(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記取得手段は、前記センサ部に載置された被検者の計測部位の端部に対応する位置の圧力センサを、ユーザが押圧した際の荷重分布データを複数取得することを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1に記載のシステムの場合、座位バランスのとれた健常者の座圧分布を計測することを前提としている。このため、計測される座圧分布が左右前後に極端に偏ることもない。
【0006】
これに対して、座位訓練を行う患者の場合、座位バランスが悪く、臀部の一部のみが接触した状態となるため、一方向に偏った座圧分布が生成されることとなる。このようにして生成された座圧分布では、患者の臀部全体を把握することができず、座圧が集中している領域が、臀部全体に対して相対的にどのような位置にあるのかがわからないという問題がある。
【0007】
このようなことから、座圧訓練等を行う医療現場等に荷重分布計測システムを適用するにあたっては、荷重分布に偏りがある場合であっても、当該患者の計測部位全体に対する相対的な位置関係を把握できる構成とすることが望ましい。
【0008】
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、荷重分布計測システムにおいて、計測した荷重分布を表示するにあたり、被検者の計測部位全体に対する相対的な位置を把握できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、本発明に係る情報処理装置は、以下のような構成を備える。即ち、
複数の圧力センサが配列されたセンサ部と接続され、被検者の計測部位の荷重分布データを算出する情報処理装置であって、
前記センサ部に載置された被検者の計測部位の端部に対応する位置の圧力データを含む荷重分布データを、複数取得する取得手段と、
前記取得手段により取得された前記複数の荷重分布データを重ね合わせることで、前記端部に対応する位置の圧力データが複数含まれる荷重分布データを生成する生成手段と、
前記生成手段により生成された荷重分布データに含まれる前記複数の端部に対応する位置の圧力データを用いて、前記被検者の計測部位全体の形状を示す外形線を算出する算出手段と、
前記算出手段により算出された外形線を、前記被検者の計測部位の荷重分布データとともに表示する表示手段とを備え
、
前記算出手段は、前記複数の端部に対応する位置の圧力データを用いて、前記被検者の計測部位の中心点を決定し、当該決定した中心点を中心とする所定形状の外形線を算出する。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、荷重分布計測システムにおいて、計測した荷重分布を表示するにあたり、被検者の計測部位全体に対する相対的な位置を把握することができるようになる。
【0011】
本発明のその他の特徴及び利点は、添付図面を参照とした以下の説明により明らかになるであろう。なお、添付図面においては、同じ若しくは同様の構成には、同じ参照番号を付す。
【図面の簡単な説明】
【0012】
添付図面は明細書に含まれ、その一部を構成し、本発明の実施の形態を示し、その記述と共に本発明の原理を説明するために用いられる。
【
図1】本発明の第1実施形態に係る座圧分布計測システムの外観構成を示す図である。
【
図2】座圧分布計測システムを構成する情報処理装置の機能構成を示す図である。
【
図3】体の左側が麻痺した被検者の座圧分布データを示す図である。
【
図4A】第1実施形態の計測部位外形線算出部における処理の流れを示すフローチャートである。
【
図4B】第1実施形態の座圧分布算出部における処理の流れを示すフローチャートである。
【
図5A】被検者の上半身を傾けさせ、体重移動をさせた際に計測された座圧分布データを示す図である。
【
図5B】被検者の上半身を傾けさせ、体重移動をさせた際に計測された座圧分布データを示す図である。
【
図5C】被検者の上半身を傾けさせ、体重移動をさせた際に計測された座圧分布データを示す図である。
【
図5D】被検者の上半身を傾けさせ、体重移動をさせた際に計測された座圧分布データを示す図である。
【
図6】複数の座圧分布データを重ね合わせたデータを示す図である。
【
図7A】算出された計測部位外形線を示す図である。
【
図7B】座圧分布データと計測部位外形線とを重ねあわせたデータを示す図である。
【
図8A】第2実施形態の計測部位外形線算出部における処理の流れを示すフローチャートである。
【
図8B】第2実施形態の座圧分布算出部における処理の流れを示すフローチャートである。
