(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
機械フレームと、この機械フレームに左右方向のドラム回転軸芯回りに回転自在に支持された混合ドラムとを備え、前記混合ドラムは上部開口状のドラム本体と、このドラム本体の上部開口を塞ぐドラム蓋とを備え、前記ドラム本体をドラム回転軸芯回りに回転駆動することにより混合ドラム内部で複数の食材を混合する食材混合機であって、
前記ドラム本体の左右両側に、軸芯がドラム回転軸芯とされたドラム支軸を設け、前記機械フレームに、左右のドラム支軸を軸芯回りに回転自在に支持する軸受部を有する軸受け部材を設け、各軸受け部材に、ドラム支軸を上方側から軸受部内に導入する軸案内部を設け、
左右一方のドラム支軸に被駆動ギヤを一体回転自在に設け、ドラム支軸を軸案内部を介して軸受部内に導入することで前記被駆動ギヤが上方側から噛合し且つ駆動装置によって駆動される駆動ギヤを機械フレーム側に設けたことを特徴とする食材混合機。
前記軸規制部材を、被駆動ギヤと駆動ギヤとの噛み合い部分に過負荷がかかった際に、該被駆動ギヤが設けられたドラム支軸が軸受部から離脱する方向に移動するのを許容する構造としたことを特徴とする請求項4に記載の食材混合機。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
図1は、複数の食材を混合する食材混合機として、ご飯に酢(合わせ酢)を自動的に混ぜ合わせて酢飯を作る酢合わせ機1を例示している。
図1は酢合わせ機1を右斜め正面から見た斜視図で示している。
なお、以下の説明において、左右方向内方とは、酢合わせ機1の左右方向の端部から左右方向中央に向かう方向をいい、左右方向外方とは、酢合わせ機1の左右方向中央から左右方向の端部に向かう方向をいう。
【0019】
図1に示すように、前記酢合わせ機1は、主として、機械フレーム2と、ご飯に酢を混ぜ合わせる混合ドラム3とを有する。
図2に示すように、前記機械フレーム2は、床面等に載置されるベースフレーム4と、このベースフレーム4の左右両側に立設されたサイドフレーム5L,5Rと、左右のサイドフレーム5L,5Rの後端側の上部同士を連結する後部連結板6とを有する。混合ドラム3は左右のサイドフレーム5L,5R間の上部側に配置されて、左右のサイドフレーム5L,5Rに左右軸回りに回転自在に支持されている。左右のサイドフレーム5L,5Rは、板材によって中空状に形成され、左右方向で対向配置されている。
【0020】
右側のサイドフレーム5L,5R内には、
図3に示すように、混合ドラム3を回転駆動する駆動モータ7と、混合ドラム3内に冷却空気を供給する送風装置8と、これら駆動モータ7及び送風装置8を制御する制御装置9とが設けられている。
前記駆動モータ7は正逆転自在な電動モータで構成され、この駆動モータ7は本実施形態ではブラシレスDCモータで構成されていて制御装置9によって回転速度制御が可能とされている。
【0021】
送風装置8は、冷却風を生起するブロワ等からなる送風機10と、この送風機10の吹出口に一端側が接続された送風ダクト11と、この送風ダクト11の他端側に接続されて混合ドラム3内に冷却空気を送る給気部材12とを有する。前記送風機10は制御装置9によって回転速度制御が可能とされている。
図1、
図2に示すように、右側のサイドフレーム5Rの上面側前部には、スタートスイッチ17、停止スイッチ18、排出スイッチ19等を有する操作パネル20が設けられ、該右側のサイドフレーム5Rの上面側後部には、必要に応じて混合ドラム3の内面にスプレーされて塗布される植物系油脂等からなる離型剤のスプレー缶21等を保持する缶ホルダ22が設けられている。
【0022】
図4(a)に示すように、右側のサイドフレーム5Rの左右方向内方側の側面を構成する内側壁13に、混合ドラム3の右側を回転自在に支持する軸受け部材15Rと、前記駆動モータ7で回転駆動される駆動ギヤ16とが設けられている。前記軸受け部材15Rは、右側のサイドフレーム5Rの内側壁13の前後方向中途部の上部に形成された凹み部14の上部に設けられている。駆動ギヤ16は軸受け部材15Rの下方側(凹み部14の下部)に設けられている。
【0023】
図4(b)に示すように、左側のサイドフレーム5Lの左右方向内方側の側面を構成する内側壁23に、混合ドラム3の左側を回転自在に支持する軸受け部材15Lが設けられている。この軸受け部材15Lは左側のサイドフレーム5Lの内側壁23の前後方向中途部の上部に設けられている。
左右の軸受け部材15L,15Rは、左右方向で対向状に配置され、それぞれ側面視U字形に形成されていてU字形溝24を有する。
【0024】
左右の軸受け部材15L,15RのU字形溝24の底部は後述する円筒状のドラム支軸
25L,25Rを回転自在に受持する円弧状の軸受部26とされている。左右の軸受け部材15L,15RのU字形溝24の上部はドラム支軸25L,25Rを上方側から軸受部26内に導入する軸案内部27とされている。この軸案内部27は前斜め上方に向けて傾斜状とされていると共に、前斜め上方に向けて開放状とされている。
【0025】
混合ドラム3の回転支持部分をこのように構成することにより、混合ドラム3のドラム支軸25L,25Rを軸案内部27を介して軸受部26から上方側に離脱させることができ、混合ドラム3全体を容易に取り外すことができる。これにより、混合ドラム3を清掃する場合に、混合ドラム3全体を洗い場にそのまま運ぶことができるので、混合ドラム3に残っている酢飯が酢合わせ機1の設置場所に落ちてしまうということがなく、また、混合ドラム3全体を洗い場で洗うことができる。また、混合ドラム3の回転支持部分及びその周辺の清掃も容易に行うことができる。
【0026】
また、軸案内部27を前斜め上方に向けて傾斜状に形成したことにより、混合ドラム3を取り外し・取り付けする際に、前斜め傾斜方向で行うことができ、これによって、混合ドラム3を着脱する際において、混合ドラム3を真上に持ち上げる場合に比べて、混合ドラム3を高く持ち上げる必要がなく、混合ドラム3の取り外し・取り付けを楽に行うことができる。
【0027】
右側のサイドフレーム5Rの内側壁13には円形状の給気穴28が形成されている。この給気穴28は右側の軸受け部材15Rの軸受部26に対応する位置に形成されている。この給気穴28から混合ドラム3内に冷却空気が供給可能とされている。
左側のサイドフレーム5Lの内側壁23には円形状の排気穴29が形成されている。この排気穴29は左側の軸受け部材15Lの軸受部26に対応する位置に形成されている。この排気穴29から混合ドラム3内の空気が排気可能とされている。
【0028】
図5に示すように、左側のサイドフレーム5L内には、排気穴29の前側及び下側に配置された仕切り部材30,31が設けられており、該左側のサイドフレーム5L内には、これら仕切部材30,31と、左側サイドフレーム5Lの内側壁23、上壁32及び後壁33と、左側サイドフレーム5Rの左右方向外方側の側面を構成する外側壁34とで囲まれた排気室35が設けられている。
【0029】
また、左側のサイドフレーム5Lの上壁32の後部には、多数の小孔によって形成された排気口36が設けられている。混合ドラム3内部から排気される空気は、排気穴29を介して排気室35に入り、この排気室35から排気口36を介して排気可能とされている。
また、左側のサイドフレーム5Lの外側壁34には、前記排気穴29に左右方向で対向するダクト通し穴37が形成されている。このダクト通し穴37は、左側のサイドフレーム5Lの外側壁35に着脱自在に取り付けられる閉塞板38で開閉自在に閉塞可能とされている。
【0030】
図1に示すように、左右サイドフレーム5L,5R間の下部で且つ混合ドラム3の下方が、混合ドラム3で作られた酢飯を入れる酢飯収容箱39(食材収容箱)の配置空間とされている。酢飯収容箱39は上端開口状のコンテナからなり、前方側から酢飯収容箱39の配置空間に挿入され、ベースフレーム4上に載置される。
