(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記状態評価デバイス(12)が、前記第1のユニット(72)の動作の監視および前記複数のユニットの動作の監視の少なくとも一方に使用するために前記新しい基準パラメトリック曲線を記憶するようにさらに構成されている、請求項2に記載のシステム(10)。
前記状態評価デバイス(12)が、前記第1のユニット(72)に対して変更が加えられていることを示す前記受け取られたデータ内のデータ取得論理フラグを識別すること、および前記第1のユニットに対して変更が加えられていると判定することのうち少なくとも一方を行うようにさらに構成されている、請求項2または3に記載のシステム(10)。
前記状態評価デバイス(12)が、記憶された1組の基本関数および前記少なくとも1つの選択されたデータソースから受け取った現在の状態の前記データから前記新しい基準パラメトリック曲線を計算するようにさらに構成されている、請求項1から5のいずれかに記載のシステム(10)。
前記状態評価デバイス(12)が、ファジー論理ルールに基づいて、前記新しい基準パラメトリック曲線が生成されるべきか否かを決定するようにさらに構成されている、請求項1から6のいずれかに記載のシステム(10)。
複数のユニットのフリート内に含まれる複数のユニットの少なくとも1つの動作を監視するための状態評価デバイス(70)であって、前記複数のユニットの当該ユニットのに関する少なくとも1つは通常動作のベースラインを示すパラメトリック曲線を有し、少なくとも1つのコードセグメントを記憶するように構成された処理デバイス(92)を備え、
入力デバイス(96)から、前記複数のユニットの少なくとも1つの動作に関連し、前記複数のユニットの少なくとも1つの動作に関連したデータを感知するように構成された複数のセンサに関連する少なくとも1つのデータソースの選択を受け取り、
前記少なくとも1つのデータソースに関連した前記複数のセンサ(82)のぞれぞれから、当該センサの対象の現在の状態を示すデータを受け取り、
受け取った前記データが閾値を超えた異常状態であるとの判断に基づいて、閾値を超えて異常状態とされた複数のセンサのうちの少なくとも2つから受け取ったデータに部分的に基づく、前記複数のユニットの内の前記少なくとも1つの通常動作を示す新しい基準パラメトリック曲線を生成するか否かを決定し、
受け取った前記データから少なくとも1つのデータパラメータに関連したデータをサンプリングし、
前記生成するか否かの判断に基づいて、前記少なくとも1つのサンプリングされたデータパラメータに関連した前記データから前記新しい基準パラメトリック曲線を生成する、
ように前記処理デバイスに指示するように構成されている、
デバイス(70)。
前記少なくとも1つのコードセグメントが、前記処理デバイス(92)に前記新しい基準パラメトリック曲線を記憶された1組の基本関数および前記少なくとも1つのデータソースから受け取られた前記データから計算することを指示するように構成されている、請求項8または9に記載のデバイス(70)。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本明細書に記載された方法およびシステムは、装置フリート内に含まれる複数の実質的に同様のユニットの1つである、ユニットの通常動作を表す、基準パラメトリック曲線を、正確に維持することを可能にする。より具体的には、本明細書に記載された方法およびシステムは、一般的なフリートルールパッケージが、フリート内の個別のユニットの動作および処理能力をより正確に表すように修正することを可能とする。修正は、個別のユニットの動作環境および/または機械状態に基づくことができる。本明細書に記載された方法およびシステムは、それぞれの個別のユニットに対する基準パラメトリック曲線を手動で更新しかつ/または維持することなしに、個別化された基準パラメトリック曲線の生成および使用を可能とする。基準値および関連した警告設定ポイントを自動的に維持することは、関連した施設内のユニットの基準曲線を手動で維持することを施設の保守技術者に要求しないことで商業上の有利性をもたらす。本開示では、例示的実施形態、すなわち、装置のフリートに対する基準パラメトリック曲線を維持するためのシステムおよび方法に適用するように記載されている。しかしながら、本開示は、産業上、商業上および住宅用の用途における状態評価システムに対する一般的な用途を有することが考慮されている。
