特許第6050771号(P6050771)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 東芝テック株式会社の特許一覧
<>
  • 特許6050771-ロードセルユニットおよび秤装置 図000002
  • 特許6050771-ロードセルユニットおよび秤装置 図000003
  • 特許6050771-ロードセルユニットおよび秤装置 図000004
  • 特許6050771-ロードセルユニットおよび秤装置 図000005
  • 特許6050771-ロードセルユニットおよび秤装置 図000006
  • 特許6050771-ロードセルユニットおよび秤装置 図000007
  • 特許6050771-ロードセルユニットおよび秤装置 図000008
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6050771
(24)【登録日】2016年12月2日
(45)【発行日】2016年12月21日
(54)【発明の名称】ロードセルユニットおよび秤装置
(51)【国際特許分類】
   G01G 23/02 20060101AFI20161212BHJP
   G01G 3/14 20060101ALI20161212BHJP
【FI】
   G01G23/02 A
   G01G3/14
【請求項の数】5
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2014-26711(P2014-26711)
(22)【出願日】2014年2月14日
(65)【公開番号】特開2015-152446(P2015-152446A)
(43)【公開日】2015年8月24日
【審査請求日】2016年1月13日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003562
【氏名又は名称】東芝テック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】特許業務法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】川邉 雄一朗
【審査官】 公文代 康祐
(56)【参考文献】
【文献】 実開昭57−124731(JP,U)
【文献】 実開昭60−092138(JP,U)
【文献】 特開2002−098597(JP,A)
【文献】 特開平04−328426(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01G 23/02
G01G 3/14
G01L 1/26
G01L 1/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基部に固定される固定部と、計量対象の荷重を受ける可動部と、を有し、荷重を受けると変形するロードセルと、
前記可動部の上面に着脱自在であって、少なくとも二つの向きに取付可能な被制限部材と、
前記可動部に取り付けられた前記被制限部材を側方から挟む一対のものであって各々が該被制限部材の側面に所定寸法の隙間を介して対向する制限部、を有し、前記基部に対して固定的に設けられた制限部材と、
を備え、
前記被制限部材は、前記側面から前記隙間分だけ突出した突起を有し、
前記制限部の一方は、前記突起に対応する位置に、窪みを有し、
前記被制限部材はさらに、前記ロードセルの横位置調整時には、前記突起が前記制限部の他方に接触する向きに取り付けられ、前記ロードセルの稼働時には、前記突起が前記窪み内に位置する向きに取り付けられる
ロードセルユニット。
【請求項2】
前記被制限部材は、前記側面として、互いに平行な一対の平面を有し、
前記突起は、頂部に、前記側面に平行な平面を有する
ことを特徴とする
請求項1に記載のロードセルユニット。
【請求項3】
前記制限部材は、平板状であって、
前記制限部は、前記制限部材が有する孔の縁である
請求項1または2に記載のロードセルユニット。
【請求項4】
前記被制限部材は、平面視において180°回転させることにより取付向きを変更可能である
請求項1〜3のいずれか1つに記載のロードセルユニット。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか1つに記載のロードセルユニットと、
前記ロードセルユニットに連結され、計量対象が載置される上皿と、
前記ロードセルユニットからの出力に基づいて前記計量対象の重さを算出する制御部と、
を備える秤装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、ロードセルユニットおよび秤装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ロードセルを備える秤装置は、横荷重が加わってロードセルが塑性変形を起こすなどの不都合が起こらないよう、横方向の過荷重を食い止めるストッパーを備えている。
