特許第6050829号(P6050829)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6050829二置換ベンゾチエニル−ピロロトリアジンおよびFGFR阻害剤としてのその使用
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6050829
(24)【登録日】2016年12月2日
(45)【発行日】2016年12月21日
(54)【発明の名称】二置換ベンゾチエニル−ピロロトリアジンおよびFGFR阻害剤としてのその使用
(51)【国際特許分類】
   C07D 487/04 20060101AFI20161212BHJP
   A61K 31/53 20060101ALI20161212BHJP
   A61K 31/5377 20060101ALI20161212BHJP
   A61K 31/5355 20060101ALI20161212BHJP
   A61K 31/541 20060101ALI20161212BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20161212BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20161212BHJP
【FI】
   C07D487/04 140
   A61K31/53
   A61K31/5377
   A61K31/5355
   A61K31/541
   A61P43/00 111
   A61P35/00
【請求項の数】13
【全頁数】201
(21)【出願番号】特願2014-546445(P2014-546445)
(86)(22)【出願日】2012年12月10日
(65)【公表番号】特表2015-500307(P2015-500307A)
(43)【公表日】2015年1月5日
(86)【国際出願番号】EP2012074977
(87)【国際公開番号】WO2013087578
(87)【国際公開日】20130620
【審査請求日】2015年6月2日
(31)【優先権主張番号】11193841.1
(32)【優先日】2011年12月15日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】300049958
【氏名又は名称】バイエル ファーマ アクチエンゲゼルシャフト
(74)【代理人】
【識別番号】100114188
【弁理士】
【氏名又は名称】小野 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100119253
【弁理士】
【氏名又は名称】金山 賢教
(74)【代理人】
【識別番号】100124855
【弁理士】
【氏名又は名称】坪倉 道明
(74)【代理人】
【識別番号】100129713
【弁理士】
【氏名又は名称】重森 一輝
(74)【代理人】
【識別番号】100137213
【弁理士】
【氏名又は名称】安藤 健司
(74)【代理人】
【識別番号】100143823
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 英彦
(74)【代理人】
【識別番号】100151448
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 孝博
(74)【代理人】
【識別番号】100183519
【弁理士】
【氏名又は名称】櫻田 芳恵
(74)【代理人】
【識別番号】100196483
【弁理士】
【氏名又は名称】川嵜 洋祐
(74)【代理人】
【識別番号】100185959
【弁理士】
【氏名又は名称】今藤 敏和
(74)【代理人】
【識別番号】100203035
【弁理士】
【氏名又は名称】五味渕 琢也
(74)【代理人】
【識別番号】100146318
【弁理士】
【氏名又は名称】岩瀬 吉和
(74)【代理人】
【識別番号】100127812
【弁理士】
【氏名又は名称】城山 康文
(73)【特許権者】
【識別番号】512137348
【氏名又は名称】バイエル・インテレクチュアル・プロパティ・ゲゼルシャフト・ミット・ベシュレンクテル・ハフツング
【氏名又は名称原語表記】Bayer Intellectual Property GmbH
(74)【代理人】
【識別番号】100114188
【弁理士】
【氏名又は名称】小野 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100119253
【弁理士】
【氏名又は名称】金山 賢教
(74)【代理人】
【識別番号】100124855
【弁理士】
【氏名又は名称】坪倉 道明
(74)【代理人】
【識別番号】100129713
【弁理士】
【氏名又は名称】重森 一輝
(74)【代理人】
【識別番号】100137213
【弁理士】
【氏名又は名称】安藤 健司
(74)【代理人】
【識別番号】100143823
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 英彦
(74)【代理人】
【識別番号】100151448
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 孝博
(74)【代理人】
【識別番号】100183519
【弁理士】
【氏名又は名称】櫻田 芳恵
(74)【代理人】
【識別番号】100196483
【弁理士】
【氏名又は名称】川嵜 洋祐
(74)【代理人】
【識別番号】100185959
【弁理士】
【氏名又は名称】今藤 敏和
(74)【代理人】
【識別番号】100146318
【弁理士】
【氏名又は名称】岩瀬 吉和
(74)【代理人】
【識別番号】100127812
【弁理士】
【氏名又は名称】城山 康文
(72)【発明者】
【氏名】ディルク・ブローム
(72)【発明者】
【氏名】メラニー・エルー
(72)【発明者】
【氏名】マリー−ピエーレ・コリン
(72)【発明者】
【氏名】ヴァルター・ヒュップシュ
(72)【発明者】
【氏名】マリオ・ロベル
(72)【発明者】
【氏名】クレメンス・ルスティッヒ
(72)【発明者】
【氏名】ジルヴィア・グリューネヴァルト
(72)【発明者】
【氏名】ウルフ・ベーマー
(72)【発明者】
【氏名】フェレーナ・フェーリンガー
【審査官】 東 裕子
(56)【参考文献】
【文献】 特表2009−519222(JP,A)
【文献】 特表2009−522284(JP,A)
【文献】 特表2009−519905(JP,A)
【文献】 特表2003−500359(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07D
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I):
【化1】
[この文献は図面を表示できません]
[式中、
は、水素、クロロ、メチルまたはメトキシであり、
は、水素またはメトキシであり、
ただし、RおよびRの少なくとも一方が水素以外であり、
は、クロロ、(C−C)−アルキル、(C−C)−アルコキシカルボニル、5員アザ−ヘテロアリールまたは基−CH−OR、−CH−NRまたは−C(=O)−NR
{式中、
は、水素、(C−C)−アルキル、(C−C)−シクロアルキルまたはフェニルであり、
ここで、
(i)当該(C−C)−アルキルは、所望によりヒドロキシ、(C−C)−アルコキシ、ヒドロキシカルボニル、(C−C)−アルコキシカルボニル、アミノ、アミノカルボニル、モノ−(C−C)−アルキルアミノカルボニル、ジ−(C−C)−アルキルアミノカルボニル、(C−C)−シクロアルキルまたは3個までのフルオロ原子で置換されており、
(ii)当該(C−C)−シクロアルキルは、所望により(C−C)−アルキル、ヒドロキシおよびアミノからなる群から独立して選択される1個または2個の置換基で置換されており、
(iii)当該フェニルは、所望によりフルオロ、クロロ、ブロモ、シアノ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、(C−C)−アルキルおよび(C−C)−アルコキシからなる群から独立して選択される1個または2個の置換基で置換されており、
は、水素または(C−C)−アルキルであり、
は、水素、(C−C)−アルキル、(C−C)−アルキルカルボニル、(C−C)−シクロアルキルまたは4〜6員ヘテロシクロアルキルであり、
ここで、
(i)当該(C−C)−アルキルは、所望によりヒドロキシ、(C−C)−アルコキシ、ヒドロキシカルボニル、(C−C)−アルコキシカルボニル、アミノカルボニル、モノ−(C−C)−アルキルアミノカルボニル、ジ−(C−C)−アルキルアミノカルボニルまたは(C−C)−シクロアルキルで置換されており、
(ii)当該(C−C)−シクロアルキルは、所望により(C−C)−アルキル、ヒドロキシおよびアミノからなる群から独立して選択される1個または2個の置換基で置換されており、
(iii)当該4〜6員ヘテロシクロアルキルは、所望により(C−C)−アルキル、ヒドロキシ、オキソおよびアミノからなる群から独立して選択される1個または2個の置換基で置換されており、
は、水素、(C−C)−アルキル、(C−C)−シクロアルキルまたは4〜6員ヘテロシクロアルキルであり、
ここで、
(i)当該(C−C)−アルキルは、所望によりヒドロキシ、(C−C)−アルコキシ、ヒドロキシカルボニル、(C−C)−アルコキシカルボニル、アミノ、アミノカルボニル、モノ−(C−C)−アルキルアミノカルボニル、ジ−(C−C)−アルキルアミノカルボニルまたは(C−C)−シクロアルキルで置換されており、
(ii)当該(C−C)−シクロアルキルは、所望により(C−C)−アルキル、ヒドロキシおよびアミノからなる群から独立して選択される1個または2個の置換基で置換されており、
(iii)当該4〜6員ヘテロシクロアルキルは、所望により(C−C)−アルキル、ヒドロキシ、オキソおよびアミノからなる群から独立して選択される1個または2個の置換基で置換されているか、
あるいは、
およびR、または、RおよびRは、それぞれ、それらが結合している窒素原子と一体となって結合して、単環式飽和4〜7員ヘテロシクロアルキル環を形成し、当該環は、N(R)およびOから選択される第2環ヘテロ原子を含んでもよく、そして、環炭素原子で、(C−C)−アルキル、オキソ、ヒドロキシ、アミノおよびアミノカルボニルからなる群から独立して選択される1個または2個の置換基で置換されていてもよく、
ここで、Rは、水素、(C−C)−アルキル、ホルミルまたは(C−C)−アルキルカルボニルである。}
を表し、
は、クロロ、シアノ、(C−C)−アルキルまたは基−CR8A8B−OH、−CH−NR10、−C(=O)−NR1112または−CH−OR15
{式中、
8AおよびR8Bは、水素、(C−C)−アルキル、シクロプロピルおよびシクロブチルからなる群から独立して選択され、
は、水素または(C−C)−アルキルであり、
10は、水素、(C−C)−アルキル、(C−C)−アルキルカルボニル、(C−C)−シクロアルキルまたは4〜6員ヘテロシクロアルキルであり、
ここで、
(i)当該(C−C)−アルキルは、所望によりヒドロキシ、アミノ、アミノカルボニル、モノ−(C−C)−アルキルアミノカルボニルまたはジ−(C−C)−アルキルアミノカルボニルで置換されており、
(ii)当該(C−C)−シクロアルキルは、所望により(C−C)−アルキル、ヒドロキシおよびアミノからなる群から独立して選択される1個または2個の置換基で置換されており、
(iii)当該4〜6員ヘテロシクロアルキルは、所望により(C−C)−アルキル、ヒドロキシ、オキソおよびアミノからなる群から独立して選択される1個または2個の置換基で置換されており、
11は、水素または(C−C)−アルキルであり、
12は、水素、(C−C)−アルキル、(C−C)−シクロアルキルまたは4〜6員ヘテロシクロアルキルであり、
ここで、
(i)当該(C−C)−アルキルは、所望によりヒドロキシ、アミノ、アミノカルボニル、モノ−(C−C)−アルキルアミノカルボニルまたはジ−(C−C)−アルキルアミノカルボニルで置換されており、
(ii)当該(C−C)−シクロアルキルは、所望により(C−C)−アルキル、ヒドロキシおよびアミノからなる群から独立して選択される1個または2個の置換基で置換されており、
(iii)当該4〜6員ヘテロシクロアルキルは、所望により(C−C)−アルキル、ヒドロキシ、オキソおよびアミノからなる群から独立して選択される1個または2個の置換基で置換されているか、
あるいは、
およびR10、または、R11およびR12は、それぞれ、それらが結合している窒素原子と一体となって結合して、単環式飽和4〜7員ヘテロシクロアルキル環を形成し、当該環は、N(R13)、O、SおよびS(O)から選択される第2環ヘテロ原子を含んでもよく、そして、環炭素原子で、フルオロ、(C−C)−アルキル、オキソ、ヒドロキシ、アミノおよびアミノカルボニルからなる群から独立して選択される3個までの置換基で置換されていてもよく、
ここで、R13は、水素、(C−C)−アルキル、(C−C)−シクロアルキル、ホルミルまたは(C−C)−アルキルカルボニルであり、
15は、(C−C)−アルキルである。}
を表す。
ただし、Gがクロロまたはシアノであるとき、Gはクロロではない。]
の化合物またはその薬学的に許容される塩、水和物および/または溶媒和物。
【請求項2】
が、クロロ、メチルまたはメトキシであり、
が、水素またはメトキシであり、
が、クロロ、(C−C)−アルキル、(C−C)−アルコキシカルボニルを表すか、または、ピラゾリル、イミダゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリルおよびオキサジアゾリルからなる群から選択される5員アザ−ヘテロアリールを表すか、または、基−CH−ORまたは−CH−NR
{式中、
は、水素、(C−C)−アルキルまたは(C−C)−シクロアルキルであり、
ここで、当該(C−C)−アルキルは、所望によりヒドロキシ、(C−C)−アルコキシ、ヒドロキシカルボニル、(C−C)−アルコキシカルボニル、アミノ、アミノカルボニル、(C−C)−シクロアルキルまたは3個までのフルオロ原子で置換されており、
は、水素または(C−C)−アルキルであり、
は、水素、(C−C)−アルキル、(C−C)−アルキルカルボニル、(C−C)−シクロアルキルまたは5員または6員ヘテロシクロアルキルであり、
ここで、
(i)当該(C−C)−アルキルは、所望によりヒドロキシ、ヒドロキシカルボニルまたは(C−C)−シクロアルキルで置換されており、
(ii)当該5員または6員ヘテロシクロアルキルは、所望によりオキソで置換されているか、
あるいは、
およびRは、それらが結合している窒素原子と一体となって結合して、単環式飽和4〜6員ヘテロシクロアルキル環を形成し、当該環は、N(R)およびOから選択される第2環ヘテロ原子を含んでもよく、そして、環炭素原子で、オキソまたはヒドロキシで置換されていてもよく、
ここで、Rは、水素または(C−C)−アルキルである。}を表し、
が、クロロ、シアノ、(C−C)−アルキルまたは基−CR8A8B−OH、−CH−NR10、−C(=O)−NR1112または−CH−OR15
{式中、
8AおよびR8Bは、水素、(C−C)−アルキルおよびシクロプロピルからなる群から独立して選択され、
は、水素またはメチルであり、
10は、水素、(C−C)−アルキル、(C−C)−アルキルカルボニル、(C−C)−シクロアルキルまたは5員または6員ヘテロシクロアルキルであり、
ここで、
(i)当該(C−C)−アルキルは、所望によりヒドロキシまたはアミノカルボニルで置換されており、
(ii)当該5員または6員ヘテロシクロアルキルは、所望によりオキソで置換されており、
11は、水素またはメチルであり、
12は、水素、(C−C)−アルキル、(C−C)−シクロアルキルまたは5員または6員ヘテロシクロアルキルであり、
ここで、
(i)当該(C−C)−アルキルは、所望によりヒドロキシで置換されており、
(ii)当該5員または6員ヘテロシクロアルキルは、所望によりオキソで置換されているか、
あるいは、
およびR10、または、R11およびR12は、それぞれ、それらが結合している窒素原子と一体となって結合して、単環式飽和4〜6員ヘテロシクロアルキル環を形成し、当該環は、N(R13)、O、SおよびS(O)から選択される第2環ヘテロ原子を含んでもよく、そして、環炭素原子で、フルオロ、(C−C)−アルキル、オキソ、ヒドロキシ、アミノおよびアミノカルボニルからなる群から独立して選択される3個までの置換基で置換されていてもよく、
ここで、R13は、水素、(C−C)−アルキル、シクロプロピル、シクロブチル、ホルミルまたは(C−C)−アルキル−カルボニルであり、
15は、メチルまたはエチルである。}を表し、
ただし、Gがクロロまたはシアノであるとき、Gはクロロではない、
請求項1に記載の式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩、水和物および/または溶媒和物。
【請求項3】
が、メチルであり、
が、メトキシであり、
が、メチル、オキサゾール−5−イルまたは基−CH−ORまたは−CH−NR
{式中、
は、水素、(C−C)−アルキル、シクロプロピルまたはシクロブチルであり、
ここで、当該(C−C)−アルキルは、所望によりヒドロキシ、メトキシ、エトキシ、ヒドロキシカルボニル、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、アミノ、アミノカルボニル、シクロプロピル、シクロブチルまたは3個までのフルオロ原子で置換されており、
は、水素、メチルまたはエチルであり、
は、水素、(C−C)−アルキル、アセチル、シクロプロピル、シクロブチルまたは2−オキソピロリジン−3−イルであり、
ここで、当該(C−C)−アルキルは、所望によりヒドロキシ、ヒドロキシカルボニル、シクロプロピルまたはシクロブチルで置換されているか、
あるいは、
およびRは、それらが結合している窒素原子と一体となって結合して、単環式飽和5員または6員ヘテロシクロアルキル環を形成し、当該環は、NHおよびOから選択される第2環ヘテロ原子を含んでもよく、そして、環炭素原子で、オキソまたはヒドロキシで置換されていてもよい。}
を表し、
が、メチルまたは基−CR8A8B−OH、−CH−NR10または−C(=O)−NR1112
{式中、
8AおよびR8Bは、独立して、水素またはメチルであり、
は水素であり、
10は、水素、(C−C)−アルキル、アセチル、シクロプロピル、シクロブチルまたは2−オキソピロリジン−3−イルであり、
ここで、当該(C−C)−アルキルは、所望によりヒドロキシまたはアミノカルボニルで置換されており、
11は、水素またはメチルであり、
12は、水素、(C−C)−アルキル、シクロプロピル、シクロブチルまたは2−オキソピロリジン−3−イルであり、
ここで、当該(C−C)−アルキルは所望によりヒドロキシで置換されているか、
あるいは、
およびR10、または、R11およびR12は、それぞれ、それらが結合している窒素原子と一体となって結合して、単環式飽和4〜6員ヘテロシクロアルキル環を形成し、当該環は、N(R13)、OおよびS(O)から選択される第2環ヘテロ原子を含んでもよく、そして、環炭素原子で、フルオロ、メチル、オキソ、ヒドロキシ、アミノおよびアミノカルボニルからなる群から独立して選択される3個までの置換基で置換されていてもよく、
ここで、R13は、水素、ホルミルまたはアセチルである。}
を表す、請求項1または2に記載の式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩、水和物および/または溶媒和物。
【請求項4】
が、メチルであり、
が、メトキシであり、
が、基−CH−OR
{式中、Rは、所望によりヒドロキシ、アミノまたはアミノカルボニルで置換された(C−C)−アルキルである。}を表し、
が、基−CH−NR10または−C(=O)−NR1112
{式中、
は、水素であり、
10は、2−オキソピロリジン−3−イルであるか、
あるいは、
およびR10は、それらが結合している窒素原子と一体となって結合して、ピペラジン−1−イル、3−オキソピペラジン−1−イルまたは4−アセチルピペラジン−1−イル環を形成し、
11は、水素であり、
12は、2−オキソピロリジン−3−イルであるか、
あるいは、
11およびR12は、それらが結合している窒素原子と一体となって結合して、3−ヒドロキシアゼチジン−1−イル、4−ヒドロキシピペリジン−1−イルまたは3−オキソピペラジン−1−イル環を形成する。}を表す、請求項1、2または3に記載の式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩、水和物および/または溶媒和物。
【請求項5】
請求項1〜4の何れか1項に記載の、化合物4−{[4−アミノ−6−(メトキシメチル)−5−(7−メトキシ−5−メチル−1−ベンゾチオフェン−2−イル)ピロロ[2,1 f][1,2,4]トリアジン−7−イル]メチル}ピペラジン−2−オン
【化2】
[この文献は図面を表示できません]
またはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物。
【請求項6】
請求項1〜4の何れか1項に記載の、化合物4−{[4−アミノ−6−(メトキシメチル)−5−(7−メトキシ−5−メチル−1−ベンゾチオフェン−2−イル)ピロロ[2,1 f][1,2,4]トリアジン−7−イル]メチル}ピペラジン−2−オン。
【化3】
[この文献は図面を表示できません]
【請求項7】
請求項1〜6の何れか1項で定義した式(I)の化合物を製造する方法であって、
[A] 式(II):
【化4】
[この文献は図面を表示できません]
[式中、Rは、請求項1〜4の何れか1項で示された意味を有する。]
の6位置換4−アミノピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジンを、最初に、ホルムアルデヒドおよび式(III):
【化5】
[この文献は図面を表示できません]
[式中、RおよびR10は、請求項1〜4の何れか1項で示された意味を有する。]
のアミンと、酸の存在下で反応させ、式(IV):
【化6】
[この文献は図面を表示できません]
[式中、R、RおよびR10は、請求項1〜4の何れか1項で示された意味を有する。]
の化合物を得て、次いで、それを臭素化して、式(V):
