(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6050265
(24)【登録日】2016年12月2日
(45)【発行日】2016年12月21日
(54)【発明の名称】無線通信システムでバッファー状態報告を伝送する方法及び装置
(51)【国際特許分類】
H04W 72/04 20090101AFI20161212BHJP
H04W 24/10 20090101ALI20161212BHJP
【FI】
H04W72/04 136
H04W24/10
【請求項の数】12
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2013-558792(P2013-558792)
(86)(22)【出願日】2012年3月19日
(65)【公表番号】特表2014-508488(P2014-508488A)
(43)【公表日】2014年4月3日
(86)【国際出願番号】KR2012001915
(87)【国際公開番号】WO2012128511
(87)【国際公開日】20120927
【審査請求日】2015年3月4日
(31)【優先権主張番号】61/454,110
(32)【優先日】2011年3月18日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】61/477,339
(32)【優先日】2011年4月20日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】503447036
【氏名又は名称】サムスン エレクトロニクス カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】ジェ・ヒュク・ジャン
(72)【発明者】
【氏名】ソン・フン・キム
【審査官】
高野 洋
(56)【参考文献】
【文献】
特表2011−515891(JP,A)
【文献】
国際公開第2009/104928(WO,A1)
【文献】
特開2011−055464(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2011/0055387(US,A1)
【文献】
特表2011−525742(JP,A)
【文献】
国際公開第2009/156917(WO,A1)
【文献】
LG Electronics Inc., Nokia Siemens Networks,Correction to Multiple BSRs[online],3GPP TSG-RAN WG2 Meeting #64 R2-086138,インターネット<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG2_RL2/TSGR2_64/Docs/R2-086138.zip>,2008年11月
【文献】
Ericsson,Introduction of Carrier Aggregation[online],3GPP TSG-RAN Meeting #72 R2-106133,インターネット<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG2_RL2/TSGR2_72/Docs/R2-106133.zip>,2010年11月
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24− 7/26
H04W 4/00−99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線通信システムでの端末のバッファー状態報告伝送方法において、
新規データ伝送のためのアップリンク資源を割り当てるとき、第1バッファー状態報告の存在の有無を確認する段階と、
前記第1バッファー状態報告が存在するとき、前記バッファー状態報告を含むアップリンクデータを生成する段階と、
第2バッファー状態報告の存在の有無を確認する段階と、
前記第2バッファー状態報告が存在するとき、前記第1バッファー状態報告が一般バッファー状態報告または周期的バッファー状態報告であるか否かによって前記第2バッファー状態報告の取り消しの可否を決定する段階とを含み、
前記決定する段階は、
前記第1バッファー状態報告が一般バッファー状態報告または周期的バッファー状態報告である場合、前記第2バッファー状態報告を取り消す段階を含み、
前記第1バッファー状態報告がパディングバッファー状態報告である場合、前記第2バッファー状態報告を取り消さない段階を含む
ことを特徴とするバッファー状態報告伝送方法。
【請求項2】
前記パディングバッファー状態報告は、
