特許第6049737号(P6049737)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6049737
(24)【登録日】2016年12月2日
(45)【発行日】2016年12月21日
(54)【発明の名称】ナット感知装置
(51)【国際特許分類】
   F16B 31/02 20060101AFI20161212BHJP
   F16B 37/14 20060101ALI20161212BHJP
   B60B 3/16 20060101ALI20161212BHJP
【FI】
   F16B31/02 Z
   F16B37/14 C
   B60B3/16 D
   B60B3/16 Z
【請求項の数】15
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2014-535048(P2014-535048)
(86)(22)【出願日】2012年10月10日
(65)【公表番号】特表2014-531000(P2014-531000A)
(43)【公表日】2014年11月20日
(86)【国際出願番号】EP2012070062
(87)【国際公開番号】WO2013053760
(87)【国際公開日】20130418
【審査請求日】2015年10月7日
(31)【優先権主張番号】2011235942
(32)【優先日】2011年10月11日
(33)【優先権主張国】AU
(31)【優先権主張番号】61/561,639
(32)【優先日】2011年11月18日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】514081771
【氏名又は名称】セイフティトリム ワールドワイド ホールディングス リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100080089
【弁理士】
【氏名又は名称】牛木 護
(74)【代理人】
【識別番号】100161665
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 知之
(74)【代理人】
【識別番号】100121153
【弁理士】
【氏名又は名称】守屋 嘉高
(74)【代理人】
【識別番号】100178445
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 淳二
(74)【代理人】
【識別番号】100133639
【弁理士】
【氏名又は名称】矢野 卓哉
(74)【代理人】
【識別番号】100188994
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 裕介
(72)【発明者】
【氏名】ドナー,ニコラス チャールズ
【審査官】 岩田 健一
(56)【参考文献】
【文献】 特表2009−525915(JP,A)
【文献】 英国特許出願公開第02325504(GB,A)
【文献】 国際公開第2005/021983(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16B 31/02
F16B 37/14
B60B 3/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
外面および内面を有するベースと、
前記ベースと回転可能に接続し、前記ベースの外面に突出しており、内側に開放している複数のナットキャップと、
前記ナットキャップとそれぞれ接続し、前記ナットキャップと共に回転するように構成されるナット回転表示部と、からなり、
前記ナット回転表示部はそれぞれ、前記ベースの内面でナットキャップより放射状に延びている安全器具において、前記安全器具は、
前記ベースにあって、前記ナットキャップにそれぞれ近接して位置する複数の監視穴を有し、前記ナットキャップの回転により、前記ナット回転表示部の一部が前記監視穴を通って露出しており、
前記ベースの内側に延び、前記監視穴を通って露出する前記ナット回転表示部と共に、ナットが緩む方向に前記ナットキャップが回転するのを制限するための形状を有することを特徴とするナットの緩みを表示するための安全器具。
【請求項2】
前記ベースは少なくとも一部がナイロン素材からできている、および/または真空金属蒸着に適合する素材からなる、および/または耐腐食素材からなることを特徴とする請求
項1に記載の安全器具。
【請求項3】
前記ナットキャップは前記ベースに圧入し、前記ベースの内部で回転自在となることを特徴とする請求項1または2に記載の安全器具。
【請求項4】
前記ナット回転表示部の少なくとも一部が監視穴より視認可能な蛍光表示部を備えていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載の安全器具。
【請求項5】
前記ベースは装置のナット支持表面、好ましくは車輪リムをほぼ封止するように構成されることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項記載の安全器具。
【請求項6】
前記ナットキャップはテーパー状の内部スプラインと、前記ベースの内面でリムを備え、前記ナット回転表示部は前記リムより放射状に延びていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項記載の安全器具。
【請求項7】
前記ナットキャップは前記対応するナットの周囲に部分的な真空封止を形成することを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項記載の安全器具。
【請求項8】
前記形状は、好ましくは前記ナット回転表示部の回転移動を制限することにより、前記ナットキャップと前記ナット回転表示部の前記回転を制限するように構成された第一保持壁を備えることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項記載の安全器具。
【請求項9】
