(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【図面の簡単な説明】
【0005】
【
図1】代表的な微細構造を有するテープの一部の、第1の主要面からの斜視図。
【
図2】ロールの形態の代表的な微細構造を有するテープの一定の長さの斜視図。
【
図3】
図1の代表的な微細構造を有するテープの支持体の第1の主要面の一部の平面図。
【
図4】
図1の代表的な微細構造を有するテープの支持体の第2の主要面の一部の平面図。
【
図5】別の代表的な微細構造を有するテープの支持体の第2の主要面の一部の斜視図。
【
図6】別の代表的な微細構造を有するテープの支持体の第2の主要面の一部の斜視図。
【
図7】
図1の代表的な微細構造を有するテープの支持体の第2の主要面の一部の斜視図。
【
図8】別の代表的な微細構造を有するテープの支持体の第2の主要面の一部の斜視図。
【
図9】
図8の支持体の第2の主要面の一部の拡大斜視図。
【
図10】別の代表的な微細構造を有するテープの第2の主要面の一部の平面図。
【
図11】別の代表的な微細構造を有するテープの支持体の第2の主要面の一部の平面図。
【
図12】別の代表的な微細構造を有するテープの支持体の第2の主要面の一部の平面図。
【
図13】別の代表的な微細構造を有するテープの支持体の第2の主要面の一部の平面図。
【
図14】微細構造を有するテープを製造するための代表的なプロセスの概略図。
【
図15】弓形形状へと横方向に湾曲している代表的な微細構造を有するテープを示すデジタル写真。
【0006】
様々な図面における同様の参照番号は同様の要素を示す。要素によっては、同じ又は同等のものが複数個存在するものがあり、その場合、1以上の代表的な要素のみが参照符合によって示されている場合があるが、こうした参照符合は全てのこのような同じ要素に適用されるものであることは理解されるであろう。特に断らない限り、本文書の図面はいずれも一定の縮尺ではなく、本発明の異なる実施形態を例示する目的で選択されたものである。詳細には、異なる要素の寸法はあくまで例示的な意味で示されるものであり、特にそのように断られない限り、図面から異なる要素の寸法間にいっさいの関係が推測されるべきではない。「上部」、「下部」、「上側」、「下側」、「下」、「上」、「前」、「後」、「上方」、「下方」、並びに「第1」及び「第2」などの用語が本開示に使用され得るが、特に断らない限り、これらの用語はあくまで相対的な意味においてのみ使用される点を理解すべきである。用語「外側に向けて」及び「内側に向けて」は、それぞれ、概ねテープ1の支持体2の内部から離れる方向、及びテープ1の支持体2の内部に向う方向を指す。
【0007】
[発明の詳細な説明]
図1に示されているのは、支持体2を含む代表的な微細構造を有するテープ1の一部の、第1の主要面から見た斜視図である。
図2に示されているのは、ロール20の形態の微細構造を有するテープ1の斜視図である。
図3及び
図4は、それぞれ、支持体2の第1及び第2の主要面の平面図を包含する。(それらが描かれているこれら及び全ての他の図において、用語「T」は、テープ1及びその支持体2の横方向軸を示し、用語「L」はその長手方向軸を示す。)テープ1及びその支持体2は、長手方向軸及び長さ、横方向軸及び幅、並びに横方向小縁部11及び12(即ち、例えば
図2に見られる)及び厚さを含む。
図1及び
図3に示されるように、支持体2は、低接着バックサイズ103を含む、第1の主要面100を含む。
図1及び
図4に示されるように、支持体2は、微細構造を有する手で引き裂くことができるパターン203を含む第2の主要面200を含む。
図1及び
図2に示されるように、感圧接着剤300が支持体2の第2の主要面200に配置され、例えば感圧接着剤300の第2の主要接着表面302は、支持体2の第2の主要表面215と接触し、かつこれと接着付着した状態となる。
図2に示されるように、微細構造を有するテープ1は、剥離ライナーを有さない、例えば巻き取られたロールの形態で、一方向に長い形状で都合よく提供されてもよく、このロールから一定の長さのテープ1を手で引き裂くことよって取り外すことができる(所望の場合には、ハサミ又は他の切断器具を用いる他の方法を用いてもよい)。次に、感圧接着剤の第1の主要接着表面301を用いて、一定長さのテープ1を、マスキングするのが望ましい表面部分に付着させる。その後、マスキングされた表面部分に塗料が侵入することなく、隣接した表面部分を塗装することができる。
【0008】
微細構造を有する手で引き裂くことができるパターン
微細構造を有するテープとは、テープ1が、支持体2の第2の主要面200に存在し、支持体2と少なくともほぼ横方向に向けられ、支持体2の幅をほぼ横断して延び、かつ支持体2の長手方向軸に沿って離間配置された長軸を含む、複数の脆弱線210(
図1及び4に例示的な方法で示されている)を含む、微細構造を有する手で引き裂くことができるパターン203を含むことを意味する。脆弱線210は、一定の長さの支持体2及びテープ1をより大きな長さから(例えば、ロールから)取り外すために、その幅を少なくともほぼ横方向に横断して手で引き裂くことができるテープ1の支持体2の能力を増強することができる。(ここで及び本明細書の他の箇所で用いられる)少なくともほぼ横方向にとは、脆弱線210が必ず支持体2の横方向軸と厳密に位置合わせされて(例えば、
図1〜
図3に示される特定の様式で)向けられなければならないことを意味しておらず、むしろ、脆弱線210が支持体2の横方向軸からプラスマイナス約45度以内の任意の向きである、あらゆる設計を包含する。更なる実施形態において、脆弱線210(即ち、その長軸)は、支持体2の横方向軸からプラスマイナス約30度、プラスマイナス約20度、又はプラスマイナス約10度以内に配向され得る。特定の実施形態において、脆弱線210は、支持体2の横方向軸と厳密に位置合わせされており、これは、これらが支持体2の横方向軸から±5度以内に向けられていることを意味する。
【0009】
個々の脆弱線210は、それぞれ1つの凹部によって提供される連続的な脆弱線であってもよく、又は複数の凹部によって集合的に提供される不連続な脆弱線であってもよい。凹部とは、端部が開口した外側に面する空洞(例えば、窪み、ディボット、切欠き、トレンチ、溝、縦溝、穴等)を含むように、その表面の少なくとも一部が、支持体2の第2の主要面200の主要表面215(ほぼ平坦な平らな表面であり得るが、必ずしもそうではない)よりも下方に(即ち、支持体2の内部に向かって内側に向けて)凹んでいる形体を意味する。本明細書で画定される凹部は、一部の材料(例えば、細孔性材料、発泡体、及び同様のもの)に存在し得るような内部空洞、ボイド、孔、又は同様のものを包含せず、連続気泡発泡体及び同様の表面に存在し得るような孔も包含しない。微細構造を有する手で引き裂くことができるパターンとは、脆弱線210を提供する凹部が、約5〜約200マイクロメートルの範囲の寸法を有する所定の成形構造(例えば、支持体2の第2の主要面200に設けられることが望ましい凹部のネガ型を含む成形面に接触させて高分子熱可塑性樹脂を成形することによって得られるようなもの)を、少なくとも2つの直交方向に含むことを更に意味する。これら直交方向のうちの1つは支持体2の平面に垂直であり、したがって、この寸法は凹部の深さを含む。例として、
図1及び
図4に示されるような一方向に長い溝211からなる凹部によって提供される脆弱線210では、凹部の深さは、溝211の最も深い(最内部)点214が、支持体2の主平面に垂直な軸に沿って、支持体2の第2の主要表面215から内側に向けて離間する距離である。多くの場合、溝211の横方向幅(横方向は、溝の幅を横断する方向を意味し、この方向は、支持体2の長手方向軸と概ね位置合わせされる場合が多い)は、第2の直交方向を含み得る。したがって、溝211の深さ及び溝211の横方向幅が、共に、一定の長さの溝211に沿った任意の位置において約5〜約200マイクロメートルである場合、溝211は、極めて長い長さを有し得るという事実にかかわらず、定義によれば微細構造を有する形態であるいくつかの実施形態では、脆弱線210を提供する凹部は、規則的で予測可能な繰り返しパターンで存在する。本明細書において開示される、モデル化された微細構造(例えば、凹部)は、後処理(例えば、コーティング、堆積、焼灼、穿孔、パンチング、掘削など)によって得られる形態とは区別されるということが理解される。
【0010】
1つ以上の凹部によって提供される脆弱線210が存在することは、支持体2の第2の主要面200上に認識可能な平坦な(平らな)表面が必ず存在しなければならないことを意味するものではない。むしろ、いくつかの実施形態では、第2の主要面200は、例えば、
図5及び
図6の代表的な実施形態で示すように、例えば、隆起部216間に点在する溝(谷部)217の形態の脆弱線210を含む手で引き裂くパターン203を含む場合がある。そのような場合には、谷部217は凹部を含み、所与の谷部が微細構造を有しているか否かを決定する目的で、その深さを、隆起部216の最外部の先端部から、谷部217の最内部(最も深い)の点214までの距離(支持体2の平面に垂直に測定)であると考えることができ、その幅を、隆起部216の先端部から、隣接する隆起部216の先端部までの距離(支持体2の平面と平行に測定)であると考えることができる。したがって、かかる距離が約5マイクロメートル〜約200マイクロメートルの範囲内に当てはまる場合、かかる形態は、本明細書で定義する微細構造を有する凹部を含む。更に、隆起部216及び谷部217はそれぞれ、必ずしも鋭い頂点及び床面を有する必要はない。むしろ、頂点及び底のいずれか又は両方は、
図6の代表的な実施形態のように丸みを付けられることができ、あるいは、平坦な谷床面及び/又は段頂部等を有することができる。要約すれば、少なくとも概ね横方向に配向された脆弱線210を提供する起伏のある(例えば、溝付き、波状等)表面を有するあらゆる微細構造パターンを用いることができる。
【0011】
いくつかの実施形態において、連続的な脆弱線210を提供する凹部は、支持体2の一方の小縁部11から支持体2のもう一方の小縁部12まで連続的に延在する、連続的な細長い溝211を含み得る。種々の実施形態において、溝211の深さは、少なくとも約10マイクロメートル、少なくとも約15マイクロメートル、又は少なくとも約20マイクロメートルであり得る。更なる実施形態において、溝211の深さは、最高約60マイクロメートル、最高約50マイクロメートル、又は最高約40マイクロメートルであり得る。種々の実施形態において、溝211の幅は、少なくとも約20マイクロメートル、少なくとも約40マイクロメートル、又は少なくとも約60マイクロメートルであり得る。更なる実施形態において、溝211の幅は、最高約140マイクロメートル、最高約120マイクロメートル、又は最高約100マイクロメートルであり得る。溝211の幅は、一定の長さの溝211に沿って一定であってもよく、又はこの長さに沿って変化してもよい。種々の実施形態において、溝211間の(支持体2に沿った長手方向の)中心間距離は、少なくとも約0.40mm、少なくとも約0.60mm、又は少なくとも約0.80mmであり得る。更なる実施形態において、溝211の間隔は、最高約1.4mm、最高約1.2mm、又は最高約1.0mmであり得る。溝211間の間隔は、一定の長さの支持体2に沿って一定であってもよく、又は様々であってもよい。溝211は、表面215のほぼ平坦な部分によって(