【化7】
[この文献は図面を表示できません]
[式中、R、RおよびR10は、請求項1〜4の何れか1項で示された意味を有する。]
の化合物とし、続いて、それを式(VI):
【化8】
[この文献は図面を表示できません]
[式中、
およびRは、請求項1〜4の何れか1項で示された意味を有し、
14は、水素または(C−C)−アルキルを表すか、または、両方のR14基が、一体となって結合して、−(CH)−、−C(CH)−C(CH)−、−(CH)−、−CH−C(CH)−CH−または−C(=O)−CH−N(CH)−CH−C(=O)−架橋を形成する。]
のベンゾチオフェン−2−イル ボロネートと、パラジウム触媒および塩基の存在下でカップリングさせ、式(I-A):
【化9】
[この文献は図面を表示できません]
[式中、R、R、R、RおよびR10は、請求項1〜4の何れか1項で示された意味を有する。]
の標的化合物を得ること、あるいは、
[B] 式(II):
【化10】
[この文献は図面を表示できません]
[式中、Rは、請求項1〜4の何れか1項で示された意味を有する。]
の6位置換4−アミノピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジンを、最初に、塩化ホスホリルの存在下、N,N−ジメチルホルムアミドでホルミル化して、式(VII):
【化11】
[この文献は図面を表示できません]
[式中、Rは、請求項1〜4の何れか1項で示された意味を有する。]
のアルデヒドを得て、次いで、それを臭素化して、式(VIII):
【化12】
[この文献は図面を表示できません]
[式中、Rは、請求項1〜4の何れか1項で示された意味を有する。]
の化合物とし、続いて、式(VI):
【化13】
[この文献は図面を表示できません]
[式中、R、RおよびR14は、上で示された意味を有する。]
のベンゾチオフェン−2−イル ボロネートと、パラジウム触媒および塩基の存在下でカップリングさせ、式(IX):
【化14】
[この文献は図面を表示できません]
[式中、R、RおよびRは、請求項1〜4の何れか1項で示された意味を有する。]
の化合物を得て、次いで、それを、
[B-1] 式(III):
【化15】
[この文献は図面を表示できません]
[式中、RおよびR10は、請求項1〜4の何れか1項で示された意味を有する。]
のアミンと、酸および還元剤の存在下で反応させ、式(I-A):
【化16】
[この文献は図面を表示できません]
[式中、R、R、R、RおよびR10は、請求項1〜4の何れか1項で示された意味を有する。]
の標的化合物を得るか、または、
[B-2] 式(X):
【化17】
[この文献は図面を表示できません]
[式中、R、RおよびRは、請求項1〜4の何れか1項で示された意味を有する。]
のカルボン酸に酸化して、最後に、式(XI):
【化18】
[この文献は図面を表示できません]
[式中、R11およびR12は、請求項1〜4の何れか1項で示された意味を有する。]
のアミンと、縮合剤の存在下でカップリングさせ、式(I-B):
【化19】
[この文献は図面を表示できません]
[式中、R、R、R、R11およびR12は、請求項1〜4の何れか1項で示された意味を有する。]
の標的化合物を得ること、あるいは、
[C] 式(XII):
【化20】
[この文献は図面を表示できません]
の6位置換4−アミノ−5−ブロモピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジンを、最初に、式(VI):
【化21】
[この文献は図面を表示できません]
[式中、R、RおよびR14は、上で示された意味を有する。]
のベンゾチオフェン−2−イル ボロネートと、パラジウム触媒および塩基の存在下でカップリングさせ、式(XIII):
【化22】
[この文献は図面を表示できません]
[式中、RおよびRは、請求項1〜4の何れか1項で示された意味を有する。]
の化合物を得て、それをホルムアルデヒドおよび式(III):
【化23】
[この文献は図面を表示できません]
[式中、RおよびR10は、請求項1〜4の何れか1項で示された意味を有する。]
のアミンと、酸の存在下で反応させ、式(I-C):
【化24】
[この文献は図面を表示できません]
[式中、R、R、RおよびR10は、請求項1〜4の何れか1項で示された意味を有する。]
の化合物を得て、続いて、それを、
[C-1] 式(XIV):
【化25】
[この文献は図面を表示できません]
[式中、R、R、RおよびR10は、請求項1〜4の何れか1項で示された意味を有する。]
のアルデヒドに酸化して、それを式(XV):
【化26】
[この文献は図面を表示できません]
[式中、RおよびRは、請求項1〜4の何れか1項で示された意味を有する。]
のアミンで、酸および還元剤の存在下で処理し、式(I-D):
【化27】
[この文献は図面を表示できません]
[式中、R、R、R、R、RおよびR10は、請求項1〜4の何れか1項で示された意味を有する。]
の標的化合物を得るか、または、
[C-2] 式(XVI):
【化28】
[この文献は図面を表示できません]
[式中、
、R、RおよびR10は、請求項1〜4の何れか1項で示された意味を有し、
Xは、クロロ、ブロモまたはヨードである。]の対応する6−(ハロメチル)誘導体に変換し、式(XVII):
【化29】
[この文献は図面を表示できません]
[式中、R3Aは、請求項1〜4の何れか1項で示されたRの水素以外の意味を有する。]
のアルコールで、塩基の存在下で処理し、式(I-E):
【化30】
[この文献は図面を表示できません]
[式中、R、R、R3A、RおよびR10は、上で示された意味を有する。]
の標的化合物を得ること、
所望により、適切な場合は、続いて、(i) このようにして得られた式(I)の化合物を、そのエナンチオマーおよび/またはジアステレオマーに分離すること、および/または、(ii) 対応する溶媒および/または酸または塩基で処理することによって、式(I)の化合物を、その水和物、溶媒和物、塩および/または塩の水和物または溶媒和物に変換すること
を特徴とする方法。
【請求項8】
疾患を処置および/または予防するための請求項1〜6の何れか1項に定義した化合物。
【請求項9】
癌および腫瘍疾患を処置および/または予防する方法に使用するための請求項1〜6の何れか1項に定義した化合物。
【請求項10】
癌および腫瘍疾患を処置および/または予防する医薬組成物を製造するための請求項1〜6の何れか1項に定義した化合物の使用。
【請求項11】
請求項1〜6の何れか1項に定義した化合物および1種以上の薬学的に許容される添加物を含む医薬組成物。
【請求項12】
1種以上のさらなる治療薬をさらに含む請求項11に記載の医薬組成物。
【請求項13】
癌および腫瘍疾患を処置および/または予防するための請求項11または12に定義した医薬組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タンパク質チロシンキナーゼ阻害活性を有する新規置換5−(1−ベンゾチオフェン−2−イル)ピロロ[2,1−f][1,2,4]−トリアジン−4−アミン誘導体、当該化合物の製造方法、当該化合物を含む医薬組成物、および、増殖性障害、特に癌および腫瘍疾患を処置するための当該化合物の使用に関する。
【背景技術】
【0002】
癌は、世界的に主要な死亡原因であり、2008年では7600万人の死亡原因(全死者数の約13%)である。癌による死亡は世界中で増え続け、2030年には1100万人を超えると予想されている(WHO source, Fact Sheet No. 297, February 2011)。
【0003】
癌が生じ得る多くの経路があり、これが、癌治療を困難にしている理由の1つである。細胞の形質転換が起こり得る一つの経路は、遺伝子変化後である。ヒトゲノムプロジェクトの完成は、ヒトの癌遺伝子のゲノム不安定性および不均一性を示した。これらの遺伝子変化を同定する近年のストラテジーは、癌遺伝子の発見のプロセスを加速させた。遺伝子異常は、例えば、タンパク質の過剰発現をもたらし、それ故に、これらのタンパク質の非生理学的活性化をもたらす。幾つかの腫瘍性タンパク質が由来するタンパク質のファミリーは、チロシンキナーゼ、特に受容体チロシンキナーゼ(RTK)である。過去20年で、多数の研究手段により、癌を引き起こす有害な細胞増殖におけるRTK介在シグナル伝達の重要性が証明された。最近には、新しいクラスの抗腫瘍化剤として、チロシンキナーゼの選択的小分子阻害剤を用いて、臨床で有望な結果が達成された[Swinney and Anthony, Nature Rev. Drug Disc. 10 (7), 507-519 (2011)]。
【0004】
線維芽細胞増殖因子(FGF)およびその受容体(FGFR)は、胚発生および成体病態生理学の様々な面を包含する多様な生物学的プロセスに重要な役割を果たす、独自の異なるシグナル伝達系の一部を形成する[Itoh and Ornitz, J. Biochem. 149 (2), 121-130 (2011)]。時空間的方法において、FGFは、FGFR結合を介して、細胞の遊走、増殖、分化および生存を含む広範囲の細胞の機能を刺激する。
【0005】
FGFファミリーは、細胞表面に発現する4つの高度に保存された受容体チロシンキナーゼ(FGFR−1からFGFR−4)に結合する18種の分泌型ポリペプチド増殖因子を含む。さらに、FGFR−5は、FGFに結合できるが、キナーゼドメインを有さず、従って、細胞内シグナル伝達を欠いている。リガンド/受容体相互作用の特異性は、選択的転写開始、選択的スプライシングおよびC末端切断によって多くのアイソフォームを生じる幾つかの転写および翻訳プロセスによって増強される。様々なヘパラン硫酸プロテオグリカン(例えばシンデカン)は、FGF/FGFR複合体の一部であり、シグナル伝達応答を誘発するFGFの能力に強く影響し得る[Polanska et al., Developmental Dynamics 238 (2), 277-293 (2009)]。FGFRは、3つの細胞外免疫グロブリン様ドメイン、一回膜貫通ドメイン、および、細胞内キナーゼを細胞内二量化チロシンキナーゼドメインからなる細胞表面受容体である。FGFの結合は、細胞内キナーゼを接近させ、互いにトランスリン酸化することを可能とする。7つのリン酸化部位が確認されている(例えば、FGFR−1において、Tyr463、Tyr583、Tyr585、Tyr653、Tyr654、Tyr730およびTyr766)。
【0006】
これらのホスホチロシン基の幾つかは、それ自身FGFRによって直接リン酸化され得る下流のシグナル伝達分子のドッキング部位として作用し、多くのシグナル伝達経路の活性化をもたらす。従って、MAPKシグナル伝達カスケードは、細胞増殖および分化に関係し、PI3K/Aktシグナル伝達カスケードは、細胞生存および細胞運命決定に関与する。一方、PI3KおよびPKCシグナル伝達カスケードは、細胞極性制御に機能を有する。幾つかのFGFシグナル伝達フィードバック阻害剤が現在同定されており、Spry(Sprouty)およびSef(FGFと類似の発現)ファミリーのメンバーを含む。さらに、特定の条件において、FGFRは、プレゴルジ膜からサイトゾルに放出される。受容体およびそのリガンドであるFGF−2は、インポーチンに関与するメカニズムによって核に共輸送され、遺伝子活性化ゲート開閉因子として作用する共通の必須転写共役因子であるCREB結合タンパク質(CBP)複合体に携わっている。FGF−2、FGFR−1およびFGFR−2の免疫組織化学的発現と、その細胞質および核の腫瘍細胞局在化の間には、多くの相関関係が観察される。例えば、肺腺癌において、この関連性が核レベルで見出され、核での複合体の積極的な役割を強調する[Korc and Friesel, Curr. Cancer Drugs Targets 5, 639-651 (2009)]。
【0007】
FGFは、発育中および成体組織の双方で広く発現され、組織発育、組織再生、血管新生、腫瘍化、細胞遊走、細胞分化および細胞生存を含む、多様な正常過程および病理学的過程に重要な役割を果たす。さらに、血管新生促進因子としてのFGFはまた、血管内皮増殖因子受容体−2(VEGFR−2)阻害に対する抵抗性の発生現象に関与している[Bergers and Hanahan, Nat. Rev. Cancer 8, 592-603 (2008)]。
【0008】
最近のシグナル伝達ネットワークの癌ゲノムプロファイルにより、幾つかの一般的なヒトの癌の発生における異常FGFシグナル伝達の重要な役割が証明された[Wesche et al., Biochem. J. 437 (2), 199-213 (2011)]。リガンド非依存性FGFR構成型シグナル伝達が、多くのヒトの癌、例えば脳の癌、頭頸部癌、胃癌および卵巣癌で記載されている。FGFR変異型およびFGFR遺伝子内転座が、悪性病変、例えば骨髄増殖性疾患で確認されている。興味深いことに、多くの発達障害の原因であることが見出された変異と同じ変異が腫瘍細胞でも見出されている(例えば、軟骨形成不全および致死性骨異形成でみられるFGFR−3の二量化および構成的活性化を起こす変異は、しばしば、膀胱癌でも見出される)。二量化を促進する変異は、FGFRからリガンド非依存性シグナル伝達を増大させるメカニズムの一つに過ぎない。FGFRのキナーゼドメインの内部または外部に位置する他の変異は、ドメインのコンホメーションを変化させ、恒久的に活性なキナーゼを生じさせ得る。
【0009】
FGFR−1のゲノム位置である染色体領域8p11-12の増幅は、乳癌で一般的な限局性増幅であり、乳癌の約10%で起こり、主にエストロゲン受容体陽性癌で起こる。FGFR−1増幅はまた、非小細胞肺扁平上皮癌で報告されており、卵巣癌、膀胱癌および横紋筋肉腫で発生率は低いながら見られる。同様に、約10%の胃癌で、FGFR−2増幅が示され、これは予後の悪い散在型癌に関連する。さらに、FGFR−1からFGFR−4に位置する多くの一塩基多型(SNP)は、選択的な癌発症リスクの増大と相関することが分かっているか、または、予後の悪さと関連することが報告されている(例えば乳癌、大腸癌および肺腺癌におけるFGFR-4 G388R 対立遺伝子)。癌の促進についてのこれらのSNPの直接的な役割は、未だ議論の的である。
【0010】
要約すると、多くのインビトロおよびインビボ試験が行われ、FGFR−1からFGFR−4を重要な癌標的として確認しており、包括的なレビューはこれらの発見を要約している[例えば Heinzle et al., Expert Opin. Ther. Targets 15 (7), 829-846 (2011); Wesche et al., Biochem. J. 437 (2), 199-213 (2011); Greulich and Pollock, Trends in Molecular Medicine 17 (5), 283-292 (2011); Haugsten et al., Mol. Cancer Res. 8 (11), 1439-1452 (2010)を参照のこと]。幾つかのストラテジーは、ヒトの腫瘍における異常なFGFR−1からFGFR−4シグナル伝達減少に従うものであり、とりわけ、遮断抗体および小分子阻害剤を含む。幾つかの選択的小分子FGFR阻害剤が、現在、臨床開発中であり、例えば AZD-4547 (AstraZeneca) および BJG-398 (Novartis)がある。
【0011】
最近の癌治療で一般的に達成されている顕著な進歩にもかかわらず、高い効力、高い選択性、低い毒性および/または良好な耐容性などの改善された性質を有する新規抗癌化合物を同定する必要性が続いている。従って、本発明によって解決されるべき技術的課題は、FGFRキナーゼに対する阻害活性を有する代替化合物を提供し、その結果、FGFR介在疾患、特に癌および他の増殖性障害を処置する新規治療選択肢を提供する点と考えられる。
【0012】
9員または10員二環式ヘテロアリール置換基を有する縮合ヘテロ−5,6−二環式キナーゼ阻害剤は、それぞれ WO 2007/061737-A2 および WO 2005/097800-A1に開示されている。これらの化合物は、mTOR(ラパマイシンの哺乳動物標的)および/またはIGF−1R(1型インスリン様増殖因子受容体)キナーゼに対する阻害作用のために、癌および他の疾患の処置に有用であると記載された。さらに、キナーゼの阻害に関連するヘテロ−5,6−二環式鋳型構造は、とりわけ、WO 01/19828-A2、WO 2007/079164-A2およびWO 2010/051043-A1に記載されている。
【0013】
幾つかのタンパク質キナーゼに対して異なる阻害プロファイルを有する4−アミノピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン誘導体は、とりわけ、WO 00/71129-A1、WO 2007/056170-A2、WO 2007/061882-A2、WO 2007/064932-A2、WO 2009/136966-A1、および、WO 2010/126960-A1に開示されている。
【0014】
WO 2005/121147-A1、WO 2007/064883-A2およびWO 2007/064931-A2において、5位に置換ジアリール尿素基を含む4−アミノピロロ−[2,1−f][1,2,4]トリアジン誘導体が、FGFR−1阻害活性を有すると記載されている。しかし、他の受容体チロシンキナーゼ、特にVEGFR、PDGFRおよびTie−2キナーゼもまた、この特定のクラスの化合物によって、著しく阻害される。このようなマルチキナーゼ活性が、処置中の副作用のの可能性を高めるはずであると仮説立てられていたため、FGFRキナーゼについての改善された選択性を有する新規薬剤を特定し、その結果、より耐容性の癌治療のための新規選択肢を提供することが、本発明の目的であった。
【0015】
驚くべきことに、本発明により特に5位に置換ベンゾチオフェン−2−イル基を有する4−アミノピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン誘導体が、FGFRキナーゼの、とりわけFGFR−1およびFGFR−3キナーゼの強力かつ選択的な阻害を示すことが見出され、これにより、これらの化合物は、増殖性障害、例えば癌および腫瘍疾患の処置に特に有用となる。
【発明の概要】
【0016】
従って、一つの局面において、本発明は、一般式(I):
【化1】
[この文献は図面を表示できません]
[式中、
は、水素、クロロ、メチルまたはメトキシであり、
は、水素またはメトキシであり、
ただし、RおよびRの少なくとも一方が水素以外であり、
【0017】
は、クロロ、(C−C)−アルキル、(C−C)−アルコキシカルボニル、5員アザ−ヘテロアリールまたは基−CH−OR、−CH−NRまたは−C(=O)−NR
{式中、
は、水素、(C−C)−アルキル、(C−C)−シクロアルキルまたはフェニルであり、
ここで、
(i)当該(C−C)−アルキルは、所望によりヒドロキシ、(C−C)−アルコキシ、ヒドロキシカルボニル、(C−C)−アルコキシカルボニル、アミノ、アミノカルボニル、モノ−(C−C)−アルキルアミノカルボニル、ジ−(C−C)−アルキルアミノカルボニル、(C−C)−シクロアルキルまたは3個までのフルオロ原子で置換されており、
(ii)当該(C−C)−シクロアルキルは、所望により(C−C)−アルキル、ヒドロキシおよびアミノからなる群から独立して選択される1個または2個の置換基で置換されており、
(iii)当該フェニルは、所望によりフルオロ、クロロ、ブロモ、シアノ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、(C−C)−アルキルおよび(C−C)−アルコキシからなる群から独立して選択される1個または2個の置換基で置換されており、
は、水素または(C−C)−アルキルであり、
は、水素、(C−C)−アルキル、(C−C)−アルキルカルボニル、(C−C)−シクロアルキルまたは4〜6員ヘテロシクロアルキルであり、
ここで、
(i)当該(C−C)−アルキルは、所望によりヒドロキシ、(C−C)−アルコキシ、ヒドロキシカルボニル、(C−C)−アルコキシカルボニル、アミノカルボニル、モノ−(C−C)−アルキルアミノカルボニル、ジ−(C−C)−アルキルアミノカルボニルまたは(C−C)−シクロアルキルで置換されており、
(ii)当該(C−C)−シクロアルキルは、所望により(C−C)−アルキル、ヒドロキシおよびアミノからなる群から独立して選択される1個または2個の置換基で置換されており、
(iii)当該4〜6員ヘテロシクロアルキルは、所望により(C−C)−アルキル、ヒドロキシ、オキソおよびアミノからなる群から独立して選択される1個または2個の置換基で置換されており、
は、水素、(C−C)−アルキル、(C−C)−シクロアルキルまたは4〜6員ヘテロシクロアルキルであり、
ここで、
(i)当該(C−C)−アルキルは、所望によりヒドロキシ、(C−C)−アルコキシ、ヒドロキシカルボニル、(C−C)−アルコキシカルボニル、アミノ、アミノカルボニル、モノ−(C−C)−アルキルアミノカルボニル、ジ−(C−C)−アルキルアミノカルボニルまたは(C−C)−シクロアルキルで置換されており、
(ii)当該(C−C)−シクロアルキルは、所望により(C−C)−アルキル、ヒドロキシおよびアミノからなる群から独立して選択される1個または2個の置換基で置換されており、
(iii)当該4〜6員ヘテロシクロアルキルは、所望により(C−C)−アルキル、ヒドロキシ、オキソおよびアミノからなる群から独立して選択される1個または2個の置換基で置換されているか、
あるいは、
およびR、または、RおよびRは、それぞれ、それらが結合している窒素原子と一体となって結合して、単環式飽和4〜7員ヘテロシクロアルキル環を形成し、当該環は、N(R)およびOから選択される第2環ヘテロ原子を含んでもよく、そして、環炭素原子で、(C−C)−アルキル、オキソ、ヒドロキシ、アミノおよびアミノカルボニルからなる群から独立して選択される1個または2個の置換基で置換されていてもよく、
ここで、Rは、水素、(C−C)−アルキル、ホルミルまたは(C−C)−アルキルカルボニルである。}
を表し、
【0018】
は、クロロ、シアノ、(C−C)−アルキルまたは基−CR8A8B−OH、−CH−NR10、−C(=O)−NR1112または−CH−OR15
{式中、
