(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
代謝症候群、糖尿病または肥満症に関連した疾患または病状の治療、管理または予防において、または満腹促進、減量または所望の体重維持において使用されることを特徴とする、請求項1乃至9の何れか一項に記載の栄養補助食品、または請求項11に記載の食品組成物。
【発明の概要】
【0008】
本発明の栄養補助食品の摂取は、食後血糖値の低下に対する相乗効果を有することが驚くことに分かった。
【0009】
本発明の栄養補助食品は、少なくともアミノ酸ロイシン、イソロイシン、バリン、スレオニン、およびリジン、ならびにクロムを含んでなる。これらのアミノ酸とクロムの組み合わせは、血糖値を低下させるのに要するインスリン量を低下させる、相乗効果を有する。これは、インスリン感受性が低下している個人にとって重要である。
【0010】
示唆されるクロムの作用機序、特に筋肉内の作用機序は、本明細書中で説明される。クロムは、キャリアタンパク質トランスフェリンに結合して、血中で輸送され、次にそれは細胞膜上のその受容体に結合して、エンドサイトーシスを通じて内部に取り込まれる。この過程は、インスリン刺激による、トランスフェリン受容体の細胞膜への移動によって活性化される。ひとたび細胞内に入ると、クロムはトランスフェリンから放出されて、即座にLMWCr複合体に結合し、チロシンキナーゼ活性を高めることで、インスリンシグナル伝達増幅系の一部になる。この過程は、インスリン感受性の増大をもたらす。
【0011】
理論による拘束は望まないが、本発明の栄養補助食品のアミノ酸混合物が、インスリン産生細胞からのインスリン放出を高めるように作用する一方で、クロムは、これらの細胞のインスリン感受性を改善するように作用すると考えられる。表5に示されるように、これらの2つの機構を同時に使用して、驚くべき相乗効果が達成される。データは、発明の栄養補給剤が、5AAのみと比較して、同一のまたはいくらか低い血糖の低下をもたらすことを示す。しかし本発明の栄養補給剤を投与した場合、グルコース低下を達成するのに要するインスリン量は、わずか半分である。別々に投与された成分と比較して、効果は実質的に改善されるので、効果は単に相加的でない。
【0012】
したがって本発明は、第1の態様において、アミノ酸と少なくとも1つのミネラルを含んでなる栄養補助食品に関し、a)アミノ酸内容は、ロイシン、イソロイシン、バリン、スレオニン、リジン、および任意選択的にトリプトファンおよび/またはタウリンからなり;b)ミネラル内容は、少なくともクロムを含んでなる。本発明の栄養補助食品は、マグネシウムおよびカルシウムの1つまたは複数もさらに含んでなってもよい。
【0013】
第2の態様では、本発明は、本発明の栄養補助食品を含んでなる食品組成物に関する。
【0014】
第3の態様では、本発明は、食品組成物の製造における栄養補助食品の使用に関する。第4の態様では、本発明は、代謝症候群、糖尿病または肥満症に関連した疾患または病状の治療、管理または予防のための、または満腹促進、減量または所望の体重維持のための、栄養補助食品または食品組成物の使用に関する。
【0015】
第4の態様では、本発明は、代謝症候群、糖尿病または肥満症に関連した疾患または病状の治療、管理または予防ための、または満腹促進、減量または所望の体重維持のための、前記栄養補助食品または食品組成物、調剤製品、治療のための医薬品または薬剤の使用に関する。
【0016】
定義
本出願および発明の文脈では、以下の定義が適用される。
【0017】
「栄養補助食品」という用語は、その添加によって食品を向上させる組成物を指す。栄養補助食品は、前記食品の調製前、調製中または調製後に食品に添加されてもよい。しかし栄養補助食品はまた、食前、食事中、または食後、または食間のいずれかに、単独で摂取されてもよい。
【0018】
「プロバイオティクス細菌」という用語は、それが投与された哺乳類内で、投与後に健康に有益な効果をもたらす、あらゆる微生物を意味することが意図される。
【0019】
「インスリン関連疾患または病状」という用語は、以下に定義されるII型糖尿病、IRS、MetS、IR、インスリン感受性、IGT、低悪性度全身性炎症、および高インスリン血症、および関連障害を含む。
【0020】
「インスリン抵抗性症候群」(IRS)という用語は、「代謝症候群」(MetS)という用語と同義的に使用されて、II型糖尿病および心血管疾患のリスクが増大している個人を特定する、一団の機能不全および代謝危険因子を指す。IRSまたはMetSは、以下の異常の少なくとも2つによって特徴付けられもよい。インスリン抵抗性、高インスリン血症、グルコース耐性障害、高脂血症、高コレステロール血症、高血圧、および腹部肥満。
【0021】
「インスリン抵抗性」(IR)という用語は、インスリン受容体シグナル伝達障害がある病状、およびグルコース調節能力障害がある病状を指す。
【0022】
「インスリン感受性」という用語は、インスリン作用の程度の尺度を指す、インスリン感受性である状態は、正常なインスリン受容体シグナル伝達と正常なグルコース代謝に対応する。
【0023】
「グルコース耐性障害(IGT)」という用語は、空腹状態におけるインスリン感受性の低下、および/またはグルコース挑戦に続く食後血糖応答超過によって特徴付けられる、前糖尿病状態を指す。
【0024】
「高インスリン血症」という用語は、インスリンレベルが上昇している状態を指す。
【0025】
「GI」という用語は血糖指数を指し、それは同一対象によって摂取された、基準製品または純粋グルコースの炭水化物同等量に対応する応答(血糖濃度曲線下面積の増分)の百分率として表される、炭水化物試験品に対する食後血糖応答(血糖濃度曲線下面積の増分)である。文献では、GIは、食後最高1.5または2時間までの時間に言及する。精白コムギパンを基準製品とした場合、GI値は、純粋グルコースを基準にした場合よりも約38%高い。本出願で提示されるGI値は、基準製品として精白コムギパンを使用して得られた。
【0026】
「血糖プロファイル」GPという用語は、食物によって引き起こされたグルコースピーク増分で除した、食後血糖応答増分の持続時間(分)として定義される(分/mM)。GPは、GIと比較して、急性食後インスリン要求量、満腹の主観的評定、そしてお代わりの自発的食物摂取量のより良い予測因子であり得る(Rosenetal,Nutrition Journal 2009を参照されたい)。
