特許第6050131号(P6050131)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6050131
(24)【登録日】2016年12月2日
(45)【発行日】2016年12月21日
(54)【発明の名称】殺菌水生成装置および収容容器
(51)【国際特許分類】
   C02F 1/50 20060101AFI20161212BHJP
   B65D 25/42 20060101ALI20161212BHJP
【FI】
   C02F1/50 550C
   C02F1/50 531P
   C02F1/50 531M
   C02F1/50 550L
   B65D25/42 A
【請求項の数】3
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2013-13643(P2013-13643)
(22)【出願日】2013年1月28日
(65)【公開番号】特開2014-144405(P2014-144405A)
(43)【公開日】2014年8月14日
【審査請求日】2016年1月14日
(73)【特許権者】
【識別番号】390011121
【氏名又は名称】株式会社モリタ東京製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100104880
【弁理士】
【氏名又は名称】古部 次郎
(72)【発明者】
【氏名】齊藤 壮文
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 弘多
(72)【発明者】
【氏名】川西 利明
【審査官】 富永 正史
(56)【参考文献】
【文献】 特開2003−164883(JP,A)
【文献】 特開2002−018440(JP,A)
【文献】 実開昭57−008041(JP,U)
【文献】 特開平11−164791(JP,A)
【文献】 特表2011−501720(JP,A)
【文献】 特開2002−068380(JP,A)
【文献】 特開2009−057054(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2010/0186836(US,A1)
【文献】 特開2010−269138(JP,A)
【文献】 国際公開第2007/105659(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C02F 1/50
B65D 25/42
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
殺菌水の元となる原液から殺菌水を生成する殺菌水生成装置であって、
装置本体と、
前記装置本体に着脱可能に設けられ、前記原液を収容するとともに、当該原液の外部への供給に用いられる供給口を備えた容器と、
前記装置本体側に設けられ、当該装置本体に取り付けられた前記容器の前記供給口に押し付けられる押し付け部材と、
を備え、
前記供給口および前記押し付け部材のうちの一方には、開口が形成され、
前記供給口および前記押し付け部材のうちの他方には、前記装置本体へ前記容器が取り付けられる際に前記一方に形成された前記開口に入り込み、当該開口の周囲に位置する部位が外表面に接触する凸部が設けられ、
前記凸部の前記外表面のうちの、前記開口の周囲に位置する前記部位が接触する接触部分は、当該凸部の突出方向と直交する面における断面形状が円形となるように形成されるとともに、当該突出方向に向かうに従い外径が次第に小さくなるように曲率が付与された状態で形成されていることを特徴とする殺菌水生成装置。
【請求項2】
前記供給口および前記押し付け部材のうちの前記一方は、筒状部を備え、当該筒状部の軸方向における一端部および他端部のうちの当該一端部に、前記開口が設けられ、
前記筒状部の前記開口に対して前記凸部が入り込むことで、当該筒状部の内周面に対して当該凸部の前記外表面が接触し、
前記筒状部の前記内周面のうちの前記凸部の前記外表面が接触する部位には、当該筒状部の前記他端部に向かうに従い次第に径が小さくなるテーパー面が形成されていることを特徴とする請求項記載の殺菌水生成装置。
【請求項3】
殺菌水の元となる原液を収容し、殺菌水を生成する殺菌水生成装置に取り付けられる収容容器であって、
収容した前記原液の外部への供給に用いられる供給口であって、前記殺菌水生成装置の装置本体に前記収容容器が取り付けられる際に、当該装置本体側に設けられた押し付け部材が押し付けられる当該供給口を備え、
前記供給口には、
前記押し付け部材に設けられた開口の内部に入り込み、当該開口の周囲に位置する部位が外表面に接触する凸部が設けられ、
前記凸部の前記外表面のうちの、前記開口の周囲に位置する前記部位が接触する接触部分は、当該凸部の突出方向と直交する面における断面形状が円形となるように形成されるとともに、当該突出方向に向かうに従い外径が次第に小さくなるように曲率が付与された状態で形成されていることを特徴とする収容容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、殺菌水生成装置および収容容器に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、次亜塩素酸ナトリウムを収容する薬液タンク及び塩酸を収納する薬液タンクの設置部を、同一床面の高さとしかつ、左右の水平方向に仕切を隔てて隣接させ、また、両薬液タンクを取り付け、取り外し自在に配設されてなることを特徴とする殺菌水生成装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実用新案登録第3081554号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、殺菌水の原液が収容された容器が装置本体に対して着脱可能に構成された殺菌水生成装置では、容器と装置本体側との接合部における両者の接合不良などに起因し、容器からの原液の供給が不安定となるおそれがある。
