(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第1及び2光路変更部は、前記光導波路により形成される光信号の伝送経路を一定曲率を有する鈍角に変更することを特徴とする、請求項1に記載の光印刷回路基板。
前記第1及び2光路変更部は、前記光導波路に形成された鈍角を維持するために熱硬化性絶縁物質で前記光導波路の周囲を覆いかぶせて形成されることを特徴とする請求項2に記載の光印刷回路基板。
前記第1及び2光路変更部は、前記絶縁層を構成する物質のガラス転移温度より高い熱硬化性絶縁物質または液状タイプの熱硬化性絶縁物質で構成されることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の光印刷回路基板。
【背景技術】
【0002】
一般に、印刷回路基板(Printed Circuit Board;PCB)は絶縁部材に導電層が積層された構造を有する銅箔積層板により製造される。印刷回路基板は銅箔積層板に回路パターンを形成することによって製造されることができ、これを電気印刷回路基板という。電気印刷回路基板は信号の伝達媒体として銅などの導電性金属を電気配線に用いるため、超高速、大容量のデータを伝送することに限界がある。
【0003】
これを克服するための方法として、最近、絶縁部材の上に光導波路を形成させる光印刷回路基板技術が開発された。このような光印刷回路基板で光が通過する光導波路を具現するために高分子重合体(Polymer)とガラス繊維(Glass fiber)などを用いた光ファイバー(optical fiber)が適用されている。
【0004】
図1は、従来技術に従う光印刷回路基板の断面図及び部分拡大図である。
【0005】
図1を参照すると、光印刷回路基板104に光導波路101が積層形成されるが、この光導波路101は光路を90度変更させるために90度に曲がった光路変更部102を備える。
【0006】
このように、光導波路101を内蔵積層して製作する光印刷回路基板104の場合、その最終厚さは積層される光導波路101の厚さ(t)に依存するようになる。
【0007】
ここで、光導波路101の厚さ(t)とは、
図1の部分拡大図のように光導波路101の水平部分から曲がって上がる端部までの距離をいう。前記光導波路101が垂直に積層されている場合、光印刷回路基板104の上部面に表れるようになる光導波路101の断面103は光導波路101を垂直に切断した断面の面積を有するようになる。前記光導波路101の断面積が小さい場合、光整列に困難性を有するようになる。
【0008】
もし、最終の光印刷回路基板104の厚さを縮めるために光導波路101の厚さをより縮めるようになれば、光導波路101をより小さい曲率半径に曲げなければならないので、それだけ光導波路101が破損される虞がより大きくなる。
【0009】
このように、光導波路が垂直に積層されている場合、光印刷回路基板の上部面に表れるようになる光導波路の断面は光導波路を垂直に切断した断面の面積を有するようになるが、その断面が小さい場合、光整列に困難性を有するようになる問題点があった。
【0010】
また、光路を90度変更させるために光導波路を90度に曲げて光路変更部を製作する時、曲げによる光損失が発生し、曲げによる高い張力により光導波路が破損されることがあり、曲げによる光導波路の破損を防止するためにやむを得ずに光印刷回路基板の厚さを厚く製作しなければならないという問題点があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明の目的は、新たな構造の光印刷回路基板及びその製造方法を提供することにある。
【0012】
本発明の他の目的は、光の経路を鈍角に変更して光の伝送効率を上げることができる光印刷回路基板及びその製造方法を提供することにある。
【0013】
本発明で達成しようとする課題は前述した目的に制限されず、他の目的及び長所は以下の説明により明らかに理解できる。
【課題を解決するための手段】
【0014】
実施形態に従う光印刷回路基板は、絶縁層、光信号を伝達するために、前記絶縁層の内部に埋め込まれて形成される光導波路、及び前記光導波路の少なくとも一端に形成され、前記光導波路により形成される光信号の伝送経路が一定曲率を有するように変更する光路変更部を含む。
【0015】
