(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記フッ素含有粒子が、ポリテトラフルオロエチレン、ペルフルオロアルコキシポリマー樹脂、テトラフルオロエチレンとヘキサフルオロプロピレンとのコポリマー、ヘキサフルオロプロピレンとフッ化ビニリデンとのコポリマー、テトラフルオロエチレンとフッ化ビニリデンとヘキサフルオロプロピレンのターポリマー、およびテトラフルオロエチレンとフッ化ビニリデンとヘキサフルオロプロピレンとキュアサイトモノマーとのテトラポリマーからなる群から選択されるポリマーを含む、請求項1に記載のプロセス。
フッ素含有粒子、エアロゲル粒子および正の摩擦帯電粒子を含む組成物であって、前記正の摩擦帯電粒子が、組成物の0.1重量%から約5重量%含まれる組成物を得ることと、
前記組成物を音響ミキサーの容器に入れ、前記組成物および前記容器からなる混合系の共振周波数であって、かつ約15ヘルツから約2000ヘルツの周波数で混合することと、
混合された前記組成物を基材の上に静電的にスプレーコーティングすることと、
コーティングされた前記組成物を硬化させ、前記基材の上に剥離層を作成することと、
を含む、プロセス。
前記フッ素含有粒子が、ポリテトラフルオロエチレン、ペルフルオロアルコキシポリマー樹脂、テトラフルオロエチレンとヘキサフルオロプロピレンとのコポリマー、ヘキサフルオロプロピレンとフッ化ビニリデンとのコポリマー、テトラフルオロエチレンとフッ化ビニリデンとヘキサフルオロプロピレンとのターポリマー、およびテトラフルオロエチレンとフッ化ビニリデンとヘキサフルオロプロピレンとキュアサイトモノマーとのテトラポリマーからなる群から選択されるポリマーを含む、請求項8に記載のプロセス。
ペルフルオロアルコキシポリマー樹脂粒子、エアロゲル粒子、および正に帯電したヒュームドアルミナ粒子を含む粒子の組成物であって、前記正に帯電したヒュームドアルミナ粒子が前記組成物の約0.5重量%から約1.5重量%の量存在する組成物を得ることと、
前記組成物を音響ミキサーの容器に入れ、前記組成物および前記容器からなる混合系の共振周波数であって、かつ約15ヘルツから約2000ヘルツの周波数で混合することと、
混合された前記組成物を基材の上に静電的にスプレーコーティングすることと、
コーティングされた前記組成物を硬化させ、前記基材の上に剥離層を作成することとを含む、プロセス。
【発明を実施するための形態】
【0009】
固定部材または定着器部材は、1つ以上の機能性層が形成された基材を備えていてもよい。この1つ以上の機能性層は、疎水性および/または撥油性、超疎水性および/または超撥油性、または高疎水性および/または高撥油性である表面濡れ性を有する表面コーティングまたは上部層を備えている。支持材料(例えば、紙シート)の上にある融合したトナー画像からのトナー剥離性が良好であり、この性質を維持し、さらに、紙をはがしやすくするために、このような固定部材を、高速高品質の電子写真印刷のための油を用いない定着部材として用いてもよい。
【0010】
種々の実施形態では、固定部材は、例えば、1つ以上の機能性層が形成された基材を備えていてもよい。基材は、例えば、
図1および
図2に示されるように、非導電性または導電性の適切な材料を用い、特定の構造に依存して、例えば、円柱(例えば、円筒管)、円柱状のドラム、ベルト、または膜のような種々の形状で作成されてもよい。
【0011】
特定的には、
図1は、本教示による円柱状基材110を備える固定部材または定着部材100の例示的な実施形態を示し、
図2は、本教示によるベルト基材210を備える、別の例示的な固定部材または定着部材200を示す。
図1に示されている固定部材または定着部材100および
図2に示されている固定部材または定着部材200は、一般化された概略を表わしており、他の層/基材を加えてもよく、存在する層/基材を除去するか、または代えてもよいことは、当業者には容易に明らかになるはずである。
【0012】
図1において、例示的な固定部材100は、1つ以上の機能性層120(中間層とも呼ばれる)と外側層130とが形成された円柱状基材110を備える定着器ローラーであってもよい。種々の実施形態では、円柱状基材110は、円筒管の形(例えば、内部に加熱ランプを備える中空構造を有するもの、または中身が詰まった円筒状のシャフト)をしていてもよい。
図2において、例示的な固定部材200は、1つ以上の機能性層(例えば、220)と外側表面230とが形成されたベルト基材210を備えていてもよい。ベルト基材210および円柱状基材110は、当業者には知られているように、剛性および構造保全性を維持するために、例えば、ポリマー材料(例えば、ポリイミド、ポリアラミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルイミド、ポリフタルアミド、ポリアミド−イミド、ポリケトン、ポリフェニレンスルフィド、フルオロポリイミドまたはフルオロポリウレタン)、金属材料(例えば、アルミニウムまたはステンレス鋼)から作られていてもよい。