図1及び
図3のように)、若しくは外側に向かって突出した隆起部216によって、又はその両方によって、及び/あるいは任意の他の形態によって、(支持体2に沿った長手方向に)点在されてもよい。
【0012】
溝211は、所望の場合には、
図8及び
図9に示される架橋構造212などの任意の形態を含んでもよい。手で引き裂くパターン203及び支持体2と一体成形されるそのような架橋構造は、一定の長さの溝211に沿って周期的に離間されていてもよく、溝211の横方向幅(例えば、支持体2の長手方向軸と概ね位置合わせされる方向)の少なくとも一部を横断して延びてもよい。そのような架橋構造は、例えば、脆弱線210として機能する溝211の能力を容認し難いほど低減することなく、支持体2の長手方向の強度を高めることができる。この一般型の特定の実施形態では、架橋構造212は、
図8に例示されかつ
図9に拡大図として示されるように設計され得る。かかる設計では、架橋構造212は、溝211の幅を実質的に横方向にわたって配向された一番高い隆起部で交わる、2つの主要傾斜面213を含み得る。しかしながら、架橋構造212は、(例えば、ほぼ平坦な外側に面する(上部)表面を有する、円形上部表面を有する)など任意の好適な設計を有してもよい。
【0013】
いくつかの実施形態において、脆弱線210は不連続であってもよい、即ち、単一の凹部によって提供されるのではなく、支持体2に対して少なくとも短手横方向に配向され、かつ組み合わさって作用する不連続な脆弱線210の長軸(概ね線状又は厳密に線状の経路であり得るが、必ずしもそうである必要はない)に沿って離間配置された複数の(例えば、2つ以上)凹部によって提供されてもよい。
図10に例示された特定の実施例では、間隙(例えば、平らな表面215と関係する)で中断され、したがって支持体2の幅全体を横断して連続的に延在しない、不連続な溝221が提供されてもよい。
図11に示されるこのアプローチの変更では、不連続な脆弱線210は、支持体2の横方向幅にわたって概ね線状に整列配置された複数の細長い楕円形の凹部222によって集合的に提供され、楕円形凹部は、それぞれ支持体2の横方向幅を概ね横断して配向された長軸を含む。
図12に示されるこのアプローチのわずかな変更では、凹部223は、支持体2の横方向幅にわたって概ね線状に整列配置された菱形の凹部を含み、菱形凹部は、それぞれ支持体2の横方向幅を概ね横断して配向された長軸を含む。しかしながら、こうしたアプローチは、個々の凹部が、支持体2の横方向幅を概ね横断して配向された長軸を含むことを必ずしも必要としないことに留意されたい。したがって、
図13の代表的な実施形態では、脆弱線210は、ほぼ円形の凹部224の列によって集合的に提供されている。(
図13及び
図7〜
図12において、凹部の最も深い内部点は、参照番号214で表されている。)
【0014】
複数の凹部で構成される不連続な脆弱線を含むこれら実施形態のいずれかにおいて、凹部の深さは、少なくとも約10マイクロメートル、少なくとも約15マイクロメートル、又は少なくとも約20マイクロメートルであり得る。更なる実施形態において、凹部の深さは、最高約60マイクロメートル、最高約50マイクロメートル、又は最高約40マイクロメートルであり得る。凹部が長軸を有する場合、凹部の幅は、一定の長さの凹部に沿って一定であり得る(
図10のように)、又はこの長さに沿って(
図11及び
図12のように)変化し得る。種々の実施形態において、凹部の幅(凹部の任意の好適な位置で測定され得、ほぼ円形凹部の場合には直径であり得る)は、少なくとも約20マイクロメートル、少なくとも約40マイクロメートル、又は少なくとも約60マイクロメートルであり得る。更なる実施形態では、凹部の幅は、最高約140マイクロメートル、最高約120マイクロメートル、又は最高約100マイクロメートルであり得る。種々の実施形態において、不連続な脆弱線の隣接する凹部の最も近い縁部間の縁部間距離は(例えば、支持体2の横方向軸に概ね沿って測定する場合)、少なくとも約10マイクロメートル、少なくとも約20マイクロメートル、又は少なくとも約30マイクロメートルであり得る。更なる実施形態において、凹部間の縁部間距離は、最高約200マイクロメートル、最高約100マイクロメートル、又は最高約60マイクロメートルであり得る。
【0015】
1つ以上の凹部によって提供される上記の連続的な又は不連続な脆弱線のいずれかにおいて、個々の凹部の深さは様々であってよく、及び/又は異なる凹部は(可変又は一定にかかわらず)異なる深さを含んでもよい。凹部は、異なる幅を有するか、又は同一幅を有し得る。凹部の幅は、例えば、
図1の溝211のようにテーパ形状となるように、(例えば、断面で見たときに)支持体2の平面に対して内側−外側に向いた凹部の深さに沿って変化し得る、及び/又は、凹部は、断面で見たときに任意の好適な形状であり得る。即ち、凹部は、その深さに沿って一定幅を含んでもよく、平坦な底部、弓形の底部等、及び/又は、平坦な壁部、傾斜した壁部、弓形の壁部等を含んでもよい。凹部は、断面で見たときに、対称であってもよく、又は対称でなくてもよい。必要なのは、本明細書に記載される能力を手引き裂き支持体2に付与する脆弱線210を、この支持体2の幅を少なくとも概ね横方向にわたって、個別に又は集合的に提供するように、凹部が適切な形状寸法(例えば、深さ、幅、間隔等)で設計されかつ配置されるということだけである。
【0016】
脆弱線が連続的又は不連続であるかどうかにかかわらず(連続及び不連続の混合は本明細書の開示に包含される)、個々の脆弱線210間の間隔は、一定の長さの支持体2に沿って一定であってもよく、又は変化してもよい。全ての脆弱線は、(例えば、支持体2の横方向軸に対して)同一方向に配向される必要はない。更に、本明細書に開示される複数の脆弱線の概念は、特定の脆弱線210を個別に又は集合的に提供する凹部又は複数の凹部は、必ず厳密に一直線に整列配置されなければならないことを意味するものではないことに留意されたい。むしろ、脆弱線の全経路が上記で開示された方法で支持体2を少なくとも概ね横方向に横断している限り、連続的な脆弱線210は、いくらか弓状、波状、正弦波形状、鋸歯状などである連続的な溝によって提供されてもよい。同様に、いくらか弓状、波状、正弦波形状、鋸歯状等の経路に沿って配置された複数の凹部も同じように、不連続な脆弱線210を提供することができる。いくつかの実施形態では、言うまでもなく、概ね線状又は厳密に線状の経路が望ましい場合がある。
【0017】
このように、本明細書に記載の脆弱線210は、伝播する引き裂きが所望の(例えば、少なくとも概ね短手)方向に、例えば所望の経路に沿って導かれるように、手によって引き裂かれる支持体2の能力を増強又は促進することができる。しかしながら、一部の例では(例えば、不連続な脆弱線がそれぞれ複数の凹部からなる場合、支持体2の長手方向軸に沿って緊密に離間した連続的な脆弱線の場合などに起こり得る)、引き裂きの伝播は、厳密な直線経路に沿って真っ直ぐでない場合があることを理解されたい。例えば、引き裂きは、支持体2の横方向幅を横断する行程の一部で、1つの脆弱線に沿って伝播してもよく、その後第2の隣接する脆弱線(例えば、その凹部)にジャンプした後、第2の脆弱線に沿って横方向に伝播し続けてもよく、同じように続く。支持体2の幅を横断する所望の(例えば少なくとも概ね横方向の)経路から引き裂き伝播を容認し難いほど逸脱させない限り、そのような現象も許容可能であり得る。このように、複数の脆弱線の概念は、本明細書では幅広く用いられ、支持体2を手で引き裂くとき、どの特定の脆弱線に追従し得るのかを正確に識別することが必ずしも容易でない、又は可能でない場合の事例も包含する。必要なのは、微細構造を有する凹部が、個別に又は集合的に、本明細書に記載の通りに引き裂きを開始させ、かつ、支持体2の幅を少なくとも概ね横方向にわたって伝播させることができるということだけである。いくつかの実施形態では、言うまでもなく、引き裂きの進行が、概ね又は完全に、1つの脆弱線に沿って生じることが好ましくあり得る。
【0018】
脆弱線210は、伝播している手引き裂きが所望の方向に導かれる能力を高めるのに加えて、手引き裂きが開始される能力を高めることができる。そのため、いくつかの実施形態では、支持体2の小縁部11に存在する脆弱線の少なくとも一部を凹部が構成し、同様に凹部が支持体2の小縁部12に存在するのが有利であり得る。これは、例えば、支持体2の小縁部11及び12まで延びる連続的な溝(例えば、
図1〜
図3の代表的な溝211など)である脆弱線によって提供され得る。又は、不連続な脆弱線の場合には、脆弱線を形成する複数の凹部は、凹部が支持体2の小縁部11に存在するように、かつ凹部が同様に支持体2の小縁部12に存在するように配置され得る。いずれの場合にも、支持体2の第2の主要面200の横方向幅全体にわたって、一方の小縁部11からもう一方の小縁部12まで延在する脆弱線210が提供される。
【0019】
支持体
支持体2及びその第2の主要面200の手で引き裂くパターン203は、体構造のプラスチック材料で形成された一体構造のプラスチックユニットを構成するものとして本明細書において定義される。これは、第2の主要面200の手で引き裂くパターン203の脆弱線210をもたらす凹状形態(例えば、溝、谷部、孔など)を画定する材料の一部(例えば、表面)が、一体的に支持体2に接続され、支持体2と一緒に成形されることによって形成されたことを意味する。いくつかの実施形態において、支持体2及びその第1の主要面101を構成するモノリシックプラスチック材料の部分と、その表面が第2の主要面200の手で引き裂くパターン203の脆弱線210の凹部を画定するモノリシックプラスチック材料の部分とは、同じ構成である。様々な実施形態において、第2の主要面200の第2の主要表面215から、第1の主要面100の第1の主要表面101までの、支持体2の全体的厚さは、少なくとも約25マイクロメートル、少なくとも約50マイクロメートル、少なくとも約60マイクロメートル、又は少なくとも約70マイクロメートルであり得る。更なる実施形態では、支持体2の全厚は、最高約250マイクロメートル、最高約140マイクロメートル、最高約120マイクロメートル、又は最高約100マイクロメートルであり得る。
【0020】