図2に示すように、ベースフレーム4上の後部には、混合ドラム3の下方の適正位置に酢飯収容箱39が配置されていることを検出する箱検出装置40が設けられている。
【0031】
この箱検出装置40は、
図6に示すように、ベースフレーム4上に設置された装置フレーム41と、この装置フレーム41の上壁41aの下面に固定された支持ブラケット42と、この支持ブラケット42に前後揺動自在に枢支された揺動部材43と、支持ブラケット42に固定された箱検出センサ44とを有する。
前記揺動部材43は上部が支持ブラケット42に枢支され、下部が装置フレーム41の前壁41bに形成された開口41cから前方に突出している。この揺動部材43は前方に向けてバネによって付勢される。この揺動部材43の下部に酢飯収容箱39の後面が接当すると揺動部材43が後方に揺動し、該揺動部材43が箱検出センサ44の接触子44aを接当押圧することで、酢飯収容箱39が混合ドラム3の下方位置にあること及び酢飯収
容箱39が混合ドラム3の下方の適正位置に配置されていることが検出される。
【0032】
前記混合ドラム3は、
図7、
図8及び
図9に示すように、下部のドラム本体46と、このドラム本体46を開閉自在に閉塞する上部のドラム蓋47とから構成されている。これらドラム本体46とドラム蓋47とは樹脂によって成型されている。
ドラム本体46は上部開口状とされ、ドラム蓋47は下部開口状とされ、ドラム本体46及びドラム蓋47の開口周縁側には、それぞれ開口周縁から外方に張り出すフランジ部48,49が設けられ、これらフランジ部48,49を重ね合わすことにより、ドラム本体46がドラム蓋47で開閉自在に塞がれる。
【0033】
ドラム蓋47のフランジ部49の側部の前側には、左右方向外方に張り出す張出し係合部50が形成されている。
ドラム本体46の上部の左右両側には、左右方向の軸芯を有する円筒状のドラム支軸25L,25Rが設けられ、このドラム支軸25L,25Rの軸芯が混合ドラム3の回転軸芯(ドラム回転軸芯X)とされている。左右のドラム支軸25L,25Rは、左右方向で同じ側にある前記軸受け部材15L,15Rの軸受部26に軸案内部27を介して導入され、軸受部26で受持されて回転自在に支持される。
【0034】
右側のドラム支軸25Rにはギヤ装着部51が設けられ、このギヤ装着部51には、被駆動ギヤ52がドラム回転軸芯X回りに相対回転不能に嵌合装着されている。なお、被駆動ギヤ52をドラム支軸25Rに同じ部材で一体形成してもよい。
この被駆動ギヤ52は、ドラム支軸25L,25Rを軸受部26に導入する際に、駆動ギヤ16に上方側から噛合し、該被駆動ギヤ52に駆動ギヤから動力伝達可能とされる。駆動ギヤ16から被駆動ギヤ52に回転動力が伝達されることで混合ドラム3がドラム回転軸芯X回りに回転駆動可能とされる。
【0035】
前述したように、ドラム支軸25L,25Rを軸受部26内に導入する動作で、被駆動ギヤ52が駆動ギヤ16に上方側から噛合するように構成することにより、回転駆動可能な混合ドラム3の取り外し・取り付けを容易に行うことができる。
前記駆動モータ7を正転させると、該駆動モータ7の回転動力が駆動ギヤ16から被駆動ギヤ52に伝達され、混合ドラム3が
図9の矢視R方向で示す後転方向(一方向)に回転駆動される。また、駆動モータ7を逆転させると、該駆動モータ7の回転動力が駆動ギヤ16から被駆動ギヤ52に伝達され、混合ドラム3が
図9の矢視F方向で示す前転方向(他方向)に回転駆動される。
【0036】
ご飯に酢を混ぜ合わせる際(食材混合時)には、混合ドラム3が後転方向Rに回転駆動され、出来上がった酢飯を排出する際(食材排出時)には、混合ドラム3が前転方向Fに回転駆動される。
図9及び
図10に示すように、被駆動ギヤ52には、マグネットからなる被検出部材が収容された被検出部材収容部53が設けられ、右側の軸受け部材15Rには、この被検出部材収容部53内のマグネットを検出することで混合ドラム3の回転位置を検出する位置検出センサ54,55が設けられている。
【0037】
この位置検出センサ54,55は2つ設けられており、該2つの位置検出センサ54,55はドラム回転軸芯Xを中心とする円周方向に間隔をおいて配置されている。
第1の位置検出センサ54は右側の軸受け部材15Rの前上部に設けられていて、混合ドラム3が
図9に示すホーム位置(初期位置)に位置しているときに被検出部材収容部53内のマグネットを検出する。第2の位置検出センサ55は右側の軸受け部材15Rの下部に設けられていて、混合ドラム3がホーム位置から前転方向Fに回転駆動されて、ドラム本体46が、後述する酢飯排出姿勢(食材排出姿勢)となったときに被検出部材収容部53内のマグネットを検出する。
【0038】
図10に示すように、右側の軸受け部材15Rの上方には、ドラム支軸25Rが軸受け部材15Rの軸受部26から離脱するのを規制する軸規制装置56が設けられている。この軸規制装置56は、右側の軸受け部材15R及び被駆動ギヤ52を上方側から覆うカバー部材57と、ドラム支軸25Rの上方側への移動を規制する軸規制部材58と、カバー部材57の前部に設けられたロック機構59とを有する。
【0039】
カバー部材57は上壁57aと左右側壁57bと前壁57cと後壁57dとを有し、その後壁57dがヒンジ60を介して右側のサイドフレーム5Rの上部に左右軸回りに上下揺動自在に枢支連結されている。
軸規制部材58は、カバー部材57の上壁57a下面の前後中途部から下方突出状に設けられている。この軸規制部材58は、右側のドラム支軸25Rの上方に位置していて該ドラム支軸25Rの上方側への移動を規制する下壁58aと、この下壁58aの前端から上方に延出されてカバー部材57の上壁57a下面に固定された前壁58bと、下壁58aの後端から上方に延出されてカバー部材57の上壁57a下面に固定された後壁58cとを有する。
【0040】
このように、ドラム支軸25Rの軸受部26からの離脱方向の移動を規制すべく、ドラム支軸25Rを上方側から押さえる軸規制部材58を設けることにより、被駆動ギヤ52が駆動ギヤ16に上方側から係脱自在に噛合するように構成したものであっても、混合ドラム3の回転駆動時に被駆動ギヤ52が駆動ギヤ16から外れるのを防止することができる。
【0041】
前記ロック機構59は、カバー部材57の上壁57a下面に固定された支持ブラケット61と、この支持ブラケット61に左右軸回りに上下揺動自在に枢支されたロック解除レバー62と、このロック解除レバー62に設けられたロック係合部63と、このロック係合部63が係合するロック係止部64と、ロック係合部63がロック係止部64に係合する方向に付勢する付勢バネ65とを有する。
【0042】
前記ロック解除レバー62はカバー部材57の上方側から操作可能とされている。前記ロック係止部64は、右側のサイドフレーム5Rに固定されたブラケット66に固定されている。前記付勢バネ65は、引っ張りバネからなり、一端がロック解除レバー62のバネ掛け部67に引っ掛けられ、他端が前記支持ブラケット42の後方位置でカバー部材57の上壁57a下面に固定されたバネ掛け部68に引っ掛けられていて、ロック解除レバー62を後方側に付勢しており、これによってロック係合部63がロック係止部64に係合する方向に付勢されている。
【0043】
前記構成の軸規制装置56にあっては、ロック解除レバー62を上方に引き上げることにより、ロック係合部63が前方揺動してロック係止部64から離脱し、カバー部材57がヒンジ60回りに揺動可能となる。そして、カバー部材57をヒンジ60回りに後側へと揺動させることにより、軸規制部材58が右側のドラム支軸25Rの上方位置から退避し、該ドラム支軸25L,25Rの軸受部26からの離脱が可能となる。
【0044】
図8、