【0013】
(基材層)
図1および
図2の基材層110、210は、例えば、開示されている定着器部材向けにベルト、平板および/または円柱形のドラムの形態であってもよい。定着部材の基材は、高い強度と、定着温度で分解しないという物理特性を与え得る限り、制限はない。具体的には、基材は、金属(例えば、アルミニウムまたはステンレス鋼)または耐熱性樹脂のプラスチックから作ることができる。耐熱性樹脂の例としては、ポリイミド、芳香族ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリフタルアミド、ポリエステル、サーモトロピック液晶ポリマーのような液晶材料などが挙げられる。基材の厚みは、定着ベルトを繰り返し回転させることが可能な剛性および柔軟性を両方とも達成することができるような範囲内にあり、例えば、約10μm〜約200μm、または約30μm〜約100μmである。
【0014】
(機能性層)
機能性層120および220の例としては、フルオロシリコーン、シリコーンゴム、例えば、室温加硫(RTV)シリコーンゴム、高温加硫(HTV)シリコーンゴム、低温加硫(LTV)シリコーンゴムが挙げられる。これらのゴムは既知であり、商業的に簡単に入手可能であり、例えば、SILASTIC(登録商標)735ブラックRTVおよびSILASTIC(登録商標)732 RTV(いずれもDow Corning製)、106 RTV Silicone Rubberおよび90 RTV Silicone Rubber(いずれもGeneral Electric製)、JCR6115CLEAR HTVおよびSE4705U HTVシリコーンゴム(Dow Corning Toray Silicones製)である。他の適切なシリコーン材料としては、シロキサン(例えば、ポリジメチルシロキサン)、フルオロシリコーン(例えば、Silicone Rubber 552(Sampson Coating(リッチモンド、バージニア)から入手可能))、液体シリコーンゴム、例えば、ビニル架橋した熱硬化性ゴム、またはシラノールを室温で架橋した材料などが挙げられる。別の特定の例は、Dow Corning Sylgard 182である。市販のLSRゴムとしては、Dow Corning製のDow Corning Q3−6395、Q3−6396、SILASTIC(登録商標)590 LSR、SILASTIC(登録商標)591 LSR、SILASTIC(登録商標)595 LSR、SILASTIC(登録商標)596 LSR、SILASTIC(登録商標)598 LSRが挙げられる。機能性層は、弾力性を付与し、必要な場合には、例えば、SiCまたはAl
2O
3のような無機粒子と混合してもよい。
【0015】
また、機能性層120および220の例としては、フルオロエラストマーも挙げられる。フルオロエラストマーは、(1)フッ化ビニリデン、ヘキサフルオロプロピレン、テトラフルオロエチレンのうち、2つのコポリマー、例えば、VITON A(登録商標)で商業的に知られているもの、(2)VITON B(登録商標)として商業的に知られているような、フッ化ビニリデン、ヘキサフルオロプロピレン、テトラフルオロエチレンのターポリマー、(3)フッ化ビニリデン、ヘキサフルオロプロピレン、テトラフルオロエチレン、キュアサイトモノマーのテトラポリマー、例えば、VITON GH(登録商標)またはVITON GF(登録商標)で商業的に知られているもののような種類に由来する。これらのフルオロエラストマーは、種々の名称で商業的に知られており、例えば、VITON E(登録商標)、VITON E 60C(登録商標)、VITON E430(登録商標)、VITON 910(登録商標)、VITON ETP(登録商標)とともに、上に列挙したものがある。VITON(登録商標)という名称は、E.I.DuPont de Nemours,Incの商標である。キュアサイトモノマーは、4−ブロモペルフルオロブテン−1、1,1−ジヒドロ−4−ブロモペルフルオロブテン−1、3−ブロモペルフルオロプロペン−1、1,1−ジヒドロ−3−ブロモペルフルオロプロペン−1、または任意の他の適切な既知のキュアサイトモノマー(例えば、DuPontから市販されているもの)であってもよい。他の市販されているフルオロポリマーとしては、FLUOREL 2170(登録商標)、FLUOREL 2174(登録商標)、FLUOREL 2176(登録商標)、FLUOREL 2177(登録商標)、FLUOREL LVS 76(登録商標)が挙げられ、FLUOREL(登録商標)は、3M Companyの登録商標である。さらなる市販材料としては、AFLAS(商標)というポリ(プロピレン−テトラフルオロエチレン)、FLUOREL II(登録商標)(LII900)というポリ(プロピレン−テトラフルオロエチレンビニリデンフルオリド)(これらも、3M Companyから入手可能)、FOR−60KIR(登録商標)、FOR−LHF(登録商標)、NM(登録商標)FOR−THF(登録商標)、FOR−TFS(登録商標)、TH(登録商標)、NH(登録商標)、P757(登録商標)TNS(登録商標)T439(登録商標)、PL958(登録商標)、BR9151(登録商標)、TN505(登録商標)として特定されるTecnoflon(Ausimontから入手可能)が挙げられる。