また、前記光路変更部は、前記光導波路の第1段に形成され、前記光信号の伝送経路を変更する第1光路変更部と、前記第1段と反対になる前記光導波路の第2段に形成され、前記光信号の伝送経路を変更する第2光路変更部とを含む。
【0016】
また、前記第1及び2光路変更部は、前記光導波路により形成される光信号の伝送経路を一定曲率を有する鈍角に変更する。
【0017】
また、前記第1及び2光路変更部は、前記光導波路に形成された鈍角を維持するために熱硬化性絶縁物質で前記光導波路の周囲を覆いかぶせて形成される。
【0018】
また、前記光導波路は、前記絶縁層の上面または下面と平行に配置される第1領域と、前記第1領域の一端から延びて、一定曲率の鈍角を有して形成される第2領域と、前記第1領域の他端から延びて、一定曲率の鈍角を有して形成される第3領域を含む。
【0019】
また、前記第2及び3領域のうちの少なくとも1つの端部は、前記絶縁層の上面または下面を通じて露出する。
【0020】
また、前記第1及び2光路変更部は、前記絶縁層を構成する物質のガラス転移温度より高い熱硬化性絶縁物質または液状タイプの熱硬化性絶縁物質で構成される。
【0021】
また、前記光導波路は、前記光信号を伝達するコア層と、前記コア層の周りを覆いかぶせる少なくとも1つのクラッド層とを含み、前記コア層は前記クラッド層を構成する物質より屈折率の大きいシリカ及びポリマーが混合されたSiO
2のうち、少なくともいずれか1つの物質で形成される。
【0022】
また、前記光導波路は、多チャンネル構造または多層構造で形成される。
【0023】
一方、実施形態に従う光印刷回路基板の製造方法は、光信号を伝達する光導波路を形成するステップ、前記形成された光導波路の少なくとも一端を折曲させて前記光信号の伝送経路を変更する光路変更部を形成するステップ、及び前記光路変更部により少なくとも一端が折り曲げられた光導波路を絶縁層に埋め込むステップを含む。
【0024】
また、前記光路変更部を形成するステップは、前記光導波路の第1段を折曲させて前記光信号の伝送経路を変更する第1光路変更部を形成するステップと、前記第1段と反対になる前記光導波路の第2段を折曲させて前記光信号の伝送経路を変更する第2光路変更部を形成するステップとを含む。
【0025】
また、前記第1及び2光路変更部を形成するステップは、前記光導波路により形成される光信号の伝送経路を一定曲率を有する鈍角に変更する第1及び第2光路変更部を形成するステップを含む。
【0026】
また、前記第1及び2光路変更部を形成するステップは、前記光導波路を折曲させて形成された鈍角を維持するために熱硬化性絶縁物質で前記光導波路の周りを覆いかぶせる第1及び2光路変更部を形成するステップを含む。
【0027】
また、前記熱硬化性絶縁物質は、液状タイプ熱硬化性絶縁物質を含む。
【0028】
また、前記光導波路は、前記絶縁層の上面または下面と平行に配置される第1領域と、前記第1領域の一端から延びて、一定曲率の鈍角を有して形成される第2領域と、前記第1領域の他端から延びて、一定曲率の鈍角を有して形成される第3領域を含む。
【0029】
また、前記第2及び第3領域のうちの少なくとも1つの端部は、前記絶縁層の上面または下面を通じて露出する。
【0030】
また、前記第1及び2光路変更部は、前記絶縁層を構成する物質のガラス転移温度より高い熱硬化性絶縁物質または液状タイプの熱硬化性絶縁物質で形成される。
【0031】
また、前記光導波路を形成するステップは、前記光信号を伝達するコア層を形成するステップと、前記コア層の周りを覆いかぶせる少なくとも1つのクラッド層を形成するステップとを含む。
【0032】
また、前記コア層は前記クラッド層を構成する物質より屈折率の大きい物質で形成される。
【0033】
また、前記コア層は、シリカ及びポリマーが混合されたSiO
2のうち、少なくともいずれか1つの物質で形成される。
【発明の効果】
【0034】
本発明によれば、鈍角の曲率を有するように光導波路を形成することによって、光導波路に作用する張力により光導波路が破損される問題を解決し、これによって光導波路を積層して製造される光印刷回路基板の厚さを縮めることができる。
【0035】
また、本発明によれば、光印刷回路基板の上部面に露出した光導波路の口径面積が大きくなるにつれて光素子をより容易に整列させることができる。
【0036】