【0027】
「用量」という用語は、「1食分」および「1回分」と同義的に使用される。用量は、栄養補助食品または栄養補助食品を含んでなる食品組成物の有効量を提供する量を意味することが意図される。有効量は、血糖値低下に要するインスリン量を低下させるのに十分な量である。このような試験は、当業者に知られている。
【発明を実施するための形態】
【0029】
本発明は、第1の態様において、アミノ酸と少なくとも1つのミネラルとを含んでなる、栄養補助食品に関し、
a)アミノ酸内容は、ロイシン、イソロイシン、バリン、スレオニン、リジン、および任意選択的にトリプトファンおよび/またはタウリンからなり;
b)ミネラル内容は、少なくともクロムを含んでなる。
【0030】
本発明は、単独でまたは食品組成物中で投与されると、アミノ酸のみの栄養補助食品と比較して、実質的により低いインスリン要求量をもたらす、栄養補助食品を提供する(例えば表5を参照されたい)。これは全ての個人にとって、特に例えば糖尿病患者および代謝症候群のある対象など、インスリン感受性の低下を示す個人にとって有益である。このような個人は、血糖値の増大時に、適切なインスリン放出によって反応せず、長期の血糖値増大につながる。高い血糖値は、長期的には血管合併症と関連付けられており、例えば心血管疾患と、付随する大血管障害および細小血管障害、失明などにつながる。特に上昇して変動する食後血糖の出現は、内皮障害および心血管疾患と関連付けられている、炎症性サイトカインの形成を促進することもある。このような変動出現は、本明細書に記載される介入によって回避される。したがって本発明は、食後に血糖値を低下させる、特徴のはっきりした簡単で効果的な方法を提供する。本発明の1つの利点は、本発明の栄養補助食品または食品組成物は、食事が摂取されるのと同時に投与されてもよく、それが必要とされる時点で効果を送達することである。
【0031】
特徴のはっきりした本発明の栄養補助食品または食品組成物のさらなる利点は、それが過剰なタンパク質とカロリー摂取を回避しながら、対象にかなりの効果を提供することである。
【0032】
栄養補助食品−アミノ酸
前記栄養補助食品のアミノ酸内容は、少なくともロイシン、イソロイシン、バリン、スレオニン、およびリジンからなる。一実施形態では、前記栄養補助食品のアミノ酸内容は、ロイシン、イソロイシン、バリン、スレオニン、およびリジンからなる。本発明のこの態様のさらなる実施形態では、前記栄養補助食品のアミノ酸内容は、ロイシン、イソロイシン、バリン、スレオニン、およびリジン、任意選択的にトリプトファンおよび/またはタウリンからなる。したがって一実施形態では、前記栄養補助食品のアミノ酸内容は、ロイシン、イソロイシン、バリン、スレオニン、リジン、およびトリプトファンからなる。さらなる実施形態では、前記栄養補助食品のアミノ酸内容は、ロイシン、イソロイシン、バリン、スレオニン、リジン、およびタウリンからなる。なおもさらなる実施形態では、前記栄養補助食品のアミノ酸内容は、ロイシン、イソロイシン、バリン、スレオニン、リジン、タウリン、およびトリプトファンからなる。
【0033】
栄養補助食品は、総アミノ酸含量の%として表される、以下のアミノ酸配分を有してもよい(表1を参照されたい)。
【0035】
アミノ酸はそれぞれ独立して、10〜50、10〜40、10〜35、10〜25%など、6〜12%、7〜15%、5〜35%、40〜60%、50〜75%、46〜37%、3〜16%など、1〜80%の量で存在してもよく、全ての存在するアミノ酸の合計は100%になる。
【0036】
一実施形態では、ロイシンは、10〜40%など、10〜50、10〜40、10〜35、10〜25%など、6〜12%、7〜15%、5〜35%、40〜60%、50〜75%、46〜37%、3〜16%など、または25〜29%など、25%、26%、27%、28%、29%など、1〜80%で(in from in from)存在する。
【0037】
一実施形態では、イソロイシンは、10〜40%など、10〜50、10〜40、10〜35、10〜25%など、6〜12%、7〜15%、5〜35%、40〜60%、50〜75%、46〜37%、3〜16%など、または11〜14%など、9%、10%、11%、12%、13%、14%など、1〜80%で存在する。
【0038】
一実施形態では、バリンは、10〜40%など、10〜50、10〜40、10〜35、10〜25%など、6〜12%、7〜15%、5〜35%、40〜60%、50〜75%、46〜37%、3〜16%など、または11〜14%など、13%など、1〜80%で存在する。
【0039】
一実施形態では、スレオニンは、10〜40%など、10〜50、10〜40、10〜35、10〜25%など、6〜12%、7〜15%、5〜35%、40〜60%、50〜75%、46〜37%、3〜16%など、または25〜29%など、25%、26%、27%、28%、29%など、1〜80%で存在する。
【0040】
一実施形態では、リジンは、10〜40%など、10〜50、10〜40、10〜35、10〜25%など、6〜12%、7〜15%、5〜35%、40〜60%、50〜75%、46〜37%、3〜16%など、または18〜29%など、18%、19%、20%、21%、22%、23%、24%、25%、26%、27%、28%、29%など、1〜80%で存在する。
【0041】
一実施形態では、トリプトファンは、10〜40%など、10〜50、10〜40、10〜35、10〜25%など、6〜12%、7〜15%、5〜35%、40〜60%、50〜75%、46〜37%、3〜16%など、または25〜29%など、25%、26%、27%、28%、29%など、または例えば36、39、48、66、67、73%など、1〜80%で存在する。
【0042】
一実施形態ではタウリンは、10〜40%など、10〜50、10〜40、10〜35、10〜25%など、6〜12%、7〜15%、5〜35%、40〜60%、50〜75%、46〜37%、3〜16%など、または25〜29%など、25%、26%、27%、28%、29%など、または例えば36、39、48、66、67、73%など、1〜80%で存在する。
【0043】