図9に示すように、ドラム蓋47の外面上部には取っ手69が設けられている。また、ドラム蓋47の後部はヒンジ結合部70によってドラム本体46に左右軸回りに揺動自在にヒンジ結合され、このヒンジ結合部70のヒンジ軸79回りにドラム蓋47を上下に揺動することで該ドラム蓋47が開閉自在とされている。また、ドラム蓋47の前部にはロック部材71が設けられ、このロック部材71によってドラム蓋47がドラム本体46を塞ぐ閉状態にロックされる。
【0045】
前記取っ手69は、ドラム蓋47の外面上部の前部側に設けられ、
図1に示すように、機械フレーム2の後部には、この取っ手69を保持することによりドラム蓋47を開状態に保持する蓋ホルダ72が設けられている。
この蓋ホルダ72は、
図1、
図3に示すように、サポートフレーム73と、このサポートフレーム73を支持するフレーム支持部材74と、サポートフレーム73に固定された取付ステー75と、この取付ステー75に固定された取っ手保持部材76とを有する。
【0046】
サポートフレーム73は、パイプ材等によって形成され、上下方向に配置された左右一対の縦杆部73aと、左右縦杆部73aの上端同士を連結する横杆部73bとから正面視コ字形に形成されている。
フレーム支持部材74は上下方向に配置された筒部材によって構成され、左右一対設けられ、機械フレーム2の後部連結板6に固定されている。この左右のフレーム支持部材74に左右方向で同じ側にある前記縦杆部73aが上下移動自在に挿通されている。
【0047】
サポートフレーム73の縦杆部73aはフレーム支持部材74にネジ等によって上下移
動不能に固定され、該ネジを緩めてサポートフレーム73の高さを調整し、該調整した位置で縦杆部73aをフレーム支持部材74に固定することにより、サポートフレーム73が高さ変更可能とされている。
取付ステー75は、サポートフレーム73の横杆部73bの左右方向中央部に設けられている。この取付ステー75は、
図11に示すように、横杆部73bの上面側に固定された上壁75aと、この上壁75aの前端側から下方側に延出されていて横杆部73bの前面側に固定された前壁75bとを有する。また、この取付ステー75は、前壁75bが前斜め下方を向き且つ上壁75aが前斜め下方に向けて傾斜する傾斜状とされている。
【0048】
取っ手保持部材76はバネ板材で形成され、取付ステー75の前壁75b前面に取付固定された取付壁77と、この取付壁77の左右両端から前斜め下方に延出された左右の側壁78とから構成されている。
この取っ手保持部材76の左右の側壁78の後部78a間の間隔は取っ手69の左右幅より広くなっている。また、該左右の側壁78の中途部78bは前方側に行くに従って間隔が漸次狭くなるように傾斜状とされている。また、該左右の側壁78の前部78cは前方側に行くに従って間隔が漸次広くなるように傾斜状とされている。そして、取っ手保持部材76の左右の側壁78の前部78cと中途部78bとの間で左右側壁78間の間隔が取っ手69の左右幅より狭くなっている。
【0049】
前記取っ手保持部材76は、その左右側壁78間に前方側から取っ手69が押し込まれると、該左右側壁78が弾性変形して拡開することで取っ手69の通過を許容する。取っ手69が該左右側壁78間の後部側に位置すると、該左右側壁78の前記弾性変形が復元することで、取っ手保持部材76の左右側壁78間で取っ手69が保持される。
前記蓋ホルダ72にあっては、
図12に示すように、サポートフレーム73の高さを高くして該サポートフレーム73を機械フレーム2の後部連結板6から大きく上方突出状とした状態で、ドラム蓋47を開いて該ドラム蓋47の取っ手69を取っ手保持部材76に保持させることで、ドラム蓋47がやや前傾姿勢の起立状態で保持される。これによって、酢合わせ機1の後方に壁等があって、ドラム蓋47を後に大きく倒せないような場合であっても、ドラム蓋47を開き状態で保持することができる。
【0050】
また、
図13に示すように、サポートフレーム73の高さを低くして該サポートフレーム73を機械フレーム2の後部連結板6から小さく上方突出状とした状態で、ドラム蓋47を開いて該ドラム蓋47の後部を取付ステー75の上壁75aに接当させることで、ドラム蓋47が略直立姿勢の起立状態で保持される。これによって、ドラム蓋47を大きく開いた状態に保持することができる。
【0051】
この取付ステー75の上壁75aが、起立状態のドラム蓋47の後部を下側から受持して該ドラム蓋47を開いた状態に保持する受け部とされている。
前記ヒンジ結合部70は、
図14に示すように、ドラム蓋47に設けられたヒンジ軸79と、ドラム本体46に設けられていてヒンジ軸79が取り付けられる軸取付金具80とを有する。
【0052】
ヒンジ軸79はドラム蓋47のフランジ部49の後部に設けられた複数の軸保持部81に取り付けられている。軸保持部81は、左右方向の軸芯を有する筒状に形成され、本実施形態では左右方向に間隔をおいて3つ配置され、ドラム蓋47のフランジ部49の後部から突出するブラケット壁82に固着されている。ヒンジ軸79は軸保持部81を左右方向に挿通して、該軸保持部81にピン等を介して着脱自在に取り付けられている。
【0053】
また、ドラム蓋47のフランジ部49の後部には、ヒンジ軸79の軸取付金具80からの離脱を規制する軸離脱規制部83が設けられている。この軸離脱規制部83は、ドラム蓋47のフランジ部49の後部とヒンジ軸79との間で且つ左右方向で隣接する軸保持部81の間に設けられている。
軸取付金具80は、金属の板材からなり、下壁80aと、この下壁80aの後端から上方側に延出された延出壁80bと、この延出壁80bの上端部に設けられた左右一対のフック部80cと、延出壁80bの右端に設けられた第1軸規制部80dと、延出壁80bの左端に設けられた第2軸規制部80eと、下壁80aの右端に設けられた第3軸規制部
80fとを有する。
【0054】
軸取付金具80の下壁80aには複数のスリット84が形成されている。また、軸取付金具80の下壁80aはドラム本体46のフランジ部48の後部下面側に接当し、軸取付金具80の延出壁80bはドラム本体46のフランジ部48の後部背面に接当している。ドラム本体46のフランジ部48の後部下面側には、軸取付金具80の下壁80aのスリット84を挿通するピン保持部85が複数設けられ、このピン保持部85を貫通する取付ピン86によって軸取付金具80がドラム本体46のフランジ部48の後部に取り付けられている。
【0055】
前記取付ピン86の右端が第3軸規制部80fに接当することで取付ピン86の右方移動が規制され、取付ピン86の左端に設けられたレバー部86aが第2規制部80eの下部に接当することにより取付ピン86の左方移動が規制される。これによって、取付ピン86が抜止めされている。また、第2軸規制部80eの下部には、前記レバー部86aの取付ピン86回りの下方揺動を規制する係止部80gが設けられている。
【0056】
前記ヒンジ軸79は軸取付金具80のフック部80cに軸芯回りに回転自在に嵌合しており、これによって、ドラム蓋47がヒンジ軸79回りに上下揺動自在とされている。
また、右側の軸保持部81は第1軸規制部80dと右側のフック部80cの間に位置し、中央の軸保持部81は左右フック部80c間に位置し、左側の軸保持部81は第2軸規制部の上部と左側フック部80cの間に位置する。これにより、ドラム本体46に対するドラム蓋47の左右移動が規制されている。
【0057】
前記構成のヒンジ結合部70にあっては、
図15(a)に示すように、取付ピン86のレバー部86aを強制的に下方揺動(矢視K方向に揺動)させることで、該レバー部86aが前記係止部80gを乗り越えて下方揺動する。これにより、取付ピン86がピン保持部85から抜脱可能とされ、取付ピン86をピン保持部85から抜脱することで、軸取付金具80がドラム本体46から取り外し可能となる。
【0058】