また、本発明によれば、光導波路が形成する鈍角を維持させるための別途のモジュールを追加することによって、安定的で、かつ信頼性の高い光印刷回路基板を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0038】
以下、添付した図面を参考にして本発明の実施形態に対して本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者が容易に実施できるように詳細に説明する。しかしながら、本発明は多様な相異する形態に具現されることができ、ここで説明する実施形態に限定されるものではない。
【0039】
明細書の全体で、どの部分がどの構成要素を“含む”とする時、これは特別に反対になる記載がない限り、他の構成要素を除外するものでなく、他の構成要素をさらに含むことができることを意味する。
【0040】
そして、図面において、本発明を明確に説明するために説明と関係のない部分は省略し、幾つの層及び領域を明確に表現するために厚さを拡大して表したし、明細書の全体を通じて類似の部分に対しては類似の図面符号を付けた。
【0041】
層、膜、領域、板などの部分が他の部分の“上に”あるとする時、これは他の部分の“真上に”ある場合だけでなく、その中間に更に他の部分がある場合も含む。反対に、どの部分が他の部分の“真上に”あるとする時には中間に他の部分がないことを意味する。
【0042】
以下、
図2乃至
図10を参照して本発明の第1実施形態に従う光印刷回路基板について説明する。
【0043】
図2は、本発明の第1実施形態に従う光印刷回路基板の断面図である。
【0044】
図2を参照すると、本発明の第1実施形態に従う光印刷回路基板200は、ベース基板207、前記ベース基板207の内部に積層形成されて光路を形成する光導波路210、前記光導波路210の少なくとも一端に形成されて、前記光導波路210により形成される光路を一定曲率を有する鈍角に変更する光路変更部206、前記ベース基板207の上に積層されて光を送信する光送信機208、及び前記光送信機208を通じて送信された光を受信する光受信機209を含む。
【0045】
ベース基板207は絶縁層と電気信号伝送のための回路パターン(図示せず)などを含むことができる。前記電気信号伝送のための回路パターンは、金、銀、ニッケル、銅などの電気伝導性金属からなることができ、本実施形態では銅を使用する。
【0046】
ベース基板207は、好ましくは補強材が含浸された熱硬化性樹脂からなることができ、例えばプリプレグ、通常の樹脂基板資材として、FR−4、BT(Bismaleimide Triazine)、ABF(Ajinomoto Buildup Film)などのエポキシ系樹脂を使用することができるが、特別にこれに限定されるものではない。
【0047】
また、前記ベース基板207の上部に形成される回路パターンは、通常的な印刷回路基板の製造工程であるアディティブ工法(Additive process)、サブトラクティブ工法(Subtractive Process)、MSAP(Modified Semi Additive Process)及びSAP(Semi Additive Process)工法などにより形成可能であり、これに対する詳細な説明は省略する。
【0048】
また、前記ではベース基板207の上部のみに回路パターンが形成された断面印刷回路基板をベース基板207の例として叙述するが、ベース基板207は断面印刷回路基板だけでなく、絶縁層の両面に回路パターンが形成された両面印刷回路基板または複数の回路パターンを有する多層印刷回路基板になることができることを明らかにする。
【0049】
前記ベース基板207の内部には光導波路210が埋め込まれている。
【0050】
この際、前記光導波路210は、下部クラッド層201、上部クラッド層203、及び前記下部クラッド層201と上部クラッド層203との間に形成されたコア層202を含む。
【0051】
ここで、前記下部クラッド層201及び上部クラッド層203はコア層202を通じて効率的な光信号の伝送がなされることができるように前記コア層202を覆いかぶせる構成で形成される。
【0052】
この際、前記コア層202の下部には下部クラッド層201が形成され、コア層202の上部には上部クラッド層203が形成されると例示したが、これは一実施形態にすぎないものであり、前記コア層202の全体を覆いかぶせるように1つのクラッド層のみを形成することもできる。