支持体2のプラスチック材料は、発泡材料又は多孔質材料でない成形用ポリマー熱可塑性材料である。いくつかの実施形態では、プラスチック材料は非セルロースであり得る、つまり、セルロース系材料(例えば、セルロース、紙、再生セルロース、木質繊維、木粉等、これに関連して、酢酸セルロース及び同様のものはセルロース系材料であると考慮されない)を約5重量%未満含有し得る。特定の実施形態では、プラスチック材料は、溶融加工可能、例えば押出可能であり得る。成形用ポリマー熱可塑性材料は、様々な物質のいずれかから形成され得る、又は様々な物質のいずれかを含むことができる。ホモポリマー、コポリマー、及びポリマー混合物は有用であり得、様々な添加剤を含有してもよい。好適な熱可塑性ポリマーとしては、例えば、ポリプロピレン若しくはポリエチレンなどのポリオレフィン、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート、エチレンビニルアセテートコポリマー、アクリレートで修飾されたエチレンビニルアセテートポリマー、エチレンアクリル酸コポリマー、ナイロン、ポリ塩化ビニル、及びポリケトン若しくはポリメチルペンタンなどのエンジニアリングポリマーを挙げることができる。ポリマーの混合物も使用することができる。特定の実施形態において、支持体2のプラスチック材料は、いずれの塩化ビニル系ポリマーも含まない。
【0021】
いくつかの実施形態において、プラスチック材料は、ポリオレフィン材料であってもよく、これは、そのいずれかのホモポリマー、コポリマー、混合物などを含む、少なくとも80重量%のポリアルケンポリマーでプラスチック材料が作製されることを意味する(存在し得る、いずれかの無機充填剤などの重量を考慮しない)。更なる実施形態において、プラスチック材料は、少なくとも90重量%、少なくとも95重量%、又は少なくとも98重量%のポリオレフィン材料を含み得る。特定の実施形態において、プラスチック材料は、本質的にポリオレフィン材料からなるが、この要件(いずれかの無機充填剤の重量を含まないことに加え)が、加工助剤、可塑剤、抗酸化剤、着色剤、顔料など(少なくともこれらのいくつかは、少量の非ポリオレフィン材料を含み得る)の存在を排除しないことに留意する。
【0022】
いくつかの実施形態において、ポリオレフィン材料は、ポリエチレン材料であってもよく、すなわち、ポリオレフィン材料は、少なくとも約80重量%のポリエチレンポリマーを含む(またこれは、存在し得るいずれかの無機充填剤などの重量を含まない)。更なる実施形態において、ポリオレフィン材料は、少なくとも約90重量%、少なくとも約95重量%、又は少なくとも約98重量%のポリエチレンポリマーを含み得る。(これに関連して、ポリエチレンポリマーとは、少なくとも95%のエチレンユニットからなるポリマーを意味する。いくつかの実施形態において、ポリエチレンポリマーは、ポリエチレンホモポリマーである)。いくつかの実施形態において、ポリオレフィン材料は、実質的に、ポリエチレンホモポリマーからなるが、この要件は、少量の非ポリエチレンポリマーを含み得る、少量の添加剤などの存在を排除するものではないことに留意する。ある実施形態では、ポリオレフィン系材料は、ポリプロピレンを実質的に含有しなくてもよい(並びに非オレフィンポリマーを実質的に含有しなくてもよい)。(当業者は、本明細書において使用するとき、用語「実質的に含まない」とは、例えば通常の洗浄処理にさらされる大量製造装置を使用する際に生じ得るような、いくつかのごく少量(例えば、0.5%以下)の物質の存在を排除しないことを理解する。)
【0023】
支持体2で使用するのに適したポリエチレンホモポリマーとしては、例えば、高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、超低密度ポリエチレンなどを挙げることができる。特定の実施形態において、ポリエチレンホモポリマーは、低密度のポリエチレン(LDPE、即ち、0.93g/cc未満の密度を有する)、及び高密度のポリエチレン(HDPE、即ち、少なくとも0.94g/ccの密度を有する)から本質的になる場合がある。特定の実施形態において、LDPEは、0.92g/cc以下の密度を有し得る。特定の実施形態において、HDPEは、0.96以上の密度を有し得る。
【0024】
LDPE及びHDPEは、任意の好適な重量比で存在し得る。様々な実施形態において、LDPE及びHDPEは、約10:90のLDPE:HDPE〜約90:10のLDPE:HDPEの重量比で存在し得る。いくつかの実施形態において、LDPE:HDPEの重量比は、最大約45:55、最大約40:60、最大35:75、又は最大約30;70であり得る。更なる実施形態において、LDPE:HDPEの重量比は、少なくとも約15:85、少なくとも約20:80、又は少なくとも約25:75である。
【0025】
これらの制限内において、一般的に20:80のLDPE:HDPE〜40:60のLDPE:HDPEに及ぶ重量比の、特定の組成物が、テープ1の取り扱い性を向上させるものと考えられることが見出された。特に、この範囲内の組成物は、テープ1の取り扱い性を向上させて充分な硬度をテープ支持体2に付与し(テープが許容不可能に厚延する、垂れ下がる、湾曲することなどなく、かなり長い、例えば、0.5m以上までの長さのテープを引き出す能力)、その一方で同時に、横方向に手で引き裂かれるテープ1の能力を保存し、又は以下でより本明細書において詳細に記載されるように、テープ1の横方向に湾曲する能力を保存するということが見出された。このような発見は、本明細書の実施例において提示される。
【0026】
いくつかの実施形態では、LDPE/HDPE混合物は、1種以上の無機(例えば、粒子状無機物)充填剤を含んでもよく、これは、例えば、炭酸カルシウム、カオリン、タルク、シリカ、二酸化チタン、ガラス繊維、ガラス球などを挙げることができる。こうした充填剤は、例えば支持体2の材料の総重量の約0.05重量%〜約20重量%の量で存在してもよい。特定の目的のために望ましい場合には、他の添加剤を含んでもよい。
【0027】
感圧接着剤
感圧接着剤300は、支持体2の第2の主要面200上に提供される。感圧接着剤は通常、室温で粘着性であり、ただ軽い指圧のみを加えることによって表面に接着されることができ、したがって感圧性でない他のタイプの接着剤と区別することができる。有用な感圧接着剤の一般的な説明は、「Encyclopedia of Polymer Science and Engineering」(Vol.13,Wiley−Interscience Publishers(New York,1988))に見出すことができる。有用な感圧接着剤の更なる説明は、「Encyclopedia of Polymer Science and Technology」(Vol.1,Interscience Publishers(New York,1964))に見出すことができる。任意の好適な組成物、物質、又は成分は、感圧接着剤300において使用され得る。感圧接着剤は多くの場合、例えば、1つ以上の粘着付与樹脂と組み合わせて、1つ以上の熱可塑性エラストマーを使用する。
【0028】
感圧接着剤300において使用するのに好適であり得る、代表的な物質の一般的な分類としては、例えば、アクリレート、及び/又はメタクリレート物質に基づくエラストマーポリマー(例えば、その反応生成物)、天然若しくは合成ゴム、ブロックコポリマー、シリコーンなどが挙げられる。(本明細書において使用するとき、(メタ)アクリレート、メタ(アクリル)などは、アクリル/アクリレートの両方、及びメタクリル/メタクリレート、モノマー、オリゴマー、及びこれらから誘導されるポリマーを指す)。好適なポリマー及び/又はそのモノマーユニットとしては、ポリビニルエーテル、ポリイソプレン、ブチルゴム、ポリイソブチレン、ポリクロロプレン、ブタジエンアクリロニトリルポリマー、スチレン−イソプレン、スチレン−ブチレン、及びスチレン−イソプレン−スチレンブロックコポリマー、エチレン−プロピレン−ジエンポリマー、スチレン−ブタジエンポリマー、スチレンポリマー、ポリアルファオレフィン、非晶質ポリオレフィン、ポリシロキサン、エチレン酢酸ビニル、ポリウレタン、シリコーン尿素ポリマー、シリコーンウレタンポリマー、ポリビニルピロリドン、並びにこれらの任意の組み合わせを挙げることができるが、これらに限定されない。好適な(メタ)アクリレート材料の例としては、例えば、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、メチルアクリレート、エチルアクリレート、n−ブチルアクリレート、イソオクチルアクリレート、イソノニルアクリレート、2−エチル−ヘキシルアクリレート、デシルアクリレート、ドデシルアクリレート、n−ブチルアクリレート、ヘキシルアクリレート、オクタデシルアクリレート、オクタデシルメタクリレート、アクリル酸、メタクリル酸、アクリロニトリル、及びこれらの組み合わせなどのアルキルアクリレート又はメタクリレートモノマーのポリマーが挙げられる。好適な市販のブロックコポリマーの例は、商品名「KRATON」でKraton Polymers(Houston,TX)から入手可能なものが挙げられる。これらの、又は他の好適な材料のいずれかが、任意の所望の組み合わせで使用され得る。
【0029】
任意の好適な粘着付与樹脂、又はこれらの組み合わせが使用され得る。好適な粘着付与樹脂としては、例えば、樹脂、及びその水素添加誘導体、トール油ロジン、テルペン樹脂、フェノール樹脂、ポリ芳香族化合物、石油系樹脂(例えば、脂肪族C5オレフィン誘導樹脂)などが挙げられる。当業者は、様々な粘着付与樹脂が利用可能であることを理解し、かついくつかのエラストマーは、自己粘着性であり、粘着付与樹脂を殆ど、又は全く必要としない場合があることを更に理解する。加えて、感圧接着剤300は、可塑剤、充填剤、抗酸化剤、安定剤、顔料などを含み得る。感圧接着剤300において用途を見出し得る材料(熱可塑性エラストマー、粘着付与樹脂、及び他の接着剤)に関する追加的情報は、例えば、米国特許第6,632,522号(Hyde et al.)に見出され、これは、このような材料について広範に説明し、この目的のために本明細書において参照として組み込まれる。
【0030】
感圧接着剤300の構成要素は、表面に対して良好な接着をもたらす一方でまた、例えば可視の残滓などの残留物を残すことなく、適度な力で除去可能であるようにして選択されることが便利であり得る(例えば、屋外の用途のため)。ある実施形態では、感圧接着剤300は、天然ゴム系であり得、これは、天然ゴムエラストマーが、接着剤のエラストマー成分の少なくとも約20重量%を構成することを意味する(これらの充填剤、粘着付与剤などを含まない)。更なる実施形態において、天然ゴムエラストマーは、接着剤のエラストマー成分の少なくとも約50重量%、又は少なくとも約80重量%を構成する。いくつかの実施形態において、天然ゴムエラストマーは、1つ以上のブロックコポリマー熱可塑性エラストマー(例えば、Kraton Polymers(Houston,TX)から商標名KRATONで入手可能な一般的種類)と混合され得る。特定の実施形態において、天然ゴムエラストマーは、少なくとも1つの粘着付与剤と共に、天然ゴムと組み合わせて、スチレン−イソプレンラジカルブロックコポリマーと混合されてもよい。この種類の接着剤組成物は、米国特許出願公開第2003/0215628号(Ma et al.)において更に詳細に開示され、これは、本明細書においてこの目的のために参照として組み込まれる。