【0003】
ストッパーは、例えば、ロードセルの荷重により変位する可動部の対象部位に、所定寸法の隙間を介して対向することにより、可動部の過剰な変位を制限するように配されている。上述の横荷重用のストッパーは、可動部の側面に近接して配されて、可動部の横変位を制限する。
【0004】
このようなストッパーは、従来、ロードセルの対象部位との間の隙間を調節自在な調節部と、当該調節部を保持し、基部に対して不動な保持部とを有する。このため、部品点数が多くなり、また、調整作業が煩雑である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、横荷重用ストッパーの調整の手間が少ないロードセルユニットおよび秤装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態のロードセルユニットは、ロードセルと、被制限部材と、制限部材と、を備える。ロードセルは、基部に固定される固定部と、計量対象の荷重を受ける可動部と、を有し、荷重を受けると変形する。被制限部材は、前記可動部の上面に着脱自在であって、少なくとも二つの向きに取付可能である。制限部材は、前記可動部に取り付けられた前記被制限部材を側方から挟む一対のものであって各々が該被制限部材の側面に所定寸法の隙間を介して対向する制限部、を有し、前記基部に対して固定的に設けられる。また、前記被制限部材は、前記側面から前記隙間分だけ突出した突起を有する。前記制限部の一方は、前記突起に対応する位置に、窪みを有する。前記被制限部材はさらに、前記ロードセルの横位置調整時には、前記突起が前記制限部の他方に接触する向きに取り付けられ、前記ロードセルの稼働時には、前記突起が前記窪み内に位置する向きに取り付けられる。
【0007】
また、実施形態の秤装置は、上述のロードセルユニットと、前記ロードセルユニットに連結され、計量対象が載置される上皿と、前記ロードセルユニットからの出力に基づいて前記計量対象の重さを算出する制御部と、を備える。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、実施形態の秤装置の外観を示す斜視図である。
図2図2は、実施形態の秤装置の構成を示す断面図である。
図3図3は、実施形態の本体が備えるフレームの外観を示す斜視図である。
図4図4は、実施形態のロードセルユニットの構成を示す断面図である。
図5図5は、実施形態のブロックの外観を示す斜視図である。
図6図6は、実施形態のロードセルの横位置調整時におけるブロックの向きを示す平面図である。
図7図7は、実施形態のロードセルの稼働時におけるブロックの向きを示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
実施形態について図面を用いて説明する。図1は、秤装置1の外観を示す斜視図である。図2は、秤装置1の構成を示す断面図である。秤装置1は、まず図1に示すように、本体2、上皿3、操作表示パネル4、および客用パネル5を備えている。また、秤装置1は、図2に示すように、概ね直方体の箱状をなす本体2内に、ロードセルユニット6および制御部7を備えている。
【0010】
上皿3は、略水平に設置され、計量対象が載せられる台である。上皿3にかかる荷重は、ロードセルユニット6が備えるロードセル61に、伝えられる。ロードセル61は、上皿3にかかる荷重を受けて、荷重に応じた信号を出力する。該出力に基づいて、制御部7は、荷重の値を算出する。
【0011】
操作表示パネル4は、操作部41および表示部42を有する。操作部41は、例えばキーボードである。表示部42は、例えば液晶パネルである。操作表示パネル4は、操作部41により店員による操作を受け付けるとともに、表示部42により店員を対象とした各種情報を表示する。
【0012】
客用パネル5は、操作部および表示部(いずれも不図示)を有する。操作部は、例えばキーボードである。表示部は、例えば液晶パネルである。客用パネル5は、操作部により客による操作を受け付けるとともに、表示部により客を対象とした各種情報を表示する。なお、客用パネル5は、操作部を有しない表示専用のものであってもよい。
【0013】
図3は、本体2が備えるフレーム21の外観を示す斜視図である。フレーム21は、本体2の骨組であって、基部となる部材である。フレーム21は、枠状の土台211、該土台211に立てられた柱212、および、該柱212の上に固定された平板状の天板213、により構成される。天板213は、上皿3の直下に位置する。本体2は、フレーム21に側壁22(図1参照)などの部材を固定して構成される。
【0014】