前記アップリンク資源が割り当てられ、データを伝送した後に残る空間を詰めるパディングビットが、バッファー状態報告制御要素のサイズとバッファー状態報告制御要素のサブヘッダーサイズとを加算したサイズ以上である場合に伝送される
ことを特徴とする請求項1に記載のバッファー状態報告伝送方法。
【請求項3】
前記生成する段階の後に、
周期的にバッファー状態報告を伝送するか、または前記バッファー状態報告を再伝送するためのタイマー動作を開始する段階をさらに含む
ことを特徴とする請求項1に記載のバッファー状態報告伝送方法。
【請求項4】
前記生成されたアップリンクデータを基地局に伝送する段階をさらに含む
ことを特徴とする請求項1に記載のバッファー状態報告伝送方法。
【請求項5】
前記バッファー状態報告は、
端末が伝送するデータが格納された量を論理チャネルグループ別に、基地局に報告する制御情報である
ことを特徴とする請求項1に記載のバッファー状態報告伝送方法。
【請求項6】
前記バッファー状態報告は、
新規データのためのアップリンク資源が1つのアップリンクデータのみに対して伝送可能な場合、前記アップリンク資源に伝送するデータを格納した後に残ったバッファー状態を記述し、
新規データのためのアップリンク資源が同一のサブフレームに伝送される多数のアップリンクデータに対して伝送可能な場合、同一のサブフレームで伝送されるすべてのアップリンク資源にデータを格納した後に残ったバッファー状態を記述する
ことを特徴とする請求項1に記載のバッファー状態報告伝送方法。
【請求項7】
無線通信システムでバッファー状態を報告する端末であって、
基地局と信号を送受信する送受信部と、
新規データ伝送のためのアップリンク資源を割り当てるとき、第1バッファー状態報告の存在の有無を確認し、前記第1バッファー状態報告が存在するとき、前記バッファー状態報告を含むアップリンクデータを生成し、第2バッファー状態報告の存在の有無を確認し、前記第2バッファー状態報告が存在するとき、前記第1バッファー状態報告が一般バッファー状態報告または周期的バッファー状態報告であるか否かによって前記第2バッファー状態報告の取り消しの可否を決定する制御部と、を含み、
前記制御部は、
前記第1バッファー状態報告が一般バッファー状態報告または周期的バッファー状態報告である場合、前記第2バッファー状態報告を取り消すように制御し、
前記第1バッファー状態報告がパディングバッファー状態報告である場合、前記第2バッファー状態報告を取り消さないように制御する
ことを特徴とする端末。
【請求項8】
前記パディングバッファー状態報告は、
前記アップリンク資源が割り当てられ、データを伝送した後に残る空間を詰めるパディングビットが、バッファー状態報告制御要素のサイズとバッファー状態報告制御要素のサブヘッダーサイズとを加算したサイズ以上である場合に伝送される
ことを特徴とする請求項7に記載の端末。
【請求項9】
前記制御部は、
前記アップリンクデータ生成後、周期的にバッファー状態報告を伝送するか、または前記バッファー状態報告を再伝送するためのタイマー動作を開始するように制御する
ことを特徴とする請求項7に記載の端末。
【請求項10】
前記制御部は、
前記生成されたアップリンクデータを基地局に伝送するように制御する
ことを特徴とする請求項7に記載の端末。
【請求項11】
前記バッファー状態報告は、
端末が伝送するデータが格納された量を論理チャネルグループ別に、基地局に報告する制御情報である
ことを特徴とする請求項7に記載の端末。
【請求項12】
前記バッファー状態報告は、
新規データのためのアップリンク資源が1つのアップリンクデータのみに対して伝送可能な場合、前記アップリンク資源に伝送するデータを格納した後に残ったバッファー状態を記述し、
新規データのためのアップリンク資源が同一のサブフレームに伝送される多数のアップリンクデータに対して伝送可能な場合、同一のサブフレームで伝送されるすべてのアップリンク資源にデータを格納した後に残ったバッファー状態を記述する
ことを特徴とする請求項7に記載の端末。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線通信システムに関し、より詳細には、端末機がアップリンクで伝送するデータに対するバッファー状態報告を伝送する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、無線データに対する需要の急増に伴い、無線通信システムは進化を続けており、代表的な通信システムとしてLTE(Long Term Evolution)システムが挙げられる。
