(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
入力端子に接続された交流電源を整流する整流部と、前記整流部の出力と接地との間で直列接続されたハイサイドスイッチおよびローサイドスイッチを有するスイッチング部と、一端が前記ハイサイドスイッチと前記ローサイドスイッチのスイッチ接続点に接続された一次側巻線および前記一次側巻線に磁気的に結合された二次側巻線を有するトランス部と、前記二次側巻線の両端に発生した交流電圧を整流平滑し、整流平滑された直流電圧を出力端子に出力する整流平滑部と、容量素子を有するコンデンサ部と、前記コンデンサ部の容量素子を充電するとともに、前記容量素子の充電電圧であるソフトスタート電圧が高くなるにつれて所定の上限導通時間を上限として導通時間が長くなるように前記ハイサイドスイッチおよび前記ローサイドスイッチを相補的に導通状態または遮断状態に制御するスイッチ制御回路と、を備える絶縁型スイッチング電源に用いられるソフトスタート制御回路であって、
前記スイッチ制御回路が間欠的に動作するバーストモードにおいて、前記一次側巻線の電圧に基づく参照電圧が第1の閾値電圧未満に低下した後、再び前記第1の閾値電圧以上となった場合、前記参照電圧が前記第1の閾値電圧よりも高い第2の閾値電圧に達するまで、前記ソフトスタート電圧の上昇速度を、前記バーストモードにおける前記ソフトスタート電圧の上昇速度である第1の上昇速度から、前記第1の上昇速度よりも低速の第2の上昇速度に切り替え、
前記コンデンサ部は、一端が前記スイッチ制御回路のコンデンサ電圧入力端子に接続された第1の容量素子と、一端が前記第1の容量素子の他端に接続され、他端が接地された第2の容量素子とを有し、
前記ソフトスタート制御回路は、
前記第1の容量素子と前記第2の容量素子の間の容量素子接続点を接地することにより、前記ソフトスタート電圧の上昇速度を前記第1の上昇速度から前記第2の上昇速度に切り替え、
前記参照電圧が入力される参照電圧入力端子と、
前記参照電圧を分圧した分圧電圧が入力される分圧電圧入力端子と、
前記容量素子接続点に接続されるソフトスタート時間制御端子と、
前記参照電圧が前記第1の閾値電圧よりも小さい場合にセット信号を出力するセット信号生成部と、
前記分圧電圧が前記第2の閾値電圧に対応する電圧よりも大きい場合にリセット信号を出力するリセット信号生成部と、
前記セット信号を受信すると、前記第1の容量素子と前記第2の容量素子の間の容量素子接続点を接地に電気的に接続し、前記リセット信号を受信すると、前記容量素子接続点を接地から電気的に絶縁するソフトスタート時間制御部と、
を備えることを特徴とするソフトスタート制御回路。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、バーストモード設定下でソフトスタートによる電源起動を行う場合は、ソフトスタート時間が通常モードの場合に比べてずっと短くなる。このため、出力電圧を徐々に上昇させることで突入電流やオーバーシュートを軽減するというソフトスタート動作による効果が低下する。
【0007】
よって、出力電圧が上昇する電源起動の間、出力電圧が低く、かつ負荷に流れる電流が大きい状態となり、絶縁型スイッチング電源のトランス部に過大な電流が流れてしまう。その結果、例えば、トランス鳴きや、電流共振型電源の一種であるLLC電流共振型スイッチング電源の場合には共振はずれが起こるおそれがある。
【0008】
そこで、本発明は、バーストモードでソフトスタートによる電源起動を行った場合において、トランス部に過電流が流れることを防止することが可能なソフトスタート制御回路、半導体集積回路、および絶縁型スイッチング電源を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一態様に係るソフトスタート制御回路は、
入力端子に接続された交流電源を整流する整流部と、前記整流部の出力と接地との間で直列接続されたハイサイドスイッチおよびローサイドスイッチを有するスイッチング部と、一端が前記ハイサイドスイッチと前記ローサイドスイッチのスイッチ接続点に接続された一次側巻線および前記一次側巻線に磁気的に結合された二次側巻線を有するトランス部と、前記二次側巻線の両端に発生した交流電圧を整流平滑し、整流平滑された直流電圧を出力端子に出力する整流平滑部と、容量素子を有するコンデンサ部と、前記コンデンサ部の容量素子を充電するとともに、前記容量素子の充電電圧であるソフトスタート電圧が高くなるにつれて所定の上限導通時間を上限として導通時間が長くなるように前記ハイサイドスイッチおよび前記ローサイドスイッチを相補的に導通状態または遮断状態に制御するスイッチ制御回路と、を備える絶縁型スイッチング電源に用いられ、