8AおよびR8Bは、水素、(C−C)−アルキル、シクロプロピルおよびシクロブチルからなる群から独立して選択され、
は、水素または(C−C)−アルキルであり、
10は、水素、(C−C)−アルキル、(C−C)−アルキルカルボニル、(C−C)−シクロアルキルまたは4〜6員ヘテロシクロアルキルであり、
ここで、
(i)当該(C−C)−アルキルは、所望によりヒドロキシ、アミノ、アミノカルボニル、モノ−(C−C)−アルキルアミノカルボニルまたはジ−(C−C)−アルキルアミノカルボニルで置換されており、
(ii)当該(C−C)−シクロアルキルは、所望により(C−C)−アルキル、ヒドロキシおよびアミノからなる群から独立して選択される1個または2個の置換基で置換されており、
(iii)当該4〜6員ヘテロシクロアルキルは、所望により(C−C)−アルキル、ヒドロキシ、オキソおよびアミノからなる群から独立して選択される1個または2個の置換基で置換されており、
11は、水素または(C−C)−アルキルであり、
12は、水素、(C−C)−アルキル、(C−C)−シクロアルキルまたは4〜6員ヘテロシクロアルキルであり、
ここで、
(i)当該(C−C)−アルキルは、所望によりヒドロキシ、アミノ、アミノカルボニル、モノ−(C−C)−アルキルアミノカルボニルまたはジ−(C−C)−アルキルアミノカルボニルで置換されており、
(ii)当該(C−C)−シクロアルキルは、所望により(C−C)−アルキル、ヒドロキシおよびアミノからなる群から独立して選択される1個または2個の置換基で置換されており、
(iii)当該4〜6員ヘテロシクロアルキルは、所望により(C−C)−アルキル、ヒドロキシ、オキソおよびアミノからなる群から独立して選択される1個または2個の置換基で置換されているか、
あるいは、
およびR10、または、R11およびR12は、それぞれ、それらが結合している窒素原子と一体となって結合して、単環式飽和4〜7員ヘテロシクロアルキル環を形成し、当該環は、N(R13)、O、SおよびS(O)から選択される第2環ヘテロ原子を含んでもよく、そして、環炭素原子で、フルオロ、(C−C)−アルキル、オキソ、ヒドロキシ、アミノおよびアミノカルボニルからなる群から独立して選択される3個までの置換基で置換されていてもよく、
ここで、R13は、水素、(C−C)−アルキル、(C−C)−シクロアルキル、ホルミルまたは(C−C)−アルキルカルボニルであり、
15は、(C−C)−アルキルである。}
を表す。
ただし、Gがクロロまたはシアノであるとき、Gはクロロではない。]
の6,7−二置換5−(1−ベンゾチオフェン−2−イル)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−4−アミン誘導体に関する。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明の化合物はまた、その塩、溶媒和物および/または塩の溶媒和物の形態で存在できる。
【0020】
本発明の化合物は、式(I)の化合物およびその塩、溶媒和物および塩の溶媒和物、式(I)に含まれる下記の式(I-A)、(I-B)、(I-C)、(I-D)および(I-E)の化合物およびその塩、溶媒和物および塩の溶媒和物、および、製造工程の生成物としておよび/または具体例として下に記載された式(I)に含まれる化合物、および、式(I)に含まれる下に記載された化合物が、塩、溶媒和物および塩の溶媒和物でないならば、その塩、溶媒和物および塩の溶媒和物である。
【0021】
は、本発明の目的において、好ましくは、本発明の化合物の薬学的に許容される塩である(例えば、S. M. Berge et al., “Pharmaceutical Salts”, J. Pharm. Sci. 1977, 66, 1-19を参照のこと)。それ自体は薬学的使用に適さないが、例えば本発明の化合物の単離または精製に使用できる塩もまた含まれる。
【0022】
薬学的に許容される塩は、鉱酸、カルボン酸およびスルホン酸の酸付加塩、例えば塩酸、臭化水素酸、硫酸、リン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、トルエンスルホン酸、ナフタレンジスルホン酸、蟻酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、プロピオン酸、乳酸、酒石酸、リンゴ酸、クエン酸、フマル酸、マレイン酸および安息香酸の塩を含む。
【0023】
薬学的に許容される塩はまた、慣用の塩基の塩を含み、例えばおよび好ましくは、アルカリ金属塩(例えばナトリウム塩およびカリウム塩)、アルカリ土類金属塩(例えばカルシウム塩およびマグネシウム塩)、および、アンモニアまたは有機アミン、例えばおよび好ましくはエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、N,N−ジイソプロピルエチルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジメチルアミノエタノール、ジエチルアミノエタノール、プロカイン、ジシクロヘキシルアミン、ジベンジルアミン、N−メチルモルホリン、N−メチルピペリジン、アルギニン、リジンおよび1,2−エチレンジアミンから誘導されるアンモニウム塩である。
【0024】
溶媒和物は、本発明の内容において、溶媒分子の化学量論的な配位によって、固体または液体状態で複合体を形成している、本発明の化合物の形態と示される。水和物は、配位が水で起こる場合の、溶媒和物の特定の形態である。本発明の内容において、水和物は、好ましい溶媒和物である。
【0025】
本発明の化合物は、不斉中心の性質または制限された回転の何れかによって、異性体の形態(エナンチオマー、ジアステレオマー)で存在し得る。何れの異性体も、不斉中心が(R)配置、(S)配置または(R,S)配置である状態で存在し得る。
【0026】
2個以上の不斉中心が本発明の化合物中に存在するとき、しばしば、例示された構造の幾つかのジアステレオマーおよびエナンチオマーが存在可能であること、そして、純粋なジアステレオマーおよび純粋なエナンチオマーが好ましい態様を表すことが認められるであろう。純粋な立体異性体、純粋なジアステレオマー、純粋なエナンチオマーおよびその混合物は、本発明の範囲内であることが意図される。
【0027】
二重結合または環の置換基の性質による幾何異性体は、cis型(=Z体)またはtrans型(=E体)で存在でき、両方の異性体の形態が、本発明の範囲内に包含される。
【0028】
本発明の化合物の全ての異性体は、分離されているか、純粋であるか、部分的に純粋であるか、またはラセミ混合物であるかにかかわらず、本発明の範囲内に包含される。当該異性体の精製および当該異性体混合物の分離は、当技術分野に既知の標準的な方法によって達成され得る。例えば、ジアステレオマー混合物は、クロマトグラフ法または結晶化によって個々の異性体に分離でき、ラセミ体は、キラルな相でのクロマトグラフによって、または分割によって、各エナンチオマーに分離できる。
【0029】
さらに、上記の化合物の全ての可能な互変異性体の形態が、本発明に含まれる。
【0030】
本発明はまた、本発明の化合物の全ての適当な同位体変異種を包含する。本発明の化合物の同位体変異種は、本発明の化合物中の少なくとも1個の原子が、同じ原子番号を有するが通常または天然に主に存在する原子質量と異なる原子質量を有する原子と交換されている化合物を意味すると理解される。本発明の化合物に組み込むことができる同位体の例は、水素の同位体、炭素の同位体、窒素の同位体、酸素の同位体、フッ素の同位体、塩素の同位体、臭素の同位体およびヨウ素の同位体、例えばH(重水素)、H(トリチウム)、13C、14C、15N、17O、18O、18F、36Cl、82Br、123I、124I、129Iおよび131Iである。特定の本発明の化合物の同位体変異種、特に1個以上の放射性同位体が組み込まれたものは、例えば、作用メカニズムまたは体内の活性化合物の分布を調べるのに有益であり得る。製造および検出が比較的容易なため、特にHまたは14C同位体で標識された化合物がこの目的に適している。さらに、重水素などの同位体の組み込みは、化合物の代謝安定性がより大きい結果として、例えば体内での半減期の延長、または必要とされる有効成分の投与量の減少などの特定の治療上の利点をもたらし得る。本発明の化合物のこのような修飾は、従って、幾つかの場合において、本発明の好ましい態様を構成し得る。本発明の化合物の同位体変異種は、当技術分野で既知の方法によって、例えば下記の方法および実施例に記載された方法によって、特定の反応剤および/または出発化合物の対応する同位体修飾を用いることによって製造できる。
【0031】
本発明の内容において、置換基および残基は、特に断りのない限り、下記の意味を有する:
(C−C)−アルキルは、本発明の内容において、1〜4個の炭素原子を有する直鎖または分枝鎖アルキル基を表す。例として、および好ましくは、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチルおよびtert−ブチルが挙げられる。
【0032】
(C−C)−アルコキシは、本発明の内容において、1〜4個の炭素原子を有する直鎖または分枝鎖アルコキシ基を表す。例として、および好ましくは、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、イソブトキシ、sec−ブトキシおよびtert−ブトキシが挙げられる。
【0033】
モノ−(C−C)−アルキルアミノは、本発明の内容において、1〜4個の炭素原子を含む直鎖または分枝鎖アルキル置換基を1個有するアミノ基を表す。例として、および好ましくは、メチルアミノ、エチルアミノ、n−プロピルアミノ、イソプロピルアミノ、n−ブチルアミノおよびtert−ブチルアミノが挙げられる。
【0034】
ジ−(C−C)−アルキルアミノは、本発明の内容において、同一であるかまたは異なっている、それぞれが1〜4個の炭素原子を含む直鎖または分枝鎖アルキル置換基を2個有するアミノ基を表す。例として、および好ましくは、N,N−ジメチルアミノ、N,N−ジエチルアミノ、N−エチル−N−メチルアミノ、N−メチル−N−n−プロピルアミノ、N−イソプロピル−N−メチルアミノ、N−イソプロピル−N−n−プロピルアミノ、N,N−ジイソプロピルアミノ、N−n−ブチル−N−メチル−アミノおよびN−tert−ブチル−N−メチルアミノが挙げられる。
【0035】
(C−C)−アルキルカルボニルは、本発明の内容において、カルボニル基[−C(=O)−]を介して分子の残りに結合している、1〜4個の炭素原子を有する直鎖または分枝鎖アルキル基を表す。例として、および好ましくは、アセチル、プロピオニル、n−ブチリル、イソブチリル、n−ペンタノイルおよびピバロイルが挙げられる。
【0036】
(C−C)−アルコキシカルボニルは、本発明の内容において、カルボニル基[−C(=O)−]を介して分子の残りに結合している、1〜4個の炭素原子を有する直鎖または分枝鎖アルコキシ基を表す。例として、および好ましくは、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、n−プロポキシカルボニル、イソプロポキシカルボニル、n−ブトキシカルボニルおよびtert−ブトキシカルボニルが挙げられる。
【0037】
モノ−(C−C)−アルキルアミノカルボニルは、本発明の内容において、カルボニル基[−C(=O)−]を介して分子の残りに結合しており、かつ、1〜4個の炭素原子を有する直鎖または分枝鎖アルキル置換基を1個有するアミノ基を表す。例として、および好ましくは、メチルアミノカルボニル、エチルアミノカルボニル、n−プロピルアミノカルボニル、イソプロピル−アミノカルボニル、n−ブチルアミノカルボニルおよびtert−ブチルアミノカルボニルが挙げられる。
【0038】
ジ−(C−C)−アルキルアミノカルボニルは、本発明の内容において、カルボニル基[−C(=O)−]を介して分子の残りに結合しており、かつ、同一であるかまたは異なっている、それぞれが1〜4個の炭素原子を有する直鎖または分枝鎖アルキル置換基を2個有するアミノ基を表す。例として、および好ましくは、N,N−ジメチルアミノカルボニル、N,N−ジエチルアミノカルボニル、N−エチル−N−メチルアミノカルボニル、N−メチル−N−n−プロピルアミノ−カルボニル、N−イソプロピル−N−メチルアミノカルボニル、N,N−ジイソプロピルアミノカルボニル、N−n−ブチル−N−メチルアミノカルボニルおよびN−tert−ブチル−N−メチルアミノカルボニルが挙げられる。
【0039】
(C−C)−シクロアルキルは、本発明の内容において、3〜6個の環炭素原子を有する単環式、飽和炭素環を表す。例として、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチルおよびシクロヘキシルが挙げられる。好ましくは、シクロプロピルおよびシクロブチルである。
【0040】
4〜7員ヘテロシクロアルキルおよび4〜6員ヘテロシクロアルキルは、本発明の内容において、全部で4〜7個または4〜6個の環原子をそれぞれ有し、かつ、N、O、SおよびS(O)のシリーズから選択される同一であるかまたは異なっている1個または2個の環ヘテロ原子を含み、かつ、環炭素原子または環窒素原子(存在するならば)を介して結合できる単環式飽和ヘテロ環を表す。1個の環窒素原子を含み、所望によりさらにN、OまたはS(O)のシリーズから選択される1個の環ヘテロ原子を含む、4〜6員ヘテロシクロアルキルが好ましい。環窒素原子を1個、かつ、所望によりNまたはOのシリーズから選択される環ヘテロ原子をさらに1個含む5員または6員ヘテロシクロアルキルが好ましい。例として、アゼチジニル、オキセタニル、チエタニル、ピロリジニル、ピラゾリジル、イミダゾリジニル、テトラヒドロフラニル、チオラニル、1,1−ジオキシドチオラニル、1,2−オキサゾリジニル、1,3−オキサゾリジニル、1,3−チアゾリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロ−チオピラニル、1,3−ジオキサニル、1,4−ジオキサニル、1,2−オキサジナニル、モルホリニル、チオモルホリニル、1,1−ジオキシドチオモルホリニル、アゼパニル、1,4−ジアゼパニルおよび1,4−オキサゼパニルが挙げられる。好ましくは、アゼチジニル、ピロリジニル、ピラゾリジニル、イミダゾリジニル、1,2−オキサゾリジニル、1,3−オキサゾリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、1,2−オキサジナニル、モルホリニルおよびチオモルホリニルである。特に好ましくは、ピロリジニル、ピペリジニル、ピペラジニルおよびモルホリニルである。
【0041】
5員アザ−ヘテロアリールは、本発明の内容において、全部で5個の環原子を有し、環窒素原子を少なくとも1個、かつ、所望によりN、Oおよび/またはSのシリーズから選択されるヘテロ原子をさらに1個または2個含み、かつ、環炭素原子を介して、または所望により環窒素原子(原子価が許容されるとき)を介して結合している、芳香族ヘテロ環基(ヘテロ芳香族)を表す。環窒素原子を1個、かつ、Nおよび/またはOのシリーズから選択される環ヘテロ原子をさらに1個または2個含む5員アザ−ヘテロアリールが好ましい。例として、ピロリル、ピラゾリル、イミダゾリル、オキサゾリル、チアゾリル、イソオキサゾリル、イソチアゾリル、トリアゾリル、オキサジアゾリルおよびチアジアゾリルが挙げられる。好ましくは、ピラゾリル、イミダゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリルおよびオキサジアゾリルである。
【0042】
オキソ置換基は、本発明の内容において、二重結合を介して炭素原子に結合している酸素原子を表す。
【0043】
本発明の内容において、複数回現れる基全てについて、その意味は互いに独立である。本発明の化合物中の基が置換されているならば、特に断りのない限り、基は、一置換されていても多置換されていてもよい。同一であるかまたは異なっている1個、2個または3個の置換基による置換が好ましい。同一であるかまたは異なっている1個または2個の置換基による置換が特に好ましい。
【0044】
好ましい態様において、本発明は、
が、クロロ、メチルまたはメトキシであり、
が、水素またはメトキシであり、
が、クロロ、(C−C)−アルキル、(C−C)−アルコキシカルボニル、または、ピラゾリル、イミダゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリルおよびオキサジアゾリルからなる群から選択される5員アザ−ヘテロアリールを表すか、または、基−CH−ORまたは−CH−NR
{式中、
は、水素、(C−C)−アルキルまたは(C−C)−シクロアルキルであり、
ここで、当該(C−C)−アルキルは、所望によりヒドロキシ、(C−C)−アルコキシ、ヒドロキシカルボニル、(C−C)−アルコキシカルボニル、アミノ、アミノカルボニル、(C−C)−シクロアルキルまたは3個までのフルオロ原子で置換されており、
は、水素または(C−C)−アルキルであり、
は、水素、(C−C)−アルキル、(C−C)−アルキルカルボニル、(C−C)−シクロアルキルまたは5員または6員ヘテロシクロアルキルであり、
ここで、
(i)当該(C−C)−アルキルは、所望によりヒドロキシ、ヒドロキシカルボニルまたは(C−C)−シクロアルキルで置換されており、
(ii)当該5員または6員ヘテロシクロアルキルは、所望によりオキソで置換されているか、
あるいは、
およびRは、それらが結合している窒素原子と一体となって結合して、単環式飽和4〜6員ヘテロシクロアルキル環を形成し、当該環は、N(R)およびOから選択される第2環ヘテロ原子を含んでもよく、そして、環炭素原子で、オキソまたはヒドロキシで置換されていてもよく、
ここで、Rは、水素または(C−C)−アルキルである。}
を表し、
【0045】
が、クロロ、シアノ、(C−C)−アルキルまたは基−CR8A8B−OH、−CH−NR10、−C(=O)−NR1112または−CH−OR15
{式中、
8AおよびR8Bは、水素、(C−C)−アルキルおよびシクロプロピルからなる群から独立して選択され、
は、水素またはメチルであり、
10は、水素、(C−C)−アルキル、(C−C)−アルキルカルボニル、(C−C)−シクロアルキルまたは5員または6員ヘテロシクロアルキルであり、
ここで、
(i)当該(C−C)−アルキルは、所望によりヒドロキシまたはアミノカルボニルで置換されており、
(ii)当該5員または6員ヘテロシクロアルキルは、所望によりオキソで置換されており、
11は、水素またはメチルであり、
12は、水素、(C−C)−アルキル、(C−C)−シクロアルキルまたは5員または6員ヘテロシクロアルキルであり、
ここで、
(i)当該(C−C)−アルキルは、所望によりヒドロキシで置換されており、
(ii)当該5員または6員ヘテロシクロアルキルは、所望によりオキソで置換されているか、
あるいは、
およびR10、または、R11およびR12は、それぞれ、それらが結合している窒素原子と一体となって結合して、単環式飽和4〜6員ヘテロシクロアルキル環を形成し、当該環は、N(R13)、O、SおよびS(O)から選択される第2環ヘテロ原子を含んでもよく、そして、環炭素原子で、フルオロ、(C−C)−アルキル、オキソ、ヒドロキシ、アミノおよびアミノカルボニルからなる群から独立して選択される3個までの置換基で置換されていてもよく、
ここで、R13は、水素、(C−C)−アルキル、シクロプロピル、シクロブチル、ホルミルまたは(C−C)−アルキルカルボニルであり、
15は、メチルまたはエチルである。}
を表し、
ただし、Gがクロロまたはシアノであるとき、Gはクロロではない、
一般式(I)の化合物に関する。
【0046】
特に好ましい態様において、本発明は、
が、メチルであり、
が、メトキシであり、
が、メチル、オキサゾール−5−イルまたは基−CH−ORまたは−CH−NR
{式中、
は、水素、(C−C)−アルキル、シクロプロピルまたはシクロブチルであり、
ここで、当該(C−C)−アルキルは、所望によりヒドロキシ、メトキシ、エトキシ、ヒドロキシカルボニル、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、アミノ、アミノカルボニル、シクロプロピル、シクロブチルまたは3個までのフルオロ原子で置換されており、
は、水素、メチルまたはエチルであり、
は、水素、(C−C)−アルキル、アセチル、シクロプロピル、シクロブチルまたは2−オキソピロリジン−3−イルであり、
ここで、当該(C−C)−アルキルは、所望によりヒドロキシ、ヒドロキシカルボニル、シクロプロピルまたはシクロブチルで置換されているか、
あるいは、
およびRは、それらが結合している窒素原子と一体となって結合して、単環式飽和5員または6員ヘテロシクロアルキル環を形成し、当該環は、NHおよびOから選択される第2環ヘテロ原子を含んでもよく、そして、環炭素原子で、オキソまたはヒドロキシで置換されていてもよい。}
を表し、
【0047】
が、メチルまたは基−CR8A8B−OH、−CH−NR10または−C(=O)−NR1112
{式中、
8AおよびR8Bは、独立して、水素またはメチルであり、
は、水素であり、
10は、水素、(C−C)−アルキル、アセチル、シクロプロピル、シクロブチルまたは2−オキソピロリジン−3−イルであり、
当該(C−C)−アルキルは、所望によりヒドロキシまたはアミノカルボニルで置換されており、
11は、水素またはメチルであり、
12は、水素、(C−C)−アルキル、シクロプロピル、シクロブチルまたは2−オキソピロリジン−3−イルであり、
ここで、当該(C−C)−アルキルは所望によりヒドロキシで置換されているか、
あるいは、
およびR10、または、R11およびR12は、それぞれ、それらが結合している窒素原子と一体となって結合して、単環式飽和4〜6員ヘテロシクロアルキル環を形成し、当該環は、N(R13)、OおよびS(O)から選択される第2環ヘテロ原子を含んでもよく、そして、環炭素原子で、フルオロ、メチル、オキソ、ヒドロキシ、アミノおよびアミノカルボニルからなる群から独立して選択される3個までの置換基で置換されていてもよく、
ここで、R13は、水素、ホルミルまたはアセチルである。}
を表す、一般式(I)の化合物に関する。
【0048】
異なる態様において、本発明は、
が、メチルであり、
が、メトキシである、
一般式(I)の化合物に関する。
【0049】