【0053】
上部クラッド層203及び下部クラッド層201は、例えば、アクリル(acryl)、エポキシ(epoxy)、ポリイミド(polyimide)、フッ素化アクリル、またはフッ素化ポリイミドなどのポリマー系列の材質からなる。
【0054】
コア層202は、上部クラッド層203と下部クラッド層201との間に介され 、光信号の伝送経路を提供する。コア層202は、上部クラッド層203及び下部クラッド層201と類似のポリマー系列の材質からなるが、効率的な光信号伝送のために前記上部クラッド層203及び下部クラッド層201より高い屈折率を有する。この際、前記コア層202はシリカまたはポリマーが混合されたSiO
2で形成できる。
【0055】
前記コア層202は、前記上部クラッド層203及び下部クラッド層201の両側から突出した形態に形成される。前記コア層202の両端は一定角度で切断されて前記ベース基板207の上部に露出するように形成されることができ、前記コア層の両切断面にはAlまたはAgのように反射度の高い物質で形成された反射層をさらに含むことができる。
【0056】
この際、前記コア層202は前記上部クラッド層203と下部クラッド層201の内部に配置され、前記上部及び下部クラッド層に比べて高い屈折率を有するため、前記コア層202を過ぎる光は前記コア層202と下部/上部クラッド層201、203の間の境界面で全反射されて前記コア層202に沿って進行する。
【0057】
一方、前記のような光導波路210は光透過性及び柔軟性(flexible)に優れる高分子物質、例えば、有機−無機高分子物質などを用いてエンボシング工程やフォトリソグラフィ工程により形成できる。
【0058】
この際、前記有機−無機高分子物質は、例えば、低密度ポリエチレン(Low Density Polyethylene)、超低密度ポリエチレン(LLDPE)、高密度ポリエチレン(High Density Polyethylene)、ポリプロピレン(Polypropylene)、アマイド(Amide)系列のナイロン6(Nylon 6)、ナイロン66(Nylon 66)、ナイロン6/9(Nylon 6/9)、ナイロン6/10(Nylon 6/10)、ナイロン6/12(Nylon 6/12)、ナイロン11、ナイロン12、ポリスチレン(Polystyrene)、ポリエチレンテレフタレート(Polyethylene Terephthalate)、ポリブチルテレフタレート(Polybutyl Terephthalate)、ポリビニルクロライド(polyvinyl chloride)、ポリビニリデンクロライド(Polyvinylidene Chloride)、ポリカーボネート(Polycarbonate)、セルロースアセテート(Cellulose Acetate)、またはポリ(メタ)アクリレート(Poly(meth)acrylate)のうち、いずれか1つからなることが好ましく、これら材料のうち、熱的性質及び機械的性質を考慮してこれらうちから選択されるいずれか1つまたはこれらの組合せによりなされることもできる。
【0059】
上記のように構成された光導波路210の両端部には前記光路を一定曲率を有して変更する光路変更部206が形成される。
【0060】
前記光路変更部206は水平方向の光路を鈍角に変更する。
【0061】
即ち、従来では前記水平方向の光路を垂直方向に変更する場合、前記光導波路210を直角にして前記光路を変更するようになる。しかしながら、このように前記光導波路210が垂直に積層される場合、前記光導波路210の曲率半径は小さくなり、これによるベンディング損失が発生するようになる。また、光導波路210に作用する張力が大きくなるにつれて前記光導波路210が破損される危険がある。
【0062】
これによって、本実施形態では
図3に示すように、前記光導波路210を一定曲率を有する鈍角に変更するため、前記光導波路210の曲率半径が垂直に積層される場合より大きくなり、これによって光導波路210で重要な損失として作用するベンディング損失を減少させることができるだけでなく、前記光導波路210に作用する張力を減少させて前記光導波路210が破損される危険を低下させる。
【0063】