また、ドラム蓋47を所定範囲で上下揺動させても、ヒンジ軸79は、軸離脱規制部83がフック部80cに接当することにより、フック部80cの開放部分を介して該フック部80cから離脱するのが規制される。また、
図15(b)に示すように、ドラム蓋47を開き方向に所定角度揺動させることにより、軸離脱規制部83の前記規制が外れ、
ヒンジ軸79がフック部80cから矢視M方向に離脱可能とされ、これによって、ドラム蓋47がドラム本体46から取り外すことができる。
【0059】
このドラム蓋47をドラム本体46から取り外すことができるドラム蓋47の開き角度Sは、
図13に示す、ドラム蓋47を略直立姿勢で開いた状態のドラム蓋47の開き角度Tより大とされている。
前記ロック部材71は、樹脂によって成型され、ドラム蓋47のフランジ部49の前部に左右一対設けられている。このロック部材71は、
図16に示すように、ロック部材本体87と、このロック部材本体87の下部から左右方向外方に突出するように形成された案内ガイド88とを備えている。
【0060】
図16は、ロック部材71及び該ロック部材71の取付け部分の右側を示している。
ロック部材本体87は上部に左右方向の軸芯を有するピン孔89が形成された枢支ボス部90を有する。ロック部材本体87の上下中途部の背面側に後方側から凹設された凹部91が形成され、この凹部91の下部にロック係合部92が形成されている。
案内ガイド88の背面88a側は平坦状に形成され、この平坦部分がロック解除ガイド面とされている。案内ガイド88の上面88bと前面88cとの間のコーナー部分88dは円弧状に形成されている。
【0061】
ドラム蓋47のフランジ部49の前部の左右両側にはロック部材取付部95が設けられている。各ロック部材取付部95には、左右方向の軸芯を有するピン孔96が形成された左右一対のピンボス97が左右方向に間隔をおいて設けられている。このピンボス97間にロック部材71の枢支ボス90が配置され、該枢支ボス90及び左右のピンボス97のピン孔89,96を貫通する枢支ピン98によってロック部材71が左右軸回りに回転自在に枢支されている。
【0062】
また、ドラム本体46のフランジ部48の前部の左右両側には、ロック部材71のロック係合部92が係脱自在に係合するロック係止部材99が設けられている。このロック係止部材99は、左右方向の軸芯を有する円筒部材によって構成されている。ドラム本体46のフランジ部48の前部の左右両側には、ロック係止部材取付部100が設けられ、このロック係止部材取付部100には、左右方向の軸芯を有するピン孔101が形成された左右一対のピンボス102が左右方向に間隔をおいて設けられている。この左右のピンボス102間に前記ロック係止部材99が配置され、これら左右ピンボス102のピン孔101及びロック係止部材99を貫通する取付ピン103によって、ロック係止部材99が軸芯回りに回転自在に支持されている。
【0063】
前記ロック部材71のロック係合部92をロック係止部材99に前方側から係合することにより、ロック部材71がロック状態とされ、ドラム蓋47がドラム本体46の上部開口を塞ぐ閉状態にロックされる。また、ロック部材71を強制的に枢支ピン98回りに前方側に揺動させることにより、ロック部材71が弾性変形して、ロック係合部92がロック係止部材99から離脱し、ロック解除状態となる。また、逆に、ロック部材71をロックする場合は、ロック部材71を強制的に枢支ピン98回りに後方側に揺動させることにより、ロック部材71が弾性変形して、ロック係合部92がロック係止部材99に係合し、ロック部材71がロック状態となる。
【0064】
図1及び
図4に示すように、機械フレーム2には、ロック部材71のロックを自動解除するロック解除部材104と、酢飯の排出時にドラム蓋47がドラム本体46側に揺動するのを規制するドラム蓋規制部材105とが設けられている。これらロック解除部材104とドラム蓋規制部材105とは、機械フレーム2の左右各サイドフレーム5L,5Rの対向面の前部の上下方向中途部に配置されている。
【0065】
図17及び
図18に示すように、これらロック解除部材104とドラム蓋規制部材105とは、それぞれ筒状に形成され、各サイドフレーム5L,5Rに、ロック解除部材104は1つ設けられ、ドラム蓋規制部材105は上下2つ設けられている。
図17及び
図18は、ロック解除部材104及びドラム蓋規制部材105の配置部分の右側を示している。
【0066】
また、これらロック解除部材104とドラム蓋規制部材105とは、各サイドフレーム5L,5Rの内側壁23,13の外面(左右サイドフレーム5L,5Rの対向側の面)に近接配置された揺動部材106に設けられている。この揺動部材106は、上方に行くに従って前後幅が拡開する三角形状のプレートからなる。
この揺動部材106の上部に前後一対の取付軸107F,107Rが左右方向内方に突出状に設けられ、揺動部材106の下部に該揺動部材106を左右方向に貫通する揺動支軸108が固定されている。前側の取付軸107Fにロック解除部材104が軸心回りに回転自在に外嵌支持され、後側の取付軸107Rに上側のドラム蓋規制部材105が軸心回りに回転自在に外嵌支持されている。前記揺動支軸108の左右方向内方側に下側のドラム蓋規制部材105が軸心回りに回転自在に外嵌支持されている。
【0067】
また、ロック解除部材104は、上下のドラム蓋規制部材105よりも左右方向内方寄りに位置している。このロック解除部材104は混合ドラム3が前転方向Fに回転した時に、ロック部材71のロック解除ガイド面88aに接当可能とされている。また、上下のドラム蓋規制部材105は、混合ドラム3が前転方向Fに回転した時に、ドラム蓋47のフランジ部の前記張出し係合部50の下面側に接当可能とされている。
【0068】
揺動支軸108は、サイドフレーム5L,5Rの内側壁23,13を貫通しており、該サイドフレーム5L,5Rの内側壁23,13と、サイドフレーム5L,5Rの内部に配置されていてサイドフレーム5L,5Rの内側壁23,13に固定された支持ステー109とに、軸受け110を介して左右方向の軸心回りに回転自在に支持されている。これによって、揺動部材106が揺動支軸108回りに前後揺動自在に支持されている。
【0069】
前記揺動部材106の上部には、揺動支軸108の軸心を中心とする円弧状のガイド溝111が前後方向に形成され、このガイド溝111には、サイドフレーム5L,5Rの内側壁23,13に固定された規制ピン112が挿通されている。規制ピン112はガイド
溝111内を相対的に移動可能であり、ガイド溝111の端部が規制ピン112に接当することで、揺動部材106の揺動が規制される。
【0070】
揺動支軸108の前記軸受け110間にはバネ掛け部材113が立設され、このバネ掛け部材113の上部に引張りバネ114の前端側が掛止されている。引張りバネ114の後端側はサイドフレーム5L,5Rの内側壁23,13に固定されたバネ掛け部材115に掛止されている。この引張りバネ114の付勢力によって揺動部材106が後方に引っ張られている。前記ガイド溝111の前端が規制ピン112に接当することにより、揺動部材106の後方揺動が規制される。
【0071】
図19及び
図20に示すように、混合ドラム3は、その内部空間の側面断面形状が左右一端側から他端側にかけて略同じ形状に形成されている。
また、ドラム本体46の本体部分は、上縁116aが側面視直線状とされた左右の側壁116と、この左右側壁116の上縁116a以外の縁部同士を連結する周壁117とを有する。
【0072】
ドラム本体46の周壁117の前部117aと底部117bとの間の前コーナー部分117c、及び該周壁117の後部117dと底部117bとの間の後コーナー部分117eは外方に向けて凸となる湾曲状に形成されている。ドラム本体46の周壁117の底部117bには、平面視矩形状の底部開口118が形成されている。