さらに異なる態様において、本発明は、
が、基−CH−OR
{式中、Rは、水素または(C−C)−アルキルであり、当該基は、所望によりヒドロキシ、メトキシ、アミノ、アミノカルボニルまたは3個までのフルオロ原子で置換されている。}
を表す、一般式(I)の化合物に関する。
【0050】
他の異なる態様において、本発明は、
が、基−CH−NR
{式中、
は、水素またはメチルであり、
は、(C−C)−アルキル、アセチル、シクロプロピル、シクロブチルまたは2−オキソピロリジン−3−イルであり、
ここで、当該(C−C)−アルキルは所望によりヒドロキシで置換されているか、
あるいは、
およびRは、それらが結合している窒素原子と一体となって結合して、単環式飽和5員または6員ヘテロシクロアルキル環を形成し、当該環は、NHおよびOから選択される第2環ヘテロ原子を含んでもよく、そして、環炭素原子で、オキソまたはヒドロキシで置換されていてもよい。}
を表す、一般式(I)の化合物に関する。
【0051】
他の異なる態様において、本発明は、
が、基−CH−NR10
{式中、
は、水素であり、
10は、アセチルまたは2−オキソピロリジン−3−イルであるか、
あるいは、
およびR10は、それらが結合している窒素原子と一体となって結合して、単環式飽和5員または6員ヘテロシクロアルキル環を形成し、当該環は、N(R13)およびOから選択される第2環ヘテロ原子を含んでもよく、そして、環炭素原子で、メチル、オキソ、ヒドロキシおよびアミノからなる群から独立して選択される2個までの置換基で置換されていてもよく、
ここで、
13は、水素、ホルミルまたはアセチルである。}
を表す、一般式(I)の化合物に関する。
【0052】
また、他の異なる態様において、本発明は、
が、基−C(=O)−NR1112
{式中、
11は水素であり、
12は、(C−C)−アルキルまたは2−オキソピロリジン−3−イルであり、
ここで、当該(C−C)−アルキルは所望によりヒドロキシで置換されているか、
あるいは、
11およびR12は、それらが結合している窒素原子と一体となって結合して、単環式飽和4〜6員ヘテロシクロアルキル環を形成し、当該環は、NHおよびOから選択される第2環ヘテロ原子を含んでもよく、環炭素原子で、オキソまたはヒドロキシで置換されていてもよい。}
を表す、一般式(I)の化合物に関する。
【0053】
特に好ましい態様において、本発明は、
が、メチルであり、
が、メトキシであり、
が、基−CH−OR
{式中、Rは、所望によりヒドロキシ、アミノまたはアミノカルボニルで置換されている(C−C)−アルキルである。}
を表し、
が、基−CH−NR10または−C(=O)−NR1112
{式中、
は、水素であり、
10は、2−オキソピロリジン−3−イルであるか、
あるいは、
およびR10は、それらが結合している窒素原子と一体となって結合して、ピペラジン−1−イル、3−オキソピペラジン−1−イルまたは4−アセチルピペラジン−1−イル環を形成し、
11は、水素であり、
12は、2−オキソピロリジン−3−イルであるか、
あるいは、
11およびR12は、それらが結合している窒素原子と一体となって結合して、3−ヒドロキシアゼチジン−1−イル、4−ヒドロキシピペリジン−1−イルまたは3−オキソピペラジン−1−イル環を形成する。}
を表す、一般式(I)の化合物に関する。
【0054】
また、それぞれの組み合わせで特記された基、または、好ましい組み合わせの基の定義は、他の組み合わせの基の定義によって、基について示された特定の組み合わせに関係なく、望み通りに置き換えられる。2個以上の上記の好ましい範囲の組み合わせが、特に好ましい。
【0055】
一般式(I)の化合物は、特定の選択されたG基およびG基(上記定義を参照)の性質によって主に決定される様々な合成経路によって製造できる。
【0056】
従って、他の態様において、本発明は、一般式(I)の化合物を製造する方法であって、以下を特徴とする方法に関する:
[A] 式(II):
【化2】
[この文献は図面を表示できません]
[式中、Rは、上記の意味を有する。]
の6位置換4−アミノピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジンを、最初に、ホルムアルデヒドおよび式(III):
【化3】
[この文献は図面を表示できません]
[式中、RおよびR10は、上記の意味を有する。]
のアミンと、酸の存在下で反応させ、式(IV):
【化4】
[この文献は図面を表示できません]
[式中、R、RおよびR10は、上記の意味を有する。]
の化合物を得て、次いで、それを臭素化して、式(V):
【化5】
[この文献は図面を表示できません]
[式中、R、RおよびR10は、上記の意味を有する。]
の化合物とし、続いて、それを式(VI):
【化6】
[この文献は図面を表示できません]
[式中、
およびRは、上記の意味を有し、
14は、水素または(C−C)−アルキルを表すか、または、両方のR14基が、一体となって結合して、−(CH)−、−C(CH)−C(CH)−、−(CH)−、−CH−C(CH)−CH−または−C(=O)−CH−N(CH)−CH−C(=O)−架橋を形成する。]
のベンゾチオフェン−2−イル ボロネートと、パラジウム触媒および塩基の存在下でカップリングさせ、式(I-A):
【化7】
[この文献は図面を表示できません]
[式中、R、R、R、RおよびR10は、上記の意味を有する。]
の標的化合物を得ること、あるいは、
【0057】
[B] 式(II):
【化8】
[この文献は図面を表示できません]
[式中、Rは、上記の意味を有する。]
の6位置換4−アミノピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジンを、最初に、塩化ホスホリルの存在下、N,N−ジメチルホルムアミドでホルミル化して、式(VII):
【化9】
[この文献は図面を表示できません]
[式中、Rは、上記の意味を有する。]
のアルデヒドを得て、次いで、それを臭素化して、式(VIII):
【化10】
[この文献は図面を表示できません]
[式中、Rは、上記の意味を有する。]
の化合物とし、続いて、式(VI):
【化11】
[この文献は図面を表示できません]
[式中、R、RおよびR14は、上記の意味を有する。]
のベンゾチオフェン−2−イル ボロネートと、パラジウム触媒および塩基の存在下でカップリングさせ、式(IX):
【化12】
[この文献は図面を表示できません]
[式中、R、RおよびRは、上記の意味を有する。]
の化合物を得て、次いで、それを、
【0058】
[B-1] 式(III):
【化13】
[この文献は図面を表示できません]
[式中、RおよびR10は、上記の意味を有する。]
のアミンと、酸および還元剤の存在下で反応させ、式(I-A):
【化14】
[この文献は図面を表示できません]
[式中、R、R、R、RおよびR10は、上記の意味を有する。]
の標的化合物を得るか、または、
【0059】
[B-2] 式(X):
【化15】
[この文献は図面を表示できません]
[式中、R、RおよびRは、上記の意味を有する。]
のカルボン酸に酸化して、最後に、式(XI):
【化16】
[この文献は図面を表示できません]
[式中、R11およびR12は、上記の意味を有する。]
のアミンと、縮合剤の存在下でカップリングさせ、式(I-B):
【化17】
[この文献は図面を表示できません]
[式中、R、R、R、R11およびR12は、上記の意味を有する。]
の標的化合物を得ること、あるいは、
【0060】
[C] 式(XII):
【化18】
[この文献は図面を表示できません]
の6位置換4−アミノ−5−ブロモピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジンを、最初に、式(VI):
【化19】
[この文献は図面を表示できません]
[式中、R、RおよびR14は、上記の意味を有する。]
のベンゾチオフェン−2−イル ボロネートと、パラジウム触媒および塩基の存在下でカップリングさせ、式(XIII):
【化20】
[この文献は図面を表示できません]
[式中、RおよびRは、上記の意味を有する。]
の化合物を得て、それをホルムアルデヒドおよび式(III):
【化21】
[この文献は図面を表示できません]
[式中、RおよびR10は、上記の意味を有する。]
のアミンと、酸の存在下で反応させ、式(I-C):
【化22】
[この文献は図面を表示できません]
[式中、R、R、RおよびR10は、上記の意味を有する。]
の化合物を得て、続いて、それを
【0061】
[C-1] 式(XIV):
【化23】
[この文献は図面を表示できません]
[式中、R、R、RおよびR10は、上記の意味を有する。]
のアルデヒドに酸化して、それを式(XV):
【化24】
[この文献は図面を表示できません]
[式中、RおよびRは、上記の意味を有する。]
のアミンで、酸および還元剤の存在下で処理し、式(I-D):
【化25】
[この文献は図面を表示できません]
[式中、R、R、R、R、RおよびR10は、上記の意味を有する。]
の標的化合物を得るか、または、
【0062】
[C-2] 式(XVI):
【化26】
[この文献は図面を表示できません]
[式中、R、R、RおよびR10は、上記の意味を有し、
Xは、クロロ、ブロモまたはヨードである。]
の対応する6−(ハロメチル)誘導体に変換し、それを式(XVII):
【化27】
[この文献は図面を表示できません]
[式中、R3Aは、上記のRの水素以外の意味を有する。]
のアルコールで、塩基の存在下で処理し、式(I-E):
【化28】
[この文献は図面を表示できません]
[式中、R、R、R3A、RおよびR10は、上記の意味を有する。]
の標的化合物を得ること;
所望により、適切な場合は、続いて、(i) このようにして得られた式(I)の化合物を、好ましくはクロマトグラフ法を用いて、そのエナンチオマーおよび/またはジアステレオマーに分離すること、および/または、(ii) 対応する溶媒および/または酸または塩基で処理することによって、式(I)の化合物を、その水和物、溶媒和物、塩および/または塩の水和物または溶媒和物に変換すること。
【0063】
上記の方法によって製造できる式(I-A)、(I-B)、(I-C)、(I-D)および(I-E)の化合物は、それぞれ、一般式(I)の化合物の特定のサブセットを表す。
【0064】
マンニッヒタイプのアミノメチル化反応を表す製造工程[A](II)→(IV)および[C](XIII)→(I-C)は、通常の方法で、それぞれの出発化合物を、ホルムアルデヒド水溶液およびアミン成分(III)の混合物で、酸触媒、例えば蟻酸または酢酸の存在下で処理することによって行われる。好ましくは、酢酸は、触媒および溶媒の両方として用いられる。反応は、通常、+20℃〜+80℃の範囲の温度で行われる。
【0065】
製造工程[A](IV)→(V)および[B](VII)→(VIII)における臭素化反応剤として、好ましくは、N−ブロモスクシンイミド(NBS)、1,3−ジブロモ−5,5−ジメチルヒダントイン(DBDMH)または臭素が用いられる。反応は、一般的に、不活性溶媒中で、例えばジクロロメタン、クロロホルム、テトラヒドロフラン、アセトニトリルまたはN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)中で、−78℃〜+20℃の温度範囲内で行われる。
【0066】
カップリング反応[A](V)+(VI)→(I-A)、[B](VIII)+(VI)→(IX)、および、[C](XII)+(VI)→(XIII)[“鈴木−宮浦カップリング”]は、一般的に、不活性溶媒中で、パラジウム触媒および塩基水溶液を用いて行われる。この目的に適したパラジウム触媒は、例えば、酢酸パラジウム(II)、塩化パラジウム(II)、塩化 ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)、塩化 ビス(アセトニトリル)パラジウム(II)、塩化 [1,1'−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(II)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)、ビス(ジベンジリデンアセトン)パラジウム(0)、および、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)を含み、所望により他のホスフィンリガンド、例えば、2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2',4',6'−トリイソプロピルビフェニル(X-Phos)、2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2',6'−ジメトキシビフェニル(S-Phos)、4,5−ビス(ジフェニルホスフィノ)−9,9−ジメチルキサンテン (Xantphos)、または、4−(ジ−tert−ブチル−ホスフィノ)−N,N−ジメチルアニリンと組み合わせる。また、反応条件下で触媒として活性な種を生成するパラジウム・プレ触媒、例えば(2'−アミノビフェニル−2−イル)−(クロロ)パラジウム−ジシクロヘキシル(2',4',6'−トリイソプロピルビフェニル−2−イル)ホスフィンを用いることができる[例えば S. Kotha et al., Tetrahedron 58, 9633-9695 (2002); T. E. Barder et al., J. Am. Chem. Soc. 127 (13), 4685-4696 (2005); S. L. Buchwald et al., J. Am. Chem. Soc. 132 (40), 14073-14075 (2010)およびこれらに引用された参考文献を参照のこと]。
【0067】
これらのカップリング反応に適した塩基は、特に、炭酸アルカリ金属塩、例えば炭酸ナトリウム、炭酸カリウムまたは炭酸セシウム、リン酸アルカリ金属塩、例えばリン酸ナトリウムまたはリン酸カリウム、または、フッ化アルカリ金属塩、例えばフッ化カリウムまたはフッ化セシウムである。通常、これらの塩基は、水溶液として用いられる。反応は、反応条件下で不活性な有機溶媒中で行われる。好ましくは、水と混和できる有機溶媒、例えば1,2−ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、アセトニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)またはジメチルスルホキシド(DMSO)が用いられるが、他の不活性溶媒、例えばジクロロメタンまたはトルエンを用いてもよい。
【0068】
製造工程[B](II)→(VII)[“ビルスマイヤー・ハック・ホルミル化”]は、通常の方法で、ピロロトリアジン(II)を、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)溶媒中、塩化ホスホリルで処理することによって行われる。反応は、通常、0℃〜+80℃の温度で行われる。
【0069】
還元的アミノ化反応[B-1](IX)+(III)→(I-A)および[C-1](XIV)+(XV)→(I-D)に適した還元剤は、慣用の水素化ホウ素アルカリ金属塩、例えば水素化ホウ素リチウム、水素化ホウ素ナトリウム、水素化ホウ素カリウム、シアノ水素化ホウ素ナトリウムまたはトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウムである。変換は、一般的に、アミン成分(III)および(XV)および/または用いられた特定の水素化ホウ素塩の反応性に応じて、酸、好ましくは酢酸の存在下で、アルコールまたはエーテル溶媒中、例えばメタノール、エタノール、イソプロパノール、テトラヒドロフランまたは1,4−ジオキサン中で、0℃〜+80℃の温度範囲内で行われる。
【0070】
製造工程[B-2](IX)→(X)の酸化反応において、次亜塩素酸塩スカベンジャー、例えば2−メチル−2−ブテンの存在下での亜塩素酸ナトリウムによる酸化は、選択肢の方法を表す [cf. H. W. Pinnick et al., Tetrahedron 37, 2091-2096 (1981); A. Raach and O. Reiser, J. Prakt. Chem. 342 (6), 605-608 (2000)およびこれらに引用された参考文献]。反応は、通常、テトラヒドロフラン/水の混合物中、0℃から環境温度の間の温度で行われる。
【0071】
製造工程[B-2](X)+(XI)→(I-B)[アミド形成]に適した縮合剤は、例えば、カルボジイミド、例えばN,N'−ジエチル−、N,N'−ジプロピル−、N,N'−ジイソプロピル、N,N'−ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)またはN−(3−ジメチルアミノプロピル)−N'−エチルカルボジイミド(EDC)、ホスゲン誘導体、例えばN,N'−カルボニルジイミダゾール(CDI)またはクロロ蟻酸イソブチル、α−クロロエナミン、例えば1−クロロ−2−メチル−1−ジメチルアミノ−1−プロペン、リン化合物、例えば無水プロパンホスホン酸、シアノホスホン酸ジエチル、塩化 ビス(2−オキソ−3−オキサゾリジニル)ホスホリル、ベンゾトリアゾール−1−イルオキシ−トリス(ジメチルアミノ)−ホスホニウム ヘキサフルオロホスフェート(BOP)またはベンゾトリアゾール−1−イルオキシ−トリス(ピロリジノ)ホスホニウム ヘキサフルオロホスフェート(PyBOP)、および、ウロニウム化合物、例えばO−(ベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N',N'−テトラメチルウロニウム テトラフルオロボレート(TBTU)、O−(ベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N',N'−テトラメチルウロニウム ヘキサフルオロホスフェート(HBTU)、2−(2−オキソ−1−(2H)−ピリジル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウム テトラフルオロボレート(TPTU)、O−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N',N'−テトラメチルウロニウム ヘキサフルオロホスフェート(HATU)またはO−(1H−6−クロロベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウム テトラフルオロボレート(TCTU)を含み、適切な場合は、さらなる補助剤、例えば1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt)またはN−ヒドロキシスクシンイミド(HOSu)、および/または、塩基、例えば炭酸アルカリ金属塩、例えば炭酸ナトリウムまたは炭酸カリウム、または、有機アミン塩基、例えばトリエチルアミン、N−メチルピペリジン、N−メチルモルホリン(NMM)、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(DIPEA)、ピリジンまたは4−N,N−ジメチルアミノピリジン(DMAP)と組み合わせる。好ましいのは、O−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N',N'−テトラメチルウロニウム ヘキサフルオロホスフェート(HATU)またはO−(ベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N',N'−テトラメチルウロニウム テトラフルオロボレート(TBTU)を、N,N−ジイソプロピルエチルアミン (DIPEA)および所望により1−ヒドロキシ−ベンゾトリアゾール(HOBt)と組み合わせて用いることである。
【0072】
製造工程[B-2](X)+(XI)→(I-B)のための不活性溶媒は、例えば、エーテル、例えばジエチルエーテル、tert−ブチル メチル エーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサンまたは1,2−ジメトキシエタン、炭化水素、例えばベンゼン、トルエン、キシレン、ヘキサンまたはシクロヘキサン、ハロゲン化炭化水素、例えばジクロロメタン、トリクロロメタン、四塩化炭素、1,2−ジクロロエタン、トリクロロエチレンまたはクロロベンゼン、または、他の溶媒、例えばアセトン、アセトニトリル、酢酸エチル、ピリジン、ジメチルスルホキシド(DMSO)、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N'−ジメチルプロピレン尿素(DMPU)またはN−メチルピロリジノン(NMP)である。また、これらの溶媒の混合物を使用できる。好ましいのは、ジクロロメタン、テトラヒドロフラン、N,N−ジメチルホルムアミドまたはその混合物を用いることである。反応は、一般的に、0℃〜+60℃の温度範囲で、好ましくは+10℃〜+40℃で行われる。
【0073】
穏やかな条件下で第1級アルコール(I-C)をアルデヒド(XIV)に変換できる酸化剤(工程[C-1])は、1,1,1−トリアセトキシ−1,1−ジヒドロ−1,2−ベンゾヨードキソール−3(1H)−オン(“デス・マーチン・ペルヨージナン”)、第2酸化剤、例えばヨードソベンゼン−I,I−ジアセテートまたは次亜塩素酸ナトリウムと組み合わせた2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−オキシル(TEMPO)、および、ジメチルスルホキシド(DMSO)をベースとした酸化系、例えばDMSO/無水トリフルオロ酢酸またはDMSO/N,N'−ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)を含む。好ましくは、1,1,1−トリアセトキシ−1,1−ジヒドロ−1,2−ベンゾヨードキソール−3(1H)−オンである。反応は、一般的に、不活性溶媒中で行われ、好ましくはジクロロメタンを用いて行われる。
【0074】
製造工程[C-2](I-C)→(XVI)におけるヒドロキシからハロゲンへの変換において、当技術分野で周知の様々な標準的な方法および反応剤が用いられ得る。反応剤の選択は、塩化チオニル[X=Clについて]、テトラブロモメタン/トリフェニルホスフィン[X=Brについて]、および、ヨウ素/トリフェニルホスフィン[X=Iについて]である。6−(クロロメチル)誘導体(XVI)[X=Cl]の製造は、後処理が好都合で化合物が安定であるという理由で好ましい。