本発明の目的は、殺菌水の原液が収容された容器からの原液の供給の安定化を図ることにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
かかる目的のもと、本発明が適用される殺菌水生成装置は、殺菌水の元となる原液から殺菌水を生成する殺菌水生成装置であって、装置本体と、前記装置本体に着脱可能に設けられ、前記原液を収容するとともに、当該原液の外部への供給に用いられる供給口を備えた容器と、前記装置本体側に設けられ、当該装置本体に取り付けられた前記容器の前記供給口に押し付けられる押し付け部材と、を備え、前記供給口および前記押し付け部材のうちの一方には、凹部が設けられ、前記供給口および前記押し付け部材のうちの他方には、前記装置本体へ前記容器が取り付けられる際に前記凹部に入り込む凸部が設けられ、前記凹部の内面のうちの前記凸部が接触する凸部接触部位に、当該凹部の奥側に向かうに従い径が次第に小さくなるテーパー面が形成され、および/または、当該凸部の外面のうちの当該凹部の当該内面に接触する内面接触部位に、当該凸部の突出方向に向かうに従い径が次第に小さくなるテーパー面が形成されていることを特徴とする殺菌水生成装置である。
ここで、前記凸部の前記外面には、当該凸部の周方向に沿って配置され且つ環状に形成された弾性部材が取り付けられ、前記凹部に前記凸部が入り込んだ際、前記凸部接触部位に対して前記弾性部材が接触することを特徴とすることができる。この場合、弾性部材を設けない場合に比べ、凹部の内面と凸部の外面との密着の度合いを高めることができるようになる。
他の観点から捉えると、本発明が適用される殺菌水生成装置は、殺菌水の元となる原液から殺菌水を生成する殺菌水生成装置であって、装置本体と、前記装置本体に着脱可能に設けられ、前記原液を収容するとともに、当該原液の外部への供給に用いられる供給口を備えた容器と、前記装置本体側に設けられ、当該装置本体に取り付けられた前記容器の前記供給口に押し付けられる押し付け部材と、を備え、前記供給口および前記押し付け部材のうちの一方には、開口が形成され、前記供給口および前記押し付け部材のうちの他方には、前記装置本体へ前記容器が取り付けられる際に前記一方に形成された前記開口に入り込み、当該開口の周囲に位置する部位が外表面に接触する凸部が設けられ、前記凸部の前記外表面のうちの、前記開口の周囲に位置する前記部位が接触する接触部分は、当該凸部の突出方向と直交する面における断面形状が円形となるように形成されるとともに、当該突出方向に向かうに従い外径が次第に小さくなるように曲率が付与された状態で形成されていることを特徴とする殺菌水生成装置である。
ここで、前記供給口および前記押し付け部材のうちの前記一方は、筒状部を備え、当該筒状部の軸方向における一端部および他端部のうちの当該一端部に、前記開口が設けられ、前記筒状部の前記開口に対して前記凸部が入り込むことで、当該筒状部の内周面に対して当該凸部の前記外表面が接触し、前記筒状部の前記内周面のうちの前記凸部の前記外表面が接触する部位には、当該筒状部の前記他端部に向かうに従い次第に径が小さくなるテーパー面が形成されていることを特徴とすることができる。この場合、テーパー面が筒状部に形成されていない場合に比べ、筒状部と凸部との接触面積を増やすことができるようになる。
また、本発明を収容容器として捉えた場合、本発明が適用される収容容器は、殺菌水の元となる原液を収容し、殺菌水を生成する殺菌水生成装置に取り付けられる収容容器であって、収容した前記原液の外部への供給に用いられる供給口であって、前記殺菌水生成装置の装置本体に前記収容容器が取り付けられる際に、当該装置本体側に設けられた押し付け部材が押し付けられる当該供給口を備え、前記供給口には、突出した状態で形成され前記押し付け部材に設けられた凹部に入り込む凸部であって突出方向に向かうに従い径が次第に小さくなるテーパー面が外面に形成された凸部、および、当該押し付け部材に設けられた凸部が入り込む凹部であって当該凹部の奥側に向かうに従い径が次第に小さくなるテーパー面が内面に形成された凹部の何れかが設けられていることを特徴とする収容容器である。
他の観点から捉えると、本発明が適用される収容容器は、殺菌水の元となる原液を収容し、殺菌水を生成する殺菌水生成装置に取り付けられる収容容器であって、収容した前記原液の外部への供給に用いられる供給口であって、前記殺菌水生成装置の装置本体に前記収容容器が取り付けられる際に、当該装置本体側に設けられた押し付け部材が押し付けられる当該供給口を備え、前記供給口には、前記押し付け部材に設けられた開口の内部に入り込み、当該開口の周囲に位置する部位が外表面に接触する凸部が設けられ、前記凸部の前記外表面のうちの、前記開口の周囲に位置する前記部位が接触する接触部分は、当該凸部の突出方向と直交する面における断面形状が円形となるように形成されるとともに、当該突出方向に向かうに従い外径が次第に小さくなるように曲率が付与された状態で形成されていることを特徴とする収容容器である。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、殺菌水の原液が収容された容器からの原液の供給の安定化を図ることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本実施形態にかかる殺菌水生成装置の外観斜視図である。