消化および循環内への吸収中にアミノ酸が放出される速度は、アミノ酸の存在形態によって影響される。可溶性形態で存在するアミノ酸は、迅速に消化されおよび/または容易に吸収されて、アミノ酸の血漿濃度を高めてインスリン分泌を促進する。したがって本発明に従った栄養補助食品のアミノ酸内容は、1つまたは複数のアミノ酸からなるペプチド、遊離アミノ酸、またはその混合物の群から選択される形態で提供されてもよい。ペプチドは、上記に従って、ロイシン、イソロイシン、バリン、スレオニン、リジン、および任意選択的にトリプトファンおよび/またはタウリンの群から選択される、例えば最高10個のアミノ酸または最高20個のアミノ酸など、2、3、4、5または6個以上のアミノ酸からなってもよい。ペプチドは、互いに同一でなくてもよい。そうではなく、ペプチドを含有する混合物は、例えばアミノ酸配列および/または長さが異なってもよい。また味覚の観点から、ペプチドの一部として、特定のアミノ酸が存在することが適切なこともある。
【0044】
アミノ酸またはペプチドの1つまたは複数は、合成であってもよく、または例えば乳清タンパク質、大豆タンパク質、カゼインタンパク質、オートムギタンパク質、卵タンパク質、血液タンパク質、エンドウマメタンパク質、オオムギタンパク質、魚タンパク質、ゼラチン、およびα−ラクトアルブミンを含んでなる群から選択される原料の1つまたは複数に由来してもよい。
【0045】
アミノ酸の1つまたは複数が、乳清に由来する場合、乳清は、ウシ、ヤギなどのあらゆる哺乳類原料から得られてもよい。アミノ酸の1つまたは複数が、大豆などの植物材料から得られる場合、それらは、例えばアミノ酸の1つまたは複数の含量の増大を有するような遺伝子組み換え栽培品種から得られてもよい。
【0046】
栄養補助食品−クロム
本発明の栄養補助食品は、少なくともクロムをさらに含んでなる。本発明に従った栄養補助食品中のクロムとアミノ酸の組み合わせは、急性グルコース調節に対して、有益な相乗効果を有する。
【0047】
クロムは、各用量中に存在する量が、用量あたり10〜70、25〜50、50〜65、60〜65、50〜70、20〜30、または1〜12マイクログラムなどの、例えば少なくとも10、例えば少なくとも15、少なくとも20、少なくとも25、少なくとも30、少なくとも40、少なくとも50、少なくとも60、少なくとも70、少なくとも100、少なくとも200、少なくとも150、少なくとも250、少なくとも300、少なくとも400、少なくとも500マイクログラムなどになるように存在してもよい。特定の実施形態ではクロムは、用量あたり50、55、60、63、64、65、67、68、70、72、75、78、80マイクログラムの量で存在する。
【0048】
クロムは、例えばピコリン酸クロム、ニコチン酸クロム、ポリニコチン酸クロム、クロムプロピオネート、アセチルアセトン酸クロム、クエン酸クロム、ニコチン酸クロム、ジニコシステイン酸クロム、ナイアシン結合クロム、アミノ酸とクロムのキレート、クロミウムキラバイト、またはそれらの組み合わせの1つまたは複数など、摂取に適するあらゆる形態で存在してもよい。
【0049】
一実施形態では、クロムは、トリピコリン酸クロム、ジピコリン酸クロム、モノピコリン酸クロムまたはそれらの組み合わせなどのピコリン酸クロムとして存在する。さらなる実施形態では、クロムは、トリピコリン酸クロムとして存在する。
【0050】
別の実施形態では、クロムは、ジニコシステイン酸クロム(CDNC)として存在する。CDNCおよびピコリン酸クロムはどちらも、より長期のグルコース調節の異なる代謝マーカーに対して、好ましい効果を示している。
【0051】
トリピコリン酸クロム(すなわちピコリン酸クロム(III))中のクロムの百分率は12.43%であり、1000マイクログラムのピコリン酸クロム(III)が、125マイクログラムのクロムを含有することを意味する。時に100マイクログラムのピコリン酸クロム(III)は、19.2マイクロモルのクロム、すなわち12.4マイクログラムのクロムの等量として表される。
【0052】
栄養補助食品は、グルコース代謝に対して、有益な亜急性(すなわち数回の食事にわたる)または長期(数日間にわたる)効果がある、1つまたは複数のさらなるミネラルをさらに含んでなってもよい。有益な効果の例は、栄養補給剤摂取前の対象における値との比較で、低下したインスリン応答および増大したインスリン感受性である。このような長期効果を有するこのようなミネラルの例は、例えばカルシウムおよび/またはマグネシウムである。
【0053】
したがって一実施形態では、本発明の栄養補助食品は、マグネシウムおよびカルシウムから選択されるミネラルの一方または双方をさらに含んでなる。
【0054】
マグネシウムは、例えば1食分当たり100〜600mgなどの600mg/1食分の量で存在してもよい。カルシウムは、例えば栄養補助食品の1食分当たりまたは1用量あたり200、300、400、400〜1200、500〜1300mgなどの量で存在してもよい。マグネシウムは、例えば1用量または1食分あたり、例えば10〜70mg、10〜50mg、10〜40mg、10〜23mgなどの10〜100mgの量で、または例えば1用量または1食分あたり15〜60mg、または15〜35mgの量で存在してもよい。例えば、マグネシウムは、例えば1用量または1食分あたり15、20、23、40、50、65、70、80、85、または90mgの量で存在してもよい。
【0055】
カルシウムは、例えば1用量または1食分あたり例えば25〜220、30〜200、30〜170、30〜150、30〜120、30〜100、30〜70、30〜50mgなどの、1用量または1食分あたり25〜250mgの量で、または例えば1用量または1食分あたり25〜75、25〜65、25〜45mgの量で存在してもよい。
【0056】
栄養補助食品は、本発明の栄養補給剤に含まれるミネラルの1つまたは複数の取り込み/吸収を促進する、1つまたは複数のさらなる成分をさらに含んでなってもよい。このような成分の例は、アスコルビン酸(ビタミンC)などの酸である。ビタミンCは、栄養補助食品1食分あたりまたは1用量あたり0.5〜0.75gなど、例えば0.5g、1g、1.5g、2g、2.5gまたは3g/日の量で存在してもよい。
【0057】
さらなる実施形態では、栄養補助食品は、MetSおよび炎症からの保護において重要な機能を有する、抗酸化剤を含有してもよい。抗酸化剤の一例は、ビタミンCである。
【0058】
さらなる実施形態では、本発明の栄養補助食品は、1つまたは複数のプロバイオティック微生物を含んでなってもよい。プロバイオティック微生物は、結腸上皮バリアに有益な影響を及ぼし、循環中への炎症促進因子流入のリスクを低下させることが知られている。この他に、プロバイオティクスは、炭水化物および脂質代謝に有益な影響を及ぼしてもよい。
