(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6050679
(24)【登録日】2016年12月2日
(45)【発行日】2016年12月21日
(54)【発明の名称】油中油型口唇化粧料
(51)【国際特許分類】
A61K 8/04 20060101AFI20161212BHJP
A61K 8/37 20060101ALI20161212BHJP
A61K 8/73 20060101ALI20161212BHJP
A61K 8/891 20060101ALI20161212BHJP
A61K 8/31 20060101ALI20161212BHJP
A61Q 1/04 20060101ALI20161212BHJP
【FI】
A61K8/04
A61K8/37
A61K8/73
A61K8/891
A61K8/31
A61Q1/04
【請求項の数】6
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2012-287029(P2012-287029)
(22)【出願日】2012年12月28日
(65)【公開番号】特開2014-129265(P2014-129265A)
(43)【公開日】2014年7月10日
【審査請求日】2015年9月29日
(73)【特許権者】
【識別番号】000000918
【氏名又は名称】花王株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000084
【氏名又は名称】特許業務法人アルガ特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100077562
【弁理士】
【氏名又は名称】高野 登志雄
(74)【代理人】
【識別番号】100096736
【弁理士】
【氏名又は名称】中嶋 俊夫
(74)【代理人】
【識別番号】100117156
【弁理士】
【氏名又は名称】村田 正樹
(74)【代理人】
【識別番号】100111028
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 博人
(72)【発明者】
【氏名】岸本 秀幸
【審査官】
中村 俊之
(56)【参考文献】
【文献】
国際公開第2009/150852(WO,A1)
【文献】
特開2011−111443(JP,A)
【文献】
特開2012−250927(JP,A)
【文献】
特開2011−121908(JP,A)
【文献】
特開2011−140481(JP,A)
【文献】
特開2001−072530(JP,A)
【文献】
特開2005−350439(JP,A)
【文献】
特開2005−022987(JP,A)
【文献】
特開2011−231042(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 8/00− 8/99
A61Q 1/00−90/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
次の成分(A)〜(D)を含有する油中油型口唇化粧料。
(A) フェニル変性シリコーン 20〜45質量%
(B) 30℃における粘度が5000mPa・s以上であり、かつ120℃において成分(A)と相溶しない高粘度非揮発性エステル油 30〜60質量%
(C) デキストリン脂肪酸エステル
(D) 揮発性炭化水素
【請求項2】
成分(B)が、(イソステアリン酸ポリグリセリル-2/ダイマージリノール酸)コポリマー及びダイマージリノール酸ダイマージリノレイルから選ばれるものである請求項1記載の油中油型口唇化粧料。
【請求項3】
成分(C)の含有量が、1〜10質量%である請求項1又は2記載の油中油型口唇化粧料。
【請求項4】
成分(D)の含有量が、1〜10質量%である請求項1〜3のいずれかに記載の油中油型口唇化粧料。
【請求項5】
成分(A)の含有量が、25〜40質量%である請求項1〜4のいずれかに記載の油中油型口唇化粧料。
【請求項6】
成分(B)に無水ケイ酸が分散されているものである請求項1〜5のいずれかに記載の油中油型口唇化粧料。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、油中油型口唇化粧料に関する。