前記スイッチ制御回路が間欠的に動作するバーストモードにおいて、前記一次側巻線の電圧に基づく参照電圧が第1の閾値電圧未満に低下した後、再び前記第1の閾値電圧以上となった場合、前記参照電圧が前記第1の閾値電圧よりも高い第2の閾値電圧に達するまで、前記ソフトスタート電圧の上昇速度を、前記バーストモードにおける前記ソフトスタート電圧の上昇速度である第1の上昇速度から、前記第1の上昇速度よりも低速の第2の上昇速度に切り替えることを特徴とする。
【0010】
また、前記ソフトスタート制御回路において、
前記コンデンサ部は、一端が前記スイッチ制御回路のコンデンサ電圧入力端子に接続された第1の容量素子と、一端が前記第1の容量素子の他端に接続され、他端が接地された第2の容量素子とを有し、
前記ソフトスタート制御回路は、前記第1の容量素子と前記第2の容量素子の間の容量素子接続点を接地することにより、前記ソフトスタート電圧の上昇速度を前記第1の上昇速度から前記第2の上昇速度に切り替えるようにしてもよい。
【0011】
また、前記ソフトスタート制御回路において、
前記参照電圧が入力される参照電圧入力端子と、
前記参照電圧を分圧した分圧電圧が入力される分圧電圧入力端子と、
前記容量素子接続点に接続されるソフトスタート時間制御端子と、
前記参照電圧が前記第1の閾値電圧よりも小さい場合にセット信号を出力するセット信号生成部と、
前記分圧電圧が前記第2の閾値電圧に対応する電圧よりも大きい場合にリセット信号を出力するリセット信号生成部と、
前記セット信号を受信すると、前記第1の容量素子と前記第2の容量素子の間の容量素子接続点を接地に電気的に接続し、前記リセット信号を受信すると、前記容量素子接続点を接地から電気的に絶縁するソフトスタート時間制御部と、
を備えてもよい。
【0012】
また、前記ソフトスタート制御回路において、
前記スイッチ制御回路に動作電力を供給する電力供給端子と、
一端が前記参照電圧入力端子に接続され、他端が前記電力供給端子に接続されたバースト制御用スイッチと、
前記分圧電圧入力端子に接続された第1の入力端子と、前記第2の閾値電圧に対応する前記分圧電圧が入力される第2の入力端子と、前記第1の入力端子の電圧が前記第2の入力端子の電圧よりも小さい場合にHレベル信号を出力し、そうでない場合にLレベル信号を出力する出力端子とを有する第1の比較器と、
前記分圧電圧入力端子に接続された第3の入力端子と、前記第1の閾値電圧よりも高く前記第2の閾値電圧よりも低い第3の閾値電圧に対応する前記分圧電圧が入力される第4の入力端子と、前記第3の入力端子の電圧が前記第4の入力端子の電圧よりも小さい場合にHレベル信号を出力し、そうでない場合にLレベル信号を出力する出力端子とを有する第2の比較器と、
前記第1の比較器の出力端子にNOTゲートを介して接続されたセット入力端子と、前記第2の比較器の出力端子に接続されたリセット入力端子と、前記セット入力端子にHレベル信号が入力されるとHレベルバースト制御信号を出力し、前記リセット端子にHレベル信号が入力されるとLレベルバースト制御信号を出力する出力端子とを有するSRフリップフロップと、
前記SRフリップフロップから前記Hレベルバースト制御信号を受信すると、前記バースト制御用スイッチを遮断状態にして前記スイッチ制御回路への動作電力の供給を停止し、前記SRフリップフロップから前記Lレベルバースト制御信号を受信すると、前記バースト制御用スイッチを導通状態して前記スイッチ制御回路への動作電力の供給を行うバースト制御部と、
をさらに備えてもよい。
【0013】
また、前記ソフトスタート制御回路において、
前記第2の上昇速度は、前記スイッチ制御回路が連続的に動作する通常モードにおける前記ソフトスタート電圧の上昇速度であるようにしてもよい。
【0014】
また、前記ソフトスタート制御回路において、
前記第2の閾値電圧は、前記バーストモードにおける前記参照電圧の上限の電圧であるようにしてもよい。
【0015】
また、前記ソフトスタート制御回路において、
前記参照電圧は、前記一次側巻線に磁気的に結合された補助巻線の両端に発生する交流電圧を整流平滑した直流電圧であるようにしてもよい。
【0016】
本発明の一態様に係る半導体集積回路は、
本発明のソフトスタート制御回路を所定の半導体基板上に形成したことを特徴とする。
【0017】
本発明の一態様に係る半導体集積回路は、
本発明のソフトスタート制御回路と、前記スイッチ制御回路とを所定の半導体基板上に形成したことを特徴とする。
【0018】
本発明の一態様に係る絶縁型スイッチング電源は、
入力端子に接続された交流電源を整流する整流部と、
前記整流部の出力と接地との間で直列接続されたハイサイドスイッチおよびローサイドスイッチを有するスイッチング部と、
一端が前記ハイサイドスイッチと前記ローサイドスイッチのスイッチ接続点に接続された一次側巻線と、前記一次側巻線に磁気的に結合された二次側巻線とを有するトランス部と、