【
図9A】押圧点を含む複数の座圧分布データを示す図である。
【
図9B】押圧点を含む複数の座圧分布データを示す図である。
【
図9C】押圧点を含む複数の座圧分布データを示す図である。
【
図9D】押圧点を含む複数の座圧分布データを示す図である。
【
図10】複数の座圧分布データを重ね合わせたデータを示す図である。
【
図11A】算出された計測部位外形線を示す図である。
【
図11B】座圧分布データと計測部位外形線とを重ねあわせたデータを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、添付図面を参照して、本発明の好適な実施の形態について説明する。なお、以下の各実施形態では、荷重分布計測システムとして、被検者の座位姿勢における座圧分布を計測する座圧分布計測システムについて説明するが、本発明の荷重分布計測システムは、座圧分布計測システムに限定されず、例えば、立位姿勢における足圧分布を計測する足圧分布計測システムであっても、臥位姿勢における臥圧分布を計測する臥圧分布計測システムであってもよい。
【0014】
[第1実施形態]
<1.座圧分布計測システムの外観構成>
第1実施形態における座圧分布計測システム100について、
図1を参照しながら説明する。
図1は、第1実施形態の座圧分布計測システム100の外観構成の一例を示す図である。座圧分布計測システム100は、
図1に示すように、座圧分布計測センサ110と情報処理装置120とを備える。
【0015】
座圧分布計測センサ110は、センサ部111およびベース部112を備え、ベットや椅子の上に敷くことができるよう、数mm程度の薄いシート形状により形成されている。センサ部111は、複数の圧力センサが二次元的に配列されており、ベース部112に埋め込まれている。
【0016】
座圧分布計測センサ110では、座位状態の被検者の臀部等が接触する位置に対応する圧力センサが圧力(荷重)を検知し、検知した荷重に対応した電気信号を出力することで、センサ部111上に載置された被検者の荷重分布データである座圧分布データを所定の周期で計測することができる。
【0017】
情報処理装置120は、座圧分布計測センサ110によって計測された座圧分布データをケーブル130を介して取得し、表示する。また、座位状態にある被検者の上半身を前後左右に傾けさせ、体重移動をさせた際に計測された複数の座圧分布データを用いて、計測部位(本実施形態では、臀部)全体の形状を示す外形線(以下では計測部位外形線と称す)を算出し、座圧分布データとともに表示する。
【0018】
<2.座圧分布計測システムにおける情報処理装置の機能構成>
情報処理装置120の機能構成について、
図2を参照しながら説明する。
図2は、座圧分布計測システム100を構成する情報処理装置120の機能構成を示す図である。
図2に示すように、情報処理装置120は、制御部(コンピュータ)201と、メモリ部202と、記憶部203と、表示部204と、入力部205と、外部機器I/F部206とを備え、各部はバス207を介して接続されている。
【0019】
記憶部203には、制御部201によって実行されることで計測部位外形線算出部(取得手段、生成手段、算出手段)211及び座圧分布算出部(表示手段)212として機能するプログラムが格納されている。当該プログラムは、制御部201による制御のもと、ワークエリアとして機能するメモリ部202に適宜読み込まれ、制御部201によって実行される。これにより、当該プログラムは、計測部位外形線算出部211及び座圧分布算出部212として機能する。
【0020】
表示部204は、ブラウン管や液晶などのディスプレイによって構成されており、制御部201に当該プログラムを実行させるためのユーザインタフェースを表示したり、取得した座圧分布データを表示したりする。入力部205は、キーボードやマウスなどによって構成されており、上記プログラムを実行させるための指示を入力する。外部機器I/F部206は、センサ部111において計測された座圧分布データを情報処理装置120内に取り込むためのI/Fである。
【0021】
<3.計測部位外形線算出部の機能>
次に、計測部位外形線算出部211の機能について説明する。上述したように、脳卒中などの脳神経系疾患を発症し、右片または左片が麻痺した患者の場合、体が一方向に傾くため、偏った座位分布データが得られることとなる。
【0022】
図3は、体の左片が麻痺した患者(被検者)の座圧分布データを示す図である。
図3に示すように、体の左片が麻痺した患者の場合、一般に、体が健常側である右側に大きく傾くため、座圧が右側に大きく偏ってしまう。このため、