図2】殺菌水生成装置の内部構造を示した斜視図である。
図3】殺菌水生成装置の機能ブロック図である。
図4図1にて示した収納部を斜め上方から眺めた場合の斜視図である。
図5】押し付け部材と原液カートリッジの第1構成例を示した断面図である。
図6】押し付け部材と原液カートリッジの第2構成例を示した図である。
図7】押し付け部材と原液カートリッジの第3構成例を示した図である。
図8】押し付け部材の他の構成例を示した図である。
図9】押し付け部材と原液カートリッジの第4構成例を示した図である。
図10】殺菌水生成装置の他の構成例を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。
図1は、本実施形態にかかる殺菌水生成装置の外観斜視図である。
本実施形態の殺菌水生成装置1は、装置本体の一部として機能する筐体2と、ユーザに対し予め情報を表示するとともにユーザからの操作を受け付ける操作パネル3とを備えている。なお、操作パネル3は、筐体2の上面に設けられている。さらに、殺菌水生成装置1には、原液カートリッジが収納される収納部4、殺菌水タンクが収容される殺菌水タンク収納部5、外部機器との接続に用いられる外部接続接栓6が設けられている。
【0009】
図2は、殺菌水生成装置1の内部構造を示した斜視図である。
同図に示すように、殺菌水生成装置1の内部には、外部接続接栓6を介して外部から供給された水道水を収容する水道水タンク13が設けられている。また、本実施形態では、殺菌水生成装置1に対し着脱可能に設けられ、殺菌水の元となる原液を収容した収容容器の一例としての原液カートリッジ20が設けられている。さらに、原液カートリッジ20から供給された原液の計量を行う原液計量部23、生成された殺菌水を収容する第1殺菌水タンク30、第2殺菌水タンク33が設けられている。
【0010】
なお、本実施形態では、原液カートリッジ20の上方に原液計量部23を配置している。これにより、原液カートリッジ20と原液計量部23とが同じ水平面上に位置している場合に比べ、装置全体の小型化が図られている。また、本実施形態では、原液カートリッジ20内に、原液(薬液)として、次亜塩素酸ナトリウムが収容されている。なお、原液は、これに限らず、例えば、次亜塩素酸ナトリウムもしくは二酸化塩素、これらの混合物の塩素系水溶液を用いることもできる。また、他の原液を用いるようにしてもよい。
【0011】
図3は、殺菌水生成装置1の機能ブロック図である。
本実施形態の殺菌水生成装置1には、水道水を供給する供給管(不図示)が接続される受水接栓10が設けられている。なお、この受水接栓10は、上記外部接続接栓6(図1参照)に設けられている。また、殺菌水生成装置1には、受水接栓10を通った水道水が通る送水路11、送水路11上に設けられた電磁弁12、受水孔14を有し送水路11からの水道水を収容する水道水タンク13が設けられている。
【0012】
また、殺菌水生成装置1には、水道水タンク13からの水道水が通る第1水道水供給路17a,第2水道水供給路17bが設けられている。さらに、第1水道水供給路17a上には第1電磁弁16aが設けられ、第2水道水供給路17b上には第2電磁弁16bが設けられている。また、本実施形態では、水道水タンク13における水道水の液面を検知する液面センサ18が設けられている。ここで、この液面センサ18では、上下方向において互いにずれた検知位置bおよび検知位置cにて水道水の液面が検知される。なお、両端に位置する検知位置a及び検知位置dは、検知位置bおよび検知位置cにて液面の検知が行われない場合に液面の検知を行うバックアップ用の検知位置である。
【0013】
一方、原液カートリッジ20側には、吸引を行い原液カートリッジ20から原液を取り出すポンプ22、ポンプ22により送られてきた原液の計量を行う原液計量部23、原液計量部23内の原液の液面を検知する液面センサ24が設けられている。なお、この液面センサ24でも、検知位置bおよび検知位置cにて原液の液面の検知が行われる。また、検知位置bおよび検知位置cにて液面の検知が行われない場合には、検知位置a及び検知位置dにて液面の検知が行われる。
【0014】
さらに、殺菌水生成装置1には、原液計量部23からの原液が通る第1原液供給路26a、第2原液供給路26bが設けられている。また、本実施形態では、第1原液供給路26a上に第1電磁弁25aが設けられ、第2原液供給路26b上に第2電磁弁25bが設けられている。また、殺菌水生成装置1には、原液計量部23から溢れた原液を原液カートリッジ20に戻す原液戻り管27が設けられている。
なお、本実施形態では、第1原液供給路26a、第2原液供給路26b、第1水道水供給路17a、第2水道水供給路17bの4つの供給路は、それぞれ独立して設けられており、殺菌水タンク(第1殺菌水タンク30、第2殺菌水タンク33)に対して水道水および原液が達するまでの間に、水道水と原液とが混合しないようになっている。
【0015】
また、殺菌水生成装置1には、第1殺菌水タンク30内の殺菌水の液面を検知する液面センサ32、第2殺菌水タンク33内の殺菌水の液面を検知する液面センサ34が設けられている。ここで、上記と同様、液面センサ32および液面センサ34の各々では、検知位置bおよび検知位置cにて液面の検知が行われる。また、検知位置bおよび検知位置cにて液面の検知が行われない場合には、検知位置a及び検知位置dにて液面の検知が行われる。
【0016】
また、本実施形態では、第1殺菌水タンク30からの殺菌水が通る第1殺菌水供給路31、第2殺菌水タンク33からの殺菌水が通る第2殺菌水供給路35が設けられている。また、第1殺菌水供給路31上には、第1電磁弁36aおよび第1逆止弁37aが設けられ、第2殺菌水供給路35上には、第2電磁弁36bおよび第2逆止弁37bが設けられている。