LTEシステムでは、端末がアップリンクで伝送するデータがバッファーにある場合、現在バッファー状態に対する報告をバッファー状態報告(Buffer Status Report、以下、BSRと称する)として基地局に通知する。このようなBSRを伝送する場合にも、一般的なBSR伝送であるか、周期的なBSR伝送であるか、または基地局が割り当てた後に残るパディング資源に伝送するBSRであるかによって、端末がどのような状況でどのようなBSRを伝送しなければならないかに対する動作が明確に定義される必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、前述したような問題点を解決するためになされたもので、本発明の目的は、端末が一般または周期的BSRを伝送する場合に、パディングBSRを伝送する方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記目的を達成するために、本発明は、端末がアップリンクデータ伝送時に資源が残る場合、パディングBSRを伝送し、もしそのアップリンクデータ内に一般的または周期的BSR(Regular BSR or Periodic BSR)が含まれているとしても、一般的または周期的BSR伝送を取り消さない。
【0005】
より具体的には、本発明の無線通信システムにおける端末のバッファー状態報告伝送方法は、新規データ伝送のためのアップリンク資源を割り当てるとき、トリガーされたが取り消されない第1バッファー状態報告の存在の有無を確認する段階と、前記第1バッファー状態報告が存在するとき、前記バッファー状態報告を含むアップリンクデータを生成する段階と、前記生成されたアップリンクデータに含まれたバッファー状態報告以外の、トリガーされたが取り消されない第2バッファー状態報告の存在の有無を確認する段階と、前記第2バッファー状態報告が存在するとき、前記第1バッファー状態報告が一般バッファー状態報告または周期的バッファー状態報告であるか否かによって前記第2バッファー状態報告の取り消しの可否を決定する段階とを含むことを特徴とする。
【0006】
また、本発明の無線通信システムにおいてバッファー状態を報告する端末は、基地局と信号を送受信する送受信部と、新規データ伝送のためのアップリンク資源を割り当てるとき、トリガーされたが取り消されない第1バッファー状態報告の存在の有無を確認し、前記第1バッファー状態報告が存在するとき、前記バッファー状態報告を含むアップリンクデータを生成し、前記生成されたアップリンクデータに含まれたバッファー状態報告以外の、トリガーされたが取り消されない第2バッファー状態報告の存在の有無を確認し、前記第2バッファー状態報告が存在するとき、前記第1バッファー状態報告が一般バッファー状態報告または周期的バッファー状態報告であるか否かによって前記第2バッファー状態報告の取り消しの可否を決定する制御部とを含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
提案する方法を利用すれば、端末がパディングBSRを伝送するとき、追加取り消し動作などを行うことなく、端末の動作複雑度を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明が適用されるLTEシステムの構造を示す図である。
【
図2】本発明が適用されるLTEシステムにおける無線プロトコル構造を示す図である。
【
図3】本発明において提案する端末動作の第1実施形態の流れ図である。
【
図4】本発明において提案する端末動作の第2実施形態の流れ図である。
【
図5】本発明を適用した端末機装置を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下では、本発明を説明するにあたって、関連する公知機能または構成に対する具体的な説明が本発明の要旨を不明にするおそれがあると判断される場合には、その詳細な説明を省略する。以下、添付の図面を参照して本発明の実施形態を説明する。
本発明において、セルラ通信技術は、説明の便宜のために、LTEシステムを基準にして説明するが、一般的なセルラ通信技術に適用されることは勿論である。以下の説明で、LTEの端末機は、UE(User equipment)、LTEの基地局は、eNB(evolved Node B)という用語で統一する。
【0010】
図1は、本発明が適用されるLTEシステムの構造を示す図である。
図1を参照すれば、図示のように、LTEシステムの無線アクセスネットワークは、次世代基地局(Evolved Node B、以下、ENB、Node Bまたは基地局と称する)105,110,115,120、MME(Mobility Management Entity)125、及びS−GW(Serving−Gateway)130で構成される。ユーザ端末(User Equipment、以下、UEまたは端末と称する)135は、ENB 105〜120及びS−GW 130を介して外部ネットワークに接続する。