ドラム本体46の周壁117の前コーナー部分117c及び該前コーナー部分117cの後転方向R前後の部分は、ドラム回転軸芯Xを中心とし且つドラム本体46の周壁117の底部117b(ドラム本体46の底部)に接する円弧Vよりも外方に膨出しており、この部分がドラム本体46の後転方向R先行側に設けられた膨出部119Fとされている。また、ドラム本体46の周壁117の後コーナー部分117e及び該後コーナー部分117eの後転方向R前後の部分は、ドラム回転軸芯Xを中心とし且つドラム本体46の周壁117の内面底部に接する円弧Vよりも外方に膨出しており、この部分がドラム本体46の後転方向R後行側に設けられた膨出部119Rとされている。
【0073】
ドラム蓋47の本体部分は、下縁120aが側面視直線状とされた左右の側壁120と、この左右側壁120の上縁120a以外の縁部同士を連結する周壁121とを有する。
ドラム蓋47の周壁121の上部121aから後下端にかけては、外方に向けて凸となる湾曲状に形成されている。この湾曲部分122Fは、ドラム回転軸芯Xを中心とし且つドラム蓋47の内面上部(周壁121の上部121a内面)に接する円弧Wよりも外方に膨出しており、該湾曲部分122Fがドラム蓋47の後転方向R先行側に設けられた膨出部とされている。また、ドラム蓋47の周壁121の上部121aから前下端にかけては、外方に向けて凸となる湾曲状に形成されている。この湾曲部分122Rは、ドラム回転軸芯Xを中心とし且つドラム蓋47の内面上部に接する円弧Wよりも外方に膨出しており、該湾曲部分122Rがドラム蓋47の後転方向R後行側に設けられた膨出部とされている。
【0074】
なお、図例では、ドラム本体46の周壁117の底部117bに接する円弧Vと、ドラム蓋47の周壁121の上部121aの内面に接する円弧Wとは、同一半径の円弧でなくてもよいし、同一半径の円弧であってもよい。
ドラム本体46の周壁117の前部117aの内面123(ドラム本体46の内面前部)は、
図21に示すように、ドラム本体46の周壁117の底部117b側からドラム本体46の上部開口面124に向けて末広がりに形成されている。換言すると、このドラム本体46の周壁117の前部117aの内面123は、ドラム本体46の周壁117の底部117b側からドラム本体46の上部開口面124に向かうに従って外方(前方側)に移行する傾斜状であって、ドラム回転軸芯Xを通り且つドラム本体46の上部開口面124と平行な線Yに対する角度Zが90°より大に形成されている。
【0075】
このドラム本体46の周壁117の前部117aの内面123は、後述する酢飯の排出時において、酢飯を支持する酢飯支持面(食材支持面)とされている。
また、ドラム本体46の周壁117の後部117dの内面125(ドラム本体46の内面後部)は、該ドラム本体46の上部開口面124と略直交状に形成されている。これに
より、ドラム本体46の上部開口面124のドラム回転軸芯Xより前側の前後長さH1(ドラム回転軸芯Xを通る線がドラム本体46の上部開口面124に直交する点から上部開口面124の前端までの前後長さ)よりも、ドラム本体46の上部開口面124のドラム回転軸芯Xより後側の前後長さH2(ドラム回転軸芯Xを通る線がドラム本体46の上部開口面124に直交する点から上部開口面124の後端までの前後長さ)が小さくなるように形成されている。
【0076】
図22に示すように、右側のドラム支軸25Rの左右方向内端側はドラム本体46の内部空間に連通していると共に、該右側のドラム支軸25Rの左右方向外端側は右側のサイドフレーム5Rに設けられた給気穴28に近接配置されて対向している。この給気穴28には、前記送風装置8の給気部材12が接続されている。したがって、送風装置8からの冷却空気は右側のドラム支軸25Rを通して混合ドラム3内部に供給される。
【0077】
この右側のドラム支軸25Rの左右方向内端側には、多数の小孔が形成されてなる拡散部材126が設けられ、供給される冷却空気が混合ドラム3内部に拡散されるよう構成されている。
また、
図23に示すように、左側のドラム支軸25Lの左右方向内端側はドラム本体46の内部空間に連通していると共に、該左側のドラム支軸25Lの左右方向外端側は左側のサイドフレーム5Lに設けられた排気穴29に近接配置されて対向している。したがって、混合ドラム3内部に供給された冷却空気は左側のドラム支軸25Lを通して混合ドラム3から排出される。
【0078】
このように、一方のドラム支軸25Rを介して冷却空気を混合ドラム3内に送り入れると共に他方のドラム支軸25Lから混合ドラム3内の空気を排気させることにより、混合ドラム3内のご飯の冷却を効率よく行うことができる。
混合ドラム3から排出される空気は、左側サイドフレーム5Lの排気室35を介して排気口36から排出させるか、或いは、左側サイドフレーム5Lに形成したダクト通し穴37を介して左側のサイドフレーム5L内に排気ダクト127を挿入し、この排気ダクト127を左側のドラム支軸25Lに接続することにより、混合ドラム3から排出される空気を酢合わせ機1の設置場所から遠い場所に排出させる。
【0079】
すなわち、混合ドラム3からの排気を左側サイドフレーム5Lの排気口36から排出させる態様と、混合ドラム3からの排気を排気ダクト127を介して酢合わせ機1の設置場所から遠い場所に排出させる態様とを選択可能とされている。
前記構成の冷却空気流通構造にあっては、冷却空気を一方のドラム支軸25Rに送り入れるための給気穴28と、他方のドラム支軸25Lから排出された混合ドラム3内の空気を排気させるための排気穴29とをドラム支軸25L,25Rに対して対向状に設けることにより、混合ドラム3を取り付けるだけで給気穴28及び排気穴29がドラム支軸25L,25Rに連通状とされる。これにより、混合ドラム3の取り付け及び取り外しを容易に行える。
【0080】
図24に示すように、ドラム本体46及びドラム蓋47の内部には、攪拌部材128が設けられている。この攪拌部材128は、混合ドラム3の内部を左右に横断する攪拌棒129と、この攪拌棒129の左右両側に配置されていて攪拌棒129が固定される左右の棒支持部材130とからなる。これら攪拌棒129及び棒支持部材130は金属製である。
【0081】
図25に示すように、攪拌部材128は、ドラム本体46に装着される攪拌部材128Aと、ドラム蓋47に装着される攪拌部材128Bとを有し、それぞれ前後一対設けられている。左右の棒支持部材130は上下方向に長い部材からなり、ドラム本体46に設けられる攪拌部材128Aの攪拌棒129は上下方向に間隔をおいて4本設けられ、ドラム蓋47に設けられる攪拌部材128Bの攪拌棒129は上下方向に間隔をおいて2本設けられている。
【0082】
このように、左右一対の棒支持部材130間に複数の攪拌棒128を架設することで攪拌部材128Aを構成し、この攪拌部材128Aをドラム本体46及びドラム蓋47に複数設けるようにすることにより、構造が簡素化され、取り扱いが容易となると共に、清掃
が容易となる。
図24に示すように、ドラム本体46及びドラム蓋47の側壁116,120には、攪拌部材128の棒支持部材130を装着するための装着溝132がそれぞれ形成されている。
【0083】
ドラム本体46の側壁116に形成された装着溝132は、
図24及び
図26に示すように、ドラム本体46の上部開口面124から底部117bに向けて形成され、棒支持部材130はドラム本体46の上部開口面124側から装着溝132に挿入されている。
ドラム蓋47の側壁120に形成された装着溝132は、
図24及び
図27に示すように、ドラム蓋47の下部開口面133から上部に向けて形成され、棒支持部材130はドラム蓋47の下部開口面133側から装着溝132に挿入されている。
【0084】
図26及び