【0017】
さらに、本実施形態では、圧縮エアを供給する供給管(不図示)が接続される圧縮エア用接栓40が設けられている。なお、この圧縮エア用接栓40は、上記外部接続接栓6(図1参照)に設けられている。また、圧縮エア用接栓40を通過した圧縮エアの第1殺菌水タンク30への供給に用いられるともに、第1殺菌水タンク30からの圧縮エアの排出に用いられる第1圧縮エア供給/排気路42aが設けられている。また、圧縮エア用接栓40を通過した圧縮エアの第2殺菌水タンク33への供給に用いられるともに、第2殺菌水タンク33からの圧縮エアの排出に用いられる第2圧縮エア供給/排気路42bが設けられている。
【0018】
さらに、第1圧縮エア供給/排気路42a上には、第1三方電磁弁41aが設けられ、第2圧縮エア供給/排気路42b上には、第2三方電磁弁41bが設けられている。また、本実施形態では、第1殺菌水供給路31および第2殺菌水供給路35を一つの殺菌水供給路にまとめるマニフォールド45、マニフォールド45を通過した殺菌水が通る殺菌水供給路46が設けられている。さらに、殺菌水供給路46の終端部に設けられ、殺菌水生成装置1の外部に設けられた殺菌水搬送管(不図示)が接続される供給用接栓47が設けられている。
【0019】
また、本実施形態では、マニフォールド45を経由して流れてきた殺菌水、および、水道水タンク13から溢れた水道水の廃棄に用いられるドレン用接栓49が設けられている。さらに、ドレン用接栓49とマニフォールド45との間には、電磁弁48が設けられている。なお、供給用接栓47およびドレン用接栓49は、図1における外部接続接栓6に設けられている。また、本実施形態では、図1にて示した操作パネル3内に、回路基板51が設けられている。また、本実施形態では、プログラム制御されたCPUにより構成され、この回路基板51や殺菌水生成装置1内に設けられた電磁弁などの制御を行う制御部50が設けられている。
【0020】
ここで、原液の希釈に用いる希釈用の水道水は、受水接栓10、電磁弁12、送水路11を通り、水道水を計量する水道水タンク13に供給される。そして、本実施形態では、水道水タンク13のうちの、液面センサ18の検知位置bまで、水道水が供給される。
一方で、原液は、ポンプ22によって、原液カートリッジ20から原液計量部23に供給される。なお、原液計量部23では、液面センサ24の検知位置bまで原液が供給される。その後、制御部50によって第1電磁弁25a又は第2電磁弁25bが開放される。これにより、原液計量部23内の原液が、自重落下し、第1殺菌水タンク30又は第2殺菌水タンク33に対し供給される。
【0021】
なお、開放された第1電磁弁25a又は第2電磁弁25bは、原液の供給が終了した後に閉じられる。その後、原液計量部23では、原液計量部23への原液の供給が再び行われ、次の原液の供給に備えられる。また、本実施形態では、第1殺菌水タンク30又は第2殺菌水タンク33への原液の供給が、予め設定された回数繰り返される。例えば、うがい水のような殺菌水を生成する場合は、1回計量分の原液を第1殺菌水タンク30又は第2殺菌水タンク33へ供給するが、殺菌効果をあげた殺菌水が生成される場合は、2回計量分や、3回計量分の原液が、第1殺菌水タンク30又は第2殺菌水タンク33へ供給される。
【0022】
また、本実施形態では、第1殺菌水タンク30又は第2殺菌水タンク33への原液の供給後、水道水タンク13内の水道水(液面センサ18の検知位置bまで達している水道水)が、第1電磁弁16a又は第2電磁弁16bが開かれることによって、第1殺菌水タンク30又は第2殺菌水タンク33に供給される。ここで、この供給は、水道水の自重が利用されることで行われる。
【0023】
なお、第1殺菌水タンク30又は第2殺菌水タンク33への水道水の供給が行われる際には、第1三方電磁弁41a又は第2三方電磁弁41bが開かれる。これにより、第1殺菌水タンク30又は第2殺菌水タンク33からの空気の排出がより円滑になされるようになる。
【0024】
ここで、第1殺菌水タンク30又は第2殺菌水タンク33へ水道水が供給されると、この水道水の体積分の空気が、第1殺菌水タンク30又は第2殺菌水タンク33から排出される。この場合に、第1三方電磁弁41a又は第2三方電磁弁41bが開かれていると、第1殺菌水タンク30又は第2殺菌水タンク33から円滑に空気が排出される。なお、第1殺菌水タンク30又は第2殺菌水タンク33から排出された空気は、第1三方電磁弁41a又は第2三方電磁弁41bの常時開口(ノーマルオープンポート)を通り、殺菌水生成装置1の内部に円滑に排出される。
【0025】
なお、上記では、第1殺菌水タンク30又は第2殺菌水タンク33へ原液を供給した後に、水道水を供給する態様を一例に説明したが、第1殺菌水タンク30又は第2殺菌水タンク33に対する、原液の供給および水道水の供給は並行して行うようにしてもよい。また、例えば、水道水を供給した後に原液の供給を行うようにしてもよい。なお、本実施形態のように、原液の供給を先に行い、その後、水道水の供給を行う方が、原液と水道水とが並行して供給される場合や、水道水の方が原液よりも先に供給される場合に比べ、原液と水道水とがより効果的に混合するようになる。
【0026】
次に、生成された殺菌水が外部へ供給される際の各部の動作を説明する。
殺菌水が外部へ供給される際には、まず、圧縮エアが、第1圧縮エア供給/排気路42a又は第2圧縮エア供給/排気路42bを介し、第1殺菌水タンク30内又は第2殺菌水タンク33内に供給される。そして、第1殺菌水タンク30内又は第2殺菌水タンク33内に圧縮エアが供給されると、第1殺菌水タンク30内又は第2殺菌水タンク33内は加圧状態となり、第1殺菌水タンク30内又は第2殺菌水タンク33内の殺菌水が、殺菌水生成装置1の外部に供給されるようになる。
