【実施例】
【0014】
図1は、本発明による低周波パルス発生装置100の構成図である。低周波パルス発生装置100は、AC100Vの電源で動作し、制御ボックス30は、操作部31、制御部32、表示部33と低周波発生部34が設けられる。外部に向かって第1電極パッド対20と第2電極パッド対21が延びる。第1電極パッド対20は、電極パッドA、A’からなる。第2電極パッド対21は、第電極パッドB、B’からなる。制御ボックス30は、これに限られるものではないが、縦が350mm、横が250mm、高さが80mmの箱型である。
【0015】
図2は、
図1の制御ボックス30の表面に設けられた操作部31を示す図である。操作部31は、各種の操作スイッチからなる。モード選択31aはモードA、B、Cのどのモードにするかを選択する。選択した結果は、表示部33のモードを示す領域に表示される。自動モード31bは、モードA〜Cをすべて選択し、A〜Cの複数モードを自動的に切り替えて使用する。選択した結果は、表示部33のモードを示す領域に表示される。通常はモードAを使用する。モードB、Cは、刺激の少ない周波数からなり、数分間の準備運転に使用され、使用者に不安を与えないようにするためのものである。なお、図示しないが、操作部31にはランプが設けられ、正常なら白のランプが点灯し、故障なら赤のランプが点灯することもできる。電極パッドに流れた電流をモニターし、AD変換して蓄積し、これを無線LANでルーターに送り、近くに設置されたパソコンで参照できる。これによれば、低周波パルス発生装置をどのように設定した時が、リラックスできるかの統計を取るのに役立つ。その人にあった設定が可能になる。もちろん故障の詳細情報をパソコンに送り、どの部位が故障しているかの分析なども可能である。
【0016】
タイマーアップ31cとタイマーダウン31dは、運転時間をアップダウンさせて、最大40分の範囲内で設定するスイッチである。通常は20〜30分に設定される。強度アップ31eと強度ダウン31fは、刺激波の電圧を変更するスイッチである。アジャスト31gは、すべてのモードの刺激の強さを変更するスイッチである。強さの指定は3段階を設けた。スタート/ストップ31hは、第1電極パッド対20と第2電極パッド対21を顔に装着した後、これを押すことで運転が開始されるスイッチで、2回目の押下では運転が停止される。なお、制御ボックス30には、電源コード1とパワーオンスイッチ2が設けられる。
【0017】
図3は、電極パッドの装着例を示す図である。
図3(A)は、2つの電極パッド(A、B’)を顔の一方側(右)に、他の2つの電極パッド(B、A’)を顔の他方側(左)に装着する場合を示す。第1電極パッド対A、A’を結ぶ線と、第2電極パッド対B、B’を結ぶ線が、顔の中央付近で交差するように配置される。
図3(B)は、2つの電極パッド(A、B)を顔の一方側(左)に、他の2つの電極パッド(B’、A’)を顔の他方側(左)に装着する場合を示す。この場合も同様に、第1電極パッド対A、A’を結ぶ線と、第2電極パッド対B、B’を結ぶ線が、顔の中央付近で交差するように配置される。電極パッドは、どちらの形態で装着されてもよい。なお、
図3(B)の場合、
図2に示された電極パッドの束ね方は、一方が電極パッド(A、B)に束ねられ、他方が電極パッド(B’、A’)に束ねられる。
【0018】
図4は、電極パッドを顔に装着した時、刺激電流の流れる方向を示す説明図である。
図4(A)の(a)〜(c)は、
図3(A)に対応しており、(a)が第1電極パッド対A、A’に、AからA’の向きに電流が流れるようにパルスを印加した場合、(b)は第2電極パッド対B、B’に、BからB’の向きに電流が流れるようにパルスを印加した場合、(c)は、A’からAの向きに電流が流れるようにパルスを印加し、B’からBの向きに電流が流れるようにパルスを印加した場合である。
図3(A)に対応している。
図4(B)の(a)〜(c)は、