【0075】
製造工程[C-2](XVI)+(XVII)→(I-E)[エーテル形成]に適した塩基は、特に、炭酸アルカリ金属塩、例えば炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムまたは炭酸セシウム、酢酸アルカリ金属塩、例えば酢酸ナトリウムまたは酢酸カリウム、または、慣用の第3級アミン塩基、例えばトリエチルアミン、N−メチルモルホリン、N−メチルピペリジン、N,N−ジイソプロピルエチルアミンまたはピリジンである。好ましくは、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(DIPEA)である。反応(XVI)+(XVII)→(I-E)は、不活性溶媒中、例えばテトラヒドロフラン中、または、溶媒なしで過剰のアルコール(XVII)を用いて、+20℃〜+200℃、好ましくは+50℃〜+150℃の範囲の温度で行われる。有利には、変換は、マイクロ波反応装置によって行われる。
【0076】
反応順序(I-C)→(XVI)→(I-E)は、2つの別個の工程、すなわち中間体化合物(XVI)の単離および精製を伴って行われても、ワンポット法、すなわち製造反応で得られたままの粗製の中間体(XVI)を用いて行われてもよい。
【0077】
第1級または第2級アミン部分が、式(I)の標的化合物中のGまたはG基の一部を形成する場合、時には、上記の製造反応において、遊離アミンの代わりに反応要素としてこのアミンの保護誘導体を用いることが適切であり得る。この目的のために、慣用の一時的なアミノ保護基、例えばアシル基(例えばアセチルまたはトリフルオロアセチル)またはカルバメート型保護基(例えばBoc基、Cbz基またはFmoc基)を用いてもよい。好ましくは、Boc(tert−ブトキシカルボニル)基が用いられる。同様に、GまたはG基の一部であるヒドロキシ官能基は、前駆体化合物および工程中間体において、例えばテトラヒドロピラニル(THP) エーテルとして、または、シリル エーテル誘導体、例えばトリメチルシリルまたはtert−ブチルジメチルシリル エーテルとして、一時的にブロックされ得る。
【0078】
次いで、これらの保護基は、水での後処理および精製の手順の間に同時に切断され得るか、または、当技術分野で周知の標準的な方法を用いて、連続した別個の反応工程で切断される。対応する遊離アミンまたはアルコールからの当該保護された中間体の製造は、同様に、文献[例えば、T. W. Greene and P. Wuts, Protective Groups in Organic Synthesis, Wiley, New York, 1999を参照のこと]に記載された一般的な手順に従って、容易に達成される。
【0079】
保護された(すなわちアシル化した)アミン誘導体の特定のタイプは、それ自身、顕著なFGFR阻害活性を有する。従って、このような化合物はまた、上で定義した一般式(I)に包含される。
【0080】
本発明の化合物の製造は、下記の反応スキームによって説明され得る:
スキーム1
【化29】
[この文献は図面を表示できません]
【0081】
スキーム2
【化30】
[この文献は図面を表示できません]
【0082】
スキーム3
【化31】
[この文献は図面を表示できません]
【0083】
スキーム4
【化32】
[この文献は図面を表示できません]
【0084】
式(II)の6位置換4−アミノピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジンは、例えば、下記のスキーム5に記載された2つの異なる経路によって製造できる。最初の経路では、4−アミノ−6−シアノピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン(XVIII)を、酸媒介アルコール分解によってエステル(XIX)に変換し、次いで、トリエチル水素化ホウ素リチウムを用いて6−(ヒドロキシメチル)化合物(IIa)[(II)におけるR=H]に還元する。対応する6−(ハロメチル)ピロロトリアジン、例えばクロロ化合物(XX)への標準的な変換に続いて、塩基存在下で式(XVII)のアルコールで処理することによって、式(IIb)のエーテル誘導体[(II)におけるR≠H]を提供する。出発化合物(XVIII)の製造は、以前に記載されている[国際特許出願 WO 2007/ 064883 (中間体AX/工程3)を参照のこと]。
【0085】
第2経路は、保護された1−アミノ−4−ブロモ−2−シアノピロール(XXI)[国際特許出願 WO 2007/064883 (中間体AAE, 工程3)に示した製造]から出発する。ウレタン窒素を脱保護し、続いて4位をメタレーションし、ホルムアルデヒドと反応させて、4−(ヒドロキシメチル)誘導体(XXII)を得る。塩化水素で処置し、続いてアルコール(XVII)を添加し、ワンポット法を用いてホルムアミジンで縮合して、式(IIb)の標的化合物を提供する。この経路は、アルコール反応剤(XVII)がこれらの場合の反応溶媒としての役割も果たし得る点で、アルキルエーテル誘導体[(IIb)におけるR3A=(C−C)−アルキル]の製造に特に適している。
【0086】
スキーム5
【化33】
[この文献は図面を表示できません]
【0087】
式(XII)の4−アミノ−5−ブロモピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン誘導体は、4−アミノ−6−(ヒドロキシメチル)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン(IIa)(スキーム5参照)から、最初に1,3−ジブロモ−5,5−ジメチルヒダントインを用いて5,7−ジブロモ化し、続いてn−ブチルリチウムとのハロゲン−金属交換を介して選択的に7位脱ブロモ化し、続いてメタノールで反応停止することによって(下記のスキーム6を参照のこと)、容易に利用可能である。
【0088】
スキーム6
【化34】
[この文献は図面を表示できません]
【0089】
式(VI)のベンゾチオフェン−2−イル ボロネートは、好都合には、式(XXIV)の置換チオフェノール誘導体から出発して製造できる(下記のスキーム7を参照のこと)。ブロモアセタール(XXV)でアルキル化し、続いてポリリン酸介在環化をして、式(XXVII)のベンゾチオフェン中間体を得る。これを次いで2位でメタレーションし、トリアルキル ボレートと反応させる。アルカリで後処理し、式(VIa)の遊離の(ベンゾチオフェン−2−イル)ボロン酸を得る。これは、望ましいならば、当技術分野で既知の標準的な手順によって、式(VIb)の環状ボロネート、例えばいわゆるMIDA ボロネートに変換してもよい[例えばD. M. Knapp et al., J. Am. Chem. Soc. 131 (20), 6961-6963 (2009)を参照のこと]。
【0090】
スキーム7
【化35】
[この文献は図面を表示できません]
[P. A. Ple and L. J. Marnett, J. Heterocyclic Chem. 25 (4), 1271-1272 (1988); A. Ventu-relli et al., J. Med. Chem. 50 (23), 5644-5654 (2007)を参照のこと]。
【0091】
式(III)、(XI)、(XV)、(XVII)、(XXIV)および(XXV)の化合物は、市販されているか、文献既知であるか、または、利用可能な出発物質から文献に記載された標準的な方法を適合させることによって容易に製造できる。出発物質を製造するための詳細な手順および参考文献は、実施例の出発物質および中間体の製造についての章で見出され得る。
【0092】
一般式(I)の化合物のさらなるサブグループの製造は、下記の反応スキーム8〜14で説明される。必要なピロロトリアジン前駆体は、当技術分野で周知の慣用の方法によって容易に合成でき、さらなる合成は、多くの場合、上記の製造工程の章で略記した製造経路に従い、類似のタイプの反応、例えば、臭素化、ボロネートカップリング、アミノメチル化、還元アミノ化、酸化、および/または、エーテルまたはアミド形成反応を用いて行う。さらなる詳細は、例示的態様の製造および各前駆体化合物についての実施例で提供される。
【0093】
スキーム8
【化36】
[この文献は図面を表示できません]
[R8A、R8B=(C−C)−アルキル、シクロプロピルまたはシクロブチル]。
【0094】
スキーム9
【化37】
[この文献は図面を表示できません]
[R8A=(C−C)−アルキル、シクロプロピルまたはシクロブチル;X=Cl、BrまたはI]。
【0095】
スキーム10
【化38】
[この文献は図面を表示できません]
[R=(C−C)−アルキル]。
【0096】
スキーム11
【化39】
[この文献は図面を表示できません]
[R=クロロまたは(C−C)−アルキル;出発物質(XXVIII)の製造については、国際特許出願WO 2007/064883およびWO 2007/056170をそれぞれ参照のこと]。
【0097】
スキーム12
【化40】
[この文献は図面を表示できません]
[出発化合物(XXIX)の製造については、下記のスキーム14を参照のこと]。
【0098】
スキーム13
【化41】
[この文献は図面を表示できません]
【0099】
スキーム14
【化42】
[この文献は図面を表示できません]
【0100】
本発明の化合物は、有益な薬理学的性質を有し、ヒトおよび他の哺乳動物の障害を予防および処置するのに用いられ得る。
【0101】
本発明の化合物は、受容体チロシンキナーゼ、特にFGFRキナーゼ、最も顕著にはFGFR−1およびFGFR−3キナーゼの活性または発現の強力な阻害剤である。従って、他の態様において、本発明は、処置を必要とする患者において、FGFRキナーゼ活性が関連するまたは介在する障害を処置する方法であって、該患者に、有効量の上で定義した式(I)の化合物を投与することを含む方法を提供する。或る態様において、FGFRキナーゼ活性が関連する障害は、増殖性障害、特に癌および腫瘍疾患である。
【0102】
本発明の内容において、用語“処置”または“処置する”は、疾患、障害、状態または容態を、その発症および/または進行および/または症候を阻害し、遅延し、軽減し、緩和し、阻止し、減少させまたはその退縮を起こすことを含む。用語“予防”または“予防する”は、疾患、障害、状態または容態を、その発症および/または進行および/または症候を、有する、罹患する、または経験するリスクを減少させることを含む。用語“予防”(prevention)は、予防(prophylaxis)を含む。障害、疾患、状態または容態の処置または予防は、部分的であっても完全であってもよい。
【0103】
用語“増殖性障害”は、望ましくないまたは制御されていない細胞増殖を含む障害を含む。本発明の化合物は、細胞増殖および/または細胞分割を予防し、阻害し、遮断し、軽減し、減少させ、制御することなど、および/または、アポトーシスを生じさせることに利用できる。本方法は、ヒトを含む哺乳動物を含む処置を必要とする対象に、該障害を処置または予防するのに有効な本発明の化合物またはその薬学的に許容される塩、異性体、多形、代謝物、水和物または溶媒和物を或る量で投与することを含む。
【0104】
この明細書を通して、単純にするために、単数表現を複数表現より好んで用いているが、一般的に、特に断りのない限り、単数表現は複数表現を含むことを意味する。例えば、“患者において疾患を処置する方法であって、有効量の式(I)の化合物を患者に投与することを含む方法”は、1種より多い疾患の同時処置、および、1種より多い式(I)の化合物の投与を含むことを意味する。
【0105】
本発明の化合物で処置および/または予防できる増殖性障害は、特に、癌および腫瘍疾患のグループを含むが、これらに限定されない。これらは、特に、下記の疾患を意味すると理解されるが、それらに限定されない:乳癌および乳房の腫瘍(乳管および小葉型、また非浸潤性のもの)、呼吸管の腫瘍(小細胞肺癌および非小細胞肺癌、小細胞癌および非小細胞癌、気管支癌、気管支腺腫、胸膜肺芽腫)、脳の腫瘍(例えば脳幹の腫瘍、および視床下部の腫瘍、星状細胞腫、神経膠芽腫、髄芽腫、上衣腫、神経外胚葉腫瘍および松果体腫瘍)、消化器(食道、胃、胆嚢、小腸、大腸、直腸、肛門)の腫瘍、肝臓の腫瘍(とりわけ肝細胞癌、胆管細胞癌、および、肝細胞・胆管細胞混合型腫瘍)、頭および頸部(喉頭、下咽頭、上咽頭、中咽頭、口唇および口腔)の腫瘍、皮膚癌(扁平上皮癌、カポジ肉腫、悪性黒色腫、メルケル細胞皮膚癌および非黒色腫皮膚癌)、軟部組織の腫瘍(とりわけ軟部組織肉腫、骨肉腫、悪性線維性組織球腫、リンパ肉腫および横紋筋肉腫)、眼の腫瘍(とりわけ眼球内黒色腫、ぶどう膜黒色腫および網膜芽細胞腫)、内分泌腺および外分泌腺(例えば甲状腺および副甲状腺、膵臓および唾液腺)の腫瘍、尿路の腫瘍(膀胱、陰茎、腎臓、腎盂および尿管の腫瘍)、生殖器の腫瘍(女性における子宮内膜、子宮頸、卵巣、膣、外陰部および子宮の癌、および、男性における前立腺および精巣の癌)、ならびに、その遠隔転移。これらの障害はまた、固形癌および循環血液細胞としての増殖性血液疾患、例えばリンパ腫、白血病、および、骨髄増殖性疾患、例えば急性骨髄腫、急性リンパ芽球性、慢性リンパ性、慢性骨髄性および有毛細胞白血病、および、AIDS関連リンパ腫、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、皮膚T細胞リンパ腫、バーキットリンパ腫および中枢神経系のリンパ腫を含む。
【0106】
本発明の化合物の活性および選択性プロファイルのために、本発明の化合物は、胸部(乳房)、肺、胃、膀胱および卵巣の癌および腫瘍疾患の処置に特に適当であると考えられる。さらに、本発明の化合物は、全般的な腫瘍転移の予防または抑制に特に適している。
【0107】
本発明の化合物および方法で処置および/または予防できる他の増殖性障害は、乾癬、ケロイドおよび他の皮膚に影響を与える過形成、水疱性類天疱瘡、多形紅斑および疱疹状皮膚炎を含む表皮下水疱形成を伴う水疱性障害、線維性障害、例えば肺線維症、アテローム性動脈硬化症、再狭窄および肝硬変、メサンギウム細胞増殖性障害、糸球体症、糸球体腎炎、糖尿病性腎症、悪性腎硬化症および多発性嚢胞腎疾患を含む腎臓疾患、良性前立腺過形成(BPH)、血管新生のまたは血管増殖性障害および血栓性微小血管障害症候群を含む。
【0108】
本発明の化合物はまた、眼疾患、例えば加齢黄斑変性(AMD)、萎縮型黄斑変性、虚血性網膜静脈閉塞症、糖尿病性黄斑浮腫、糖尿病網膜症、未熟児網膜症および他の網膜症の処置および/または予防に有用である。
【0109】
本発明の化合物を投与することによって処置および/または予防し得る他の状態は、婦人科疾患、例えば子宮内膜症、筋腫および卵巣嚢腫、脂肪生成、胆汁代謝、リン酸代謝、カルシウム代謝および/または骨ミネラル化に関連する代謝障害、骨格障害、例えば低身長症、軟骨形成不全およびパイフェル症候群、軟骨疾患、例えば変形性関節症および多発性関節炎、関節リウマチ、禿頭症および移植拒絶反応を含む。
【0110】
上記の疾患は、ヒトにおいて、よく特徴づけられているが、他の哺乳動物においても、比較可能な病因で存在し、本発明の化合物および方法で処置できる。
【0111】
従って、本発明は、さらに、障害、特に上記の障害を処置および/または予防するための本発明の化合物の使用に関する。
【0112】
本発明は、さらに、障害、特に上記の障害を処置および/または予防する医薬組成物を製造するための、本発明の化合物の使用に関する。
【0113】
本発明は、さらに、障害、特に上記の障害を処置および/または予防する方法における、本発明の化合物の使用に関する。
【0114】
本発明は、さらに、有効量の少なくとも1種の本発明の化合物を用いることによって、障害、特に上記の障害を処置および/または予防する方法に関する。
【0115】
本発明の化合物を、唯一の薬剤として投与してもよく、または、組み合わせが望ましくないおよび/または許容されない副作用を起こさない限り、1種以上のさらなる治療薬と組み合わせて投与してもよい。このような併用治療は、上で定義した式(I)の化合物および1種以上のさらなる治療薬を含む一つの医薬投与製剤の投与、ならびに、それぞれ別個の医薬投与製剤における式(I)の化合物およびさらなる治療薬の投与を含む。例えば、式(I)の化合物および1つの治療薬を、1個の(固定化された)経口投与組成物、例えば錠剤またはカプセル剤で、一緒に患者に投与してもよく、または、それぞれの薬物を別個の投与製剤で投与してもよい。
【0116】
別個の投与製剤を用いるとき、式(I)の化合物と1種以上のさらなる治療薬を、基本的に同時に(すなわち共に)投与しても、別個に時間差で(すなわち連続で)投与してもよい。
【0117】
特に、本発明の化合物は、他の抗癌剤、例えばアルキル化剤、代謝拮抗薬、植物誘発抗癌剤、ホルモン治療薬、トポイソメラーゼ阻害剤、チューブリン阻害剤、キナーゼ阻害剤、標的化薬物、抗体、抗体−薬物コンジュゲート(ADC)、免疫剤、生物学的応答修飾剤、抗血管新生化合物、および、他の抗増殖性細胞分裂阻害剤および/または細胞毒との固定化された組み合わせまたは別個の組み合わせで用いられ得る。この点で、下記は、本発明の化合物と組み合わせて用いられ得る第2薬物の例の非限定的な一覧である:
アバレリックス、アビラテロン、アクラルビシン、アファチニブ、アフリベルセプト、アルデスロイキン、アレムツズマブ、アリトレチノイン、アルファラディン(alpharadin)、アルトレタミン、アミノグルテチミド、アモナファイド(amonafide)、アムルビシン、アムサクリン、アナストロゾール、アンドロムスチン(andromustine)、アルグラビン、アスパラギナーゼ、アキシチニブ、5−アザシチジン、バシリキシマブ、ベロテカン、ベンダムスチン、ベバシズマブ、ベキサロテン、ビカルタミド、ビサントレン、ブレオマイシン、ボルテゾミブ、ボスチニブ、ブリバニブアラニンエステル、ブセレリン、ブスルファン、カバジタキセル、CAL-101、ホリナートカルシウム、レボホリナートカルシウム、カンプトテシン、カペシタビン、カルボプラチン、カルモフール、カルムスチン、カツマキソマブ、セジラニブ、セルモロイキン、セツキシマブ、クロラムブシル、クロルマジノン、クロルメチン、シドホビル、シスプラチン、クラドリビン、クロドロン酸、クロファラビン、コンブレタスタチン、クリサンタスパーゼ、クリゾチニブ、シクロホスファミド、シプロテロン、シタラビン、ダカルバジン、ダクチノマイシン、ダルベポエチン アルファ、ダーリナパーシン(darinaparsin)、ダサチニブ、ダウノルビシン、デシタビン、デガレリクス、デニロイキンジフチトクス、デノスマブ、デスロレリン、塩化ジブロスピジウム(dibrospidium chloride)、ドセタキセル、ドビチニブ、ドキシフルリジン、ドキソルビシン、デュタステリド、エクリズマブ、エドレコロマブ、エフロルニチン、エリプチニウム アセテート、エルトロンボパグ、エンドスタチン、エノシタビン、エピムビシン(epimbicin)、エピルビシン、エピチオスタノール、エポエチン アルファ、エポエチン ベータ、エポチロン、エプタプラチン(eptaplatin)、エリブリン、エルロチニブ、エストラジオール、エストラムスチン、エトポシド、エベロリムス、エキサテカン、エキセメスタン、エクシスリンド、ファドロゾール、フェンレチニド、フィルグラスチム、フィナステリド、フラボピリドール、フルダラビン、5−フルオロウラシル、フルオキシメステロン、フルタミド、ホレチニブ、ホルメスタン、ホテムスチン、フルベストラント、ガニレリクス、ゲフィチニブ、ゲムシタビン、ゲムツズマブ、ギマテカン、ギメラシル、グルホスファミド、グルトキシム(glutoxim)、ゴセレリン、ヒストレリン、ヒドロキシ尿素、イバンドロン酸、イブリツモマブ チウキセタン、イダルビシン、イホスファミド、イマチニブ、イミキモド、インプロスルファン、インテダニブ(intedanib)、インターフェロン アルファ、インターフェロン アルファ−2a、インターフェロン アルファ−2b、インターフェロン ベータ、インターフェロン ガンマ、インターロイキン−2、イピリムマブ、イリノテカン、イキサベピロン、ランレオチド、ラパチニブ、ラソフォキシフェン、レナリドミド、レノグラスチム、レンチナン、レンバチニブ、レスタウルチニブ、レトロゾール、リュープロレリン、レバミゾール、リニファニブ、リンスチニブ(linsitinib)、リスリド、ロバプラチン(lobaplatin)、ロムスチン、ロニダミン、ルルトテカン、マホスファミド、マパツムマブ(mapatumumab)、マシチニブ、マソプロコール、メドロキシプロゲステロン、メゲストロール、メラルソプロール、メルファラン、メピチオスタン、メルカプトプリン、メトトレキサート、アミノレブリン酸メチル、メチルテストステロン、ミファムルチド、ミフェプリストン、ミルテホシン、ミリプラチン、ミトブロニトール、ミトグアゾン、ミトラクトール、マイトマイシン、ミトタン、ミトキサントロン、モルグラモスチム、モテサニブ、ナンドロロン、ネダプラチン、ネララビン、ネラチニブ、ニロチニブ、ニルタミド、ニモツズマブ(nimotuzumab)、ニムスチン、ニトラクリン、ノラトレキセド、オファツムマブ、オプレルベキン、オキサリプラチン、パクリタキセル、パリフェルミン、パミドロン酸、パニツムマブ、パゾパニブ、ペグアスパルガーゼ、ペグ−エポエチン ベータ、ペグフィルグラスチム(pegfilgastrim)、ペグ−インターフェロン アルファ−2b、ペリトレキソール、ペメトレキセド、ペムツモマブ(pemtumomab)、ペントスタチン、ペプロマイシン、ペルホスファミド、ペリホシン、ペルツズマブ、ピシバニール、ピラムビシン(pirambicin)、ピラルビシン、プレリキサフォル、プリカマイシン、ポリグルサム(poliglusam)、リン酸ポリエストラジオール、ポナチニブ、ポルフィマー ナトリウム、プララトレキサート、プレドニムスチン、プロカルバジン、プロコダゾール、PX-866、キナゴリド、ラロキシフェン、ラルチトレキセド、ラニビズマブ、ラニムスチン、ラゾキサン、レゴラフェニブ、リセドロン酸、リツキシマブ、ロミデプシン、ロミプロスチム、ルビテカン、サラカチニブ、サルグラモスチム、サトラプラチン、セルメチニブ、シプロイセル−T、シロリムス、シゾフィラン、ソブゾキサン、ソラフェニブ、ストレプトゾシン、スニチニブ、タラポルフィン、タミバロテン、タモキシフェン、タンズチニブ、タソネルミン、テセロイキン、テガフール、テラタニブ(telatinib)、テモポルフィン、テモゾロミド、テムシロリムス、テニポシド、テストラクトン、テストステロン、テトロホスミン、サリドマイド、チオテパ、チマルファシン、チオグアニン、ティピファニブ、チボザニブ、トセラニブ(toceranib)、トシリズマブ、トポテカン、トレミフェン、トシツモマブ、トラベクテジン、トラスツズマブ、トレオスルファン、トレチノイン、トリアピン、トリロスタン、トリメトレキサート、トリプトレリン、トロホスファミド、ウベニメクス、バルルビシン、バンデタニブ、バプレオチド、バルリチニブ(varlitinib)、バタラニブ、ベムラフェニブ、ビダラビン、ビンブラスチン、ビンクリスチン、ビンデシン、ビンフルニン、ビノレルビン、ボロシキシマブ、ボリノスタット、ジノスタチン、ゾレドロン酸およびゾルビシン。
