特許第6049992号(P6049992)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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特許6049992ガス・タービンに燃料を供給するためのシステムおよび方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6049992
(24)【登録日】2016年12月2日
(45)【発行日】2016年12月21日
(54)【発明の名称】ガス・タービンに燃料を供給するためのシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
   F02C 7/22 20060101AFI20161212BHJP
   F02C 9/40 20060101ALI20161212BHJP
   F02C 7/00 20060101ALI20161212BHJP
【FI】
   F02C7/22 B
   F02C7/22 D
   F02C9/40 B
   F02C7/00 A
【請求項の数】9
【外国語出願】
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2011-224424(P2011-224424)
(22)【出願日】2011年10月12日
(65)【公開番号】特開2012-87786(P2012-87786A)
(43)【公開日】2012年5月10日
【審査請求日】2014年10月9日
(31)【優先権主張番号】12/906,558
(32)【優先日】2010年10月18日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】390041542
【氏名又は名称】ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ
(74)【代理人】
【識別番号】100137545
【弁理士】
【氏名又は名称】荒川 聡志
(74)【代理人】
【識別番号】100105588
【弁理士】
【氏名又は名称】小倉 博
(74)【代理人】
【識別番号】100129779
【弁理士】
【氏名又は名称】黒川 俊久
(72)【発明者】
【氏名】ティモシー・ラッセル・ビルトン
(72)【発明者】
【氏名】ダニエル・マーティン・モス
(72)【発明者】
【氏名】コーリー・フレドリック・レンド
(72)【発明者】
【氏名】コリン・ウィルクス
【審査官】 橋本 敏行
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許第06901735(US,B2)
【文献】 国際公開第2007/046139(WO,A1)
【文献】 特公平02−025019(JP,B2)
【文献】 特開2007−291897(JP,A)
【文献】 特開2006−046132(JP,A)
【文献】 特開平09−236025(JP,A)
【文献】 米国特許第05899073(US,A)
【文献】 特開2006−233796(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2004/0031268(US,A1)
【文献】 特開2006−070703(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F02C1/00−9/58
F23R3/00−7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
燃料をガス・タービン(315)に供給するためのシステム(300)であって、
燃料を与えるように構成された少なくとも1つの流路と、
前記燃料に関連する1または複数のパラメータを決定するように構成された1または複数の検知装置(330、332、334)と、
前記少なくとも1つの流路から前記燃料を受け取って、前記燃料(325)の圧力を目的の圧力まで下げるように構成された圧力変更装置(305)と、
前記圧力変更装置(305)の下流に接続され、前記燃料から液体を除去するように構成された分離器(310)と、
前記分離器(310)を通過した燃料に熱を与える加熱装置(345)と、
(i)前記1または複数の検知装置から前記決定された1または複数のパラメータを受け取り、(ii)少なくとも部分的に前記1または複数のパラメータに基づいて、前記目的の圧力を計算し、(iii)前記目的の圧力を達成するように前記圧力変更装置の動作を導く、ように構成された少なくとも1つの制御器(320)と、を備え
前記1または複数の検知装置はガス・クロマトグラフ(334)を含む、
システム。
【請求項2】
燃料をガス・タービン(315)に供給するためのシステム(300)であって、
燃料を与えるように構成された少なくとも1つの流路と、
前記燃料に関連する1または複数のパラメータを決定するように構成された1または複数の検知装置(330、332、334)と、
前記少なくとも1つの流路から前記燃料を受け取って、前記燃料(325)の圧力を目的の圧力まで下げるように構成された圧力変更装置(305)と、
前記圧力変更装置(305)の下流に接続され、前記燃料から液体を除去するように構成された分離器(310)と、
前記分離器(310)を通過した燃料に熱を与える加熱装置(345)と、
(i)前記1または複数の検知装置から前記決定された1または複数のパラメータを受け取り、(ii)少なくとも部分的に前記1または複数のパラメータに基づいて、前記目的の圧力を計算し、(iii)前記目的の圧力を達成するように前記圧力変更装置の動作を導く、ように構成された少なくとも1つの制御器(320)と、を備え、
前記決定された1または複数のパラメータは前記燃料の組成を含み、
前記少なくとも1つの制御器(320)は、前記目的の圧力の計算を、
少なくとも部分的に前記組成に基づいて、前記燃料に対する炭化水素露点分析の計算を導くことと、
少なくとも部分的に前記炭化水素露点分析に基づいて、前記燃料に関連する膨張経路に沿っての前記燃料に対する凝縮物濃度対圧力比を特定することと、
少なくとも部分的に、前記計算された凝縮物濃度対圧力比に基づいて、前記目的の圧力を計算することと、によって行なうように構成されている請求項1乃至3のいずれかに記載のシステム(300)。
【請求項3】
前記加熱装置(345)の下流に接続され、燃料流れを制御する制御バルブ(350)を備え、
前記少なくとも1つの制御器(320)はさらに、前記炭化水素露点分析を計算するためのモデリング・コンポーネントを呼び出すように構成されている請求項に記載のシステム(300)。
【請求項4】
前記少なくとも1つの制御器(320)はさらに、前記目的の圧力の計算を、
前記計算された凝縮物濃度(500)対圧力比に対する最小二乗適合を伝達関数を用いて特定することと、
前記目的の圧力を、少なくとも部分的に、前記伝達関数を微分することに基づいて計算することと、によって行なうように構成されている請求項に記載のシステム(300)。