【0031】
低接着バックサイズ
低接着バックサイズ103は、支持体2の第1の主要面100上に提供され、よってテープ1が巻き取られた状態にあるとき(例えば、ロール20として)、感圧接着剤300の最外表面301が、低接着バックサイズ103の最外表面104と接触する。低接着バックサイズ103は、任意の好適な組成物であり得る。低接着バックサイズ103の組成物(例えば、感圧接着剤300の組成物と組み合わされる)は、ロール20が必要に応じて巻き出され得るように、適切なレベルの剥離をもたらすように選択され得る。本明細書において開示されるように、バックサイズ103はまた、上部に堆積されている塗料を固定する、より高い能力をもたらし得る。
【0032】
低接着バックサイズ103に含むために好適であり得る、代表的な材料の一般的な分類には、例えば、(メタ)アクリルポリマー、ウレタンポリマー、ビニルエステルポリマー、ビニルカルバメートポリマー、フッ素含有ポリマー、シリコーン含有ポリマー、及びこれらの組み合わせが挙げられる。
【0033】
いくつかの代表的な実施形態において、低接着バックサイズ103は、(メタ)アクリルモノマー、オリゴマーなどの反応生成物を含んでもよく、この一般的な分類は、アクリル酸又はメタクリル酸のいずれかのエステル又はニトリルを包含することに留意する。この種の好適な材料としては、オクタデシルアクリレート、アクリル酸、メチルアクリレート、エチルアクリレート、イソオクチルアクリレート、エチルヘキシルアクリレート、ブチルアクリレート、ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシプロピルアクリレート、及びアクリロニトリルが挙げられるがこれらに限定されない。これらの材料のいずれかの対応する(メタ)アクリレートは、同様に使用することができる。(例えば、(メタ)アクリルモノマーと共重合可能である)他の任意のビニルモノマーも含まれ得る(例えば、N−ビニルピロリドン、スチレン、アクリルアミド、ビニルアセテートなど)。いくつかの実施形態において、低接着バックサイズ103は、オクタデシルアクリレート、アクリル酸、アクリロニトリル、及びメチルアクリレートの反応生成物によって例示されるように、(メタ)アクリル主鎖に付加される長いアルキル側鎖ポリマー(例えば、側鎖に12〜22個の炭素原子を含む)を含む、組成物を含み得る。このような組成物は、この目的のため、米国特許第3,011,988号(Luedke et al.)に更に詳述される。この一般的種類のいくつかの実施形態において、オクタデシルアクリレートは、最高で約60重量%の反応混合物を含み得る。特定の実施形態において、オクタデシルアクリレートは、約51重量%以下の反応混合物を含む。
【0034】
いくつかの実施形態において、低接着バックサイズ103は、識別可能な(例えば、当業者に既知の従来的技術により測定可能である)ガラス転移温度(T
g)を含み得る。いくつかの実施形態において、好適なT
gは、少なくとも−20℃であり、例えば、これによって低接着バックサイズ103は、殆どの通常の使用条件において粘着性ではない。更なる実施形態において、低粘着バックサイズは、少なくとも約20℃、又は少なくとも約40℃のT
gを含み得る。更なる実施形態において、低接着バックサイズは、最大約100℃、又は最大約70℃、又は最大約60℃のT
gを含み得る。低接着バックサイズ103は、高いT
g(70℃超)を有するもの、中程度のT
g(70℃〜20℃)を有するもの、及び低いT
g(20℃未満)を有するものから選択される、モノマーユニットの任意の好適な組み合わせを含めることによって、所望のT
gを備えることができる。最初のものの例は、メチルメタクリレートユニット(T
g約105℃)、二番目の例はヘキサデシルアクリレートユニット(Tg約35℃)、第3の例は、メチルアクリルユニット(T
g約9℃)を含む。当業者らは、多くの(メタ)アクリルモノマーユニット、及び他のビニルモノマーユニットがこのような目的のために選択され得ることを理解する。いくつかの実施形態において(例えば、低接着バックサイズのポリマー主鎖が、約−127℃の非常に低いT
gを含む、ポリシロキサンユニットから殆どなる、又はポリシロキサンユニットから本質的に完全になる、下記の実施形態において、上記の範囲のT
gは、側鎖(例えば、ビニルモノマーから誘導される)により供給され得ることが理解される。
【0035】
いくつかの実施形態において、低接着バックサイズ103は、例えば、結晶ポリマーセグメントを生じる大量のモノマーユニットを含む組成物において、識別可能な結晶融点(T
m)を含む場合がある。このようなT
mは、T
gの代わりに、又はこれと加えて存在し得る。いくつかの実施形態において、T
m(存在する場合)は、例えば、20℃〜60℃の範囲であり得る。
【0036】
いくつかの実施形態において、低接着バックサイズ103は、少なくともいくつかの(メタ)アクリル酸基を含み得る。様々な実施形態において(メタ)アクリル酸は、少なくとも約2又は5重量%で存在し得る。様々な実施形態において(メタ)アクリル酸基は、最大で約16、10、又は5重量%で存在し得る。
【0037】
いくつかの実施形態において、低接着バックサイズ103は、シリコーン含有材料を含み得る。様々な実施形態において、このような材料は、非シリコーン(例えば、(メタ)アクリレート)側鎖を備えるシリコーン主鎖、シリコーン側鎖を備える非シリコーン(例えば、(メタ)アクリレート)主鎖、シリコーンユニット及び非シリコーン(例えば、(メタ)アクリレート)ユニットを含むコポリマー主鎖などを含み得る。シリコーンポリ尿素材料、シリコーンポリ尿素ポリウレタン材料、シリコーンポリオキサミド材料、シロキサンイニファータ誘導組成物などがまた好適であり得る。
【0038】
ある実施形態では、低接着バックサイズ103のシリコーン含有材料は、一般式Iを有するビニル官能性シリコーンマクロマーの反応生成物を含む。
【0039】
【化1】
【0040】
ある実施形態では、低接着バックサイズ103のシリコーン含有材料は、IIa、IIb、若しくはIIcの一般式を有するメルカプト官能性シリコーンマクロマー、又はこれらの組み合わせの反応生成物を含む。
【0041】
【化2】
【0042】
メルカプト官能性シリコーンマクロマー、及びこのようなマクロマーを使用する低接着バックサイズ成分の生成の更なる詳細は、米国特許第5,032,460号(Kantner et al.)に見出すことができ、これは本明細書において参照として組み込まれる。
【0043】
様々な実施形態により、上記のシリコーンマクロマーのいずれかが、メタ(アクリル)モノマー、及び/又は任意の他のビニルモノマーと組み合わせて使用され得る。このようなモノマーは例えば、上記のガラス転移温度の範囲のいずれかを達成するために使用され得る。特定の実施形態において、式IIaのシリコーンマクロマーは、合計の反応物の15〜35重量%で使用され得、反応物の残部は、少なくとも1つの高いT
g(メタ)アクリルモノマー、少なくとも1つの低いT
g(メタ)アクリルモノマー、及び少なくとも1つの(メタ)アクリル酸モノマーを含む。特定の実施形態において、低いT
gモノマーはメチルアクリレートであり、高いT
gモノマーはメチルメタクリレートであり、(メタ)アクリレート酸モノマーはメタクリル酸である。更なる実施形態において、このような組成物において、式IIaのシリコーンマクロマーは、約20〜30重量%で使用される。
【0044】
シリコーンマクロマーを含むいくつかの実施形態において、低接着バックサイズ103は、少なくとも2重量%の(メタ)アクリル酸基を含み得る。更なる実施形態において、このような組成物のメタクリル酸の量は、2〜16重量%、又は5〜10重量%である。(本明細書において掲載される、これら及び他の重量%は、合計反応物に対するものであり、他にそのように記載されない限り、反応混合物又は低接着バックサイズ生成物内に存在し得るいずれかの溶媒若しくは他の成分を含まない)。
【0045】
いくつかの実施形態において、テープ1は、上記の材料のいずれかを含む低接着バックサイズ103を含み、感圧接着剤300は、天然ゴム系感圧接着剤である(本明細書において先に記載された)。特定の実施形態において、低接着バックサイズ103は、式IIaのシリコーンマクロマーを含み、感圧接着剤300は、天然ゴム系接着剤である。
【0046】
低接着バックサイズは、例えば、米国特許第3,011,988号(Luedke et al.)に詳述される方法などの、このような材料を作製する既知の方法のいずれかにより作製され得る。シリコーンマクロマーを含む低接着バックサイズは、2010年12月29日に出願された、米国特許第5,032,460号(Kantner et al.)、及び米国仮特許出願第61/427932号に記載されるような手順によって作製されてもよく、これらは両方とも本明細書において参照として組み込まれる。低接着バックサイズ組成物(例えば、反応生成物)は、有機溶媒溶液中に残ることがあり、これは基材上に堆積するまで生成されるが、いくつかの場合において、低接着バックサイズを水性分散液にし、そこからこれを基材上に堆積させることが便利である場合がある。(厳密には、溶媒又は水中のこのような組成物は、低接着バックサイズ前駆体と称される場合があり、これは、溶媒、水などと共に基材上に堆積され、その後、除去されて、実際の低接着バックサイズを層状に形成してもよい)溶媒を含む低接着バックサイズ(前駆体)を変換する手順は、例えば米国特許第5,032,460号(Kantner et al.)の、「Waterborne Release Coatings」と題される項において概説される。
【0047】
本明細書において後に示される実施例によって明示されるように、水性にされた後にそこからコーティングされた低接着バックサイズは、溶媒からコーティングされたものの上における、改善された塗料固定を示し得ることが、驚くべきことに見出された。理論又はメカニズムによって限定されることを意図しないが、この変換工程は、低接着バックサイズの極性基(例えば(メタ)アクリル酸などによってもたらされるものなどの酸性基)を、例えば、水性塗料と幾分相互作用可能なものとし、したがって、より高い塗料固定性をもたらすことができる。
【0048】
製造法
支持体2及びテープ1を作製するための代表的な装置及びプロセス400が
