特許第6050287号(P6050287)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6050287
(24)【登録日】2016年12月2日
(45)【発行日】2016年12月21日
(54)【発明の名称】情報収集システム
(51)【国際特許分類】
   G07F 9/00 20060101AFI20161212BHJP
   G06Q 30/06 20120101ALI20161212BHJP
   H04M 11/00 20060101ALI20161212BHJP
【FI】
   G07F9/00 L
   G06Q30/06
   H04M11/00 301
【請求項の数】3
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2014-140514(P2014-140514)
(22)【出願日】2014年7月8日
(65)【公開番号】特開2016-18370(P2016-18370A)
(43)【公開日】2016年2月1日
【審査請求日】2015年11月25日
(73)【特許権者】
【識別番号】505124258
【氏名又は名称】株式会社CSC
(74)【代理人】
【識別番号】100062225
【弁理士】
【氏名又は名称】秋元 輝雄
(74)【代理人】
【識別番号】100186060
【弁理士】
【氏名又は名称】吉澤 大輔
(72)【発明者】
【氏名】村田 榮一郎
(72)【発明者】
【氏名】越山 和昭
(72)【発明者】
【氏名】三宅 拓馬
(72)【発明者】
【氏名】安田 育生
(72)【発明者】
【氏名】稲本 敏晴
【審査官】 大谷 謙仁
(56)【参考文献】
【文献】 特開2001−283293(JP,A)
【文献】 特開2003−132406(JP,A)
【文献】 特開平07−168970(JP,A)
【文献】 特開平06−309336(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G07F 9/00
G06Q 30/06
H04M 11/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
公衆通信回線を介して自動販売機(1)から販売実績情報などの固有データを収集する情報収集システムであり、自動販売機(1)の制御装置に通信端末装置(2)を接続し、前記制御装置に前記固有データを取得するためのコマンド信号を通知して自動販売機(1)から前記コマンド信号に対応する情報を収集するシステムにおいて、
必要とするデータの収集を指示するコマンド信号をデータ管理センター(3)から自動販売機(1)に付設した通信端末装置(2)に予め設定しておき、信端末装置(2)が該通信端末装置(2)に設定された前記コマンド信号を自動販売機(1)へ送信して、通信端末装置(2)のデータ記憶部(2d)に前記固有データが収集されるようにしたものであって、
前記固有データの収集が自動販売機(1)に付設した通信端末装置(2)の定期タイマ(2b)により予め設定した任意の時間間隔で実行されるようにし、収集した新固有データをデータ記憶部(2d)の旧固有データと対比して差違が生じている場合には、収集した新固有データをデータ管理センター(3)へ転送し、該データ管理センター(3)のホームサーバ(3b)の当該固有データを更新するようにし、
データ管理センター(3)へのデータ転送が発生しないとき、通信端末装置(2)の更新タイマ(2c)により予め設定した任意の時間間隔でデータ記憶部(2d)の固有データを読み出してデータ管理センター(3)へ転送し、該データ管理センター(3)のホームサーバ(3b)の当該固有データを更新するようにしたことを特徴とする情報収集システム。
【請求項2】
収集した新固有データが、通信端末装置(2)に記憶されている旧固有データと差違がない場合、データ管理センター(3)への転送を中止するようにしたことを特徴とする請求項に記載の情報収集システム。
【請求項3】
固有データの収集の周期を、自動販売機(1)の設置場所、販売実績、季節などの販売環境の変化をパラメータとして設定するようにしたことを特徴とする請求項1または2に記載の情報収集システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特に飲料缶やペットボトル飲料など複数種類の飲料商品を収容した複数の自動販売機の販売数量、欠品の有無、釣銭切れ、あるいは自動販売機の故障・不具合に関するアラート報知などの固有データを収集し、収集された個々の自動販売機の固有データに複数のクライアントがアクセスすることにより、当該クライアントが必要とする固有データの収集が可能となるようにした情報収集システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に飲料商品の自動販売機は、飲料メーカーなどが自ら設置して自社商品を販売する形態となっている。この自動販売機以外における飲料商品の販売形態は、コンビニエンスストア、スーパーマーケットなどにおける対面販売が常態であり、この場合、POS(Point of sale system)が導入されていることにより、リアルタイムで販売数量などの情報を取得して在庫管理、商品仕入管理、マーケッティングなどが適切に行われるようにしている。