【請求項5】
前記伝達関数は、伝達関数C=K1+(K2*P)+(K3*P2)+(K4/P)を含み、Cは前記炭化水素凝縮物濃度であり、Pは前記燃料の圧力であり、K1、K2、K3、およびK4は最小二乗適合係数である請求項に記載のシステム(300)。
【請求項6】
前記1または複数の検知装置は、(i)圧力センサ(330)、(ii)温度センサ(332)、または(iii)燃料組成分析装置のうちの少なくとも1つを備える請求項1乃至5のいずれかに記載のシステム(300)。
【請求項7】
前記圧力変更装置(305)は、(i)ジュール・トムソン・バルブまたは(ii)可変オリフィスの少なくとも一方を含んでいる請求項1乃至のいずれかに記載のシステム(300)。
【請求項8】
前記少なくとも1つの制御器(320)は、前記圧力変更装置(305)の動作の制御を、
前記圧力変更装置(305)の下流で前記燃料の圧力をモニタすることと、
前記モニタされた圧力を前記目的の圧力と比較することと、
前記圧力変更装置(305)の動作を、少なくとも部分的に前記比較に基づいて、制御することと、によって行なうように構成されている請求項1乃至のいずれかに記載のシステム(300)。
【請求項9】
前記分離器(310)は、(i)合体フィルタ、(ii)慣性分離器、(iii)ミスト分離器、または(iv)吸収剤オイルを有する吸収塔のうちの少なくとも1つを含む請求項1乃至のいずれかに記載のシステム(300)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は一般的に、ガス・タービンに関し、より具体的には、ガス・タービン燃料システムに関する。
【背景技術】
【0002】
ガス・タービンは、種々の商業運転(たとえば発電運転)において、広く用いられている。ガス・タービンは一般的に、圧縮機、1または複数の燃焼器、およびタービン部品を備えている。通常、圧縮機は、作動流体を漸次的に圧縮して、圧縮された作動流体を燃焼器へ放出する。燃焼器は、圧縮された作動流体の流れの中に燃料を噴射し、混合気に点火して、比較的高い温度、圧力、および速度を有する燃焼ガスを発生させる。燃焼ガスは燃焼器を出て、タービン部品まで流れ、そこで膨張して仕事を発生させる。仕事は、電力に変換される場合がある。
【0003】
凝縮された燃料ガスの中で液体が形成されると、燃焼器内で深刻な有害な影響が発生し、その結果、ハードウェア損傷につながる場合がある。したがって、従来の燃料供給器では通常、燃料の含水量を減らすために比較的厳密な制御を行なっている。しかし、このような従来の燃料供給では通常、燃焼器に与えられる燃料には本質的に液体が無いことを確実にするためのさらなる処理部品が必要である。
【0004】
図1に、ガス・タービン12に燃料を供給するための従来の燃料システム10の略図を示す。燃料システム10は一般的に、圧力が約400〜700ポンド/平方インチの燃料供給14を備えている。ある特定の圧力において、燃料は、湿り飽和の場合もあるし(wet saturated fuel:炭化水素露点未満を下回る温度を有するとして規定される)、乾き飽和の場合もあるし(dry saturated fuel:炭化水素露点と等しい温度を有するとして規定される)、または過熱の場合もある(炭化水素露点を上回る温度を有するとして規定される)。燃料は分離器16を通って流れ、分離器16は燃料から任意の凝縮流体(たとえば、水、凝縮炭化水素など)を除去する。流量制御バルブ18によって、ガス・タービン12の燃焼器までの燃料流れのスロットルを絞る。燃料は流量制御バルブ18を通って膨張するため、ジュール・トムソン効果によって燃料の温度が下がる。燃料の膨張によって、燃料温度が炭化水素露点を下回る結果、凝縮物が形成される場合がある。燃料温度が炭化水素露点未満まで下がるのを防ぐために、従来の燃料システム10では通常、1または複数の熱交換器20、22を流量制御バルブ18の上流に備えている。熱交換器20、22は、燃料に熱を加えて燃料を過熱して、燃料温度が膨張の間に常に炭化水素露点よりも上に留まることを確実にする。
【0005】
図2に、燃料が図1の従来の燃料システム10を通って移動するときの燃料の温度および圧力変化のグラフ表示を示す。説明の目的上、図2に、燃料システムに入る燃料を過熱燃料として例示し、点Aで示す。熱交換器20、22は、燃料を加熱して燃料温度を点Bまで増加させる。燃料が流量制御バルブ18を通って膨張すると、ジュール・トムソン効果によって、燃料の温度は点Bから点Cまで下がる。特に、点Bから点Cまでのガス膨張経路は、常に炭化水素露点よりも上に留まっているため、燃料の凝縮が防止される。点Aと点Bとの間の距離は、燃料温度が常に炭化水素露点よりも上に留まって凝縮が防止されることを確実にするために熱交換器20、22が与える過熱の量を表わす。
【0006】
従来の燃料システム内部では、すべての段階の運転中に適切な熱源が利用可能であることを確実にするために、通常、複数の熱交換器が必要である。たとえば、通常運転中は、ガス・タービン12から必要な熱が供給される場合がある。圧縮機から出る高温の圧縮作動流体またはタービンから出る高温排気ガスを取り出して、1つの熱交換器22に供給し、燃料を適切に過熱する場合がある。しかし、始動運転中は、熱はガス・タービン12からは容易に利用可能ではなく、そのため、独立した熱源24を伴う第2の熱交換器20が必要となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】米国特許第7,055,395号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
始動運転中に熱を供給する独立した熱源を伴う第2の熱交換器が必要であるために、ガス・タービン・システムを建設する際にさらなる資本コストが必要となる。加えて、第2の熱交換器では通常、加熱コイル、間接加熱炉、熱ポンプ、または同様の熱供給装置を用いており、これらは、通常は供給不足状態にある始動中に付加的な電力または燃料を消費する。また、燃料を過熱するために第2の熱交換器が消費する電力によって、ガス・タービン・プラントの全体効率が下がる。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述の必要性および/または問題の一部または全部に、本発明の特定の実施形態によって対処できる場合がある。本発明の実施形態には、ガス・タービンに燃料を供給するためのシステムおよび方法が含まれていても良い。本発明の一実施形態によれば、燃料をガス・タービンに供給するためのシステムが開示される。システムは、燃料を与えるように構成された少なくとも1つの流路と、燃料に関連する1または複数のパラメータを決定するように構成された1または複数の検知装置(330、332、334)と、少なくとも1つの流路から燃料を受け取って、燃料の圧力を目的の圧力まで下げるように構成された圧力変更装置と、圧力変更装置の下流に接続され、燃料から液体を除去するように構成された分離器と、を備えていても良い。加えて、システムは、(i)1または複数の検知装置から決定された1または複数のパラメータを受け取り、(ii)少なくとも部分的に1または複数のパラメータに基づいて、目的の圧力を計算し、(iii)目的の圧力を達成するように圧力変更装置の動作を導く、ように構成された少なくとも1つの制御器を備えていても良い。