【0016】
フルオロエラストマーであるVITON GH(登録商標)およびVITON GF(登録商標)は、フッ化ビニリデンの量が比較的少ない。VITON GF(登録商標)およびVITON GH(登録商標)は、約35重量%のフッ化ビニリデンと、約34重量%のヘキサフルオロプロピレンと、約29重量%のテトラフルオロエチレンと、約2重量%のキュアサイトモノマーとを有している。
【0017】
ローラー構造の場合、機能性層の厚みは、約0.5mm〜約10mm、または約1mm〜約8mm、または約2mm〜約7mmであってもよい。ベルト構造の場合、機能性層は、約25μm〜約2mm、または約40μm〜約1.5mm、または約50μm〜約1mmであってもよい。
【0018】
(接着層)
場合により、任意の既知の接着層および入手可能な適切な接着層(プライマー層と呼ばれることもある)が、剥離層130、230、中間層120、220、基材110、210の間に配置されていてもよい。適切な接着剤の例としては、アミノシランのようなシラン類(例えば、Dow Corning製のHV Primer 10)、チタネート、ジルコネート、アルミネートなど、およびこれらの混合物が挙げられる。一実施形態では、接着剤は、約0.001%溶液〜約10%溶液の形態で基材にワイピングによってのせられてもよい。場合により、任意の既知の接着層および入手可能な適切な接着層が、剥離層または外側表面と機能性層と基材との間に配置されてもよい。接着層は、約2nm〜約10,000nm、または約2nm〜約1000nm、または約2nm〜約5000nmの厚みで基材または剥離層にコーティングされてもよい。接着剤を、スプレーコーティングまたはワイピングを含む既知の任意の適切な技術によってコーティングしてもよい。
【0019】
(剥離層)
トップコートマトリックス中でエアロゲル粒子を含むフルオロプラスチックコーティングを使用し、定着器部材において光沢度が低い画像を得た。米国特許出願第13/053,418号は、このような剥離層を記載する。しかし、粉末フルオロプラスチック/エアロゲル混合物の処理は、依然として困難である。粉末コーティングは、定着器コーティングにとって望ましい処理方法であるが、フルオロプラスチックおよびエアロゲル粉末は、粉末コーティングプロセス中に分離する傾向があり、不完全な硬化および非均質な剥離層を生じる。粉末コーティングが硬化したトップコートの結合を促進しつつ、均質な粉末混合物を発見することが望ましい。
【0020】
フルオロプラスチックおよびエアロゲル粉末は、2種類の類似しない粉末であり、コーティングされ、一緒に硬化され、光沢度の低い印刷物を調製するのに適した定着トップコートを作成しなければならない。
【0021】
剥離層130または230の例示的な実施形態としては、エアロゲル粒子を含むフルオロプラスチックが挙げられる。フルオロプラスチックの例としては、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ペルフルオロアルコキシポリマー樹脂(PFA)、テトラフルオロエチレン(TFE)とヘキサフルオロプロピレン(HFP)とのコポリマー、ヘキサフルオロプロピレン(HFP)とフッ化ビニリデン(VDFまたはVF2)とのコポリマー、テトラフルオロエチレン(TFE)、フッ化ビニリデン(VDF)、ヘキサフルオロプロピレン(HFP)のターポリマー、テトラフルオロエチレン(TFE)、フッ化ビニリデン(VF2)、ヘキサフルオロプロピレン(HFP)、キュアサイトモノマーのテトラポリマー、およびこれらの混合物が挙げられる。フルオロプラスチックは、化学薬品および熱に安定であり、表面エネルギーが低い。フルオロプラスチックは、融点が約255℃〜約400℃、または約280℃〜約380℃である。
【0022】
定着器部材200の場合、外側表面層または剥離層230の厚みは、約10ミクロン〜約100ミクロン、または約20ミクロン〜約80ミクロン、または約30ミクロン〜約50ミクロンであってもよい。
【0023】
添加剤およびさらなる導電性フィラーまたは非導電性フィラーが、中間層の基材層110および210、中間層120および220、剥離層130および230中に存在していてもよい。種々の実施形態では、他のフィラー材料または添加剤(例えば、無機粒子を含む)を、コーティング組成物に用いてもよく、その後に形成される表面層に用いてもよい。本明細書で用いられる導電性フィラーとしては、カーボンブラック、グラファイト、フラーレン、アセチレンブラック、フッ素化カーボンブラックなどのようなカーボンブラック、カーボンナノチューブ、金属酸化物およびドープされた金属酸化物、例えば、酸化スズ、二酸化アンチモン、アンチモンがドープされた酸化スズ、二酸化チタン、酸化インジウム、酸化亜鉛、酸化インジウム、インジウムがドープされた三酸化スズなど、およびこれらの混合物を挙げることができる。特定のポリマー、例えば、ポリアニリン、ポリチオフェン、ポリアセチレン、ポリ(p−フェニレンビニレン)、ポリ(p−フェニレンスルフィド)、ピロール、ポリインドール、ポリピレン、ポリカルバゾール、ポリアズレン、ポリアゼピン、ポリ(フッ素)、ポリナフタレン、有機スルホン酸塩、リン酸エステル、脂肪酸エステル、アンモニウム塩またはホスホニウム塩、およびこれらの混合物を、導電性フィラーとして用いてもよい。種々の実施形態では、当業者に知られている他の添加剤を入れ、開示されているコンポジット材料を作成することもできる。