【0003】
ところが、自動販売機における場合は、配送車に飲料商品を積載して巡回作業者が指定ルートを巡回し、自動販売機内の同一飲料商品を収容した複数のコラム毎に残量を確認して飲料商品を補充するようにしている。このような従来の対応による場合は、何れの自動販売機の何れの飲料商品がどの程度販売され、補充に必要な数量を把握することができないことから、補充作業を確実にするため飲料商品を余分に配送車に積載して対応するようにしている。このため、いわゆるトラック在庫が多くなり、飲料商品の補充作業の合理化の妨げとなっている。
【0004】
このような問題を解決するため、自動販売機の商品在庫の状況を、ネットワークを通じて入力し、巡回作業者が巡回ルート内の何れかの補充対象地域に到達した時点で、配送車の商品在庫から巡回ルート内の自動販売機の商品在庫状況および自動販売機毎に予め設定した補充基準に基づき、自動販売機に配分する商品およびその数量を算出し、配分する商品と数量を、ネットワークを通じて情報端末に出力し、輸送コストや作業コストを低減するシステムが提案されている(特許文献1参照)。
【0005】
また、予め設定されている情報収集スケジュールファイルにより、該当する自動販売機を抽出し、センター装置に予め登録されている自動販売機の電話番号に基づいて自動販売機に電話をかけ、第1の電話回線制御装置、電話網、第2の電話回線制御装置を介してセンター装置と自動販売機とを接続し、自動販売機に設けた情報収集端末に記憶されている情報をセンター装置に転送するようにしたシステムが提案されている(特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2008−293262号公報
【特許文献2】特開平5−95586号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記特許文献1「自動販売機補充作業支援システム」に開示された技術は、巡回作業者が巡回ルートを移動しつつ対象地域の自動販売機に配分する商品およびその数量を算出するようにしたものである。この特許文献1のシステムの大きな目的は、配送車に積載されている商品に限りがあることから、逐次変動する各自動販売機に欠品が生じないようにすることにあり、したがって、巡回作業者が個々の自動販売機内の在庫の状況を、ネットワークを介して情報センターへ通知し、これに基づく算出結果を巡回作業者へネットワークを介して返信するというものである。
【0008】
また特許文献2「自動販売機における情報収集システム」に開示された技術は、センター装置に情報収集の時間や対象の自動販売機の情報収集の順番を設定し、センター装置からの発呼または自動販売機側からの発呼により、電話回線を介してセンター装置が必要とする情報の収集が可能となるようにしたものとする。この特許文献2のシステムによると、2台の電話回線制御装置が必要となることからハードウエアの構成が大がかりとなり、各自動販売機に電話番号の設定が必要であることから、通信コストが大きくなる要因となる。また、自動販売機の販売数量は秘密情報でもあることから、特定の飲料メーカー独自のシステムとして構築されるもので、汎用性を具えるものではない。
【0009】
このような従来のシステムの構成の概略は図5に示すように、自動販売機BDにコントローラBD1とこれに接続されたモデムBD2を備え、飲料メーカーDMの端末装置DM1を、ネットワークNTを介して自動販売機BDのモデムBD2に接続するようにしている。そして、飲料メーカーDMは必要とするデータを収集するため、コマンド記憶部DM2に記憶されているコマンドを自動販売機BDに送信し、返信されたコマンドに対応するデータをサーバDM3に蓄積するようにしている。
【0010】
このように、ネットワークを利用して自動販売機の情報を収集する従来のシステムは、各通信事業者のTCP/IP通信プロトコルに適合したモデムを採用し、自動販売機BDのコントローラBD1と飲料メーカーDM間をTCPプロトコルで接続するようにしている。したがって、自動販売機から販売数量などの情報を収集するためには、通信サーバから自動販売機のコントローラにコマンド信号を発信して1台毎の情報を収集する方式となる。