前記ベースは円形のベースまたはリング状ベースからなり、さらに前記第一保持壁に対して内側に第二保持壁を備え、好ましくは前記リング状ベースの幅が少なくとも2インチであることを特徴とする請求項8に記載の安全器具。
【請求項10】
前記リング状ベースは前記ベースの中央線の近くにある第一停止部を備えていることを特徴とする請求項9に記載の安全器具。
【請求項11】
温度感知器、回転カウンタ、バランスモニター、加速度計、振動モニター、歪みまたは圧力測定器、回転力感知器、ねじり感知器、無線ICタグ、ビデオカメラ、或いは他の感知器等の電子感知器を備えることを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項記載の安全器具。
【請求項12】
ナットキャップの内部に電子感知器を備えることを特徴とする請求項11記載の安全器具。
【請求項13】
前記安全器具自身のスクリーンやスピーカーを通して、または前記安全器具に通信可能に接続する別な場所で、デジタルナットデータを通信する手段を備えることを特徴とする請求項11または12に記載の安全器具。
【請求項14】
第一壁、第二壁、および回転可能に接続する複数のナットキャップを有し、前記複数のナットキャップはそれぞれナット回転表示部を有するベースを備えた安全器具において、
前記ベースはリング状で複数の監視穴を有し、前記監視穴は前記ナットキャップから偏心し、前記ナット回転表示部は前記監視穴へと延びていて、それぞれナット回転表示部の少なくとも一部が、対応した監視穴を通して視認可能となっており、
前記第一壁と前記第二壁は保持壁であって、前記ナット回転表示部が前記監視穴を通して視認可能な状態で、前記ナット回転表示部が、前記第一壁となる第一保持壁と前記第二壁となる第二保持壁のうちいずれか1つと当接することによって、ナットの緩む方向にナットキャップが動かないように、前記ナット回転表示部および、前記第一保持壁と前記第二保持壁のうちいずれか1つが配置されることを特徴とするナットの緩みを表示するための安全器具。
【請求項15】
前記複数の監視穴は少なくとも4個、好ましくは少なくとも10個の監視穴を備えることを特徴とする請求項11記載の安全器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の属する技術分野は安全装置である。
【背景技術】
【0002】
本出願は、2011年11月18日に出願された米国仮出願第61/561639号および2011年11月11日に出願された豪州特許出願第2011/235942号に基づく優先権を主張する。その全体が本明細書に参考として組み込まれ、それら両出願は参照により本明細書中に引用される。取り込まれた引用文献での用語の定義や言葉使いが引用文献と一貫していない場合や、ここで提供される用語の定義に引用文献が反する場合には、ここで提供される用語の定義が当てはまり、引用文献での定義は当てはまらないこととする。
【0003】
以下に説明する背景技術の説明は、本発明を理解する上で有用と思われる情報を含む。ここに提供する情報のいずれも先行技術と認めず、また本発明に関するものであると認めるわけではなく、明示的、あるいは暗示的に引用されているいかなる刊行物も先行技術であると認めていない。
【0004】
トラック、自動車等の車両は、複数のナットによって固定されたリムを介して車輪が軸に固定される。通常運転中、当該ナットは徐々に緩んでいく可能性があり、特に熱伝導の結果、車輪が適切に固定されなくなり、当該熱伝導はしばしば、スタッドボルトの伸縮がおこるブレーキ作用によって発生する。スタッドボルトが伸びると、ナットのトルク圧力が減少し、ナットが緩み、遠心力によってナットが外れる。場合によっては移動中、車輪が車両から外れ、深刻な安全性欠陥をもたらす可能性もある。外れた車輪によって、居合わせた人が重傷を負ったり、死亡したりする事例も数多く存在する。
【0005】
2001年3月2日に出願された、Porterによる米国特許出願公開第2002/0122711号明細書、「車輪ナット固定器具」は、この種の問題の解決を試みており、車輪のナットがリム締めに対して回転することを防止するために、トラックの車輪のナットを車輪のリム締めへと固定するための固定器具が記載されている。しかし、Porterの装置はトッラクの車輪にしか固定できない。さらに、各車輪ナットに別々の装置を取り付ける必要もあり、Porterは車輪ナットの緩みを知らせるための表示部を設けていない。より好ましい解決方法としては、複数の車輪ナットで働き、ナットが緩んでいることを表示する装置とすることである。
【0006】
2007年2月5日に出願されたDe Limaによる国際公開第2007/090986号、「車両車輪用安全装置」および1997年12月29日に出願されたRowledgeによる英国特許出願公開第2325504号明細書、「車輪ナットの緩み防止装置」では、この種の問題の解決を試みており、そこでは車輪ナットが完全に緩むのを防止するための保持壁を備える車両のための安全装置が記載されている。De Limaは車両ナットと協働するように設計された抗回転手段を提供する。Rowledgeは、保持リムを備えたリング部材を提供する。ところが、De LimaやRowledgeの装置には、車輪ナットをごみや埃から保護するためのナットキャップや、当該装置の柔軟性を抑え、構造を支持するための内部リブを備えていない。重要なことには、どちらも車両運転者に車輪ナットの緩みを知らせるための何らかの目立ちやすい表示部を備えていない。より好ましい解決策には、このような表示部が備えられているだろう。
【0007】
1997年6月3日に出願のKeenanによるカナダ特許出願公開第2206849号明細書、「トラック車輪保持装置および警報システム」では、この種の問題解決を試みており、運転者に車輪の緩みを知らせるためのアラームを備えるシステムを開示している。Keenanは、車輪が緩んだ際、運転者への電子シグナルを提供するが、自動車周辺を歩く監視者への外部認識を備えていない。
【0008】