【0024】
図3A〜4Bおよび
図4A〜4Bは、本発明の教示による定着プロセスのための例示的な定着構造を示す。
図3A〜3Bに示されている定着構造300A〜B、および
図4A〜4Bに示されている定着構造400A〜Bが、一般化された模式的な図を示しており、他の部材/層/基材/構造を追加してもよく、または、すでに存在している部材/層/基材/構造を取り除くか、または変えてもよいことが当業者には容易に明らかになるはずである。本明細書では電子写真式プリンターを記載しているが、開示されている装置および方法を他の印刷技術に応用してもよい。例としては、オフセット印刷およびインクジェット機および固体転写固定機が挙げられる。
【0025】
図3A〜3Bは、本教示による、
図1に示される定着器ローラーを用いた定着構造300A〜Bを示す。構造300A〜Bは、定着器ローラー100(すなわち、
図1の100)を備えていてもよく、この部材は、加圧機構335(例えば、
図3Aの加圧ローラーまたは
図3Bの加圧ベルト)とともに、画像支持材料315のための定着器用爪を形成する。種々の実施形態では、加圧機構335を、加熱ランプ337と組み合わせて用い、トナー粒子を画像支持材料315の上で融合させるプロセスのために圧力と熱を両方加えてもよい。それに加え、構造300A〜Bは、
図3Aおよび
図3Bに示されているように、1つ以上の外部熱ロール350を、例えば、クリーニングロール紙360とともに備えていてもよい。
【0026】
図4A〜4Bは、本教示による、
図2に示される定着器ベルトを用いた定着構造400A〜Bを示す。構造400A〜Bは、定着器ベルト200(すなわち、
図2の200)を備えていてもよく、このベルトは、加圧機構435(例えば、
図4Aの加圧ローラーまたは
図4Bの加圧ベルト)とともに、媒体基材415のための定着器用爪を形成する。種々の実施形態では、加圧機構435を、加熱ランプと組み合わせて用い、トナー粒子を媒体基材415の上で融合させるプロセスのために圧力と熱を両方加えてもよい。それに加え、構造400A〜Bは、定着器ベルト200を動かし、媒体基材415の上でトナー粒子を融合させ、画像を作成するような機械システム445を備えていてもよい。機械システム445は、1つ以上のローラー445a〜cを備えていてもよく、必要な場合には、これらを加熱ローラーとして用いてもよい。
【0027】
図5は、ベルト、シート、膜などの形態であってもよい、転写固定部材7の一実施形態の図を示す。転写固定部材7は、上述の定着器ベルト200と似た構成である。現像した画像12が中間転写体1の上にあり、ローラー4および8を介して転写固定部材7と接触し、転写固定部材7に転写される。ローラー4および/またはローラー8は、これらに関連して熱を帯びていてもよいし、帯びていなくてもよい。転写固定部材7は、矢印13の方向に進む。複写基材9がローラー10と11との間を進むにつれて、現像した画像が複写基材9に転写され、融合する。ローラー10および/または11は、これらに関連して熱を帯びていてもよいし、帯びていなくてもよい。
【0028】
本明細書には、フルオロプラスチック、エアロゲル粒子、場合により正の摩擦帯電粒子を有効に混合するための音響混合プロセスが開示されている。音響ミキサーは、低い周波数、高強度の音響エネルギーを使用し、これによって、サンプル容器全体にせん断場を適用する。音響混合プロセスは、エアロゲル粒子が破壊して、トップコートの硬化を悪化させ得る微粒子を生成しないほど十分に穏やかである。また、音響混合は、粉末混合物の有効な流れおよび類似していない粒子間の会合のために必要なことであるが、添加剤粒子を均一に分布させることによって、もっと均質なコーティングを得ることができる。最後に、音響混合に必要な混合時間は約2分間であり、代替的な技術と比べると、時間および資源を節約している。
【0029】
共鳴音響混合は、プラネタミキサーまたは超音波混合でみられるような従来のインペラによる撹拌とは区別される。低周波率、高強度の音響エネルギーを使用し、混合容器全体に均一なせん断場を作成する。その結果、迅速に流動化し(流動床のように)、材料が分散する。それに加え、共鳴音響混合は、高せん断キャビテーション混合とは区別される。
【0030】
共鳴音響混合は、音響エネルギーの周波数が数桁低いという点で、超音波による混合とは異なる。結果として、混合スケールは大きい。インペラによる撹拌とは異なり、塊の流れを誘発することによって混合し、音響混合は、混合体積全体にわたってマイクロスケールで起こる。