【0118】
一般的に、下記の目的は本発明の化合物と他の抗癌剤との組み合わせ剤で達成できる:
・活性な化合物単独での処置と比べて、腫瘍の増殖を遅らせる、腫瘍の大きさを減少させる、または、腫瘍を完全に除去する活性の改善;
・用いられる化学療法剤を、単剤治療よりも低い投与量で用いることが可能:
・個々の投与と比較して、少ない副作用で、より耐容性の治療が可能;
・より広範囲の癌および腫瘍疾患の処置が可能;
・治療に対して、より速い応答速度を達成;
・標準的な治療と比べて、より長い患者の生存時間。
【0119】
従って、さらなる態様において、本発明は、少なくとも1種の本発明の化合物、および、障害、特に上記障害を処置および/または予防する1種以上のさらなる治療薬を含む医薬組成物に関する。
癌の処置において、本発明の化合物はまた、放射線治療および/または外科的処置と組み合わせて用いられ得る。
【0120】
さらに、式(I)の化合物を、そのまま、または、研究や診断における組成物で、または、当技術分野で周知の分析参照標準として利用し得る。
【0121】
本発明の化合物が医薬としてヒトおよび他の哺乳動物に投与されるとき、それらは、それ自身で、または、1種以上の薬学的に許容される添加物と組み合わせた、例えば0.1%〜99.5%(より好ましくは0.5%〜90%)の有効成分を含む医薬組成物として与えられる。
【0122】
従って、他の局面において、本発明は、慣用的には1種以上の不活性な非毒性の薬学的に適当な添加物と共に、少なくとも1種の本発明の化合物を含む医薬組成物、および、障害、特に上記障害の処置および/または予防におけるその使用に関する。
【0123】
本発明の化合物は、全身におよび/または局所に作用し得る。この目的のために、本発明の化合物は、適当な方法で、例えば経口、非経腸、肺、鼻、舌、舌下、頬側、直腸、皮膚、経皮、結膜、耳または局所経路で、あるいは、インプラントまたはステントとして投与できる。
これらの適用経路において、本発明の化合物は、適当な適用形態で投与できる。
【0124】
経口投与に適当なものは、従来技術に従って機能し、本発明の化合物を素早くおよび/または修飾された方法で送達する適用形態であって、結晶形、非晶形および/または溶解された形態の本発明の化合物を含む適用形態であり、例えば、錠剤(コートされていないか、あるいは、例えば腸溶性コーティング、または、不溶性であるかまたは遅れて溶解し、本発明の化合物の放出を制御するコーティングを有するコートされた錠剤)、口内で素早く崩壊する錠剤、または、フィルム/ウェハ、フィルム/凍結乾燥物、カプセル剤(例えば硬または軟ゼラチンカプセル剤)、糖衣錠、顆粒剤、ペレット、散剤、エマルジョン、懸濁液、エアロゾルまたは溶液である。
【0125】
非経腸適用は、吸収段階を避けて(静脈内、動脈内、心臓内、脊髄内または腰椎内)、または、吸収を含めて(筋肉内、皮下、皮内、経皮または腹腔内)、行うことができる。有用な非経腸適用形態は、溶液、懸濁液、エマルジョン、凍結乾燥物および滅菌処理した粉末の形態の、注射液および注入製剤を含む。
【0126】
他の適用経路に適当な形態は、例えば、吸入用医薬形態(例えば粉末吸入器、ネブライザー)、点鼻薬、溶液またはスプレー、舌、舌下または頬側投与用錠剤またはカプセル剤(例えばトローチ、ロゼンジ)、坐剤、耳用および眼用製剤(例えば滴剤、軟膏)、膣用カプセル剤、水性懸濁液(ローション、振盪混合物)、親油性懸濁液、軟膏、クリーム、ミルク、ペースト、フォーム、細粉、経皮治療系(例えばパッチ)、インプラントおよびステントを含む。
【0127】
好ましい態様において、上で定義した式(I)の化合物を含む医薬組成物を、経口投与に適当な形態で提供する。他の好ましい態様において、上で定義した式(I)の化合物を含む医薬組成物を、静脈内投与に適当な形態で提供する。
【0128】
本発明の化合物は、それ自身既知の方法で、不活性な非毒性の薬学的に適当な添加物と混合することによって、列挙された適用形態に変換できる。これらの添加物は、とりわけ、担体(例えば微晶性セルロース、乳糖、マンニトール)、溶媒(例えば液体ポリエチレングリコール)、乳化剤(例えばドデシル硫酸ナトリウム)、界面活性剤(例えばポリオキシソルビタン オレート)、分散剤(例えばポリビニルピロリドン)、合成および天然ポリマー(例えばアルブミン)、安定剤(例えば抗酸化剤、例えばアスコルビン酸)、着色料(例えば無機顔料、例えば酸化鉄)、および、味覚および臭気マスキング剤を含む。
【0129】
本発明の化合物の好ましい投与量は、患者に耐容性であって重篤な副作用を起こさない最大量である。例としては、本発明の化合物は、非経腸で、約0.001mg/kg〜約1mg/kg体重、好ましくは約0.01mg/kg〜約0.5mg/kg体重で投与され得る。経口投与では、例示的な投与量範囲は、約0.01〜100mg/kg体重、好ましくは約0.01〜20mg/kg体重、より好ましくは約0.1〜10mg/kg体重である。上記の値の範囲の間に入る値もまた、本発明の一部であることが意図される。
【0130】
にもかかわらず、特定の患者、組成物および投与方法において、患者に毒性でなく、望ましい治療応答を達成するのに有効な量の有効成分を得るように、本発明の医薬組成物中の有効成分投与の実際の投与量と時間経過は変化し得る。従って、適切な場合は、特に患者の年齢、性別、体重、食習慣および全身の健康状態、特定の化合物のバイオアベイラビリティーおよび薬力学的性質、および、投与方法および投与経路、投与を行う時間または時間間隔、選択される投与レジメ、個々の患者の有効成分に対する応答、関与する特定の疾患、疾患の程度または合併症もしくは重症度、同時処置の種類(すなわち本発明の化合物と他の共投与される治療薬の相互作用)、および他の関連の状況の関数として、上記の量から逸脱することも必要であり得る。
【0131】
従って、幾つかの場合では上記の最少量より少ない量で十分に管理し得るが、他の場合では記載された上限を超えなければならない。処置は、化合物の最適な投与量より少ない投与量で開始することができる。その後、その状況下で最適な効果に至るまで、投与量を少しずつ増加させ得る。利便性のために、総1日投与量を分割して、各1回分ずつを1日の間で分けて投与してもよい。
【0132】
下記の例示的態様は、本発明を説明する。本発明は、実施例に限定されない。
下記の試験および実施例におけるパーセンテージは、特に断りの無い限り、重量パーセントであり;重量部である。液体/液体溶液について記載された溶媒比、希釈比、および濃度は、それぞれ容積に基づく。
【0133】
A. 実施例
略号および頭字語:
【表1】
[この文献は図面を表示できません]
【0134】
【表2】
[この文献は図面を表示できません]
【0135】
LC−MSおよびGC−MS法:
方法1(LC−MS):
装置=Micromass Quattro Premier と Waters UPLC Acquity;カラム=Thermo Hypersil GOLD 1.9μ, 50mm×1mm;溶出液A=1Lの水+0.5mlの50%蟻酸水溶液, 溶出液B=1Lのアセトニトリル+0.5mlの50%蟻酸水溶液;濃度勾配=0.0分 90% A→0.1分 90% A→1.5分 10% A→2.2分 10% A;温度=50℃;流速=0.33mL/分;UV検出=210nm.
【0136】
方法2(LC−MS):
装置=Waters Acquity SQD UPLC System;カラム=Waters Acquity UPLC HSS T3 1.8μ, 50mm×1mm;溶出液A=1Lの水+0.25mlの99%蟻酸, 溶出液B=1Lのアセトニトリル+0.25mlの99%蟻酸;濃度勾配=0.0分 90% A→1.2分 5% A→2.0分 5% A;オーブン=50℃;流速=0.40mL/分;UV検出=210〜400nm.
【0137】
方法3(LC−MS):
装置=Micromass Quattro Micro と HPLC Agilent 1100シリーズ;カラム=YMC-Triart C18 3μ, 50mm×3mm;溶出液A=1Lの水+0.01mol炭酸アンモニウム, 溶出液B=1Lのアセトニトリル;濃度勾配=0.0分 100% A→2.75分 5% A→4.5分 5% A;オーブン=40℃;流速=1.25mL/分;UV検出=210nm.
【0138】
方法4(LC−MS):
装置=Waters Acquity SQD UPLC System;カラム=Waters Acquity UPLC HSS T3 1.8μ, 30mm×2mm;溶出液A=1Lの水+0.25mlの99%蟻酸, 溶出液B=1Lのアセトニトリル+0.25mlの99%蟻酸;濃度勾配=0.0分 90% A→1.2分 5% A→2.0分 5% A;オーブン=50℃;流速=0.60mL/分;UV検出=208〜400nm.
【0139】
方法5(LC−MS):
装置=Micromass Quattro Premier と Waters UPLC Acquity;カラム=Thermo Hypersil GOLD 1.9μ, 50mm×1mm;溶出液A=1Lの水+0.5mlの50%蟻酸水溶液, 溶出液B=1Lのアセトニトリル+0.5mlの50%蟻酸水溶液;濃度勾配=0.0分 97% A→0.5分 97% A→3.2分 5% A→4.0分 5% A;温度=50℃;流速=0.3mL/分;UV検出=210nm.
【0140】
方法6(GC−MS):
装置=Micromass GCT, GC6890;カラム=Restek RTX-35, 15m×200μm×0.33μm;ヘリウムの一定流量=0.88mL/分;オーブン=70℃;入口=250℃;濃度勾配=70℃, 30℃/分→310℃(3分間維持).
【0141】
方法7(LC−MS):
装置 MS=Waters Micromass QM;装置 HPLC=Agilent 1100シリーズ;カラム=Agilent ZORBAX Extend-C18 3.0mm×50mm, 3.5μ;溶出液A=1Lの水+0.01mol炭酸アンモニウム, 溶出液B=1Lのアセトニトリル;濃度勾配=0.0分 98% A→0.2分 98% A→3.0分 5% A→4.5分 5% A;温度=40℃;流速=1.75mL/分;UV検出=210nm.
【0142】
方法8(LC−MS):
装置 MS=Waters Micromass ZQ;装置 HPLC=Agilent 1100シリーズ;カラム=Agilent ZORBAX Extend-C18 3.0mm×50mm, 3.5μ;溶出液A=1Lの水+0.01mol炭酸アンモニウム, 溶出液B=1Lのアセトニトリル;濃度勾配=0.0分 98% A→0.2分 98% A→3.0分 5% A→4.5分 5% A;温度=40℃;流速=1.75mL/分;UV検出=210nm.
【0143】
一般的な精製方法(下記の表IおよびIIを参照):
方法P1:
分取RP−HPLC(Reprosil C18, 濃度勾配 アセトニトリル/0.2%トリフルオロ酢酸水溶液)
方法P2:
分取RP−HPLC(XBridge C18, 濃度勾配 アセトニトリル/水+0.1%アンモニア水溶液)
方法P3:
分取RP−HPLC(Sunfire C18, 濃度勾配 アセトニトリル/水)
方法P4:
分取RP−HPLC(XBridge C18, 濃度勾配 アセトニトリル/水+0.05%アンモニア水溶液)
【0144】
方法P5:
RP−HPLC精製を行って得られる生成物を、メタノールに溶解し、アニオン交換カートリッジ(Stratospheres SPE, PL-HCO3 MP-樹脂)で濾過する。カートリッジをメタノールで溶出し、濾液を蒸発させる。
方法P6:
酢酸エチル中の生成物の溶液を、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で、続いて飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、蒸発させた。
【実施例】
【0145】
出発物質および中間体:
中間体1A
2−メトキシ−4−メチルアニリン
【化43】
[この文献は図面を表示できません]
THF(1.32L)中の5−メチル−2−ニトロアニソール(265g, 1.58mol)および10% Pd/C(39.75g)の混合物を、室温で、1atmの水素下で、一夜撹拌した。珪藻土で濾過し、蒸発させ、216.1gの粗生成物を得た。これをさらに精製することなく次の工程に用いた。
LC-MS (方法3): Rt = 2.39分; MS (ESIpos): m/z = 138 (M+H)+
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ = 6.45-6.63 (m, 3H), 4.46 (s, 2H), 3.72 (s, 3H), 2.16 (s, 3H) ppm.
【0146】
中間体2A
2−メトキシ−4−メチルベンゼンチオール
【化44】
[この文献は図面を表示できません]
【0147】
方法1:
水(25ml)中の亜硝酸ナトリウム(7g, 101.4mmol)の溶液を、濃塩酸(30ml)および水(85ml)中の中間体1A(13.7g, 100mmol)の冷却溶液(0℃〜5℃)に滴下した。0℃で10分間撹拌した後、酢酸ナトリウム(15g, 182.8mmol)を加えた。得られた混合物を水(140ml)中のO−エチルジチオ炭酸カリウム(30g, 187.1mmol)の熱い溶液(70℃〜80℃)に滴下し、70℃から80℃の間で1時間撹拌し、室温まで冷却した。混合物を酢酸エチルで2回抽出し、合わせた有機抽出物を硫酸ナトリウムで乾燥し、蒸発させた。残渣を、エタノール(300ml)中1.3Mの水酸化カリウム溶液に溶かした。ブドウ糖(8g)を加え、得られた混合物を3時間還流した。次いで、エタノール溶媒を蒸発させ、残渣を水で希釈し、6N 硫酸水溶液で酸性にした。亜鉛粉末(15g)を注意深く加え、得られた混合物を50℃で30分間加熱した。混合物を室温まで冷却し、ジクロロメタンで希釈し、濾過した。濾液をジクロロメタンで2回抽出し、合わせた有機抽出物を硫酸ナトリウムで乾燥し、蒸発させ、14.3gの粗生成物を得た。これをさらに精製することなく次の工程に用いた。
【0148】
方法2:
2.9LのTHFに、1.1Lの水中の355ml(6.67mol)の濃硫酸の熱い溶液を加えた。50℃で、293g(1.33mol)の塩化 2−メトキシ−4−メチルベンゼンスルホニルを撹拌しながら加えた。次いで、521g(7.97mol)の亜鉛粉末を、少しずつ注意深く加え(発泡する)、50℃〜55℃の温度を維持するために、僅かな発熱反応物を水浴中で冷却した。続いて混合物を55℃で3時間撹拌した。反応の進行を、TLC(シリカゲル, 石油エーテル/酢酸エチル 95:5)によってモニターした。反応混合物を13.6Lの水に注ぎ、6.8Lのジクロロメタンを加え、混合物を5分間撹拌した。残った亜鉛を傾斜して、相を分離した後、水相を6.8Lのジクロロメタンで1回以上抽出した。合わせた有機相を10% 塩水で洗浄し、乾燥し、40℃で、減圧下で蒸発させ、237gの粗生成物を得た。この物質をさらに精製することなく次の工程に用いた。分析用サンプルを石油エーテル/酢酸エチル(97:3)を溶出液として、シリカゲルのクロマトグラフィーによって得た。
LC-MS (方法1): Rt = 1.21分; MS (ESIneg): m/z = 153 (M-H)-
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ = 7.17 (d, 1H), 6.81 (s, 1H), 6.66 (d, 1H), 4.63 (br. s, 1H), 3.80 (s, 3H), 2.26 (s, 3H) ppm.
【0149】
中間体3A
1−[(2,2−ジエトキシエチル)スルファニル]−2−メトキシ−4−メチルベンゼン
【化45】
[この文献は図面を表示できません]
237gの中間体2Aの粗製の物質、287g(1.46mol)のブロモアセトアルデヒド−ジエチルアセタール、および、862g(2.65mol)の炭酸セシウムを、2LのDMFに懸濁した。反応温度を、最初に40℃まで上昇させ、環境温度で一夜撹拌を続けた。反応混合物を10Lの水と2.7Lの酢酸エチルの層間に分配した。水相をさらなる2.7Lの酢酸エチルで抽出した。合わせた有機相を10% 塩水で洗浄し、乾燥し、蒸発させた。得られた油性残渣を、石油エーテル/酢酸エチル(95:5)を溶出液として、シリカゲルのクロマトグラフィーによって精製した。
収量:236gの油状物(理論値の66%)
GC-MS (方法6): Rt = 6.03分; MS (EIpos): m/z = 270 (M)+
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ = 7.16 (d, 1H), 6.82 (s, 1H), 6.73 (d, 1H), 4.55 (t, 1H), 3.80 (s, 3H), 3.52-3.64 (m, 2H), 3.39-3.51 (m, 2H), 2.96 (d, 2H), 2.33 (s, 3H), 1.09 (t, 6H) ppm.
【0150】
中間体4A
7−メトキシ−5−メチル−1−ベンゾチオフェン
【化46】
[この文献は図面を表示できません]
13gのポリリン酸および150mlのクロロベンゼンの混合物に、還流しながら、5.2g(19.2mmol)の中間体3Aの溶液を滴下し、一夜還流を続けた。冷却後、有機層を傾斜し、残渣とフラスコをDCMで2回濯いだ。合わせた有機相を減圧で蒸発させた。残渣(3.76g)について、イソヘキサン/0〜10% 酢酸エチルを溶出液として、シリカゲルのクロマトグラフィーを行った。
収量:1.69gの油状物(理論値の49%)
GC-MS (方法6): Rt = 5.20分; MS (EIpos): m/z = 178 (M)+
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ = 7.68 (d, 1H), 7.34 (d, 1H), 7.28 (s, 1H), 6.78 (s, 1H), 3.93 (s, 3H), 2.43 (s, 3H) ppm.
【0151】
中間体5A
(7−メトキシ−5−メチル−1−ベンゾチオフェン−2−イル)ボロン酸
【化47】
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アルゴン雰囲気下、26.7g(150mmol)の中間体4Aを270mlのTHFに溶解し、−70℃まで冷却した。−70℃から−65℃の間で、66ml(165mmol)のヘキサン中2.5Nのn−ブチルリチウム溶液を、20分以内で滴下し、その結果、白色の沈殿物が形成した。−70℃で1時間撹拌した後、41.5ml(180mmol)のホウ酸トリイソプロピルを、この温度で、10分以内で加えた(その結果、濃厚懸濁液を得た)。−70℃で1時間撹拌を続けた後、反応混合物を室温で一夜温めた。次いで、400mlの飽和塩化アンモニウム水溶液を加え、層を分離し、水層をTHFで1回以上抽出した。合わせた有機相を減圧下で蒸発させた。このようにして得られた残渣に、200mlの水および86mlの2N 水酸化ナトリウム水溶液を加えた。溶液をDCMで2回洗浄し、35mlの3M 硫酸で酸性にして、得られた懸濁液を1時間激しく撹拌した。沈殿物を吸引濾過し、45℃で、真空で一夜乾燥した。
収量:28.25gの無色の固体(LC−MSによる純度94%, 理論値の80%)
LC-MS (方法2): Rt = 0.87分; MS (ESIpos): m/z = 223 (M+H)+
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ = 7.17 (d, 1H), 6.81 (s, 1H), 6.66 (d, 1H), 4.63 (br. s, 1H), 3.80 (s, 3H), 2.26 (s, 3H) ppm.
【0152】
中間体6A
2−(7−メトキシ−5−メチル−1−ベンゾチオフェン−2−イル)−6−メチル−1,3,6,2−ジオキサアザボロカン−4,8−ジオン
【化48】
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6.3g(28.4mmol)の中間体5Aおよび4.2g(28.4mmol)の2,2'−(メチルイミノ)ジ酢酸を、45mlのDMSOおよび400mlのトルエンの混合物に溶解し、ディーン・スターク・トラップを用いて、16時間還流した。蒸発後、残渣を酢酸エチルに溶かし、水で3回および塩水で1回洗浄した。有機相を硫酸マグネシウムで乾燥し、約200mlの体積まで蒸発させた。白色固体が沈殿し、これを濾過し、酢酸エチルで洗浄し、真空で乾燥し、第1収穫物(5.52g)の表題化合物を得た。母液を蒸発させ、シリカゲルの層で、シクロヘキサン/0〜100% 酢酸エチルを溶出液として用いて、フラッシュクロマトグラフィーを行った後、第2収穫物(3.32g)を得た。
収量:8.84g(LC−MSによる全純度92.5%, 理論値の87%)
LC-MS (方法2): Rt = 0.93分; MS (ESIpos): m/z = 334 (M+H)+
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ = 7.42 (s, 1H), 7.26 (s, 1H), 6.76 (s, 1H), 4.40 (d, 2H), 4.17 (d, 2H), 3.92 (s, 3H), 2.63 (s, 3H), 2.42 (s, 3H) ppm.