【背景技術】
【0002】
口唇化粧料の化粧効果の持続性を高めるために種々の検討が行われている。その中で、揮発性シリコーン、揮発性炭化水素油等の揮発性油分とシリコーン系樹脂等の樹脂を配合し、揮発性油分の揮発後に形成される樹脂皮膜によって化粧効果を持続させる方法が幅広く採用されている。しかしこの方法では、揮発性油分の揮発による唇の乾燥感や化粧塗膜の光沢の消失、樹脂皮膜による唇の違和感等を避けることが困難であり、結果として口唇化粧料として総合的に満足できる品質を得ることはできていない。
【0003】
特許文献1には、フッ素ポリエーテル共変性シリコーンを利用することによって、上記のような揮発タイプの色持続口紅の欠点を避けつつ化粧効果の持続性を向上させる油性化粧料が提案されている。しかしながら、フッ素ポリエーテル共変性シリコーンの利用によって化粧効果の持続性は高められたものの、カップなどへの耐色移り性に関しては十分満足できるレベルには達していない。
【0004】
また、従来、艶感や化粧持ちを向上させるために、重質流動イソパラフィンやポリイソブチレンなどの高粘性油剤を多量に配合するという方法が広く用いられているが、使用時の伸びが重くなる、仕上がりのべたつき感が強くなるなどの欠点を有しており、総合的に満足できるレベルには達していなかった。
【0005】
これに対し、多量のフェニル変性シリコーンと共に特定構造の液状多分岐型エステル化合物と油性ゲル剤とを組み合わせて配合した、べたつき感がなく、耐色移り性、化粧効果の持続性に優れるとともに、経時安定性も良好な口唇化粧料が提案されている(特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平7-233026号公報
【特許文献2】特開2012-149041号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献2の技術では、べたつき感はないが、カップなどへの耐色移り性に関してはまだ十分満足できるレベルには達していなかった。
【0008】
従って本発明は、べたつきがなく、化粧効果の持続性に優れ、安定性も良好であり、しかも耐色移り性が格段に優れる油中油型口唇化粧料に関する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者は鋭意研究の結果、特定量のフェニル変性シリコーンと共に、高温時でも当該フェニル変性シリコーンと相溶性を示さない高粘度非揮発性エステル油と、デキストリン脂肪酸エステルと、さらに揮発性炭化水素とを組み合わせて配合することにより、上記要求を満たす油中油型口唇化粧料が得られることを見出した。
【0010】
すなわち本発明は、次の成分(A)〜(D)を含有する油中油型口唇化粧料を提供するものである。
(A) フェニル変性シリコーン 20〜45質量%
(B) 30℃における粘度が5000mPa・s以上であり、かつ120℃において成分(A)と相溶しない高粘度非揮発性エステル油
(C) デキストリン脂肪酸エステル
(D) 揮発性炭化水素
【発明の効果】
【0011】
本発明の油中油型口唇化粧料は、べたつきがなく、耐色移り性及び化粧効果の持続性に優れ、かつ安定性も良好である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
〔成分(A):フェニル変性シリコーン〕
成分(A)のフェニル変性シリコーンとしては、ジメチルシロキサン骨格を有し、少なくともメチル基の一部がフェニル基に置換したシリコーンであればよく、例えば、ジフェニルジメチコン、フェニルプロピルジメチルシロキシケイ酸、ビスフェニルプロピルジメチコン、フェニルトリメチコン、トリメチルペンタフェニルトリシロキサン、ジフェニルシロキシフェニルトリメチコン、トリメチルシロキシフェニルジメチコンなどが挙げられる。市販品としては、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製の「TSF431」、「TSF433」、「TSF437」、「SilShine 151」、「SF1555」、東レ・ダウコーニング社製の「SH556 Fluid」、「PH-1555」、信越化学工業社製の「KF-50-100CS」、「KF-50-1,000CS」、「KF-53」、「KF-54」、「KF-56A」、旭化成ワッカー社製の「PDM20」、「PDM350VP」、「PDM1000」等が挙げられるが、中でも、べたつき感を抑えるという観点より、25℃における粘度が1000mPa・s以下のものが好適に用いられる。