【0059】
したがって本発明の栄養補助食品は、少なくとも1つのプロバイオティック微生物株を含んでなってもよい。適切なプロバイオティック微生物の例としては、サッカロミセス属(Saccharomyces)、デバロマイセス属(Debaromyces)、カンジダ属(Candida)、ピキア属(Pichia)、およびトルロプシス属(Torulopsis)などの酵母、アスペルギルス属(Aspergillus)、クモノスカビ属(Rhizopus)、ケカビ属(Mucor)、およびペニシリウム属(Penicillium)、およびトルロプシス属(Torulopsis)などのカビ、およびビフィドバクテリウム属(Bifidobacterium)、バクテロイデス属(Bacteroides)、クロストリジウム属(Clostridium)、フゾバクテリウム属(Fusobacterium)、メリソコッカス属(Melissococcus)、プロピオニバクテリウム属(Propionibacterium)、ストレプトコッカス属(Streptococcus)、腸球菌属(Enterococcus)、ラクトコッカス属(Lactococcus)、スタフィロコッカス属(Staphylococcus)属、ペプトストレプトコッカス属(Peptostreptococcus)、バチルス属(Bacillus)、ペディオコッカス属(Pediococcus)、ミクロコッカス属(Micrococcus)、ロイコノストック属(Leuconostoc)、ワイセラ属(Weissella)、アエロコッカス属(Aerococcus)、オエノコッカス属(Oenococcus)、および乳酸桿菌属(Lactobacillus)などの細菌が挙げられる。プロバイオティック微生物の特定例は、次のとおりである。サッカロミセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)(Saccharomyces cereviseae)、バチルス・コアグランス(Bacillus coagulans)、バチルス・リケニフォルミス(Bacillus licheniformis)、バチルス・サブティリス(Bacillus subtilis)、ビフィドバクテリウム・ビフィダム(Bifidobacterium bifidum)、ビフィドバクテリウム・インファンティス(Bifidobacterium infantis)、ビフィドバクテリウム・ロングム(Bifidobacterium longum)、エンテロコッカス・フェシウム(Enterococcus faecium)、エンテロコッカス・フェカーリス(Enterococcus faecalis)、ラクトバチルス・アシドフィラス(Lactobacillus acidophilus)、ラクトバチルス・アリメンタリウス(Lactobacillus alimentarius)、ラクトバチルス・カゼイ(Lactobacillus casei)亜株カゼイ(casei),ラクトバチルス・カゼイ(Lactobacillus casei)シロタ(Shirota)、ラクトバチルス・カルバータス(Lactobacillus curvatus)、ラクトバチルス・デルブレッキイ(Lactobacillus delbrueckii)(Lactobacillus delbruckii)亜株ラクティス(lactis)、ラクトバチルス・ファルシミニス(Lactobacillus farciminis)(Lactobacillus farciminus)、ラクトバチルス・ガセリ(Lactobacillus gasseri)、ラクトバチルス・ヘルベティカス(Lactobacillus helveticus)、ラクトバチルス・ジョンソニイ(Lactobacillus johnsonii)、ラクトバチルス・ロイテリー(Lactobacillus reuteri)、ラクトバチルス・ラムノーサス(Lactobacillus rhamnosus)(Lactobacillus GG)、ラクトバチルス・サケ(Lactobacillus sake)ラクトコッカス・ラクティス(Lactococcus lactis)、コクリア・バリアンス(Micrococcus varians)、ペディオコッカス・アシディラクティシ(Pediococcus acidilactici、ペディオコッカス・ペントサセウス(Pediococcus pentosaceus)、ペディオコッカス・アシディラクティシ(Pediococcus acidilactici)、テトラジェノコッカス・ハロフィラス(Pediococcus halophilus)、エンテロコッカス・フェカーリス(Streptococcus faecalis),ストレプトコッカス・サーモフィラス(Streptococcus thermophilus)、スタフィロコッカス・カルノーサス(Staphylococcus carnosus)、スタフィロコッカス・キシローサス(Staphylococcus xylosus)、ラクトバチルス・アシドフィラス(Lactobacillus acidophilus)、好熱乳酸杆菌(Lactobacillus thermophilus)(Lactobacillus thermofilus)、ブルガリア乳酸杆菌(Lactobacillus Bulgaricus)、ラクトバチルス・プランタルム(Lactobacillus plantarum)、ラクトバチルス・ロイテリー(Lactobacillus reuteri)、ビフィドバクテリウム・ビフィダム(Bifidobacterium bifidum)、ビフィドバクテリウム・ロングム(Bifidobacterium longum)、ラクトバチルス・カゼイ(Lactobacillus casei)(Caseii)、ラクトバチルス・イナース(Lactobacillus iners)。
【0060】
例えばプロバイオティック微生物は、ラクトバチルス・アシドフィラス(Lactobacillus acidophilus)、好熱乳酸杆菌(Lactobacillus thermophilus)(Lactobacillus thermofilus)、ブルガリア乳酸杆菌(Lactobacillus Bulgaricus)、ラクトバチルス・プランタルム(Lactobacillus plantarum)、ラクトバチルス・ロイテリー(Lactobacillus reuteri)、ビフィドバクテリウム・ビフィダム(Bifidobacterium bifidum)、ビフィドバクテリウム・ロングム(Bifidobacterium longum)、ラクトバチルス・カゼイ(Lactobacillus casei)(Caseii)、およびラクトバチルス・イナース(Lactobacillus iners)からなる群から選択されてもよい。