【0011】
図1で、ENB 105〜120は、UMTSシステムの既存ノードBに対応する。ENBは、UE 135と無線チャネルで接続され、既存のノードBより複雑な役目を果たす。LTEシステムでは、インターネットプロトコルを介したVoIP(Voice over IP)のようなリアルタイムサービスを含めたすべてのユーザトラフィックが共用チャネル(shared channel)を介してサービスされるので、UEのバッファー状態、可用伝送電力状態、チャネル状態などの状態情報を取り纏めてスケジューリングを行う装置が必要であり、これをENB 105〜120が担当する。1つのENBは、通常、多数のセルを制御する。例えば、100Mbpsの伝送速度を実現するために、LTEシステムは、例えば、20MHz帯域幅で直交周波数分割多重方式(Orthogonal Frequency Division Multiplexing、以下、OFDMと称する)を無線接続技術として使用する。また、端末のチャネル状態に合わせて変調方式(modulation scheme)とチャネルコーディング率(channel coding rate)を決定する適応変調コーディング(Adaptive Modulation & Coding、以下、AMCと称する)方式を適用する。S−GW 130は、データベアラーを提供する装置であり、MME 125の制御によってデータベアラーを生成するか、または除去する。MMEは、端末に対する移動性管理機能はもちろん、各種制御機能を担当する装置であって、多数の基地局と接続される。
【0012】
図2は、本発明が適用されるLTEシステムにおける無線プロトコル構造を示す図である。
図2を参照すれば、LTEシステムの無線プロトコルは、端末及びENBにおいてそれぞれ、PDCP(Packet Data Convergence Protocol)205,240、RLC(Radio Link Control)210,235、及びMAC(Medium Access Control)215,230で構成される。PDCP(Packet Data Convergence Protocol)205,240は、IPヘッダー圧縮/復元などの動作を担当し、無線リンク制御(Radio Link Control、以下、RLCと称する)210,235は、PDCP PDU(Packet Data Unit)を適切なサイズに再構成し、ARQ動作などを行う。MAC 215,230は、1つの端末に構成された様々なRLC階層装置と接続され、RLC PDUをMAC PDUに多重化し、MAC PDUからRLCPDUを逆多重化する動作を行う。物理階層220,225は、上位階層データをチャネルコーディング及び変調し、OFDMシンボルとして無線チャネルで伝送するか、または無線チャネルを介して受信したOFDMシンボルを復調し、チャネルデコーディングし、上位階層に伝達する動作を行う。
【0013】
端末機内に異種機器が共存する場合、一般的な測定方法及び報告は、このような干渉問題を解決するための好適な方案ではない。これは、異種機器内の干渉発生は、間歇的なので、干渉を受ける時間中には、データ伝送に妨害を受けてデータ伝送が失敗するなどの問題が発生するが、一般的な測定方法を使用した場合には、このような干渉が長期間平均化され、干渉に対する影響があまり反映されないからである。一般的に、実際にユーザが使用するサービスは、サービスごとにサービス品質(Quality of Service、以下、QoSと称する)に対する要求事項があり、そのうち、ブロックエラー率(Block error rate、BLER)がある。これは、平均的にパケットがどれほどの確率で伝送失敗するかに対する確率値であり、実際にデータがどれほど伝送成功したかを知ることができる。
【0014】
図3は、本発明の第1実施形態による端末の動作順序を示す流れ図である。
まず、端末は、基地局と動作を開始してから(301)、基地局から端末の新規データ伝送のためにアップリンク資源を割り当てられたことを確認する(303)。
その後、端末は、トリガーされたが、まだ取り消されないBSRが存在するかを検査する(305)。ここで、BSRは、端末のデータがバッファーに蓄積されている(すなわち格納された)量を論理チャネルグループ(Logical Channel Group、以下、LCGと称する)別に報告する制御情報である。前記LCGは、最大4個まで設定され、類似のサービス品質(Quality of Service、以下、QoSと称する)要求事項を有する論理チャネルの集合である。前記LCGの構成は、基地局によって端末別に設定される。