【0153】
中間体7A
4−アミノピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−6−カルボン酸エチル
【化49】
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エタノール(124.8ml)中の4−アミノピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−6−カルボニトリル(3.9g, 24.5mmol;PCT国際特許出願 WO 2007/064883に記載された製法)の溶液を、濃硫酸(62.4ml)と共に、80℃で一夜撹拌した。室温まで冷却した後、反応混合物を800gの氷に注ぎ、濃水酸化ナトリウム水溶液でpH 6〜7とした。酢酸エチル(500ml)およびジクロロメタン(500ml)を懸濁液に加え、得られた混合物を珪藻土で濾過した。有機層を水層から分離した。固体を熱水(1L)に溶解し、水層を酢酸エチルで2回抽出した。合わせた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、蒸発させた。残渣をイソプロパノール/ジエチルエーテル混合物で磨砕し、固体を濾過し、2.5g(理論値の49%)の表題化合物を得た。
LC-MS (方法2): Rt = 0.59分; MS (ESIpos): m/z = 206 (M+H)+
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ = 8.11-7.97 (m, 3H), 7.88 (s, 1H), 7.34 (br. s, 1H), 4.27 (q, 2H), 1.30 (t, 3H) ppm.
【0154】
中間体8A
(4−アミノピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−6−イル)メタノール
【化50】
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THF(30ml)中の中間体7A(3.0g, 14.5mmol)の氷冷した溶液を、THF(58ml)中1Mのトリエチル水素化ホウ素リチウム溶液で処理し、室温で45分間撹拌した。反応混合物を0℃まで冷却し、メタノールで反応停止させ、室温までゆっくりと温め、珪藻土に吸着させた。シリカゲルのカラムクロマトグラフィーによって精製し(ジクロロメタン/メタノール 20:1→4:1の濃度勾配)、2.21g(理論値の92.5%)の表題化合物を得た。
LC-MS (方法3): Rt = 1.46分; MS (ESIpos): m/z = 164 (M+H)+
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ = 7.75 (s, 1H), 7.64 (br. s, 2H), 7.50 (br. d, 1H), 6.79 (br. d, 1H), 5.01 (t, 1H), 4.50 (d, 2H) ppm.
【0155】
中間体9A
[2−シアノ−4−(ヒドロキシメチル)−1H−ピロール−1−イル]カルバミン酸tert−ブチル
【化51】
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アルゴン下、THF中1Mの臭化メチルマグネシウム溶液(13.3ml)を、15分かけて、THF(37ml)中の(4−ブロモ−2−シアノ−1H−ピロール−1−イル)カルバミン酸tert−ブチル(3.7g, 12.09mmol;PCT国際特許出願 WO 2007/064883, 中間体AAE, 工程3に記載された製法)の−60℃に冷却した溶液に加えた。30分後、ヘキサン中1.6Mのn−ブチルリチウム溶液(15.1ml, 24.2mmol)を、10分かけて反応物に加え、得られた混合物を−60℃から−40℃の間で1時間撹拌した。次いで、パラホルムアルデヒド(1.09g, 36.3mmol)を反応物に加え、反応混合物を室温までゆっくりと温め、一夜撹拌した。飽和塩化アンモニウム水溶液で反応停止した後、水層を酢酸エチルで2回抽出した。合わせた有機相を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、蒸発させた。シリカゲルのカラムクロマトグラフィーによって精製し(シクロヘキサン/酢酸エチル 2:1→1:1)、2.04g(理論値の69%)の表題化合物を得た。
LC-MS (方法4): Rt = 0.70分; MS (ESIpos): m/z = 238 (M+H)+
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ = 10.79 (br. s, 1H), 7.09 (d, 1H), 6.86 (d, 1H), 4.97 (t, 1H), 4.28 (d, 2H), 1.45 (s, 9H) ppm.
【0156】
中間体10A
6−(メトキシメチル)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−4−アミン
【化52】
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【0157】
方法1:
THF(25ml)中の中間体8A(1.3g, 7.9mmol)の溶液を、塩化チオニル(1.15ml, 15.8mmol)で処理し、室温で2時間撹拌した。蒸発後、残渣をメタノール(25ml)に溶解し、酢酸ナトリウム(1.3g, 15.8mmol)で処理した。混合物を65℃で3時間撹拌し、再度蒸発させた。シリカゲルのカラムクロマトグラフィーによって精製し(ジクロロメタン/メタノール 100:2)、787mg(理論値の55%)の表題化合物を得た。
【0158】
方法2:
1,4−ジオキサン中4Mの塩化水素溶液(15ml)中の、中間体9A(6.14g, 25.88mmol)の溶液を、室温で5時間撹拌した。メタノール(73ml)で希釈した後、室温で一夜撹拌を続けた。次いで、リン酸カリウム(54.9g, 258.65mmol)およびホルムアミジニウム アセテート(13.46g, 129.32mmol)を加え、得られた混合物を65℃で17時間撹拌した。反応混合物を蒸発させ、飽和塩化ナトリウム水溶液を加え、混合物を、ジクロロメタンで、続いて酢酸エチルで抽出した。合わせた有機相を硫酸ナトリウムで乾燥し、蒸発させた。シリカゲルのカラムクロマトグラフィーによって精製し(ジクロロメタン/メタノール 40:1→20:1)、2.36g(理論値の49%)の表題化合物を得た。
LC-MS (方法3): Rt = 1.72分; MS (ESIpos): m/z = 179 (M+H)+
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ = 7.77 (s, 1H), 7.69 (br. s, 2H), 7.57 (s, 1H), 6.81 (s, 1H), 4.42 (s, 2H), 3.25 (s, 3H) ppm.
【0159】
中間体11A
4−アミノ−6−(メトキシメチル)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−7−カルボアルデヒド
【化53】
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塩化ホスホリル(13.7ml, 147.18mmol)を、DMF(80ml)中の中間体10A(5.24g, 29.43mmol)の溶液に、0℃で加えた。得られた混合物を60℃で8時間撹拌し、次いで水で注意深く反応停止させ、4M 水酸化ナトリウム水溶液で中和した。水層を酢酸エチルで抽出した。合わせた有機相を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、蒸発させた。メタノール(50ml)中の残渣の溶液を、酢酸ナトリウム(2.41g, 29.43mmol)で処理し、一夜還流した。反応混合物を水で希釈し、酢酸エチルで抽出した。合わせた有機相を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、蒸発させ、2.66gの粗生成物を得た。これをさらに精製することなく次の工程に用いた。
LC-MS (方法4): Rt = 0.50分; MS (ESIpos): m/z = 207 (M+H)+
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ = 10.35 (s, 1H), 8.20 (br. s, 2H), 8.07 (s, 1H), 7.06 (s, 1H), 4.72 (s, 2H), 3.39 (s, 3H) ppm.
【0160】
中間体12A
4−アミノ−5−ブロモ−6−(メトキシメチル)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−7−カルボアルデヒド
【化54】
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DMF(30ml)中の中間体11A(粗製, 2.66g)の−30℃に冷却した溶液を、DMF(14ml)中のN−ブロモスクシンイミド(NBS;2.52g, 14.19mmol)の溶液で処理した。得られた混合物を0℃までゆっくりと温めた。1時間後、混合物を室温まで温め、さらに15分間撹拌し、次いで、1M チオ硫酸ナトリウム水溶液で反応停止させた。沈殿物を濾過して取り、酢酸エチルで洗浄し、1.1g(純度100%, 理論値の30%)を表題化合物の第1収穫物として得た。残った濾液を酢酸エチルで抽出した。合わせた有機相を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、蒸発させた。残渣をシリカゲルのカラムクロマトグラフィーによって精製し(シクロヘキサン/酢酸エチル 1:1→1:3)、さらに1.39g(純度70%, 理論値の26%)の表題化合物を得た。
LC-MS (方法2): Rt = 0.67分; MS (ESIpos): m/z = 283/285 (M+H)+
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ = 10.36 (s, 1H), 8.63 (br. s, 1H), 8.13 (s, 1H), 7.23 (br. s, 1H), 4.64 (s, 2H), 3.26 (s, 3H) ppm.
【0161】
中間体13A
4−アミノ−6−(メトキシメチル)−5−(7−メトキシ−5−メチル−1−ベンゾチオフェン−2−イル)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−7−カルボアルデヒド
【化55】
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アルゴン下、脱気した0.5Mのリン酸カリウム水溶液(9.9ml)を、脱気したTHF(28.4ml)中の中間体12A(710mg, 2.49mmol)、中間体5A(921mg, 3.73mmol)および(2'−アミノビフェニル−2−イル)(クロロ)パラジウム−ジシクロヘキシル(2',4',6'−トリイソプロピルビフェニル−2−イル)ホスフィン(1:1, 196mg, 249μmol, S. L. Buchwald et al., J. Am. Chem. Soc. 132 (40), 14073-14075 (2010)を参照)の溶液に加えた。得られた混合物を60℃で2時間撹拌し、蒸発させた。残渣をシリカゲルのカラムクロマトグラフィーによって精製し(シクロヘキサン/酢酸エチル 5:1→1:1)、550mg(理論値の51%)の表題化合物を得た。
LC-MS (方法2): Rt = 1.06分; MS (ESIpos): m/z = 383 (M+H)+
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ = 10.50 (s, 1H), 8.43 (br. s, 1H), 8.21 (s, 1H), 7.42 (s, 1H), 7.33 (s, 1H), 6.87 (s, 1H), 6.09 (br. s, 1H), 4.58 (s, 2H), 3.96 (s, 3H), 3.19 (s, 3H), 2.46 (s, 3H) ppm.
【0162】
中間体14A
6−(エトキシメチル)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−4−アミン
【化56】
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【0163】
方法1:
40mlのTHF中の2g(12.2mmol)の中間体8Aの懸濁液に、1.78ml(24.4mmol)の塩化チオニルを室温で20秒以内で加えた。混合物を1.5時間撹拌し、蒸発乾固し、残渣を40mlのエタノールに溶解した。2g(24.4mmol)の酢酸ナトリウムを加え、混合物を70℃で1時間45分間撹拌した。反応混合物を再度蒸発させ、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加えた。混合物を酢酸エチルで5回抽出した。合わせた有機相を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、蒸発乾固し、2.02gの粗生成物を得た。これを、ジクロロメタン/メタノール(0〜2%)を溶出液として、シリカゲルのカラムクロマトグラフィーによって精製した。
収量:1.37g(理論値の58%)。
【0164】
方法2:
工程1: 1,4−ジオキサン(5ml)中の中間体9A(2.3g, 9.69mmol)の溶液を、1,4−ジオキサン中4Mの塩化水素溶液(24ml, 96.9mmol)で処理し、室温で130分間撹拌した。次いで、懸濁液を濾過し、沈殿物を1,4−ジオキサン(5ml)で洗浄し、真空で乾燥し、1.01g(理論値の54%)の中間体化合物1−アミノ−4−(クロロメチル)−1H−ピロール−2−カルボニトリル塩酸塩を得た。
【0165】
工程2: 新しく調製した工程1の1−アミノ−4−(クロロメチル)−1H−ピロール−2−カルボニトリル塩酸塩(0.3g, 1.82mmol)をエタノール(10ml)に溶解し、室温で5分間撹拌した。透明な溶液をホルムアミジン酢酸塩(813mg, 7.81mmol)およびリン酸カリウム(1.66g, 7.81mmol)で処理し、最初に、室温で3日間撹拌し、次に80℃で10.5時間撹拌した。さらにホルムアミジン酢酸塩(488mg, 4.69mmol)を加え、混合物を80℃でさらに18時間撹拌した。混合物を室温まで冷却し、水および酢酸エチルを加えた。有機相を分離し、水相を酢酸エチルで2回抽出した。合わせた有機相を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、蒸発させた。残渣をメタノールおよびジクロロメタンの混合物に溶解し、珪藻土に吸着させ、真空で乾燥し、最後にシリカゲルのクロマトグラフィーによって精製し(濃度勾配 0〜10% メタノール/ジクロロメタン)、260mg(理論値の78%)の表題化合物を得た。
LC-MS (方法3): Rt = 2.02分; MS (ESIpos): m/z = 193 (M+H)+
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ = 7.77 (s, 1H), 7.59-7.74 (br. s, 2H), 7.56 (s, 1H), 6.82 (s, 1H), 5.76 (s, 1H), 4.46 (s, 2H), 3.46 (q, 2H), 1.13 (t, 3H) ppm.
【0166】
中間体15A
4−アミノ−6−(エトキシメチル)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−7−カルボアルデヒド
【化57】
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40mlの乾燥DMF中の2.1g(10.9mmol)の中間体14Aの溶液に、5.1ml(54.6mmol)の塩化ホスホリルを、0℃で、アルゴン雰囲気下で滴下した。混合物を60℃で10時間撹拌した。次いで、水を注意深く加え、全ての反応性中間体が壊れるまで(HPLCコントロール)、混合物を環境温度で撹拌した。酸性溶液を1M 水酸化ナトリウム水溶液で中和し、酢酸エチルで3回抽出した。合わせた有機相を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧で蒸発させた。
収量:1.94g(純度90%, 理論値の81%)
LC-MS (方法5): Rt = 1.49分; MS (ESIpos): m/z = 221 (M+H)+
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ = 10.35 (s, 1H), 8.14-8.26 (m, 2H), 8.07 (s, 1H), 7.07 (s, 1H), 4.76 (s, 2H), 3.58 (q, 2H), 1.20 (t, 3H) ppm.
【0167】
中間体16A
4−アミノ−5−ブロモ−6−(エトキシメチル)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−7−カルボアルデヒド
【化58】
[この文献は図面を表示できません]
1.9LのDMF中の73g(0.33mol)の中間体15Aの溶液に、200mlのDMF中の65g(0.37mol)のNBSの溶液を、−15℃で滴下した。混合物を0℃に温め、この温度で3時間撹拌した。反応混合物を2% チオ硫酸ナトリウム水溶液に撹拌しながら注ぎ、沈殿物を濾過して取り、水で洗浄し、五酸化リンで、真空で乾燥した。
収量:85.6g(理論値の86%)
LC-MS (方法2): Rt = 0.76分; MS (ESIpos): m/z = 299/301 (M+H)+
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ = 10.36 (s, 1H), 8.62 (br. s, 1H), 8.13 (s, 1H), 7.22 (br. s, 1H), 4.68 (s, 2H), 3.49 (q, 2H), 1.10 (t, 3H) ppm.
【0168】
中間体17A
4−アミノ−6−(エトキシメチル)−5−(7−メトキシ−5−メチル−1−ベンゾチオフェン−2−イル)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−7−カルボアルデヒド
【化59】
[この文献は図面を表示できません]
アルゴン雰囲気下、714mg(純度85%, 2.03mmol)の中間体16A、946mg(2.84mmol)の中間体6Aおよび160mg(0.2mmol)の(2'−アミノビフェニル−2−イル)−(クロロ)パラジウム−ジシクロヘキシル(2',4',6'−トリイソプロピルビフェニル−2−イル)ホスフィン(1:1, S. L. Buchwald et al., J. Am. Chem. Soc. 132 (40), 14073-14075 (2010)を参照)を15.5mlのTHFに懸濁した。次いで、15.5mlの脱気した0.5M リン酸カリウム水溶液を加え、混合物を50℃で16時間撹拌した。水の添加後、混合物を酢酸エチルで抽出し、合わせた有機相を硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下で蒸発させた。残渣を、シリカゲル(100g)のカラムクロマトグラフィーによって、10〜50% 酢酸エチル/シクロヘキサンを溶出液として精製した。
収量:452mg(HPLCによる純度75%, 理論値の42%)
LC-MS (方法5): Rt = 2.38分; MS (ESIpos): m/z = 397 (M+H)+
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ = 10.50 (s, 1H), 8.42 (br. s, 1H), 8.21 (s, 1H), 7.43 (s, 1H), 7.33 (s, 1H), 6.87 (s, 1H), 6.07 (br. s, 1H), 4.63 (s, 2H), 3.96 (s, 3H), 3.40 (q, 2H), 2.46 (s, 3H), 1.02 (t, 3H) ppm.
【0169】
中間体18A
(4−アミノ−5,7−ジブロモピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−6−イル)メタノール
【化60】
[この文献は図面を表示できません]
THF(100ml)中の中間体8A(5g, 30.4mmol)の溶液を、1,3−ジブロモ−5,5−ジメチルヒダントイン(9.58g, 33.5mmol)で処理し、室温で2時間撹拌した。沈殿物を濾過して取り、真空で乾燥し、6.60g(理論値の64%)の表題化合物を得た。
LC-MS (方法2): Rt = 0.56分; MS (ESIpos): m/z = 321/323/325 (M+H)+
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ = 8.23 (br. s, 1H), 7.96 (s, 1H), 6.94 (br. s, 1H), 5.09 (br. s, 1H), 4.43 (s, 2H) ppm.
【0170】
中間体19A
(4−アミノ−5−ブロモピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−6−イル)メタノール
【化61】
[この文献は図面を表示できません]
THF(800ml)中の中間体18A(3.7g, 11.5mmol)の懸濁液を、完全に溶解するまで、撹拌しながら加熱した。混合物を−78℃に冷却し、ヘキサン中1.6Mのn−ブチルリチウム溶液(20ml, 32.1mmol)を滴下した。5分後、さらに1.6Mのn−ブチルリチウム溶液(1.5ml, 2.29mmol)を加えた。得られた混合物を−78℃で5分間撹拌し、次いでメタノール(5ml)で反応停止させ、室温まで温めた。反応混合物を、飽和塩化アンモニウム水溶液、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和塩化ナトリウム水溶液および酢酸エチルで希釈した。相の分離後、有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄した。合わせた水相を酢酸エチルで再度抽出した。合わせた有機相を再度飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、蒸発させ、2.87gの粗生成物を得た。これをさらに精製することなく次の工程に用いた。
LC-MS (方法3): Rt = 1.73分; MS (ESIpos): m/z = 243/245 (M+H)+
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ = 8.41-7.89 (br. s, 1H), 7.82 (s, 1H), 7.66 (s, 1H), 7.13-6.48 (br. s, 1H), 5.11 (t, 1H), 4.45 (d, 2H) ppm.
【0171】
中間体20A
[4−アミノ−5−(7−メトキシ−5−メチル−1−ベンゾチオフェン−2−イル)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−6−イル]メタノール
【化62】
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THF/水混合物(10:1, 80ml)中の、中間体19A(純度70%, 2.52g, 7.26mmol)、中間体6A(3.63g, 10.9mmol)およびフッ化セシウム(5.51g, 36.3mmol)の懸濁液を、アルゴン下で脱気した。4−(ジ−tert−ブチルホスフィノ)−N,N−ジメチルアニリン−ジクロロパラジウム(2:1, 176mg, 0.248mmol)を加え、得られた混合物を再度脱気し、50℃で16時間撹拌した。反応混合物を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、有機層を分離し、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、蒸発させた。残渣をメタノールに懸濁し、得られた固体を濾過し、真空で乾燥し、1.97g(純度90%, 理論値の72%)の表題化合物を得た。
LC-MS (方法2): Rt = 0.85分; MS (ESIpos): m/z = 340 (M+H)+
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ = 7.91 (s, 1H), 7.5-8.1 (br. s, 1H), 7.72 (s, 1H), 7.35 (s, 1H), 7.30 (s, 1H), 6.84 (s, 1H), 5.5-6.0 (br. s, 1H), 5.06 (t, 1H), 4.49 (d, 2H), 3.95 (s, 3H), 2.45 (s, 3H) ppm.
【0172】
中間体21A
6−(メトキシメチル)−5−(7−メトキシ−5−メチル−1−ベンゾチオフェン−2−イル)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−4−アミン
【化63】
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ジクロロメタン(12ml)中の中間体20A(400mg, 1.17mmol)の溶液を、塩化チオニル(128μl, 1.76mmol)で処理し、室温で15分間撹拌した。蒸発後、残渣をメタノール(12ml)に溶かし、DIPEA(409μl, 2.35mmol)で処理した。混合物を一夜還流し、次いで再度蒸発させた。シリカゲルのカラムクロマトグラフィーによって精製し(ジクロロメタン/メタノール 98:2→95:5)、388mg(理論値の93%)の表題化合物を得た。
LC-MS (方法2): Rt = 1.00分; MS (ESIpos): m/z = 355 (M+H)+
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ = 7.93 (s, 1H), 7.82 (s, 1H), 7.35 (s, 1H), 7.31 (s, 1H), 6.84 (s, 1H), 4.38 (s, 2H), 3.95 (s, 3H), 3.22 (s, 3H), 2.45 (s, 3H)ppm.
【0173】
中間体22A
6−(エトキシメチル)−5−(7−メトキシ−5−メチル−1−ベンゾチオフェン−2−イル)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−4−アミン
【化64】
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ジクロロメタン(5ml)中の中間体20A(200mg, 587μmol)を、塩化チオニル(64μl, 881μmol)で処理し、室温で15分間撹拌した。蒸発後、残渣をエタノール(5ml)中で1時間還流し、DIPEA(204μl, 1.17mmol)で処理し、再度一夜還流した。反応混合物を蒸発させ、粗生成物をシリカゲルのカラムクロマトグラフィーによって精製し(ジクロロメタン/メタノール 98:2→95:5)、202mg(理論値の90%)の表題化合物を得た。
LC-MS (方法5): Rt = 2.32分; MS (ESIpos): m/z = 369 (M+H)+
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ = 8.31-7.59 (br. s, 1H), 7.93 (s, 1H), 7.81 (s, 1H), 7.35 (s, 1H), 7.30 (s, 1H), 6.84 (s, 1H), 6.20-5.50 (br. s, 1H), 4.41 (s, 2H), 3.95 (s, 3H), 3.41 (q, 2H), 2.45 (s, 3H), 1.08 (t, 3H) ppm.