【0061】
プロバイオティック微生物は、粉末乾燥形態であってもよく、特に胞子形成する微生物では胞子形態であってもよい。さらに所望ならば、例えば糖マトリックス、脂肪マトリックスまたは多糖類マトリックス内などにプロバイオティック微生物をカプセル化して、生存確率をさらに増大させてもよい。
【0062】
用量中のクロムとアミノ酸ロイシン、イソロイシン、バリン、スレオニン、およびリジンの合計含量との関係は、例えば前記アミノ酸の合計含量1gあたり4〜10マイクログラムのクロムであってもよい。さらなる例は、前記アミノ酸の合計含量1gあたり4〜9マイクログラム、5〜10マイクログラム、6〜10マイクログラム、5〜10マイクログラム、および5〜9マイクログラムのクロムを含む。さらなる例は、前記アミノ酸の合計含量1gあたり1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14または15マイクログラムのクロムである。
【0063】
栄養補助食品または食品組成物の用量は、血糖低下に要するインスリンの量を低下させるのに十分な量のアミノ酸ロイシン、イソロイシン、バリン、スレオニン、およびリジンと、クロムを含んでなる。
【0064】
用量は、例えばアミノ酸ロイシン、イソロイシン、バリン、スレオニン、およびリジンを例えば1〜100g、例えば2〜80g、2〜75g、3〜65g、5〜50g、または例えば1〜20g、2〜18g、2〜16g、5〜10gなど、または例えば4、5、6、7、8、9、10、11、12グラム、または例えば10、15、18、20グラムの合計含量で含んでなる。
【0065】
食品組成物
第2の態様では、本発明は、本発明の栄養補助食品を含んでなる食品組成物に関する。
【0066】
本発明のこの態様の実施形態の例は、本発明の栄養補助食品を含んでなる、食品組成物、飼料、飲料、機機能性食品、機能性飼料、栄養補給食品、栄養補給剤、薬剤、および医薬品である。
【0067】
本発明のこの態様の一実施形態では、本発明の栄養補助食品からなる食品組成物は、例えば水、果汁、ヨーグルト、ミルク、豆乳、オートミルクまたはその他の飲料または飲用に適した食品組成物などの液体または半流動体、またはその他の食品組成物中に分散または溶解される。
【0068】
本発明のこの態様の一実施形態では、栄養補助食品は、例えば重量基準で食品組成物の0.5%、0.75%、1%、1.5%、1〜5%、2%、5%、5〜8%、1〜10%、10%、20%、30%、40%、40〜60%、60%、70%、80%など、例えば85%、90%、95%で食品組成物中に存在してもよい。
【0069】
栄養補助食品は、全食品組成物100gあたり、例えば1、2、4、5、7、8、10、13、15、16、18、19、20、22、24、25、28、30、31、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85または90gの量で存在してもよい。
【0070】
別の実施形態では、本発明の食品組成物は、本発明の栄養補助食品がそれに加された、タンパク質加水分解物などのタンパク質ベースを含んでなる。
【0071】
食品組成物は、炭水化物、食物繊維、脂質、必須ビタミン、ミネラル、着香剤、テクスチャー付与剤、安定剤、例えばシナモンなどの香辛料、果実および液果類とその抽出物などのその他の成分を含んでもよい。食品組成物は、食酢およびオリーブ油もまた含有してもよい。食酢は、血糖調節との関連で追加的な利点を有し、酢酸の存在は胃内容排出速度を低下させ、したがって血液へのグルコース送達を減速させる。例えば柑橘類、イチゴ、バニラなどの一般に使用される着香剤、添加剤、フレーバーおよび成分の例は、Burdock 2004;Fenarolis Handbook of Flavor Ingredients;Fifth Edition,Taylor and Francis CRC Press、およびYannai 2003;Dictionary of Food Compounds with CD−ROM,Taylor and Francis CRC Pressにある。
【0072】
これに加えて、栄養補助食品および/または食品は、希望に応じて消費者によって、使用前に水で戻される粉末であってもよい。
【0073】
運動選手における用途としては、悪心を予防する比率のグルコース、マルトース、およびマルトデキストリン混合物などの易消化性炭水化物源と、微量栄養素と、ミネラルと、ビタミンとの混合物中への発明製品の封入が挙げられる。食品組成物は、試合後の食事として、すなわち激しい運動直後に摂取されてもよい。
【0074】
本発明の食品組成物は、固体、クリームまたはペーストなどの半固体、ゲル、液体、分散体、懸濁液またはエマルション、溶解用粉末またはあらゆる所望の形態のようであってもよい。組成物は、例えばフレークとバーとパンとクッキーとビスケットなどの穀物製品、果汁、ジャム、スプレッド、清涼飲料、オートムギ懸濁液、豆乳、肉製品、ヨーグルトなどの乳製品、チョコレート、チーズ、プディング、その他の乳製品デザート、塗り広げ可能な製品、冷菓とアイスクリーム、麦芽飲料、コーヒー、茶、スポーツドリンク、食事代替品、薄い粥、粥、インスタント食品、乳児用調製粉乳、組成物は、例えばフレークとバーとパンとクッキーとビスケットなどの穀物製品、果汁、ジャム、スプレッド、清涼飲料、オートムギ懸濁液、豆乳、肉製品、ヨーグルトなどの乳製品、チョコレート、チーズ、プディング、その他の乳製品デザート、塗り広げ可能な製品、冷菓とアイスクリーム、麦芽飲料、コーヒー、茶、スポーツドリンク、食事代替品、薄い粥、粥、インスタント食品、乳児用調製粉乳、離乳食などのあらゆる種類の食品、飼料、飲料、機能性食品および機能性飼料の形態;例えば粉末、凝集体、粒質物、錠剤、被覆錠剤、ロゼンジ、カプセル、飲料、シロップ、経管栄養法と経腸摂取と経口投与と腸内投与のための組成物などの医薬組成物および薬剤の形態のようであってもよい。
【0075】