【0027】
詳細に説明すると、第1殺菌水タンク30内又は第2殺菌水タンク33内が加圧状態となると、殺菌水は、第1殺菌水供給路31又は第2殺菌水供給路35、および、マニフォールド45を経由して、供給用接栓47まで供給される。そして、この供給用接栓47を通じ、殺菌水生成装置1の外部へ供給される。
【0028】
なお、上記では説明を省略したが、本実施形態では、第1殺菌水タンク30および第2殺菌水タンク33の何れか一方の殺菌水タンクから殺菌水の供給が行われるとともに、この一方の殺菌水タンクが空になると、他方の殺菌水タンクに切り替えられる。これにより、殺菌水の供給が滞らないようになる。なお、他方の殺菌水タンクに切り替えられた場合は、上記一方の殺菌水タンクにて、殺菌水の生成が開始される。そして、上記他方の殺菌水タンクが空となると、今度は、一方の殺菌水タンクへの切り替えが行われる。
【0029】
なお、殺菌水タンクが空となったか否かは、液面センサ32および液面センサ34の各々に設けられた検知位置cにおける液面の検知に基づき判断される。また、殺菌水タンクの上記切り替えは、第1圧縮エア供給/排気路42a上に設けられた第1三方電磁弁41aの開放/閉鎖、第2圧縮エア供給/排気路42b上に設けられた第2三方電磁弁41bの開放/閉鎖、第1殺菌水供給路31上に設けられた第1電磁弁36aの開放/閉鎖、および、第2殺菌水供給路35上に設けられた第2電磁弁36bの開放/閉鎖により行われる。
【0030】
また、本実施形態では、殺菌水の消費に伴い一方の殺菌水タンクから他方の殺菌水タンクへ切り替える際、外部に供給される殺菌水の脈動や流量低下を抑制するため、この切り替え時に、第1電磁弁36aおよび第2電磁弁36bを制御し、予め定められた時間(数msec)、二つの殺菌水タンクから同時に殺菌水が供給されるようにしている。付言すると、一方の殺菌水タンクと他方の殺菌水タンクとの間において、殺菌水の供給が行われている供給タイミングをオーバラップさせる制御を行っている。
【0031】
次に、原液カートリッジ20、および、この原液カートリッジ20が収納される収納部4について説明する。
図4は、図1にて示した収納部4を斜め上方から眺めた場合の斜視図である。付言すると、図1において、符号1Aで示すカバーを取り外した後の殺菌水生成装置1の状態を示している。図4に示すように、収納部4には、原液カートリッジ20(図4では不図示)が載せられ、この原液カートリッジ20を下方から支持する支持台410が設けられている。
【0032】
また、支持台410の脇には、第1側壁421と、この第1側壁421に対し直交する関係で配置された第2側壁422が設けられている。さらに、本実施形態では、第2側壁422に対して弾性片430が取り付けられている。なお、この弾性片430は、一方の端部が第2側壁422に固定され、他方の端部が自由端となっており、片持ち梁状に設けられている。さらに、この弾性片430は、一方の端部よりも他方の端部(自由端側の端部)の方が下方に位置しており、他方の端部が垂れ下がっている状態となっている。
【0033】
また、本実施形態では、弾性片430の他方の端部側(自由端側の端部側)に、原液カートリッジ20に設けられた開口部(原液の外部への供給に用いられる供給口)に対して押し付けられる押し付け部材(パッキン)440が設けられている。付言すると、本実施形態では、殺菌水生成装置1の装置本体側に、原液カートリッジ20に設けられた開口部に対して押し付けられる押し付け部材440が設けられている。
【0034】
ここで、原液カートリッジ20が収納部4に収容される際には、原液カートリッジ20が斜めにされた状態で、図4の矢印4Aに示すように、斜め上方に向かって、原液カートリッジ20がユーザにより持ち上げられる。また、この際、原液カートリッジ20は、その上端部が押し付け部材440に向かうように持ち上げられる。その後、原液カートリッジ20の上端部に対して押し付け部材440が接触し、この上端部に対し押し付け部材440が押し付けられるようになる。次いで、ユーザによって、原液カートリッジ20の底部側が矢印4Bに示すように、収納部4側に押し込まれる。
【0035】
これにより、原液カートリッジ20の上端部に形成された開口部に対して押し付け部材440が押し付けられ、且つ、収納部4の支持台410上に原液カートリッジ20が載るようになる。なお、本実施形態では、原液カートリッジ20が取り付けられていない際の、押し付け部材440と支持台410との離間距離を距離Aとした場合に、この距離Aの方が、原液カートリッジ20の底面と原液カートリッジ20の開口部との距離B(不図示)よりも小さくなっている。このため、収納部4に原液カートリッジ20が収容された状態では、弾性片430が撓むとともに、撓んだこの弾性片430によって、原液カートリッジ20の開口部に押し付け部材440が押し付けられるようになる。
【0036】
図5は、押し付け部材440と原液カートリッジ20の第1構成例を示した断面図である。同図に示すように、本実施形態では、原液カートリッジ20の上端部に形成された円形の開口部を塞ぐ塞ぎ部材210が設けられている。なお、本実施形態では、塞ぎ部材210および押し付け部材440は、ポリエチレン(PE)により形成されている。
【0037】
塞ぎ部材210には、円筒状の基体211が設けられている。また、基体211の外周面から突出するとともに基体211の図中上端部に設けられ且つ基体211の周方向に沿って形成され、原液カートリッジ20内への塞ぎ部材210の移動を規制する規制部212が設けられている。また、塞ぎ部材210には、基体211の図中下端部に形成された円形の開放端を塞ぐ円盤状の塞ぎ部225が設けられている。