【0010】
本明細書に記載された方法およびシステムの技術的効果は、(a)ユニットの動作に関連した少なくとも1つのデータソースの選択を受け取ること、(b)少なくとも1つの選択されたデータソースからデータを受け取ること、(c)受け取られたデータから少なくとも1つのデータパラメータに関連したデータをサンプリングすること、(d)少なくとも1つのサンプリングされたデータパラメータと関連したデータに曲線をフィッティングさせることにより基準パラメトリック曲線を決定すること、のうち少なくとも1つを含む。
【0011】
図1は、装置の処理能力を監視することに使用するため並びに装置の動作および処理能力を解析するために使用される基準パラメトリック曲線を維持するための例示的状態評価システム10のブロック図である。本例示的実施形態では、状態評価システム10は、少なくとも1つの状態評価デバイス12および複数のデータセンサ14を具備する。さらに、本例示的実施形態では、状態評価システム10は、フリート装置の動作を監視する。フリート装置は、本明細書では、例えば、第1の施設40、第2の施設42、第3の施設44、第4の施設46、第5の施設48、第6の施設50、第7の施設52、第8の施設54、および第9の施設56などの、複数の遠隔に位置する施設内での使用のために製造、販売される装置(すなわち、単発の特注装置ではない)として定義される。本例示的実施形態では、状態評価システム10は、第1の種別のユニット、第2の種別のユニットおよび第3の種別のユニットの処理能力を監視するように構成され得る。9つの施設内に含まれる3つの種別のユニットの処理能力を監視するように本明細書では記述されているが、状態評価システム10は、任意の適切な数の施設内に含まれる任意の適切な数の種別のユニットの処理能力を監視することができる。
【0012】
本例示的実施形態では、状態評価システム10内に含まれる各状態評価デバイス12は、局所的状態評価デバイス70を含む。さらに、本例示的実施形態では、第1の施設40は、第1のユニット72、第2のユニット74、第3のユニット76、第4のユニット78および第5のユニット80を含む。より具体的には、また単なる例として、第1ユニット72および第2のユニット74は、状態評価システム10により監視される第1の種別のユニットであり、第3のユニット76および第4のユニット78は、状態評価システム10により監視される第2の種別のユニットであり、また第5のユニット80は、状態評価システム10により監視される第3の種別のユニットである。本例示的実施形態では、第1の施設40は、発電施設であり、ユニット72、74、76、78および80は、発電施設の構成要素である。しかしながら、状態評価システム10は、複数の発電施設と関連して説明されているが、本明細書に記載の方法およびシステムは、航空機、船舶用および産業用途を含むが、これらに限定されない、他の用途に適用可能である。
【0013】
本例示的実施形態では、各ユニット72、74、76、78および80は、関連ユニットおよび/または第1の施設40の動作および処理能力に関連した選択されたデータパラメータを感知するように構成された複数のデータセンサ14の少なくとも1つを具備する。例えば、第1のユニット72は、第1のデータセンサ82を具備し、第2のユニット74は、第2のデータセンサ84を具備し、第3のユニット76は、第3のデータセンサ86を具備し、第4のユニット78は、第4のデータセンサ88を具備し、かつ第5のユニット80は、第5のデータセンサ90を具備する。データセンサ14は、関心のあるデータパラメータを監視することができる任意のグループまたは数のセンサ14を含むことができる。このような関心のあるパラメータは、室温、排気ガス温度、オイル温度、高圧タービン隔壁温度などの構成要素温度、燃料流、コア速度、圧縮機排気圧力、タービン排気圧力およびファン速度を含むが、これらに限定されない。
【0014】