前記二次側巻線の両端に発生した交流電圧を整流平滑し、整流平滑された直流電圧を出力端子に出力する整流平滑部と、
容量素子を有するコンデンサ部と、
前記コンデンサ部の容量素子を充電するとともに、前記容量素子の充電電圧であるソフトスタート電圧が高くなるにつれて所定の上限導通時間を上限として導通時間が長くなるように前記ハイサイドスイッチおよび前記ローサイドスイッチを相補的に導通状態または遮断状態に制御するスイッチ制御回路と、
前記スイッチ制御回路が間欠的に動作するバーストモードにおいて、前記一次側巻線の電圧に基づく参照電圧が第1の閾値電圧未満に低下した後、再び前記第1の閾値電圧以上となった場合、前記参照電圧が前記第1の閾値電圧よりも高い第2の閾値電圧に達するまで、前記ソフトスタート電圧の上昇速度を、前記バーストモードにおける前記ソフトスタート電圧の上昇速度である第1の上昇速度から、前記第1の上昇速度よりも低速の第2の上昇速度に切り替えるソフトスタート制御回路と、
を備えることを特徴とする。
【0019】
また、前記絶縁型スイッチング電源において、
前記トランス部は、前記一次側巻線に磁気的に結合された補助巻線をさらに有し、
前記参照電圧は、前記補助巻線の両端に発生する交流電圧を整流平滑した直流電圧であるようにしてもよい。
【0020】
また、前記絶縁型スイッチング電源において、
前記一次側巻線に直列又は並列に接続された共振用のコンデンサをさらに備えてもよい。
【発明の効果】
【0021】
本発明では、バーストモードにおいて、トランス部の一次側巻線の電圧に基づく参照電圧が第1の閾値電圧未満に低下した後、再び第1の閾値電圧以上となった場合、参照電圧が第2の閾値電圧に達するまで、ソフトスタート電圧の上昇速度を、バーストモードにおけるソフトスタート電圧の上昇速度である第1の上昇速度から、第1の上昇速度よりも低速の第2の上昇速度に切り替える。これにより、バーストモードでソフトスタートによる電源起動を行った場合においても、ソフトスタートの効果が低下せず、トランス部に過電流が流れることを防止することができる。
【0022】
よって、本発明によれば、バーストモードでソフトスタートによる電源起動を行った場合において、トランス部に過電流が流れることを防止することができる。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、図面を参照しつつ本発明の実施形態について説明する。
【0025】
(第1の実施形態)
本発明の第1の実施形態に係る絶縁型スイッチング電源1について説明する。
図1は、本実施形態に係る絶縁型スイッチング電源1の概略的な構成図を示している。
【0026】
絶縁型スイッチング電源1は、入力端子2a,2bに交流電源(図示せず)が接続され、該交流電源から入力された交流電力を所望の直流電力に変換して、出力端子7a,7bから出力するスイッチング電源である。
【0027】
図1に示すように、絶縁型スイッチング電源1は、入力端子2a,2bと、整流部3と、スイッチング部4と、トランス部5と、整流平滑部6と、出力端子7a,7bと、コンデンサ部8と、スイッチ制御回路9と、ソフトスタート制御回路10と、整流平滑部11とを備えている。
【0028】
なお、絶縁型スイッチング電源1は、整流部3の出力とハイサイドスイッチQ1との間に、インダクタを有する力率改善回路(PFC、図示せず)を備えていてもよい。
【0029】
また、
図1に示すように、絶縁型スイッチング電源1は、共振用の容量素子C4および抵抗R1をさらに備え、電流共振型のスイッチング電源として構成されてもよい。容量素子C4と抵抗R1は、一次側巻線W1と接地との間で直列接続されている。
【0030】
また、容量素子C4は、一次側巻線W1の一端とスイッチ接続点Mとの間に一次側巻線W1に直列に接続されていてもよい。あるいは、容量素子C4は、一次側巻線W1に並列接続されていてもよい。
【0031】
整流部3は、入力端子2a,2bに接続された交流電源を整流(半波整流または全波整流)する。そして、整流部3は、整流された入力整流電圧を出力する。整流部3は、例えば、ブリッジダイオードを用いて構成される。なお、整流部3は、平滑用コンデンサを備えて交流電源を整流平滑して出力するようにしてもよい。
【0032】
スイッチング部4は、
図1に示すように、整流部3の出力と接地との間で直列接続されたハイサイドスイッチQ1およびローサイドスイッチQ2を有する。ハイサイドスイッチQ1およびローサイドスイッチQ2は、n型MOSFETなどの半導体スイッチング素子である。
【0033】
トランス部5は、