【0038】
さらに、塞ぎ部材210には、塞ぎ部225の一方の面から原液カートリッジ20の内部側に向かって突出した円筒状の第1突出部213と、塞ぎ部225の他方の面から原液カートリッジ20の外部方向に向かって突出した第2突出部214が設けられている。なお、この第2突出部214は、先端部に向かうに従い外径が次第に小さくなるように形成されている。付言すると、本実施形態では、第2突出部214の外面に、第2突出部214の突出方向に向かうに従い径が次第に小さくなるテーパーが付されている。なお、本実施形態では、第1突出部213の図中下端部に対して、原液カートリッジ20の底部に向かって延びるチューブ(不図示、原液搬送管)が取り付けられる。
【0039】
また、塞ぎ部材210には、塞ぎ部225、第1突出部213、および、第2突出部214を貫通する貫通孔215が形成されている。さらに、本実施形態では、円盤状の塞ぎ部225の外周縁に、外部の空気の原液カートリッジ20内への導入に用いられる空気導入口216が形成されている。また、塞ぎ部材210には、基体211の図中上端面と基体211の内周面とが交わる箇所に対して面取りが行われており、図中下方に向かうに従い直径が次第に小さくなるテーパー面217が形成されている。
【0040】
次に、押し付け部材440側の構成について説明する。
押し付け部材440には、径方向における中心部に貫通孔441Aが形成された円筒部441が設けられている。また、本実施形態では、円筒部441の外周面から突出した突出部442が設けられている。ここで、この突出部442は、円筒部441の図中上端部に設けられている。また、突出部442は、円筒部441の周方向に沿って環状に形成されている。さらに説明すると、突出部442は、図中上方から眺めた場合の形状が円盤状となるように形成されている。
【0041】
ここで、円筒部441の内周面(貫通孔441Aに面する内周面)は、テーパー状に形成されており、図中下方から上方に向かうに従い直径が次第に小さくなる。付言すると、本実施形態では、円筒部441の径方向における中心部に、凸部の一例としての第2突出部214が入り込む凹部が形成されており、この凹部の内周面には、凹部の奥側(図中上方)に向かうに従い径が次第に小さくなるテーパー面が形成されている。
【0042】
なお、本実施形態では、このように内周面にテーパーが付され、内周面は、テーパー角度を有した状態で形成されているが、本実施形態では、内周面の部位に応じて、このテーパー角度を異ならせている。具体的には、図中下端部にて、テーパー角度を大きくし、図中上端部ではテーパー角度を小さくしている。これにより、本実施形態では、円筒部441の下端部に形成される開口が大きくなり、円筒部441の貫通孔441A内へ、塞ぎ部材210の第2突出部214が入りやすくなる。
【0043】
なお、本実施形態では、押し付け部材440を上方から支持する支持部材500が設けられており、弾性片430(図4参照)による押し付け部材440の支持は、この支持部材500を介して行われる。なお、この支持部材500は、下端部に位置する第1開口510から入ってきた原液を、側面から突出した突出部515の先端に形成された第2開口520から排出する。なお、この突出部515には、原液輸送用のチューブ(不図示)が取り付けられ、このチューブを通って、殺菌水生成装置1の内部へ原液が供給される。
【0044】
ここで、本実施形態では、塞ぎ部材210に対して押し付け部材440が押し付けられる構成となっているが、この押し付け時には、図5に示すように、円筒部441の貫通孔441Aの内部に、第2突出部214が入り込む。ここで、本実施形態では、図中上方に向かうに従い外径が次第に小さくなるように第2突出部214は形成され、また、図中上方に向かうに従い径が小さくなるように貫通孔441Aは形成されている。
【0045】
付言すると、本実施形態では、円筒部441の内周面のうちの第2突出部214が接触する接触部位に対して図中上方に向かって径が次第に小さくなるテーパー面が形成され、また、第2突出部214のうちの円筒部441の内周面に接触する接触部位に対しても図中上方に向かって径が次第に小さくなるテーパー面が形成されている。これにより、本実施形態では、円筒部441の内周面に対して第2突出部214の外周面が密着するようになる。
【0046】
ここで、本実施形態では、上記のとおり、ポンプ22(図3参照)による原液の供給が行われるが、この際に、塞ぎ部材210と押し付け部材440との密着が不十分であると、塞ぎ部材210と押し付け部材440との間から空気が入りこみ、ポンプ22による原液の吸引がなされなくなってしまうおそれがある。本実施形態の構成では、円筒部441の内周面に対して第2突出部214の外周面がより確実に密着し、ポンプ22による原液の吸引がより確実に行われるようになる。
【0047】
なお、円筒部441の内周円に対して第2突出部214の外周面が密着した状態では、同図に示すように、塞ぎ部材210の図中上端部と、押し付け部材440の突出部442との間に間隙が形成される。また、本実施形態では、塞ぎ部材210の基体211の内径の方が、押し付け部材440の円筒部441の外径よりも大きくなっており、塞ぎ部材210の基体211の内周面と、押し付け部材440の円筒部441の外周面との間にも間隙が形成される。
【0048】