【0031】
音響混合では、音響エネルギーを混合対象の成分に運ぶ。振動するメカニカルドライバーは、設計されたプレート、偏心重り、バネで構成される機械システム中で動きを作り出す。次いで、このエネルギーを混合対象の材料に音響的に移動する。その下にある技術的な原理は、このシステムが共鳴で動くことである。この態様で、塊の要素と、機械システム中の要素との間でエネルギーがほぼ完全に交換される。
【0032】
共鳴による音響混合では、エネルギーを吸収する唯一の要素は(ある程度の無視できる摩擦損失を除けば)、混合荷重自体である。したがって、共鳴による音響混合によって、混合する材料に機械エネルギーを直接移動するきわめて効率的な様式が得られる。共振周波数は、約15ヘルツ〜約2000ヘルツ、または実施形態では、約20ヘルツ〜約1800ヘルツ、または約20ヘルツ〜約1700ヘルツである。共鳴による音響混合は、約5〜約100の加速度Gで行われる。
【0033】
音響ミキサーは、混合のためのエネルギー効率を最大にするため、周波数が低く、せん断が小さい共鳴エネルギー技術に依存している。共鳴による音響ミキサーは、分散物を100Gまでの力で激しく振り混ぜる。エネルギー使用を最大にするために、分散物を共振周波数で混合する。プロセスは、強度が大きく、小さなせん断振動を利用し、全領域の分散物を同時に混合しつつ、ゆるく凝集した粒子の自然な分離を誘発する。この技術は、高粘度系に有用である。共鳴による音響ミキサーは、Resodyn(商標) Acoustic Mixersから入手可能である。
【0034】
フルオロプラスチック粒子およびシリカエアロゲルを基材の融合トップコート層として用い、光沢度が低い印刷物を得てもよい。印刷物の光沢度を変えるための光沢が低い定着部材(ロールまたはベルト)の使用は、迅速な変更時間を可能にし、また、得られ得る光沢度の範囲を広げることによって、光沢度の低いトナーと比べて利点がある。光沢度の低い印刷物を可能にするフルオロプラスチック/エアロゲル定着器コーティングは、2011年3月23日に出願された米国特許出願第13/053,423号において、溶媒分散物からのスプレーコーティング、および上部層への溶融硬化によって示された。しかし、スプレーコーティングプロセスによって、粒子の沈澱に起因して、サンプル間の変動が大きくなる。定着器部材のコーティングを製造するのに望ましい処理方法は、粉末コーティングである。
【0035】
粉末コーティングは、自由に流動する乾燥粉末を表面に塗布した後、硬化させることを含むコーティングプロセスである。粉末は、静電的に帯電し、次いで、接地された要素に向かい、コーティング層を生成する。熱を加えると、粉末が溶融し、流動して硬化したコーティングを生成するだろう。均質なトップコート層を製造するために、粉末コーティングの前に、粉末の組み合わせを混合して均一な粉末を作成しなければならない。
【0036】
音響混合プロセスを用いたフルオロプラスチックおよびエアロゲルの粉末混合物が提供される。音響混合プロセスを用い、フルオロプラスチック粒子およびエアロゲル粒子(例えば、シリカエアロゲル)を合わせ、粉末コーティングに適した粉末混合物を製造することができる。また、他の添加剤を、粉末混合物に効率的に分散させてもよい。
【0037】
音響ミキサーを用いた効率的な混合は、粉末混合物および容器(混合系)の共振周波数で起こり、約1分〜約5分、または実施形態では、約1.5分〜約4分、または実施形態では、約2分〜約3分混合することができる。音響ミキサーの低い混合周波数によって、粒子を穏やかに混合することができ、もろいエアロゲル粒子は破壊される。微細なエアロゲル粒子は、濡れ性を妨害し、非接着性のトップコート層を製造するため、微粒子を生成することなく、無傷のエアロゲル粒子を維持することは、光沢度が低いエアロゲル粒子または表面の質感が必要な他の用途にとって望ましい粒径のエアロゲル粒子を維持し、硬化中に濡れ性を維持するために重要である。音響混合プロセスは、簡単にスケールを変えることができる。
【0038】
また、音響混合によって、フルオロプラスチックおよびエアロゲル混合物に、添加剤粒子を効率的に添加することもできる。フルオロプラスチック/エアロゲル混合物への正の摩擦電荷のアルミナ微粒子の添加は、部分的に負のPFAと会合し、部分的に負のエアロゲル粒子と会合し、均質な粉末混合物を作りやすくしていることが示された。また、アルミナ添加剤は、硬化中の濡れ性および結合を促進する。提案されている音響混合方法は、添加剤粒子を効率的に分散させる。PFA/エアロゲル粉末の音響混合には複数の利点が明らかである。
【0039】
適切な正の摩擦帯電剤は、ヒュームドアルミナである。ヒュームドアルミナは、表面積が約30m
2/g〜約400m
2/g、または約50m
2/g〜約300m
2/g、または約100m
2/g〜約200m