【0011】
このため、大都市圏のような自動販売機の設置台数の多い地域において、例えば5万台以上の膨大な数の自動販売機から情報を収集する場合、個々の自動販売機にアクセスするため、3時間以上の長時間を要することから夜間に集中して情報収集する方法に限られ、オンラインシステムを導入しても一日遅れのような情報で業務管理を行うため、業務改善効果が限定的なものであった。また、このように情報の即時性が乏しいことから、高い精度の最適な配送計画を作成することが困難であった。
【0012】
本発明は、かかる従来の問題を解決するため、飲料商品などの自動販売機にPOSシステムの導入が実現できるようにしたもので、販売数量、欠品の有無、釣銭切れ、故障・不具合に関するアラート報知など、個々の自動販売機の固有データを希望するタイミングで収集することができる情報システムを提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
そこで本発明は以下に述べる各手段により、上記課題を解決するようにした。即ち、請求項1記載の発明では、公衆通信回線を介して自動販売機(1)から販売実績情報などの固有データを収集する情報収集システムであり、自動販売機(1)の制御装置に通信端末装置(2)を接続し、前記制御装置に前記固有データを取得するためのコマンド信号を通知して自動販売機(1)から前記コマンド信号に対応する情報を収集するシステムにおいて、
必要とするデータの収集を指示するコマンド信号をデータ管理センター(3)から自動販売機(1)に付設した通信端末装置(2)に予め設定しておき、信端末装置(2)が該通信端末装置(2)に設定された前記コマンド信号を自動販売機(1)へ送信して、通信端末装置(2)のデータ記憶部(2d)に前記固有データが収集されるようにしたものであって、
前記固有データの収集が自動販売機(1)に付設した通信端末装置(2)の定期タイマ(2b)により予め設定した任意の時間間隔で実行されるようにし、収集した新固有データをデータ記憶部(2d)の旧固有データと対比して差違が生じている場合には、収集した新固有データをデータ管理センター(3)へ転送し、該データ管理センター(3)のホームサーバ(3b)の当該固有データを更新するようにし、
データ管理センター(3)へのデータ転送が発生しないとき、通信端末装置(2)の更新タイマ(2c)により予め設定した任意の時間間隔でデータ記憶部(2d)の固有データを読み出してデータ管理センター(3)へ転送し、該データ管理センター(3)のホームサーバ(3b)の当該固有データを更新するようにする。
【0015】
請求項に記載の発明では、上記請求項に記載の情報収集システムにおいて、収集した新固有データが、通信端末装置(2)に記憶されている旧固有データと差違がない場合、データ管理センター(3)への転送を中止する。
【0016】
請求項に記載の発明では、上記請求項1または2に記載の情報収集システムにおいて、固有データの収集の周期を、自動販売機(1)の設置場所、販売実績、季節などの販売環境の変化をパラメータとして設定する。
【発明の効果】
【0018】
本発明の情報収集システムによれば、販売数量、欠品の有無、釣銭切れ、故障・不具合に関するアラート報知などの個々の自動販売機の固有データを、希望するタイミングでホームサーバに蓄積することができ、これにより車上在庫の削減を実現することができるとともに、自動販売機を対象とする高精度のPOSシステムの構築を実現できる。
【0019】
また、本発明の情報収集システムによれば、固有データの収集を通信端末装置の定期タイマで行うようにしたので、任意に定めた時間内に発生した固有データをホームサーバへ転送することができ、自動販売機毎の合理的な通信頻度の設定が可能となり、情報の即時性を向上することができる。
【0020】
また、本発明の情報収集システムによれば、収集した新固有データと記憶されている旧固有データと差違がない場合、データ管理センターへの転送を中止するようにしたので、通信コストの低減が可能となる。
【0021】
また、本発明の情報収集システムによれば、固有データの収集の周期を、自動販売機の設置場所、販売実績、季節などの販売環境の変化をパラメータとして設定するようにしたので、データ管理センターへの通信を個々の自動販売機の稼働率に対応する合理的なものとすることができる。
【0022】
また、本発明の情報収集システムによれば、データ管理センターへの固有データの転送が一定時間実行されない場合、一定時間経過時の固有データをデータ管理センターへ転送するようにしたので、データ管理センターに記憶されている固有データを更新して時間精度を補正するとともに、データ管理センターとの通信リンク状況を確認することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】本発明の情報収集システムの概要を示すブロック図である。
