特許6049730IP Force 特許公報全文掲載

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A) 熱可塑性ポリアミド 10〜99.8質量%、
B) 赤リン 0.1〜60質量%、
C) 100%のC)に対して、
C1) 元素状Ag 10.1〜99.9質量%、および
C2) ZnO 0.1〜89.9質量%
から構成される、安定剤混合物C) 0.05〜20質量%
D) 耐衝撃性改質剤 0〜40質量%、
E) さらなる添加剤 0〜60質量%
(ここで、A)〜E)の質量パーセントの合計は100%になる)
を含有する熱可塑性成形体に関する。 さらに、本発明は、繊維、フィルムおよび成形体を製造するための前記成形材料の使用、およびこの場合に得られる、各々の種類の成形体、繊維およびフィルムに関する。 熱可塑性プラスチック、とりわけ強化または充填ポリアミドへの赤リンの添加が、効果的な防炎をもたらすことが公知である(DE−A−1931387号)。しかしながら、赤リンは、不利な条件下、例えば高温、湿気、アルカリまたは酸素の存在下では、分解生成物、例えば水素化リンおよび1価〜5価のリンの酸を形成する傾向がある。熱可塑性プラスチック、例えばポリアミド中で、添加された赤リンは、ポリマー中への埋め込みに起因して、たしかに熱酸化に対して充分に保護されているが、しかし、ここでも長期的には分解生成物の形成が生じることがある。その限りでは、これは欠点であり、なぜなら、射出成形法において顆粒が不適切に処理された場合、発生したホスフィンが悪臭をもたらすことがあり、さらには有害であるからである。同時に生じるリンの酸は、成形部材の表面上に析出することがあり、それによって、とりわけ、成形部材の漏洩電流耐性(Kriechstromfestigkeit)が低下する。従って、プラスチック用に使用される赤リンの難燃剤としての安定性を改善させるための試みがなかったわけでもない。例えば、亜鉛、マグネシウムまたは銅の酸化物または水酸化物の添加によって安定化作用を達成することができる。DE−A−2625691号によれば、金属酸化物によるこの安定化に加えて、リン粒子がポリマーで包まれる。しかしながら、この被覆またはカプセル化法は、かなり煩雑であり、さらには、系の安定化作用は、全ての場合において充分なわけではない。 ポリスルホン膜用の防汚添加剤として使用される銀と酸化亜鉛との混合物が、WO2011/023584号から公知である。 従って、本発明は、有効に安定化された赤リンを難燃剤として含有する、即ち、リン酸の析出並びにホスフィンの形成が減少された、熱可塑性成形材料を提供するという課題に基づいている。該安定剤はさらに、処理の間の良好な耐久性、およびプラスチック溶融物における特に均一な分散性の点で優れているべきである。 それに応じて、冒頭で定義した成形材料が見出された。好ましい実施態様は、従属請求項から理解することができる。 成分A)として、本発明による成形材料は、少なくとも1つのポリアミド10〜99.8質量%、有利には20〜98質量%、殊に30〜90質量%を含有する。 本発明による成形材料のポリアミドは一般に、ISO 307に準拠して、25℃で96質量%の硫酸中の0.5質量%の溶液中で測定して90〜350、有利には110〜240ml/gの粘度数を有する。 少なくとも5000の分子量(質量平均値)を有する半結晶またはアモルファス樹脂、例えば米国特許公報2071250号、2071251号、2130523号、2130948号、2241322号、2312966号、2512606号および3393210号に記載されるものが好ましい。 これらについての例は、7〜13の環員を有するラクタムから誘導されるポリアミド、例えばポリカプロラクタム、ポリカプリルラクタムおよびポリラウリンラクタム並びにジカルボン酸とジアミンとの反応によって得られるポリアミドである。 ジカルボン酸として、6〜12個、殊に6〜10個の炭素原子を有するアルカンジカルボン酸、および芳香族ジカルボン酸が使用可能である。ここでは、単に、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン二酸およびテレフタル酸および/またはイソフタル酸が酸として挙げられる。 ジアミンとして、特に、6〜12個、殊に6〜8個の炭素原子を有するアルカンジアミン並びにm−キシリレンジアミン(例えばBASF SEのUltramid(登録商標) X17、MXDAとアジピン酸とのモル比1:1)、ジ−(4−アミノフェニル)メタン、ジ−(4−アミノシクロヘキシル)メタン、2,2−ジ−(4−アミノフェニル)プロパン、2,2−ジ−(4−アミノシクロヘキシル)プロパンまたは1,5−ジアミノ−2−メチルペンタンが適している。 好ましいポリアミドは、ポリヘキサメチレンアジピン酸アミド、ポリヘキサメチレンセバシン酸アミドおよびポリカプロラクタム並びにコポリアミド6/66、殊に、カプロラクタム単位5〜95質量%の割合を有するもの(例えばBASF SEのUltramid(登録商標)C31)である。 さらに適したポリアミドは、例えばDE−A10313681号、EP−A1198491号およびEP−A922065号に記載されているように、ω−アミノアルキルニトリル、例えばアミノカプロニトリル(PA6)およびアジポジニトリルとヘキサメチレンジアミン(PA66)とから、水の存在中でのいわゆる直接重合によって得られる。 さらに、例えば1,4−ジアミノブタンとアジピン酸とを高められた温度下で縮合させることによって得られるポリアミド(ポリアミド4.6)も挙げられる。この構造のポリアミドの製造方法が、例えばEP−A38094号、EP−A38582号およびEP−A39524号に記載されている。 さらに、前記のモノマーの2つまたはそれより多くの共重合によって得られるポリアミド、または複数のポリアミドの混合物も適しており、その際に混合比は任意である。ポリアミド66と、他のポリアミド、殊にコポリアミド6/66との混合物が特に好ましい。 さらに、トリアミン含有率が0.5質量%未満、有利には0.3質量%未満である、部分芳香族のコポリアミド、例えばPA6/6TおよびPA66/6Tが特に有利であることが判明している(EP−A299444号参照)。さらなる高温耐性ポリアミドは、EP−A1994075号から公知である(PA6T/6I/MXD6)。 低いトリアミン含有率を有する好ましい部分芳香族コポリアミドの製造は、EP129195号およびEP129196号内に記載される方法によって行なうことができる。 次のリストは、決定的なものではないが、本発明の範疇で挙げられたポリアミドA)並びにさらなるポリアミドA)および含有されるモノマーを含む。 AB−ポリマー:
PA4 ピロリドン
PA6 ε−カプロラクタム
PA7 エタノラクタム
PA8 カプリルラクタム
PA9 9−アミノペラルゴン酸
PA11 11−アミノウンデカン酸
PA12 ラウリンラクタム
AA/BB−ポリマー
PA46 テトラメチレンジアミン、アジピン酸
PA66 ヘキサメチレンジアミン、アジピン酸
PA69 ヘキサメチレンジアミン、アゼライン酸
PA610 ヘキサメチレンジアミン、セバシン酸
PA612 ヘキサメチレンジアミン、デカンジカルボン酸
PA613 ヘキサメチレンジアミン、ウンデカンジカルボン酸
PA1212 1,12−ドデカンジアミン、デカンジカルボン酸
PA1313 1,13−ジアミノトリデカン、ウンデカンジカルボン酸
PA6T ヘキサメチレンジアミン、テレフタル酸
PA9T 1,9−ノナンジアミン、テレフタル酸
PA MXD6 m−キシリレンジアミン、アジピン酸
AA/BB−ポリマー
PA6I ヘキサメチレンジアミン、イソフタル酸
PA6−3−T トリメチルヘキサメチレンジアミン、テレフタル酸
PA6/6T (PA6およびPA6Tを参照)
PA6/66 (PA6およびPA66を参照)
PA6/12 (PA6およびPA12を参照)
PA66/6/610 (PA66、PA6およびPA610を参照)
PA6I/6T (PA6IおよびPA6Tを参照)
PA PACM12 ジアミノジシクロヘキシルメタン、ラウリンラクタム
PA6I/6T/PACM PA6I/6Tと同様+ジアミノジシクロヘキシルメタン
PA12/MACMI ラウリンラクタム、ジメチルジアミノジシクロヘキシルメタン、イソフタル酸
PA12/MACMT ラウリンラクタム、ジメチルジアミノジシクロヘキシルメタン、テレフタル酸
PA PDA−T フェニレンジアミン、テレフタル酸。 好ましい難燃剤B)は、殊にガラス繊維強化成形材料と組み合わされた元素状赤リンであり、それは未処理の形で使用可能である。 しかしながら、リンが表面的に低分子量の液状物質、例えばシリコーン油、パラフィン油、またはフタル酸(殊にジオクチルフタレート、EP176836号参照)またはアジピン酸のエステルで、またはポリマーまたはオリゴマー化合物、例えばフェノール樹脂またはアミノプラストならびにポリウレタンで被覆されている調製物が特に適している(EP−A384232号、DE−A19648503号参照)。そのようないわゆる鈍感剤は、通常、100質量%のB)に対して0.05〜5質量%の量で含有される。 さらに、例えばポリアミドまたはエラストマー中の赤リンの濃縮物が難燃剤として適している。殊に、ポリオレフィンホモポリマーおよびポリオレフィンコポリマーが、濃縮ポリマーとして適している。しかしながら、濃縮ポリマーの割合は、ポリアミドが熱可塑性樹脂として使用されない場合には、本発明による成形材料中での成分A)およびB)の質量に対して35質量%以下であるべきである。 好ましい濃縮組成物は、
B1) ポリアミドまたはエラストマー 30〜90質量%、有利には45〜70質量%、
B2) 赤リン 10〜70質量%、有利には30〜55質量%
である。 バッチ式のために用いられるポリアミドは、A)とは異なっていてもよいし、または、不適合性または融点差が成形材料に対して不利な作用を有しないようにするために、好ましくはA)と同一であってもよい。 成形材料中に分布されたリン粒子の平均粒径(d50)は、好ましくは、0.0001〜0.5mmの範囲、殊に0.001〜0.2mmの範囲である。 本発明による成形材料中の成分B)の含有率は、成分A)〜E)の合計に対して0.1〜60質量%、好ましくは0.5〜40質量%、殊に1〜15質量%である。 成分C)として、本発明による成形材料は、100質量%に対して、
C1) 元素状Ag 10.1〜99.9質量%
C2) ZnO 0.1〜89.9質量%
から構成される安定剤混合物C)を、0.05〜20質量%、有利には0.05〜5質量%、殊に0.1〜2質量%含有する。 好ましい混合物C)は、
C1) 元素状銀 20.1〜99.9質量%、殊に20.1〜40質量%、および
C2) ZnO 79.9〜0.1質量%、殊に79.9〜60質量%
を含有する。 好ましい混合物の際、(以下で記載されるような)製造工程によって条件付けられて、C1)およびC2)の合計は、混合物の少なくとも90%、有利には少なくとも95%および殊に少なくとも100%を構成するべきである。 混合物C)の残りの成分は、例えば未変換の炭酸塩または酸化物からなることができる。 微細に分割された元素状銀C1)の一次粒径は、有利には10〜200nm、殊に10〜100nm、とりわけ特に好ましくは30〜80nmである。 微細に分割されたZnO C2)の一次粒径は、有利には0.1〜50μm、殊に0.1〜22μm、とりわけ特に好ましくは1〜22μmである。 C)の好ましい粒径分布は、1〜30μm、殊に1〜22μmである。 混合物C)の比表面積、即ちBET表面積は、有利には10〜80m2/g、殊に15〜45m2/gである。 本発明によれば、のパラメータ、例えば一次粒径は、SEM(走査型電子顕微鏡)によって測定される。いわゆるEXD(エネルギー分散型X線分光法)を組み合わせた方法を用いれば、(nmスケールで)一次粒子の元素組成に関する追加的な情報を得ることができる。 さらには、粒径分布はレーザー粒度分析(レーザー回折法)を用いて測定することができる。好ましい測定方法: アクリレートに基づく分散剤を添加しながら水中で分散させ、且つ、超音波を用いて該分散液を処理する。 BET表面積は、通常、ISO9277に準拠して測定される(窒素下)。 本発明による混合物C)は、