【0015】
もし、取り消さないBSRがあれば、前記BSRをMAC PDU(すなわち、アップリンクデータ)に含ませる(307)。前記BSRには、下記のような規則でバッファー状態を記述する。
−もし、新規データのためのアップリンク資源が1つのMAC PDUのみに対して伝送可能であれば、端末は、当該MAC PDUにデータを格納した後に残ったバッファー状態を前記BSRに記述する。
−もし、新規データのためのアップリンク資源が同一のサブフレームに伝送される多数のMAC PDUに対して伝送可能であれば(すなわち、資源割り当てが多く行われた場合)、端末は、同一のサブフレームで伝送されるすべてのMAC PDUにデータを格納した後に残ったバッファー状態を前記BSRに記述する。
−BSRは、LCG別にバッファー状態を報告する制御情報である。
【0016】
上記のように、BSR内容を含むBSR MAC control elementを生成し、MAC PDUに含ませ、生成されたBSRがtruncated BSRではない場合には、periodicBSR−Timerを開始または再開始し、retxBSR−Timerを開始または再開始する(309)。前記truncated BSRは、バッファー状態をすべて含む情報ではない、一部のバッファー状態だけが含まれたBSRであり、前記periodicBSR−Timerは、周期的なBSRの伝送のためのものであり、retxBSR−Timerは、BSR伝送時にアップリンク資源を受信しない場合、BSRを再伝送するためのタイマーである。
【0017】
一方、前記BSRは、下記のように様々な種類が存在する。
−第1タイプ:Regular BSR
o端末が前記LCGに属している任意の論理チャネルに対して伝送が可能なデータがある場合、前記retxBSR−Timerが満了した場合に伝送されるBSR
o前記LCGに属している論理チャネルに対して上位階層(RLCまたはPDCP階層)から伝送するデータが発生し、このデータが任意のLCGに属している論理チャネルより高い優先順位を有する場合に伝送されるBSR
o前記LCGに属している論理チャネルに対して上位階層(RLCまたはPDCP階層)から伝送するデータが発生し、このデータを除いてどのLCGにもデータがない場合に伝送されるBSR
−第2タイプ:Periodic BSR
o前記periodicBSR−Timerが満了した場合に伝送されるBSR
−第3タイプ:Padding BSR
oアップリンク資源が割り当てられ、データを伝送した後に残る空間を詰めるパディングビットがBSR MAC Control elementのサイズとBSR MAC Control elementのサブヘッダーサイズとを加算したものと同一であるか、さらに大きい場合に伝送されるBSR
【0018】
前記BSRは、複数回トリガーされてもよいが、1つのMAC PDUには、ただ1つのBSRだけが含まれる。端末は、以前段階でMAC PDUに含ませたBSR以外にも、トリガーされたが、まだ取り消されないBSRが残っているかを確認する(311)。もし、そのようなBSRがあれば、以前段階でMAC PDUに含ませたBSRがどのような種類のBSRであるかを検査する(313)。
もし、第1タイプまたは第2タイプのBSRがMAC PDUに含まれたものなら、前記残っているBSRを取り消す(315)。
しかし、もし、第3タイプのBSRがMAC PDUに含まれたものなら、前記残っているBSRを取り消さない(317)。
その後、端末は、生成されたMAC PDUを伝送し(319)、過程を終了する(321)。
【0019】
図4は、本発明で提案する端末動作の第2実施形態の流れ図である。
端末は、基地局と動作を開始してから(401)、基地局から端末の新規データ伝送のためにアップリンク資源を割り当てられたことを確認する(403)。
その後、端末は、トリガーされたが、まだ取り消しされないBSRが存在するかを検査する(405)。ここで、BSRは、端末のデータがバッファーに蓄積されている量を論理チャネルグループ(Logical Channel Group、以下、LCGと称する)別に報告する制御情報である。前記LCGは、最大4個まで設定され、類似のサービス品質(Quality of Service、以下、QoSと称する)要求事項を有する理チャネルの集合である。前記LCGの構成は、基地局によって端末別に設定される。
【0020】
もし、取り消さないBSRがあれば、前記BSRをMAC PDUに含ませる(407)。前記BSRには、下記のような規則でバッファー状態を記述する。
−もし、新規データのためのアップリンク資源が1つのMAC PDUのみに対して伝送可能であれば、端末は、前記BSRに当該MAC PDUにデータを格納した後に残ったバッファー状態を記述する。