図2】本発明の情報収集システムにおける通信端末装置の処理の流れを示すフローチャート図である。
図3】本発明の情報収集システムの処理の流れを示すフローチャート図である。
図4】本発明の情報収集システムのコマンド信号の構成の説明図である。
図5】従来の情報収集システムの概要を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の実施の形態を図に基づいて詳細に説明する。図1は本発明による情報収集システムの概要を示すブロック図であり、商業施設あるいは街路などに設置された複数の自動販売機1の内部には、自動販売機1の全体の制御を司るコントローラ1a、およびラムごとの販売数量、欠品の有無、釣銭切れ、故障・不具合に関するアラート報知などの固有データを記憶する状態記憶部1bを備える。
【0025】
前記状態記憶部1bには上記の固有データが記憶されるが、特に販売数量の場合は、飲料商品の販売ごとに数量データがインクリメントされて状態記憶部1b内の数量データが更新され、自動販売機1の状態がリアルタイムで記憶されることになる。
【0026】
前記自動販売機1に付設される通信端末装置2は、マイクロコンピュータを主体に構成した中央制御部2aに、定期タイマ2b、更新タイマ2c、データ記憶部2d、コマンド記憶部2e、そしてモデム2fが接続されている。前記定期タイマ2bは、所定時間ごとに中央制御部2aからコマンド信号を自動販売機1のコントローラ1aに出力し、その時点で状態記憶部1bに記憶されている固有データをデータ記憶部2dへダウンロードするための時限設定がなされる。この時限設定は、後述するデータ管理センター3からネットワークNT1を介した遠隔オペレートで、例えば、10分、20分・・・のように自動販売機1が設置された環境や季節の変化などを考慮して任意に設定できるようにする。
【0027】
前記更新タイマ2cは、通信端末装置2のデータ記憶部2dに記憶された固有データの更新が長時間行われない場合に、所定時間ごとにデータ記憶部2dに記憶されている固有データをデータ管理センター3へ転送するために設けられたもので、固有データの時間精度を向上するためのものである。即ち、例えば、企業構内などに設置された自動販売機は、連続する休日中には稼動することがないものが多く、したがって、通信端末装置2のデータ記憶部2dおよびデータ管理センター3のホームサーバ3bに記憶されている固有データは最終的に稼動した時点の古い固有データであることから、情報の鮮度が低下し即時性が失われることになる。そこで、例えば、1時間、2時間・・・のような任意の時限設定をデータ管理センター3から遠隔オペレートで行い、設定時間ごとにデータ記憶部2dの固有データをデータ管理センター3へ転送して時間精度を向上するようにしている。
【0028】
前記コマンド記憶部2eは、データ管理センター3からの遠隔オペレートで任意にコマンドを選定して図4に示すようなコマンドテーブルを設定する。このコマンド記憶部2eに記憶されたコマンドは、定期タイマ2bで時限設定された時間のタイムアップに基づいて呼び出され、そのコマンド信号が中央制御部2aを介してコントローラ1aに転送され、コマンドに対応する状態記憶部1bの固有データが通信端末装置2のデータ記憶部2dに格納されることになる。
【0029】
前記モデム2fは、ネットワークNT1を介してデータ管理センター3からの指示データの受信、あるいはデータ記憶部2dの固有データのデータ管理センター3への転送を司り、例えば、3Gデータ通信、PHSデータ通信などを利用してパケットデータによる送受信を行う。
【0030】
つぎに、データ管理センター3は、システムコントローラ3aおよびホームサーバ3bを備え、本発明の情報収集システムの全体の運営管理を司るように構成されている。データ管理センター3にはシステムコントローラ3aを備え、前述したように複数の自動販売機1に対するコマンド設定、あるいは定期タイマ2b、更新タイマ2cの時限設定などを行う。
【0031】
また、ホームサーバ3bには自動販売機1のIPアドレスと、このIPアドレスに対応するクライアント4のIPアドレスを一致させて登録し、クライアント4がネットワークNT2を介してデータ管理センター3にアクセスして固有データを要求したとき、このクライアント4が管理する自動販売機1の固有情報をホームサーバ3bからクライアントサーバ4bにダウンロードすることができる。したがって、データ管理センター3には複数の自動販売機1と複数のクライアント4の接続が可能となり、各自動販売機1の固有データはホームサーバ3bで一括して管理されることになる。