i) 少なくとも1つの銀塩からの混合物1と、少なくとも1つのZn塩からの混合物2とを混合し、Zn+Ag塩からの混合物3を得て、
ii) この混合物3を、炭酸塩原料と混ぜ、
iii) 生じるAgおよびZnの炭酸塩を一緒に沈殿させ、且つ
iv) 引き続き、洗浄し、並びに、
v) 前記Ag炭酸塩およびZn炭酸塩を一緒に熱分解させること
によって得ることができる。 さらなる詳細、例えば使用可能なAg塩およびZn塩、並びに炭酸塩原料、製造条件、例えば溶剤、温度等は、WO2011/023584号から引用され、これに関して明示的に本願に含まれるものとする。 成分D)として、成形材料は、0〜40質量%、好ましくは1〜30質量%、殊に2〜20質量%の量でゴム弾性ポリマー(多くの場合、耐衝撃性改質剤、エラストマーまたはゴムとも称される)を含有する。 とりわけ一般的には、それは、好ましくは以下のモノマーの少なくとも2つから構成されるコポリマーである:エチレン、プロピレン、ブタジエン、イソブテン、イソプレン、クロロプレン、酢酸ビニル、スチレン、アクリロニトリル、およびアルコール成分中に1〜18個のC原子を有するアクリル酸エステルもしくはメタクリル酸エステル。 かかるポリマーは、例えばHouben−Weyl、Methoden der organischen Chemie、Bd.14/1 (Georg−Thieme−Verlag, Stuttgart、1961)、392〜406ページ内、およびC.B. Bucknallのモノグラフィー、"Toughened Plastics" (Applied Science Publishers、London、1977)内に記載されている。 以下に、かかるエラストマーの好ましい種類を示す。 かかるエラストマーの好ましい種類は、いわゆるエチレン−プロピレン(EPM)もしくはエチレン−プロピレン−ジエン−(EPDM)ゴムである。 EPMゴムは一般に、事実上二重結合をもはや有さず、その一方で、EPDMゴムは、100個のC原子あたり1〜20個の二重結合を有することができる。 EPDMゴムのためのジエンモノマーとしては、例えば共役ジエン、例えばイソプレンおよびブタジエン、5〜25個のC原子を有する非共役ジエン、例えばペンタ−1,4−ジエン、ヘキサ−1,4−ジエン、ヘキサ−1,5−ジエン、2,5−ジメチルヘキサ−1,5−ジエンおよびオクタ−1,4−ジエン、環式ジエン、例えばシクロペンタジエン、シクロヘキサジエン、シクロオクタジエンおよびジシクロペンタジエン並びにアルケニルノルボルネン、例えば5−エチリデン−2−ノルボルネン、5−ブチリデン−2−ノルボルネン、2−メタリル−5−ノルボルネン、2−イソプレニル−5−ノルボルネンおよびトリシクロジエン、例えば3−メチル−トリシクロ(5.2.1.0.2.6)−3,8−デカジエンまたはそれらの混合物が挙げられる。ヘキサ−1,5−ジエン、5−エチリデンノルボルネンおよびジシクロペンタジエンが好ましい。EPDMゴムのジエン含有率は、ゴムの総質量に対して有利には0.5〜50質量%、殊に1〜8質量%である。 EPMゴムもしくはEPDMゴムは、有利には反応性カルボン酸またはその誘導体をグラフトされていてもよい。ここで、例えばアクリル酸、メタクリル酸およびその誘導体、例えばグリシジル(メタ)アクリレート並びにマレイン酸無水物が挙げられる。 好ましいゴムのさらなる群は、エチレンと、アクリル酸および/またはメタクリル酸および/またはそれらの酸のエステルとのコポリマーである。さらに、該ゴムは、ジカルボン酸、例えばマレイン酸およびフマル酸またはそれらの酸の誘導体、例えばエステルおよび無水物、および/またはエポキシ基含有モノマーを含有できる。これらのジカルボン酸誘導体もしくはエポキシ基含有モノマーは、有利には、一般式IまたはIIまたはIIIまたはIVのジカルボン酸もしくはエポキシ基含有モノマーを、モノマー混合物に添加することによってゴム中に組み込まれる
【化1】
[式中、R1〜R9は水素、または1〜6個のC原子を有するアルキル基を表し、且つ、mは0〜20の整数であり、gは0〜10の整数であり、且つ、pは0〜5の整数である]。 有利には、R1〜R9基は水素であり、ここでmは0または1を表し、gは1を表す。相応する化合物は、マレイン酸、フマル酸、無水マレイン酸、アリルグリシジルエーテルおよびビニルグリシジルエーテルである。 式I、IIおよびIVの好ましい化合物は、マレイン酸、無水マレイン酸、およびアクリル酸および/またはメタクリル酸のエポキシ基含有エステル、例えばグリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレートおよび第三級アルコールとのエステル、例えばt−ブチルアクリレートである。後者は、たしかに遊離カルボキシル基を有しないが、しかし、その挙動は、遊離酸に近く、従って、潜在性カルボキシル基を有するモノマーと称される。 有利には、コポリマーは、エチレン50〜98質量%、エポキシ基含有モノマーおよび/またはメタクリル酸および/または酸無水物基含有モノマー0.1〜20質量%ならびに残量の(メタ)アクリル酸エステルからなる。 特に好ましくは、
エチレン 50〜98質量%、殊に55〜95質量%、
グリシジルアクリレートおよび/またはグリシジルメタクリレート、(メタ)アクリル酸および/または無水マレイン酸 0.1〜40質量%、殊に0.3〜20質量%、および
n−ブチルアクリレートおよび/または2−エチルヘキシルアクリレート 1〜45質量%、殊に10〜40質量%