【0010】
本発明の別の実施形態によれば、ガス・タービンに燃料を供給するための方法が開示される。燃料を受け取っても良く、また受け取った燃料に関連する1または複数のパラメータを決定しても良い。少なくとも部分的に、決定した1または複数のパラメータに基づいて、分離器を用いて燃料から1または複数種の液体を除去するための目的の圧力を計算しても良い。そして圧力変更装置の動作を制御して、目的の圧力を達成しても良い。ある実施形態においては、方法の動作を1または複数のコンピュータを備える制御器によって行なっても良い。
【0011】
本発明のさらに別の実施形態によれば、ガス・タービンに燃料を供給するための方法が開示される。燃料を受け取っても良く、また受け取った燃料の組成を決定しても良い。少なくとも部分的に組成に基づいて、燃料に関連する膨張経路に沿って燃料に対する凝縮物濃度対圧力比を決定しても良い。少なくとも部分的に、計算した凝縮物濃度対圧力比に基づいて、分離器を用いて燃料から1または複数種の液体を除去するための目的の圧力を計算しても良い。そして圧力変更装置の動作を制御して、目的の圧力を達成しても良い。ある実施形態においては、方法の動作を1または複数のコンピュータを備える制御器によって行なっても良い。
【0012】
さらなるシステム、方法、装置、特徴、および態様が、本発明の種々の実施形態の技術を通して実現される。本発明の他の実施形態および態様が、本明細書において詳細に説明されるとともに、請求に係る発明の一部であると考えられる。他の実施形態および態様について、説明および図面を参照して理解することができる。
【0013】
以上、本発明を概略的に説明したが、次に添付図面に言及する。図面は必ずしも一定の比率では描かれていない。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】ガス・タービンに燃料を与える従来のシステム例のブロック図である。
図2図1において供給される燃料の圧力および温度のグラフ表示である。
図3】本発明の例示的な実施形態によりガス・タービンに燃料を供給するために用いても良いシステム例のブロック図である。
図4】本発明の種々の実施形態により燃料システムが供給しても良い燃料の圧力および温度のグラフ表示である。
図5】本発明の例示的な実施形態による燃料の凝縮物濃度対圧力比の例のグラフ表示である。
図6】本発明の例示的な実施形態によりガス・タービンに燃料を供給するための方法例のフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の例示的な実施形態について、添付図面を参照してより十分に説明する。図面では、本発明の実施形態の一部のみを示し全部ではない。実際には、本発明は、多くの異なる形態で具体化しても良く、本明細書で述べる実施形態に限定されると解釈してはならない。むしろ、これらの実施形態は、適用される法的要件を本開示が満足するように与えられている。全体を通して、同様の番号は同様の要素を指す。
【0016】
ガス・タービンに燃料を供給するためのシステムおよび方法について開示する。本発明の実施形態例によれば、燃料供給を受け取っても良く、また燃料に関連する特徴および/またはパラメータを決定しても良い。たとえば、燃料の組成を、ガス・クロマトグラフまたは他の好適な装置を用いて決定しても良い。別の例として、燃料の圧力および/または温度を測定しても良い。燃料の特徴および/またはパラメータに基づいて、燃料から液体および/または凝縮物を除去するための目的の圧力を決定しても良い。そして圧力変更装置(たとえば1または複数のバルブおよび/または可変オリフィス)の動作を制御して、燃料に対する目的の圧力を達成しても良い。必要に応じて、燃料の圧力を圧力変更装置の下流でモニタしても良く、またモニタリングを用いて圧力変更装置の動作を調整しても良い。いったん目的の圧力が達成されたら、燃料を分離器に通しても良い。分離器は、たとえば、合体フィルタ、慣性分離器、ミスト分離器、吸収塔、ならびに/または燃料から液体および/もしくは凝縮物を除去するように構成された他の別の好適な構造を備える分離器である。そして燃料をタービン部品(たとえば、ガス・タービンの燃焼器部分)に与えても良い。
【0017】
ある実施形態においては、燃料の組成を用いて、燃料に対する炭化水素露点分析を決定するか、計算するか、遂行するか、または行なっても良い。炭化水素露点分析は、燃料内の凝縮物が気体状態から液体状態に変わり始める1または複数の点(たとえば圧力および温度点)を示しても良い。少なくとも部分的に炭化水素露点分析に基づいて、燃料に対する凝縮物濃度対圧力比を特定しても良い。たとえば、露点分析を用いて、燃料に対する膨張係数を特定しても良い。そして膨張係数を用いて、燃料内の凝縮物濃度を、燃料のジュール・トムソン膨張線(すなわち、燃料に対する圧力と温度との間の対応関係を示す線)に沿って決定、計算、または推定しても良い。そして燃料から液体および/または凝縮物を除去するための目的のまたは最適の圧力を、少なくとも部分的に凝縮物濃度対圧力比に基づいて、決定しても良い。たとえば、凝縮物濃度対圧力比に対する最小二乗適合を好適な伝達関数を用いて特定しても良く、また伝達関数を微分して目的の圧力を特定しても良い。
【0018】
本発明の種々の実施形態は、ガス・タービンへの燃料供給を容易にする1または複数の特殊用途コンピュータ、システム、および/または特定のマシンを含んでいても良い。特殊用途コンピュータまたは特定のマシンは、種々の実施形態において必要に応じて、広範囲の異なるソフトウェア・モジュールおよび/またはアプリケーションを備えていても良い。以下でより詳細に説明するように、ある実施形態において、これらの種々のソフトウェア部品を用いて、燃料をガス・タービンに与える前に分離器を用いて燃料から液体および/または凝縮物を除去するための目的の圧力を特定しても良い。
【0019】
本明細書で説明した本発明のある実施形態は、燃料をガス・タービンに与える前に燃料から液体および/または凝縮物を除去するための目的の圧力を特定する技術的効果を有していても良い。これに関連して、ガス・タービンに燃料を供給することを制御しても良く、また燃料中の液体および/または凝縮物に起因するタービン部品に対する損傷を低減および/または回避しても良い。さらに加えて、燃料供給システムに対して必要な加熱装置および/または熱交換器の数が少なくなる場合があるため、ハードウェア・コスト削減が達成される場合があり、またプラント効率が向上する場合がある。
【0020】