【0032】
本発明の情報収集システムは以上のように構成されており、通信端末装置の処理の流れの例を図2に基づいて以下に説明する。更新タイマ2cがタイムアップしていない状態で定期タイマ2bがタイムアップすると(ステップSa2)、そのタイムアップ信号が中央制御部2aに通知され、中央制御部2aは、コマンド記憶部2eに記憶されているコマンドを呼び出し(ステップSa3)、そのコマンド信号をコントローラ1aに転送する(ステップSa4)。
【0033】
コマンド信号を受信したコントローラ1aは、状態記憶部1bに記憶されているコマンドに対応する新固有データを要求し(ステップSa5)、中央制御部2aへ転送する(ステップSa6)。新固有データを受信した中央制御部2aはデータ記憶部2dに記憶されている旧固有データを読み出し、旧固有データに対する新固有データの変化をプログラム処理により比較する(ステップSa7)。
【0034】
この時点で新固有データに変化がない場合は(ステップSa8)、ステップSa1〜Sa7のメインルーチンを繰り返し、自動販売機1の状態の変化を常に監視することになる。一方、新固有データに変化がある場合は(ステップSa8)、データ記憶部2dの旧固有データを新固有データに書き換え(ステップSa9)、新固有データをデータ管理センター3へ転送し(ステップSa10)、更新タイマ2cをリセットする(ステップSa11)。
【0035】
このようにして新固有データがモデム2f、ネットワークNT1を介してデータ管理センター3に転送され、ホームサーバ3bのデータが書き換えられ、定期タイマ2bがタイムアップ信号を出力するごとにホームサーバに記憶されているデータが更新されることになる。
【0036】
なお、ステップSa1において更新タイマ2cがタイムアップすると、その時点でデータ記憶部2dに記憶されている固有データをデータ管理センター3へ転送し(ステップSa12)、ホームサーバ3bのデータが更新されることになる。これにより旧データが更新タイマ2cのタイムアップのタイミングで更新されることから、時間精度の補正とともに、データ管理センターとの通信リンク状況の確認が可能となる。
【0037】
つぎに、以上のようにして複数の自動販売機1から収集して蓄積されたホームサーバ3bへのクライアント4のアクセス処理の流れを図3に基づいて説明する。クライアント4の端末装置4aからネットワークNT2を介してデータ管理センター3にアクセスすると(ステップSb1)、データ管理センター3はクライアント4が登録しているIPアドレスの正誤を判断する(ステップSb2)。なお、この時点でパスワード管理を行い、セキュリティを向上するようにしてもよい。
【0038】
ステップSb2においてIPアドレスに相違がある場合は(ステップSb2)、すべての処理を中断する(ステップSb3)。一方、IPアドレスが正しい場合は(ステップSb2)、クライアント4をホームサーバ3bに接続する(ステップSb4)。そして、データ管理センター3は、アクセスしているクライアント4のIPアドレスに紐付けされた自動販売機のIPアドレスの固有データを一括してクライアント4へ転送する(ステップSb5)。クライアント4は、データ管理センター3から転送された固有データをクライアントサーバ4bに格納して蓄積し(ステップSb6)、飲料商品の配送計画などの作業が可能となる。
【0039】
このように本発明の情報収集システムによれば、自動販売機1に付設した通信端末装置2にコマンド記憶部2eを備え、定期タイマ2bで自動販売機1の固有データの状態を監視し、最新の固有データをデータ管理センター3のホームサーバ3bに蓄積するようにしたので、最新の固有データをホームサーバ3bに蓄積することができ、高い即時性と信頼性を備えた情報収集システムとすることができる。
【産業上の利用可能性】
【0040】
以上に説明した本発明の情報収集システムは、飲料商品を対象とする実施例としてあるが、対象商品はこれに限ることなく、自動販売機による販売可能となる商品を対象として広範に応用することが可能である。
【符号の説明】
【0041】
1・・・・・・自動販売機
1a・・・・・コントローラ
1b・・・・・状態記憶部
2・・・・・・通信端末装置
2a・・・・・中央制御部
2b・・・・・定期タイマ
2c・・・・・更新タイマ
2d・・・・・データ記憶部
2e・・・・・コマンド記憶部
3・・・・・・データ管理センター
3a・・・・・システムコントローラ
3b・・・・・ホームサーバ
4・・・・・・クライアント
4a・・・・・端末装置
4b・・・・・クライアントサーバ
NT1・・・・ネットワーク
NT2・・・・ネットワーク
図1
図2
図3
図4
図5