からのコポリマーである。 アクリル酸および/またはメタクリル酸のさらなる好ましいエステルは、メチル−、エチル−、プロピル−およびi−もしくはt−ブチルエステルである。 さらに、ビニルエステルおよびビニルエーテルもコモノマーとして使用可能である。 先述のエチレンコポリマーを、自体公知の方法により、有利には高圧および高められた温度下でのランダム共重合によって製造できる。相応の方法は一般的に知られている。 エマルションポリマーも好ましいエラストマーであり、その製造は、例えばBlackleyによるモノグラフィー「Emulsion Polymerization」内に記載されている。使用可能な乳化剤および触媒は自体公知である。 原則的に、均質に構成されたエラストマーが使用されてもよいし、シェル構造を有するエラストマーが使用されてもよい。シェル状の構造は、個々のモノマーの添加順序によって決定され、ポリマーのモフォロジーも、この添加順序に影響される。 ここで、単なる例として、エラストマーのゴム部分を製造するためのモノマーとしては、アクリレート、例えばn−ブチルアクリレートおよび2−エチルヘキシルアクリレート、相応のメタクリレート、ブタジエンおよびイソプレンならびにこれらの混合物が挙げられる。これらのモノマーを、さらなるモノマー、例えばスチレン、アクリロニトリル、ビニルエーテルおよびさらなるアクリレートまたはメタクリレート、例えばメチルメタクリレート、メチルアクリレート、エチルアクリレートおよびプロピルアクリレートと共重合することができる。 エラストマーの軟質相またはゴム相(0℃未満のガラス転移温度を有する)は、コア、外被または中間のシェル(2層より多いシェル構造を有するエラストマーの場合)であってよく、多層シェルのエラストマーの場合には、多層シェルがゴム相からなってもよい。 ゴム相の他に、さらに1つまたはそれより多くの硬質成分(20℃よりも高いガラス転移温度を有する)がエラストマーの構造に関与する場合、これは、一般に主要モノマーとしてのスチレン、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、アクリル酸エステルおよびメタクリル酸エステル、例えばメチルアクリレート、エチルアクリレートおよびメチルメタクリレートを重合させることによって製造される。さらに、ここでも、わずかな割合の他のコモノマーを使用することができる。 いくつかの場合においては、表面に反応性基を有する乳化重合体を使用することが有利であると判明した。この種の基は、例えばエポキシ基、カルボキシル基、潜在性カルボキシル基、アミノ基またはアミド基並びに一般式
【化2】
のモノマーを併用することによって導入できる官能基であり、前期式中、置換基は、以下意味を有することができる:
R10は、水素又はC1〜C4−アルキル基であり、
R11は、水素、C1〜C8−アルキル基またはアリール基、殊にフェニルであり、
R12は、水素、C1〜C10−アルキル基、C6〜C12−アリール基または−OR13であり、
R13は、C1〜C8−アルキル基またはC6〜C12−アリール基であり、該基は、随意にO含有基またはN含有基で置換されていてよく、
Xは、化学結合、C1〜C10−アルキレン基またはC6〜C12−アリーレン基、または
【化3】
であり、
Yは、O−ZまたはNH−Zであり、且つ
Zは、C1〜C10−アルキレン基またはC6〜C12−アリーレン基である。 また、EP208187号内に記載されたグラフトモノマーも、表面への反応性基を導入するために適している。 さらなる例としては、アクリルアミド、メタクリルアミド、およびアクリル酸またはメタクリル酸の置換エステル、例えば(N−tert−ブチルアミノ)−エチルメタクリレート、(N,N−ジメチルアミノ)エチルアクリレート、(N,N−ジメチルアミノ)−メチルアクリレートおよび(N,N−ジエチルアミノ)エチルアクリレートが挙げられる。 さらに、ゴム相の粒子が架橋されていてもよい。架橋剤として作用するモノマーは、例えば、ブタ−1,3−ジエン、ジビニルベンゼン、ジアリルフタレートおよびジヒドロジシクロペンタジエニルアクリレート並びにEP−A50265号内に記載される化合物である。 さらに、いわゆるグラフト架橋性モノマー(graft−linking monomer)、即ち重合の際に異なる速度で反応する、2つまたはそれより多くの重合可能な二重結合を有するモノマーを使用できる。有利には、少なくとも1個の反応性基が残りのモノマーとほぼ同じ速度で重合する一方で、別の反応性基(または複数の反応性基)が例えば明らかによりいっそうゆっくりと重合するような化合物が使用される。異なる重合速度は、ゴム中の特定の割合の不飽和二重結合を必然的に伴う。引き続き、かかるゴム上にさらなる相がグラフトされる場合には、ゴム中に存在する二重結合は、少なくとも部分的にグラフトモノマーと反応して化学結合を形成する、即ちグラフトされた相は、少なくとも部分的に化学結合を介してグラフトのベースと結合される。かかるグラフト架橋性モノマーの例は、アルキル基含有モノマー、殊にエチレン性不飽和カルボン酸のアリルエステル、例えばアリルアクリレート、アリルメタクリレート、ジアリルマレエート、ジアリルフマレート、ジアリルイタコネート、またはこれらのジカルボン酸の相応のモノアリル化合物である。さらに、多数のさらなる適したグラフト架橋性モノマーが存在し、ここで、詳細については、例えばUS−PS4148846号が教示される。 一般に、耐衝撃性改質ポリマーにおける前記架橋性モノマーの割合は、耐衝撃性改質ポリマーに対して5質量%まで、有利には3質量%以下である。 以下に、いくつかの好ましい乳化重合体を挙げる。ここでは、まず、以下の構造を有する、コアと少なくとも1つの外部シェルとを有するグラフトポリマーが挙げられる:
【表1】