この際、前記光路変更部206の内部は前記光導波路210の両端部に対する鈍角を維持させるための熱硬化性絶縁物質で充填されている。言い換えると、前記光路変更部206の内部は前記のような熱硬化性絶縁物質で充填されるため、前記光導波路210の両端部を保護するだけでなく、前記光導波路210の両端部に形成された鈍角に変化が生じないように維持させる。
【0064】
前記光路変更部206の内部は前記ベース基板207を形成する物質と相異する物質で形成されることが好ましい。
【0065】
例えば、前記光路変更部206は前記ベース基板207を形成する物質よりガラス転移温度の高い熱硬化性絶縁物質で形成されるか、前記ベース基板207を形成する物質と異なる液状タイプに形成できる。
【0066】
これによって、前記光導波路は、前記ベース基板207の上面または下面と平行に配置される第1領域と、前記第1領域の一端から延びて、一定曲率の鈍角を有して形成される第2領域と、前記第1領域の他端から延びて、一定曲率の鈍角を有して形成される第3領域とを含むようになる。
【0067】
前記ベース基板207の上には、光送信機208と、前記光送信機208を通じて送信された光を受信する光受信機209が実装される。
【0068】
前記光送信機208及び光受信機209は、前記ベース基板207の上で一定間隔をおいて配置される。この際、前記光送信機208と光受信機209との配置間隔は前記ベース基板207の上に露出した光導波路210の両端の間隔により決定できる。より好ましくは、前記光送信機208は前記ベース基板207の上に露出した光導波路210の一端に配置され、前記光受信機209は前記光導波路210の他端が露出した領域に配置される。
【0069】
前記光送信機208は光信号を生成して出力するものであって、ドライバー集積回路(図示せず)及び発光素子(図示せず)を含む。前記発光素子は前記ドライバー集積回路により駆動されて前記ベース基板207の上部を通じて露出した光導波路210に光を発生する。
【0070】
この際、前記発光素子は光シグナルを照射する光源素子であるVCSEL(Vertical-Cavity Surface-Emitting Laser)を含むことができる。前記VCSELはレーザービームを垂直に照射する方式により光源シグナルを伝送または増幅させる光源素子である。
【0071】
前記光受信機209は、レシーバー集積回路(図示せず)及び受光素子(図示せず)を含む。
【0072】
前記受光素子は前記光送信機208から発生した光を受信するものであって、前記レシーバー集積回路により駆動される。前記受光素子は光シグナルを検出する素子であるPD(Photo detector)を含むことができる。
【0073】
また、本発明に従う実施形態では、前記ベース基板207の内に1つの光導波路210のみ埋め込まれていると説明したが、これは本発明の実施形態にすぎないものであり、複数個の光導波路210が前記ベース基板207の内に埋め込まれていることもできる。
【0074】
例えば、同一層の内で前記光導波路210が複数個形成された多チャンネル光導波路を含む光印刷回路基板も製造することができ、前記多チャンネルだけでなく、多層的に複数個の光導波路210が形成された光印刷回路基板も製造することができる。
【0075】
上記のように、本発明の実施形態に従う光印刷回路基板200は、光導波路210の両端部に形成された光路を鈍角に変更し、前記光導波路210の両端部に前記形成された鈍角を維持させ、前記光導波路210を保護する光路変更部206を形成することによって、ベース基板の上部に露出する光導波路210の口径が拡大されるようにすることができるだけでなく、光導波路のベンディング損失及び張力を減少させることができる。
【0076】
図4乃至
図10は、本発明の実施形態に従う光印刷回路基板200の製造方法を示す断面図である。
【0077】
まず、所定の使用光波長に対する光透明性の良い物質からなる下部クラッド層201を形成する。
【0078】
以後、前記下部クラッド層201の上にコア層202を積層する。
【0079】
この際、前記下部クラッド層201は、例えば、アクリル(acryl)、エポキシ(epoxy)、ポリイミド(polyimide)、フッ素化アクリル、またはフッ素化ポリイミドなどのポリマー系列の材質からなる。
【0080】
