【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的、ならびに以下の説明から明らかになる数多くのその他の目的、利点および特徴は、飲料容器から飲料を分配するための飲料分配システムによって、本発明に基づく解決策によって達成されるが、この飲料分配システムは、
飲料容器に対して接続されるよう構成されたディスペンスヘッドであって、
貫通孔を有するハウジングと、
ハウジングに対して回動可能に設けられ、かつ、少なくとも非作動ポジションと作動ポジションとの間で動作可能な操作ハンドルと、を備えるディスペンスヘッドと、
飲料容器内に挿入されかつライザーを備える抽出チューブと、を備え、
飲料分配システムは、さらに、
ディスペンスヘッドと接続されるよう構成された交換可能な接続ユニットであって、
ハウジングの孔内に取り外し可能に挿入可能である中空ピストン部材と、
中空ピストン部材に対して接続された分配ラインとを備える交換可能な接続ユニットを備え、
中空ピストン部材は、操作ハンドルを動作させることによって、非作動ポジションと作動ポジションとの間で、軸方向に変位可能であり、かつ、作動ポジションにおいては、中空ピストン部材は、飲料容器から飲料を分配するために、抽出チューブと分配ラインとを接続する。
【0007】
これによって、例えば飲料容器が空になったとき、中空ピストン部材および飲料分配ラインを定期的に交換することができる飲料分配システムを実現できる。
【0008】
ある実施形態では、交換可能な接続ユニットは、使い捨て式であって、一回の使用のために構成されてもよい。
【0009】
使い捨てコンポーネントのみを飲料と接触させることによって、システムの衛生状態を向上させることができ、サービスおよびクリーニングの必要性を低減することができる。より良い衛生状態は、より高品質の飲料およびより良いテーストをもたらし得る。中空ピストン部材および分配ラインを、すなわち分配される飲料と接触する全流路を交換することにより、飲料分配システムのためのサービスが、ほとんどあるいは全く必要とされなくなる。使い捨てコンポーネントを使用することによって、これらのコンポーネントをクリーニングする必要性を、したがって不十分なあるいは誤ったクリーニングのリスクを排除し得る。さらに、本発明に基づくシステムは、さまざまな既存の飲料分配システム、飲料容器および抽出チューブと組み合わせて使用することができる。当該システムは、交換可能な中空ピストン部材を収容するよう構成されたディスペンスヘッドを必要とするだけである。したがって、当該システムは、既存の設備の交換を必要とせず、この結果、新しい設備における実質的な投資が低減される。
【0010】
ある実施形態では、中空ピストン部材は、この中空ピストン部材の第1の端部と第2の端部との間で延在する流体チャネルを有していてもよく、かつ、中空ピストン部材は、軸方向に中空ピストン部材の第2の端部から突出する突出部を備えていてもよく、この突出部はディスペンスヘッドの操作ハンドルと接続されるよう構成されたフランジを有する。
【0011】
別な実施形態では、操作ハンドルは、ハウジングに対して回動可能に取り付けられた把持要素を備えていてもよく、この把持要素は、突出部を受けるよう構成されかつ中空ピストン部材と係合状態となる少なくとも一つの突出脚部を備える。
【0012】
さらに、中空ピストン部材は、流体チャネルを遮閉し、かつ/または中空ピストン部材のジオメトリーを変更することによって、交換可能な接続ユニットの再使用を防止する機構を備えていてもよく、当該機構は、中空ピストン部材が作動ポジションから非作動ポジションへと動作させられたときに作動させられる。
【0013】
また、中空ピストン部材は、流体チャネル内に配置されたチェックバルブを備えていてもよく、このチェックバルブは、プレロードスプリングと、回動可能に設けられた遮閉部材とを備え、遮閉部材は、チェックバルブが固定要素を破壊することによって作動させられた時に、スプリング部材によって回転させられてもよい。
【0014】
さらに、チェックバルブは、中空ピストン部材が作動ポジションから非作動ポジションへと移動させられるときに作動させられてもよい。
【0015】
さらに、中空ピストン部材は、この中空ピストン部材の第2の端部に連結された軸方向に変位可能なインサートを備えていてもよく、このインサートは、中空ピストン部材の第1の端部から離れる方向に変位可能であり、かつ、中空ピストン部材の第2の端部を構成する。
【0016】
これによって、操作ハンドルが作動ポジションから非作動ポジションまで動作させられたとき中空ピストン部材は引き伸ばされ、そして操作ハンドルは作動ポジションへと戻るように動くことができなくなり、これによって交換可能な接続ユニットの再使用が阻止される。
【0017】
ある実施形態では、中空ピストン部材はポリマー素材から形成されてもよい。
【0018】
さらに、中空ピストン部材は、交換可能な接続ユニットが飲料容器に対して接続されていたかどうかを示す使用インジケータを備えることができ、この使用インジケータは中空ピストン部材の第2の端部に対してリリース可能に連結された周方向リムであってもよく、したがって、中空ピストン部材がハウジングに関して軸方向に移動させられたときに、周方向リムは破断可能である。
【0019】
また、中空ピストン部材は、取り外し可能に孔内に挿入されたとき、ディスペンスヘッドのハウジングによって取り囲まれてもよい。