その他の例としては、2002年8月29日に出願のKnightによる英国特許第2393487号明細書、「車輪ナットの表示および保持装置」がある。Knightによって開示された方法では、緩んでいる車輪を表示する露出した表示部を備えている。しかしながら、Knightの装置は明らかに監視穴を備えておらず、ツマミがベースの縁を越えて突出する必要があり、光学的な耐久性と汎用性を備えていない。
【0009】
文脈から明らかに間違いでない限り、ここで決められている範囲にはすべて端点が含まれているものとして解釈されるべきであって、開放端の範囲 には商用的に実用的な値のみが含まれているものと解釈される。同様に、すべての数値のリストには、文脈から明らかに間違いでない限り、その中間の数値が含まれているものとして解釈される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
上述の文献が提供していないものは、簡単に装着でき、通常の車両運転者に易しく理解されるシステムであって、幅広い過酷な環境で安定かつ効果的であり、監視者が外部確認できるシステムである。したがって、改善されたナット安全装置の需要は依然として存在する。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の主題は、ナットを備える物体に接続し、ナットが緩んでいる際に視覚的な表示を与えるように構成される器具、システムおよび方法を提供する。当該安全器具は、ナットが所定の場所を越えて回転するのを制限することもできる。
【0012】
前記安全装置は、有利には、6.6−ナイロンのような耐腐食、耐熱素材からできているので、当該装置は、水中石油基地、農耕現場、採掘現場、その他過酷な環境等の、極限条件での目的での利用に適する。
【0013】
想定される安全装置はナットキャップを備え、このナットキャップは、塵やその他の異物を概ね、もしくは完全に阻止するように、対応するナットのまわりに強力な締り嵌め、または真空嵌合を形成する複数のテーパー状の内部スプラインを備えることができる。一乃至複数のナットキャップは、対応するナットが緩むと回転するようになっている物理的なナット回転表示部を備えている。本発明主題の一部の形態では、装置は表示部の回転を制限するための保持壁もしくは回転停止部と、ナットキャップと、対応するナットとを備えることが可能である。
【0014】
電子表示部は、対応する一乃至複数のナットの回転状態や周囲の状況を表示し、あるいは伝達するように設けられる。
【0015】
本発明主題の様々な目的、特徴、能態および利点は、以下の本発明の好ましい実施形態の詳細な説明と、それに付随する添付の図面(同じ番号は同じ部品を示す)を参照することにより、当分野の技術者により深く理解され、かつ、明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1A図1Aは、安全器具の一実施例を示した上面図である。
図1B図1Bは、図1Aの安全器具のナットキャップの側面部分図である。
図2図2は安全器具の他の実施形態における上面部分図である。
図2B図2Bは、図2の安全器具とナットキャップの保持壁の底面部分図である。
図2C図2Cは、図2の安全器具の別のナットキャップを示す底面部分図である。
図3図3は、1つのナットキャップだけを備える安全器具のさらに別の実施形態を図示する。
図4A図4Aは、ナットキャップの斜視図である。
図4B図4Bは、別のナットキャップの斜視図である。
図5図5は、さらに別のナットキャップの斜視図である。
図6図6は、実時間デジタルナットデータを表示するLEDスクリーンを図示したものである。
図7図7は、個々のナットデータおよび統計的なナットデータを表示するLEDスクリーンを図示したものである。
図8図8は、デジタルナットデータとナット回転の表示を両方示したLEDスクリーンの一例を図示したものである。
図9図9は、摺動可能に接続する2つのベースを図示したものである。
図10図10は、レンチ受け入れ部を備えるナットキャップを図示したものである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下の議論によって、本発明主題の数多くの実施形態が提供される。各実施例は発明要素の単一の組み合わせを表しているが、本発明主題は開示している要素のあらゆる組み合わせを含むものと考えられる。したがって第一の実施例が要素A、B、およびCから構成され、第二の実施例が要素BおよびDから構成される場合には、本発明主題は、明示的に開示せずとも、他の残ったA、B、C、Dの組み合わせを含むものと考えられる。
【0018】
計算機に関するすべての用語は、サーバー、インターフェース、システム、データベース、エージェント、ピア、エンジン、コントローラー、その他、個々にあるいは集積的に作動する別な種類の計算機器などを含むあらゆる計算機器の適当な組み合わせを含んで解釈されることに注目すべきである。当該計算機器はプロセッサを搭載し、当該プロセッサは有形型、非一時的な計算機可読記録媒体(ハードドライブ、半導体ドライブ、RAM、フラッシュ、ROM、等)に記憶されたソフトウェア命令を実行できるようになっているものと理解されるべきである。当該ソフトウェア命令は、好ましくは計算機器に役、権限、またはその他公開されている器具に関して、以下に説明の機能を与えるようになっている。特に好ましい実施例において、様々なサーバー、システム、データベース、またはインターフェースは、場合によってはHTTP、HTTPS、AES、公開−秘密鍵の交換、WebサービスAPI、公知の金融取引プロトコル、その他の電子情報交換方法に基づいた、標準的プロトコルまたはアルゴリズムを利用してデータ交換される。データ交換は好ましくは、パケット交換ネットワーク、インターネット、LAN、WAN、VPN、またはその他のパケット交換ネットワークで行われる。
【0019】