2/gであってもよい。粉末コーティング中の摩擦帯電した粒子の量は、粉末の固形分全体の約0.1重量%〜約5重量%、または約0.2重量%〜約3.0重量%、または約0.5重量%〜約1.5重量%の範囲である。
【0040】
適切な正の摩擦帯電粒子は、アルミナ、シリカ、ジルコニア、ゲルマニア、または他の正の金属酸化物材料を含む。金属酸化物の摩擦帯電粒子は、ヒュームド金属酸化物、沈降金属酸化物またはゲルから作られてもよい。正の摩擦帯電粒子の粒径は、約10nm〜約5ミクロン、または約50nm〜約1ミクロン、または約100nm〜約500nmである。
【0041】
使用する正の摩擦帯電粒子を、疎水性剤で処理し、粒子を疎水性にしてもよい。使用する疎水性剤としては、有機シラン、有機シロキサン、ポリ有機シロキサン、有機シラザン、またはポリ有機シラザンを挙げることができる。
【0042】
使用する正の摩擦帯電粒子を、表面剤で処理し、摩擦帯電挙動を高めてもよい。
【0043】
正の摩擦帯電粒子は、粒径がおおよそ5nm〜1ミクロン、または10nm〜500nm、または20nm〜100nmである。
【0044】
エアロゲルは、一般的な用語では、孔の流体を除去し、孔の流体を空気と交換することによって固相になるまで乾燥させたゲルと記述されるだろう。本明細書で使用する場合、「エアロゲル」は、一般的に、密度がきわめて低いセラミック固体、典型的には、ゲルから作られる材料を指す。したがって、用語「エアロゲル」は、乾燥中にゲルがほとんど縮まず、空隙率および関連する特性が保持された、乾燥させたゲルを示すために用いられる。これとは対照的に、「ヒドロゲル」は、孔の流体が水系流体である濡れたゲルを記述するために用いられる。用語「孔の流体」は、孔要素を作成している間に孔構造内に入った流体を記述する。乾燥させると(例えば、超臨界乾燥)、かなりの量の空気を含むエアロゲル粒子が形成され、密度が低い固体が得られ、表面積が大きくなる。種々の実施形態では、エアロゲルは、質量密度が小さく、比表面積が大きく、空隙率が非常に大きいことを特徴とする低密度微孔性材料である。特に、エアロゲルは、互いに接続した小さな大量の孔を含む固有の構造を特徴とする。溶媒を除去した後、重合した材料を不活性雰囲気中で熱分解させ、エアロゲルを作成する。
【0045】
任意の適切なエアロゲル要素を使用してもよい。実施形態では、エアロゲル要素は、例えば、無機エアロゲル、有機エアロゲル、炭素エアロゲル、およびこれらの混合物から選択されてもよい。特定の実施形態では、セラミックエアロゲルを適切に用いることができる。これらのエアロゲルは、典型的には、シリカで構成されているが、金属酸化物(例えば、アルミナ、チタニア、ジルコニア)または炭素で構成されていてもよく、場合により、金属のような他の元素がドープされていてもよい。ある種の実施形態では、エアロゲル要素は、ポリマーエアロゲル、コロイド状エアロゲル、およびこれらの混合物から選択されるエアロゲルを含んでいてもよい。
【0046】
実施形態のエアロゲル粒子は、空隙率が約50%〜約99.9%であってもよく、このとき、エアロゲルは、99.9%の空の空間を含んでいてもよい。実施形態では、エアロゲル粒子は、空隙率が約50%〜約99.0%、または50%〜約98%である。実施形態では、エアロゲル要素の孔は、直径が約2nm〜約500nm、または約10nm〜約400nm、または約20nm〜約100nmであってもよい。具体的な実施形態では、エアロゲル要素は、空隙率が50%より多くてもよく、直径が、100nm未満、さらには約20nm未満であってもよい。実施形態では、エアロゲル要素は、球状、ほぼ球状、円柱型、棒状、ビーズ状、立方体、平板状などの形状を有する粒子の形態であってもよい。
【0047】
実施形態では、エアロゲル要素は、平均体積粒径が約1μm〜約100μm、または約3μm〜約50μm、または約5μm〜約20μmのエアロゲル粒子、粉末、または分散物を含む。エアロゲル要素は、ポリマー材料内に、1個の粒子または2個以上の粒子の凝集体または粒子群の概観をしたエアロゲル粒子を含んでいてもよい。
【0048】
エアロゲル要素を特徴づける相互に接続した孔の連続したモノリス構造によって高い表面積が得られ、エアロゲルを製造するために使用する材料に依存して、導電性は、非常に熱および電気を伝導するものから熱的および電気的に非常に絶縁性のものまでさまざまであろう。さらに、エアロゲル要素は、実施形態では、表面積が約400m
2/g〜約1200m
2/g、例えば、約500m
2/g〜約1200m
2/g、または約700m
2/g〜約900m
2/gの範囲であってもよい。実施形態では、エアロゲル要素は、電気抵抗率が約1.0×10
−4Ω−cm、例えば、約0.01Ω−cm〜約1.0×10
16Ω−cm、約1Ω−cm〜約1.0×10
8Ω−cm、または約50Ω−cm〜約750,000Ω−cmの範囲であってもよい。種々の実施形態で使用する異なる種類のエアロゲルも、電気抵抗率が導電性(約0.01Ω−cm〜約1.00Ω−cm)から絶縁性(約10
16Ω−cmより大きい)まで広がっていてもよい。実施形態の導電性エアロゲル、例えば、炭素エアロゲルを他の導電性フィラーと合わせ、それ以外の方法では得ることが困難な物理特性、機械特性、電気特性の組み合わせを得てもよい。