図3は、本発明の例示的な実施形態により、ガス・タービンに燃料を供給するために用いても良い1つのシステム例300のブロック図である。図3に例示した燃料供給システム300は、少なくとも、燃料供給の圧力を減らすかまたは他の方法で調整して目的の圧力にするように構成された圧力変更装置305と、燃料がタービン部品315(たとえばガス・タービンに付随する1または複数の燃焼器)に供給される前に、燃料から液体および/または凝縮物を除去するように構成された分離器310と、を備えていても良い。さらに加えて、燃料供給システム300は、1または複数の好適な制御ユニット320であって、燃料供給システム300をモニタし、燃料から液体および/もしくは凝縮物を除去するための目的の圧力を決定し、ならびに/または圧力変更装置305の動作を導くように構成された制御ユニット320を備えていても良い。
【0021】
続いて図3を参照して、燃料供給325を与えても良い。たとえば、燃料供給325は、燃料源から図3の燃料供給システム300へ燃料供給を移すように構成された好適な配管および/または流路を含んでいても良い。燃料供給は、ガス・タービン内での燃焼に適した任意の燃料であっても良い。たとえば高炉ガス、コークス炉ガス、天然ガス、気化させた液化天然ガス(「LNG」)、プロパンなどである。本発明の種々の実施形態において、温度、圧力、および/または燃料の組成は変わっても良い。たとえば、燃料は、広範囲の異なる成分(たとえば種々の不純物)を含んでいても良い。さらに加えて、種々の実施形態において、燃料を、湿り飽和燃料(すなわち、炭化水素露点未満を下回る温度を有する)として、乾き飽和燃料(すなわち、炭化水素露点に等しい温度を有する)として、または過熱燃料(すなわち、炭化水素露点を上回る温度を有する)として、送出しても良い。
【0022】
圧力変更装置305を燃料供給325の下流に接続しても良い。圧力変更装置305は、供給燃料の圧力の低減および/または他の操作を容易にする任意の数の構成部品および/または装置を含んでいても良い。たとえば、圧力変更装置305は、1または複数のジュール・トムソン・バルブ、減圧弁、スロットル・バルブ、可変オリフィス、または任意のバルブであって、ガスがそこを通って断熱的に膨張することができるバルブを備えていても良い。断熱膨張する結果、ジュール・トムソン効果によってガスの温度は下がる。必要に応じて、1または複数のバイパス・バルブを圧力変更装置305とともに用いて、最大動作フロー範囲を必要に応じて広げても良い。動作時には、燃料が圧力変更装置305まで好適な配管および/または流路を介して流れ、また圧力変更装置305によって、燃料の圧力が、燃料から液体および/または凝縮物を除去することが容易になる目的の圧力まで下がる。ある実施形態においては、圧力変更装置305の動作を、制御ユニット320によって制御しおよび/または導く。たとえば、以下でより詳しく説明するように、制御ユニット320は、目的の圧力を決定して、好適な圧力制御バルブまたは他の圧力変更装置305の位置出しまたは他の動作を目的の圧力が達成されるように導いても良い。本発明の態様によれば、目的の圧力は、分離器310を用いて燃料から液体および/または凝縮物を効率的および/または最大に除去することが容易になる圧力であっても良い。
【0023】
典型的な応用例では、供給燃料の圧力は、約400(400)〜約700(700)ポンド/平方インチ(「psi」)の範囲であっても良い。したがって、燃料の圧力を通常、目的の圧力を達成するために低減する。しかし、ある実施形態においては、受け取った燃料の圧力は目的の圧力を下回っている場合がある。したがって、本発明の種々の実施形態により、必要に応じて、燃料の圧力を増加させて目的の圧力にすることを容易にする任意の数の圧縮機および/または他の装置を用いても良い。
【0024】
本発明の態様によれば、燃料に関連する1または複数の特徴および/またはパラメータを測定し、特定し、および/または他の方法で決定することを、燃料を圧力変更装置305に供給する前に行なっても良い。広範囲の特徴および/またはパラメータを、本発明の種々の実施形態において必要に応じて決定しても良い。たとえば燃料の圧力、燃料の温度、および/または燃料の組成である。図3を参照して、任意の数のセンサ、検知装置、および/または測定装置を設けても良い。センサは、燃料に関連する種々のパラメータを測定しおよび/または燃料の組成を分析するように構成しても良い。たとえば、好適な圧力センサ330または圧力伝送器を設けて燃料の圧力を測定しても良く、また好適な温度センサ332または温度伝送器を設けて燃料の温度を測定しても良い。別の例として、好適なガス組成決定装置(たとえばガス・クロマトグラフ334)を設けても良い。ガス・クロマトグラフ334は、燃料のサンプルを採取し、サンプルを分析して、燃料の組成を特定しても良い。言い換えれば、ガス・クロマトグラフ334は、燃料の種々の成分を特定する分析を遂行しても良い。検知装置330、332、334によって取られた測定データおよび/または行なわれた計算を制御ユニット320に送り、制御ユニット320が使用して、燃料から液体および/または凝縮物を除去するための目的の圧力を決定しても良い。
【0025】
さらに加えて、ある実施形態においては、燃料の種々のパラメータおよび/または特徴を、システム300内の他の点で測定しても良く、たとえば圧力変更装置305の下流および/または分離器310の下流である。制御ユニット320は、これらの測定値のうちの少なくとも一部を受け取り、測定データを用いて圧力変更装置305の動作を動的に調整して、燃料をタービン部品315に与えても良いか否かを判定し、および/または燃料をタービン部品315に与える前に加熱すべきか否かを判定しても良い。図3に示すように、圧力変更装置305の下流において、好適な圧力センサ336および/または温度センサ338を設けて、燃料の圧力および/または温度を測定するために用いても良い。同様に、分離器310の下流において、好適な圧力センサ340および/または温度センサ342を設けて、燃料の圧力および/または温度を測定するために用いても良い。
【0026】
続いて図3を参照して、分離器310を、燃料が圧力変更装置305を通過した後に燃料中に存在する液体および/または凝縮物を除去するように構成しても良い。たとえば、分離器310を、湿り飽和または乾き飽和燃料中に存在する液体および/または凝縮物を除去するように構成しても良い。広範囲の異なるタイプの分離器310を、本発明の種々の実施形態において必要に応じて用いても良い。ある実施形態においては、分離器310は、合体フィルタ、慣性分離器、ミスト分離器、および/または気体と液体との物理的な分離を容易にする他の構成部品を含んでいても良い。他の実施形態においては、分離器310は、燃料ストリームから液体燃料および/または水分を除去する吸収剤オイルを有する吸収塔を含んでいても良い。分離器310は、液体および/または凝縮物を好適な液体ポートを通して放出して、再生利用または燃料システムでのさらなる使用に備えても良い。本発明の態様によれば、気体燃料は分離器310から外へ、乾き飽和燃料(すなわち、炭化水素露点における)として、または過熱燃料(すなわち、炭化水素露点を上回る)として流れる。
【0027】