本発明主題の一部の形態において、ナットを備えるあらゆる物体に適合するように、様々な形状、大きさ、配置を持つ安全装置が考えられる。装置にはリング状のベースが備えられ、当該ベースは自動車の車輪、トラック、トラクター、飛行機、コンバイン、自転車、トレーラー、バス、小型トラック、バイク、その他ナットを備える適当な、陸、水、空の車両に接続するように成形される。装置にはベースが備えられ、当該ベースは、車輪以外の回転物体の表面にある一乃至複数のナットまたはボルトに接続するように成形され、車輪以外の回転物体とは例えば、風力タービン、ヘリコプター、船舶、ボート、石油基地、トロッコ、ジェットコースター、その他ナットを備える適当な、陸、水、空の物体が含まれる。装置は回転しない物体にも利用できるように構成され、当該回転しない物体には、ポールや支柱のベース、テーブル、その他ナットを備える回転しない物体が含まれる。
【0020】
一部の実施形態において、ベースは固い材料を備えることが可能で、当該素材は1つ以上の物体に接続する2つ以上のナットの間に延びるようになっている。他の実施形態において、ベースは互いに摺動可能に接続し、様々な距離を隔てている2つ以上のナットの間に延びる、2片の固い材料を有することができる。また、ベースは2個以上のナットに接続するため、様々な形に延びるような可撓性材料を有することができる。
【0021】
本発明主題による安全装置は、採掘業や農業のように、様々な熱収縮や極度の振動に晒されやすい産業で特に有用である。例えば、コンバイン、トラクター、その他の農機具は、不均一で凸凹な面でよく運転され、そこでは一方のタイヤが固く湿った土壌の上を走り、もう一方のタイヤが乾いて耕耘した土壌を走る。周囲のこのような振動は、農機具に大きな振動を与える場合があり、これは車輪ナットの緩みの一因となる。
【0022】
図1A図1Bは、本発明の主題の安全装置とそれに係る部品の円形状の実施形態を示す。装置100は、ベース101と回転自在に接続された複数のナットキャップ(110、120等)を備えている。ナットキャップ110は、ベース101と嵌合または圧入し、内部で回転自在となっている。ナットキャップ110はベース101の上部より突出していて、ナット回転表示部150を備えており、ナット回転表示部150はナットキャップ110と一体化可能で、ベース101の底部より延びている。表示部150は、ナットキャップ110と共に回転する設計となっていて、表示部150が所定の範囲(45°、75°、90°、180°、360°等)内で監視穴130を通して視認可能なように、当該所定の範囲で回転可能となっている。ここで「一体化」という用語は、同一の部材を備えているという意味で使われる。例えば、XがYと一体化している場合には、XとYは単一の部材を備える。
【0023】
各装置100は、単一のあるいは複数の適切な素材を用いて、成形あるいは構成可能である。プラスチック素材、あるいはナイロン素材を含むことが可能な装置も存在する。その他想定される素材には、金属、鉄鋼、クロム、ポリプロピレンなどの適当な素材が含まれる。より好ましい実施例では6.6−ナイロン素材を含んでいてもよい。実施例の装置はナイロン系で、一般に6.6−ナイロンと呼ばれる合成繊維を含んでいて、優れた熱、摩擦耐性を持たせるためにシリカで補強される。例示的な材料としてはEMS−CHEMIEが提供するGrilon TSS/4 schwarz 9832が含まれる。該融解点は約180〜260C°、より正確には256C°前後である。想定されている材料は、水に対して不溶性とすることが可能であって、0.9から1.1までの比重を持つ。6.6−ナイロンは、化学的な「記憶」機能を持っていて、もとの形状に戻ることができ、したがって当該装置はナットの上部から押されると密着して嵌合するが、簡単に着脱することができる。テーパー状あるいは非テーパー状のスプラインによって、ナットキャップはどのような姿勢でもナットを覆うことが可能となるように設計されている。6.6−ナイロンの利用には、ポリプロピレンなどの他の素材と比べて様々な利点がある。例えば、6.6−ナイロンは産業用樹脂であるのに対して、ポリプロピレンは商用の熱可塑性物質である。6.6−ナイロンは、ポリプロピレンなどの他の素材と比べて有利と考えられる物理的性質を有している。有利な性質とは、例えば、より高い融点、より高い腐食・熱・摩耗耐性、よりよい質感や手触り、またはより長い寿命、などを含む。さらに、6.6−ナイロンによって、ナットやナット支持表面とのより強い締り嵌めが可能となるのに対して、ポリプロピレンはそうでなく、これは6.6−ナイロンが強力な形状記憶を有していることに起因する。例えば、6.6−ナイロンを含むナットキャップは、大きな温度変化の中でもその形状を保持するのに対して、ポリプロピレンにこのような機能はない。
【0024】
想定される素材は腐食耐性を持つことが可能であるので、塩水、熱、よごれ、その他損傷を与える物質に対して強く、水中石油基地、競技用自動車、農機具、採掘装置、その他の適当な目的のための利用に適するものとなっている。耐腐食素材にはナイロン、ニッケル、クロム、耐脱亜鉛、黄銅、等が含まれ、当該耐腐食素材は、大気中腐食、海水腐食、土壌腐食、電解腐食、さび、酸化、または化学分解等を含む様々な原因、型の腐食に対して耐性がある。
【0025】
一部の実施例において、美観を向上させるため、あるいは腐食耐性のため、ベース素材は真空金属蒸着(クロム仕上げ等)に適合させることが可能である。真空金属蒸着に適した素材であればあらゆる素材が考えられる。例えば、被覆されるものの素材には、プラスチック、金属、セラミック、ナイロンが含まれ、被覆する素材は白金、銅、アルミニウム、チタン、クロム、クロムチタン、金、鉛、ニッケル、銀、錫、その他の材料を含むことができる。
【0026】
図2図2Bおよび図2Cは、本発明の主題の実施例にかかる安全装置のリング状部分を示す。装置200はナット管理装置であって、当該装置は主に車両用の車輪向けであって、緩んだナットの存在を視覚的に表示するのと同時に、当該ナットが再び締め付けられるようになるまで当該ナットをその位置で固定する。
【0027】