【0013】
成分(A)のフェニル変性シリコーンは、単独で又は二種以上を組み合わせて用いることができ、油中油型口唇化粧料中の含有量は、耐色移り性の観点より、20質量%以上、好ましくは25質量%以上であり、また、化粧効果の持続性、油中油型口唇化粧料の安定性の観点より、45質量%以下、好ましくは40質量%以下である。また、油中油型口唇化粧料中における成分(A)の含有量は、20〜45質量%、好ましくは25〜40質量%である。
【0014】
〔成分(B):120℃において成分(A)と相溶しない高粘度非揮発性エステル油〕
成分(B)の高粘度非揮発性エステル油は、塗布膜のべたつきを抑制し、耐色移り性を良好なものとする観点より、120℃で成分(A)と混合したときに相溶しないものが使用される。また、唇への付着性及び化粧効果の持続性の観点より、30℃における粘度が5000mPa・s以上、好ましくは10000mPa・s以上のものが使用される。このような高粘度非揮発性エステル油としては、(イソステアリン酸ポリグリセリル-2/ダイマージリノール酸)コポリマー、ダイマージリノール酸ダイマージリノレイル、ダイマージリノール酸(フィトステリル/イソステアリル/セチル/ステアリル/ベヘニル)等のダイマージリノール酸エステル、ラウロイルグルタミン酸ジ(オクチルドデシル/フィトステリル/ベヘニル)、(ビス(ラウロイルグルタミン酸/ラウロイルサルコシン)ダイマージリノレイル)等のラウロイルグルタミン酸エステル等が挙げられ、好ましくは(イソステアリン酸ポリグリセリル-2/ダイマージリノール酸)コポリマー、ダイマージリノール酸ダイマージリノレイルが挙げられる。市販品としては、高級アルコール社製の「ハイルーセントISDA」、日本精化社製の「LUSPLAN DD-DA7」、「PLANDOOL-H」、味の素ヘルシーサプライ社製の「エルデュウPS-306」、「エルデュウDA-209」等が挙げられる。尚、本発明において粘度は、B型粘度計、例えば、単一円筒型回転粘度計ビストロンVS-A1(芝浦システム社製)で測定した値である。
【0015】
成分(B)の高粘度非揮発性エステル油は、単独で又は二種以上を組み合わせて用いることができ、油中油型口唇化粧料中の含有量は、唇への付着性及び化粧効果の持続性の観点より、好ましくは20質量%以上、更に好ましくは30質量%以上であり、また、のび、べたつき感、及び耐色移り性の観点より、好ましくは60質量%以下、更に好ましくは50質量%以下である。また、油中油型口唇化粧料中における成分(B)の含有量は、好ましくは20〜60質量%、更に好ましくは30〜50質量%である。
【0016】
〔成分(C):デキストリン脂肪酸エステル〕
成分(C)のデキストリン脂肪酸エステルは、デキストリンと高級脂肪酸のエステルであり、高級脂肪酸の炭素数が12〜22であるものが好適に用いられる。なお、高級脂肪酸として、炭素数12〜22の脂肪酸を含んでいれば、炭素数6〜10の脂肪酸を一部に含んでいてもよい。このようなデキストリン脂肪酸エステルとしては、例えばパルミチン酸デキストリン、ミリスチン酸デキストリン、(パルミチン酸/エチルヘキサン酸)デキストリン等が挙げられ、市販品としては、千葉製粉社製の「レオパールKL2」、「レオパールTT2」、「レオパールMKL2」等が挙げられる。
【0017】
成分(C)のデキストリン脂肪酸エステルは、単独で又は二種以上を組み合わせて用いることができ、油中油型口唇化粧料中の含有量は、安定性の観点より、好ましくは1質量%以上、更に好ましくは3質量%以上、また、べたつき感の観点より、好ましくは10質量%以下、更に好ましくは6質量%以下である。また、油中油型口唇化粧料中における成分(C)の含有量は、好ましくは1〜10質量%が好ましく、更に好ましくは3〜6質量%である。
【0018】
〔成分(D):揮発性炭化水素〕