本発明のある実施形態においては、1または複数の加熱装置345(たとえば1または複数の熱交換器)を任意的に、分離器310の下流に設けても良い。もしあれば、加熱装置345は、燃料が分離器310を通過した後に燃料に熱を与えても良い。これに関連して、加熱装置345によって、燃料がタービン部品315に与えられる前に燃料が過熱されること(すなわち、炭化水素露点を上回る温度に)が確実になっても良い。圧力変更装置305を通って膨張した後の燃料の温度は比較的低いため、加熱装置345で通常、燃料の温度を炭化水素露点を上回る値まで増加させる高温熱源は必要ではない。好適な加熱装置345の一例は、熱交換器であって、地熱熱源、補助ボイラからの蒸気、および/または別の好適な熱源を用いる熱交換器である。
【0028】
本発明のある実施形態において必要に応じて、1または複数の制御バルブ350または燃料流れを制御する他の好適な装置を、分離器310およびもしあれば加熱装置345の下流に接続しても良い。制御バルブ350は、ガス・タービン部品315への燃料の流れを制御しても良い。広範囲の好適な制御バルブ350を必要に応じて用いても良い。たとえば、ジュール・トムソン・バルブ、スロットル・バルブ、可変オリフィス、または流体流れを調整するための当業者に知られている同様の装置である。さらに加えて、制御バルブ350は、本発明の種々の実施形態において必要に応じて、広範囲の技術を用いて燃料の圧力を変更および/または制御しても良い。たとえば、ガス・タービンの始動中に、制御バルブ350によって、燃料の圧力をさらに約25〜50ポンド/平方インチ(ガス・タービンの始動時要求による)まで下げても良い。燃料圧力を、ガス・タービンへの負荷の印加とともに徐々に増加させても良く、また制御バルブを相応に調整しても良い。ある時点で、ガス・タービンの運転を、圧縮機から高温の圧縮作動流体を取り出すかまたはタービンから高温の排気ガスを取り出して燃料にさらなる過熱を与えるのに十分なレベルで行なっても良い。
【0029】
続いて図3を参照して、燃料供給システム300は、1または複数の制御ユニット320または制御装置を備えていても良い。本開示の目的上、単一の制御ユニット320について説明する。ある実施形態においては、制御ユニット320は、発電プラントおよび/または発電システムに付随する中央制御器の構成部品であっても良い。好適な制御器のいくつかの例は、ゼネラル・エレクトリック・カンパニの製造によるマーク(Mark)(商標)VI制御システムおよびマーク(商標)VIe制御システムである。本発明の態様によれば、制御ユニット320は、ガス・タービンへの燃料供給を制御するように構成しても良い。必要に応じて、制御ユニット320は、システム300の他の構成部品の動作を制御しても良い。たとえば、制御ユニット320は、測定値および/または計算値を、任意の数のセンサ330、332、334、336、338、340、342から受け取っても良い。制御ユニット320は、受け取った測定データを処理しても良く、また必要に応じて、測定データを1または複数のさらなるシステムおよび/またはモデルに与えても良い。測定データの分析および/または1または複数のさらなるシステムの出力に基づいて、制御ユニット320は、燃料から液体および/または凝縮物を除去するための目的の圧力を決定または計算しても良い。少なくとも部分的に、計算した目的の圧力に基づいて、制御ユニット320は、圧力変更装置305、ヒーター345、および/または制御バルブ350の動作を制御しても良い。必要に応じて、システム300の種々の構成部品の制御を、複数の制御ユニット間で分配しても良い。
【0030】
制御ユニット320は、任意の数の好適なプロセッサ駆動の装置を備えていても良い。たとえば、制御ユニット320は、任意の数の特殊用途コンピュータまたは特定のマシン、特定用途向け回路、プログラマブル論理回路制御器(「PLC」)、マイクロ制御器、パーソナル・コンピュータ、ミニコンピュータ、メインフレーム・コンピュータ、スーパーコンピュータなどを備えていても良い。ある実施形態においては、制御ユニット320の動作を、制御ユニット320に付随する1または複数のプロセッサが実行するコンピュータ実行またはコンピュータ実施の命令によって制御しても良い。命令は、本発明の種々の実施形態において必要に応じて1または複数のソフトウェア部品において具体化しても良い。命令を実行することによって、1または複数のガス・タービン部品315への燃料供給を制御するように動作する特殊用途コンピュータまたは他の特定のマシンが形成されても良い。制御ユニット320の動作を制御する1もしくは複数のプロセッサを、制御ユニット320に取り入れても良く、および/または1もしくは複数の好適なネットワークを介して制御ユニット320と通信状態にしても良い。
【0031】
制御ユニット320は、1もしくは複数のプロセッサ352、1もしくは複数のメモリ装置354、1もしくは複数の入力/出力(「I/O」)インターフェース356、および/または1もしくは複数のネットワーク・インターフェース装置358を備えていても良い。1または複数のメモリ装置354は、任意の好適なメモリ装置、たとえば、キャッシュ、読み出し専用メモリ装置、ランダム・アクセス・メモリ装置、磁気記憶装置などであっても良い。1または複数のメモリ装置354は、データ、実行可能命令、および/または制御ユニット320が用いる種々のプログラム・モジュールを記憶していても良い。たとえば、システム300のガス・タービンおよび/または他の構成部品の動作に関連するデータ・ファイル360、オペレーティング・システム(「OS」)362、圧力制御モジュール364、および1または複数の燃料モデル366である。データ・ファイル360には、ガス・タービンの動作および/またはガス・タービンへの燃料供給に関連する任意の好適なデータが含まれていても良い。たとえばセンサから受け取る種々の測定データ、燃料に対して計算または特定された組成データ、燃料に対する凝縮物濃度対圧力比情報、燃料に対する露点分析情報などである。OS362には、制御ユニット320の一般的な動作を促進および/または制御する実行可能命令および/またはプログラム・モジュールが含まれていても良い。たとえば、OS362は、プロセッサ352による他のソフトウェア・プログラムおよび/またはプログラム・モジュール(たとえば圧力制御モジュール364および/または燃料モデル366)の実行を容易にしても良い。
【0032】
圧力制御モジュール364または圧力制御アプリケーションは、燃料から液体および/または凝縮物を除去するための目的の圧力の決定を容易にする好適なソフトウェア・モジュールであっても良い。動作時に、圧力制御モジュール364は、システム300に供給される燃料の種々のパラメータの決定または特定を、たとえば、測定データおよび/または燃料組成データを圧力センサ330、温度センサ332、およびクロマトグラフ334から得ることによって行なっても良い。そして圧力制御モジュール364が、目的の圧力を、少なくとも部分的に、受け取ったパラメータに基づいて計算しても良い。