図4は、ロードセルユニット6の構成を示す断面図である。ロードセルユニット6は、ロードセル61、被制限部62、下側制限部63、上側制限部64、過荷重調節部65、および逆さ落下衝撃調節部66を備えている。
【0015】
ロードセル61は、ビーム型、シングルポイント型などと呼ばれるものであって、横長のブロックの中央部に孔を有する形状をなし、一端側に固定部611を、他端側に可動部612を有し、さらに、不図示のひずみゲージを有している。
【0016】
固定部611は、フレーム21の天板213の下面に、螺子止めにより固定されている。ここで、天板213の上面には、補強板23が取り付けられている。補強板23は、長方形の板金であって、天板213を上面から補強している。固定部611は、補強板23の上面側から差し込まれる螺子24と螺合する。
【0017】
可動部612は、上皿3にかかる荷重を受ける箇所である。ひずみゲージは、ロードセル61の荷重に応じて変形する部分に貼付されていて、変形すると抵抗値が変化する。ロードセル61は、ひずみゲージの抵抗値の変化に応じた信号を出力する。
【0018】
被制限部62は、可動部612の上面に固定された板金である。被制限部62は、可動部612の端から概ね水平方向に延出している。
【0019】
下側制限部63は、Z曲げ(あるいは段曲げ)と呼ばれる加工が施された曲げ板金67の一端部であって、被制限部62の下面に所定の隙間を介して対向する。曲げ板金67の他端部は、フレーム21の下面に固定されている。
【0020】
上側制限部64は、フレーム21の、被制限部62の上面に対向する部分であって、被制限部62の上面に所定の隙間を介して対向する。
【0021】
過荷重調節部65は、雄螺子であって、被制限部62に形成された雌螺子と螺合する。
【0022】
逆さ落下衝撃調節部66は、雄螺子であって、上側制限部64に形成された雌螺子と螺合する。
【0023】
可動部612には、上皿3が間接的に連結されている。可動部612と上皿3との間には、ブロック31(被制限部材)、皿受けフレーム32、および皿受けゴム33が配されている。
【0024】
ブロック31は、可動部612の上面に螺子止めによって着脱自在に取り付けられている。このブロック31は、図3に示すようにフレーム21が有する孔21aと干渉し、可動部612の横移動範囲を制限する。
【0025】
図5は、ブロック31の外観を示す斜視図である。ブロック31は、可動部612に、図6および図7に示す二つの向きに取付可能である。図6は、ロードセル61の横位置調整時におけるブロック31の向きを示す平面図である。図7は、ロードセル61の稼働時におけるブロック31の向きを示す平面図である。
【0026】
ブロック31は、概ね直方体をなし、側面に、互いに平行で対をなす平面31a,31bを有している。ブロック31は、平面31aの一部に、突起311を有している。突起311の頂部は、平面31aに平行な平面311aである。
【0027】
孔21aは、天板213および補強板23に形成されている。孔21aは、概ね四角形であって、ブロック31の側面を少し離れて囲む。孔21aの縁のうち、ロードセル61の長手方向に沿う直線状の2辺81,82は、平面31a,31bに対向し、制限部80として機能する。そして、孔21aが形成された天板213および補強板23は、ともに、制限部材8として機能する。制限部材8は、制限部80を有し、フレーム21に対して固定的に設けられたものである。制限部80は、可動部612に取り付けられたブロック31を側方から挟む一対のものであって、ブロック31の横移動範囲を制限する。
【0028】
ロードセル61の稼動時(図7参照)、辺81,82(制限部80、孔21aの縁の一部)と平面31a,31bとの間には、所定寸法dの隙間gが設けられる。所定寸法dは、ロードセル61が許容できる横衝撃に応じて定められる。つまり、所定寸法dは、可動部612に許容される横方向の移動量の最大値である。
【0029】
突起311は、所定寸法dだけ(つまり隙間g分だけ)、平面31aから突出している。そして、制限部80の一方である辺81には、ロードセル61の稼動時において突起311に対応する位置に、窪み83を有している。窪み83は、該窪み83の縁が、突起311に干渉しない程度の深さを有している。
【0030】
皿受けフレーム32は、ブロック31の上に、概ね水平に保たれるよう固定されている。上皿3は、皿受けフレーム32の上を覆う。皿受けゴム33は、皿受けフレーム32と上皿3との間の複数個所に配されている。
【0031】
このような構成において、秤装置1は、上皿3に計量対象が載せられると、上皿3、皿受けフレーム32、皿受けゴム33、ブロック31を介して、可動部612が荷重を受ける。すると、荷重によるひずみゲージの変形に応じた信号をロードセル61が制御部7へと出力する。そして、制御部7が、ロードセル61からの出力に基づいて、荷重の値を算出する。
【0032】