成分(D)の揮発性炭化水素としては、常圧における沸点が60〜260℃の範囲にあり、化粧品に一般的に用いられているものであれば、直鎖状でも分岐鎖状でもよく、特に限定されず使用できる。例えば、軽質イソパラフィン、軽質流動イソパラフィン、イソヘキサデカン、イソドデカン等を挙げることができ、市販品としては、IPソルベント1620、IPソルベント2028(出光石油化学社製)、マルカゾールR(丸善石油化学社製)、パールリーム3(日油社製)等が挙げられる。
【0019】
成分(D)の揮発性炭化水素は、単独で又は二種以上を組み合わせて用いることができ、油中油型口唇化粧料中の含有量は、安定性及び耐色移り性の観点より、好ましくは1質量%以上、更に好ましくは4質量%以上であり、また、乾燥感などの不具合を生じさせないために、好ましくは10質量%以下、更に好ましくは8質量%以下である。また、油中油型口唇化粧料中における成分(D)の含有量は、好ましくは1〜10質量%、更に好ましくは4〜8質量%である。
【0020】
〔その他の成分〕
本発明の油中油型口唇化粧料には、本発明の目的を損なわない範囲で、前記の必須成分以外にパラフィンワックス、セレシンワックス、マイクロクリスタリンワックス、カルナウバワックス、キャンデリラワックス、ミツロウ、モクロウ、ゲイロウ、ポリエチレンワックス、エチレンプロピレンコポリマー、硬化ヒマシ油、ロジン酸ペンタエリトリット、ステアリン酸、ベヘニン酸、セチルアルコール、ステアリルアルコール等の固形油分;ワセリ
ン;水添ポリイソブテン、スクワラン、トリ(カプリル・カプリン)酸グリセリル、オクチルドデカノール、ラウロイルグルタミン酸ジ(フィトステリル/オクチルドデシル)、ポリヒドロキシステアリン酸オクチル、ジメチルポリシロキサン等の液状油性成分;酸化チタン、酸化鉄等の無機着色顔料;赤色202号、赤色223号、黄色4号等の有機色素及びそのレーキ化物;雲母チタン、ベンガラ被覆雲母チタン、酸化チタン被覆ガラスフレーク等の光輝性着色顔料;無水ケイ酸、マイカ、ナイロンパウダー、架橋型シリコーン末等の粉体成分;防腐剤、香料、植物抽出物、抗酸化剤等を配合することができる。
【0021】
中でも、無水ケイ酸を成分(B)の高粘度非揮発性エステル油に分散させると、化粧料の容器内で成分(A)のフェニル変性シリコーンと成分(B)の高粘度非揮発性エステル油とが分離することなく安定な油中油型の状態を保つことができ、好ましい。この場合、油中油型口唇化粧料中における無水ケイ酸の含有量は、安定性の観点より、好ましくは0.5質量%以上、更に好ましくは1質量%以上であり、また、きしみ感などの不具合を生じさせないために、好ましくは3質量%以下、更に好ましくは2.5質量%以下である。また、油中油型口唇化粧料中における無水ケイ酸の含有量は、好ましくは0.5〜3質量%、更に好ましくは1〜2.5質量%である。
【0022】
〔製造方法、種類〕
本発明の油中油型口唇化粧料は、以上の成分を用いて溶解、粉体分散、混合等通常の製法に従って半製品を製造した後、容器に充填することにより得ることができる。具体的な例としては口紅、リップグロス、リップクリーム等が挙げられる。
【0023】
以上述べた実施形態に関し、以下に本発明の好ましい態様を更に開示する。
【0024】
<1> 次の成分(A)〜(D)を含有する油中油型口唇化粧料。
(A)フェニル変性シリコーン 20〜45質量%
(B)30℃における粘度が5000mPa・s以上であり、かつ120℃において成分(A)と相溶しない高粘度非揮発性エステル油
(C)デキストリン脂肪酸エステル
(D)揮発性炭化水素
【0025】
<2> 成分(B)の含有量が、好ましくは20質量%以上、更に好ましくは30質量%以上であり、また、好ましくは60質量%以下、更に好ましくは50質量%以下である<1>に記載の油中油型口唇化粧料。
【0026】
<3> 成分(C)の含有量が、好ましくは1質量%以上、更に好ましくは3質量%以上、また、好ましくは10質量%以下、更に好ましくは6質量%以下である<1>又は<2>に記載の油中油型口唇化粧料。
【0027】
<4> 成分(D)の含有量が、好ましくは1質量%以上、更に好ましくは4質量%以上であり、また、好ましくは10質量%以下、更に好ましくは8質量%以下である<1>〜<3>のいずれかに記載の油中油型口唇化粧料。
【0028】