前記コア層202は下部クラッド層201の上に形成され、光信号が伝えられる経路の役割をする。コア層202は、下部クラッド層201と類似のポリマー系列の材質からなることができ、効率的な光信号伝送のために、クラッド層より高い屈折率を有する。この際、前記コア層202はシリカまたはポリマーが混合されたSiO
2で形成できる。
【0081】
また、前記コア層202は光透過性及び柔軟性(flexible)に優れる高分子物質、例えば、有機−無機高分子物質などを用いてエンボシング工程やフォトリソグラフィ工程により形成できる。
【0082】
この際、前記有機−無機高分子物質は、例えば、低密度ポリエチレン(Low Density Polyethylene)、超低密度ポリエチレン(LLDPE)、高密度ポリエチレン(High Density Polyethylene)、ポリプロピレン(Polypropylene)、アマイド(Amide)系列のナイロン6(Nylon 6)、ナイロン66(Nylon 66)、ナイロン6/9(Nylon 6/9)、ナイロン6/10(Nylon 6/10)、ナイロン6/12(Nylon 6/12)、ナイロン11、ナイロン12、ポリスチレン(Polystyrene)、ポリエチレンテレフタレート(Polyethylene Terephthalate)、ポリブチルテレフタレート(Polybutyl Terephthalate)、ポリビニルクロライド(polyvinyl chloride)、ポリビニリデンクロライド(Polyvinylidene Chloride)、ポリカーボネート(Polycarbonate)、セルロースアセテート(Cellulose Acetate)、またはポリ(メタ)アクリレイト(Poly(meth)acrylate)のうち、いずれか1つからなることが好ましく、これら材料のうち、熱的性質及び機械的性質を考慮して、これらのうちから選択されるいずれか1つまたはこれらの組合せによりなされることもできる。
【0083】
次に、
図5を参照すると、前記コア層202の上に上部クラッド層203を積層する。
【0084】
即ち、前記コア層202を中心に前記コア層202を保護するための上部クラッド層203及び下部クラッド層201を積層する。
【0085】
結論的に、下部クラッド層201、コア層202、及び上部クラッド層203を順次に積層するか、一括積層して
図5に示すように光導波路210を形成する。
【0086】
次に、
図6に示すように、鈍角形成ジグ300を用いて前記形成された光導波路210の両端部に対する光路を変更する光路変更部206を形成する。
【0087】
このために、前記鈍角形成ジグ300を用いて、前記光導波路210の両端部を一定曲率を有する鈍角に折曲させる。そして、前記鈍角に折り曲げられた光導波路210の周りを覆いかぶせる光路変更部206を形成する。
【0088】
この際、前記折り曲げられる光導波路210に対する角のサイズは光導波路210の内で全反射がなされるための最大角を考慮して決定することが好ましい。例えば、前記光路変更部に対する角のサイズは90度〜130度範囲を満たすようにすることができる。
【0089】
より具体的に、前記鈍角形成ジグ300の第1領域204は、前記光導波路210の左側端部を傾けて鈍角を形成し、前記鈍角形成ジグ300の第2領域205は前記光導波路210の右側端部を傾けて鈍角を形成する。
【0090】
次に、
図7に示すように、前記鈍角形成ジグ300の第1領域204及び第2領域205に熱硬化性絶縁物質を充填して前記光導波路210の両端部に形成された鈍角が維持できるようにする第1及び2光路変更部206を形成する。
【0091】
この際、前記第1領域204及び第2領域205に充填される熱硬化性絶縁物質は、今後上記のように形成される光導波路210を埋め込むベース基板207の形成物質と相異する物質のものが好ましい。
【0092】
即ち、前記熱硬化性絶縁物質は、前記ベース基板207を形成する物質のガラス転移温度より高かいか、前記ベース基板207を形成する物質と異なる液状タイプの物質であることが好ましい。
【0093】
上記のように、前記第1領域204及び第2領域205に絶縁物質を充填した後、硬化させれば、前記光導波路210の両端部は前記絶縁物質により保護されるとともに、前記形成された鈍角を継続的に維持するようになる。
【0094】
次に、
図8に示すように、ベース基板207を用意し、前記用意したベース基板207の内に前記形成された光導波路210を埋め込む。
