(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6050520
(24)【登録日】2016年12月2日
(45)【発行日】2016年12月21日
(54)【発明の名称】ファンモーター
(51)【国際特許分類】
H02K 5/10 20060101AFI20161212BHJP
H02K 5/167 20060101ALI20161212BHJP
F16C 27/00 20060101ALI20161212BHJP
F16C 35/02 20060101ALI20161212BHJP
F25D 11/00 20060101ALI20161212BHJP
【FI】
H02K5/10 A
H02K5/167 A
F16C27/00 Z
F16C35/02 Z
F25D11/00 101Z
【請求項の数】6
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2015-549285(P2015-549285)
(86)(22)【出願日】2014年1月20日
(65)【公表番号】特表2016-504905(P2016-504905A)
(43)【公表日】2016年2月12日
(86)【国際出願番号】KR2014000565
(87)【国際公開番号】WO2014129751
(87)【国際公開日】20140828
【審査請求日】2015年6月23日
(31)【優先権主張番号】10-2013-0019620
(32)【優先日】2013年2月25日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】512272708
【氏名又は名称】ニュモテク株式会社
【氏名又は名称原語表記】NEW MOTECH CO., LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】100074273
【弁理士】
【氏名又は名称】藤本 英夫
(74)【代理人】
【識別番号】100173222
【弁理士】
【氏名又は名称】藤本 英二
(74)【代理人】
【識別番号】100151149
【弁理士】
【氏名又は名称】西村 幸城
(72)【発明者】
【氏名】ジャン ジョンチョル
(72)【発明者】
【氏名】パーク ジェオングス
【審査官】
柿崎 拓
(56)【参考文献】
【文献】
実開昭62−098458(JP,U)
【文献】
特開昭54−113009(JP,A)
【文献】
特開昭62−135237(JP,A)
【文献】
特開昭60−194739(JP,A)
【文献】
実開昭62−098459(JP,U)
【文献】
米国特許出願公開第2001/0030478(US,A1)
【文献】
実開昭60−138349(JP,U)
【文献】
特開平07−213001(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02K 5/10
F16C 27/00
F16C 35/02
F25D 11/00
H02K 5/167
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
中心部へ回転軸が貫通し、中心部外部の上記回転軸の周囲に形成されている下部軸受け挿入空間を持つ下部ブラケット;
上記下部軸受け挿入空間の上部に形成されている下部軸受け安着部に圧入された状態で固定されている下部軸受け;
上部軸受け挿入空間の上部に形成されている上部軸受け安着部に圧入された状態で固定されている上部軸受け;
中心部へ上記回転軸が貫通し、上記回転軸の周囲に形成されて下部が開放されている上部軸受け挿入空間を持つ上部ブラケット;
上記上部ブラケットの内部に上記回転軸に結合されて回転するローター;
上記ローターの周囲に位置するステーター;
上記下部軸受けの下部を支持するための下部軸受け支持部を持つ下部フェルトカバー;及び
上記上部軸受けの下部を支持するための上部軸受け支持部を持つ上部フェルトカバー;
からなり、
前記下部フェルトカバーは、
円形のベース;
上記ベースに突出して形成されるフェルト支持部;及び
上記フェルト支持部の内側に突出され、上記フェルト支持部と平行な方向に形成されている前記下部軸受け支持部;
からなり、上記下部軸受け支持部には少なくとも2個以上の切開部が形成されていることを特徴とするファンモーター。