局所的状態評価デバイス70は、データセンサ82、84、86、88および90からデータを受け取る処理デバイス92を具備する。本例示的実施形態では、局所的状態評価デバイス70はまた、メモリデバイス94を具備する。メモリデバイス94は、処理デバイス92に接続されあるいは内蔵され得る。さらに、局所的状態評価デバイス70は、ユーザから入力を受け取る際に使用するための入出力デバイス96を具備することができる。例えば、入出力デバイス96は、キーボード、マウス、タッチスクリーン、トラックパッド、ボタンおよび/または状態評価システム10が本明細書に記載のように機能することを可能とする任意の他のデバイスを具備することができる。より具体的には、入出力デバイス96は、ユーザにグラフィカルユーザインターフェースを表示し、かつ/またはユーザから複数のデータセンサ14の少なくとも1つの選択を受け取ることができる。
【0015】
本例示的実施形態では、局所的状態評価デバイス70は、それぞれの対応するユニット72、74、76、78および80の処理能力特性を監視するためにデータセンサ82、84、86、88および90から受け取られたデータ信号を処理するようにプログラムされる。例えば、局所的状態評価デバイス70は、データセンサ82、84、86、88および90により感知された所定のデータパラメータと関連したデータをサンプリングすることによりデータセンサ82、84、86、88および90の出力を連続的に監視するように構成され得る。サンプリングされたデータパラメータは、データを収集したデータセンサに関連したユニットの処理能力を監視するための診断用傾向分析に使用される。より具体的には、サンプリングされたデータパラメータは、ユニットの処理能力を監視するための、参照データに対する傾向を示す。例えば、サンプリングされたデータパラメータは、解析されるべきデータ種別に関連した記憶されたパラメトリック基線と比較される。
【0016】
本例示的実施形態では、局所的状態評価デバイス70は、第1のユニット72の処理能力を監視するために、データセンサ82から受け取られたデータを解析することができ、かつ第2のユニット74の処理能力を監視するためにデータセンサ84から受け取られたデータを解析することができる。上記のように、第1のユニット72および第2のユニット74は、同一の種別のユニットである。例えば、ユニット72および74は、いずれも同一のモデルの圧縮機であり得る。局所的状態評価デバイス70はまた、データセンサ82およびデータセンサ84から受け取られたデータを結合し、かつ/または結合されたデータに基づいてユニット72および74の処理能力を解析することができる。例えば、データセンサ82により収集されたデータが、記憶されているパラメトリック基線と異なる場合、局所的状態評価デバイス70は、第1のユニット72が適切に機能していないと判定する可能性がある。しかしながら、第1のユニット72から収集されたデータおよび第2のユニット74から収集されたデータが実質的に同様の態様で記憶されたパラメトリック基線と異なる場合、これらのデータは、関連したパラメータに対する記憶されたパラメトリック基線がユニットの適切な動作を正確に表現していないことの指標になり得る。
【0017】
典型的には、ユニットのフリート内の各ユニット種別に対する、パラメトリック基線を記憶した原本(すなわち、一般的なフリートルールパッケージ内に含まれる基準パラメトリック曲線)は、そのユニットが平均的な状態において、かつ標準の推奨される保守の処理能力で如何に実行されるべきかを記述している。しかしながら、各ユニット種別の個々のユニットは、同一の動作環境に設置されない可能性がある、あるいは記憶されたパラメトリック基線を決定するために使用されたユニットと同一の状態のもとでは運転されない可能性がある。ユニットの現実世界での動作は、記憶されたパラメトリック基線とは異なる可能性があり、従って、ユニットの現実世界での動作を記憶されたパラメトリック基線と比較しても、ユニットの適切な動作からの逸脱が正確に示されない可能性がある。本明細書では「再基準化」とも呼ばれる、調整されたかつ/または新しい基準値を決定することは、測定された動作データと比較するために使用することができる正確な基準値を提供する。言い換えれば、再基準化は、一般的なフリートルールパッケージに含まれる基準値を特定のユニットの適切な動作をより正確に表す専用の基準値に変換する。
【0018】