【0095】
前記ベース基板207は、絶縁層と前記絶縁層の一面に形成された回路パターン(図示せず)を含むことができる。前記回路パターンは、金、銀、銅、ニッケルなどの電気伝導性金属からなることができる。
【0096】
また、前記絶縁層はプリプレグのような補強材が含浸された熱硬化性樹脂からなることができ、これとは異なり、樹脂基板資材として、FR−4、BT(Bismaleimide Triazine)、ABF(Ajinomoto Buildup Film)などのエポキシ系樹脂を使用することができるが、特別にこれに限定されるものではない。
【0097】
この際、前記ベース基板207の上面には前記埋め込まれた光導波路210の両端部を外部に露出させる露出溝(図示せず)が形成されている。
【0098】
より好ましくは、前記ベース基板207の上面には前記光導波路210をなすコア層202の左側端部を露出する露出溝と、前記コア層202の右側端部を露出する露出溝が形成されている。
【0099】
これによって、前記光導波路210は、前記絶縁層の上面または下面と平行に配置される第1領域と、前記第1領域の一端から延びて、一定曲率の鈍角を有して形成される第2領域と、前記第1領域の他端から延びて、一定曲率の鈍角を有して形成される第3領域を含む。
【0100】
次に、
図9に示すように、前記ベース基板207の上部に光送信機208及び光受信機209を実装する。
【0101】
この際、前記光送信機208は光信号を生成して出力するものであって、ドライバー集積回路(図示せず)及び発光素子(図示せず)を含む。前記発光素子は前記ドライバー集積回路により駆動されて前記ベース基板207の上部を通じて露出した光導波路210に光を発生する。
【0102】
この際、前記発光素子は光シグナルを照射する光源素子であるVCSEL(Vertical-Cavity Surface-Emitting Laser)を含むことができる。前記VCSELはレーザービームを垂直に照射する方式により光源シグナルを伝送または増幅させる光源素子である。
【0103】
言い換えると、前記ドライバー集積回路は前記VCSELと結合されて光信号が出力されるように前記VCSELを駆動させ、前記VCSELは能動素子として電気的信号を光信号に変換する役割をする。
【0104】
前記光受信機209はレシーバー集積回路(図示せず)及び受光素子(図示せず)を含む。
【0105】
前記受光素子は前記光送信機208から発生した光を受信するものであって、前記レシーバー集積回路により駆動される。前記受光素子は光シグナルを検出する素子であるPD(Photo detector)を含むことができる。
【0106】
この際、前記光送信機208は前記ベース基板207に形成されたいずれか1つの露出溝の上部に実装されることができ、前記光受信機209は前記ベース基板207に形成された他の1つの露出溝の上部に実装できる。
【0107】
また、前記ではベース基板207に1つの光導波路210を埋め込む工程を説明したが、
図10のように前記光導波路210は多チャンネルに形成できる。また、多チャンネルだけでなく、前記光導波路210は多層的に形成されることもできる。
【0108】
図11は、本発明の第2実施形態に従う光印刷回路基板を示す断面図である。
【0109】
図11を参照すると、本発明の第2実施形態に従う光印刷回路基板400は、ベース基板407、前記ベース基板407の内部に積層形成されて光路を形成する光導波路410、前記光導波路410の少なくとも一端に形成されて、前記光導波路410により形成される光路を一定曲率を有する鈍角に変更する光路変更部406、前記ベース基板407の上に積層されて光を送信する光送信機408、及び前記光送信機408を通じて送信された光を受信する光受信機409を含む。
【0110】
ベース基板407は、絶縁層と電気信号伝送のための回路パターン(図示せず)などを含むことができる。前記電気信号伝送のための回路パターンは、金、銀、ニッケル、銅などの電気伝導性金属からなることができて、本実施形態では銅を使用する。
【0111】
ベース基板407は、好ましくは補強材が含浸された熱硬化性樹脂からなることができ、例えば、プリプレグ、通常の樹脂基板資材として、FR−4、BT(Bismaleimide Triazine)、ABF(Ajinomoto Buildup Film)などのエポキシ系樹脂を使用することができるが、特別にこれに限定されるものではない。
