【課題を解決するための手段】
【0021】
本発明は、非常に小さい直径の送達カテーテルを介して送達されることが可能である、生来の管腔に対する管状のメッシュの支持構造を提供することによって、上記の目的を達成する。管状のメッシュは、細長いチューブに編み込まれた1つ以上の細いストランドで形成される。ストランドは、繊維、非繊維、多繊維、またはモノフィラメントであり得る。ストランドは形状記憶を帯び、その結果、細長いチューブが所望の折り返された形状に形成され、次に、非常に小さい直径の細長い構成に伸長され得る。小さい直径の細長い構成が非常に小さい直径の送達カテーテルを可能にする。
【0022】
配備の際に、細長いチューブは送達カテーテルからゆっくりと押し出され、細長いチューブは、折り返されて構築された構成を徐々に回復する。チューブは標的の脈管の内部の幾何形状に適合する。さらに、編み込みは脈管壁から解放され得る全ての塞栓を効果的に捕らえる。
【0023】
チューブが送達カテーテルから押され続けると、チューブは構築された構成を回復するので、チューブは自身の上に折り返り始める。チューブが自身の上に折り返ると、各層によって及ぼされる力は加算され、構造を増加的により強固にする。従って、強度の程度を変更することは、細長いデバイスの直径を変化させることなく達成され得る。
【0024】
この折り返されたチューブを使用して、送達カテーテルの中の細長い構成における弁または(フィルタのような)他の構造は、細長いチューブの中にはないが、配備の際には、チューブの中、上または下に配置され得るように、弁は取り付けられ得る。
例えば、本願発明は以下の項目を提供する。
(項目1)
ステントレス支持構造であって、
第1の構成と第2の構成とを有する管状構造を形成するために編み込まれた少なくとも1つのストランド
を備え、該第1の構成において、該管状構造は、
第1端および第2端と、
該第1端と該第2端との間の細長い本体と
を含み、該第2の構成において、該管状構造は、2つ以上の層を有する該本体の断面を作成する少なくとも1つの折り返しを含む、ステントレス支持構造。
(項目2)
前記少なくとも1つの折り返しは、前記第2の構成において、長手方向に前記本体を縮める、項目1に記載のステントレス支持構造。
(項目3)
前記管状構造は、前記第1の構成において単一の層を備えている、項目1に記載のステントレス支持構造。
(項目4)
前記管状構造は、前記第2の構成において複数の層を備えている、項目1に記載のステントレス支持構造。
(項目5)
前記第1の構成において、前記ステントレス支持構造は、20Frのカテーテルの管腔の中に収容されることが可能である、項目1に記載のステントレス支持構造。
(項目6)
前記第1端は、編み込まれていない端を備えている、項目1に記載のステントレス支持構造。
(項目7)
前記第2端は、折り返された端を備えている、項目1に記載のステントレス支持構造。
(項目8)
前記第1端は、複数の接続取り付け点を備えている、項目1に記載のステントレス支持構造。
(項目9)
前記第1端は、少なくとも1つの接続取り付け点を形成するように結合された複数の編み込まれていないストランドを備えている、項目1に記載のステントレス支持構造。
(項目10)
管状構造を形成するために共に編み込まれた前記複数のストランドは、第1の直径の複数のストランドと、該第1の直径よりも大きい第2の直径の少なくとも1つのファイバとを備えている、項目1に記載のステントレス支持構造。
(項目11)
前記第1端は、複数の接続取り付け点を有するワイヤフォームを備えている、項目1に記載のステントレス支持構造。
(項目12)
前記管状構造の内壁にライニングをさらに備えている、項目1に記載のステントレス支持構造。
(項目13)
前記第1層と前記第2層との間に挟まれたライニングをさらに備えている、項目4に記載のステントレス支持構造。
(項目14)
支持構造を移植する方法であって、
(a)カテーテルの内側における細長い状態の支持構造を、標的部位に経皮的に送達することと、
(b)該支持構造の第1の部分が該標的部位の生来の組織に対して拡張するように、該支持構造に対して該カテーテルを引き込むことと、
(c)第1の折り返しが該第1の部分と該第2の部分との間に作成されるように、該支持構造の第2の部分を該第1の部分の中に前進させることと、
(d)該第2の部分が該第1の部分の内側に対して拡張するまで、該第2の部分に対して該カテーテルを引き込み、それにより複数の層の支持構造を作成することと、
(e)さらなる層が所望される場合には、該ステップ(c)と該ステップ(d)とを繰り返すことと、
(f)該支持構造を解放し、該カテーテルを該標的部位から移動することと
を包含する、方法。
(項目15)
前記ステップ(b)は、前記支持構造の前記第1の部分が、前記標的部位の生来の組織に対して拡張するように、該支持構造に対して前記カテーテルを引き込むことを包含し、該第1の部分は遠位端と近位端とを含み、該遠位端はカフを含む、項目14に記載の方法。
(項目16)
前記ステップ(b)は、
前記カフが拡張し、前記標的部位の前記生来の組織に接触するまで、前記支持構造に対して前記カテーテルを引き込むことと、