図1に示すように、一次側巻線W1と、二次側巻線W2と、補助巻線W3とを有する。一次側巻線W1は、一端がハイサイドスイッチQ1とローサイドスイッチQ2のスイッチ接続点Mに接続されている。二次側巻線W2および補助巻線W3は、一次側巻線W1に磁気的に結合されている。
【0034】
一次側巻線W1の他端は、
図1に示すように、直列接続された容量素子C4および抵抗R1を介して接地されている。なお、一次側巻線W1の他端は、容量素子C4および抵抗R1を介さずに直接接地されていてもよい。
【0035】
整流平滑部6は、二次側巻線W2の両端に発生した交流電圧を整流平滑し、整流平滑された直流電圧を出力端子7a,7bに出力する。整流平滑部6は、例えば、
図1に示すように、整流素子D1,D2および平滑用の容量素子C3を有するものとして構成される。より詳しくは、整流素子D1は、二次側巻線W2の一端にアノードが接続され、出力端子7aにカソードが接続されている。整流素子D2は、二次側巻線W2の他端にアノードが接続され、出力端子7aにカソードが接続されている。容量素子C3は、一端が出力端子7aに接続され、他端が出力端子7bに接続されている。また、出力端子7bは、二次側巻線W2のセンタータップに接続されている。
【0036】
なお、整流平滑部6は、二次側巻線W2の両端に発生した交流電圧を整流平滑することが可能であれば、上記の構成に限らない。また、
図1では、整流平滑部6は1つのみ記載しているが、これに限らず、二次側巻線W2を2つ以上並列的に設けて、各々の二次側巻線W2に整流平滑部6を設けてもよい。
【0037】
コンデンサ部8は、
図1に示すように、直列接続された容量素子C1およびC2を有する。容量素子C1は、一端がスイッチ制御回路9のコンデンサ電圧入力端子SSに接続されている。容量素子C2は、一端が容量素子C1の他端に接続され、他端が接地されている。
【0038】
なお、コンデンサ部8の有する容量素子の数は2個に限らず、コンデンサ部8は3個以上の容量素子を有してもよい。
【0039】
スイッチ制御回路9は、スイッチを介してコンデンサ電圧入力端子SSに接続された定電流源(図示せず)を有しており、ソフトスタート動作の際、スイッチを導通状態にして、定電流源によりコンデンサ部8の容量素子C1,C2を充電する。
【0040】
また、スイッチ制御回路9は、ソフトスタート動作の際、コンデンサ電圧入力端子SSの電圧である容量素子C1,C2の充電電圧(以下、「ソフトスタート電圧」という。)に基づいて、ハイサイドスイッチQ1およびローサイドスイッチQ2をスイッチングさせる。
【0041】
より詳しくは、スイッチ制御回路9は、ソフトスタート動作の際、ソフトスタート電圧が高くなるにつれて所定の上限導通時間(上限オン幅)を上限として導通時間(オン幅)が長くなるように、ハイサイドスイッチQ1およびローサイドスイッチQ2を相補的に導通状態または遮断状態に制御する。
【0042】
ここで、「相補的に」という文言は、いわゆるデッドタイムを挟んでスイッチングする場合も含んでいる。即ち、ハイサイドスイッチQ1およびローサイドスイッチQ2の両方が遮断状態になる時間を挟んで、一方のスイッチを導通状態にして他方のスイッチを遮断状態にすることも含む。
【0043】
なお、スイッチ制御回路9は、例えば、ICチップとして構成される。即ち、スイッチ制御回路9は、所定の半導体基板上に形成された半導体集積回路である。
【0044】
整流平滑部11は、補助巻線W3の両端に発生した交流電圧を整流平滑して、ソフトスタート制御回路10に出力する。この整流平滑部11は、例えば、
図1に示すように、アノードが補助巻線W3の一端に接続され、カソードがソフトスタート制御回路10に接続された整流素子D3と、一端が整流素子D3のカソードに接続され、他端が補助巻線W3の他端に接続された平滑用の容量素子C5とを有するものとして構成される。
【0045】
<ソフトスタート制御回路10の構成>
ソフトスタート制御回路10は、
図1に示すように、端子として、参照電圧入力端子VWと、分圧電圧入力端子COMPと、ソフトスタート時間制御端子SSCと、電圧入力端子Vinと、電力供給端子KVc1とを備える。
【0046】
参照電圧入力端子VWは、整流平滑部11を介して補助巻線W3に接続され、参照電圧が入力される。参照電圧は、補助巻線W3の両端に発生する交流電圧を整流平滑部11により整流平滑した直流電圧である。なお、参照電圧は、補助電源の出力する直流電圧であってもよい。ここで、補助電源は、直流電源を有し、一次側巻線W1の両端に発生する電圧に応じた直流電圧を参照電圧入力端子VWに出力する電源である。このように参照電圧は、一次側巻線W1の電圧に基づく電圧であり、絶縁型スイッチング電源1の動作レベル(出力電圧)を反映している。
【0047】