【請求項2】
上記下部軸受けの周囲に位置する下部フェルトをさらに含み、上記下部フェルトカバーの下部軸受け支持部の周囲に上記下部フェルトを支持する下部フェルト支持部が形成されていることを特徴とする請求項1に記載のファンモーター。
【請求項3】
上記上部軸受けの周囲に位置する上部フェルトをさらに含み、上記上部フェルトカバーの上部軸受け支持部の周囲に上記上部フェルトを支持する上部フェルト支持部が形成されていることを特徴とする請求項1に記載のファンモーター。
【請求項4】
中心部へ回転軸が貫通し、中心部外部の上記回転軸の周囲に形成されている下部軸受け挿入空間を持つ下部ブラケット;
上記下部軸受け挿入空間の上部に形成されている下部軸受け安着部に圧入された状態で固定されている下部軸受け;
上部軸受け挿入空間の下部に形成されている上部軸受け安着部に圧入された状態で固定されている上部軸受け;
中心部へ上記回転軸が貫通し、上記回転軸の周囲に形成されて上部が開放されている上部軸受け挿入空間を持つ上部ブラケット;
上記上部ブラケットの内部に上記回転軸に結合されて回転するローター;
上記ローターの周囲に位置するステーター;
上記下部軸受けの下部を支持するための下部軸受け支持部を持つ下部フェルトカバー;及び
上記上部軸受けの上部を支持するための上部軸受け支持部を持つ上部フェルトカバー;
からなり、
前記下部フェルトカバーは、
円形のベース;
上記ベースに突出して形成されるフェルト支持部;及び
上記フェルト支持部の内側に突出され、上記フェルト支持部と平行な方向に形成されている前記下部軸受け支持部;
からなり、上記下部軸受け支持部には少なくとも2個以上の切開部が形成されていることを特徴とするファンモーター。
【請求項5】
円形のベース;
上記ベースに突出して形成されるフェルト支持部;及び
上記フェルト支持部の内側に突出され、上記フェルト支持部と平行な方向に形成されている軸受け支持部;
からなり、上記軸受け支持部には少なくとも2個以上の切開部が形成されていることを特徴とするフェルトカバー。
【請求項6】
上記ベースの中心部には上記軸受け支持部の下部側に形成された空間であるオイルリターンワッシャー挿入部が形成されていることを特徴とする請求項5に記載のフェルトカバー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はファンモーターに関するものである。より具体的には、本発明は製造工程がより簡単で製造費用を減らすことができ、外部からの湿気の浸透を效率的に防止することができるし、軸受けを支持する部品の数を減らすことができる構造を持つファンモーターに関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般的に、冷蔵庫の冷気を送風させたり、ある装置の内部と外部の空気を循環させるために使用されるモーターをファンモーターと言う。このようなファンモーターは、概ね湿気の多い所や温度変化による結露が生じる環境に設置される場合が多い。よって、モーターの内部に湿気が浸透して故障を起こすことがあるため、これを防止するために多様な構造が研究されてきた。
【0003】
韓国特許第10-0511324号、第10-1074935号及び米国特許第6,577,031号では、モーターのステーター及び印刷回路基板などを全て一緒にインサート射出によって樹脂モールディングによるモーターハウジングを製作する技術について開示している。これら特許によると、ステーターと印刷回路基板が内部に埋め込まれるように樹脂モールディングでモーターハウジングを製作するので、モーターの内部へ湿気が浸透できなくするために效率的な構造を持っている。しかし、上述したインサート射出によってモーターを製作することは、金型を製作するなどのインサート射出に必要な工程と費用が増加する問題点があった。また、インサート射出工程を経らなければならないので、全ての工程を自動化しにくい点がある。
【0004】
一方、従来のファンモーターは回転軸に結合されている軸受けの位置を整列し、制限及び維持するために軸受けが位置する所に板スプリングまたはボードプッシュ(board push)のような部材を適用している。韓国特許第10-0917197号及び第10-0987067号にこのような形態のファンモーターが開示されている。