装置200は、10個のナットキャップ(7個を図示)、表示部、および監視穴を備える。想定されるベース(ベース201、等)は、適切な幅(202、等)の材料を備えている。一部のリング状の実施例において、当該ベースは1インチ、2インチ、3インチあるいは8インチ以上の幅を持つことができる。想定される装置は監視穴を適当な数だけ設けることが可能で、当該装置はナットキャップ、表示部、その他の部品を1つ、あるいは2つ、4つ、8つ、10つ、あるいは16つ以上の、適当な数の部品を備えることが可能である。
【0028】
ナットキャップ210は、ベースもしくは固定プレートの内部で回転自在となっている。ナット(図示せず)が回転すると、対応しているナットキャップ210(締り嵌めなどにより当該ナットに密着して嵌合)が前記ナットと共に回転し、ナット回転表示部250を回転させる。回転の結果は、ナット回転表示部250がベースの下、または当該ベースに型うちされた固定プレートの下から移動するにつれて、監視穴230から明確に認識できるようになる。当該ベースの縁には保持壁297があり、当該保持壁は全装置の設計の一部であって、ナット回転表示部250がこれ以上回転するのを防止する。腕部はナットへと接続されているので保持壁より向こう側へは移動せず、さらなる回転、つまりナットの緩みを結果的に止める。
【0029】
上述したように、ナットキャップ(210など)はテーパー状の内部スプラインと、空洞を備えることが可能であって、これによって様々な形、様々な長さのナットに万能に嵌合させ、真空嵌合させることが可能となる。一度ナットに嵌合してしまえば、ナットキャップを構成する素材が成形当時の形状に戻ろうとするため、ナットをしっかりとグリップする(例えば、締り嵌め、部分的なまたはほぼ完全な真空封止、等で)。ナットキャップの一側が引っ張られると、他側が内側へ押し込まれ、締り嵌めや真空封止を解放するための唯一の方法は、ナットキャップを手や道具(ナットキャップの第一面と第二面に特別に嵌合するように設計されたプライヤーやレンチなど)で絞るか回転させることである。このような道具は、ナットとナットキャップの隙間に形成される可能性のある部分的な、または完全な真空封止を解放するのに利用できる。
【0030】
一部の装置は、ナットや物体の他の部分に永久的に固定することで、それらに手を加えるのを完全に防止することができると思われる。例えば、ピッチ、シリコン、樹脂、エポキシ、その他の成形用素材などをナットキャップに挿入することができる。このような特徴によって嵌合の安心感が増加し、一方で使用者が望めばいつでも装置を取り外すことが可能になると考えられる。
【0031】
一部のまたは全てのナットキャップはベースと接続可能で、制限の範囲内で回転可能となっている。さらに、各ナットキャップは、ベースの上にあるナットキャップに接している薄フランジ、および当該ベースの下にあるナット回転表示部を備えるより大きなフランジを介してベースに圧入または嵌合することが可能である。想定されるナットキャップは、路上使用者を車輪ナットや、鋲の表面にある荒削り部分などから守るために、滑らかな外面を備えることが可能である。当該表示部は観察者に注目してもらうために、蛍光部、金属部、白色部、光沢部、艶消し部、その他、ベースから目立ちやすい何らかの部分を備えることができる。
【0032】
保持壁297と第2壁298とを備えるリング状装置はさらに空洞中央部299を備えることが可能で、空洞中央部299はハブ等の物体の突出部を受け入れる。このような設計は、突出しているハブを備える(トラック等の)車両、中央ハブを備える風力タービン、突出部を備えるその他の物体などに応用可能と考えられる。このような装置がナット回転表示部をさらに備えていれば、中央部299へと回転するのを制限することができる。(装置の外部へと制限されているか、第一壁と第二壁との間に制限されているかして)
保持壁297と第2壁298、およびナットキャップ210とナットキャップと一体化している表示部250を強調するため、図2Bに装置200の一部分の底面図が示されている。図2Cは、フランジ231とベースの中央線の近くにある第一停止部235とを備える装置200の異なる部分の底面図である。フランジ231と停止部235は当該装置のどの部分に設けられてもよいと想定され、ナットキャップの回転を制限したり、表示部が移動できる距離を短くするようにできる(第一壁から第二壁までではなくて、中央部の開始点から壁までとするなどして)。このような制限は、表示部が監視穴へと到達する前か、表示部が監視穴へと到達すると同時か、保持壁がナット回転の阻止に失敗した時にかけることができる。さらに、ナットキャップと一体化した表示部はナットキャップの回転を阻止するために利用可能であるのに対し、このとき一体化していない表示部(表示部とナットキャップが単一の部材から構成されていない)はさらに回転する。
【0033】
装置は各ナットキャップに対してそれぞれ0個、1個、2個、またはそれ以上の保持壁もしくは回転停止部を備えることが可能である。したがって装置は、保持壁と停止部を全く備えていないか、保持壁は備えるが停止部を備えないか、停止部は備えるが保持壁を備えないか、もしくはその他の適当な組み合わせをとることが可能である。
【0034】
ここで用いられているように、「停止部」あるいは「回転停止部」は、ナットキャップの回転を間接的にあるいは直接的に阻止するように、適当な大きさ、形を持った任意の数の材料を含むものとして広い意味に用いられる。
【0035】
停止部を備えているが保持壁を備えていない装置では、回転表示部は、対応のナットが締まっているとき、隠れた場所から出発して、対応のナットが緩むと当該装置の外側の縁または内側の縁(第1の縁241、第二の縁242、等)の向こう側にある露出位置へと移動するようになっている。停止部は、一旦露出すると、回転表示部がベースへと逆戻りしないように阻止させることもできる。例えば、装置は表示部を備えることができて、当該装置は隠れた場所(ベース部の下部、等)から出発して、露出している場所(リングの内部穴、等)まで回転できるようになっていて、当該装置の全体的な外周形状が変化するようになっている。当該停止部は、その後、表示部がもとの隠れた場所から約120から180度離れた、第二の隠れた場所へと移動するのを阻止することが可能である。停止部は、歯止め装置としても機能可能であり、表示部がもとの隠れた場所へと戻って回転するのを阻止できる。このような実施形態は監視穴を必要とせず、監視穴から見る保持腕部が暗さや汚れによって不明瞭となる採掘や農業などの産業分野で有益である可能性がある。