本例示的実施形態では、第1の施設40、第2の施設42および第3の施設44は、それぞれ第1の区画100内に配置されており、第4の施設46、第5の施設48および第6の施設50はそれぞれ第2の区画102内に配置されている。さらに、第7の施設52、第8の施設54および第9の施設56は、第3の区画104内に配置されている。第1の区画100、第2の区画102および第3の区画104の境界は、互いに所定の距離内に配置された施設を含むように地理的に定められ得る。あるいは、第1の区画100、第2の区画102および第3の区画104は、実質的に同様の環境を有する領域内に配置される施設、例えば、限定はされないが、類似の動作温度および/または湿度を有する領域内に配置される施設、として定義され得る。
【0019】
本例示的実施形態では、第2の施設42は、第1のユニット110、第2のユニット112、第3のユニット114、第4のユニット116、第5のユニット118および局所的状態評価デバイス120を含む。さらに、システム10内に含まれる複数のセンサ14は、第1のユニット110に関連した第6のセンサ122、第2のユニット112に関連した第7のセンサ124、第3のユニット114に関連した第8のセンサ126、第4のユニット116に関連した第9のセンサ128および第5のユニット118に関連した第10のセンサ130を含む。同様に、第3の施設44は、第1のユニット140、第2のユニット142、第3のユニット144、第4のユニット146、第5のユニット148および局所的状態評価デバイス150を含む。さらに、複数のセンサ14は、第1のユニット140に関連した第11のセンサ152、第2のユニット142に関連した第12のセンサ154、第3のユニット144に関連した第13のセンサ156、第4のユニット146に関連した第14のセンサ158および第5のユニット148に関連した第15のセンサ160を含む。
【0020】
状態評価システム10はまた、中央状態評価デバイス170を含むことができる。局所的状態評価デバイス70に関して上記に説明したように、中央状態評価デバイス170は、処理デバイス172およびメモリデバイス174を具備する。メモリデバイス174は、処理デバイス172に内蔵され、または接続され得る。本例示的実施形態では、中央状態評価デバイス170は、局所的状態評価デバイス70、120および150に接続され、かつこれらからデータを受け取る。別の実施形態では、中央状態評価デバイス170は、複数のデータセンサ14に接続され、かつデータセンサ14から直接データを受け取る。本例示的実施形態では、中央状態評価デバイス170は、複数の施設、例えば、第1の施設40、第2の施設42、および/または第3の施設44から受け取られたデータを解析する。複数の施設からのデータを解析することは、第1の施設40内に含まれる複数のユニットから収集されたデータに基づいて、かつ/または別々の施設、例えば、第1の施設40および第2の施設42内に含まれるユニットから収集されたデータに基づいて、第1の種別のユニットに対する調整されたパラメトリック基線を計算することを容易にする。例えば、中央状態評価デバイス170は、第1のモデルの圧縮機に対する新しいパラメトリック基線を中央状態評価デバイス170に接続されているこのモデルの全ての圧縮機から受け取られたデータに基づいて生成することができる。中央状態評価デバイス170は次いで、このモデルの圧縮機を含む各施設にこのモデルの圧縮機の動作を監視するために使用する新しいパラメトリック基線を送信する。あるいは、中央状態評価デバイス170は、中央状態評価デバイス170に接続され、かつ第1の区画100内に配置されたこのモデルの全ての圧縮機から受け取られたデータに基づいて第1のモデルの圧縮機に対する新しいパラメトリック基線を生成する。第1の区画100に対する新しい基準値は、このモデルの圧縮機を含む第1の区画100内に配置された施設のそれぞれに送信される。圧縮機に対して区画に基づいて調整された基準値を計算することにより、共有されたこれらの圧縮機の環境では、圧縮機が設置されている環境に特化されたパラメトリック基線の生成が可能となる。
【0021】
図2は、第1のユニット、例えば、第1のユニット72(
図1に示される)の通常動作を表す基準パラメトリック曲線を維持するために使用することができる例示的方法202の流れ