図14に示される。溶融熱可塑性ポリマー押出物431を押し出すために押出成形機430を使用することができ、次に、この押出物431の一方の主要表面は成形ロール410と接触し、このロールはその表面に、支持体2の第2の主要面200上に形成される、所望の、手による引き裂きを付与する微細構造を有する形態のネガ型を有する。押出品431の反対側の主要表面は、支持体ロール420と接触し、このロールは、支持体2の第1の主要面100にほぼ平坦な主要表面101を形成するように、ほぼ平坦な表面を含み得る。好都合には、この接触は、例えばロール410と420との間の狭い間隙(ニップ)の中に溶融押出品431を衝突させることによって、本質的に同時に行うことができる。当業者は、成形ロール410ではなく、成形ベルト、プラテン、及び同様のものによって提供され得る成形面を、必要に応じて使用することができることを理解するであろう。成形面は、金属であってもよく(例えば、金属ロールの形態)であってもよく、又は柔軟な材料(例えば、ポリマーベルト、若しくはポリマースリーブ、又は金属支持ロール上に堆積されるコーティング)を含んでもよい。所望の、手による引き裂き性を付与する形態のネガ型をその上に有する、かかる成形面は、例えば、当業者によく知られている彫刻、ローレット切り、ダイヤモンド切削、レーザーアブレーション、電気メッキ又は電気溶着などによって得ることができる。
【0049】
支持体ロール420は、例えば磨いた金属表面を含んでもよく(例えば、支持体2の主要面100の主要表面101が非常に平滑である場合)、又はこれは、例えばゴムコーティングした表面を含んでもよく、この場合、支持体2のほぼ平坦な主要表面101は、つや消し仕上げを含み得る。任意の他の構成(例えば、表面コーティング、スリーブなど)が所望により使用され得る。
【0050】
いずれかのこのような成形ロール及び/又は支持体ロールは、任意の所望の温度に調整され得る(例えば、内部循環流体の使用により)。約21℃〜約93℃、又は約65℃〜79℃の温度にロールを維持することが便利であり得る。押出プロセスを用いる場合、種々の実施形態では、押出可能な組成物(ポリマー樹脂)は、約1〜20、又は約5〜15のメルトフローインデックスを有し得る。(所望により、溶融押出品431ではなく、既存の成形可能な熱可塑性ポリマーフィルムは、加熱され、成形面と接触して、その主要表面上に所望の微細構造を有するパターンを成形することができる。)
【0051】
その第2主要面200に手で引き裂くパターン203に付与するために、成形面と接触した溶融押出品432は、モノリシックプラスチックユニットの形態で支持体2を提供するために固化され得る(例えば、冷却により)。溶融押出品は、このような固化を可能にするために、
図14に代表的な方法において示されるロールの大部分の周囲の経路に従うことにより、ロール表面(例えば、成形ロール、又は支持ロールのいずれか)と接触するように保持されることが便利である。所望の場合には、成形ロール又は支持ロールから取り外される際に成形されて固化された支持体2の取り扱いを支援するために、引取ロール425が提供されてもよい。
【0052】
低接着バックサイズ103は、例えばコータ436の使用によって、支持体2の第1の主要面100上に配置され得る(例えば、層として)。低接着バックサイズ103の最外表面104は露出し(巻き取られたロールへと、テープ1が巻かれている際に、感圧接着剤300と接触するように)、低接着バックサイズ103の最も内側の表面106は、支持体2の第1の主要表面101と直接、又は間接的に接触し得る(例えば、任意の中間層、処理などが、低接着バックサイズ103の堆積の前に、所望により支持体2の表面101に適用され得る)。低接着バックサイズ103の堆積は、
図14の代表的な構成のように、支持体2の成形と同じプロセスにおいてインラインで行うことができる。又は、別個のプロセスにおいてオフラインで行うことができる。
【0053】
コータ436は一般的に低接着バックサイズ103が支持体2の第1主要面100上に堆積され得る任意の好適な装置及び方法を表し、これは、例えば、溶媒コーティング方法、水性コーティング方法、又はホットメルトコーティング方法、例えば、ナイフコーティング、スロットオリフィスコーティング、スロットダイコーティング、押出コーティングなどを含む。多くの場合において、このようなプロセスは、低接着バックサイズ(前駆体)を支持体2の第1の主要面100に堆積し、その後前駆体を低接着バックサイズ103に移す工程を含み得る(例えば、溶媒又は水の除去、硬化又は架橋による)。
【0054】
感圧接着剤300は、例えばコータ433の使用によって、支持体2の第2の主要面200上に配置され得る(例えば、層として)。感圧接着剤300の最外表面301が露出してもよく、それによってその後、低接着バックサイズ103の最外表面104と接触してもよく(例えば、巻き取られたロールへと、テープ1は巻かれる)、最も内側表面302は支持体2の第2の主要表面215と直接又は間接的に接触し得る(例えば、任意の中間層、処理などが、感圧接着剤300の堆積の前に、所望により支持体2の第2の主要表面に適用され得る)。感圧接着剤300の堆積は、
図14の代表的な構成におけるように、支持体2の成形、及び/又は低接着バックサイズ103の堆積と同じプロセスで、インラインであり得る。又は、別個のプロセスにおいてオフラインで行うことができる。
【0055】
コータ433は一般的に、感圧接着剤300が支持体2の第2の主要面200上に堆積され得る任意の好適な装置及び方法を表し、これは、例えば、溶媒コーティング方法、水性コーティング方法、又はホットメルトコーティング方法、例えば、ナイフコーティング、ロールコーティング、リバースロールコーティング、グラビアコーティング、巻線ロッドコーティング、スロットオリフィスコーティング、スロットダイコーティング、押出コーティングなどを含む。多くの場合、かかるプロセスは、支持体2の第2の主要面200上に感圧接着剤(前駆体)を堆積することと、その後、この前駆体を感圧接着剤300に変換することと(例えば、溶媒又は水の除去、硬化、又は架橋などによる)を含み得る。ただし、接着剤が支持体2の第2の主要表面215と密着しかつ接着接合するだけでなく、接着剤が脆弱線210を形成する凹部に侵入して凹部の表面(例えば、壁部、床部等)と密着かつ接着接合するように、接着接合感圧接着剤300を第2の主要面200上に堆積させるのが望ましくあり得る。更に、支持体2の第2の主要面200の凹部の上にある接着剤300の領域においてでさえも、(例えば、これら領域において窪みを呈するのではなく)接着剤300の最外表面301がほぼ平坦となるような厚さで、感圧接着剤300を凹部の深さに対して提供するのが望ましくあり得る。種々の実施形態において、感圧接着剤300の厚さは、少なくとも約20マイクロメートル、少なくとも約30マイクロメートル、又は少なくとも約40マイクロメートルであり得る。更なる実施形態において、感圧接着剤300の厚さは、最高約100マイクロメートル、最高約80マイクロメートル、又は最高約60マイクロメートルであり得る。
【0056】
支持体2の第1の主要面100の第1の主要表面101は、低接着バックサイズ103がそこにしっかりと取り付けられる能力を高めるように処理され得る。このような処理は、例えば、コロナ処理、プラズマ処理、火炎処理等、あるいはプライマー、結合層などの堆積(例えば、コーティング)を含み得る。(コロナ処理のみにて(以降のLABのコーティングは有さずに)、コロナ処理により付与される表面エネルギーの増加のために、例えば、ポリオレフィンテープ支持体の表面の塗料固定能力を大幅に高めることができることが見出された。しかしながら、これは、このような表面エネルギーの増加により生じた許容不可能な高い剥離値という犠牲を伴うことが見出された。)第2の主要面200の第2の主要表面215(及びその剥離)は同様にコロナ処理され、プライマーによりコーティングされるなどして、感圧接着剤300がこれにしっかりと取り付けられる能力を高めてもよい。表面101及び215は、所望により同じ処理、又は異なる処理を施されてもよい。
【0057】
いくつかの実施形態において、テープ1の支持体2の第1の主要面100は、テープによる液体塗料の保持を高めるために、微細構造を有する塗料保持パターンを含んでもよい。このような微細構造を有する塗料保持パターンは、2011年3月8日に出願された米国特許出願第13/042536号において更に詳細に記載され、これは、この目的のために本明細書において参照として組み込まれる。このような場合、低接着バックサイズ103は少なくとも、微細構造を有する塗料保持パターンを含む区画の最外表面状に提供される。
【0058】
テープ
図14によって示される一般型のプロセスによって製造されるか、又は任意の他の好適なプロセスによって製造されるかにかかわらず、テープ1は、
図2の代表的な方法に示されるロール20の形態で都合よく提供され得る。テープ1、及びそのロール20は、いずれの種類の剥離ライナーも含まない(例えば、フィルムライナー自体、又はその上のコーティングによってもたらされる、支持体2から分離され、剥離表面を備える紙若しくはプラスチックフィルムライナー)。即ち、ロール20は、その上に直接巻かれた、巻き取られたロールであり、感圧接着剤300の最外表面301は、低接着バックサイズ103の最外表面104と接触している。剥離可能な接触とは、ロールの形態を許容できる程度に維持するための機械的完全性を備えたロール20を提供するのに十分な程度に、感圧接着剤300は低接着バックサイズ103の最外面104に接着するが(即ち、それにより、ロールは、その巻き取られた状態からあまりにも簡単に容認し難いほど広がらない)、感圧接着剤300と低接着バックサイズ103の最外表面104との間の接着力が、許容不可能な力を必要とせず、かつ接着剤を許容不可能なほどに損傷することなく、又は接着剤を支持体2の第2の主要面200から剥がすことなく、ないしは別の方法によりテープ1を許容不可能なほどに損傷することなく、接着剤300を低接着バックサイズ103から剥離し得るほど、充分に低いことを意味する。低接着バックサイズ、及びその反対面に感圧接着剤を備える、所与のテープ1の剥離特性は、その巻き取られた状態からテープ1を巻き出すために必要な力によって測定されてもよい(例えば、本明細書の実施例に記載される手順によって測定される)。この方法で測定すると、種々の実施形態において、テープ1は、テープ幅1インチ当たり少なくとも2、4、又は9オンス(0.22、0.44、又は0.99N/cmテープ幅)の巻き出し力を含み得る。更なる実施形態では、テープ1は、テープ幅1インチ当たり最大25、21、又は16オンス(2.75、2.31、又は1.76N/cmテープ幅)の巻き出し力を含み得る。
【0059】