【0033】
広範囲の好適な技術を必要に応じて用いて、目的の圧力を計算しても良い。たとえば、燃料の組成を用いて、燃料の炭化水素露点分析を決定するか、計算するか、遂行するか、または行なって、および/または燃料に対する炭化水素露点曲線を作成しても良い。ある実施形態においては、圧力制御モジュール364は、1または複数のモデリング・システムおよび/またはモデリング・アプリケーションを呼び出して、炭化水素露点分析を遂行しても良い。たとえば、圧力制御モジュール364は、1または複数の制御ユニット320によって実行される1または複数の燃料モデル366を呼び出しても良い。別の例として、圧力制御モジュール364は、1または複数のモデルとして、制御ユニット320と1または複数の好適なネットワーク375を介して通信状態にある1または複数の外部システムまたは装置370上に記憶されおよび/またはこれらによって実行されるモデルを呼び出しても良い。広範囲の好適なモデリング・ソフトウェアおよび/またはモデリング・プログラムを用いて、露点分析を遂行しても良い。たとえば、アスペン・テクノロジー社(AspenTechnology,Inc)から販売される製品であるアスペン・ハイシス(AspenHYSIS)である。ある実施形態においては、モデリング・プログラムは、燃料組成情報を受け取り、組成情報を用いて燃料に対する露点分析を遂行しても良い。露点分析の結果、ジュール・トムソン係数またはガス膨張係数を計算または決定しても良い。
【0034】
いったん炭化水素露点分析が遂行され、および/またはジュール・トムソン係数が特定されたら、圧力制御モジュール364は、炭化水素露点分析の結果および/またはジュール・トムソン係数を用いて目的の圧力を計算しても良い。たとえば、ある実施形態においては、ジュール・トムソン係数を用いて、燃料に対する凝縮物濃度を種々の温度(たとえば燃料に対する燃料膨張線に沿った温度)において、計算または決定しても良い。いったん濃縮物濃度分析が行なわれたら、凝縮物濃度分析を用いて目的の圧力を計算しても良い。一実施形態例においては、目的の圧力は、比較的に高い凝縮物濃度かまたは最大の凝縮物濃度をもたらす圧力であっても良い。これに関連して、液体および/または凝縮物を除去することによって燃料に過熱を加えても良い。広範囲の技術および/または計算を用いて、目的の圧力を、少なくとも部分的に凝縮物濃度分析に基づいて決定しても良い。たとえば、好適な伝達関数および最小二乗適合解析を凝縮物濃度対圧力比データに適用しても良く、また目的の圧力を、伝達関数を微分して圧力について解くことによって計算しても良い。
【0035】
いったん目的の圧力が決定されたら、圧力制御モジュール364は、燃料流れ内で目的の圧力を達成するように圧力変更装置305の動作を導くかまたは制御しても良い。たとえば、圧力制御モジュール364は、目的の圧力を達成するために、1または複数の圧力バルブおよび/または可変オリフィスの位置出しおよび/または作動を制御しても良い。ある実施形態においては、圧力制御モジュール364は、圧力変更装置305の下流の燃料流れに関連する圧力および/または温度測定データを受け取っても良く、また圧力制御モジュール364は、測定データを評価して、圧力変更装置305の動作を動的に調整し、目的の圧力を達成しても良い。一例として、圧力変更装置305の下流にある圧力センサ336および/または温度センサ338から受け取った測定値を評価して、目的の過熱条件が満足されたか否かを判定しても良く、また必要に応じて、圧力変更装置305の動作を評価に基づいて変更しても良い。
【0036】
さらに加えて、ある実施形態においては、圧力制御モジュール364は、分離器310の下流にある燃料流れに関連する圧力および/または温度測定データを受け取っても良く、また圧力制御モジュール364は、測定データを評価して、さらなる過熱を燃料に加えるべきか否かを判定しても良い。一例として、分離器310の下流にある圧力センサ340および/または、温度センサ342から受け取った測定値を評価して、目的の過熱条件が満足されたか否かを判定しても良く、また必要に応じて、圧力制御モジュール364は、加熱装置345を、燃料をガス・タービンに与える前に燃料を加熱するように導いても良い。圧力制御モジュール364が行なっても良い動作の一例について、図6を参照して以下により詳しく述べる。
【0037】
続いて図3を参照して、ネットワーク・インターフェース装置358は、制御ユニット320の任意の数の好適なネットワークへの接続を容易にしても良い。たとえばローカル・エリア・ネットワーク、ワイド・エリア・ネットワーク、インターネット、無線周波数(「RF」)ネットワーク、ブルートゥース(商標)が有効なネットワーク(商標はブルートゥース・シグ社(BLUETOOTHSIG,INC.)所有)、任意の好適な有線ネットワーク、任意の好適な無線ネットワーク、または有線および無線ネットワークの任意の好適な組み合わせである。これに関連して、制御ユニット320は、システム300の他の構成部品と、および/または外部装置またはシステムと、通信しても良い。I/Oインターフェース356は、制御ユニット320と1または複数の入出力装置との間の通信を容易にしても良い。たとえば、1または複数のユーザ・インターフェース装置、たとえばディスプレイ、キーパッド、コントロール・パネル、タッチ・スクリーン・ディスプレイ、リモート・コントロール、マイクロフォンなどの、制御ユニット320とのユーザのやり取りを容易にするものである。
【0038】
必要に応じて、本発明の実施形態は、図3に例示したものよりも構成部品が多いかまたは少ないシステム300を含んでいても良い。図3のシステム300は、単に一例として与えている。
【0039】
図4は、本発明の種々の実施形態により燃料システムが供給しても良い燃料の圧力および温度のグラフ表示400である。たとえば、図4は、図3の燃料システム300が供給しても良い燃料の表現400である。燃料システム300に入る燃料は、湿り飽和燃料である(すなわち、炭化水素露点を下回る)か、乾き飽和燃料である(すなわち、炭化水素露点である)か、または過熱燃料である(すなわち、炭化水素露点を上回る)。説明の目的上、図4では、燃料システム300に入る燃料を過熱燃料として例示し、点1(1)で示す。
【0040】
本発明の態様によれば、燃料から液体および/または凝縮物を除去するための目的の圧力が計算されている。圧力変更装置305は、燃料供給を受け取って、燃料の圧力および温度を、燃料が目的の圧力(点Poptとして例示する)に達するまで下げる。図4では、圧力変更装置305を出る燃料を湿り飽和燃料であるとして例示する。次に燃料は分離器310を通過して、燃料から液体および/または凝縮物が除去されても良い。これに関連して、燃料の炭化水素露点曲線は、初期露点曲線から分離後の露点曲線に移動する場合がある。したがって、分離器310から流れ出る気体燃料は、乾き飽和(すなわち、炭化水素露点である)燃料であっても良いし、または過熱(すなわち、炭化水素露点を上回る)燃料であっても良い。説明の目的上、図4では、分離器310を出る燃料を乾き飽和燃料として例示し、新しい炭化水素露点に対する破線曲線上の点Poptとして示す。