【0005】
上述したファンモーターは、板スプリングを適用するので、軸受けの組み立て工程が増加し、部品の数が増加する問題点がある。
【0006】
ここで、本発明者らは上述した問題点を解決するために、ステーターをブラケットの内部に位置させ、印刷回路基板をブラケットの外部に設置してシーリングする構造を活用し、ボードプッシュを使用しない新しい構造のファンモーターを提案する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は新しい構造のファンモーターを提供することである。
【0008】
本発明の他の目的は、モーターハウジングを製作するためのインサート射出を適用しないことで、製造費用を減らすことができるファンモーターを提供することである。
【0009】
本発明の他の目的は、ボードプッシュを使用しない構造を持つファンモーターを提供することである。
【0010】
本発明の上記目的及びその他内在している目的は、後述する本発明によって全て容易に達成することができる。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明によるファンモーターは、
中心部へ回転軸が貫通し、中心部外部の上記回転軸の周囲に形成されている下部軸受け挿入空間を持つ下部ブラケット;
上記下部軸受け挿入空間の上部に形成されている下部軸受け安着部に圧入され
た状態で固定され
ている下部軸受け;
上部軸受け挿入空間の上部に形成されている上部軸受け安着部に圧入され
た状態で固定され
ている上部軸受け;
中心部へ上記回転軸が貫通し、上記回転軸の周囲に形成されて下部が開放されている上部軸受け挿入空間を持つ上部ブラケット;
上記上部ブラケットの内部に上記回転軸に結合されて回転するローター;
上記ローターの周囲に位置するステーター;
上記下部軸受けの下部を支持するための下部軸受け支持部を持つ下部フェルトカバー;及び
上記上部軸受けの下部を支持するための上部軸受け支持部を持つ上部フェルトカバー;
からな
り、
前記下部フェルトカバーは、
円形のベース;
上記ベースに突出して形成されるフェルト支持部;及び
上記フェルト支持部の内側に突出され、上記フェルト支持部と平行な方向に形成されている前記下部軸受け支持部;
からなり、上記下部軸受け支持部には少なくとも2個以上の切開部が形成されていることを特徴とする。
【0012】
本発明において、上記下部軸受けの周囲に位置する下部フェルトをさらに含み、上記下部フェルトカバーの下部軸受け支持部の周囲に上記下部フェルトを支持する下部フェルト支持部が形成されていても良い。
【0013】
本発明において、上記上部軸受けの周囲に位置する上部フェルトをさらに含み、上記上部フェルトカバーの上部軸受け支持部の周囲に上記上部フェルトを支持する上部フェルト支持部が形成されていることが好ましい。
【0014】
本発明の他の観点によるファンモーターは、
中心部へ回転軸が貫通し、中心部外部の上記回転軸の周囲に形成されている下部軸受け挿入空間を持つ下部ブラケット;
上記下部軸受け挿入空間の上部に形成されている下部軸受け安着部に圧入され
た状態で固定され
ている下部軸受け;
上部軸受け挿入空間の下部に形成されている上部軸受け安着部に圧入され
た状態で固定され
ている上部軸受け;
中心部へ上記回転軸が貫通し、上記回転軸の周囲に形成されて上部が開放されている上部軸受け挿入空間を持つ上部ブラケット;
上記上部ブラケットの内部に上記回転軸に結合されて回転するローター;
上記ローターの周囲に位置するステーター;
上記下部軸受けの下部を支持するための下部軸受け支持部を持つ下部フェルトカバー;及び
上記上部軸受けの上部を支持するための上部軸受け支持部を持つ上部フェルトカバー;
からな
り、
前記下部フェルトカバーは、
円形のベース;
上記ベースに突出して形成されるフェルト支持部;及び
上記フェルト支持部の内側に突出され、上記フェルト支持部と平行な方向に形成されている前記下部軸受け支持部;
からなり、上記下部軸受け支持部には少なくとも2個以上の切開部が形成されていることを特徴とする。
【0015】
本発明によるフェルトカバーは、
円形のベース;
上記ベースに突出して形成されるフェルト支持部;及び
上記フェルト支持部の内側に突出され、上記フェルト支持部と平行な方向に形成されている軸受け支持部;