分圧電圧入力端子COMPは、参照電圧を抵抗R2および抵抗R3により分圧した分圧電圧が入力される。ソフトスタート時間制御端子SSCは、容量素子接続点Nに接続されている。電圧入力端子Vinは、整流部3が出力した入力整流電圧が入力される端子である。電力供給端子KVc1は、スイッチ制御回路9に動作電力を供給するための端子である。
【0048】
次に、
図2を参照して、本実施形態に係るソフトスタート制御回路10の内部構成について詳しく説明する。
図2はソフトスタート制御回路10の回路図の一例を示している。
【0049】
ソフトスタート制御回路10は、セット信号生成部21と、リセット信号生成部22と、ソフトスタート時間制御部23と、バースト制御用スイッチQ4と、スイッチQ5と、比較器CMP3と、SRフリップフロップFF2と、レベルシフト回路24と、整流素子D4と、バースト制御部25とを備えている。
【0050】
セット信号生成部21は、参照電圧が閾値電圧Vth1よりも小さい場合にセット信号(Hレベル信号)を出力するものとして構成されている。なお、参照電圧が閾値電圧Vth1よりも小さい場合、セット信号によりスイッチQ5が導通状態となり、電圧入力端子Vinに入力された入力整流電圧が電力供給端子KVc1からスイッチ制御回路9に出力される。
【0051】
上記のセット信号生成部21は、例えば、
図2に示すように、比較器CMP1で構成される。比較器CMP1は、参照電圧入力端子VWに接続された入力端子(−)と、閾値電圧Vth1が入力される入力端子(+)と、入力端子(−)の電圧が入力端子(+)の電圧よりも小さい場合にセット信号を出力する出力端子とを有する。なお、この比較器CMP1は、ノイズ耐性を高めるため、ヒステリシスコンパレータであることが好ましい。
【0052】
リセット信号生成部22は、分圧電圧入力端子COMPに入力される分圧電圧が閾値電圧Vth2に対応する電圧Vaよりも大きい場合にリセット信号(Hレベル信号)を出力するものとして構成されている。ここで、閾値電圧Vth2は、閾値電圧Vth1よりも高い電圧である。閾値電圧Vth2に対応する電圧Vaは、閾値電圧Vth2を抵抗R2および抵抗R3で分圧した電圧である。
【0053】
上記のリセット信号生成部22は、例えば、
図2に示すように、比較器CMP2および比較器CMP2の出力端子に接続されたNOTゲートN1で構成される。比較器CMP2は、分圧電圧入力端子COMPに接続された入力端子(−)と、閾値電圧Vth2に対応する電圧Vaが入力される入力端子(+)と、入力端子(−)の電圧が入力端子(+)の電圧よりも小さい場合にリセット信号を出力する出力端子とを有する。
【0054】
比較器CMP3は、分圧電圧入力端子COMPに接続された入力端子(−)と、閾値電圧Vth3に対応する電圧Vbが入力される入力端子(+)と、入力端子(−)の電圧が入力端子(+)の電圧よりも小さい場合にHレベル信号を出力し、そうでない場合にLレベル信号を出力する出力端子とを有する。閾値電圧Vth3に対応する電圧Vbは、閾値電圧Vth3を抵抗R2および抵抗R3で分圧した電圧である。
【0055】
閾値電圧Vth2は、閾値電圧Vth1よりも高く、閾値電圧Vth3よりも低い。例えば、閾値電圧Vth2はバーストモードにおける参照電圧の上限の電圧であり、閾値電圧Vth3はバーストモードにおける参照電圧の下限の電圧である。
【0056】
SRフリップフロップFF2は、リセット信号生成部22の出力端子に接続されたセット入力端子Sと、比較器CMP3の出力端子に接続されたリセット入力端子Rと、バースト制御部25に接続された出力端子Qとを有する。
【0057】
SRフリップフロップFF2は、セット入力端子Sにリセット信号(Hレベル信号)が入力された場合、バースト制御部25にHレベルバースト制御信号を出力し、リセット入力端子RにHレベル信号が入力された場合、バースト制御部25にLレベルバースト制御信号を出力する。
【0058】
ソフトスタート時間制御部23は、セット信号生成部21からセット信号を受信すると、コンデンサ部8の容量素子接続点Nを接地に電気的に接続する。また、ソフトスタート時間制御部23は、リセット信号生成部22からリセット信号を受信すると、コンデンサ部8の容量素子接続点Nを接地から電気的に絶縁するものとして構成されている。
【0059】
上記のソフトスタート時間制御部23は、例えば、
図2に示すように、スイッチQ3およびSRフリップフロップFF1で構成される。スイッチQ3は、一端がソフトスタート時間制御端子SSCに接続され、他端が接地されている。このスイッチQ3は、n型MOSFETなどの半導体スイッチング素子である。この場合、n型MOSFETのドレイン端子がソフトスタート時間制御端子SSCに接続され、ソース端子が接地に接続される。
【0060】
SRフリップフロップFF1は、セット信号生成部21の出力端子SET_OUTに接続されたセット入力端子Sと、リセット信号生成部22の出力端子RESET_OUTに接続されたリセット入力端子Rと、スイッチQ3のゲート端子に接続された出力端子Qとを有する。