図27に示すように、ドラム本体46の装着溝132及びドラム蓋47の装着溝132には、半球状の保持溝134が形成されている。ドラム本体46の保持溝134はドラム本体46の上部開口面124の近傍に形成され、ドラム蓋47の保持溝134はドラム蓋47の下部開口面133の近傍に形成されている。各棒支持部材130には、前記保持溝134に嵌合する半球状の嵌合突部135が形成され、保持溝134に嵌合突部135が嵌合することにより、棒支持部材130が装着溝132に対して抜け止め保持されている。また、棒支持部材130を装着溝132から強制的に引き抜くことにより、嵌合突部135が保持溝134から離脱し、攪拌部材128が取り外し可能とされている。
【0085】
図19及び
図20に示すように、ドラム本体46の周壁117の底部117b側には、該底部117bから下方に突出していて酢が収容可能であり且つドラム本体46内のご飯に対して酢を供給可能な酢収容部136が設けられている。
この酢収容部136は、
図28〜
図31に示すように、ドラム本体46の周壁117の底部117bから下方に向けて凹設形成された容器収納部137と、この容器収納部137内に収納される酢貯留容器138とから構成されている。
【0086】
容器収納部137は、ドラム本体46の周壁117の底部117bに形成された前記底部開口118の左右側縁から下方に延出された左右の側壁137aと、前記底部開口118の前縁から下方に延出された前壁137bと、前記底部開口118の後縁から下方に延出された後壁137cと、左右側壁137a下端及び前壁137b下端並びに後壁137c下端に接続された底壁137dとから上端開口状に構成されている。
【0087】
この容器収納部137の前壁137bはストレート状に形成され、後壁137dは、その側断面形状が外方に向けて凸となる湾曲状とされている。
酢貯留容器138は樹脂によって形成されている。また、この酢貯留容器138は、ドラム本体46の周壁117の底部117bに形成された底部開口118(容器収納部137の上端開口)を塞ぐように配置される上壁138aと、この上壁138aの左右側縁から下方に延出された左右の側壁138bと、上壁の後縁から下方に延出された後壁138cと、左右側壁138b下端及び後壁138c下端に接続された底壁138dとから前端開口状に構成されている。この酢貯留容器138の後壁138cは、容器収納部137の後壁137cの形状に合わせて、その側断面形状が外方に向けて凸となる湾曲状とされている。これによって、酢貯留容器138を容器収納部137に挿入する際に前後を間違えないようになっている。
【0088】
前記酢貯留容器138の上壁138aには、該上壁138aを貫通する多数の小孔139aによって形成された酢排出部139が形成されている。この酢排出部139は、混合ドラム3の後転方向Rの先行側に形成され、酢貯留容器138の上壁138aの後転方向Rの後行側は、酢貯留容器138内部の酢が漏れ出ないように、通水性のない閉塞壁状とされている。
【0089】
この酢貯留容器138内に酢を貯留するには、ドラム本体46の上部開口から酢貯留容器138の上壁138a上へと酢を投入する。投入された酢は、主として酢排出部139から酢貯留容器138内に侵入し、酢貯留容器138内に貯留される。
前述したように、酢収容部136をドラム本体46の周壁117の底部117bに設け
ることにより、混合ドラム3内のご飯に対して酢の供給を行うための構造を簡素化することができ、コストダウンを図ることができる。また、混合ドラム3に、ご飯に対して酢の供給を行う酢収容部136を設けることにより、混合ドラム3の着脱の容易化を図ることができる。さらに、容器収納部137から酢貯留容器138を取り外すことにより、酢収容部136の清掃を容易に行える。さらに、また、酢貯留容器138を前端開口状に構成することにより、酢貯留容器138の清掃を容易に行うことができる。
【0090】
前記ドラム本体46に形成された前記装着溝132は、ドラム本体46の底部開口118の四隅に対応する位置に形成され、前記酢貯留容器138の上壁138a上面の前後左右の角部には、装着溝132の下端に侵入する被押え片140が形成されている。したがって、ドラム本体46の装着溝132に攪拌部材128の棒支持部材130を装着することにより、該棒支持部材130で被押え片140が押さえられ、該酢貯留容器138が容器収納部137から離脱するのを規制している。
【0091】
このように、攪拌部材128の棒支持部材130を、酢貯留容器138の酢収容部136からの離脱を規制する規制部材とすることにより、部材の兼用化が図れ、コストダウンを図ることができる。
また、前記容器収納部137の底壁137dにはドレン孔141が形成され、このドレン孔141は該ドレン孔141にねじ込まれる開閉栓142によって開閉自在に塞がれている。
【0092】
このドレン孔141を設けることにより、混合ドラム3を機械フレーム2に取り付けたまま清掃する場合に、混合ドラム3内の水抜きを容易に行える。
なお、前記酢収容部136は、前記容器収納部137の上部開口面を酢排出部139が形成された平板状の閉塞板材で塞ぐ構造であってもよい。
前記構成の酢合わせ機1でご飯に酢を混ぜ合わせて酢飯を作るには、先ず、混合ドラム3が
図9に示すホーム位置にある状態で、ドラム蓋47を開いて該ドラム蓋47を蓋ホルダ72で保持し、この状態で、酢収容部136に酢を供給した後、ドラム本体46にご飯を投入する。
【0093】
このとき、ホーム位置にて混合ドラム3が前下がりに傾斜していて、ドラム本体46の上部開口面124が前方に向かうに従って下方に移行する傾斜状となっているので、ご飯が投入しやすい。
また、ドラム蓋47はドラム本体46にヒンジ結合されているので、ドラム蓋47を取り外さずにドラム本体46内に酢及びご飯を供給することができると共に、ドラム蓋47を蓋ホルダ72によって開状態に保持することで、酢及びご飯の供給時にドラム蓋47を持っておかなくてもよく、酢及びご飯の供給が容易に行える。
【0094】
酢とご飯をドラム本体46に供給した後、ドラム蓋47を閉め、ロック部材71をロック状態とし、操作パネル20に設けられたスタートスイッチ17を押すと、混合ドラム3が後転方向Rに回転する。混合ドラム3が後転方向Rに回転すると、該混合ドラム3の後転方向Rの回転に伴って、
図32に示すように、酢収容部136がドラム支軸25L,25Rの前側を通ってドラム支軸25L,25Rの上方へと移動すると共に、ドラム支軸25L,25Rの上方を通り過ぎてドラム支軸25L,25Rの後方側へと移動する。
【0095】
このとき、酢収容部136がドラム支軸25L,25Rの真正面へと移動する間は、酢貯留容器138が前端開口状の容器であり且つ酢排出部139が後転方向Rの先行側に設けられていることから、酢貯留容器138からの酢152の漏れはほとんどない。また、酢貯留容器138がドラム支軸25L,25Rの真正面へと移動しても、この状態では、ご飯がドラム本体46の周壁117の底部117b側に残っていて、酢排出部139がご飯によって塞がれているので、酢152の排出は抑制されている。
【0096】
その後、酢収容部136がドラム支軸25L,25Rの真正面を通り過ぎて、ご飯がある程度持ち上げられると、ご飯は自重で落下する。ご飯が自重で落下すると、酢排出部139が開放され、酢排出部139から酢が排出され始める。そして、酢貯留容器138内部の酢152は、酢貯留容器138がドラム支軸25L,25Rの真上位置の後転方向R後方位置からドラム支軸25L,25Rの真上位置の後転方向R前方位置に移動する間に
、ご飯に対してシャワー状に落下供給され、酢がご飯に自動的に均一に撒かれる。これによって、ご飯に酢を均一に混ぜ合わせることができる。
【0097】