図3のような座圧分布データの場合、臀部が接触している部分における圧力データの値を確認することはできるものの、その部分が臀部全体のどの位置であるのかを認識することは困難である。
【0023】
例えば、
図3に示す座圧分布データでは、一部分に座圧がかかっていることは確認できるものの、その座圧がかかっている部分が、臀部全体の前後左右のどの部分であるのかが不明である。また、どの程度偏っているのか(例えば、臀部の中心位置からのずれ量等)も不明である。
【0024】
このようなことから、計測部位外形線算出部211では、座位状態にある被検者の上半身を傾けさせ、体重移動させた際の座圧分布データを複数取得することにより、被検者の計測部位(ここでは臀部)全体の形状を示す外形線(計測部位外形線)を算出する。そして、座圧分布算出部212が表示部204上に座圧分布データを表示する際に、当該計測部位外形線を重ねて表示するようにする。
【0025】
これにより、
図3に示すような座圧分布データが得られた場合であっても、計測部位全体に対する相対的な位置を把握することが可能となる。
【0026】
<4.計測部位外形線算出部における処理の流れ>
次に、計測部位外形線算出部211における処理の流れについて、
図4A、
図5A〜
図7Aを用いて詳細に説明する。
図4Aは、計測部位外形線算出部211による計測部位外形線算出処理の流れを示すフローチャートである。
【0027】
ステップS401では、座位状態にある被検者の上半身を前後左右に傾けさせ、体重移動させた際に計測された複数の座圧分布データを、座圧分布計測センサ110から取得する。
図5Aは、被検者の上半身を前方に傾けさせ、体重移動させた際に計測された座圧分布データを示す図である。
図5Aに示すように、被検者が前方に体重移動した状態では、太ももの付け根に近い部分の圧力センサに圧力がかかることとなる。計測部位外形線算出部211では、この状態における座圧分布データを記憶部203に記憶する。
【0028】
次に、被検者の上半身を後方に傾けさせ、体重移動させる。
図5Bは、被検者の上半身を後方に傾けさせ、体重移動させた際に計測された座圧分布データを示す図である。
図5Bに示すように、被検者が後方に体重移動した状態では、腰に近い部分の圧力センサに圧力がかかることとなる。計測部位外形線算出部211では、この状態における座圧分布データを記憶部203に記憶する。同様に、被検者の上半身を右方向および左方向に傾けさせ、体重移動させる。
図5C及び
図5Dは、被検者の上半身を右方向および左方向に傾けさせ、体重移動させた際に計測された座圧分布データを示す図である。計測部位外形線算出部211では、この状態における座圧分布データを記憶部203に記憶する。
【0029】
このように、被検者の上半身を前後左右に傾けさせ、体重移動させることにより、計測部位外形線算出部211では、複数の座圧分布データを取得することができる。なお、本実施形態では、被検者の上半身を前後左右に傾けさせることにより、4つの座圧分布データを取得する構成としたが、本発明はこれに限定されるものではない。計測部位外形線が算出されるようにするためには、少なくとも2つ以上の座圧分布データを取得すれば足りる。
【0030】
ステップS402では、記憶部203に記憶された複数の座圧分布データを重ね合わせる。更に、ステップS403では、重ね合わせた複数の座圧分布データに基づいて、計測部位外形線を算出する。
【0031】
具体的には、まず、ステップS402において記憶部203に記憶された4つの座圧分布データを重ね合わせる。即ち、
図5A〜
図5Dの座圧分布データを重ね合わせて、
図6に示すような座圧分布データを生成する。
図6は、被検者が体重移動した状態でそれぞれ計測された4つの座圧分布データを重ね合わせることにより得られた座圧分布データを示す図である。このように、複数の座圧分布データを重ね合わせることにより生成された座圧分布データは、被検者の計測部位(臀部)の端部に対応する位置の圧力データが複数含まれることとなるため、当該端部に沿った近似曲線を算出することにより、被検者の計測部位全体の形状を示す計測部位外形線601を算出することができる。
【0032】
ステップS404では、ステップS403において算出した計測部位外形線601(
図7A参照)を記憶部203に記憶する。
【0033】
なお、
図6の例では、計測部位外形線601が、4つの座圧分布データを重ね合わせることにより得られた座圧分布データの端部に沿った形状を有する場合について説明したが、本発明はこれに限定されず、計測部位外形線は、当該重ね合わせることにより得られた座圧分布データを取り囲む楕円形状や四角形状等の所定形状であってもよい。なお、このような楕円形状や四角形状の計測部位外形線は、当該重ね合わせることにより得られた座圧分布データの前後方向の端部および左右方向の端部から中心点を決定し、その中心点を中心として算出することができる。