【0049】
適切に使用可能なエアロゲルは、実施形態では、無機エアロゲル、有機エアロゲル、炭素エアロゲルの主要な3つのカテゴリーに分けられてもよい。実施形態では、定着器部材層は、無機エアロゲル、有機エアロゲル、炭素エアロゲルおよびこれらの混合物から選択される1種類以上のエアロゲルを含有していてもよい。例えば、実施形態は、同じ種類の複数のエアロゲル(例えば、2種類以上の無機エアロゲルの組み合わせ、2種類以上の有機エアロゲルの組み合わせ、または2種類以上の炭素エアロゲルの組み合わせ)を含んでいてもよく、異なる種類の複数のエアロゲル(例えば、1種類以上の無機エアロゲル、1種類以上の有機エアロゲルおよび/または1種類以上の炭素エアロゲル)を含んでいてもよい。例えば、化学的に修飾された疎水性シリカエアロゲルを、高導電性炭素エアロゲルと合わせ、コンポジットの疎水性と電気特性を同時に改質し、それぞれの特性について望ましい目標を達成してもよい。
【0050】
無機エアロゲル(例えば、シリカエアロゲル)は、一般的に、金属酸化物のゾル−ゲル重縮合によって作られ、高度に架橋した透明なヒドロゲルを生成する。これらのヒドロゲルを超臨界乾燥させ、無機エアロゲルを作成する。
【0051】
有機エアロゲルは、一般的に、レゾルシノールおよびホルムアルデヒドのゾル−ゲル重縮合によって作られる。これらのヒドロゲルを超臨界乾燥させ、有機エアロゲルを作成する。
【0052】
炭素エアロゲルは、一般的に、不活性雰囲気下で有機エアロゲルを熱分解することによって作られる。炭素エアロゲルは、共有結合したナノメートルサイズの粒子から構成され、この粒子は、三次元網目構造に整列している。炭素エアロゲルは、高い表面積をもつ炭素粉末とは異なり、酸素の自由表面を有し、化学的に修飾し、ポリマーマトリックスとの相溶性を高めることができる。それに加えて、炭素エアロゲルは、一般的に導電性であり、電気抵抗率が約0.005Ω−cm〜約1.00Ω−cmである。具体的な実施形態では、コンポジットは、1種類以上の炭素エアロゲルおよび/または1種類以上の炭素エアロゲルと1種類以上の無機エアロゲルおよび/または有機エアロゲルを含んでいてもよい。
【0053】
エアロゲル粒子は、アルキルシラン、アルキルクロロシラン、アルキルシロキサン、ポリジメチルシロキサン、アミノシランおよびメタクリルシランからなる群から選択される表面官能基を含んでいてもよい。実施形態では、表面処置材料は、エアロゲルに対して反応性であり、修飾された表面相互作用をもたらす官能基を含む。また、表面処置は、組成物表面に対し、非接着性の相互作用を可能にするのにも役立つ。
【0054】
例えば、一実施形態では、エアロゲル要素は、平均粒径が5〜15ミクロン、空隙率が90%以上、バルク密度が40〜100kg/m
3、表面積が600〜800m
2/gのシリカシリケートであってもよい。もちろん、所望な場合、1種類以上の性質がこれらの範囲からはずれた材料を使用することができる。
【0055】
例えば、多くのエアロゲル要素(粉砕した疎水性エアロゲル粒子)を、毛髪組成物、スキンケア組成物、制汗剤組成物のような配合物の低コスト添加剤として使用した。ある具体的で非限定的な例は、すでに化学的に処理された市販の粉末、粒径が約5〜15ミクロンのDow Corning VM−2270エアロゲル微粒子である。
【0056】
望ましい結果を得るために、任意の適切な量のエアロゲルをフルオロプラスチック要素に組み込んでもよい。例えば、コーティング層は、表面コーティングの合計重量の約0.1重量%〜約10重量%のエアロゲル、または約0.2重量%〜約5重量%のエアロゲル、または約0.5重量%〜約2重量%のエアロゲルから作られてもよい。エアロゲル粒子の粒径は、約1μm〜約100μm、または約3μm〜約50μm、または約5μm〜約20μmである。
【0057】
表面コーティングは、表面自由エネルギーが、コンポジットで使用されるフルオロプラスチック基材層の表面エネルギーより低い。このことは、フルオロプラスチックに依存する。実施形態では、エアロゲル粒子が分散したフルオロプラスチックは、表面エネルギーが20mN/m
2未満の表面層を生成する。実施形態では、表面自由エネルギーは、超疎水性表面では10mN/m
2未満、または10mN/m
2〜2mN/m
2、または10mN/m
2〜5mN/m
2、または10mN/m
2〜7mN/m
2である。
【0058】
フルオロプラスチックとエアロゲルの組成物を基材の上に粉末コーティングし、表面層を作成する。粉末コーティング中、粉末組成物を静電的にスプレーコーティングし、静電的に流動床によってコーティングし、静電磁気ブラシによってコーティングし、または、任意の適切な既知の様式で基材に流動床によってコーティングしてもよい。
【0059】