<5> 成分(A)の含有量が、好ましくは25質量%以上であり、また、好ましくは40質量%以下である<1>〜<4>のいずれかに記載の油中油型口唇化粧料。
【0029】
<6> 好ましくは、成分(B)に無水ケイ酸が分散されているものである<1>〜<5>のいずれかに記載の油中油型口唇化粧料。
【0030】
<7> 油中油型口唇化粧料中における無水ケイ酸の含有量が、好ましくは0.5質量%以上、更に好ましくは1質量%以上であり、また、好ましくは3質量%以下、更に好ましくは2.5質量%以下である<6>に記載の油中油型口唇化粧料。
【0031】
<8> 成分(A)の25℃における粘度が、好ましくは1000mPa・s以下である<1>〜<7>のいずれかに記載の油中油型口唇化粧料。
【0032】
<9> 成分(B)の30℃における粘度が、好ましくは10000mPa・s以上である<1>〜<8>のいずれかに記載の油中油型口唇化粧料。
【0033】
<10> 成分(B)が、(イソステアリン酸ポリグリセリル-2/ダイマージリノール酸)コポリマー、ダイマージリノール酸ダイマージリノレイル、ダイマージリノール酸(フィトステリル/イソステアリル/セチル/ステアリル/ベヘニル)等のダイマージリノール酸エステル、ラウロイルグルタミン酸ジ(オクチルドデシル/フィトステリル/ベヘニル)、(ビス(ラウロイルグルタミン酸/ラウロイルサルコシン)ダイマージリノレイル)等のラウロイルグルタミン酸エステルから選ばれる1種又は2種以上である<1>〜<9>のいずれかに記載の油中油型口唇化粧料。
【0034】
<11> 成分(C)が、パルミチン酸デキストリン、ミリスチン酸デキストリン、及び(パルミチン酸/エチルヘキサン酸)デキストリンから選ばれる1種又は2種以上である<1>〜<10>のいずれかに記載の油中油型口唇化粧料。
【0035】
<12> 成分(D)が、軽質イソパラフィン、軽質流動イソパラフィン、イソヘキサデカン、及びイソドデカンから選ばれる1種又は2種以上である<1>〜<11>のいずれかに記載の油中油型口唇化粧料。
【実施例】
【0036】
実施例1〜2、比較例1〜6(リップグロス)
表1に示す処方及び下記製造方法に従ってリップグロスを製造し、下記評価方法に従ってその評価を行った。
【0037】
(製造方法)
成分1〜8を均一に溶解混合し、成分11〜13を加え、混練後再溶解する。これに成分14〜15を加え均一に分散混合し、成分9〜10を加え均一に分散し、脱気して塗布体付き容器に充填し、リップグロスを得た。
【0038】
(経時安定性の評価方法)
各リップグロスを40℃の恒温槽に静置し、6ヶ月経過後の状態を観察した。異変がなかった場合を「○」、油の分離、発汗が観測された場合を「×」とした。この結果を表1に示す。
【0039】
(使用特性の評価方法)
女性パネラー20名の唇に、各リップグロスを塗布してもらい、以下の項目について最高5点から最低1点までの5段階評価をしてもらった。20名のつけた点数の平均値を表1に示す。
・べたつきの無さ
・耐色移り性(カップへの色移りの無さ)
・3時間経過後の化粧効果持続性
【0040】
【表1】
【0041】
表1に示すように、実施例1〜2のリップグロスは、べたつきの無さ、耐色移り性、化粧効果の持続性、及び安定性において比較例1〜6のリップグロスより明らかに優れたものであった。
【0042】
実施例3(リキッドルージュ)
以下に示す処方のリキッドルージュを製造し、前記評価項目について評価したところ、いずれの項目においても良好なものであった。
【0043】
【表2】
【0044】
(製造方法)
成分1〜6を均一に溶解混合し、成分8〜10を加え、混練後再溶解する。これに成分11〜12を加え均一に分散混合し、成分7を加え均一に分散し、脱気して塗布体付き容器に充填し、リキッドルージュを得た。
【0045】
実施例4(リップグロス)
以下に示す処方のリップグロスを製造し、前記評価項目について評価したところ、いずれの項目においても良好なものであった。
【0046】
【表3】
【0047】
(製造方法)
成分1〜6を均一に溶解混合し、成分8〜10を加え、混練後再溶解する。これに成分11〜12を加え均一に分散混合し、成分7を加え均一に分散し、脱気して塗布体付き容器に充填し、リップグロスを得た。