【0041】
次に燃料は制御バルブ350を通って流れて、気体燃料の温度および圧力がさらに下がり(線Popt〜2で示す)、ガス膨張経路が新しい炭化水素露点曲線から外れるにつれて過熱が生じても良い。これが起こる理由は、制御バルブ350によって生じる圧力変化に対する温度変化(ΔT/ΔP)の傾斜は、新しい炭化水素露点曲線よりも大きい場合があるからである。したがって、ガス・タービンに供給される燃料は過熱燃料であっても良い。分離後の露点曲線と点2との間の距離は、液体および/または凝縮物を除去した結果燃料に加えられる過熱の量を表わす。
【0042】
図5は、本発明の例示的な実施形態による燃料の凝縮物濃度対圧力比の例のグラフ表示500である。表現500は、燃料に対する圧力値の範囲に渡っての燃料内の液体および/または凝縮物の濃度を例示している。たとえば、表現500は、燃料が初期圧力約700psiaと初期温度約60華氏温度とから膨張するときの液体および/または凝縮物の濃度を例示している。グラフ表示500を用いて、燃料から液体および/または凝縮物を除去するための目的の圧力(Poptとして示す)を特定しても良い。たとえば、目的の圧力は、燃料内に最大濃度の凝縮物が形成される点であっても良い。
【0043】
ある実施形態においては、図5に例示した表現500は、燃料の組成に基づいて作成しても良い。たとえば、燃料の組成を用いて、燃料に対する露点分析を行なっても良く、また露点分析を評価して、燃料に対するジュール・トムソン係数を計算または決定しても良い。次にジュール・トムソン係数を用いて、燃料内に形成される炭化水素凝縮物の量を、燃料に対する膨張線(たとえば図4の点1〜2に例示した膨張線)の種々の点に沿って計算しても良い。
【0044】
図6は、本発明の例示的な実施形態によるガス・タービンに燃料を供給するための方法例600のフロー図である。方法600は、燃料供給システムに付随する好適な制御ユニット、たとえば図3に例示した燃料供給システム300に付随する制御ユニット320が行なっても良い。方法300はブロック605から始まっても良い。
【0045】
ブロック605において、燃料供給を受け取っても良い。次に燃料の種々のパラメータをブロック610で決定しても良い。供給燃料に関連する広範囲のパラメータを、必要に応じて決定しても良い。たとえば燃料の温度および燃料の圧力である。本発明の態様によれば、燃料の組成もブロック610で決定しても良い。たとえば、燃料を、燃料の組成を特定するガス・クロマトグラフによって分析しても良い。下表1に天然ガス燃料の組成の一例を例示する。
【0046】
【表1】
表1に例示する組成分析は、単に一例として与えたものである。供給燃料のサンプルに基づいて、広範囲の異なる組成分析を構成し、特定し、および/または起こしても良い。
【0047】
ブロック615において、炭化水素露点分析を、燃料に対して、少なくとも部分的に、決定した燃料組成に基づいて、決定し、計算し、遂行し、または行なっても良い。ある実施形態においては、1または複数の燃料モデリング・システムを用いて、炭化水素露点分析を遂行しても良い。燃料組成から作成しても良い炭化水素露点曲線の例を図4に例示する。必要に応じて、炭化水素露点分析を用いて、燃料に対するジュール・トムソン係数または膨張係数(記号K0を用いて参照しても良い)を決定しても良い。K0は、圧力変更装置を渡る断熱ガス膨張経路を表わす方程式で用いる定数であっても良く、また以下の方程式1(1)によって圧力の一次関数として表現しても良い。
【0048】
2=T1+(P1−P2)*K0 (1)
方程式(1)を参照して、T1は燃料の初期温度を表わしても良く、T2は燃料の最終温度を表わしても良く、P1は燃料の初期圧力を表わしても良く、P2は燃料の最終圧力を表わしても良く、K0はジュール・トムソン係数であっても良い。K0は、多くの燃料化合物(たとえば天然ガス)に対して負であっても良い。したがって、温度降下が燃料の膨張の間に起こっても良い。K0は、ガス組成から計算しても良く、また初期温度の関数であっても良い。上表1に示した燃料組成を用いて、K0の値を0.069と計算しても良い。
【0049】
ブロック620において、燃料に対する凝縮物濃度を燃料の膨張線に沿って計算することを、少なくとも部分的に、遂行した露点分析および/または燃料に関連する他のパラメータに基づいて行なっても良い。たとえば、燃料に対する凝縮物濃度対圧力比を、K0の計算値を用いて計算または決定しても良い。必要に応じて、凝縮物濃度を、燃料の膨張線に沿った広範囲の圧力において計算しても良い。一例として、好適な制御システムまたは他のシステムが、以下の方程式(2)を用いて、燃料に対する凝縮物濃度を種々の圧力において計算しても良い。凝縮物濃度分析の例を図5に例示する。
【0050】
ブロック625において、燃料から液体および/または凝縮物を分離するための目的の圧力(最適圧力と言う場合がある)を、少なくとも部分的に、計算した凝縮物濃度対圧力の関係または比率に基づいて、計算しても良い。広範囲な技術を用いて目的の圧力を決定しても良い。たとえば、最大の凝縮物濃度値を特定しても良く、またその値に関連する圧力を決定しても良い。別の例として、伝達関数を、凝縮物濃度対圧力比に対して形成し、および/または凝縮物濃度対圧力比に適用しても良く、また伝達関数を微分して圧力について解いても良い。広範囲の好適な伝達関数を、本発明の種々の実施形態において必要に応じて用いても良い。たとえば以下の方程式(2)で述べる伝達関数である。
【0051】
C=K1+K2*P+K3*P2+(K4/P) (2)
方程式(2)を参照して、パラメータCは、炭化水素凝縮物濃度を重量百万分率(「ppmw」)で表していても良い。K1、K2、K3、およびK4は、凝縮物濃度対圧力比の最小二乗適合解析に基づく定数か、またはこの解析に基づいて決定した定数であっても良い。パラメータPは燃料の圧力を表わしていても良い。図5に例示した比率に対して、K1、K2、K3、およびK4に対する値例は以下であっても良い。
【0052】
1=408.8084
2=0.221672
3=−0.00323
4=−28301.9
目的の圧力の計算を、方程式(2)を微分して、結果をゼロ(0)に設定することによって行なっても良い。これを以下の方程式(3)に例示する。
【0053】
∂C/∂P =K2+2*K3*P−(K4/P2) = 0 (3)
最小二乗係数を用いて圧力(P)について解くと、目的の圧力の計算となる場合がある。前述した定数の値を用いて、目的の圧力を176ポンド/平方インチ絶対圧力(「psia」)と計算しても良く、対応する炭化水素濃度が187ppmwであっても良い。燃料を分離器に与える前に燃料の圧力を176psiaに調整することによって、相対的に最大の凝縮物除去率が達成され、その結果、燃料がさらに膨張したときに過熱されることが確実になる場合がある。前述した計算および値は、単に一例として示している。当然のことながら、同様の計算を他の初期燃料条件および組成に対して遂行しても良い。