【0061】
そして、SRフリップフロップFF1は、セット入力端子Sにセット信号が入力された場合、スイッチQ3を導通状態にするHレベル信号を出力する。また、SRフリップフロップFF1は、リセット入力端子Rにリセット信号が入力されるとスイッチQ3を遮断状態にするLレベル信号を出力する。
【0062】
これにより、ソフトスタート制御回路10は、参照電圧が閾値電圧Vth1未満となると、スイッチQ3を導通状態にしてソフトスタート時間制御端子SSC(容量素子接続点N)を接地に電気的に接続し、一方、参照電圧が閾値電圧Vth2よりも高くなると、スイッチQ3を遮断状態にしてソフトスタート時間制御端子SSC(容量素子接続点N)を接地から電気的に絶縁する。
【0063】
バースト制御用スイッチQ4は、一端がスイッチQ5に接続され、他端が電力供給端子KVc1に接続されている。このバースト制御用スイッチQ4は、例えば、p型MOSFETなどの半導体スイッチング素子である。この場合、p型MOSFETのソース端子がスイッチQ5に接続され、ドレイン端子が電力供給端子KVc1に接続される。
【0064】
また、バースト制御用スイッチQ4の一端は、整流素子D4およびレベルシフト回路24を介して参照電圧入力端子VWに接続されている。
【0065】
スイッチQ5は、一端が電圧入力端子Vinに接続され、他端がスイッチQ4の一端に接続されている。スイッチQ5は、セット信号生成部21からHレベル信号(セット信号)を受信すると導通状態になり、Lレベル信号を受信すると遮断状態になる。なお、スイッチQ5は、例えば、n型MOSFETなどの半導体スイッチング素子である。この場合、n型MOSFETのドレイン端子が電圧入力端子Vinに接続され、ソース端子がスイッチQ4の一端に接続される。
【0066】
バースト制御部25は、SRフリップフロップFF2からHレベルバースト制御信号を受信すると、バースト制御用スイッチQ4を遮断状態にしてスイッチ制御回路9への動作電力の供給を停止する。一方、SRフリップフロップFF2からLレベルバースト制御信号を受信すると、バースト制御部25は、バースト制御用スイッチQ4を導通状態してスイッチ制御回路9への動作電力の供給を行う。
【0067】
これにより、ソフトスタート制御回路10は、参照電圧が閾値電圧Vth2と閾値電圧Vth3との間の電圧になるように、スイッチ制御回路9を間欠的に動作させる。
【0068】
レベルシフト回路24は、入力端が参照電圧入力端子VWに接続され、出力端が整流素子D4を介してスイッチQ4とスイッチQ5との接続点に接続され、参照電圧を所定の電圧に降下させる。レベルシフト回路24は、例えば、参照電圧をスイッチ制御回路9の動作電圧になるようにレベルシフトした電圧を出力する。なお、レベルシフト回路24は、必須ではなく、削除することが可能である。
【0069】
整流素子D4は、アノードがレベルシフト回路24の出力端に接続され、カソードがスイッチQ4およびスイッチQ5との接続点に接続されている。これにより、電圧入力端子Vinに入力された入力整流電圧を電力供給端子KVc1から出力する際に、入力整流電圧が参照電圧入力端子VWに流入することを防止できる。
【0070】
なお、整流素子D4は、参照電圧入力端子VWとレベルシフト回路24との間に設けられてもよい。この場合、整流素子D4のアノードが参照電圧入力端子VWに接続され、カソードがレベルシフト回路24の入力に接続される。このように整流素子D4は、補助電圧入力端子VWと、スイッチQ4およびスイッチQ5の接続点との間でレベルシフト回路24に直列接続され、補助電圧入力端子VWからスイッチQ5の他端に向かう方向に電流を流すものとして設けられる。また、整流素子D4を削除してもよい。この場合、レベルシフト回路24の出力端はスイッチQ4およびスイッチQ5の接続点に接続される。
【0071】
ソフトスタート制御回路10は、スイッチ制御回路9に動作電力を供給する電力供給回路としての機能も有する。即ち、ソフトスタート制御回路10は、参照電圧が閾値電圧Vth1に達するまでの間、電圧入力端子Vinに入力された電圧を電力供給端子KVc1からスイッチ制御回路9の電力入力端子Vc1に出力し、参照電圧が閾値電圧Vth1に達すると、参照電圧入力端子VWに入力された電圧を電力供給端子KVc1からスイッチ制御回路9の電力入力端子Vc1に出力する。
【0072】
なお、ソフトスタート制御回路10は、単独で、またはスイッチ制御回路9とともに、所定の半導体基板上に形成した半導体集積回路として構成してもよい。
【0073】
<絶縁型スイッチング電源1の動作>
次に、
図3を参照して絶縁型スイッチング電源1の動作について説明する。