図3(B)に対応しており、(a)が第1電極パッド対A、A’に、AからA’の向きに電流が流れるようにパルスを印加した場合、(b)は第2電極パッド対B、B’に、BからB’の向きに電流が流れるようにパルスを印加した場合、(c)は、A’からAの向きに電流が流れるようにパルスを印加し、B’からBの向きに電流が流れるようにパルスを印加した場合である。
【0019】
図5は、電極パッドの駆動回路で、(a)は第1電極パッド対A、A’側の回路、(b)は第2電極パッド対B、B’側の回路である。
図5(a)に示すように、トランジスタt1をオンとし、トランジスタt4をオンとすれば、点線(AからA’へ向かう線)で示すように電流が流れ、
図4(a)が実現できる。トランジスタt3をオンとし、トランジスタt2をオンとすれば、点線(A’からAへ向かう線)で示すように電流が流れ、
図4(c)の一方が実現できる。
図5(b)に示すように、トランジスタt5をオンとし、トランジスタt8をオンとすれば、点線(B’からBへ向かう線)で示すように電流が流れ、
図4(b)が実現できる。トランジスタt7をオンとし、トランジスタt6をオンとすれば、点線(BからB’へ向かう線)で示すように電流が流れ、
図4(c)の他方が実現できる。
【0020】
図6は、第1刺激波3と第2刺激波4の各波形である。最初に、第1刺激波3は、電極パッドA、A’に印加される波形である。第1刺激波3は、周波数151Hzの1周期(6.62ms(ミリセカンド:10
−3秒))を8フェーズに分割し、第1フェーズに正のパルス、第2フェーズに負のパルス、第3フェーズはパルスなし、第4フェーズに負のパルス、第5〜8フェーズはパルスなしとして、これを繰り返すものである。正のパルスは、電極パッドAに正の電圧が加えられ、電極パッドA’には電流が流れ込むことで実現する。これは
図4(a)に示す状態である。負のパルスは、例えば電極パッドA’に正の電圧が加えられ、電極パッドAに電流が流れ込むように印加することで実現する。これは
図4(c)に示す状態である。正のパルスは、例えば10V程度で、2つの負のパルスは、少し小さくして8V〜6Vにすることができる。正または負のパルスの幅は0.83msで、周波数でいうと604Hzである。第1刺激波3は、3個の塊を1つの刺激と見なすなら、1秒間に151回の刺激が与えられるものとなる。なお、第1刺激波3は、151Hzを前提に波形を示したが、これに限るものではなく、100〜200Hzの範囲内で変更できる。
【0021】
図6に示すように、第2刺激波4は、電極パッドB、B’に印加される波形である。第2刺激波4は、第1刺激波3と同じ周波数151Hzを使用し、第1刺激波3と同相であり、1周期を8フェーズに分割し、第1フェーズにパルスなし、第2フェーズに負のパルス、第3フェーズに正のパルス、第4フェーズに負のパルス、第5〜8フェーズはパルスなしで、これを繰り返す。正のパルスは、電極パッドBに正の電圧が加えられ、電極パッドB’には電流が流れ込むことで実現する。これは
図4(A)(b)と
図4(B)(b)に示す状態である。負のパルスは、例えば電極パッドB’に正の電圧が加えられ、電極パッドBに電流が流れ込むように印加することで実現する。正のパルスは、例えば10V程度で、2つの負のパルスは少し小さくして6V〜8Vにできる。
図6に示すように、第2刺激波4の正のパルスは、第1刺激波3に対して1/4周期ずれた関係で印加される。そのため、第2刺激波4の正のパルスは、第1刺激波3の正のパルスの時期と重ならない。第2刺激波4の負のパルスは、第1刺激波3の負のパルスの時期と重なる。この場合、
図4(c)に示すように、第1刺激波3と第2刺激波4が同時刻に発せられるので、人体内でより強い刺激に感じられる。
【0022】
図6では、周波数151Hzの1周期6.62msを8フェーズに分割したが、6フェーズに分割してもよい。6フェーズに分割した場合、第1フェーズ〜第4フェーズに、