また、混合ドラム3を最初に一回転させる際に、酢貯留容器138内に貯留した酢152が全て落下排出されるように、混合ドラム3の回転速度が制御される。すなわち、この酢152をご飯に対してシャワー状に落下供給する際には、ホーム位置から混合ドラム3が回転する際の始動時の回転速度よりも遅い速度(例えば始動時の回転速度の30%の速度)で混合ドラム3が回転するように制御される。
【0098】
酢収容部136がドラム支軸25L,25Rの真上位置を通り過ぎて所定量移動すると(酢収容部136がドラム支軸25L,25Rの真上に位置する状態から混合ドラム3が所定角度回転すると)、混合ドラム3は酢供給時よりも速い回転速度で回転する。この酢供給後の混合ドラム3の回転速度は、始動時の回転速度よりもやや遅い速度(例えば、始動時の回転速度の90%)であってもよいし、始動時の回転速度と同じ速度であってもよい。
【0099】
ご飯は、混合ドラム3が回転することにより、所定高さ持ち上げられて落下する動作が繰り返し行われ、ご飯は落下する際に攪拌棒129に当たってほぐされて(シャリ切りされて)攪拌され、これによって、ご飯に酢が混ぜ合わされる。
このとき、混合ドラム3が後転方向Rに回転しながら混合ドラム3内に冷却空気は供給され、ご飯が冷却される。その後、所定時間が経過すると、時間経過とともにご飯(酢飯)の粘りが強くなってくるので、経過時間に応じて段階的に又は無段階に回転速度を落としながら混合ドラム3が後転方向Rに回転する。
【0100】
一方、混合ドラム3が後転方向Rに回転している際において、
図33(a)に示すように、下側のドラム蓋規制部材105はドラム蓋47のフランジ部49の張出し係合部50とは干渉しないが、上側のドラム蓋規制部材105はドラム蓋47のフランジ部49の張出し係合部50と干渉する。混合ドラム3が後転方向Rに回転して張出し係合部50が上側のドラム蓋規制部材105に接当すると、ドラム蓋規制部材105が張出し係合部50に押圧され、揺動部材106の上部が揺動支軸108回りに前方側に揺動する。これによって、上側のドラム蓋規制部材105がドラム蓋47の張出し係合部50から自動的に逃げる(上側のドラム蓋規制部材105がドラム蓋47の張出し係合部50との干渉領域143から退避する)。
【0101】
また、混合ドラム3が後転方向Rに回転している際において、
図33(b)に示すように、ロック解除部材104がロック部材71の案内ガイド88と干渉する。混合ドラム3が後転方向Rに回転してロック部材71がロック解除部材104に接当すると、ロック解除部材104がロック部材71に押圧され、揺動部材106の上部が揺動支軸108回りに前方側に揺動する。これによって、ロック解除部材104がロック部材71から自動的に逃げる(ロック解除部材104がロック部材71との干渉領域144から退避する)。
【0102】
前記揺動部材106、ガイド溝111、規制ピン112等によって、ドラム蓋規制部材105をドラム蓋47から逃がし且つロック解除部材104をロック部材71か逃がす(ドラム蓋規制部材105をドラム蓋47との干渉領域143から退避させ且つロック解除部材104をロック部材71との干渉領域144から退避させる)逃がし手段が構成されている。
【0103】
なお、張出し係合部50が上側のドラム蓋規制部材105から外れ、ロック部材71がロック解除部材104から外れると、揺動部材106(ドラム蓋規制部材105及びロック解除部材104)が元の位置に復帰する。
一方、混合ドラム3が後転方向Rに何回か回転して、ご飯がほどよく攪拌されると、次に、むらし工程(送風機10を停止した状態で、設定された時間、設定された回転速度で混合ドラム3が後転方向Rに間欠回転する)、冷却工程(送風機10を作動した状態で、設定された時間、設定された回転速度で混合ドラム3が後転方向Rに間欠回転又は連続回転する)を経て、混合ドラム3がホーム位置に戻って停止する。以上で、ご飯に酢が均一に混ぜ合わされた酢飯が出来上がる。
【0104】
混合ドラム3がホーム位置に戻った後は、自動的に、或いは、操作パネル20に設けら
れた排出スイッチ19を押すことにより、出来上がった酢飯を自動で排出する酢飯(食材)の自動排出動作が行われる。
この排出動作は、ホーム位置から混合ドラム3が前転方向Fに回転することにより行われる。
【0105】
先ず、
図34(a)に示すホーム位置から混合ドラム3が前転方向Fに回転すると、ロック部材71がロック解除部材104に係合して、
図34(b)に示すように、ロック部材71のロックが解除される。
このロック部材71の自動ロック解除を詳細に説明すると、
図35(a)に示すように、混合ドラム3がホーム位置に位置する状態ではロック部材71の案内ガイド88はロック解除部材104の上方に位置しており、このとき、案内ガイド88のロック解除ガイド面88aは前斜め下方に向けて傾斜状である。
【0106】
このホーム位置から混合ドラム3が前転方向Fに回転すると、
図35(b)に示すように、ロック部材71が下方移動してロック解除ガイド面88aの下端側がロック解除部材104に上方から接当する。さらに、混合ドラム3が前転方向Fに回転すると、
図35(c)、(d)に示すように、ロック解除部材104に対してロック部材71が下方移動することにより、ロック部材71がロック解除部材104によって強制的に前方側に押動される。これによって、ロック部材71が枢支ピン98回りに揺動してロック係合部92がロック係止部材99から離脱し、ロック部材71のロックが解除される。このとき、ロック解除部材104は、ロック解除ガイド面88aを上方に向けて相対的に転動する。その後、混合ドラム3が前転方向Fに回転することによりロック解除部材104がロック部材71のロック解除ガイド面88a(案内ガイド88)から外れる。
【0107】
ロック部材71のロックが解除されてロック解除部材104がロック解除ガイド面88aから外れた後、混合ドラム3がさらに前転方向Fに回転すると、
図36に示すように、ドラム蓋47のフランジ部49の張出し係合部50の下面前端側が上側のドラム蓋規制部材105に上方から接当し、ドラム蓋47のドラム本体46側への揺動動作が規制される。
【0108】
この状態からドラム本体46がさらに前転方向Fに回転すると、
図37に示すように、張出し係合部50が下側のドラム蓋規制部材105に接当してドラム蓋47のドラム本体46側への揺動が規制されると共に、ドラム本体46は、その上部開口面124が下側を向き且つ該上部開口面124が下方に向かうに従って後方に移行する傾斜状とされた酢飯排出姿勢(食材排出姿勢)となり、この酢飯排出姿勢でドラム本体46が一旦停止する。
【0109】
一方、ドラム本体46内の酢飯は、ドラム本体46の上部開口面124が下側を向き始めてからドラム本体46が酢飯排出姿勢となるまでに、徐々に酢飯収容箱39へと自然落下により落下排出し、ドラム本体46が酢飯排出姿勢となると、略全部酢飯収容箱39へと落下排出する(したがって、ドラム本体46を酢飯排出姿勢にしたときにおける酢飯支持面123の水平に対する傾斜角度は安息角よりも大である)。
【0110】
ドラム本体46は、酢飯排出姿勢で所定時間停止した後(酢飯が排出されると)、後転方向Rに回転してホーム位置に復帰する。
また、酢飯の排出後、混合ドラム3がホーム位置に戻る際に、ロック部材71の案内ガイド88がロック解除部材104に接当するが、このときは、案内ガイド88の円弧状のコーナー部88dが接当し、このコーナー部88dによってロック解除部材104は、案内ガイドの前面88b又は上面88cからロック解除ガイド面88aを通るように案内され、ロック部材71の案内ガイド88がロック解除部材104に引っかかることはない。
【0111】
前記構成の酢合わせ機1にあっては、混合ドラム3のドラム蓋47の後転方向R先行側及び後行側に、ドラム回転軸芯Xを中心とし且つドラム蓋47の内面上部に接する円弧Wよりも外方に膨出する膨出部122F,122Rを設け、且つ混合ドラム3のドラム本体46の後転方向R先行側及び後行側に、ドラム回転軸芯Xを中心とし且つドラム本体46の内面下部に接する円弧Vよりも外方に膨出する膨出部119F,119Rを設けている。この膨出部119F,119R,122F,122Rを設けることにより、混合ドラム3内部の空間率を上げることができる。