テープ1を使用するために、一方向に長い形状のテープ(例えばロール20)から一定の長さのテープを取り外すことができる。これは、テープを所望の位置でその横方向幅にわたって手で引き裂くことによって行われてもよいが、都合がよければ、ハサミ、ナイフ、又は任意の他の好適な切断器具を使用してもよい。手で引き裂くことは、所望の引き裂き位置を長手方向に一括するテープの部分をそれぞれの手で把持し、テープの幅を少なくとも概ね横方向に横断する引き裂きを開始及び伝播するために所望の引き裂き位置で剪断力を加えるように、テープの一方の部分を第1の方向に、他方の部分を概ね反対方向に動かすことによって行われてもよい。こうして一定の長さのテープが得られたら、マスキングされるべき表面の所望の部分にこれを適用及び接着することができる。あるいは、まだロール20に取り付けられた状態のテープの末端部を、表面の所望の部分に適用及び接着してもよく、その後、一方向に長い形状のテープ(例えば、ロール20自体)の残余部分を、テープの接着していない部分が所与の位置(例えば、テープが表面に接着されている位置に最も近い点)において少なくともほぼ横方向に引き裂かれるようにうまく処理(例えば、ひねる又は平行移動させる)してもよい。これら方法はどちらも当業者には周知である。所望の場合には、テープ1をマスキングフィルムと共に使用してもよく、マスキング治具、例えば3M Company(St.Paul,MN)から商品名「3M HAND−MASKER DISPENSER」で入手可能な製品を使用して、テープ1を表面に都合よく適用してもよい(例えば、かかるマスキングフィルムに沿って)。
【0060】
テープ1が表面の所望の部分に適用されたら、続いて表面の隣接部分を所望通りに塗装することができる(塗料という用語は、本明細書では幅広く用いられ、あらゆるコーティング、プライマー、ニス、ラッカー及び同様のものを包含する)。任意の好適な時点で(例えば、塗料が望ましい程度まで乾燥した後)、テープ1を表面から取り除くことができる。
【0061】
いくつかの実施形態において、低接着バックサイズ103の成分は、スプレー、ブラシ、ロールなどで適用することができる液体塗料を保持及び固定する、テープ1の能力を向上させるように選択され得る。このような塗料は、例えば、ラテックス、又は油ベースであり得る。このような塗料は、例えば、インクなどとは区別されてもよい。インクは通常、少量で堆積され、主な懸念は、典型的に形成されるイメージの質を保存することである(例えば、少量の堆積したインクが移動し得る度合い、及び/又はそのような方法により拡散して、イメージの縁部をぼやけさせるか、又基材の表面にわたって繋がり、汚れて、イメージ等の縁部をぼやかす度合いを最小化する)。対称的に、塗料と共にマスキングテープを使用する際の主な懸念は、塗料の総量を維持及び固定する、マスキングテープの能力である。一定の低接着バックサイズ組成物の使用は、高粘度(例えば、21℃において、>100cps)ラテックス塗料を含む、塗料の総量を固定する、テープ1の能力を向上させることが見出された。即ち、一定の低接着バックサイズ組成物は、本明細書の実施例において開示される、塗料固定性評価によって示されるように、上部で乾燥して、剥離に対する抵抗する能力が向上する、塗料をもたらすことができるということが見出された。
【0062】
本明細書に開示されるテープ1は、所望の場合には横方向に広範囲に湾曲することができるという更なる利点を含む(これは、何らかの装置又はデバイスによって行うことができるかもしれないが、テープのユーザーによって手作業で行われる可能性が高い)。これに関連して、一方向に長い形状のテープ1を横方向に曲げることは、ほぼ平坦な平面内にある連続的な湾曲形状に形成することを(例えば、
図15の代表的な横方向に湾曲したテープ1のデジタル画像に示されるように)意味する。こうした能力により、従来は一致させるために多くの短い直線長さのテープを組み合わせて使用する必要があった、及び/又は一定の長さのテープを手作業で折り畳む必要があった弓型の形状又は縁部(例えば、楕円形又は円形の窓の縁部)と一致するように、テープ1の単一長尺長を横方向に曲げるのが可能となり得る。当業者は、横方向に湾曲するテープ1の能力とは、例えば、支持体2の1つの短い方の縁部(例えば、
図15の短い方の縁部12)に近いものなど、支持体2の少なくともいくつかの領域は、支持体2のこれらの領域に伸長力がかかる際に、支持体の厚さにわたって破断することなく、少なくともいくらか伸張できなくてはならないことを意味する。(このような破断を伴わない伸張の様子が、
図15の縁部12付近に見られる)それでもなお、支持体2の同じ部分は、テープ1の手引き裂き性を得るために、支持体2に剪断力を加えると少なくともほぼ横方向に引き裂かれることができなければならないことが、更に理解されるであろう。こうした能力は互いに相反すると予想され得る。しかしながら、それでも、湾曲したテープの最外領域を、約20%、40%、又は更に80%の局所的な伸び量まで伸張させるために、手で引き裂くことができるテープ1を横方向に湾曲することができるということが見出された。テープ1及びその支持体2の、容易に横方向に手で引き裂かれ、また横方向に良好に湾曲する能力は、意外な結果を示す。横方向に湾曲し(テープの湾曲区分の縁部12付近の領域において)、かつ横方向に手で引き裂かれる(手で引き裂かれる縁部13)このような能力は、
図15に示されるテープサンプルによって示される。
【0063】
テープ支持体2及びその低接着バックサイズ103は更に、テープ/支持体が優位な程度(例えば、約50%の伸び量まで)まで伸張した後でも、上部の塗料を良好に固定することができるということが更に見出された。このような大きな伸張は、低接着バックサイズ層を断然、及び/又は破裂させるものと考えられる場合があり(例えば、これを島へと分断する、及び/又はテープ支持体の表面から剥離させる)、これは支持体のポリマー材料の部分を露出させることがある。特に、ポリオレフィンテープ支持体の場合、このような減少は、塗料の固定性に悪影響を与えるものと考えられる場合がある。本明細書において開示されるテープ1は、約50%まで伸張させた後にも、優れた塗料固定性をもたらし、更に約80%以上の伸び量までの優れた塗料固定をもたらし得るということが見出された。この驚くべき発見は、テープ1を非線形領域及び境界のマスキングに特に適したものとする。
【0064】
したがって、要するに、「横方向に湾曲可能」とは、テープは、テープの湾曲部の伸張領域を完全に破断させることなく、ほぼ平坦な平面に位置する、連続的に湾曲する形状内に湾曲することができることを意味する。少なくともいくつかの実施形態において、横方向に湾曲可能なテープはまた、約50%の伸び量まで伸張した後にも、本明細書において概説された試験手順に従って、優れた塗料固定評価を達成することができる。
【0065】
本明細書に開示されるテープ1は、例えば従来の紙ベースのマスキングテープと比較して、切れに対する抵抗があるという更なる利点を含む。更に、本明細書に開示されるテープ1は、例えば従来の紙ベースのマスキングテープと比較して、湿度の望ましくない影響を受けにくいという更に別の利点を含む。更に、本明細書に開示されるテープ1は、粗面又は凹凸面に適合及び接着する改善された能力を含み得、そうした表面上でも良好な塗装ラインをもたらすことができる。
【0066】
本明細書では、主にマスキング用途で使用されるとして、例えば塗装と関連付けて説明されてきたが、当業者は、本明細書に開示されるテープ1は他の用途でも使用することができることを理解するであろう。しかしながら、いずれの用途においても、テープ1がエンドユーザによって使用されるときには、その上に感圧接着剤300を有する支持体2を含むことになり、したがって、支持体2は、接着層との接触から取り外されて、接着剤の実際の最終使用の前に廃棄されるいかなる種類のライナー、剥離ライナー、保護被膜、又は同様のものとも異なり、かつこれらと同等とみなすことはできないことは、当業者には明白であろう。
【0067】
手で引き裂くことができるマスキングテープと使用され得る、シリコーン含有低接着バックサイズ組成物の詳細が、同日付で出願された、米国特許出願第__/______号、表題「HAND−TEARABLE MASKING TAPE WITH SILICONE−CONTAINING LOW ADHESION BACKSIZE」、代理人整理番号第67790US002号に見出される。
【0068】
例示的な実施形態のリスト
実施形態1.手で引き裂くことができるマスキングテープであって、長手方向軸、並びに横方向幅及び軸を含み、第1の主要面、及び相対して面する第2の主要面を含む、ポリオレフィン支持体を備え、低接着バックサイズは、上記支持体の第1の主要面上に配置され、感圧接着剤は、上記支持体の第2の主要面上に配置され、上記支持体の第2の主要面は、複数の脆弱線を含む微細構造を有する手で引き裂くことができるパターンを含み、上記脆弱線の少なくともいくつかが、支持体と少なくともほぼ横方向に向けられた長軸を含む、マスキングテープ。
【0069】
実施形態2.上記脆弱線の少なくともいくつかは、それぞれが上記支持体の第2の主要面の横方向幅全体にわたって延在する連続的な溝を含む、連続的な脆弱線である、実施形態1に記載のテープ。
【0070】
実施形態3.上記連続的な脆弱線の少なくともいくつかが、上記支持体の横方向軸からプラスマイナス5度以内に向けられた長軸を含む、実施形態2に記載のテープ。
【0071】
実施形態4.上記脆弱線の少なくともいくつかは、それぞれが上記支持体の第2の主要面の第2の主要表面内の複数の凹部によって集合的に画定される不連続な脆弱線である、実施形態1に記載のテープ。
【0072】
実施形態5.上記ポリオレフィン材料は、ポリエチレン材料である、実施形態1〜4のいずれか一つに記載のテープ。
【0073】
実施形態6.上記ポリエチレン材料は、低密度ポリエチレンと高密度ポリエチレンとの混合物である、実施形態5に記載のテープ。
【0074】
実施形態7.上記混合物は、低密度ポリエチレンの高密度ポリエチレンに対する重量比が約20:80〜約40:60である、実施形態6に記載のテープ。
【0075】
実施形態8.上記感圧接着剤は、天然ゴム系感圧接着剤である、実施形態1〜7のいずれか一つに記載のテープ。
【0076】
実施形態9.上記テープは、巻き取られたロールの形態で、一方向に長い形状を有しており、上記感圧接着剤の主要表面が、上記低接着バックサイズの主要表面と剥離可能に接触している、実施形態1〜8のいずれか一つに記載のテープ。
【0077】
実施形態10.上記テープは横方向に湾曲可能である、実施形態1〜9のいずれか一つに記載のテープ。
【0078】
実施形態11.上記横方向に湾曲可能なテープは、約50%の伸び量まで伸張させた後に、優れた塗料固定性評価を呈する、実施形態10に記載のテープ。
【0079】
実施形態12.上記テープは約4oz/インチ(0.44N/cm)〜約21oz/インチ(2.30N/cm)の間の巻き出し力を含む、実施形態1〜11のいずれか一つに記載のテープ。
【0080】
実施形態13.上記テープは約9oz/インチ(0.99N/cm)〜約16oz/インチ(1.76N/cm)の巻き出し力を含む、実施形態1〜12のいずれかに記載のテープ。
【0081】