【0036】
以下のように、採掘現場での利用を考える。バックホウや油圧掘削機のような採掘機器に利用する装置は、使用中、すぐに泥まみれとなる。回転表示部が泥で覆われると、回転表示部が監視穴より視認できなくなる。しかし、装置の縁を越えて回転する回転表示部は、当該装置の全体的な外周形状を変化させることができ、当該回転を視認者にわかりやすくすることができる。当該装置がさらに回転停止部を備えている場合には、回転表示部に対応するナットがベース(ベースの縁の内部、等)に向かってさらに回転するのを阻止することができる。
【0037】
代りの例として、保持壁が当該装置に摺動自在に接続していてもよく、これによって、ナットが緩んだ際にナット回転表示部が保持壁を外側に押し出すようになっていてもよい。保持壁が当該装置の縁から外側に少なくとも1mm、5mm、10mm、あるいは50mm外側に摺動可能とし、装置の全体的な形状を変化させることも考えられる。各ナット回転表示部にそれぞれ摺動可能に接続する個別の保持壁を備えていてもよい。このような場合には、単一のナット回転表示部に対応する保持壁のみが外側に移動し、円形状から突出した壁を備える円形状へと、当該装置および保持リムの全体的な形状を変化させる。このような実施形態は、過酷な条件での使用目的にも有効である。
【0038】
一部の好ましい実施例において、ベース、保持壁、当該装置の他の部分は、安全装置に接続している物体(車両、車輪リム、機械、等)のナット支持部をほぼ封止できるようになっている。このような実施例によって、ナット支持表面や当該物体の他の部分を、水や埃、他の好ましくない物質をほぼ含まない状態にすることができる。当該装置の部品(保持壁、第二壁、等)は、接続している物体のナット支持表面と同一平面になるように嵌合されるように、サイズ、寸法の調整が可能である。これにより、周囲の汚染や腐食からナット支持表面を保護できる。
【0039】
図3は単一のナットキャップ310を備える装置300を図示しており、当該装置はテーブル、機械、車輪リム、等に接続可能である。ナットキャップ310は回転表示部を備える単体自立型のナットキャップと見なすこともできる。
【0040】
考えられる一部の装置は追加の回転表示部や電子部品を具備することができて、電子部品には電子センサーが含まれ、また運転者が警告、信号、表示、あるいはその他ナットの回転状態や周囲状況を知ることができるような電子ナット表示部が含まれる。例えば、電子ナット回転表示部は、回転角度、回転力、捩れ、回転比、回転傾向、回転の過去データ、他の回転データ、等の、ナット回転のデジタルデータを提供できるように構成することができる。このようなデータは様々な場面で有用と考えられる。装置が車両の車輪に配置しているような装置での実施形態では、当該装置の持ち主がデータを取得または視認し、ナットの回転状態や周辺状況を確認することができる。さらに安全技術者がデータを取得し、ナットに関するデータの過去情報や傾向を追跡し、分析することもできる。さらに、ナットの製造業者が当該データを取得し、製品に関する性能データを確認することもできる。
【0041】
ナットキャップはさらに電子ナット感知器(図1、要素140)を備え、当該電子ナット感知器は対応するデジタルナットデータを取得し、記憶するようになっている。デジタルナットデータとは、上述の回転データ、もしくは非回転の周囲データを含み、非回転の周囲データとは例えば、力、せん断力、応力、歪み、圧迫状況、データログ、圧縮状態、張力、温度、密度、振動、などが含まれるものと考えられる。周囲データは、ナットに関する幅広い情報を網羅できると理解せるべきである。ナットに関するあらゆるデータが考えられる。
【0042】
デジタルナットデータは適当な形式によって与えられ、当該形式とは、音声形式、映像形式などの適当な形式を含む。当該データは、装置に接しているスクリーンやスピーカー、または当該装置に通信可能に接続する他の部分を通して関係者に送信される。例えば、運転者や当該ナットに関わる技術者が、ダッシュボードや車両内部の他の部分に接続されたスクリーンやスピーカーや、携帯電話、計算機、個人利用デジタル補助機器、タブッレット型計算機、時計、運転者が身につける他の適当な物体、等に表示されたデジタルナットデータを取得することができる。ここで「通信可能に接続」とは有線および無線の通信接続を含む。無線接続の例としては、近距離無線通信、セルラーネットワーク、Wi−Fiネットワーク、遠隔操作、無線ICタグ、無線USB、狭域通信、赤外線通信、その他の適当な無線通信チャンネル、等を介した接続が含まれる。感知器140には受動感知器または能動感知器が含まれるものとして理解されるべきである。受動感知器はクエリー(無線ICタグ、等)に反応して感知器データを与える。
【0043】
一部の実施形態において、電子ナット感知器は能動感知器を備え、当該感知器は、光電池、バッテリー、熱電対、などの電力源または電力変換装置に接続可能である。このような実施形態では、能動感知器それ自身でナットのデータを与えるようになっている。電力源または電力変換装置は、当該装置のあらゆる部分、またはナットキャップ、ベース、当該装置が接続している自動車ブレーキ、その他の装置または物体、などを含む装置に接続している物体に取り付け可能であると想定される。
【0044】
さらに、電子ナット感知器は無線インターフェースを備えることが可能で、当該無線インターフェースには、Bluetooth(登録商標)、Zigbee(登録商標)、802.11、WUSB、WiFi、等が含まれるものと想定される。
【0045】