【0112】
前記ベース基板407の内部には光導波路410が埋め込まれている。
【0113】
この際、前記光導波路410は、下部クラッド層401、上部クラッド層403、及び前記下部クラッド層401と上部クラッド層403との間に形成されたコア層402を含む。
【0114】
ここで、前記下部クラッド層401及び上部クラッド層403はコア層402を通じて効率的な光信号の伝送がなされることができるように前記コア層402を覆いかぶせる構成で形成される。
【0115】
前記コア層402は、前記上部クラッド層403及び下部クラッド層401の両側から突出した形態に形成される。前記コア層402の両端は一定角度で切断されて前記ベース基板407の上部及び下部に各々露出するように形成されることができ、前記コア層の両切断面にはAlまたはAgのように反射度の高い物質で形成された反射層をさらに含むことができる。
【0116】
即ち、
図2に図示された光印刷回路基板200では、前記コア層202の両端が前記ベース基板207の上段を通じて露出した。しかしながら、第2実施形態に従う光印刷回路基板400は、前記コア層402の一端は前記ベース基板407の上段を通じて露出し、コア層402の他端は前記ベース基板407の下段を通じて露出する。
【0117】
上記のように構成された光導波路410の両端部には前記光路を一定曲率を有して変更する光路変更部406が形成される。
【0118】
前記光路変更部406は水平方向の光路を鈍角に変更する。
【0119】
この際、前記光路変更部406の内部は前記光導波路410の両端部に対する鈍角を維持させるための熱硬化性絶縁物質で充填されている。言い換えると、前記光路変更部406の内部は前記のような熱硬化性絶縁物質で充填されるため、前記光導波路410の両端部を保護するだけでなく、前記光導波路410の両端部に形成された鈍角に変化が生じないように維持させる。
【0120】
前記光路変更部406の内部は前記ベース基板407を形成する物質と相異する物質で形成されることが好ましい。
【0121】
例えば、前記光路変更部406は前記ベース基板407を形成する物質よりガラス転移温度の高い熱硬化性絶縁物質で形成されるか、前記ベース基板407を形成する物質と異なる液状タイプに形成できる。
【0122】
前記ベース基板407の上には光送信機408及び前記光送信機408を通じて送信された光を受信する光受信機409のうち、いずれか1つが実装され、前記ベース基板407の下には光受信機409または光送信機408が実装される。
【0123】
より好ましくは、前記光送信機408は前記ベース基板407の上に露出した光導波路410の一端に配置され、前記光受信機409は前記ベース基板407の下に露出した光導波路410の他端に配置される。
【0124】
前記光送信機408は光信号を生成して出力するものであって、ドライバー集積回路(図示せず)及び発光素子(図示せず)を含む。前記発光素子は前記ドライバー集積回路により駆動されて前記ベース基板407の上部を通じて露出した光導波路410に光を発生する。
【0125】
この際、前記発光素子は光シグナルを照射する光源素子であるVCSEL(Vertical-Cavity Surface-Emitting Laser)を含むことができる。前記VCSELはレーザービームを垂直に照射する方式により光源シグナルを伝送または増幅させる光源素子である。
【0126】
前記光受信機409は、レシーバー集積回路(図示せず)及び受光素子(図示せず)を含む。
【0127】
前記受光素子は前記光送信機408から発生した光を受信するものであって、前記レシーバー集積回路により駆動される。前記受光素子は光シグナルを検出する素子であるPD(Photo detector)を含むことができる。
【0128】
上記のように、本発明の第2実施形態では、光送信機と光受信機を互いに異なる領域に配置することによって、光伝送経路をより多様に提供することができる。
【0129】
以上、本発明の実施形態について詳細に説明したが、本発明の権利範囲はこれに限定されるものではなく、次の請求範囲で定義している本発明の基本概念を用いた当業者の様々な変形及び改良形態も本発明の権利範囲に属するものである。