からなり、上記軸受け支持部には少なくとも2個以上の切開部が形成されていることを特徴とする。
【0016】
本発明において、上記ベースの中心部には上記軸受け支持部の下部側に形成された空間であるオイルリターンワッシャー挿入部が形成されていても良い。
【発明の効果】
【0017】
本発明はモーターハウジングを製作するためのインサート射出を適用しないことで製造費用を減らすことができ、製造工程を全て自動化することができるし、ボードプッシュを使わなくても軸受けを支持することができる新しい構造のファンモーターを提供する発明の効果を持つ。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】本発明によるファンモーターの斜視図である。
【
図2】本発明によるファンモーターを示した断面図であって、
図1のA-A線を切断して見たものである。
【
図3】本発明によるファンモーターから上部ブラケットを除去した状態の斜視図である。
【
図4】本発明によるファンモーターを下部から見た斜視図であって、印刷回路基板を結合する前の姿を示した図面である。
【
図5】本発明によるファンモーターを下部から見た斜視図であって、印刷回路基板を結合させた姿を示した図面である。
【
図6】本発明によるファンモーターを下部から見た斜視図である。
【
図7】本発明によるファンモーターに使われるフェルトカバーを示した斜視図である。
【
図8】本発明の他の実施例によるファンモーターの上部ブラケットとフェルトカバーの結合状態を示した断面図である。以下では、添付された図面を参照にして本発明について詳しく説明する。
【発明を実施するための形態】
【0027】
図1は本発明によるファンモーター100の斜視図である。
【0028】
図1に図示されたように、本発明によるファンモーター100を外部から見ると、下部ブラケット1、上部ブラケット3及び回転軸5からなる。下部ブラケット1と上部ブラケット3はプラスチックの射出物からなるが、これらは互いに結合されて外部からの湿気の浸透を防止するために、好ましくは超音波融着によって密封される構造を持った方が良い。上部ブラケット3の内部にはステーター、ローター及び回転軸が位置し、ステーターに電源を供給してモーターの回転を制御するための印刷回路基板は下部ブラケット1の外側下部に位置する。よって、印刷回路基板と繋がるワイヤ81は下部ブラケット1の下部から外部へ突出されている。
【0029】
図2は本発明によるファンモーター100の断面を表すために、
図1のA-A線を切断して見た断面図である。
【0030】
図2に図示されたように、本発明によるファンモーター100は下部ブラケット1と上部ブラケット3が結合された状態でモーターのハウジングを成している。下部ブラケット1と上部ブラケット3が結合された状態で下部ブラケット1及び上部ブラケット3によって形成される内部の空間にローター6及びステーター7が位置する。下部ブラケット1にはブラケット結合溝17が形成されており、上部ブラケット3には下部ブラケット1のブラケット結合溝17と対応する位置にブラケット結合突起33が形成されている。好ましくは、ブラケット結合溝17の大きさはブラケット結合突起33より若干小さくして、ブラケット結合突起33がブラケット結合溝17に圧入されるようにする。さらに好ましくは、ブラケット結合突起33を超音波融着によってブラケット結合溝17に密封固定させる。勿論、ブラケット結合溝17を突起形状に、ブラケット結合突起33を溝形状に形成することも可能である。
【0031】
印刷回路基板(Printed Circuit Board、PCB)8は下部ブラケット1の下部の外部空間に形成されているPCB挿入空間11に挿入される。ステーター7に巻かれているコイル(図示されていない)は、印刷回路基板8と電気的に連結されなければならないが、このために、下部ブラケット1にはその内部と外部を貫いて形成され、上記コイルが通過する通路であるコイル通路10が形成されている。印刷回路基板8がPCB挿入空間11に挿入された後、PCB挿入空間11で印刷回路基板8が占めた空間を除いた残り空間はシーリング材(
図6、図面符号82参照)で充填される。
【0032】