多層シェル構造を有するグラフトポリマーの代わりに、ブタ−1,3−ジエン、イソプレンおよびn−ブチルアクリラートまたはこれらのコポリマーからの、均質な、即ち1層のシェルのエラストマーを使用することもできる。この製品も、反応性基を有する単数または複数の架橋性モノマーを併用することによって製造することができる。 好ましい乳化重合体の例は、n−ブチルアクリレート/(メタ)アクリル酸コポリマー、n−ブチルアクリレート/グリシジルアクリレートコポリマーまたはn−ブチルアクリレート/グリシジルメタクリレートコポリマー、n−ブチルアクリレートからの、またはブタジエンをベースとする内部コアと、先述のコポリマー、およびエチレンと反応性基を供給するコモノマーとのコポリマーからの外被とを有するグラフトポリマーである。 記載されたエラストマーを、他の通常の方法により、例えば懸濁重合によって製造することもできる。 DE−A3725576号、EP−A235690号、DE−A3800603号およびEP−A319290号内に記載されるようなシリコーンゴムが同様に好ましい。 特に好ましいゴムD)は、上述のような、官能性モノマーを含有するエチレンコポリマーであり、その際、前期官能性モノマーは、カルボン酸基、カルボン酸無水物基、カルボン酸エステル基、カルボン酸アミド基、カルボン酸イミド基、アミノ基、ヒドロキシル基、エポキシド基、ウレタン基またはオキサゾリン基またはそれらの混合物の群から選択される。 官能基の割合は、D)100質量%に対して、0.1〜20、有利には0.2〜10、殊に0.3〜3.5質量%である。 特に好ましいモノマーは、エチレン性不飽和モノカルボン酸またはジカルボン酸、またはかかる酸の官能性誘導体から合成される。 基本的に、アクリル酸またはメタクリル酸の全ての1級、2級および3級のC1〜C18−アルキルエステルが適しているが、1〜12個のC原子、特に2〜10個のC原子を有するエステルが好ましい。 これについての例は、メチル−、エチル−、プロピル−、n−、i−ブチル−およびt−ブチル−、2−エチルヘキシル−、オクチル−およびデシルアクリレート並びにメタクリル酸の相応のエステルである。この中でも、n−ブチルアクリレートおよび2−エチルヘキシルアクリレートが特に好ましい。 エステルの代わりに、またはそれに加えて、オレフィンポリマー中に、エチレン性不飽和モノカルボン酸又はジカルボン酸の、酸官能性および/または潜在的に酸官能性のモノマー、またはエポキシ基含有モノマーを含有することもできる。 モノマーのさらなる例として、アクリル酸、メタクリル酸、これらの酸の第三アルキルエステル、殊にtert−ブチルアクリレートおよびジカルボン酸、例えばマレイン酸およびフマル酸またはこれらの酸の誘導体並びにこれらのモノエステルが挙げられる。 潜在的に酸官能性のモノマーとは、重合条件下で、もしくはオレフィンポリマーが成形材料中に追加される際に遊離酸基を形成するような化合物であると理解されるべきである。これについての例としては、20個までのC原子を有するジカルボン酸の無水物、殊に無水マレイン酸及び先述の酸の第三C1〜C12−アルキルエステル、殊にtert−ブチルアクリレートおよびtert−ブチルメタクリレートが挙げられる。 酸官能性もしくは潜在的に酸官能性のモノマーおよびエポキシ基を含有するモノマーは、有利に一般式I〜IVの化合物をモノマー混合物に添加することによりオレフィンポリマー内に組み込まれる。 エチレンコポリマーのメルトインデックスは、一般に1〜80g/10分(190℃且つ2.16kgの負荷で測定)の範囲である。 このエチレン−α−オレフィン−コポリマーの分子量は、10000〜500000g/モル、好ましくは15000〜400000g/モルである(PS校正を伴う1,2,4−トリクロロベンゼン中でGPCを用いて測定されたMn)。 特別な実施態様において、いわゆる"シングルサイト触媒"を用いて製造されたエチレン−α−オレフィン−コポリマーが使用される。さらなる詳細は、US5272236号内から得られる。この場合、エチレン−α−オレフィン−コポリマーは、ポリオレフィンについて、4未満の、有利には3.5未満の狭い分子量分布を有する。 好ましく用いられる市販品のBは、Exxelor(登録商標) VA 1801または1803、Kraton(登録商標) G 1901 FXまたはFusabond(登録商標) N NM493 DまたはFusabond(登録商標) A560 (Exxon社、Kraton社およびDuPont社)、並びにTafmer(登録商標)MH 7010(Mitsui社)である。 当然のことながら、先述のゴム種の混合物を使用することもできる。 成分E)として、本発明による成形材料は、60質量%まで、有利には50質量%までのさらなる添加剤を含有できる。 繊維状または粒子状の充填剤E)として、炭素繊維、ガラス繊維、ガラス球、アモルファスシリカ、ケイ酸カルシウム、メタケイ酸カルシウム、炭酸マグネシウム、カオリン、チョーク、粉末石英、雲母、硫酸バリウムおよび長石が挙げられ、これらは1〜50質量%、特に5〜40質量%、有利には10〜40質量%の量で使用される。 好ましい繊維状充填剤としては、炭素繊維、アラミド繊維およびチタン酸カリウム繊維が挙げられ、その際、E−ガラスとしてのガラス繊維が特に好ましい。これらは、市販の形態でのロービングまたはチョップトガラスとして使用されてよい。 繊維状充填剤を、熱可塑性樹脂とより良好に適合させるために、シラン化合物で表面の前処理をすることができる。 適したシラン化合物は、下記の一般式のシラン化合物である:
【化4】
前期式中、置換基は以下の意味を有する:
Xは、
【化5】
であり、
nは、2〜10の、好ましくは3〜4の整数であり、
mは、1〜5の、好ましくは1〜2の整数であり、