【0034】
<5.座圧分布算出部における処理>
次に座圧分布算出部212における処理の流れについて
図4B及び
図7Bを用いて説明する。
図4Bは、座圧分布算出部212における、座圧分布算出処理の流れを示すフローチャートである。
【0035】
ステップS411では、記憶部203に記憶された計測部位外形線601を読み出し、表示部204に表示する。
【0036】
ステップS412では、座圧分布データを座圧分布計測センサ110から取得する。そして、ステップS413では、ステップS412において取得した座圧分布データを、表示部204に計測部位外形線601とともに連続的に表示する。
【0037】
図7Bは、ステップS412において取得された座圧分布データを計測部位外形線601とともに表示した様子を示している。
【0038】
図7Bに示すように、座圧分布データを計測部位外形線601とともに表示することで、被検者の臀部全体のどの部分に座圧がかかっているのかを容易に把握することができる。また、座圧がかかっている部分が、どの程度偏っているのかを容易に把握することができる。
【0039】
以上の説明から明らかなように、第1実施形態の座圧分布計測システム100では、計測部位外形線算出部を設け、座位状態における被検者の上半身を傾けさせ、体重移動させた際の座圧分布データを複数取得する構成とした。更に、取得した当該複数の座圧分布データを重ね合わせることにより生成される座圧分布データに基づいて、被検者の計測部位(臀部)全体の形状を示す計測部位外形線を算出する構成とした。
【0040】
更に、座圧分布データを表示する際に、当該算出した計測部位外形線を合わせて表示する構成とした。
【0041】
この結果、座圧分布計測システムにおいて、計測した座圧分布データを表示するにあたり、被検者の計測部位全体に対する相対的な位置を把握することが可能となった。
【0042】
[第2実施形態]
上記第1実施形態では、座位状態にある被検者の上半身を傾けさせ、体重移動させた際に計測された座圧分布データを重ね合わせることにより生成された座圧分布データを用いて、計測部位外形線を算出する構成としたが、本発明はこれに限定されない。
【0043】
計測部位外形線を算出するためのデータを、ユーザ(例えば、理学療法士等)がセンサ部111を押圧することにより入力し、当該入力したデータを用いて、計測部位外形線を算出するように構成してもよい。以下、本実施形態の詳細について説明する。
【0044】
<1.計測部位外形線算出部における処理の流れ>
はじめに、第2実施形態の座圧分布計測システム100の計測部位外形線算出部211における処理の流れについて、
図8A〜
図10を用いて説明する。
図8Aは、計測部位外形線算出部211における計測部位外形線算出処理の流れを示すフローチャートである。
【0045】
ステップS801では、座位状態にある被検者の臀部の外形に対応する位置の圧力センサをユーザが押圧した際の座圧分布データを、座圧分布計測センサ110から取得する。具体的には、座圧分布計測センサ110上において座位状態にある被検者の臀部の外形に対応する位置の圧力センサを、ユーザがペンや棒などを使用して複数箇所(第2実施形態では4か所)押圧し、そのときの座圧分布データを座圧分布計測センサ110から取得する。
【0046】
図9A〜
図9Dは、ユーザが押圧した際に取得された座圧分布データを示している(各図の記号a〜dは、ユーザが押圧した押圧点を表している)。
図9A〜
図9Dに示す各座圧分布データは、順次記憶部203に記憶される。なお、第2実施形態では、押圧点を4点としたが、本発明はこれに限定されず、押圧点は2点以上であればよい。
【0047】
ステップS802では、押圧点をそれぞれに含む複数の座圧分布データを重ね合わせる。即ち、
図9A〜
図9Dに示す複数の座圧分布データを重ね合わせ、
図10に示す座圧分布データを生成する。
図10は、ステップS801において座圧分布計測センサ110から取得した4つの座圧分布データを重ね合わせることにより生成された座圧分布データである。
【0048】
ステップS803では、ステップS802において生成された座圧分布データ(
図10)を用いて、4つの押圧点a〜dの中心点を決定する。第2実施形態では、押圧点aおよび押圧点bは被検者の前後方向の端部を示しており、押圧点cおよび押圧点dは被検者の左右方向の端部を示しているものとする。そのため、第2実施形態では、押圧点aと押圧点bとを結ぶ線と、押圧点cと押圧点dとを結ぶ線との交点が中心点として決定される。