回転軸5は下部ブラケット1と上部ブラケット3の中心部を貫通して位置する。回転軸5はその下部が下部軸受け51によって回転支持され、上部ブラケット3中心部の内部に位置する上部軸受け52によって回転支持されている。
【0033】
下部軸受け51は下部ブラケット1の中心部に形成されている下部軸受け挿入空間12に位置し、下部軸受け挿入空間12中心部の上部に形成されている下部軸受け安着部13に下部軸受け51の上部が圧入されて固定される。下部軸受け51の下部は、下部フェルトカバー2に形成されている下部軸受け支持部24によって支持されている。下部軸受け51の外周面には下部フェルト15が設けられていて、軸受けの回転のための潤滑油であるオイルを供給する。下部軸受け安着部13の上部には下部オイルリターンワッシャー挿入部18が形成されており、この下部オイルリターンワッシャー挿入部18には下部オイルリターンワッシャー19が挿入されていて、オイルが下部軸受け51の上部側へ流れ出ることを防止する。
【0034】
下部軸受け51が位置している下部ブラケット1の下部軸受け挿入空間12は、下部フェルトカバー2によってカバーされると同時に密封されて結合される。このために、下部ブラケット1の下部軸受け挿入空間12の周囲には下部結合溝16が形成されていて、下部フェルトカバー2には上記下部結合溝16に対応する位置に下部結合突起21が形成されている。好ましくは、この下部結合突起21を超音波融着によって下部結合溝16に密封結合させることで、下部軸受け挿入空間12を外部から完全に孤立させて外部からの湿気の浸透を遮断することができる。勿論、下部結合突起21を溝の形態に形成し、下部結合溝16を突起の形態に形成することも可能である。下部フェルトカバー2中心部の内側には空間部22が形成されていて、この空間に回転軸5の末端が位置するようにする。
【0035】
上部軸受け52は上部ブラケット3の上部軸受け挿入空間35に挿入され、上部ブラケット3中心部の内部に形成されている上部軸受け安着部31に圧入されて固定される。上部軸受け52の下部は、上部フェルトカバー4に形成されている上部軸受け支持部45によって支持されている。上部軸受け52の外周面には上部フェルト34が位置し、この上部フェルト34は軸受けの円滑な回転のためのオイルを含んでいる。上部軸受け52が挿入された空間である上部軸受け挿入空間35は上部フェルトカバー4で覆われる。このために、上部ブラケット3には上部結合溝32が形成されており、上部フェルトカバー4には上記上部結合溝32の位置と対応する位置に上部結合突起41が形成されている。好ましくは、この上部結合突起41を超音波融着によって上部結合溝32に融着して密封結合させる。勿論、上部結合突起41を溝の形態に、上部結合溝32を突起の形態に形成することもできる。
【0036】
上部フェルトカバー4中心部の内部には、上部オイルリターンワッシャー挿入部42が形成されている。この上部オイルリターンワッシャー挿入部42には上部オイルリターンワッシャー43が挿入されていて、上部軸受け52の下部へオイルが漏れることを防止している。
【0037】
図3は本発明によるファンモーター100から上部ブラケット3を除去した状態の斜視図である。
図3を参照すると、本発明のファンモーター100は下部ブラケット1に回転軸5、ローター6及びステーター7を位置させた後、上部ブラケット3を結合して製造する。好ましくは、下部ブラケット1に上部ブラケット3を超音波融着によって結合する。よって、インサート射出によってモーターのハウジングを形成するより簡便で、製造費用を減らすことができる。
【0038】
図4は本発明によるファンモーター100を下部から見た斜視図であって、印刷回路基板を結合する前の姿を示した図面で、
図5は印刷回路基板を結合させた姿を示したものであり、
図6は本発明によるファンモーター100の印刷回路基板8の周囲をシーリング材で充填した状態を示した斜視図である。
【0039】
図4を参照すると、下部ブラケット1下部の外部に形成されているPCB挿入空間11には印刷回路基板8が挿入される。ステーター7に巻かれているコイル(図示されていない)は、下部ブラケット1に形成されているコイル通路10を通じて印刷回路基板8と電気的に繋がる。
図5を参照すると、印刷回路基板8はワイヤ81を通じて外部電源と繋がるが、このワイヤ81が通過するためにPCB挿入空間11の外周側の一部にはワイヤ溝11aが形成されていて、下部ブラケット1の下部最外角側にはワイヤが通過して整理されるワイヤパスホール11bが形成されている。