kは、1〜3の、好ましくは1の整数である。 好ましいシラン化合物は、アミノプロピルトリメトキシシラン、アミノブチルトリメトキシシラン、アミノプロピルトリエトキシシラン、アミノブチルトリエトキシシラン、並びに置換基Xとしてグリシジル基を含有する相応のシランである。 シラン化合物は、一般に表面被覆のために((E)に対して)0.01〜2質量%、有利には0.025〜1.0質量%、殊に0.05〜0.5質量%の量で使用される。 針状の鉱物充填剤も適している。 針状の鉱物充填剤は、本発明の範疇では、非常に顕著な針状の特徴を有する鉱物充填剤であると理解される。例として、針状のウォラストナイトが挙げられる。有利には、該鉱物は、8:1〜35:1、好ましくは8:1〜11:1のL/D(長さ対直径)比を有する。鉱物質の充填剤は、随意に先述のシラン化合物で前処理されていてよいが、前処理は、必ずしも必要なわけではない。 さらなる充填剤として、カオリン、焼成カオリン、ウォラストナイト、タルクおよびチョーク、並びに、付加的に、好ましくは0.1〜10%の量の板状または針状のナノ充填剤が挙げられる。好ましくは、このために、ベーマイト、ベントナイト、モンモリロナイト、バーミキュライト、ヘクトライトおよびラポナイトが使用される。板状のナノ充填剤と有機バインダーとの良好な適合性を得るために、板状のナノ充填剤は、先行技術に従って有機改質される。板状または針状のナノ充填剤を本発明によるナノコンポジットに添加することにより、機械的強度のさらなる向上がもたらされる。 成分E)として、本発明による成形材料は、0.05〜3質量%、好ましくは0.1〜1.5質量%、殊に0.1〜1質量%の潤滑剤を含むことができる。 好ましくは、10〜44個のC原子、有利には12〜44個のC原子を有する脂肪酸のAl塩、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩またはエステルまたはアミドである。 金属イオンは、有利にはアルカリ土類金属およびAlであり、その際、CaもしくはMgが特に好ましい。 好ましい金属塩は、ステアリン酸カルシウムおよびモンタン酸カルシウム並びにステアリン酸アルミニウムである。 種々の塩の混合物も使用してもよく、その際、その混合比は任意である。 カルボン酸は、1価または2価であってよい。例としては、ペラルゴン酸、パルミチン酸、ラウリン酸、マルガリン酸、ドデカン二酸、ベヘン酸および特に好ましくはステアリン酸、カプリン酸並びにモンタン酸(30〜40個のC原子を有する脂肪酸の混合物)が挙げられる。 脂肪族アルコールは、1〜4価であってよい。アルコールの例は、n−ブタノール、n−オクタノール、ステアリルアルコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、ペンタエリトリトールであり、その際、グリセリンおよびペンタエリトリトールが好ましい。 脂肪族アミンは、1〜3価であってよい。このための例は、ステアリルアミン、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ジ(6−アミノヘキシル)アミンであり、その際、エチレンジアミンおよびヘキサメチレンジアミンが特に好ましい。好ましいエステルまたはアミドは、相応のグリセリンジステアレート、グリセリントリステアレート、エチレンジアミンジステアレート、グリセリンモノパルミテート、グリセリントリラウレート、グリセリンモノベヘネートおよびペンタエリトリトールテトラステアレートである。 種々のエステルまたはアミドの混合物、またはエステルとアミドとを組合せて使用することもでき、その際、混合比は任意である。 成分E)として、本発明による成形材料は、0.05〜3質量%、有利には0.1〜1.5質量%、殊に0.1〜1質量%のCu安定剤、有利にはCu−(I)−ハロゲン化物を、殊にアルカリ金属のハロゲン化物、有利にはKIと殊に1:4の比で混合して、または立体障害フェノールまたはその混合物を含むことができる。 1価の銅の塩として、有利には酢酸銅(I)、塩化銅(I)、臭化銅(I)およびヨウ化銅(I)が考慮に入れられる。これらは、ポリアミドに対して、銅5〜500ppmの量で、有利には10〜250ppmの量で含有されている。 好ましい特性は、殊に、銅がポリアミド中に分子状に分布して存在している場合に得られる。これは、該成形材料に、ポリアミド、1価の銅の塩およびアルカリ金属ハロゲン化物を均質な固溶体の形態で含有する濃縮物を添加した場合に達成される。典型的な濃縮物は、例えば79〜95質量%のポリアミドおよび21〜5質量%のヨウ化銅または臭化銅とヨウ化カリウムとからの混合物からなる。均質な固溶体の銅の濃度は、前記溶体の総質量に対して、好ましくは0.3〜3質量%、殊に0.5〜2質量%であり、且つヨウ化銅(I)対ヨウ化カリウムのモル比は、1〜11.5、有利には1〜5である。 前記濃縮物のために適したポリアミドは、ホモポリアミドおよびコポリアミド、殊にポリアミド6およびポリアミド6.6である。 立体障害フェノールE)としては、原則的に、フェノール構造を有し、フェノール環に少なくとも1つの立体的にバルキー性の基(sterisch anspruchsvolle Gruppe)を有するあらゆる化合物が適している。 有利には、例えば以下の式
【化6】
[式中、R1およびR2は、アルキル基、置換アルキル基または置換トリアゾール基を意味し、ここで、R1基およびR2基は、同一もしくは異なってよく、且つR3は、アルキル基、置換アルキル基、アルコキシ基または置換アミノ基を意味する]の化合物が考慮に入れられる。 挙げられた種類の酸化防止剤は、例えばDE−A2702661(US−A4360617)号内に記載されている。 好ましい立体障害フェノールのさらなる群は、置換ベンゼンカルボン酸から、殊に置換ベンゼンプロピオン酸から誘導される。 この分類からの特に好ましい化合物は、以下の式
【化7】
[式中、R4、R5、R7およびR8は、互いに独立して、C1〜C8−アルキル基であり、該基はそれ自体置換されていてよく(それらの少なくとも1つは、立体的にバルキー性の基である)、且つR6は、1〜10個のC原子を有する2価の脂肪族基を意味し、それは主鎖中にC−O結合も有してよい]
の化合物である。 以下の式II相応する化合物が好ましい:
【化8】
総じて、立体障害フェノールとして下記が例示的に挙げられる:
2,2’−メチレン−ビス−(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、1,6−ヘキサンジオール−ビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート]、ペンタエリスリチル(Pentaerythril)−テトラキス−[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート]、ジステアリル−3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホネート、2,6,7−トリオキサ−1−ホスファビシクロ−[2.2.2]オクタ−4−イル−メチル−3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナメート、3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル−3,5−ジステアリル−チオトリアジルアミン、2−(2’−ヒドロキシ−3’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−tert−ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2,6−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシメチルフェノール、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−ベンゼン、4,4’−メチレン−ビス−(2,6−ジ−tert−ブチルフェノール)、3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル−ジメチルアミン。 特に有効であることが立証されており、従って有利に使用されるのは、2,2’−メチレン−ビス−(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、1,6−ヘキサンジオール−ビス−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート(Irganox(登録商標)259)、ペンタエリスリチル−テトラキス−[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート]並びにN,N’−ヘキサメチレン−ビス−3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナミド(Irganox(登録商標)1098)および先述のBASFSE社のIrganox(登録商標)245であり、これが特に良く適している。 単独または混合物として使用できる酸化防止剤E)は、成形材料A)〜E)の総質量に対して、0.05から3質量%まで、有利には0.1〜1.5質量%、殊に0.1〜1質量%の量で含有されている。 多くの場合、1個以下の立体障害基をフェノール性ヒドロキシ基に対してオルト位で有する立体障害フェノールが特に有利であることが立証されている(殊に、より長期の期間にわたる拡散光中での貯蔵の際の色安定性を評価した場合)。 成分E)として、本発明による成形材料は、0.05〜5質量%、有利には0.1〜2質量%、殊に0.25〜1.5質量%のニグロシンを含有できる。 ニグロシンとは、様々な実施態様(水溶性、脂溶性、有機溶剤(Sprit)溶解性)において、一般に黒色または緑色の、インジュリンと一緒に使用されるフェナジン染料(アジン染料)の群であると理解され、これはウールの染色および印刷の際に、絹を黒く着色する際に、皮革、靴クリーム、ニス、プラスチック、焼き付け塗料、インク、および類似物の着色のために、並びに顕微鏡用染料として使用される。 ニグロシンは、工業的には、ニトロベンゼン、アニリンおよび塩酸アニリンを金属の鉄およびFeCl3と共に加熱することによって取得される(ラテン語の名称niger=黒)。 遊離塩基として、または塩(例えば塩酸塩)としての成分E)も使用できる。 ニグロシンについてのさらなる詳細は、例えば、電子百科事典Roempp Online、Version2.8、Thieme−Verlag Stuttgart、2006の見出し語「Nigrosin」から得られる。 本発明による熱可塑性成形材料は、成分E)として、通常の加工助剤、例えば安定剤、酸化遅延剤、熱分解に対する薬剤、紫外線による分解に対する薬剤、滑剤および離型剤、着色剤、例えば染料および顔料、核形成剤、可塑剤等を含有することができる。 酸化遅延剤および熱安定剤の例としては、熱可塑性成形材料の質量に対して1質量%までの濃度での、立体障害フェノールおよび/またはホスフィットおよびアミン(例えばTAD)、ヒドロキノン、芳香族2級アミン、例えばジフェニルアミン、前記群の種々の置換された代替物およびこれらの混合物が挙げられる。 一般に成形材料に対して2質量%までの量で使用されるUV安定剤としては、種々の置換されたレゾルシン、サリチレート、ベンゾトリアゾールおよびベンゾフェノンが挙げられる。 無機顔料、例えば二酸化チタン、ウルトラマリンブルー、酸化鉄およびカーボンブラック、さらに有機顔料、例えばフタロシアニン、キナクリドン、ペリレン並びに染料、例えばアントラキノンを、着色剤として添加することができる。 核形成剤としては、フェニルホスフィン酸ナトリウム、酸化アルミニウム、二酸化ケイ素ならびに好ましくはタルクを使用できる。 本発明による熱可塑性成形材料は、自体公知の方法により製造されてよく、前記方法においては、出発成分は通常の混合装置、例えばスクリュー押出機、ブラベンダーミルまたはバンバリーミル中で混合され、引き続き押出される。押出後、押出物を冷却し、且つ破砕してよい。また、個々の成分が予め混合され、次に残りの出発物質が個々におよび/または同様に混合されて添加されてもよい。混合温度は、一般に230〜320℃である。 さらに好ましい作業方式によれば、成分B)およびC)並びに随意にD)およびE)をプレポリマーと混合し、調製し、顆粒化することができる。