これにより、本実施形態では、塞ぎ部材210の塞ぎ部225に設けられた空気導入口216に対し、原液カートリッジ20の外部の空気が供給され、空気導入口216を通じて、原液カートリッジ20の内部に空気が供給される。これにより、原液カートリッジ20からの原液の排出に伴い原液カートリッジ20内が負圧となることが抑制され、原液カートリッジ20からの原液の排出が円滑に行われるようになる。
【0049】
なお、本実施形態では、上記のとおり、塞ぎ部材210に設けられた基体211の図中上端面と基体211の内周面とが交わる箇所にテーパー面217が形成されている。これにより、本実施形態では、原液カートリッジ20の取り付け時に、基体211の内部に対し、押し付け部材440の円筒部441が入り込みやすくなる。
【0050】
図6は、押し付け部材440と原液カートリッジ20の第2構成例を示した図である。
本構成例では、押し付け部材440の円筒部441の外周面に対し、円筒部441の周方向に沿った溝443が形成されるとともに、この溝443の内部に、弾性部材の一例としてのゴム製のOリング444が収容されている。付言すると、この構成例では、凸部として機能する円筒部441の外面に、この円筒部441の周方向に沿って配置され且つ環状に形成されたOリング444が取り付けられている。なお、図5にて示した構成例では、塞ぎ部材210に第2突出部214が設けられていたが、本構成例では、この第2突出部214が省略されている。
【0051】
ここで、この構成例でも、塞ぎ部材210に対して押し付け部材440が押し付けられる構成となっているが、この押し付け時には、図6に示すように、基体211の内部に、押し付け部材440の円筒部441が入りこむ。そして、円筒部441が予め定められた箇所まで入り込むと、円筒部441の外周面に取り付けられたOリング444が、塞ぎ部材210のテーパー面217に密着するようになる。なお、本図では図示を省略しているが、本構成例でも、空気導入口216(図5参照)と同様の機能を有する空気導入口が形成されており、原液カートリッジ20の内部が負圧になることが抑制されている。
【0052】
図7は、押し付け部材440と原液カートリッジ20の第3構成例を示した図である。
本構成例では、押し付け部材440の円筒部441の外周面にテーパーが付与されており、円筒部441は、図中下方に向かうに従い外径が次第に小さくなる。また、本構成例における押し付け部材440はゴム材料により構成され、図5にて説明した押し付け部材440よりも弾性を有している。
【0053】
一方で、塞ぎ部材210には、円筒状に形成された基体211が設けられている。また、この構成例では、基体211の図中下端部からさらに下方に向かって突出した突出部218が設けられている。また、図中上下方向に沿って配置され、突出部218および基体211を貫通する貫通孔215が設けられている。なお、本構成例では、基体211の内周面に対してテーパーが付されており、基体211の内周面は、図中下方に向かうに従い直径が次第に小さくなる。
【0054】
ここで、塞ぎ部材210に対する押し付け部材440の押し付け時には、図7に示すように、基体211の内部に、押し付け部材440の円筒部441の先端が入りこむ。そして、円筒部441が予め定められた箇所まで入り込むと、円筒部441に先端部の外周面が、基体211の内周面に密着するようになる。なお、上記と同様、本構成例でも、空気導入口216(図5参照)と同様の機能を有する空気導入口が塞ぎ部材210に形成されており、原液カートリッジ20の内部が負圧になることが抑制されている。
【0055】
なお、図7では、押し付け部材440の外周面の全体にテーパーを付与したが、図8(押し付け部材440の他の構成例を示した図)の(A)、(B)に示すように、押し付け部材440の先端部に対してテーパーを付与し、この先端部よりも後方(図中上方)を直線状に形成することもできる。
【0056】
図9は、押し付け部材440と原液カートリッジ20の第4構成例を示した図である。
本構成例では、押し付け部材440の円筒部441(筒状部の一例)の内周面(貫通孔441Aに面する内周面)にテーパーが付与されている。より具体的には、円筒部441の内周面であって円筒部441の図中下端部側に、図中上方(円筒部441の上端部側)に向かって進むに従い直径が次第に小さくなるテーパー面447が形成されている。また、本実施形態では、円筒部441の下端部に、環状の縁部446により囲まれた開口445が形成されている。なお、本構成例においても、押し付け部材440は、ゴム材料により構成され、図5にて説明した押し付け部材440よりも弾性を有している。
【0057】
一方で、塞ぎ部材210には、上記と同様、円筒状に形成された基体211が設けられている。また、基体211の図中下端部に形成された円形の開放端を塞ぐ円盤状の塞ぎ部225が設けられている。なお、この塞ぎ部225には、空気導入口216が形成されている。さらに、塞ぎ部225の下面から、図中下方に向かって突出した第1突出部219、塞ぎ部225の上面から図中上方に向かって突出した凸部の一例としての第2突出部220が設けられている。また、本実施形態では、図中上下方向に沿って配置され、第1突出部219、塞ぎ部225、および、第2突出部220を貫通する貫通孔215が設けられている。
【0058】
ここで、第1突出部219は、円筒状に形成されている。また、第2突出部220は、第2突出部220の軸心(第2突出部220の突出方向に沿う軸心)を含む面における断面形状が半球状(ドーム状)となるように形成されている。さらに、本実施形態では、図9(D)に示すように、第2突出部220の突出方向と直交する面における断面形状(外形形状)が円形となるように、第2突出部220は形成されている。また、本実施形態では、図9(C)に示すように、第2突出部220の突出方向に向かうに従い第2突出部220の外径が次第に小さくなるように、第2突出部220の外表面には曲率が付与されている。