電子感知器の例としては(1)能動感知器(電源式であるか、伝播式であるか、無線ICタグベースか、または他の型の能動感知器)と(2)受動感知器(無線ICタグベースか、歪み測定器か、または他の型の受動感知器)が含まれるが、それらに限定されることはない。無線ICタグベースの感知器は能動的、つまりバッテリーや他の電力源によって電力供給可能であるか、受動的、つまり感知のために利用される電磁場によって電力供給可能である。想定されている感知器として、温度感知器、回転カウンタ、バランスモニター、加速度計、振動モニター、歪み、圧力測定器、圧縮、張力測定器、回転力感知器、ねじり感知器、無線ICタグ、ビデオカメラ、その他の感知器、などが含まれる。さらに、想定されている装置は付加的な部品を具備可能であって、当該部品は、装置の電子的な様相を操作できるような電子回路などであって、センサデータの取得、LEDディスプレイ、スピーカー、他の型の装置、が含まれる。
【0046】
電子感知器はナット回転表示部として機能可能と想定される。好ましくは、一乃至複数のナット回転表示部は、当該電子感知器とは区別される。電子感知器と区別されるナット回転表示部の一例には、ナットキャップと接続し、ナットが回転するとナットキャップと共に回転するツマミが含まれる。
【0047】
図4Aはナットキャップ411の一例であって、当該ナットキャップは、ワイヤ401を介してナット481へと接続する複合の電子感知器/ナット回転表示部441、および表示スクリーン471を備える。表示スクリーン471は、対応するナット481のデジタルナットデータ(温度、等)および対応するナット481の回転の表示を提示するようになっていて、回転の表示とはもとの締め具合の残り具合の割合などであって、100%は回転なしに対応し、0%は360度の回転に対応する。
【0048】
ナットキャップはナットを部分的にのみ覆うようにすることも可能と想定される。しかし好ましい実施形態では、ナットを完全に覆う単数あるいは複数のナットキャップが備えられ、当該ナットを、塵やその他のごみが十分ない状態に保つようになっている。
【0049】
図4Bはナットキャップ410の変形例であって、当該ナットキャップは電子感知器440と独自のナット回転表示部498を備え、それぞれナット480に直接取り付けられている。デジタルナットデータ490はスクリーン470上に表示され、始点からの回転具合などに代表される、ナット回転の表示部492(デジタル回転データ、等)は、スクリーン491に表示される。
【0050】
デジタルナットデータ490またはナット回転の表示は実時間データを含み、当該データは表示スクリーン470にストリームされるか、通信可能に接続する表示スクリーンにストリームされることができると想定される。これら通信可能に接続する表示スクリーン470はダッシュボードや車両内部の他の部分、携帯電話、計算機、個人利用デジタル補助機器、タブッレット型計算機、時計、他の適当な表示部に設置可能である。接続は、有線によるものか、無線伝達経路を備えたものとすることができ、当該無線伝達経路の例としては近距離無線通信、セルラーネットワーク、Wi−Fiネットワーク、遠隔操作、無線ICタグ、無線USB、狭域通信、その他の適当な通信チャンネル、が含まれる。
【0051】
図5はナットキャップ510を示し、当該キャップはベースに接続可能であり、単体自立型のナットキャップとすることができる。ナットキャップ510は2つの隔てられたナット回転表示部を備えている。第一表示部は、ナットキャップ510に接続され、ナットキャップ510と共に回転するようになっているツマミ595であって、視認者が、ナットが始点からどれだけ回転したのかを確認できるようになっている。第二の表示部(図示せず)は電子感知器(図示せず)と同じくするか、または異なるものとすることができる。ナットキャップ510はさらに作動装置/スイッチ594、596を備え、それぞれ表示スクリーン570、591へと接続する。作動装置/スイッチ594がオンになると、表示スクリーン570は対応するナット580のデジタルナットデータ590を表示する。
【0052】
ナットキャップは適切な大きさ、形状を備えることができる。例えばナットは、第1の径が概ね1.2〜1.5インチ、第2の径が概ね0.75〜1インチ、長さが1.6〜2インチのテーパー状の円筒形、1.25インチの径と1.2インチの長さを有する円筒形、またはその他適当な形状と大きさを備えることが可能である。
【0053】
図6はLEDスクリーン等の表示スクリーン670を備える装置を示し、当該スクリーンは実時間デジタルナットデータ(690、等)を表示する。表示スクリーン670は、対応するナット(図示せず。ナットキャップ610、611、620、621によって覆われている。)のデジタルナットデータをリアルタイムで表示するようになっている。表示スクリーン670下方右側部のデジタルナットデータ690はナットキャップ621に覆われたナットに対応し、78度から79度へと変化する途中にある。ナットキャップ610、611、620および621はそれぞれナット回転表示部650、651、652および653に接続し、対応する監視穴630、631、632、および633を通って露出位置へと移動できる。
【0054】
想定される表示部は、異なる回転の段階が生じると、監視穴から現れる異なる色調、画像または文字を備えることが可能である。したがって、装置は回転だけでなく始点からの回転量も表示することができる。
【0055】
図7は3つのナットキャップ710、711および720と、LEDスクリーン等の表示スクリーン770と793を示し、当該スクリーンは個々のナットデータ790と統計的なナットデータ799を表示する。当該ナットデータ(790または799)は許可機構あるいは認証機構を介して保証可能であると想定される。このような機構によって、ナットデータ(790または799)へのアクセスを制限したり、ナットデータが消去されたり、変更されることを制限することができる。したがって、ナットデータへのアクセスを運転者、所有者、監視者および保険査定員に制限し、一方でナットデータに変更を加えることができるものを監視者と保険査定員に制限することが可能である。想定される許可方法には、「PINコード、パスワード、その他所定の数字、文字、単語の集合の許可方法」が含まれる。想定される認証方法には、指紋検出装置、虹彩検出装置の利用、音声認識システム、その他の適当な認証方法が含まれる。ここで、ナットキャップ711は、対応する生体感知器794(指紋検出装置、等)および表示スクリーン770、793に接続する。表示スクリーン770は、対応ナット(図示せず)のデジタルナットデータ790を表示し、一方第二の表示スクリーン793は当該装置に接続された1つまたは複数の統計ナットデータ799を(ナットキャップ710および711の下、等に)表示する。(少なくとも1つのナットが所定の許容可能な最大温度の5度以内に入った際の警告表示、等。)