引き続き、得られた顆粒を、固相中、不活性ガス下で連続的または非連続的に成分A)の融点未満の温度で望ましい粘度になるまで凝縮する。 本発明による熱可塑性成形材料は、良好な耐火性および顕著なリンの安定性の点で優れている。従って、これはあらゆる種類の繊維、フィルムおよび成形体の製造のために適している。以下にいくつかの例を挙げる: コネクタ、プラグ、プラグ部品、ハーネス部品、回路支持体、回路支持部品、三次元射出成形回路支持体、電気接続素子、およびメカトロニクス部品。 本発明による熱可塑性成形材料から製造される成形部品または半製品を、例えば自動車産業、電気産業、電子産業、電気通信産業、情報技術産業、娯楽産業、コンピュータ産業において、車両および他の移動手段において、船舶、宇宙船において、家庭において、事務所設備において、スポーツ、医療において、並びに一般に、高められた防火性が必要とされる物品および建設部材において、用いることができる。 調理および家庭の分野のためには、台所用品、例えば揚げ鍋、アイロン、ボタンのための部品を製造するために、並びにガーデニングおよびレジャー分野において使用するために、流動性を改善されたポリアミドを使用することが可能である。 実施例
以下の成分が使用された:
成分A:
ISO 307に準拠し、25℃で、96質量%の硫酸中で0.5質量%の溶液として測定して、150ml/gの粘度数VZを有するポリアミド66(BASF SEのUltramid(登録商標)A27を使用した)。 成分B:
溶融指数MFI(190/2.16)10g/10分を有し、エチレン59.8質量%、n−ブチルアクリレート35質量%、アクリル酸4.5質量%、およびマレイン酸無水物0.7質量%(成分D)からなるオレフィンポリマー中で平均粒径(d50)10〜30μmの赤リンからの50%濃縮物。該コポリマーは、高められた温度且つ高められた圧力でのモノマーの共重合によって製造された。 成分C/1 市販の酸化亜鉛(比較用)。 成分C/2 本発明による銀と亜鉛酸化物との混合物(WO2011/023584号によって得られる)。 成分C/2は炭酸塩の共沈および引き続くマッフル炉内での加熱によって製造された:
【化9】
硝酸亜鉛(59.5g; 0.20mol)および硝酸銀(6.4g; 0.04mol)を、50℃で、100mlの脱イオン水中で溶解した。該溶液を引き続き、30分のうちに50℃で、撹拌された(Ultra−turrax T25を用いて8000rpm)、300mlの水中の炭酸カリウム溶液(34.8g; 0.22mol)に滴下し、且つ30分間さらに撹拌した。該装入物を、アルミニウム箔によって光から保護した。黄色の懸濁液を、ろ過ヌッチェを介して吸引し(フィルターの種類: Whatman(登録商標) 品種1、開孔率 11μm、88g/m2、厚さ0.18mm、Ash値(Aschewert)0.06%)、且つ、残留硝酸塩含有率が10ppm未満になるまで水で2回洗浄した(200mlの水/10gの固体)。ろ過ケーキを再度、エタノール中で取り上げ、再び吸引乾燥した。前記のろ過ケーキを引き続き、40分間、200℃でマッフル炉内で乾燥させ(40分)、且つ、350℃で90分間焼成した。その際、工程の制御は熱重量分析を用いて行われた。155℃、237℃、および350℃で3つの分解段階がもたらされた(加熱速度:20°K/分)。銀含有率39%を有する、30.1gの茶色の粉末が得られた。 EDXによるAgの粒径: 100nm±15nm
EDXによるZnOの粒径: <20μm
レーザー粒度分析による粒径分布: 2.8μm(d50値)
BET表面積[m2/g]: 19.5。 一次粒径の測定は、エネルギー分散型X線分光法(SEM/EDX)を用いて行われ、粒径分布はレーザー粒度分析によって測定された(Mastersizer(旧Malvern))。 成分E/1:
ポリアミドのための標準的なチョップドガラス繊維、長さ=4.5mm、直径=10μm。 成分E/2:
N,N’−ヘキサメチレン−ビス−3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナムアミド(hydroxyhydrocinnamid) (Irganox(登録商標) 1098)。 成分E/3:
ステアリン酸カルシウム。 本発明により記載されるリン安定性の改善を証明するために、相応のプラスチック成形材料をコンパウンディングによって作製した。このために、個々の成分を二軸押出機ZSK26(Berstoff社)内で、スループット20kg/時間および約270℃で、平坦な温度プロファイルで混合し、ストランドとして押出し、顆粒化できるまで冷却し、そして顆粒化した。 表1に記載される実験のための試料を、Arburg420C型の射出成形機において、材料温度約270℃、且つ器具温度約80℃で射出した。 リン析出についてのプラスチック部品の試験:
プラスチックのロッド(125×12.5×1.6mm)を半分にし、且つ、半分ずつ10mlのガラスビーカーに添加した。銀からなるコンタクト材料(10×50×0.125mm)を短い試験管に装入した。引き続き、それら3つの試料を100mlのねじ蓋瓶に入れ、5mlの水をそこに加え、且つ、その閉じた系を70℃の乾燥棚内に入れた。28日後、前記試験管を取り出し、水で満たし、且つ、内容物全体をガラスビーカーに入れた。5mlの濃硫酸をそこに加え、ほぼ乾燥するまで蒸発させた。ここで、金属ロッドを取り出し、水で濯ぎ、その残りを1mlの硫酸と混合し、且つ、再度、ほぼ乾燥するまで濃縮させた。その後、20mlの水で希釈し、4ml、5%のペルオキソ二硫酸カリウム溶液を添加し、30分間加熱する。ここで、リンの測定は、測光法により、モリブデンブルーとして、μgでのリン/プラスチックロッドにおいて行われた。 成形材料の組成および測定結果を表に示す。 表:
【表2】

この発明についての権利主張の範囲[特許請求の範囲]

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