実施形態14.上記低接着バックサイズは、水性コーティングである、実施形態1〜13のいずれか一つに記載のテープ。
【0082】
実施形態15.上記低接着バックサイズは、(メタ)アクリルモノマー及び/又はオリゴマーの反応生成物を含む、実施形態1〜14のいずれか1つに記載のテープ。
【0083】
実施形態16.12〜22個の炭素原子を含み、(メタ)アクリルポリマー主鎖に付加される長いアルキル側鎖ポリマーを含む、実施形態15に記載のテープ。
【0084】
実施形態17.上記低接着バックサイズは、オクタデシルアクリレート、アクリル酸、アクリロニトリル、及びメチルアクリレートの反応生成物を含む、実施形態16に記載のテープ。
【0085】
実施形態18.上記低接着バックサイズは、シリコーン材料を含む、実施形態1〜15のいずれか一つに記載のテープ。
【0086】
実施形態19.上記低接着バックサイズが、以下の式1の一般式を有するビニル官能基シリコーンマクロマー、
【化3】
あるいは、式IIa、IIb、又はIIcの一般式を有するメルカプト官能性シリコーンマクロマー、
【化4】
あるいは、上記のシリコーンマクロマーの組み合わせ又は混合物、又はいずれかから選択されるシリコーンマクロマーの1つ以上の(メタ)アクリルモノマー、及び/又はオリゴマー、並びにビニルモノマー及び/又はオリゴマーを備える反応生成物を含む、実施形態1〜14のいずれか一つに記載のテープ。
【0087】
実施形態20.上記反応生成物は、低T
g(メタ)アクリルモノマーユニット、高T
g(メタ)アクリルモノマーユニット、及び(メタ)アクリル酸モノマーユニットを含む、実施形態1〜19のいずれか一つに記載のテープ。
【0088】
実施形態21.上記反応生成物は、メチルメタクリレートモノマーユニット、メチルアクリレートモノマーユニット、及びメタクリル酸モノマーユニットを含む、実施形態1〜20のいずれか一つに記載のテープ。
【0089】
実施形態22.第2の表面部分を塗装しないようにマスキングした状態で第1の表面部分を塗装する方法であって、一定の長さの実施形態1〜21のいずれか一つに記載の手で引き裂くことができるマスキングテープを、第2の表面部分に接着剤により取り付ける工程と、次いで液体塗料を少なくとも第1の表面部分に適用する工程とを含む、方法。
【0090】
実施形態23.一定の長さの上記手で引き裂くことができるプラスチックテープが、第2の表面部分に接着により取り付けられる前に、手で引き裂くことができるプラスチックテープのロールから手で引き裂かれる、実施形態22に記載の方法。
【0091】
実施形態24.液体塗料を少なくとも第2の表面部分に塗布した後、一定の長さのテープを第2の表面部分から除去する更なる工程を含む、実施形態22〜23のいずれか一つに記載の方法。
【0092】
実施形態25.第2の表面部分の弓形形状と一致させるために、一定の長さの手で引き裂くことができるプラスチックテープの少なくとも一部を横方向に曲げる工程と、横方向に湾曲したテープを、弓形形状の第2の表面部分に接着により取り付ける工程とを含む、実施形態22〜24のいずれか一つに記載の方法。
【0093】
実施形態26.第1の主要面、及び微細構造を有する手で引き裂くことができるパターンを備える、相対して面する第2の主要面を含む、手で引き裂くことができるプラスチックテープを作製する方法であって、上記支持体の第2の主要面上に微細構造を有する手で引き裂くことができるパターンを備える支持体を形成するために、押出品の第2の主要表面が成形面に対して成形されるように、溶融ポリマー押出品の第2の主要表面を、微細構造を有する手で引き裂くことができるパターンのネガ型を含む成形面と接触させる工程と、上記支持体の第1の主要面上に感圧接着剤を配置する工程と、上記支持体の第2の主要面上に感圧接着剤を配置する工程と、を含む、方法。
【0094】
実施形態27.実施形態26に記載の方法により、実施形態1〜21のいずれか一つに記載の手で引き裂くことができるプラスチックテープを作製する方法。
【実施例】
【0095】
テープ支持体の作製
装置
テープ支持体の押出し及び成形を、
図14に示される一般型のプロセスラインを使用して行った。直径約12インチ(30.5cm)及び総面幅約16インチ(40.6cm)の金属製成形ロールを入手した。ロール面のパターン付き部分には、それぞれロールの面にわたって横方向に延び、かつロールの周囲を囲むように離間し、平行して突出する複数の隆起部が(ダイヤモンド切削によって)設けられた。隆起部は、それぞれ、第2の成形ロールの平らな表面から33マイクロメートル上方にある頂点を含んだ。隆起部は、それぞれ、互いに対して約130度の角度をなす平坦な側壁を備えた。隆起部のそれぞれの基底部(成形ロールの平らな表面に隣接する)は、幅約140マイクロメートルであった。隆起部は、約940マイクロメートルの中心間距離で第2の成形ロールの周りに周囲方向に離間配置された。隆起部は、それぞれ、隆起部の幅の一部にわたって横方向に延びる(即ち、第2の成形ロール面の周りに円周方向に配向される)、交差して線状の谷部を形成する2つの平面をそれぞれが備える一連の二次切欠きを含んだ。線状の谷部のそれぞれは、隆起部頂点より約24マイクロメートル下方(したがって、成形ロールの平らな表面から約9マイクロメートル上方)に位置した。二次切欠きそれぞれの2つの平面は、互いに対して約124度の角度をなした。二次切欠きは、隆起部それぞれに沿って約340マイクロメートルの間隔で離間配置された。
【0096】
約12インチ(30.5cm)の直径を有し、約70〜90ショアAのジュロ硬度を有するゴムコーティングを備える、支持ロールが得られた。
【0097】
材料及びプロセス/代表的なテープ支持体
密度0.918g/cm
3及びメルトフローインデックスが12の低密度ポリエチレン(LDPE)(Dow Plasticsより商品名「4012」で入手)を約30重量%と、密度0.965g/cm
3、メルトフローインデックスが8.3の高密度ポリエチレン(HDPE)(Dow Plasticsより商品名「8007」で入手)を約70重量%含む、押出可能な組成物が得られた。LDPE及びHDPEの総重量に基づき、約3重量%の青色染料濃縮物(濃縮物のポリマー担体樹脂は記録されていなかったが、ポリエチレン材料と思われる)が添加された。材料は乾燥ペレットの形態で入手し、乾式混合し、直径2.5インチ(6.4cm)の一軸スクリュー押出機に送り、公称ギャップ20ミル(508μm)(形成されるウェブのクロスウェブキャリパーを最適化するために必要に応じて調整することができる)を含む幅12インチ(30.5cm)のキャストフィルムダイを通して押出した。ダイの温度を約218℃に設定し、溶融押出品を約1000psi(6900kPa)の融解圧力で押出した。押出品を押出し、分速約15.2メートルのライン速度で処理した。
【0098】
約100pli(ポンド/リニアインチ幅、175N/リニアcm幅)の範囲内の圧力下で上記の成形ロール、及び支持ロールが一緒にされて、ニップを形成した。両方のロール(2重螺旋シェル構造を含んだ)は内部循環水によって温度制御され、約66℃の公称温度に維持された。溶融押出品はロールの間のニップを通過し、この際、溶融押出品の流れの一方の側において、溶融押出品が第2成形ロールの隆起部の上及び周囲を流れ、これによって形成される支持体の幅にわたって横方向に向けられた溝を形成する(固化した後)。本明細書の
図8及び
図9に示す一般型の隆起した架橋構造を形成するために、溶融押出品は隆起部の中の二次切欠きに流れ込んだ。押出品は巻き角度約135度まで成形ロールとの接触を維持し、その時点で固化した支持体はこの成形ロールから取り外され、引取ロールの上を通過した。次に、固化した支持体はロール状に巻かれることができた。このように形成された代表的なテープ支持体の合計厚さは、典型的には90〜95マイクロメートルの範囲である。支持ロールのゴム表面と接触していた、支持体の第1の主要面は、ほぼ平坦なつや消し仕上げ表面を呈した。支持体の第2の主要面は、支持体の幅にわたってほぼ横方向に向けられた、深さ約33マイクロメートル、幅約140マイクロメートルの幅の(支持体の第2の主要面の平らな表面において)連続的な脆弱線(陥没した溝)を含む、平坦な表面を含んだ。
【0099】
変形例
上記の代表的なテープ支持体の多くの変形を、様々なプロセスライン条件、樹脂組成物などに関して実施した。様々な実験において、LDPE:HDPEの比率は、約10:90〜90:10の範囲で変化した。
【0100】
低接着バックサイズの製造
以下の材料が得られた。
【0101】
【表1】
【0102】
代表的なシリコーン含有低接着バックサイズ
代表的なシリコーン接着バックサイズ組成物LAB−Si−Rが、2010年12月29日に出願された、米国仮特許出願第61/427932号の実施例に記載されるものとほぼ同様の手順を使用して、表2に示される組成物から作製された。表2において、反応物は、全反応物に対する重量%で記載され、反応は、メチルエチルケトンで行われ、VAZO 64開始剤で開始された(量は記載されない)。(これらのバッチは、従来的な混合及び処理装置を使用して、より大容量で配合された。)
【0103】
【表2】
【0104】
メチルエチルケトン内の溶液として作製される組成物はその後、約15%固体水中分散液を生成するために、米国特許第5,032,460号に開示されるものとほぼ同様の手順を使用して、アンモニア水溶液に添加することによって、転換される。
【0105】
変形例
他の、シリコーンマクロマー系低接着バックサイズ配合は、様々な組成物の上記の代表的シリコーンLABと同様の方法で作製された。これらの組成物は、表3に(LAB−Si−Rと共に)表3に掲載され、反応生成物のアクリル側鎖の推定ガラス転移温度もまた掲載される。
【0106】
【表3】
【0107】
アクリル系低接着バックサイズ
代表的なアクリル系低接着バックサイズ組成物LAB−Ac−Rは、エチルアセテート溶媒中の、表4に示される組成物から、上記のものとほぼ同様の手順を使用して作製される。表4において、反応物が重量%で示され、反応はエチルアセテートにおいて行われ、VAZO 67開始剤で開始され、量は示されていない。別のサンプル(LAB−Ac−2)は同様の組成物からなるが、上記の一般的方法により、12重量%の水性分散液に変換された。
【0108】
【表4】
【0109】
低接着バックサイズのコーティング
低接着バックサイズ組成物は、上記の代表的なテープ支持体サンプルの第1の主要面(つや消し側面)上にコーティングされた。フィルムの第1の主要面は、低接着バックサイズ組成物をコーティングする前に、約45ダイン/cmのダインレベルまで、従来的な方法及び装置を使用して、空気コロナ処理(air corona)された。組成物のコーティングは、典型的に、約7.6メートル/分のライン速度で、グラビアコーティングによって行われた。低接着バックサイズコーティングをもたらすために、溶媒(又は、いくつかの場合においては水)を除去するため、約54℃の温度で乾燥させられた。その後、第1の主要面上に低接着バックサイズを有するテープ支持体が、更なる処理又は試験に備えるまで巻かれてもよい。