図200である。上記のように、第1のユニット72は、装置フリート内に含まれる複数の実質的に同様のユニットの1つである(すなわち、第1のユニット72は第1の種別のユニットである)。本例示的実施形態では、最初に、第1のユニット72の動作および処理能力に関連した少なくとも1つのデータソースの選択が、ステップ210で受け取られる。例えば、ユーザからの選択は、局所的状態評価デバイス70(
図1に示される)において、ステップ210で受け取られ、第1のユニット72の通常動作を表す基準パラメトリック曲線を第1のセンサ82により収集された動作データに基づくようにデバイス70に指示し得る。さらに、ユーザ選択は、局所的状態評価デバイス70において、ステップ210で受け取られ、第1のユニット72の通常動作を表す基準パラメトリック曲線を第1のセンサ82および別の第1の種別のユニット(すなわち、第2のユニット74)に接続されている第2のセンサ84により収集された動作データに基づくようにデバイス70に指示し得る。さらに、ユーザ選択は、局所的状態評価デバイス70において、ステップ210で受け取られ、第1のユニット72の通常動作を表す基準パラメトリック曲線を局所的状態評価デバイス70に接続されているセンサ(すなわち、第1のセンサ82、第2のセンサ84、第3のセンサ86、第4のセンサ88および/または第5のセンサ90)の全て、または任意の組み合わせにより収集された動作データに基づかせることができる。さらに、ユーザからの選択は、中央状態評価デバイス170において、ステップ210で受け取られ、第1のユニット72の通常動作を表す基準パラメトリック曲線を中央状態評価デバイス170に接続された施設内に含まれる複数のセンサの任意の組み合わせ(すなわち、施設40、42、44、46、48、50、52、54および/または56内に含まれるセンサの任意の組み合わせ)により収集された動作データに基づかせることをデバイス170に指示することができる。
【0022】
本例示的実施形態では、方法202はまた、少なくとも1つの選択されたデータソースからのデータを受け取るステップ212を含む。局所的状態評価デバイス70の少なくとも1つおよび中央状態評価デバイス170は、ユーザにより選択されたセンサからのデータをステップ212で受け取る。例えば、データは、第1のセンサ82から、複数の実質的に同様のユニット(すなわち、第1の種別のユニットの他のユニット)に関連したセンサから、第1の区画、例えば第1の区画100(
図1に示される)に配置されたすべてのセンサから、あるいはそれらの任意の組み合わせからステップ212で受け取られる。
【0023】
本例示的実施形態では、方法202はまた、受け取られたデータから少なくとも1つのデータパラメータに関連したデータをサンプリングするステップ220と、少なくとも1つのサンプリングされたデータパラメータに関連したデータに曲線をフィッティングさせることにより基準パラメトリック曲線を決定するステップ222とを含む。ガスタービンに関して、データパラメータは、室温、排気ガス温度、オイル温度、高圧タービン隔壁温度などの構成要素温度、燃料流、コア速度、圧縮機排気圧力、タービン排気圧力、発電機出力電力、電圧、電流、周波数、効率、排気温度、発火温度、振動、吸気温度、周囲大気圧力、ホイールスペース温度、ベアリング温度およびベアリング金属温度を含むことができるが、これらに限定されない。例えば、局所的状態評価デバイス70の少なくとも1つおよび中央状態評価デバイス170は、記憶された1組の基本関数および少なくとも1つの選択されたデータソースから受け取られたデータから基準パラメトリック曲線を計算する。
【0024】
本例示的実施形態では、方法202はまた、新しい基準パラメトリック曲線を生成するか否かを決定するステップ224を含む。局所的状態評価デバイス70および/または中央状態評価デバイス170は、変更が第1のユニットに対して加えられていることを示す、受け取られたデータ内のデータ取得論理フラグを識別することができる。例えば、新しい基準パラメトリック曲線を生成することは、第1のユニット72の保守活動を遂行した後に有益となり得る。論理フラグは、保守活動を遂行した後にユーザにより生成され、かつ局所的状態評価デバイス70および/または中央状態評価デバイス170に配送され得る。