【0040】
図6に図示されたように、PCB挿入空間11に印刷回路基板8が挿入された後、残りの空間にはシーリング材82が充填される。このシーリング材はウレタンモールディング、シーラント、硬化性接着材など様々な材料を適用することができる。
【0041】
図7は本発明によるファンモーターに使用されるフェルトカバー9を示した斜視図である。
【0042】
図7を参照すると、
図7のフェルトカバー9は上記説明した下部フェルトカバー2または上部フェルトカバー4と同一に使われるものであって、説明の便宜のために別途の図面符号を用いて説明する。
【0043】
フェルトカバー9は、円形のベース90の一面に突出された形態の結合突起91が形成されている。この結合突起91は下部または上部ブラケットの対応する位置に形成されている溝に結合されることで、フェルトカバー9が下部または上部ブラケットによく結合されるようにする。ベース90の中央部には、回転軸が貫くための回転軸貫通孔92が形成されている。このフェルトカバー9が下部フェルトカバーとして使われる場合、回転軸貫通孔92を形成しなくても構わない。それとも、回転軸貫通孔92が形成されている状態で下部フェルトカバーとして使われる場合、この回転軸貫通孔92を別途部材で塞いで使うこともできる。
【0045】
結合突起91の内側にはフェルト支持部93が突出して形成されている。このフェルト支持部93は上記説明した下部フェルト支持部23または上部フェルト支持部44のような役割をするものであって、潤滑油を含んでいるフェルトが自分の位置を維持できるように支持する役割をする。
【0046】
フェルト支持部93の内側には軸受け支持部94が突出して形成されている。この軸受け支持部94は切開部94a、94b、94cによって3つの欠片に分離されている。このように分離されている理由は、軸受け支持部94が軸受けを支持している時、軸受け支持部94が軸受けを強く圧迫して回転性能を低下することを防止するために、軸受け支持部94の各部分が微細に開かれるようにするためのものである。切開部94a、94b、94cは必ず三つである必要はなく、2個以上を必要によって形成すれば良い。但し、その位置は互いに対称の位置にあってからこそ、軸受けを支持する時、回転による偏心現象を止めることができる。軸受け支持部94の上部はそれに触れ合う軸受けの外側形状によって傾斜部95が形成されている。よって、軸受け支持部94の傾斜部95は、軸受けが触れ合う部分の支持する面積を広くする効果がある。
【0047】
図8は本発明の他の実施例によるファンモーターの上部ブラケット3と上部フェルトカバー4の結合状態を示した断面図である。
【0049】
図8に図示されたように、本発明の他の実施例によるファンモーターの上部ブラケット3は上部軸受け挿入空間35が上部の方へ開放されていて、上部フェルトカバー4が上部の方に結合される点が上記説明したファンモーターの場合と相異する。他の点は全て同一、又は類似である。
【0050】
上部軸受け52は上部軸受け挿入空間35の上方から挿入されて上部軸受け安着部31に安着される。上部軸受け安着部31の下部には上部オイルリターンワッシャー挿入部36が形成されていて、ここに上部オイルリターンワッシャー(図示されていない)が挿入される。
【0051】
上部軸受け52の外側には上部フェルト34が挿入され、この上部フェルトは上部フェルトカバー4に形成されている上部フェルト支持部44によって支持されている。上部軸受け52の上部は上部フェルトカバー4に形成されている上部軸受け支持部45によって支持されている。
【0052】
上部フェルトカバー4には上部結合突起41が形成されているが、この上部結合突起41は上部ブラケットの上部結合溝32に結合される。上部フェルトカバー4の上部フェルト支持部44の外周面は、上部軸受け挿入空間35の内周面に触れ合うように結合されることが好ましい。
【0053】
以上で説明した本発明の詳細な説明は、本発明を理解するために例示して説明したものに過ぎず、本発明の範囲を定めようとするのではないことを留意しなければならない。本発明の範囲は、下記特許請求の範囲によって定められ、この範囲内での単純な変形や変更は全て本発明の範囲に属するものとして理解されなければならない。