該カフが生来の弁の遠位側に接触するまで、近位方向に向けて該カフを引くことと、
前記第1の部分の該近位側が拡張し、該標的部位の該生来の組織に接触するまで、該支持構造に対して該カテーテルを引き込むことと
を包含する、項目15に記載の方法。
(項目17)
標的部位の生来の組織を支持する方法であって、
該生来の組織を支持するために充分な構造的統合性を欠いている該標的部位に材料を導入することと、
インサイチュで該材料を使用して、支持構造を造ることと
を包含する、方法。
(項目18)
前記生来の組織を支持するために充分な構造的完全性を欠いている前記標的部位に材料を導入することは、編み込まれた細長いメッシュのチューブを導入することを包含する、項目17に記載の方法。
(項目19)
前記編み込まれた細長いメッシュのチューブを導入することは、超弾性および形状記憶からなる群から選択される材料の少なくとも1つのストランドの編み込まれた細長いメッシュのチューブを導入することを包含する、項目18に記載の方法。
(項目20)
前記超弾性および形状記憶からなる群から選択される材料の少なくとも1つのストランドの編み込まれた細長いメッシュのチューブを導入することは、折り返された構成に既に事前形成されている単一のニチノールのストランドの編み込まれた細長いメッシュのチューブを導入することを包含する、項目19に記載の方法。
(項目21)
前記インサイチュで前記材料を使用して、前記支持構造を造ることとは、前記生来の組織を支持するために充分な構造的完全性が獲得されるまで、自身の上に該材料を折り返すことを包含する、項目17に記載の方法。
(項目22)
前記生来の組織を支持するために充分な構造的完全性が獲得されるまで、自身の上に該材料を折り返すことは、
細長い形式で、該材料を含んでいる前記標的部位に送達カテーテルを導入することと、
第1の長さの該材料を露出させ、それにより該第1の長さの材料が拡張することを可能にすることと、
該第1の長さの内側に、第2の長さの該材料を前進させることと、
該第2の長さの該材料を露出させ、それにより該第2の長さが該第1の長さの内側面に対して拡張することを可能にすることと
を包含する、項目21に記載の方法。
(項目23)
前記第2の長さの内側に第3の長さの前記材料を前進させることと、
該第3の長さの該材料を露出させ、それにより該第3の長さが該第2の長さの内側面に対して拡張することを可能にすることと
をさらに包含する、項目22に記載の方法。
(項目24)
ステントレス支持構造であって、
第1の構成と第2の構成とを有する管状構造を形成するための編み込まれたストランド
を備え、該第1の構成において、該管状構造は、
第1端および第2端と、
該第1端と該第2端との間の細長い管状本体と
を含み、該第2の構成において、該管状構造は、
該本体を縮め、かつ、伸ばされた構成における該細長い本体の少なくとも2倍の数の層を有する該本体の断面を作成する、少なくとも1つの折り返しを含む、ステントレス支持構造。
(項目25)
支持構造を移植する方法であって、
(a)カテーテルの内側において細長い状態の支持構造を、標的部位に経皮的に送達することと、
(b)該支持構造の第1の部分が該カテーテルの外側に拡張するように、該支持構造に対して該カテーテルを引き込むことと、
(c)第1の折り返しが該第1の部分と該第2の部分との間に作成されるように、該第1の部分の中に該支持構造の第2の部分を前進させることと、
(d)該第2の部分が該第1の部分の内側に対して拡張するまで、該第2の部分に対して該カテーテルを引き込み、それにより複数の層の支持構造を作成することと、
(e)追加の層が所望される場合には、該ステップ(c)と該ステップ(d)とを繰り返すことと、
(f)該支持構造を解放し、該カテーテルを該標的部位から移動することと
を包含する、方法。
(項目26)
前記ステップ(b)は、前記支持構造の前記第1の部分が、前記標的部位の生来の組織に対して拡張するように、該支持構造に対して前記カテーテルを引き込むことを包含し、該第1の部分は遠位端と近位端とを含み、該遠位端はカフを含む、項目25に記載の方法。
(項目27)
前記ステップ(b)は、
前記カフが拡張し、前記標的部位の前記生来の組織に接触するまで、前記支持構造に対して前記カテーテルを引き込むことと、
該カフが生来のオリフィスの遠位側に接触するまで、近位方向に向けて該カフを引くことと、
前記第1の部分の該近位側が拡張し、該標的部位の該生来の組織に接触するまで、該支持構造に対して該カテーテルを引き込むことと
を包含する、項目26に記載の方法。
(項目28)
前記支持構造の前記第1の部分が、該カテーテルの外側に拡張するように、前記支持構造に対して前記カテーテルを引き込むことは、該支持構造の該第1の部分が、前記標的部位の生来の組織に対して該カテーテルの外側に拡張するように、該支持構造に対して該カテーテルを引き込むことを包含する、項目25に記載の方法。
(項目29)
前記ステップ(b)は、前記支持構造の前記第1の部分が、弁組織、血管組織、および心臓組織からなる群に属する生来の組織に対して拡張するように、該支持構造に対して前記カテーテルを引き込むことを包含する、項目25に記載の方法。