【0025】
局所的状態評価デバイス70および/または中央状態評価デバイス170はまた、変更が第1のユニット72に対して加えられている、例えば、保守活動が第1のユニット72上で遂行されている、あるいは第1のユニット72の構成要素が修理されまたは置換えられていると判定することができる。例えば、検出アルゴリズムは、複数のデータパラメータの1つにおいて所定の状態を超過している変更を識別すること、複数のデータパラメータの2つ以上の変更を識別すること、および複数のデータパラメータに規則を適用することにより変更が第1のユニット72に対して加えられていると判定するように構成され得る。
【0026】
さらに、パラメータの期待値は、測定値と比較されて新しい基準パラメトリック曲線を生成すべきか否かをステップ224で決定することができる。第1のユニット72のパラメータの期待値と測定値間の差異が当該パラメータに対する所定の異常限界を超過している場合、第1のユニット72の他のパラメータが異常をサポートしているか否かに関して判定がなされる。他のパラメータが異常をサポートしている(例えば、他のパラメータもまた期待されたパラメータ値から変動する)場合、新しい基準パラメトリック曲線が生成されるべきであるとの判定224がなされる。他のパラメータが異常をサポートしていない場合には、監視されている装置が基準パラメトリック曲線に従って動作していない指標となる。
【0027】
さらに、複数のユニット上で監視されているパラメータの期待値と測定値間の差異が当該パラメータに対する所定の異常限界を超過し、かつ異常限界の原因が知られていない場合、新しい基準パラメトリック曲線が生成されるべきであるという判定224がなされる。例えば、複数のユニット内で検出された異常の既知の原因は、各ユニットで共有される室温を含むことができるが、これに限定されない。他のセンサ値から説明され得ない複数のユニットにおいて異常を検出するこということは、複数のユニットが同時に動作異常を生じている兆候であるよりもむしろ基準パラメトリック曲線がユニットの適切な動作を正確に表現していない兆候である。別の実施形態では、複数のユニット上で監視されたパラメータの期待値と測定値間の差異が当該パラメータに対する所定の異常限界を超過し、かつ異常限界の原因が知られている場合、依然、新しい基準パラメトリック曲線が生成されるべきであるという判定224がなされる可能性がある。例えば、高い室温が複数のユニットに生じてパラメータの期待値から逸脱している場合、状態評価システム10は、より高い室温を説明する新しい基準パラメトリック曲線の計算の恩恵を受けられ得る。
【0028】
さらに、あるルールまたは複数のルールが、例えば、局所的状態評価デバイス70および/または中央状態評価デバイス170により定義され、かつ適用されて、新しい基準パラメトリック曲線が生成されるべきか否かをステップ224で決定することができる。例えば、ルールは、新しい基準パラメトリック曲線が生成されるべき場合に大まかに定義する「ファジー論理」ルールを含むことができる。例えば、期待値と測定値間で検出された異常の組み合わせおよびそのような異常を引き起こすユニット数の相対分布は、新しい基準パラメトリック曲線の計算を始動することができる。
【0029】
本例示的実施形態では、方法202はまた、第1のユニット72および/または複数の実質的に同様のユニットの動作および処理能力を監視することに使用するための基準パラメトリック曲線を記憶するステップ226を含むことができる。上記のように、フリートルールパッケージは、ユニットのフリートに対して生成される一般的な基準パラメトリック曲線を含む。測定されたデータパラメータに関連したデータは、第1のユニット72の適切な動作をより良く表すための一般的な基準パラメトリック曲線の少なくとも1つを調整するために使用される。新しい基準パラメトリック曲線は、メモリユニット、例えば、局所的状態評価デバイス70および/または中央状態評価デバイス170に置かれ得る、メモリデバイス94および/または174(
図1に示される)内にステップ226で記憶される。
【0030】
図3は、局所的状態評価デバイス70、120または150内に、および/または中央状態評価デバイス170(