【0112】
また、混合ドラム3を後転方向Rに回転させてご飯を攪拌する際において、ご飯は混合ドラム3と共に回転して持ち上げられ、ある程度持ち上げられると自然落下して攪拌棒129に当たり、ほぐされて攪拌されるが、前記膨出部119F,119R,122F,122Rを設けることにより、ご飯を高い位置に持ち上げて、高い位置から攪拌棒129へと落下させることができる。
【0113】
そして、混合ドラム3内部の空間率を上げること、及び、ご飯を高い位置から攪拌棒129へと落下させることにより、攪拌性能を向上させることができる。
また、ドラム本体46を酢飯排出姿勢にしたときには、ドラム本体46の周壁117の前部117aの内面がご飯排出時の酢飯支持面123とされるが、この酢飯支持面123を、ドラム本体46の周壁117の底部117b側から上部開口に向けて末広がりに形成することにより、ドラム本体46を酢飯排出姿勢にしたときにおける酢飯支持面123の水平に対する傾斜角度が大きくなり、ご飯の排出性をよくすることができる。
【0114】
また、酢飯排出時において、ドラム本体46の後転方向R先行側の膨出部119Fによって酢飯を攪拌棒129から遠ざかる方向に寄せることができ、酢飯排出時に、攪拌棒129に酢飯が引っかかる割合を少なくでき、酢飯の排出性能の向上に寄与することができる。
また、ドラム本体46の周壁117の後部117dの内面を、酢飯支持面123と同じようにドラム本体46の周壁117の底部117b側から上部開口に向けて末広がりに形成した場合、ドラム蓋47の下部開口面133側の長さが長くなると共にヒンジ軸79が後方側に位置ずれする。
【0115】
そうすると、
図38に仮想線で示すように、ドラム本体46を酢飯排出姿勢とした場合において、ドラム蓋47の下端位置が低くなる。また、混合ドラム3の下方には、酢飯収容箱39が配置されるので、ドラム蓋47の下端位置が低くなると、その分、混合ドラム3の高さを上げてやらなければならない。
これに対し、本実施形態の混合ドラム3にあっては、ドラム本体46の周壁117の後部117dの内面は、該ドラム本体46の上部開口面124と略直交状に形成されていて、ドラム本体46の上部開口面124のドラム回転軸芯Xより前側の前後長さH1よりも、ドラム本体46の上部開口面124のドラム回転軸芯Xより後側の前後長さH2が小さくなるように形成されているので、ドラム蓋47のヒンジ支点を前側に寄せることができると共にドラム蓋47の下部開口面側の前後長さを短くすることができ、これによって、ドラム本体46を酢飯排出姿勢とした場合におけるドラム蓋47の下端位置が低くなるのを抑えることができ、混合ドラム3の高さを抑えることができる。
【0116】
また、本実施形態にあっては、ドラム本体46を前転方向Fに回転させることで、ロック部材71がロック解除部材104に係合して該ロック部材71のロックが自動的に解除されるので、ロック部材71のロック解除を容易に行える。
また、ロック部材71のロックを解除した後、ドラム本体46をさらに前転方向Fに回転させると、ドラム本体46が、その上部開口面124が下側を向く酢飯排出姿勢となり、ドラム本体46内の酢飯が自然落下して排出するので、開口のないドラム蓋47でドラム本体46を閉鎖するタイプの混合ドラム3であっても、出来上がった酢飯を混合ドラム3から自動的に取り出すことができ、至便である。また、ドラム蓋47を取り外さずにドラム本体46から酢飯を取り出すことができる。
【0117】
また、ドラム本体46を酢飯排出姿勢にする際において、ドラム蓋規制部材105がドラム蓋47に係合して該ドラム蓋47がドラム本体46側に揺動するのを規制するので、ドラム蓋47が酢飯の排出の邪魔にならず酢飯の排出を容易に行うことができる。
また、混合ドラム3を後転方向Rに回転させてご飯を攪拌している際において、ドラム蓋規制部材105がドラム蓋47との干渉領域143から自動的に退避し、且つ、ロック解除部材104がロック部材71との干渉領域144から自動的に退避するので、ドラム蓋規制部材105をドラム蓋47との干渉領域143から退避する位置に切り換える作業や、ロック解除部材104をロック部材71との干渉領域144から退避する位置に切り換える作業を行う必要がなく、至便である。
【0118】
図39〜
図41は、他の形態の酢収容部136及び棒支持部材130を示している。
この酢収容部136にあっては、酢貯留容器138内に、該酢貯留容器138の内部空間を3分割する内部補強壁145が設けられている。また、酢貯留容器138の上壁138a前端には前方に突出してドラム本体46の周壁117の底部11b上に重ね合わされた前補強壁146が設けられている。
【0119】
これら内部補強壁145及び前補強壁146によって、ご飯の熱や重量によって樹脂製の酢貯留容器138の上壁138aが撓んで変形するのを防止している。
また、酢貯留容器138の上壁138aには被押え片140が設けられていなく、酢貯留容器138は、棒支持部材130の下端側から左右方向内方に延出された押え片147によって押さえられている。
【0120】
また、
図42は、他の形態の軸規制部材58を示している。
この
図42に示す軸規制部材58は、被駆動ギヤ52と駆動ギヤ16との噛み合い部分に過負荷がかかった際に、該被駆動ギヤ52が設けられたドラム支軸25Rが軸受部26から離脱する方向に移動するのを許容する構造としたものである。
図42(a)に示す構造のものは、軸規制部材58が、カバー部材57の下面に固定された固定要素148と、この固定要素148に上下動自在に嵌合する可動要素149と、この可動要素149を下方に付勢するバネからなる付勢要素150とを有してなる。
【0121】
固定要素148には、可動要素149に設けたガイドピン151を上下方向移動自在にガイドするガイド溝(図示省略)が上下方向に形成されていて、可動要素149が固定要素148に対して所定範囲で上下移動自在とされている。可動要素149はその移動範囲の下端位置でドラム支軸25Rに近接していて、該ドラム支軸25Rの上方側への移動を規制している。
【0122】
この
図42(a)に示す構造のものにあっては、被駆動ギヤ52と駆動ギヤ16との噛み合い部分に過負荷がかかり、ドラム支軸25Rが上方に押し上げられる力が該ドラム支軸25Rに作用すると、該ドラム支軸25Rによって可動要素149が付勢要素150の付勢力に抗して押し上げられ、被駆動ギヤ52と駆動ギヤ16との噛み合いが外れる。
図42(b)に示す構造のものは、軸規制部材58がバネ板で形成されたものを示している。このバネ板で構成された軸規制部材58は、前上部分58aがカバー部材の下面に固定され、後下部分58bが自由端とされてドラム支軸25Rに近接配置されている。軸規制部材58の中間部分58cは下方に行くに従って後方に移行する傾斜状とされている。
【0123】
この
図42(b)に示す構造のものにあっては、被駆動ギヤ52と駆動ギヤ16との噛み合い部分に過負荷がかかり、ドラム支軸25Rが上方に押し上げられる力が該ドラム支軸25Rに作用すると、軸規制部材58の中間部分58cが弾性的に撓むことにより該ドラム支軸25Rによって軸規制部材58の後下部分58bが押し上げられ、被駆動ギヤ52と駆動ギヤ16との噛み合いが外れる。
【0124】
このように、軸規制部材58を、被駆動ギヤ52と駆動ギヤ16との噛み合い部分に過負荷がかかった際に、該被駆動ギヤ52が設けられたドラム支軸25L,25Rが軸受部26から離脱する方向に移動するのを許容する構造とすることにより、混合ドラム3を回転駆動する駆動系の破損を防止することができる。
軸規制装置56のその他の構成は、
図10に示す実施形態と同様に構成される。