【0110】
代表的な感圧接着剤のコーティング
天然ゴム系感圧接着剤組成物は、天然ゴムエラストマー及び放射状ブロックコポリマーエラストマーのほぼ等しい重量比を含み、100部の合計エラストマー中に約80部の粘着付与樹脂を含む、米国特許出願公開第2003/0215628号に記載される一般的な方法により配合された。組成物はまた、100部の合計エラストマー当たり約85部の炭酸カルシウムを含み、加えて、このような配合において一般的である、適切な量の抗酸化剤、安定化剤などを含む。
【0111】
テープ支持体の第2の主要表面は、約45ダイン/cmのダインレベルまで、従来的な方法及び装置を使用して、空気コロナ処理され、上部に感圧接着剤の組成物をコーティングする前に、コロナ処理された第2の主要表面上にポリクロロプレンプライマーがコーティングされた。(生じたテープが巻き取られた状態にあるように、テープの第2の主要表面上に接着剤をコーティングする前に、上記の低接着バックサイズがテープ支持体の第1の主要表面上にコーティングされたことがまた理解される)感圧接着剤の組成物は、ホットメルトダイコーティング装置を使用して、代表的なテープ支持体の、第2の主要面(微細構造を有する手で引き裂くことができるパターンを有する面)上にコーティングされた。接着剤は、38〜50グラム/m
2の重量の(ドライ)コーティングで、コーティングされた。このような厚さにおいて、コーティングされた接着剤組成物は、溝に重なる領域において、感圧接着剤の最外表面中に対応する凹部が殆ど又は全く存在しないような方法で、テープ支持体中の(手で引き裂くことができるパターンの)溝を充填したということが見出された。
【0112】
ホットメルトコーティングされた感圧接着剤組成物はその後、従来的な電子ビーム装置及び方法を使用して硬化された。上部にこのような形成された感圧接着剤を有するテープは、その後、ロールへと巻き取られる。
【0113】
試験手順
テープのロールの巻き出し力試験
所与の低接着バックサイズ(感圧接着剤と組み合わせた)の剥離特性は、テープロールをスリップ/ピール試験機(IMASS Inc.(Hingham,Mass.)のModel 3M90)のスプール固定具に取り付け、テープロールに対して約90度の角度で、90インチ/分(229cm/分)の剥離速度で、テープロールからテープを巻き出すために必要な力を測定することによって評価された。約5秒の実行時間にわたる平均力を測定し、テープの1インチ(幅)当たりの重量オンス(テープの1cm幅当たり0.11N)で報告した。このような巻き出し測定は通常、約21℃、及び約50%の相対湿度において、約11時間経時変化させた後に行われるが、試験は他の暴露の後にも行われる。
【0114】
乾燥塗料固定能力試験
乾燥させた塗料固定の試験は、テープ支持体上の低接着バックサイズ上で行われた(典型的には、テープ支持体の反対側に存在する感圧接着剤を有さずに)。主にラテックス(水性)を含むが、いくつかの油性塗料も含む、市販の11塗料のセット(battery)が使用された。例えば、予備スクリーニングに適した試験の概略版は、ラテックスアクリル塗料(例えば、Sherwin Williamsから「DURATION Exterior Acrylic Latex」の商標名で入手可能)で行われ得る。
【0115】
様々な液体塗料のそれぞれは、テープ支持体サンプルの第1側面(LAB含有)上に慎重に適用され、周囲条件において少なくとも約48時間乾燥させた。乾燥後、4.5kgの柔軟な表面を有するローラーを使用して、侵攻性マスキングテープ(aggressive masking)(3M Companyから、商標名2060で入手を可能)適用されたサンプルの上に接着させた。(2060マスキングテープは、以下の剥離値を備える、粘着天然ゴム接着剤を使用した:ステンレス鋼−42oz/インチ(4.6N/cm)、ガラス−43ozインチ(4.7N/cm)、HDPE−29oz/インチ(3.2N/cm);試験は同様の剥離値を備えるいずれかのこのような接着剤で行われてもよい)。
【0116】
2060マスキングテープは、少なくとも約5分間の滞留時間で、乾燥塗料に取り付けられたままにされた。2060マスキングテープはその後、フィルムサンプルから手で剥離され(約135度の範囲の剥離角度で)、テープ支持体の接着バックサイズ上に固定されたままであった乾燥塗料の量(2060マスキングテープによって剥がされたものに対して)が視覚的に検査された。塗料のセットに対するその侵攻性能に基づき、低接着バックサイズの塗料固定性能は、塗料固定性評価において、優れている、許容可能、及び不可の3つの値の1つを付された。
【0117】
いくつかの場合において、より厳密な試験が行われ、上部に乾燥塗料を有するテープ支持体が、小さな球状になるように全体的に手で丸められ、その後可能な限り平坦に戻されて、2060マスキングテープがその適用された側面に適用されて、試験が上記のように行われた。いくつかの場合において、テープ支持体の少なくとも一部が、液体塗料がこれに適用される前に、少なくとも約40%の伸び量まで伸張された。
【0118】
いくつかの場合において、上部に低接着バックサイズを有するテープ支持体は、約50%の伸び量まで(手で)伸張された後に、塗料固定を評価された。(このような試験は、例えば、テープを横方向に湾曲させるプロセスにおいて伸張する際に、テープ支持体領域がどのように機能し得るかを示し得るが、便宜上、サンプルは線形に伸張させてもよく、その後塗料が適用されて、試験は上記のように行われる。)
【0119】
結果
巻き出し力
その第1の主要面上に代表的な低接着バックサイズコーティング(LAB−Si−R)を備え、その第2の主要面上に代表的な(天然ゴム系)感圧接着剤を備える、本明細書において記載される代表的なテープ支持体(30:70重量比のLDPE:HDPEを含む)を含む、代表的なテープサンプルが、上記の巻き出し力試験に従って、その剥離特性を試験された。巻き出し力は、典型的には、約5oz/インチ(0.55N/cm)〜13oz/インチ(1.43N/cm)の範囲であることが見出された。(差異は、試験前の巻き取られたロールの、より長い時間(例えば、数日)での、及びより高い温度(多くの感圧接着剤の典型的挙動である)での保存による巻き出し力の増加と主に関連するものと思われた)低接着バックサイズサンプルLAB−Si−2、LAB−Si−3、LAB−Si−4及びLAB−Si−5を有するテープロールは、ほぼ同様の結果を呈することが見出され、メタクリル酸を最も多く有するサンプル(LAB−Si−4及びLAB−Si−5)が、典型的には若干高いが、以前として大いに許容可能な巻き出し力を呈する。
【0120】
塗料固定
第1の主要表面上に代表的な低接着バックサイズコーティング(LAB−Si−R)(しかし、典型的には第2の主要表面上にいずれかの感圧接着剤も存在しない)を有する、代表的なテープ支持体サンプル(30:70重量比のLDPE:HDPE)が、上記のように塗料固定性について試験された。塗料固定性能は、優れている、と評価された(テープサンプルが試験された、本質的に全ての塗料において、優れた固定性が観察された)。上記のように、テープ支持体が丸められて、その後平坦にされる、より厳密な塗料固定試験が実行されて、やはり優れているという結果を生じた。他の代表的なテープサンプルは、約50%の伸び量まで線形に伸ばされ、その後、上記のように塗料固定性を試験された。優れているという塗料固定性評価が再び得られ、これは、テープが伸張された度合いにおいて特に驚異的であった。
【0121】
低接着バックサイズコーティングLAB−Si−5を有するテープ支持体サンプルもまた、優れた塗料固定性評価を達成し、LAB−Si−2、LAB−Si−3、及びLAB−Si−4を備えるものは、許容可能な塗料固定性評価を呈した。LAB−Si−R及びLAB−Si−5は両方とも水性低接着バックサイズであり、特に、LAB−Si−5及びLAB−Si−4は、Si−5が水性であり、Si−4が溶媒を含むことにおいてのみ異なることに留意する。
【0122】
アクリル系低接着バックサイズ(LAB−Ac−R及びLAB−Ac−2)を備える代表的なテープバッキングサンプルが同様に塗料固定に関して試験された。両方とも優れた塗料固定をもたらすことが見出され、(水性)サンプルLAB−Ac−2は、僅かに良い固定を呈した。
【0123】
取り扱い性、手で引き裂く能力、及び横方向に湾曲する能力の評価
第1側面上に低接着バックサイズを有し、第2側面上に手で引き裂くことができるパターン、及び感圧接着剤を備える、代表的なテープサンプルが、その全体的な取り扱い性に関して評価された。広範な研究により、テープの横方向に手で引き裂ける能力、テープの横方向に湾曲する能力(テープの最外部の整合した伸張)、比較的長いテープが処理される際に、テープが反り(クロスウェブ方向に反る)に抵抗する能力(全て本明細書において先に記載された)を含むために、最も望ましい処理特性を呈した。これらの目的は、互いに両立しないことが見出された。
【0124】
これらの特性の全てが取り扱い性の全体的測定値に組み合わされ、テープ性能の全体的な順位(非常に優れている、可、及び最低限、という基準で)が得られ、テープ支持体の組成物の以下の硬化が予想外にもたらされた。
【0125】
【表5】
【0126】
表5は、20:80〜40:60 LDPE:HDPEテープ支持体組成物の非常に優れている性能を強調するために提供され、他の組成物は、最低限と評価されるものでも、本明細書において請求される本発明の範囲外であるとは限らないということが強調される。当業者は、このような組成物は特定の用途、又は状況において更に用途を見出し得ることを理解する。
【0127】
上記の試験及び試験結果は予測ではなく例示のみを意図したものであり、試験方法が変われば異なる結果が生じ得ると考えられる。実施例の項における定量的な値は全て、用いられる手順に伴う一般的に既知の許容誤差を考慮した近似的な値であるものと理解される。上記の詳細な説明及び実施例はあくまで理解を助けるために示したものである。これらによって不要な限定をするものと理解されるべきではない。
【0128】
当業者には、本明細書に開示される具体的な例示的構造、特徴、細部、構成などは多くの実施形態において改変かつ/又は組み合わせることが可能である点は明らかであろう。そのような改変及び組み合わせは全て、本発明の範囲内にあるものとして発明者らによって想到される。したがって、本発明の範囲は、本明細書に記載される特定の例示的構造に限定されるべきではないが、むしろ少なくとも請求項の言語によって説明される構造、及びそれらの構造に相当する構造にまで拡大する。記載される本明細書と、参照により本明細書に組み込まれている全ての文書内の開示との間に不一致又は矛盾が存在する場合、記載される本明細書が優先する。