図3は、本実施形態に係る絶縁型スイッチング電源1の動作を説明するためのタイミングチャートである。
【0074】
時刻t1以前において、絶縁型スイッチング電源1はスイッチ制御回路9が間欠的に動作するバーストモードで動作しており、参照電圧は、閾値電圧Vth2と閾値電圧Vth3との間の範囲にある。
【0075】
なお、
図3中、Vrefは参照電圧を示し、Vg_Q3はソフトスタート時間制御部23のスイッチQ3のゲート端子の電圧を示し、Vssはソフトスタート電圧を示し、VbstはSRフリップフロップFF2が出力するバースト制御信号を示し、Iwはトランス部5(一次側巻線W1)に流れる電流を示している。
【0076】
時刻t
1において、交流電源からの入力が途絶えることにより、参照電圧Vrefが低下し始める。
【0077】
その後、時刻t
2において、参照電圧Vrefは閾値電圧Vth1に低下する。このため、比較器CMP1がセット信号を出力し、SRフリップフロップFF1がHレベル信号をスイッチQ3のゲート端子に出力する。Hレベル信号によりスイッチQ3は導通状態となるため、容量素子接続点Nは接地される。よって、スイッチ制御回路9からみたコンデンサ部8の静電容量は、容量素子C1および容量素子C2の合成容量よりも大きい容量素子C1の静電容量となる。
【0078】
その後、時刻t
3において、交流電源からの入力が回復することにより、参照電圧Vrefが上昇し始める。
【0079】
その後、時刻t
4において、参照電圧Vrefは閾値電圧Vth1に達する。このとき、スイッチ制御回路9は定電流源をコンデンサ電圧入力端子SSに接続してコンデンサ部8の充電を開始する。これにより、
図3に示すように、ソフトスタート電圧Vssが容量素子C1の静電容量に応じた上昇速度で上昇し始める。
【0080】
その後、時刻t
5において、参照電圧Vrefは閾値電圧Vth2に達する。このため、リセット信号生成部22がリセット信号を出力し、SRフリップフロップFF1がLレベル信号をスイッチQ3のゲート端子に出力する。Lレベル信号によりスイッチQ3は遮断状態となるため、容量素子接続点Nは接地から電気的に絶縁される。よって、スイッチ制御回路9からみたコンデンサ部8の静電容量は、容量素子C1の静電容量よりも小さい、容量素子C1および容量素子C2の合成容量となる。
【0081】
また、参照電圧が閾値電圧Vth2に達すると、バースト制御部25は、Hレベルバースト制御信号を受信する。このため、バースト制御部25は、バースト制御用スイッチQ4を遮断状態にしてスイッチ制御回路9への動作電力の供給を停止する。これにより、ソフトスタート電圧Vssはゼロになり、参照電圧Vrefは低下し始める。
【0082】
時刻t
5以降における絶縁型スイッチング電源1の動作については、
図3に示すように、通常のバーストモードにおける動作と同じである。即ち、参照電圧が閾値電圧Vth2と閾値電圧Vth3の間になるように、スイッチ制御回路9が間欠的に動作する。また、参照電圧が閾値電圧Vth1未満に低下しない限り、スイッチ制御回路9からみたコンデンサ部8の静電容量は容量素子C1の静電容量よりも小さい容量となる。このため、
図3に示すように、ソフトスタート電圧Vssの上昇速度は、起動途中における上昇速度よりも速い。即ち、ソフトスタート電圧Vssは、時刻t
5以降において、通常のバーストモードと同じ速度で上昇する。
【0083】
参照電圧が閾値電圧Vth2に達した状態では絶縁型スイッチング電源1の出力電圧は十分に上昇しているため、ソフトスタート電圧Vssが通常のバーストモードと同じ速度で上昇しても、
図3に示すようにトランス部5に流れる電流Iwが過大になることはない。
【0084】
このようにソフトスタート制御回路10は、バーストモードにおいて参照電圧Vrefが閾値電圧Vth1未満に低下した後に再び閾値電圧Vth1以上となった場合、参照電圧Vrefが閾値電圧Vth2に達するまで、ソフトスタート電圧Vssの上昇速度を、バーストモードにおけるソフトスタート電圧Vssの上昇速度である第1の上昇速度から、第1の上昇速度よりも低速の第2の上昇速度に切り替える。この第2の上昇速度は、例えば、スイッチ制御回路9が連続的に動作する通常モードにおけるソフトスタート電圧Vssの上昇速度である。
【0085】
なお、ソフトスタート電圧の上昇速度を切り替える期間の終期は、参照電圧が閾値電圧Vth2に達したときに限らず、例えば、参照電圧が閾値電圧Vth3に達したときでもよい。一般的に言えば、参照電圧(ひいては出力電圧)がトランス部5に過電流が流れない程度に上昇する時点まで、ソフトスタート電圧の上昇速度が通常のバーストモードにおける上昇速度よりも低速に切り替えられていればよい。
【0086】