【0049】
ステップS804では、ステップS803において決定された中心点を中心として、複数の押圧点a〜dを通る楕円形状の計測部位外形線を算出する。
図11Aの1101は、ステップS804において算出された計測部位外形線を示している。なお、第2実施形態では、計測部位外形線として楕円形状を用いる場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、中心点を中心として、複数の押圧点を通る四角形状であってもよいし、所定のテンプレート(被検者の臀部の形状を模式的に示したテンプレート)を複数用意しておき、当該複数のテンプレートの中から、テンプレートの中心が中心点と重なり、かつ、複数の押圧点を通るテンプレートを選択するようにしてもよい。また、多数の押圧点が取得された場合にあっては、中心点を決定することなく、当該取得された押圧点を用いて近似曲線を算出することで、直接、計測部位外形線を算出するように構成してもよい。
【0050】
ステップS805では、ステップS804において算出された計測部位外形線1101(
図11A)を記憶部203に記憶する。
【0051】
<2.座圧分布算出部における処理>
次に座圧分布算出部212における処理の流れについて
図8B及び
図11Bを用いて説明する。
図8Bは、座圧分布算出部212における、座圧分布算出処理の流れを示すフローチャートである。
【0052】
ステップS811では、記憶部203に記憶された計測部位外形線1101を読み出し、表示部204に表示する。
【0053】
ステップS812では、座圧分布データを座圧分布計測センサ110から取得する。更に、ステップS813では、ステップS812において取得した座圧分布データを、表示部204に計測部位外形線1101とともに連続的に表示する。
【0054】
図11Bは、ステップS812において取得された座圧分布データを計測部位外形線1101とともに表示した様子を示している。
【0055】
図11Bに示すように、座圧分布データを計測部位外形線1101とともに表示することで、被検者の臀部全体のどの部分に座圧がかかっているのかを容易に把握することができる。また、座圧がかかっている部分が、どの程度偏っているのかを容易に把握することができる。
【0056】
以上の説明から明らかなように、第2実施形態の座圧分布計測システム100では、計測部位外形線算出部を設け、座位状態にある被検者の臀部の外形に対応する位置の圧力センサをユーザが順次押圧した際の、押圧点を含む座圧分布データを複数取得する構成とした。更に、取得した当該複数の座圧分布データそれぞれに含まれる押圧点に基づいて、被検者の計測部位(臀部)全体の形状を示す計測部位外形線を算出する構成とした。
【0057】
更に、座圧分布データを表示する際に、当該算出した計測部位外形線を合わせて表示する構成とした。
【0058】
この結果、座圧分布計測システムにおいて、計測した座圧分布データを表示するにあたり、被検者の計測部位全体に対する相対的な位置を把握することが可能となった。
【0059】
[第3実施形態]
第1実施形態および第2実施形態の座圧分布計測システム100では、情報処理装置120が、座圧分布計測センサ110によって計測された座圧分布データを、ケーブル130を介して直接取得する構成としたが、本発明はこれに限定されない。例えば、情報処理装置120が、ブルートゥースなどの無線を介して取得する構成としてもよい。
【0060】
また、座圧分布計測センサ110内にメモリを配し、座圧分布計測センサ110において計測された座圧分布データを一旦当該メモリに記憶しておくように構成してもよい。このように座圧分布計測システム100を構成した場合、座圧分布計測センサ110が情報処理装置120にケーブル130を介して接続できる距離に設置できないとき、即ち、ケーブル130の長さが足りないときであっても、所定の場所で座圧分布データを計測することができる。この場合、座圧分布データを計測した後で座圧分布計測センサ110を情報処理装置120にケーブル130を介して接続し、情報処理装置120に当該座圧分布データを取得させることができる。
【0061】
本発明は上記実施の形態に制限されるものではなく、本発明の精神及び範囲から離脱することなく、様々な変更及び変形が可能である。従って、本発明の範囲を公にするために、以下の請求項を添付する。
【0062】
本願は、2012年9月21日提出の日本国特許出願特願2012−208876を基礎として優先権を主張するものであり、その記載内容の全てを、ここに援用する。