TeflonおよびPFAのようなフルオロプラスチックは、一般的に粉末から処理され、次いで、約350℃〜約400℃の溶融温度まで上げ、接着性コーティングを作成する。エアロゲルとフルオロプラスチック粒子を合わせ、溶融温度まで上げたら、エアロゲル粒子が包まれた、融合したフルオロ樹脂マトリックスが生成する。剥離層には、フルオロプラスチックマトリックス全体に分散したエアロゲルフィラー粒子が、剥離層の固形分全体の0.1重量%〜10重量%の比率で組み込まれている。実施形態では、エアロゲルの量は、エアロゾルが剥離層の合計重量の約0.2重量%〜約5重量%、または約0.5重量%〜約2重量%であった。フルオロプラスチック粒子の粒径は、約5μm〜約50μm、または約8μm〜約45μm、または約10μm〜約40μmである。
【実施例】
【0060】
2.5重量%のシリカエアロゲル、97.0重量%のペルフルオロアルコキシポリマー(PFA)樹脂の粉末混合物を、0.5重量%のSpectrAl(商標) 100(95m
2/g ヒュームドアルミナ)と合わせ、音響混合、ブレンド、Turbula、単純な振り混ぜの4種類の異なる混合技術によって混合した。結果を以下にまとめている。
【0061】
(音響混合)
Resodyn(商標) Acoustic Mixer中、60gのペルフルオロアルコキシポリマー樹脂サンプルを1.5g(2.5重量%)のシリカエアロゲルおよび0.3g(0.5重量%)のSpectrAl(商標) 100と強度100%、力95Gで2分間混合し、61.2Hzで2分間共鳴させた。
【0062】
(FUJIブレンド)
市販のFujiブレンダー(ブレード混合)において、13500rpmで1分間、60gのペルフルオロアルコキシポリマー樹脂サンプルを1.5g(2.5重量%)のシリカエアロゲルおよび0.3g(0.5重量%)のSpectrAl(商標) 100と混合した。
【0063】
(TURBULA)
Tubula(登録商標)ミキサー中、60gのペルフルオロアルコキシポリマー樹脂サンプルを1.5g(2.5重量%)のシリカエアロゲルおよび0.3g(0.5重量%)のSpectrAl(商標) 100と20分間混合した。
【0064】
(ペイントシェーカー)
25gのペルフルオロアルコキシポリマー樹脂、0.625gのシリカエアロゲルおよび0.125gのSpectrAl(商標) 100を4つの60ml瓶に入れた。これらの瓶をペイントシェーカーのそれぞれのアームに入れ、30分間振り混ぜた。次いで、この混合物を1個の大きなプラスチック瓶で合わせ、ミルで20分間ころがし、均一な混合物を得た。
【0065】
(粉末コーティング)
Nordson製のEncore Manual Powder Spray Systemを用い、Blank Olympiaロールを粉末コーティングした。まず、ロールを磯プロピルアルコールでふき取ることによってきれいにした。次いで、ロールを、2個の定着器ロールホルダーの上にある2個のアルミニウム端を用いて空気中に吊るした。ロールの接地は、アルミニウム端を接地ワイヤに接続することによって達成された。スプレーガンに接続したカップに粉末混合物を入れた。本明細書に開示しているすべての実験について、デフォルトの帯電モード(100kV、15uA)を選択した。デフォルトの空気の流量は0.65m
3/時であり、噴霧する空気は0.7m
3/時であった。ガンの先端からロールまでは手動で約4インチに維持した。ロール方向に沿ってガンをゆっくりと移動することによって、粉末混合物をロールに噴霧した。
【0066】
コーティングされたロールをGrieve oven中、340℃で31分間焼き、PFAを溶融し、硬化させた。
【0067】
Resodyn(商標)音響ミキサーを用いて調製したロールコーティングを十分に融着させ、均質にして、約39.7gguの表面光沢を得た。比較として、Fujiブレンダーを用いてブレンドすることによって得られたロールコーティングから、融着性がきわめて悪いロールが得られ、これは、白色がかった概観と非常に低い光沢値(6.7ggu)によって示された。融着性が悪いコーティングは、トナーを捕捉し、融合に適していない。回転ブレードを用いるこのブレンドプロセスは、エアロゲル粒子を破壊して微粒子を生成し、この微粒子がトップコートの硬化を妨害すると考えられる。
【0068】
Tubulaまたはペイントシェーカーのいずれかを用いる穏やかな混合方法では、微粒子は生成しない。しかし、粒子を効率的に混合するために、これらの方法は、長い処理時間を必要とした(20〜30分)。ロールコーティングは、融着し、均質であったが、大きな凝集物(約100ミクロン)が表面上に明らかに存在し、凝集したシリカおよびアルミナで構成されていることがSEMによって示された。比較として、音響混合時間が短いと、凝集物は生成しない。
【0069】
まとめると、異なる混合技術による粉末混合物の光学顕微鏡画像は、Resodyn(商標)音響ミキサーによって混合した粒子の高い会合度を示している。シリカエアロゲル粒子は、せん断力が高いミキサー(Fujiブレンダー)では破壊されて微粒子になり、望ましくないプロセスによって粉末がばらつき、融着が悪くなる。ペイントシェーカーまたはTurbulaミキサーを用いたとき、大きな凝集物が生じる。