図6のようにパルスを割り振ることができて、第5フェーズ以降(第5フェーズと第6フェーズ)にはパルスがない。パルスの幅は0.83mmから1.10msと大きくなる。また、10フェーズに分割することもできる。その場合、第1フェーズ〜第4フェーズに、
図6のようにパルスを割り振ることができて、第5フェーズ以降(第5フェーズ〜第10フェーズ)にはパルスがない。パルスの幅は、0.83mmから0.66msと小さくなる。フェーズの分割数は6〜12で選定できる。
【0023】
図7は、第1刺激波3と第2刺激波4が低周波数(0.1Hz)で電極パッドに印加されることを示す説明図である。第1刺激波3と第2刺激波4が、運転タイマーで指定された時間、ここでは25分間、第1電極パッド対20と第2電極パッド対21に出力される。第1刺激波3と第2刺激波4は、刺激波が共に継続されるオン状態5と、刺激波が共に休止されるオフ状態6からなる。
図7に示すように、オン状態5を6.5秒とし、オフ状態6を3.5秒とした。この場合、デューティ比は65(%)で、0.1Hzの低周波にできる。周波数は0.1Hzに限らず、0.1〜0.5Hzの範囲に設定できる。0.2Hzの低周波にするのであれば、1周期が5秒なので、デューティ比が65(%)なら、オン状態を3.25秒、オフ状態6を1.75秒にできる。
【0024】
図8は、制御部32のフローチャートである。ステップS1では、まず運転タイマーが設定される。例えば25分がセットされる。なお、オン状態とオフ状態の時間間隔は、オン状態が6.5秒、オフ状態が3.5秒とされ、0.1Hzの低周波に乗せて刺激を与えるよう設定されているものとする。ステップS2は、モードとアジャストが選択される。モードは、自動モードが選択されたとする。第1電極パッド対20と第2電極パッド対21が顔の左右に装着され準備ができると、第1操作部31のスタートが押下される。ステップS3で、スタートが検知されて運転が開始される。ステップ4で自動モードかどうかが判定され、自動モードがであった場合、ステップ5、6で、使用者に不安を与えないよう刺激の弱いBモードとCモードがそれぞれ数分間運転される。その後ステップS7で第1刺激波と第2刺激波を使用した低周波の運転(Aモード、0.1Hz)を25分間行なう。0.1Hzの刺激は、10秒に1回の刺激であり、刺激のある6.5秒間と刺激のない3.5秒間が、25分間繰り返される。25分が経過し運転タイマーが終了すると、ステップS8で検知され運転終了となる。
【0025】
ステップS9ではAモードかどうかが判定され、Aモードの場合、ステップ7に飛んでAモードが実行される。ステップS10でBモードかどうかが判定され、Bモードの場合、ステップ11に飛んでBモードが実行される。25分が経過すると、ステップS12で検知され運転終了となる。ステップS10でBモードでない場合はCモードであるから、ステップ13に飛んでCモードが実行される。25分が経過すると、ステップS14で検知され運転終了となる。
【0026】
制御部32は、近距離の無線通信を行なう。スタートボタンが押された時刻情報、実際に運転された時間の情報、及び機器の設定情報、及び機器が正常動作したか異常動作したかの動作情報を近くのパソコンに送信することができる。パソコンでいつどのような刺激を加えたかの情報が蓄積できる。なお、電波は2.4GHzを使用することができる。
【0027】
図9は、目の構造を示す説明図である。(a)は遠くを見る場合、(b)は近くを見る場合を示す。目の水晶体の厚さを変える調整をするのが、毛様体とよばれる筋肉である。毛様体が縮むと帯が引っ張られ、水晶体が薄くなり、遠くを見ることができる。毛様体が膨らむと帯がゆるみ、水晶体が厚くなり、近くを見ることができる。目に疲れがたまると毛様体が硬直して調整機能が低下する。低周波パルス発生装置によれば、心地よい刺激を毛様体に与えて血行をよくする。