【0059】
ここで、塞ぎ部材210に対する押し付け部材440の押し付け時には、図9(A)に示すように、円筒部441の内部に、第2突出部220が入りこむ。そして、第2突出部220が円筒部441内の予め定められた箇所まで入り込むと、第2突出部220の外表面に対して、円筒部441の内周面が密着するようになる。付言すると、第2突出部220の外表面に対し、押し付け部材440のうちの開口445の周囲に位置する環状の部位が密着するようになる。さらに説明すると、円筒部441の内周面に形成された上記テーパー面447が、第2突出部220の外表面に密着するようになる。
【0060】
これにより、本構成例でも、塞ぎ部材210に対して押し付け部材440がより確実に密着し、ポンプ22による原液の吸引がより確実に行われるようになる。なお、図9に示す構成例では、鉛直方向に対し原液カートリッジ20が傾いたとしても、塞ぎ部材210と押し付け部材440との密着が維持されやすくなる。ここで、本実施形態では、第2突出部220を上記のように半球状に形成したが、第2突出部220の頂部に対し面削ぎを行い第2突出部220の頂部を平坦とすることもできる。
【0061】
以上、第1〜第4の構成例を説明したが、何れの構成例においても、塞ぎ部材210側に付与された形状と、押し付け部材440側に付与された形状とを入れ替えるようにしてもよい。例えば、図5にて示した第1構成例では、塞ぎ部材210側に突出部(第2突出部214)を形成し、押し付け部材440側に、この突出部が入り込む貫通孔(貫通孔441A)を形成したが、塞ぎ部材210側に貫通孔を形成し、押し付け部材440側に突出部を形成するようにしてもよい。
【0062】
同様に、図6にて示した構成例では、塞ぎ部材210側に、Oリングを設け、押し付け部材440側に、このOリングが密着するテーパー面を設けるようにしてもよい。また、図7図8にて示した第3構成例では、押し付け部材440に形成された貫通孔の内部に、塞ぎ部材210の一部が入り込むようにし、塞ぎ部材210のこの一部と、押し付け部材440と密着させるようにしてもよい。また、図9にて示した第4構成例では、断面が半球状の突出部を押し付け部材440側に形成し、この突出部に密着する部位を塞ぎ部材210側に形成するようにしてもよい。
【0063】
なお、上記にて説明した殺菌水生成装置1は、図3にて示した構成に限らず図10(殺菌水生成装置1の他の構成例を示した図)に示す構成とすることもできる。
図10に示すこの殺菌水生成装置1では、図3にて示した第2殺菌水タンク33に換えて、第2殺菌水タンク33よりも小型の第2殺菌水タンク55を設けている。さらに、この構成例では、マニフォールド60と第2殺菌水タンク55とを接続する殺菌水導入/供給管59、マニフォールド60と供給用接栓47とを接続する殺菌水供給路61が設けられている。
【0064】
ここで、この構成例では、第1殺菌水タンク30からの殺菌水の一部が、マニフォールド60を経由して殺菌水導入/供給管59へ供給され、さらに、殺菌水導入/供給管59を経由して第2殺菌水タンク55に供給される。そして、この第2殺菌水タンク55は、第1殺菌水タンク30が空となった際に、第1殺菌水タンク30が新たな殺菌水により満たされるまでの間、殺菌水を供給する。これにより、この構成例でも、殺菌水の供給が滞らないようになる。
【0065】
ここで、本構成例の場合、第2殺菌水タンク55へ水道水を供給する水道水供給路、第2殺菌水タンク55へ原液を供給する原液供給路などを省略することができるようになり、コスト低減および小型化を図れるようになる。なお、図中、符号56は三方電磁弁を示し、符号57、58は電磁弁を示している。
【0066】
ここで、この構成例では、第1殺菌水タンク30における殺菌水の生成や、第1殺菌水タンク30から外部への殺菌水の供給は上記にて説明した方法と同じ方法で行われる。一方で、第1殺菌水タンク30にて生成された殺菌水が第2殺菌水タンク55へ供給される際には、三方電磁弁56を閉、電磁弁58を開、電磁弁57を開の状態としたうえで、第1殺菌水タンク30に対して圧縮エアを供給する。これにより、第1殺菌水タンク30内の殺菌水が、殺菌水供給路31、マニフォールド60、殺菌水導入/供給管59を経由して、第2殺菌水タンク55へ供給される。
【0067】
そして、第1殺菌水タンク30が空となると、第1殺菌水タンク30に設けられた液面センサ32の検知位置cにて殺菌水の液面が検知される。これにより、この構成例では、三方電磁弁56及び電磁弁58が開とされ、電磁弁57が閉とされる。これにより、圧縮エア用接栓40を通じて供給されてきた圧縮エアが、第2殺菌水タンク55へ供給される。これにより、第2殺菌水タンク55は加圧されるようになり、殺菌水導入/供給管59およびマニフォールド60を介して、第2殺菌水タンク55内の殺菌水が、殺菌水生成装置1の外部に供給される。
【0068】
なお、上記図1図10において説明した殺菌水生成装置1は、複数台を並列に接続することで、セントラル方式としても使用でき、また、施設の規模拡張に合わせて増設することもできる。また、上記では、歯科にて用いられる殺菌水生成装置1を例示したが、この殺菌水生成装置1は、歯科以外に一般医療設備として用いることもできる。より具体的には、例えば人工透析の薬液投与ラインの衛生管理に用いることができる。
【符号の説明】
【0069】
1…殺菌水生成装置、2…筐体、20…原液カートリッジ、214…第2突出部、220…第2突出部、440…押し付け部材、441…円筒部、444…Oリング
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10