一実施形態では、本発明の栄養補助食品または組成物は、錠剤として調合される。本発明の栄養補助食品の成分は、経口摂取のための許容される賦形剤および/または担体中に含有されてもよい。担体の実際の形態は、重要でないこともある。担体は、液体、ゲル、ジェルキャップ、カプセル、粉末、固形錠剤(被覆または未被覆)、茶などであってもよい。適切な賦形剤および/または担体としては、マルトデキストリン、炭酸カルシウム、リン酸二カルシウム、リン酸三カルシウム、微結晶セルロース、デキストロース、米粉、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸、クロスカルメロースナトリウム、デンプングリコール酸ナトリウム、クロスポビドン、スクロース、植物ガム、寒天、乳糖、メチルセルロース、ポビドン、カルボキシメチルセルロース、コーンスターチなど(その混合物を含む)が挙げられる。様々な成分および賦形剤および/または担体は、従来の技術を使用して混合され、所望の形態に成形される。妥当な単位数が、一日あたりの推奨成分レベルを提供するように、用量レベル/単位を調節することができる。健康補助食品は、例えばハーブ、ビタミン、ミネラル、賦活薬、着色剤、甘味料、着香料、不活性成分などをはじめとする、任意選択の成分もまた含有してもよい。このような任意選択の成分は、天然形態または濃縮形態のいずれかであってもよい。これらの成分の1つまたはいくつかの選択は、配合、デザイン、消費者の好み、および最終使用者の問題である。本発明の健康補助食品に添加されるこれらの成分の量は、当業者には容易に分かる。
【0076】
別の実施形態では、栄養補助食品または食品組成物は、例えば消費者が、本発明の栄養補助食品をどの食物に入れるか選択できるようにする、粉末または粒質物を含有する小袋のような小袋などの個々の剤形に包装されてもよい。一実施形態では、栄養補助食品または本発明の食品組成物は、例えば希望に応じて消費者によって、使用前に水または液体で戻される、粉末または粒質物形態などの乾燥形態であってもよい。
【0077】
用途
第3の態様では、本発明は、飼料、飲料、剤形、機能性食品、機能性飼料、医薬または薬剤などの食品組成物の製造における、本発明の栄養補助食品の使用に関する。
【0078】
本発明に従った食品組成物は、例えば本発明の栄養補助食品を少なくとも1つの食用のまたは薬学的に許容可能な成分と混合する、または代案としては、栄養補助食品を前記食用のまたは薬学的に許容可能な成分の1つまたは複数と共に混合し、任意選択的に、それに続いて得られた食品組成物を従来の技術によって所望の形態にすることをはじめとする、従来の技術によって調製され得る。
【0079】
本発明の食品組成物は、製造中の1つまたは複数の適切な段階における、本発明の栄養補助食品の添加によって製造されてもよい。
【0080】
第4の態様では、本発明は、代謝症候群、糖尿病または肥満症に関連した疾患または病状の治療、管理または予防ための、または満腹促進、減量または所望の体重維持のための、前記栄養補助食品または食品組成物、調剤製品、治療のための医薬品または薬剤の使用に関する。
【0081】
この用途の例は、インスリン放出の低下、インスリン感受性の改善(増大)および/またはインスリン抵抗性の改善(低下)である。
【0082】
本発明の栄養補助食品または食品組成物はまた、II型糖尿病患者、グルコース耐性障害がある人々、異化状態にある対象(手術後、高齢者、神経性食欲不振症)など、インスリン分泌能力が低下しており、および/またはインスリン抵抗性がある人々のために使用してもよく、経腸栄養で使用してもよい。これに加えて、本発明の栄養補助食品および/または食品組成物は、激しい運動から回復中の運動選手において使用するのに適する。
【0083】
本発明のこの態様は、満腹促進、空腹感低下、食欲制御、および減量または所望の体重維持における、本発明の栄養補助食品または(of)食品組成物の使用にさらに関する。
【0084】
本発明の栄養補助食品または食品組成物は、II型糖尿病またはグルコース不耐性がある対象などの対象において、食事の初期段階に先だって、またはその最中に摂取されてもよい。インスリン放出の迅速な刺激のために、タイミングを調節して、要望される効果を一致させることが可能である。一実施形態では、栄養補助食品または食品組成物は、食前に摂取される。例えば、食前45分、30分、20分など、15分、10分など、食前1時間〜5分間。別の実施形態では、栄養補助食品または食品組成物は、食事と共に摂取される。栄養補助食品または食品組成物はまた、食後に、または必要に応じて食後に、摂取されてもよい。例としては、食事の直後、または5、10、15、20、30分後が挙げられる。
【0085】
別の実施形態では、栄養補助食品または食品組成物は、例えば日に1回、または各食事と共に日に数回摂取されてもよい。
【0086】
さらなる態様では、本発明は、代謝症候群、糖尿病または肥満症に関連した疾患または病状の治療、管理または予防のための、または満腹促進、減量または所望の体重維持のための、医薬品と組み合わされた本発明の栄養補助食品または本発明の食品組成物の使用に関する。
【0087】
さらなる実施形態では、本発明は、健康である、インスリン調節に関連した1つまたは複数の疾患のリスクがある、またはそれを患っている、ヒトまたは哺乳類において、食事に対する血糖応答を変更ための、本発明に従った栄養補助食品または食品組成物の使用に関する。
【0088】
さらなる態様では、本発明は、代謝またはインスリン抵抗性症候群と関連付けられている、疾患または病状を治療、管理または予防するための、本発明に従った栄養補助食品または食品組成物の使用に関する。
【0089】
インスリン調節と関連付けられている疾患または病状の例としては、代謝症候群、インスリン抵抗性、糖尿病、肥満症、またはこれらの障害と関連付けられている症状および病状が挙げられる。使用は、例えば食事と併せた投与など、例えば経口および/または経腸摂取または投与によってもよい。
【0090】
さらなる実施形態では、本発明は、適切な剤形中の栄養補助食品または本発明の食品組成物の有効量を、このような治療を必要とする対象に投与するステップを含んでなる、治療法に関する。一実施形態では、用量は、例えば午前中、昼、および夕方のメインの食事と一緒に、または例えば15分前などのすぐ前に、摂取される。
【0091】
さらに本発明のさらなる実施形態は、満腹促進、食欲調節または減量または体重維持における、本発明の栄養補助食品または食品組成物の使用である。