図1に示される)内に具備され得る処理デバイス250の例示的実施形態のブロック図である。より具体的には、
図3は、処理デバイス92、処理デバイス172、メモリデバイス94および/またはメモリ174(
図1に示される)の例示的実施形態の拡大されたブロック図である。処理デバイス250は、方法202(
図2に示される)に従った動作を遂行するように構成されている。処理デバイス250はまた、システム制御装置および/または状態評価プラットホーム、例えば、中央状態評価プラットホーム(CCAP)と呼ばれ得る。ある実施形態では、処理デバイス250は、バス260または情報を伝達するための他の通信デバイスを具備する。1つまたは複数のプロセッサ262は、例えば、これらに限定されないが、複数のセンサ14(
図1に示される)および/または入出力デバイス96(
図1に示される)から受け取られたデータを含む、情報を処理するためにバス260に接続されている。本明細書では、プロセッサという用語は、プロセッサ、マイクロコントローラ、マイクロコンピュータ、プログラマブルロジックコントローラ(PLC)、特定用途向け集積回路および他のプログラム可能な回路を幅広く指している。さらに、プロセッサ262は、コンピュータ内に含まれ得る。開示の態様では、本明細書に記載の命令を実行するように構成されているとき、汎用コンピュータを専用コンピュータデバイスに変える。
【0031】
処理デバイス250はまた、1つまたは複数のランダムアクセスメモリ(RAM)264および/または他の記憶デバイス266を具備する。RAM264および記憶デバイス266は、バス260に接続されてプロセッサ262により実行される情報および命令を記憶しかつ転送する。RAM264(および/または記憶デバイス266、もし具備されている場合)はまた、プロセッサ262による命令の実行中一時的変数または他の中間的情報を記憶するために使用することができる。処理デバイス250はまた、プロセッサ262への静的(すなわち、変更されない)情報および命令を記憶し供給するバス260に接続された1つまたは複数の読出し専用メモリ(ROM)268および/または他の静的記憶デバイスを具備することができる。例えば、静的情報は、一般的な基準パラメトリック曲線および/または以前に記憶された基準パラメトリック曲線を含むことができるが、これらに限定されない。実行される命令は、限定しないが、常駐の変換および/または比較器アルゴリズムを含む。命令シーケンスの実行は、なんらかのハードウェア回路およびソフトウェア命令の特定の組み合わせに限定されない。
【0032】
処理デバイス250はまた、入出力デバイス270を具備することができる、あるいはこれに接続され得る。入出力デバイス270は、入力データを処理デバイス250に提供する、かつ/または基準パラメトリック曲線および/または警告信号など、しかしこれらに限定されない、出力を供給するために当技術分野で既知の任意のデバイスを具備することができる、あるいは接続され得る。命令は、例えば、磁気ディスク、読出し専用メモリ(ROM)集積回路、CD−ROMおよび/またはDVDを含む、記憶デバイス266から、1つまたは複数の電子的にアクセス可能な媒体へのアクセスを提供する有線または無線いずれかの遠隔接続を通じて、RAM264に供給され得る。ある実施形態では、ハードワイヤード回路は、ソフトウェア命令の代わりに、または組み合わせて使用することができる。従って、命令シーケンスの実行は、本明細書中に記載されかつ/または示されているか否かによらず、ハードウェア回路およびソフトウェア命令の任意の特定の組み合わせに限定されない。また、本例示的実施形態では、入出力デバイス270は、マウスおよびキーボード(いずれも
図3に示されない)などの操作者インターフェース(例えば、マンマシンインターフェース(HMI))に関連したコンピュータ周辺装置、および/または入出力デバイス96(
図1に示される)を、制限なく、具備し得る。さらに、本例示的実施形態では、付加的出力チャネルは、例えば、操作者インターフェースモニタおよび/または警告デバイス(いずれも
図3に示されない)を具備することができる。処理デバイス250はまた、処理デバイス250がセンサ、例えば、複数のセンサ14(