【0020】
さらに、中空ピストン部材は、操作ハンドルが第1のポジションへと動作させられるときに、孔内に挿入されても、あるいは孔から除去されてもよい。
【0021】
ある実施形態では、操作ハンドルは、中空ピストン部材の最大直径と略等しい最小直径を有する開口を含んでいてもよい。
【0022】
別の実施形態では、操作ハンドルの開口は、中空ピストン部材と反対側の分配ラインの端部に設けられたバルブの最大直径と略等しい最小直径を有していてもよい。
【0023】
さらに、本発明は、本発明に基づく飲料分配システムのための接続ユニットに関し、当該接続ユニットは、
中空ピストン部材の第1の端部と第2端部との間で延在する流体チャネルを有する中空ピストン部材と、
中空ピストン部材の第2の端部に接続され、かつ、流体チャネルと流体連通状態にある分配ラインと、
流体チャネルを遮閉しかつ/または中空ピストン部材のジオメトリーを変更することによって接続ユニットの再使用を防止する機構とを備える。
【0024】
さらに、接続ユニットは、ディスペンスヘッドと接続される前に、密封あるいは無菌包装内に包装されてもよい。
【0025】
さらに、本発明は飲料分配システムのためのディスペンスヘッドに関し、このディスペンスヘッドは、
貫通孔を有するハウジングと、
ハウジングに対して回動可能に設けられ、かつ、少なくとも非作動ポジションと作動ポジションとの間で動作可動な操作ハンドルとを備える。
【0026】
ある実施形態では、ディスペンスヘッドは、さらに、ハウジング内に配置されたガスインレットを備えていてもよく、これは、ガス孔を介して、ハウジングと中空ピストン部材と間で延在するスペースと流体連通状態であってもよく、ガス孔はバルブ孔を通って延在し、ガスバルブはガスインレットからスペースへのガスの供給を制御するように構成されていてもよい。
【0027】
別の実施形態では、ディスペンスヘッドのガスバルブは、操作ハンドルの第1の端部に回動可能に連結されたバルブピストンと、バルブ孔の底に向ってバルブピストンを押しやるスプリング部材と、気密シールを実現するためにバルブピストンの下側部分の周囲に配置されたバルブガスケットを備えていてもよい。
【0028】
ある実施形態では、分配バルブは、スプリング式可動バルブ部材を含むことができ、分配ヘッドのハウジングが飲料容器に接続されかつ操作ハンドルが作動ポジションにあるとき、中空ピストン部材および操作ハンドルの第1の端部は、スプリング式可動バルブ部材によって、飲料容器から離れる方向に押しやることができ、これによって、ガスバルブのバルブピストンは、ガスバルブを開放するために、バルブ孔の底から離れるよう軸方向に変位することができる。
【0029】
ディスペンスヘッドハウジングが飲料容器に対して接続されかつ操作ハンドルが作動ポジションにあるときにのみガスバルブが開放状態であることによって、中空ピストン部材と飲料分配バルブとの間の接続が切り離されたとき、ガス孔を経たCO2供給源は自動的に作動不能になる。C02供給源は、こうして、ディスペンスヘッドが飲料容器から取り外されたときに、そして中空ピストン部材がディスペンスヘッドハウジングから取り外されたときに、開放状態でかつディスペンスヘッドに対して接続されたままとなる。
【0030】
本発明はまた、飲料分配システムにおける、ディスペンスヘッドおよび接続ユニットの使用法に関し、飲料容器は、Aシステム、Gシステム、Sシステム、Dシステム、Mシステム、UシステムあるいはLシステム飲料容器であってもよい。
【0031】
さらに、本発明は、飲料容器に対して、本発明に基づく交換可能な接続ユニットを接続するための方法に関し、当該方法は、
飲料容器に対してディスペンスヘッドを接続するステップと、
ディスペンスヘッドの孔内に、交換可能な接続ユニットの中空ピストン部材を挿入するステップと、
操作ハンドルから延在する把持要素を、中空ピストン部材に設けられた突出部に対して、第1のポジションから第2のポジションへと操作ハンドルを動作させることによって連結するステップと、
操作ハンドルを非作動ポジションから作動ポジションへと動作させ、これによって中空ピストン部材がスプリング式可動バルブ部材に対してかつ飲料容器内へと押しやられるステップとを備える。
【0032】
本発明に基づく方法は、さらに、操作ハンドルの開口を経て、交換可能な接続ユニットの少なくとも一部を配置するステップを備えていてもよい。
【0033】
さらに、本発明は、本発明に基づく飲料容器に対して接続された交換可能な接続ユニットを分離させるための方法であって、当該方法は、
中空ピストン部材によって形成された流体チャネル内に配置されたチェックバルブを、操作ハンドルを第3のポジションから第2のポジションへと動作させることによって作動させるステップと、
操作ハンドルの把持要素と、中空ピストン部材上の突出部との間の接続状態を、第2のポジションと第1のポジションとの間で操作ハンドルを動作させることによって解除するステップと、
ハウジングの孔から中空ピストン部材を取り外すステップとを備える。
【0034】
本方法は、さらに、第3のポジションから第2のポジションへと操作ハンドルを動作させることにより、ガスバルブを閉鎖するステップを含んでいてもよい。
【0035】
以下、本発明およびその数多くの利点について図面を参照して詳しく説明するが、図面は、説明のために、いくつかの非限定的実施形態を示している。