くなる三角断面形状をなし、燃料ノズル52における燃料ガスの流動方向の下流端側にこの燃料ガスの流動方向に直交する端面133aと、燃料ノズル52における燃料ガスの流動方向の下流側に向けて内面側から外面側に傾斜すると共に周方向にリング状に連続する傾斜面(傾斜部)133bが設けられている。
【0116】
また、保炎部132は、上下の支持部材134により燃料ノズル52の外周面に支持されている。拡張部133は、燃料ノズル52における燃料ガスの流動方向の上流側に延出する上下の支持部133cが設けられ、この上下の支持部133cは、支持部材134により燃料ノズル52の外周面に連結されている。
【0117】
このように構成された燃焼バーナ131にて、微粉炭と1次空気とを混合した微粉燃料混合気が燃料ノズル52から火炉11内に吹き込まれると共に、その外側にて2次空気が2次空気ノズル53から火炉11内に吹き込まれ、その外側にて3次空気が3次空気ノズル54から火炉11内に吹き込まれる。このとき、微粉燃料混合気は、燃料ノズル52の先端部にて、保炎器132により分岐されて着火され、燃焼して燃焼ガスとなる。また、この微粉燃料混合気の外周に2次空気が吹き込まれることで、燃料ガスの燃焼が促進される。更に、燃焼火炎の外周に旋回する3次空気が吹き込まれることで、2次空気と3次空気の割合を調整し、最適な燃焼を得ることができる。
【0118】
そして、この燃焼バーナ131は、保炎器132がスプリット形状をなすため、微粉燃料混合気が燃料ノズル52の出口で保炎器132により軸心O側に循環する循環流C1が形成される。この循環流C1は、拡張部133の傾斜面133bにより燃料ノズル52の径方向の外側から内側へ端面133aに向けて流れ込むものであり、燃料ノズル52における軸心O(起動用燃料ノズル51)側にて、燃料ガスの着火及び保炎が行われる。これにより、燃焼火炎の内部保炎が実現される。
【0119】
そのため、燃料ノズル52における軸心O側で燃料ガスの着火及び保炎が行われることから、2次空気ノズル53から吹き込まれる2次空気との混合が抑制され、燃焼火炎の生成領域で高酸素領域の発生が抑制され、燃焼火炎の外周部におけるNOx発生量が低減される。
【0120】
このように実施例5の燃焼バーナにあっては、保炎器132の正面視を矩形のリング形状としている。従って、簡単な構成で容易に軸心O側に循環する循環流C1を形成することができる。
【0121】
なお、上述した実施例にて、各保炎器の構成を各種あげて説明したが、この構成は上述したものに限定されるものではない。即ち、本発明のバーナは、燃料ノズルの先端部における軸心側に循環する循環流を形成して内部保炎を実現することができる構成であればよく、保炎器の数や位置などは適宜設定すればよいものであり、保炎器が燃料ノズルの内周面に密着していても、離間していてもよいものである。
【符号の説明】
【0122】
10 微粉炭焚きボイラ
11 火炉
21,22,23,24,25,71,81,91,101,111,121,131 燃焼バーナ
51 起動用燃料ノズル
52 燃料ノズル
53,82,92 2次空気ノズル
54,83,93 3次空気ノズル
55,102,112,122,132 保炎器
61,103,115,116,123,133 拡張部
62 スワール(旋回力付与装置)
124 切欠部
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