図1に示される)と通信することを可能とするセンサインターフェース272を具備することができる。センサインターフェース272は、プロセッサ262により使用することができるアナログ信号をデジタル信号に変換する1つまたは複数のアナログデジタル変換器を具備することができる。
【0033】
処理デバイス250は、パーソナルまたはワークステーションコンピュータ内に具備され得る。センサ、例えば、複数のセンサ14(
図1に示される)により生成されたデータ信号は、任意の適切な方法で、例えば、限定はされないが、フロッピー(商標)ディスク、CD−ROMまたは他の光媒体、磁気テープなどの、取外し式のコンピュータ可読媒体、あるいは無線通信リンクの使用により、処理デバイス250に転送され得る。リアルタイム処理のためにデータ信号を直接に処理デバイス250に遠隔から転送することもまた可能である。どのような実装でも、監視アルゴリズムは、状態評価デバイス上に記憶され、かつそこからアクセスされ得て、あるいは、ユニットの適当なドライブに挿入された取外し式のコンピュータ可読媒体からアクセスされ得る。監視アルゴリズムはまた、インターネットまたは別のコンピュータネットワークを通じてアクセスされ得る。本明細書では、用語「コンピュータ可読媒体」は、一般に、記憶されたデータがコンピュータまたは類似のデバイスにより読むことができる任意の媒体を指す。これは、前述のフロッピー(商標)ディスクおよびCD−ROMなどの取外し式媒体だけではなく、局所的状態評価デバイスまたは中央状態評価デバイス中のハードディスクまたは集積回路メモリデバイスなどの非取外し式媒体をも含む。
【0034】
本明細書に記載されているものは、実質的に同様のユニットのフリート内に含まれる複数のユニットの少なくとも1つの動作および処理能力を監視するために使用される例示的方法およびシステムである。より具体的には、本明細書に記載された方法およびシステムは、一般的なフリートルールパッケージがフリート内の個別のユニットの動作および処理能力を個別のユニットの動作環境および/または状態に基づいてより正確に表すように修正されることを可能とする。本明細書に記載された方法およびシステムは、人手による更新を必要とする事無く、かつ/および個別のユニットそれぞれに対する基準パラメトリック曲線を維持することなく、個別化された基準パラメトリック曲線の生成および使用を可能とする。基準および関連した警告設定ポイントを自動的に維持することは、保守技術者や知識工学技術者が手動により施設内のユニットの基準曲線を維持することから解放することによる商業的な利点をもたらす。
【0035】
本明細書に記載された方法およびシステムは、フリート装置に関連した基準パラメトリック曲線の効率的かつ経済的保守を容易にする。方法およびシステムの例示的実施形態は、詳細に本明細書中に記載されかつ/または例示されている。本方法およびシステムは、本明細書に記載された特定の実施形態に限定されるものではなく、各システムの構成要素、並びに各方法のステップは、本明細書に記載された他の構成要素およびステップと独立してかつ単独に利用され得る。各構成要素および各方法のステップはまた、他の構成要素および/または方法のステップと組み合わせて使用することができる。
【0036】
本明細書に記載されかつ/または例示された方法および装置の要素/構成要素/他を紹介するにあたって、冠詞「a」、「an」、「the」および「said」は、1つまたは複数の要素/構成要素/他があることを意味することを意図している。用語「comprising(備える、含む)」、「including(含む)」、「having(有する)」は、包括的であり、記載された要素/構成要素/他以外にさらなる要素/構成要素/他があり得ることを意味するものとする。
【0037】
本書は、最良の態様を含む本発明を開示し、かつまた、任意のデバイスまたはシステムを作成し、使用することおよび任意の組み込まれた方法を実行することを含めて、当業者がだれでも本発明を実践できるように例を使用している。本発明の特許性のある範囲は、特許請求の範囲により定義され、かつ当業者が思いつく他の例を含み得る。このような他の例は、それらが特許請求の範囲の文字言語から逸脱しない構造要素を有する場合、あるいは、それらが特許請求の範囲の文字言語とわずかな相違を有するにすぎない等価な構造要素を含んでいる場合、特許請求の範囲の範囲内にあるものとする。