【0054】
ブロック630において、圧力変更装置(たとえば1または複数のジュール・トムソン・バルブ)の動作を制御して目的の圧力を達成しても良い。たとえば、バルブの位置出しを設定および/または制御して燃料の圧力を目的の圧力まで下げても良い。必要に応じて、燃料の圧力および/または温度を、圧力変更装置の下流で測定および/またはモニタしても良い。これに関連して、圧力変更装置の動作を下流測定値に基づいて動的に調整することを、目的の圧力が達成されるまで行なっても良い。
【0055】
ブロック635において、圧力変更装置を通って膨張した燃料を、分離器(たとえば合体フィルタ、または吸収剤オイルを有する吸収塔)に供給しても良い。これに関連して、燃料から液体および/または凝縮物を除去しても良い。燃料から液体および/または凝縮物を除去することによって、燃料に対する炭化水素露点曲線が移動する場合がある。したがって、燃料がタービン部品(たとえば、燃焼器)に供給される前に制御バルブによってさらに膨張されると、燃料は過熱される場合がある。
【0056】
ブロック640(本発明のある実施形態において任意的であっても良い)において、燃料に対する1または複数のパラメータの決定または測定を、燃料から液体および/または凝縮物を分離した後に行なっても良い。たとえば、燃料の圧力および/または温度を、分離器の下流で測定しても良い。ブロック645において、燃料に対する過熱要求が満足されたか否かについて判定しても良い。言い換えれば、燃料がさらに膨張しおよび/またはガス・タービン部品に与えられるときに、燃料に何らかの液体および/または凝縮物が含まれている可能性があるか否かについて判定を行なっても良い。ブロック645において、燃料に対する過熱要求が満足されたと判定されたら、燃料をガス・タービン部品に与えても良い。しかしブロック645において、燃料に対する過熱要求が満足されていないと判定されたら、動作はブロック655へと続く。
【0057】
ブロック655において、ヒーター装置(たとえば、熱交換器)が燃料の加熱に利用可能であるか否かについて判定しても良い。ブロック655において、ヒーター装置が利用可能でないと判定されたら、燃料をタービン部品に供給しなくても良い。動作はブロック630に戻り、減圧装置の動作を調整しおよび/または他の方法で制御して、燃料から凝縮物を除去するための目的の圧力を達成しても良い。しかしブロック655において、ヒーター装置が利用可能であると判定されたら、動作はブロック660へと続いても良く、また燃料をヒーター装置によって加熱して、燃料に対する過熱要求を満足しても良い。そして燃料をガス・タービン部品に供給しても良い(ブロック650)。
【0058】
方法600は、ブロック650の後に終了しても良い。
【0059】
図6の方法600に記載した動作は、必ずしも、図6で述べた順番で行なわなければならないものではなく、その代わりに、任意の好適な順番で行なっても良い。さらに加えて、本発明のある実施形態においては、図6で述べた要素または動作のすべてより多いかまたは少ないものを行なっても良い。
【0060】
以上、本発明を、本発明の実施形態例によるシステム、方法、装置、および/またはコンピュータ・プログラム製品のブロックおよびフロー図を参照して述べている。当然のことながら、ブロック図およびフロー図の1または複数のブロックと、ブロック図およびフロー図におけるブロックの組み合わせとを、それぞれ、コンピュータ実行可能なプログラム命令によって実施することができる。同様に、ブロック図およびフロー図の一部のブロックは、本発明の一部の実施形態により、必ずしも示した順番で行なう必要がなくても良いか、または必ずしも行なう必要が全くなくても良い。
【0061】
これらのコンピュータ実行可能なプログラム命令を、汎用コンピュータ、特殊用途コンピュータ、プロセッサ、または他のプログラマブル・データ処理装置上にロードして、特定のマシンが生成され、コンピュータ、プロセッサ、または他のプログラマブル・データ処理装置上で実行される命令によって、フローチャート・ブロック内で特定される1または複数の機能を実施するための手段が生成されるようにしても良い。また、これらのコンピュータ・プログラム命令を、コンピュータまたは他のプログラマブル・データ処理装置を特定の仕方で機能するように導くことができるコンピュータ読取可能なメモリ内に記憶し、コンピュータ読取可能なメモリ内に記憶した命令によって、フロー図ブロック内に特定される1または複数の機能を実施する命令手段を備える製造品が生成されるようにしても良い。一例としては、本発明の実施形態は、コンピュータ・プログラム製品として、たとえば、コンピュータ読取可能なプログラム・コードまたはプログラム命令が内部で具体化されたコンピュータ利用可能な媒体を提供しても良い。なお前記コンピュータ読取可能なプログラム・コードは、フロー図ブロック内に特定される1または複数の機能を実施するように実行されるように適合されている。またコンピュータ・プログラム命令を、コンピュータまたは他のプログラマブル・データ処理装置上にロードして、一連の動作要素またはステップをコンピュータまたは他のプログラマブル装置上で行なわせることでコンピュータ実施プロセスを形成して、コンピュータまたは他のプログラマブル装置上で実行する命令が、フロー図ブロック内で特定される機能を実施するための要素またはステップを実現するようにしても良い。
【0062】
したがって、ブロック図およびフロー図のブロックは、特定の機能を行なうための手段の組み合わせ、特定の機能を行なうための要素またはステップの組み合わせ、および特定の機能を行なうためのプログラム命令手段を支持するものである。また当然のことながら、ブロック図およびフロー図の各ブロック、ならびにブロック図およびフロー図内のブロックの組み合わせを実施することは、特定された機能、要素、もしくはステップを行なう特殊用途のハードウェア・ベースのコンピュータ・システム、または特殊用途のハードウェアおよびコンピュータ命令の組み合わせによって可能である。
【0063】
本発明を、現時点で最も実用的で多様な実施形態と考えられるものに関連して説明してきたが、当然のことながら、本発明は、開示した実施形態に限定されず、それどころか、添付の請求項の範囲に含まれる種々の変更および等価な配置に及ぶことが意図されている。
【0064】
この書面の説明では、実施例を用いて、本発明を、ベスト・モードも含めて開示するとともに、どんな当業者も本発明を実施できるように、たとえば任意の装置またはシステムを作りおよび用いること、ならびに取り入れた任意の方法を実行することができるようにしている。本発明の特許可能な範囲は、請求項において定められるとともに、当業者に想起される他の実施例を含んでいても良い。このような他の実施例は、請求項の文字通りの言葉使いと違わない構造要素を有するか、または請求項の文字通りの言葉使いとの差が非実質的である均等な構造要素を含む場合には、請求項の範囲内であることが意図されている。
図1
図2
図3
図4
図5
図6