ブロック31(被制限部材)と、制限部80(孔21aの縁のうちの辺81,82)を有する制限部材8(天板213および補強板23)は、ロードセル61への横衝撃を緩和する。図7に示す稼働状態とするために、稼働前に行うロードセル61の調整について、以下に説明する。
【0033】
まず、ロードセル61の横位置調整を行う。はじめに、固定部611を、螺子24によって、フレーム21の天板213および補強板23に、仮止めする。続いて、可動部612に、ブロック31を取り付ける。このとき、ブロック31は、図6に示すように、突起311が、辺82に接する向きに取り付けられる。そして、平面311aを辺82に接触させた状態で、固定部611を、螺子24によって固定する。
【0034】
次に、ブロック31を、可動部612から取り外し、平面視において180°回転させて突起311が窪み83内に位置する向きにして、取り付けなおす。これにより、図7に示すように、ブロック31の平面31a,31bが辺81,82と隙間gを介して対向する状態を作ることができる。
【0035】
過荷重調節部65は、ロードセル61が、計量状態で過剰な荷重を受けることを防止する。過剰とする荷重の制限値の調節は、過荷重調節部65と被制限部62との螺合位置を変更することによって、行われる。
【0036】
可動部612が荷重を受けて下方へ移動すると、過荷重調節部65も下方へ移動する。過荷重調節部65は、下端が下側制限部63の上面に到達すると、それ以上移動できなくなる。これにより、可動部612の移動が制限されて、ロードセル61が過剰な荷重を受けることが防止される。
【0037】
逆さ落下衝撃調節部66は、秤装置1が逆さ落下した場合に、ロードセル61が、計量時とは逆方向の過剰な荷重を受けることを防止する。過剰とする荷重の制限値の調節は、逆さ落下衝撃調節部66と上側制限部64との螺合位置を変更することによって、行われる。
【0038】
秤装置1が逆さ落下による衝撃を受けると、可動部612は、図4中における上方へ移動する。被制限部62は、上面が逆さ落下衝撃調節部66の下端に到達すると、それ以上移動できなくなる。これにより、可動部612の移動が制限されて、ロードセル61が計量時とは逆方向の過剰な荷重を受けることが防止される。
【0039】
このように、本実施形態によれば、横方向の衝撃からロードセル61を保護する部材の形状および取り付け方を工夫したことによって、従来の煩雑な調整作業を簡素化することができる。これにより、ロードセル61の調整にかかる時間を減らすことができる。
【0040】
さらに、突起311の頂部が平面311aであって、制限部80を構成する辺82が直線状であるので、例えば頂部が曲線状で辺82が直線状であるような場合に比して、調整にあたってブロック31の位置を合わせやすい。
【0041】
また、過荷重および逆さ落下衝撃からロードセル61を保護するストッパーの設置位置をまとめ、構成部品を整理し、共通化したことにより、部品点数を減らすことができ、また、設置範囲を狭めることができ、延いては秤装置1を小型化することができる。つまり、本実施形態により、省スペース化が可能となる。
【0042】
なお、上記実施形態では、孔21aの縁の一部を制限部80として機能させたが、実施にあたってはこれに限らず、ブロック31を側方から挟む一対のものであって、各々が平面31a,31bに所定寸法dの隙間gを介して対向するものであれば、上記実施形態と同様の制限部80として機能させることができる。
【0043】
また、上記実施形態では、被制限部62と可動部612とを別部材としたが、実施にあたっては、例えば可動部612の所定箇所を被制限部とするなど、被制限部が可動部612と同一部材であってもよい。
【0044】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0045】
1…秤装置、
2…本体、
21…フレーム、21a…孔、
211…土台、212…柱、213…天板、
22…側壁、
23…補強板、
24…螺子、
3…上皿、
31…ブロック、311…突起、311a…平面、31a,31b…平面、
32…皿受けフレーム、
33…皿受けゴム、
4…操作表示パネル、
41…操作部、42…表示部、
5…客用パネル、
6…ロードセルユニット、
61…ロードセル、
611…固定部、612…可動部、
62…被制限部、
63…下側制限部、
64…上側制限部、
65…過荷重調節部、
66…逆さ落下衝撃調節部、
67…曲げ板金、
7…制御部
8…制限部材、80…制限部、81,82…辺、83…窪み、
d…所定寸法、
g…隙間。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0046】
【特許文献1】特開2002−98597号公報
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7