−もし、新規データのためのアップリンク資源が同一のサブフレームに伝送される多数のMAC PDUに対して伝送可能であれば(すなわち、資源割り当てが多く行われた場合)、端末は、前記BSRに同一のサブフレームで伝送されるすべてのMAC PDUにデータを格納した後に残ったバッファー状態を記述する。
−BSRは、LCG別にバッファー状態を報告する制御情報である。
【0021】
上記のように、BSR内容を含むBSR MAC control elementを生成し、MAC PDUに含ませ、生成されたBSRがtruncated BSRではない場合には、periodicBSR−Timerを開始または再開始し、retxBSR−Timerを開始または再開始する(409)。前記truncated BSRは、バッファー状態をすべて含む情報ではない、一部のバッファー状態だけが含まれたBSRであり、前記periodicBSR−Timerは、周期的なBSRの伝送のためのものであり、retxBSR−Timerは、BSR伝送時にアップリンク資源を受信しない場合、BSRを再伝送するためのタイマーである。
【0022】
一方、前記BSRは、下記のように様々な種類が存在する。
−第1タイプ:Regular BS
o端末が前記LCGに属している任意の論理チャネルに対して伝送が可能なデータがある場合、前記retxBSR−Timerが満了した場合に伝送されるBSR
o前記LCGに属している論理チャネルに対して上位階層(RLCまたはPDCP階層)から伝送するデータが発生し、このデータが任意のLCGに属している論理チャネルより高い優先順位を有する場合に伝送されるBSR
o前記LCGに属している論理チャネルに対して上位階層(RLCまたはPDCP階層)から伝送するデータが発生し、このデータを除いてどのLCGにもデータがない場合に伝送されるBSR
−第2タイプ:Periodic BSR
o前記periodicBSR−Timerが満了した場合に伝送されるBSR
−第3タイプ:Padding BSR
oアップリンク資源が割り当てられ、データを伝送した後に残る空間を詰めるパディングビットがBSR MAC Control eleementのサイズとBSR MAC Control elementのサブヘッダーサイズとを加算したものと同一であるか、またはさらに大きい場合に伝送されるBSR
【0023】
前記BSRは、複数回トリガーされてもよいが、1つのMAC PDUには、ただ1つのBSRだけが含まれる。端末は、以前段階でMAC PDUに含ませたBSR以外にも、トリガーされたがまだ取り消されないBSRが残っているかを確認する(411)。もし、そのようなBSRがあれば、以前段階でMAC PDUに含ませたBSRがどのような種類のBSRであるかを検査する(413)。
もし、第1タイプまたは第2タイプのBSRがMAC PDUに含まれたものなら(換言すれば、第3タイプBSRがMAC PDUに含まれたものではなければ)、端末は、前記残っているBSRを取り消す(415)。通常、第3タイプのBSRは、あらかじめトリガーされるものではなく、特定のMAC PDUが生成されるとき、トリガーの可否が決定される。したがって、前記動作は、第1タイプまたは第2タイプのBSRが伝送されれば、「トリガーされたが、まだ取り消されない他の第1タイプまたは第2タイプのBSR」が取り消されるということと同一である。あるいは、第3タイプのBSRは、MAC PDUに格納されても、「トリガーされたが、まだ取り消しされない第1タイプまたは第2タイプのBSR」を取り消すことができないということと同一の意味を有する。
【0024】
第3タイプのBSRには、2つの種類が存在する。1つは、現在バッファー状態を正確に反映するものであり、残りの1つは、現在バッファー状態のうち一部だけを反映するものである。後者を特にtruncated BSRと称し、パディング空間は、1つのLCGのバッファー状態報告だけを許容するが、端末は、1つ以上のLCGのバッファーにデータを格納している場合にトリガーされる。換言すれば、下記の条件を満たす第3タイプのBSRがtruncated BSRである。
−条件1:もし、データを伝送した後に残る空間を詰めるパディングビットがShort BSRサイズとそのサブヘッダーサイズとを加算したものと同一であるか、またはさらに大きいが、long BSRサイズとそのサブヘッダーサイズとを加算したものよりも小さい場合、もし、BSRが伝送されるものと同一のサブフレームに2つ以上のLCGにデータが存在する場合。この場合、端末は、優先順位が最も高いロジカルチャネルが含まれたLCGのバッファー状態のみを報告する。
【0025】