図8は、単一の表示スクリーン870を備える装置の一例であって、スイッチ894の作動と共にデジタルナットデータ890が現れるようになっていて、スイッチ896の作動と共にナット回転の表示892が現れるようになっている。スクリーンは3つまたはそれ以上のスイッチまたは差動装置と接続可能であって、3つまたはそれ以上の情報(デジタルナットデータ890、ナット892の回転、2つのナットの統計データ(図示せず)、全ナットの統計データ(図示せず)、等)を表示できるようになっていると想定される。
【0056】
図9は、互いに摺動可能に接続する2つのベース部を備える装置を図示する。各ベースはそれぞれ監視穴930または931を備え、ナットキャップ(910または920)およびナット回転表示部950または951へと接続する。このような配置によって、使用者は、装置における個々のナットが互いに異なる距離に配置しているような複数の物体に、単体の装置を利用することができる。
【0057】
ナットキャップは、錐形、カップ形、立方形、あるいは円筒形を含むあらゆる形状を有することが可能であると想定される。ナットキャップの外側ライニングはレンチや、モンキーレンチ、オープンエンドレンチ、めがねレンチ、ラチェットめがねレンチ、コンビネーションレンチ、可動レンチ、ソケットレンチ、六角棒スパナ、ブリストルレンチ、アリゲーターレンチ、ラグレンチ、フレアナットレンチなどの器具を受け入れられるようにサイズ調整と形成がなされると想定される。レンチを受け入れるようにサイズ調整されたナットキャップの一例は、図10に図示してある。レンチ受け入れ部1100は、ナットキャップ1000の外面ライニングに沿うどの部分にも配置可能である。このような部分により、当該安全装置を接続している物体から取り外すことなく、使用者は対応するナット(例えばナットキャップ1000に覆われている)をいつでも締めることができる。さらに、単体ナットキャップ1000は2つ以上のレンチ受け入れ部を備え、それぞれが異なるレンチを受け入れるように構成されることも想定される。
【0058】
ここに開示される本発明の他の要素または実施例のグループ分けは、制限として解釈されるべきものではない。各グループの要素は個々に引用、請求されるか、当該グループの内における他の要素や、ここにおける他の要素とのどのような組み合わせにおいても引用、請求可能である。グループにおける1つまたは複数の要素は、都合により、および/または特許性による理由によって、グループに含まれるか、グループから削除され得る。(グループに)含まれるか削除された場合、本明細書は変形されたグループを含むものとみなされ、添付の請求項で用いられるすべてのマーカッシュグループの記載を満たすものとする。
【0059】
ここにおける明細書や以下の請求項の中で用いられているように、「所定(a)」や「所定(an)」「前記(the)」などの意味は、文脈から明らかに間違いではない限り、複数のものを含むものとして解釈される。また、ここにおける明細書で用いられているように、「内部で(in)」は、文脈から明らかに間違いではない限り「内部で(in)」と「に接して(on)」を含むものとして解釈される。
【0060】
ここでの値の範囲の繰り返しは、当該範囲内におけるバラバラの値をそれぞれ指定するための簡単な方法としての機能を果たすものを単に意図している。ここで特に指定しない限り、個々の値は、それが個々に引用されるように、それぞれ明細書の中に組み込まれている。ここに述べられているすべての方法は、特に明示せずとも、または文脈から明らかに間違いではない限り、適当な順番で実行することができる。ここでの幾つかの実施形態に関わる全てのあらゆる例示、または例示的な用語(〜等(such as)、など)は、単に本発明をより明らかにすることを意図していて、特に請求されない限り本発明請求の範囲を制限するべきものではない。明細書におけるいかなる用語も本発明の実施に必須であって請求されていない要素を意味するものとして解釈されるべきではない。
【0061】
ここで、文脈からあきらかに間違いではない限り、「〜に接続」との用語は、直接的な接続(互いに接続している2つの要素が接触している)や間接的な接続(少なくとも1つの付加的な要素が当該2つの要素の間に位置している)の両方を含むものを意図している。したがって、「〜に接続(coupled to)」や「〜と接続(coupled with)」との用語は、同義語として用いられるものとする。
【0062】
当業者にとって、すでに述べたもの以外にも、ここにおける本発明の概念を逸脱することなくより多くの変形が可能であることは明らかである。したがって本発明主題は、添付の請求の範囲以外には制限されるべきではない。さらに、本明細書および請求項を解釈するにあたり、すべての用語は文脈と矛盾せずに、できるだけ広範囲に解釈されるべきである。特に、用語「備える(comprises)」と「備えている(comprising)」は、要素、部材、または段階を包括的な意味として指すものとして解釈されるべきであって、引用された要素、部材、または段階が提示されたり、利用されたり、または明示的に引用されていない他の要素、部材、または段階と組み合わせることも可能であることを示している。本明細書の請求項がA、B、Cからなるグループから選択される少なくとも1つを引用している場合に、当該文は、AとNまたはBとNなどではなく、当該グループより1つの要素のみを要求するものとして解釈されるべきである。
図1A
図1B
図2
図2B
図2C
図3
図4A
図4B
図5
図6
図7
図8
図9
図10