本実施形態では、ソフトスタート電圧Vssの上昇速度の切り替えは、スイッチ制御回路9からみたコンデンサ部8の静電容量を変化させることにより行っている。即ち、ソフトスタート制御回路10は、容量素子C1と容量素子C2の間の容量素子接続点を接地することにより、ソフトスタート電圧Vssの上昇速度を、容量素子C1と容量素子C2の合成容量に基づく第1の上昇速度から、容量素子C1の静電容量に基づく第2の上昇速度に切り替えている。
【0087】
以上説明したように、本実施形態では、絶縁型スイッチング電源1の起動途中(
図3の場合、時刻t
4〜t
5)におけるソフトスタート電圧の上昇速度は通常のバーストモードにおける上昇速度よりも遅いため、バーストモードでソフトスタートによる電源起動を行った場合においても、ソフトスタートの効果が低下することなく、トランス部5に過電流が流れることを防止することができる。その結果、例えば、トランス鳴きや、LLC電流共振型スイッチング電源の共振はずれ等を防止することができる。
【0088】
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。第2の実施形態と第1の実施形態との相違点の一つは、ソフトスタート電圧の上昇速度の変化のさせ方である。第1の実施形態では、スイッチ制御回路9から見たコンデンサ部8の静電容量を変化させることで、ソフトスタート電圧の上昇速度を変化させた。これに対し、第2の実施形態では、コンデンサ部8の容量素子を充電する定電流源の数を変化させることで、ソフトスタート電圧の上昇速度を変化させる。以下、第1の実施形態との相違点を中心に、第2の実施形態について説明する。
【0089】
第2の実施形態では、スイッチ制御回路9Aは、
図4に示すように、2つの定電流源I1およびI2を有する。定電流源I1およびI2はそれぞれ、スイッチSW1およびSW2を介して、コンデンサ電圧入力端子SSに電気的に接続されている。また、コンデンサ部8Aは、容量素子C6を有する。
【0090】
スイッチSW1およびSW2は、例えば、n型MOSFETなどの半導体スイッチング素子で構成される。
【0091】
第2の実施形態において、ソフトスタート電圧を第1の上昇速度で上昇させる場合は、スイッチSW1およびSW2をともに導通状態にすることにより、定電流源I1およびI2により容量素子C6を充電する。
【0092】
一方、電源起動中においてソフトスタート電圧を第1の上昇速度より低速の第2の上昇速度で上昇させる場合は、スイッチSW1およびSW2の一方のみを導通状態にすることにより、定電流源I1およびI2の一方により容量素子C6を充電する。
【0093】
スイッチSW1,SW2の制御は、例えば、ソフトスタート制御回路10のSRフリップフロップFF1の出力信号に基づいて行う。この場合、ソフトスタート制御回路10は、例えば、スイッチQ3を備えず、SRフリップフロップFF1の出力端子Qはソフトスタート時間制御端子SSCに接続されている。そして、ソフトスタート時間制御端子SSCは、容量素子接続点Nではなく、スイッチ制御回路9Aの信号入力端子に接続される。
【0094】
スイッチ制御回路9Aは、SRフリップフロップFF1の出力を受信する端子介してHレベル信号を受信した場合には、スイッチSW1およびSW2の一方を導通状態にし、他方を遮断状態にする。一方、Lレベル信号を受信した場合には、スイッチ制御回路9Aは、スイッチSW1およびSW2の両方を導通状態にする。
【0095】
このように本実施形態では、バーストモードにおいて参照電圧が閾値電圧Vth1未満に低下した場合、参照電圧が閾値電圧Vth2に達するまで、コンデンサ部8Aの容量素子を充電する定電流源の数を通常のバーストモードの場合よりも減らすことで、ソフトスタート電圧の上昇速度を第1の上昇速度から第1の上昇速度よりも低速の第2の上昇速度に切り替える。
【0096】
よって、第2の実施形態によれば、第1の実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
【0097】
なお、第2の実施形態の変形例として、電流源の数ではなく、電流源の出力電流量を変化させることで、ソフトスタート電圧の上昇速度を変化させてもよい。
【0098】
また、第2の実施形態に係るソフトスタート制御回路は、単独で、またはスイッチ制御回路9Aとともに、所定の半導体基板上に形成した半導体集積回路として構成してもよい。
【0099】
上記の記載に基づいて、当業者であれば、本発明の追加の効果や種々の変形を想到できるかもしれないが、本発明の態様は、上述した個々の実施形態に限定されるものではない。異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。特許請求の範囲に規定された内容及びその均等物から導き出される本発明の概念的な思想と趣旨を逸脱しない範囲で種々の追加、変更及び部分的削除が可能である。