【0092】
本発明は、グルコース代謝に影響を及ぼすのに効果的な用量で本発明の栄養補助食品または食品組成物を哺乳類に経口的に投与するステップと、美容上有益な体重低下が起きるまで前記用量を繰り返すステップとを含んでなる、哺乳類の容姿を改善する方法をさらに提供する。
【0093】
以下の実施例は、例証を意図するが、あらゆる任意の様式、形状、または形態において、本発明を明示的または暗黙的に制限することは意図されない。
【実施例】
【0094】
実施例1
試験製品
本発明者らによって、基準飲料、アミノ酸混合物のみの飲料、CrPicのみの飲料、およびアミノ酸混合物とCrPicの組み合わせの飲料の4種の異なる飲料が試験された。使用されたアミノ酸は、L−ロイシン、L−イソロイシン、L−リジン、L−バリン、およびL−スレオニンであった。
【0095】
基準(「Ref」)飲料は、330mLボトルに水道水およびアロマを注ぎ、10gのCO2/Lに設定したTable Top Carbonator CF−121(Omve)によって炭酸ガスで飽和させて作成した。
【0096】
CrPic(「CrPic」)を用いた飲料は、解凍した濃縮CrPic溶液(4.0グラム)のペレット1個を308.0グラムの炭酸含有水道水に溶解し、その後0.19グラムのアロマを添加して調製した。供する直前に、Soda Streamerによって追加的なCO
2を添加して、Ref飲料中の量を模倣した。
【0097】
アミノ酸(「5AA」)入り飲料は、6.9グラムのアミノ酸混合物を305.1グラムの炭酸含有水道水に溶解し、その後0.19グラムのアロマを添加して調製した。供する直前に、Soda Streamerによって追加的なCO
2を添加して、Ref飲料中の量を模倣した。アミノ酸混合物の組成については、表7を参照されたい。
【0098】
アミノ酸およびCrPic(「5AA+CrPic」)入り飲料は、6.9グラムのアミノ酸混合物と、解凍した濃縮CrPic溶液(4グラム)ペレット1個とを301.1グラムの炭酸含有水道水に溶解し、その後0.19グラムのアロマを添加して調製した。供する直前に、Soda Streamerによって追加的なCO
2を添加して、Ref飲料中の量を模倣した。
【0099】
試験食は、50グラムの利用可能デンプンを与える、精白コムギパン(Dollar franska,Lockarps,Lockarp,Sweden)からできたサンドイッチと、試験飲料からなった。精白コムギパンには、10グラムのバター(Bregott,Arla,Stockholm,Sweden)と、24グラムのオレンジマーマレード(Oenos,Procordia Food,Esloevの好意により提供された)を塗った。サンドイッチは、マーマレードおよびバターから、14グラムのタンパク質と9グラムの炭水化物の追加量を提供した。異なる試験食の組成物の図式的概観は、表2にある。
【0100】
【0101】
研究デザイン
年齢38〜60才(51±1才;平均±SEM)で体型指数24〜30(27.3±0.3kg/m2;平均±SEM)の11人の男性と8人の女性からなる、19人の健康な被験者が研究に参加した。全被験者は、正常な空腹時血糖値(5.6±0.1mmol/L、平均±SEM)を有した。
【0102】
被験者は、自ら選択した(しかし低繊維含有量の)夕食、ならびに精白コムギパンと飲料からなる夜食を食べるように指示され、そして各検査日の前の晩に同じ食事を食べるように指示された。午後9〜10時頃の精白コムギパンの食事後、被験者には、検査日の朝の最大でグラス半分の水以外は、その後の摂食を禁じた。
【0103】
検査日の7時45分の検査室到着時に、空腹時末梢血サンプル採取前に、被験者を座って休ませた。その後即座に試験食を提供して、デジタル式タイマーを開始した。飲料と共に、64gの利用可能炭水化物、9.1gのタンパク質、および11.7gの脂肪を含有する、ハムサンドイッチの食事が提供された。被験者は、食事を10〜15分で終わらせて、食べることと飲むことを交互にするように指示された。全ての食事は良好に耐えられて、被験者は、全く問題なく10〜15分以内に食べ終わった。
【0104】
全ての被験者はインフォームドコンセントを提出し、所望するあらゆる時点における、研究からの離脱可能性について承知していた。Lund UniversityのEthics Committee of the Faculty of Medicineが、研究を認可した。
【0105】
血液試料採取および分析
血糖および血清インスリン分析のために、末梢血サンプルを空腹時と、食事摂取15、30、45、60、90、120、および180分後に採取した。
【0106】
B−グルコース分析器(Hemocue AB,Aengelholm,Sweden)を使用して、血清中で血糖を即座に分析した。インスリン測定のために血清管を5分間(3000rpm)遠心分離して、血清を−18℃で冷凍した。酵素免疫測定法キット(Mercodia Insulin ELISA,Mercodia AB,Uppsala,Sweden)を使用して、統合免疫測定分析器(CODA open Microplate System,Bio−Rad Laboratories,Hercules,CA)上で、血清インスリン測定を実施した。キットは、インスリン分子上に位置する2つの別個の抗原性決定要因に対する2つのモノクローナル抗体を使用する、固相二部位酵素免疫測定法である(直接サンドイッチ法)。
【0107】
それぞれ100mmの「空腹」、「満腹」、および「摂食欲求」の視覚的アナログ尺度(VAS)を使用して、食欲プロファイルを判定した。尺度は、「全くない」および「極めて」でアンカーされる。被験者は、その時点の感覚に最も良く一致する目盛りの点を評価するように指示された。評価は、血液試料採取時点と同時に、すなわち試験セッションあたり8回行われた。
【0108】
計算および統計学的方法
合計で19人の被験者が、研究に参加した。グルコースおよびインスリンデータについては、1人の被験者の病気のために、18人の「5AA」食の被験者がいた。主観的食欲評価では、1人の被験者は、試験中にVASに記入し損なったため、18人の「5AA+CrPic」食被験者がいた。
【0109】