前記2つの種類の第3タイプのBSRの属性を考慮すれば、第1種類のBSRは、端末のバッファー状態を正確に反映しているので、前記BSRが伝送されれば、残りのBSRを伝送する必要がない。したがって、この場合には、第3タイプのBSRであるとしても、残りの「トリガーされたがまだ取り消しされない第1タイプまたは第2タイプのBSR」を再び伝送する必要がない。一方、第2種類のBSRは、端末のバッファー状態を一部だけ反映しているので、第2種類のBSRが伝送されたとして、「トリガーされたがまだ取り消しされない第1タイプまたは第2タイプのBSR」を取り消すと、基地局に端末のバッファー状態を正確に報告することが遅延する。したがって、本発明は、次のように変形できる。
【0026】
端末は、第3タイプのBSRのうち、特に条件1を満たすBSRをMAC PDUに格納しても、「トリガーされたがまだ取り消しされない第1タイプまたは第2タイプのBSR」を取り消さない。
前記過程で残っているBSRが取り消しされなければ、端末は、次のMAC PDUに前記残っているBSRを含ませて生成する(417)。
その後、端末は、生成されたMAC PDUを伝送し(419)、過程を終了する(421)。
【0027】
図5は、本発明を適用した端末の装置を示す図である。
端末は、上位階層装置505とデータなどを送受信し、制御メッセージ処理部507を介して制御メッセージを送受信し、送信時に、制御部509の制御によって多重化装置503を介して多重化した後、送信機を介してデータを伝送し(501)、受信時に、制御部509の制御によって受信機で物理信号を受信した後(501)、逆多重化装置503で受信信号を逆多重化し、それぞれメッセージ情報によって上位階層装置505または制御メッセージ処理部507に伝達する。
【0028】
本発明において、BSR管理部511は、上位階層装置505から新規データが存在するか及び制御部509から前記端末にアップリンク資源割り当てられているかを確認し、取り消されないBSRが存在するか否かを確認する。存在する場合には、BSRをMAC PDUに含むように多重化及び逆多重化装置503に指示する。その後、BSR管理部511が追加BSRが存在することを確認した場合、BSRの種類を確認し、パディングBSRの場合、既存のBSRを取り消さないようにする。
【0029】
上記では、端末が複数のブロックに区分され、各ブロックが異なる機能を行うものと記述したが、必ずこれに限定されるものではない。例えば、BSR管理部511が行う機能を制御部509自体が行うことができる。
この場合、制御部509は、新規データ伝送のためのアップリンク資源を割り当てるとき、トリガーされたが取り消されない第1バッファー状態報告の存在の有無を確認する。そして、制御部509は、前記第1バッファー状態報告が存在するとき、前記バッファー状態報告を含むアップリンクデータを生成する。そして、制御部509は、前記生成されたアップリンクデータに含まれたバッファー状態報告以外の、トリガーされたが取り消されない第2バッファー状態報告の存在の有無を確認し、前記第2バッファー状態報告が存在するとき、前記第1バッファー状態報告が一般バッファー状態報告または周期的バッファー状態報告であるか否かによって前記第2バッファー状態報告の取り消しの可否を決定する。
【0030】
より具体的に、制御部509は、前記第1バッファー状態報告が一般バッファー状態報告または周期的バッファー状態報告である場合、前記第2バッファー状態報告を取り消す。一方、制御部509は、前記第1バッファー状態報告がパディングバッファー状態報告である場合、前記第2バッファー状態報告を取り消さない。
本発明の一実施形態によれば、前記制御部509は、アップリンクデータ生成後、周期的にバッファー状態報告を伝送するか、または前記バッファー状態報告を再伝送するためのタイマー動作を開始するように制御することができる。
【0031】
前記提案する方式を使用すれば、現在干渉状況または潜在的な干渉要因からの測定を効果的に行うことができ、当該内容を基地局に通知し、干渉を低減することができるセルにハンドオーバーなどを行い、干渉通信技術との干渉を回避し、通信を円滑に行うことができる長所がある。
【0032】
本発明の詳細な説明では、具体的な実施形態に関して説明したが、本発明の範囲を逸脱しない限度内で様々な変形が可能であることは勿論である。したがって、本発明の範囲は、説明された実施形態に限定されず、後述する特許請求の範囲だけでなく、この特許請求の範囲と均等なものによって定められるべきである。
【符号の説明】
【0033】
501 送受信機
503 多重化及び逆多重化装置
505 上位階層装置
507 制御メッセージ処理部
509 制御部
511 バッファー状態報告(BSR)管理部