全てのデータは、平均±SEMとして表され、Minitab(Minitab Inc.,State Collage,PA)中で計算される。グルコースおよびインスリンそれぞれのiAUC(曲線下面積の増分)は、空腹時レベル下の面積を除いて、台形法に従って計算した。Graph Pad(Graph Pad Prism,version 5,Graph Pad Software,San Diego,CA,USA)を使用して、満腹、空腹感、および摂食欲求について、曲線下の全面積をそれぞれ計算した。ベースラインからの最大上昇値として、グルコースおよびインスリン曲線のそれぞれについて、増分ピーク(iPeak)を計算した。試験食のiAUC(0〜120分)を同一被験者で測定された対応する基準食で除して、GIおよびIIをそれぞれ計算した。持続時間(曲線がベースラインの上に留まる時間)をiPeakで除して、グルコースプロファイル(GP)を計算した。
【0110】
グルコースおよびインスリン、ならびにiPeaks、GI、II、およびGPのiAUCの統計的有意性を評価するために、分散分析(ANOVA)を使用して、チューキーのペアワイズ比較がそれに続いた。増分値を計算のために使用した。満腹、空腹感、および摂食欲求では、共変量(covariat)分散分析(ANCOVA)を使用した。ANCOVAの計算では総面積値を使用し、0での値を共変量とした(Minitab Inc.,version 14 and 16,State Collage,PA)。
【0111】
結果
食後血糖応答
空腹時血糖値は、試験日間で顕著に異ならなかった。したがって血糖応答のΔ値をさらなる計算で使用した。
【0112】
表3では、時間間隔0〜60分、0〜120分、および0〜180分にわたる血糖応答のiAUCが示される。表にはまた、基準食の平均iAUCの百分率として表される、iAUCの平均値の変化も提示される。それぞれ0〜60分および0〜120分の時間間隔で、グルコースiAUCの顕著な低下が観察された。0〜60分:5AA+CrPicではRefとの比較、およびCrPicとの比較;5AAではRefとの比較。0〜120分:5AA+CrPicでは基準との比較。
【0113】
【0114】
食後インスリン応答
表4では、時間間隔0〜60分、0〜120分、および0〜180分にわたるインスリン応答のiAUCが示される。表にはまた、基準食の平均iAUCの百分率として表される、iAUCの平均値の変化も提示される。全ての時間間隔において、インスリンiAUCに有意差が観察された。0〜60分:5AAではRefおよびCrPicとの比較。0〜120分:5AA+CrPicではRefおよびCrPicとの比較;5AAではRefおよびCrPicとの比較。0〜180分:5AA+CrPicではRefおよびCrPicとの比較;5AAではRefおよびCrPicとの比較。
【0115】
5AAを含有する双方の飲料の後に、同一の食後血糖値が得られると結論付け得る。しかし5AAとCrPicを組み合わせた場合、血糖値に達するのに要するインスリン量は実質的に低下した(比較を表5に示す)。
【0116】
【0117】
【0118】
表5から、5AAのみと比較して、5AA+CrPic後のグルコース応答は同一またはいくらか低下するが、このグルコース低下効果を得るのに、5AA+CrPicでは半量のインスリンのみを要すると結論付け得る。したがってそれらを別々に供するのでなく、化合物を組み合わせることで実質的により良い効果が得られる。
【0119】
【0120】
【0121】
【0122】
実施例2 プロバイオティックヨーグルト
プロバイオティック培養物を含有する2.5dlのヨーグルトを、下の表9に記載するアミノ酸混合物およびCrPicを含有する栄養補助食品と混合した。添加されたアミノ酸総量は9g、およびCrPicは400μgであった。
【0123】
【0124】
実施例3
実施例1と同一の研究デザインを使用して、実験を実施した。下に記載するように、試験食および被験者のみが異なった。
【0125】
3.1 試験食
試験食は、50gの利用可能デンプンを与える精白コムギパン(WWB)(Dollar franska,Lockarps,Lockarp,Sweden)を常に含有した。パンに、10gのバター(Bregott,Arla,Stockholm,Sweden)および24gのオレンジマーマレード(Oenos Apelsinmarmelad,Procordia,Esloev,Sweden)を塗った。試験飲料のオレンジジュースをパンと一緒に供した。1つの食事はアミノ酸およびCrPic添加ジュースを含み(5AA+CrPic食)、もう1つの食事は基準ジュースを含んだ(基準食)。150mLのジュースを各食事と共に供し、各食事は100mLの水もまた含んだ。異なる食事の多量栄養素組成は、表10に示される。
【0126】
【0127】
3.2 被験者
7人の女性と6人の男性からなる、健康な非喫煙者である13人の被験者が、研究への参加を自発的に志望した。被験者の年齢範囲は、40〜60才(54±5才;平均±s)であり、体型指数は24〜30kg/m2(27.8±2.2kg/m2;平均±s)の範囲であった。全被験者は、正常な空腹時血糖レベル(5.4±0.4mmol/L;平均±s)を有した。全ての被験者は研究への参加を自発的に志望して、インフォームドコンセントを提出した。被験者は、希望すれば、いかなる時点でも研究から離脱できることを承知していた。研究は、Lund UniversityのEthics Committee of the Faculty of Medicineによって認可された。
【0128】
3.3 結果
食後グルコース応答
空腹時血糖値は、試験日間で顕著に異ならなかった。したがって血糖応答のΔ値をさらなる計算で使用した。
図1では、被験者の平均血糖応答が、食後期間全体にわたって描写される。表11では、時間間隔30〜90分、0〜120分、および0〜180分にわたる血糖応答のiAUCが示される。表にはまた、基準食の平均iAUCの百分率として表される、iAUCの平均値の変化も提示される。表12には、iPeakおよびGP値が示される。
【0129】
これらの結果から、5AA+CrPicを含有するジュースは、精白コムギパンに対する血糖応答を低下させるのに、高度に効果的であると結論付け得る。全体的血糖応答は20%、グルコースピーク増分は25%低下して、GPは50%増大する。総合すると、これは5AA+CrPicの添加が、実施例1に記載されるように水中で効果的であるだけでなく、この場合はオレンジジュースである、それ自体がより多くの糖類を食事に加える食物ベクターの文脈においても、効果的であることを示す。
【0130】
【0131】