【0174】
中間体23A
4−{[4−アミノ−6−(ヒドロキシメチル)−5−(7−メトキシ−5−メチル−1−ベンゾチオフェン−2−イル)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−7−イル]メチル}ピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチル
【化65】
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酢酸(136.8ml)中の中間体20A(9.5g, 27.9mmol)の溶液を、ピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチル(6.24g, 33.49mmol)および37%のホルムアルデヒド水溶液(2.5ml, 33.49mmol)で処理した。混合物を60℃で2.5時間撹拌した。蒸発後、残渣を酢酸エチルに溶かし、混合物を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で2回洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、蒸発させた。残渣を沸騰エタノール(100ml)中で磨砕した。固体を濾過して取り、エタノールで、そしてジエチルエーテルで洗浄し、9.70g(理論値の58%)の表題化合物を得た。
LC-MS (方法2): Rt = 0.88分; MS (ESIpos): m/z = 539 (M+H)+
1H-NMR (400 MHz, CDCl3): δ = 7.94 (s, 1H), 7.13-7.35 (m, 2H, CHClのピークと重複), 6.67 (s, 1H), 5.86 (br. s, 1H), 5.54 (br. s, 2H), 4.68 (s, 2H), 4.08 (s, 2H), 4.00 (s, 3H), 3.45 (br. s, 4H), 2.59-2.48 (m, 7H), 1.45 (s, 9H) ppm.
【0175】
中間体24A
4−({4−アミノ−5−(7−メトキシ−5−メチル−1−ベンゾチオフェン−2−イル)−6−[(2−メトキシ−2−オキソエトキシ)メチル]ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−7−イル}メチル)ピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチル
【化66】
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ジクロロメタン(12ml)中の中間体23A(300mg, 556μmol)の溶液を、塩化チオニル(81μl, 1.11mmol)で処理し、室温で15分間撹拌した。蒸発後、残渣を新しく蒸留したグリコール酸メチル(2.5ml)に溶解し、DIPEA(485μl, 2.78mmol)で処理した。混合物を70℃で2時間撹拌し、再度蒸発させ、過剰なグリコール酸メチルを蒸留によって除去した。残渣をシリカゲルのカラムクロマトグラフィーによって精製し(シクロヘキサン/酢酸エチル 1:5)、136mg(理論値の33%)の表題化合物を得た。
LC-MS (方法2): Rt = 0.88分; MS (ESIpos): m/z = 611 (M+H)+
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ = 7.99 (s, 1H), 7.39 (s, 1H), 7.31 (s, 1H), 6.85 (s, 1H), 4.58 (s, 2H), 4.11 (s, 2H), 3.96 (s, 3H), 3.93 (s, 2H), 3.57 (s, 3H), 3.30-3.24 (m, 4H), 2.45-2.38 (m, 7H), 1.39 (s, 9H) ppm.
【0176】
中間体25A
4−{[4−アミノ−6−ホルミル−5−(7−メトキシ−5−メチル−1−ベンゾチオフェン−2−イル)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−7−イル]メチル}ピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチル
【化67】
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ジクロロメタン(4.2ml)中の中間体23A(300mg, 556μmol)の溶液を、デス・マーチン・ペルヨージナン(1,1,1−トリアセトキシ−1,1−ジヒドロ−1,2−ベンゾヨードキソール−3(1H)−オン;307mg, 724μmol)で処理し、室温で2時間撹拌した。反応混合物を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液および飽和チオ硫酸ナトリウム水溶液(1:1)で反応停止させ、室温で30分間撹拌した。水層をジクロロメタンで3回抽出し、合わせた有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し、蒸発させた。シリカゲルのカラムクロマトグラフィーによって精製し(シクロヘキサン/酢酸エチル 1:1→100% 酢酸エチル)、273mg(理論値の87%)の表題化合物を得た。
LC-MS (方法2): Rt = 0.87分; MS (ESIpos): m/z = 537 (M+H)+
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ = 10.02 (s, 1H), 8.44-8.18 (br. s, 1H), 8.08 (s, 1H), 7.51 (s, 1H), 7.32 (s, 1H), 6.88 (s, 1H), 6.01-5.74 (br. s, 1H), 4.16 (s, 2H), 3.96 (s, 3H), 3.30-3.22 (m, 4H), 2.48-2.40 (m, 7H), 1.38 (s, 9H) ppm.
【0177】
中間体26A
4−アミノ−5−(7−メトキシ−5−メチル−1−ベンゾチオフェン−2−イル)−7−(ピペラジン−1−イルメチル)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−6−カルボアルデヒド 二蟻酸塩
【化68】
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THF(3.9ml)中の中間体23A(80mg, 148μmol)の溶液を、デス・マーチン・ペルヨージナン(1,1,1−トリアセトキシ−1,1−ジヒドロ−1,2−ベンゾヨードキソール−3(1H)−オン;94mg, 222μmol)で処理し、室温で30分間撹拌した。反応混合物を、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液および飽和チオ硫酸ナトリウム水溶液(1:1)で反応停止させた。水層を酢酸エチルで3回抽出し、合わせた有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し、蒸発させた。残渣を1,4−ジオキサン中4Mの塩化水素溶液(4ml)に溶解し、室温で1時間撹拌した。蒸発後、残渣を分取RP−HPLCによって精製し(Reprosil C18, 濃度勾配 10〜95% アセトニトリル/0.1%蟻酸水溶液)、34mg(理論値の52%)の表題化合物を得た。
LC-MS (方法2): Rt = 0.78分; MS (ESIpos): m/z = 437 (M+H)+
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ = 10.02 (s, 1H), 8.29 (br. s, 2H), 8.09 (s, 1H), 7.50 (s, 1H), 7.33 (s, 1H), 6.88 (s, 1H), 4.17 (s, 2H), 3.96 (s, 3H), 2.90-2.81 (m, 4H), 2.63-2.56 (m, 4H), 2.46 (s, 3H) ppm.
【0178】
中間体27A
4−({4−アミノ−5−(7−メトキシ−5−メチル−1−ベンゾチオフェン−2−イル)−6−[(3−オキソピペラジン−1−イル)メチル]ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−7−イル}メチル)ピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチル
【化69】
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THF(4.6ml)中の中間体25A(185mg, 344μmol)の溶液を、2−オキソ−ピペラジン(344mg, 3.4mmol)、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(365mg, 1.7mmol)および酢酸(39μl, 689μmol)で処理した。得られた混合物を室温で2時間撹拌し、珪藻土に吸着させ、シリカゲルのカラムクロマトグラフィーによって精製し(ジクロロメタン→ジクロロメタン/メタノール 100:8)、221mg(定量的)の表題化合物を得た。
LC-MS (方法4): Rt = 0.77分; MS (ESIpos): m/z = 621 (M+H)+.
【0179】
中間体28A
N−エチルエタンアミニウム 4−アミノ−7−{[4−(tert−ブトキシカルボニル)ピペラジン−1−イル]カルボニル}−5−(7−メトキシ−5−メチル−1−ベンゾチオフェン−2−イル)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−6−カルボキシレート
【化70】
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THF/水(10:1, 4.85ml)中の中間体25A(70mg, 130μmol)の溶液を、THF中2Mの2−メチル−2−ブテン溶液(521μl, 1.04mmol)およびリン酸二水素ナトリウム(107mg, 783μmol)で処理し、室温で5分間撹拌した。塩化ナトリウム(70mg, 783μmol)を加え、得られた混合物を室温で一夜撹拌した。水で希釈した後、水相を酢酸エチルで3回抽出した。合わせた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、蒸発させ、残渣を分取RP−HPLCによって精製し(XBridge C18, 濃度勾配 5〜50% アセトニトリル/水+0.05%ジエチルアミン)、18mg(理論値の21%)の表題化合物を得た。
LC-MS (方法1): Rt = 1.14分; MS (ESIpos): m/z = 567 (M+H)+
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6): とりわけ δ = 8.26-7.89 (br. s, 1H), 7.94 (s, 1H), 7.33 (s, 1H), 7.28 (s, 1H), 6.83 (s, 1H), 5.64-5.33 (br. s, 1H), 3.95 (s, 3H), 2.80 (q, 4H), 2.45 (s, 3H), 1.40 (s, 9H), 1.09 (t, 6H) ppm.
【0180】
中間体29A
4−{[4−アミノ−6−(アジドメチル)−5−(7−メトキシ−5−メチル−1−ベンゾチオフェン−2−イル)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−7−イル]メチル}ピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチル
【化71】
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ジクロロメタン(7.5ml)中の中間体23A(150mg, 0.278mmol)の溶液を、塩化チオニル(40μl, 0.56mmol)で処理し、室温で15分間撹拌した。蒸発後、残渣をDMF(6ml)に溶解し、アジ化ナトリウム(362mg, 5.57mmol)およびヨウ化ナトリウム(208mg, 1.39mmol)で処理した。混合物を80℃で1時間加熱し、水で希釈し、酢酸エチルで3回抽出した。合わせた有機層を、水で、そして飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、蒸発させた。シリカゲルのカラムクロマトグラフィーによって精製し(シクロヘキサン/酢酸エチル 98:2→100% 酢酸エチル)、95.8mg(理論値の57%)の表題化合物を得た。
LC-MS (方法4): Rt = 0.99分; MS (ESIpos): m/z = 564 (M+H)+
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ = 8.20-7.80 (br. s, 1H), 8.01 (s, 1H), 7.39 (s, 1H), 7.33 (s, 1H), 6.86 (s, 1H), 6.05-5.55 (br. s, 1H), 4.50 (s, 2H), 3.96 (s, 3H), 3.94 (s, 2H), 3.32-3.25 (m, 4H), 2.45 (s, 3H), 2.43-2.36 (m, 4H), 1.39 (s, 9H) ppm.
【0181】
中間体30A
4−{[6−(アセトアミドメチル)−4−アミノ−5−(7−メトキシ−5−メチル−1−ベンゾチオフェン−2−イル)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−7−イル]メチル}ピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチル
【化72】
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メタノール(32ml)中の中間体29A(320mg, 567μmol)、10% Pd/C(320mg)および無水酢酸(106μl, 1.13mmol)の混合物を、1atmの水素下、室温で90分間撹拌した。混合物を珪藻土で濾過し、濾液を蒸発させた。シリカゲルのカラムクロマトグラフィーによって精製し(シクロヘキサン/酢酸エチル 1:1→100% 酢酸エチル)、440mg(定量的)の表題化合物を得た。
LC-MS (方法2): Rt = 0.91分; MS (ESIpos): m/z = 580 (M+H)+
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ = 8.02-7.97 (m, 2H), 7.38 (s, 1H), 7.31 (s, 1H), 6.85 (s, 1H), 4.27 (br. d, 2H), 3.95 (s, 3H), 3.89 (s, 2H), 3.31-3.24 (m, 4H), 2.45 (s, 3H), 2.43-2.36 (m, 4H), 1.74 (s, 3H), 1.39 (s, 9H) ppm.
【0182】
中間体31A
7−[(4−アセチルピペラジン−1−イル)メチル]−4−アミノ−5−(7−メトキシ−5−メチル−1−ベンゾチオフェン−2−イル)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−6−カルボアルデヒド
【化73】
[この文献は図面を表示できません]
モレキュラー・シーブ(4Å)を含むジクロロメタン(4ml)中の実施例55(678mg, 純度89%, 1.26mmol)の溶液を、デス・マーチン・ペルヨージナン(1,1,1−トリアセトキシ−1,1−ジヒドロ−1,2−ベンゾヨードキソール−3(1H)−オン, 623mg, 1.47mmol)で処理し、室温で5分間撹拌した。反応混合物を珪藻土に吸着させ、シリカゲルのカラムクロマトグラフィーによって精製し(濃度勾配 30〜100% 酢酸エチル/シクロヘキサン、次に0〜10% メタノール/ジクロロメタン)、449mg(理論値の49%)の表題化合物を得た。
LC-MS (方法4): Rt = 0.70分; MS (ESIpos): m/z = 479 (M+H)+.
【0183】
中間体32A
4−{[4−アミノ−6−(アジドメチル)−5−(7−メトキシ−5−メチル−1−ベンゾチオフェン−2−イル)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−7−イル]メチル}ピペラジン−2−オン
【化74】
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ジクロロメタン(3.5ml)中の実施例13(59mg, 130μmol)の溶液を、塩化チオニル(19μl, 261μmol)で処理し、室温で15分間撹拌した。蒸発後、残渣をDMF(2.8ml)に溶解し、ヨウ化ナトリウム(97mg, 652μmol)およびアジ化ナトリウム(169mg, 2.6mmol)で処理した。混合物を80℃で1時間撹拌した。飽和塩化ナトリウム水溶液で希釈した後、水相を酢酸エチルで4回抽出し、合わせた有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し、蒸発させた。シリカゲルのカラムクロマトグラフィーによって精製し(ジクロロメタン/メタノール 98:2→90:10)、35mg(理論値の56%)の表題化合物を得た。
LC-MS (方法5): Rt = 2.04分; MS (ESIpos): m/z = 478 (M+H)+
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ = 8.02 (s, 1H), 7.75 (br. s, 1H), 7.41 (s, 1H), 7.33 (s, 1H), 6.86 (s, 1H), 4.51 (s, 2H), 4.01 (s, 2H), 3.96 (s, 3H), 3.16-3.08 (m, 2H), 3.04-2.98 (m, 2H), 2.65-2.58 (m, 2H), 2.45 (s, 3H) ppm.
【0184】
中間体33A
4−アミノ−5−(7−メトキシ−5−メチル−1−ベンゾチオフェン−2−イル)−7−(モルホリン−4−イルメチル)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−6−カルボアルデヒド
【化75】
[この文献は図面を表示できません]
モレキュラー・シーブ(4Å)を含むジクロロメタン(5ml)中の実施例50(710mg, 純度70%, 1.13mmol)の溶液を、デス・マーチン・ペルヨージナン(1,1,1−トリアセトキシ−1,1−ジヒドロ−1,2−ベンゾヨードキソール−3(1H)−オン, 623mg, 1.47mmol)で処理し、室温で5分間撹拌した。次いで反応混合物を珪藻土に吸着させ、シリカゲルのカラムクロマトグラフィーによって精製し(濃度勾配 30〜100% 酢酸エチル/シクロヘキサン)、386mg(理論値の72%)の表題化合物を得た。
LC-MS (方法2): Rt = 0.76分; MS (ESIpos): m/z = 438 (M+H)+.
【0185】
中間体34A
(4−アミノ−7−ブロモピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−6−イル)メタノール
【化76】
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THF(1ml)中の1,3−ジブロモ−5,5−ジメチルヒダントイン(87mg, 0.305mmol)の溶液を、THF(4ml)およびメタノール(2ml)中の中間体8A(100mg, 0.609mmol)の溶液に−78℃で滴下した。混合物を−78℃で16時間撹拌し、水で希釈し、酢酸エチルで抽出した。合わせた有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、蒸発させた。シリカゲルのカラムクロマトグラフィーによって精製し(ジクロロメタン/メタノール 20:1→10:1)、55mg(理論値の32%)の表題化合物を得た。
LC-MS (方法3): Rt = 1.71分; MS (ESIpos): m/z = 243/245 (M+H)+
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ = 7.74-7.94 (m, 3H), 7.04 (s, 1H), 5.12 (t, 1H), 4.48 (d, 2H) ppm.
【0186】
中間体35A
7−ブロモ−6−({[tert−ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}メチル)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−4−アミン
【化77】
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DMF(11ml)中の中間体34A(885mg, 3.64mmol)の溶液を、塩化 tert−ブチルジメチルシリル(823mg, 5.46mmol)およびイミダゾール(743mg, 10.92mmol)で処理し、室温で2時間撹拌した。反応混合物を、100mgのテストランの反応混合物と合わせ、水で希釈し、酢酸エチルで抽出した。合わせた有機相を、水で、そして飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、蒸発させた。シリカゲルのカラムクロマトグラフィーによって精製し(シクロヘキサン/酢酸エチル 2:1→100% 酢酸エチル)、1.36g(理論値の93%)の表題化合物を得た。
LC-MS (方法2): Rt = 1.13分; MS (ESIpos): m/z = 357/359 (M+H)+
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ = 7.98-7.68 (m, 3H), 7.04 (s, 1H), 4.68 (s, 2H), 0.89 (s, 9H), 0.09 (s, 6H) ppm.
【0187】
中間体36A
4−アミノ−6−({[tert−ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}メチル)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−7−カルボニトリル
【化78】
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アルゴン下、脱気したDMF/水(100:1, 9.2ml)中の、中間体35A(880mg, 2.46mmol)、[1,1'−ビス(ジフェニル−ホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)−ジクロロメタン錯体[PdCl(dppf)・DCM](120mg, 0.148mmol)、ビス(ジベンジリデンアセトン)パラジウム[Pd(dba)](135mg, 0.148mmol)、シアン化亜鉛(578mg, 4.92mmol)、亜鉛粉末(64mg, 0.985mmol)および酢酸亜鉛(180mg, 0.985mmol)の混合物を、160℃で一夜撹拌した。反応混合物を、100mgのテストランの反応混合物と合わせ、合わせた混合物を珪藻土に吸着させ、他の珪藻土の層で濾過し、tert−ブチル メチル エーテルで溶出した。濾液を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄し、再度、水層をtert−ブチル メチル エーテルで3回抽出した。合わせた有機相を硫酸ナトリウムで乾燥し、蒸発させた。シリカゲルのカラムクロマトグラフィーによって精製し(シクロヘキサン/酢酸エチル 1:1)、453mg(理論値の44%)の表題化合物を得た。
LC-MS (方法2): Rt = 1.09分; MS (ESIpos): m/z = 304 (M+H)+
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ = 8.22-8.35 (m, 2H), 8.06 (s, 1H), 6.95 (s, 1H), 4.83 (s, 2H), 0.91 (s, 9H), 0.11 (s, 6H) ppm.
【0188】
中間体37A
4−アミノ−5−ブロモ−6−({[tert−ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}メチル)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−7−カルボニトリル
【化79】
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THF(20ml)中の1,3−ジブロモ−5,5−ジメチルヒダントイン(621mg, 2.17mmol)の溶液を、THF(80ml)中の中間体36A(1.1g, 3.62mmol)の溶液に、−50℃で滴下した。得られた混合物を室温までゆっくりと温め、2時間撹拌し、10% チオ硫酸ナトリウム水溶液および飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で反応停止させた。水相を酢酸エチルで3回抽出した。酢酸エチル溶液から沈殿した固体を濾過し、酢酸エチルで洗浄し、508mg(純度100%, 理論値の36%)の表題化合物を第1収穫物として得た。残った濾液を硫酸ナトリウムで乾燥し、蒸発させた。残渣をDMSOから沈殿させ、DMSOで、そして酢酸エチルで洗浄し、さらに498mg(純度85%, 理論値の26%)の表題化合物を得た。
LC-MS (方法5): Rt = 2.70分; MS (ESIpos): m/z = 382/384 (M+H)+
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ = 8.10 (s, 1H), 4.76 (s, 2H), 0.90 (s, 9H), 0.12 (s, 6H) ppm.
【0189】
中間体38A
4−アミノ−6−({[tert−ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}メチル)−5−(7−メトキシ−5−メチル−1−ベンゾチオフェン−2−イル)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−7−カルボニトリル
【化80】
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アルゴン下、脱気したTHF(14.8ml)中の中間体37A(459mg, 1.29mmol)の溶液を、(2'−アミノビフェニル−2−イル)(クロロ)パラジウム−ジシクロヘキシル(2',4',6'−トリイソプロピルビフェニル−2−イル)ホスフィン(1:1, 152mg, 0.19mmol, S. L. Buchwald et al., J. Am. Chem. Soc. 132 (40), 14073-14075 (2010)を参照のこと)および中間体6A(647mg, 1.94mmol)に加えた。脱気した0.5Mのリン酸カリウム水溶液(5.1ml)を滴下し、得られた混合物を60℃で2時間撹拌した。反応混合物を、先の70mg, 90mgおよび500mgのテストランの反応混合物と合わせ、蒸発させた。残渣をシリカゲルのカラムクロマトグラフィーによって精製し(シクロヘキサン/酢酸エチル 3:1→100% 酢酸エチル)、1.0g(理論値の58%)の表題化合物を得た。
LC-MS (方法2): Rt = 1.49分; MS (ESIpos): m/z = 480 (M+H)+
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ = 8.57-8.35 (br. s, 1H), 8.18 (s, 1H), 7.41 (s, 1H), 7.30 (s, 1H), 6.86 (s, 1H), 6.28-6.03 (br. s, 1H), 4.74 (s, 2H), 3.95 (s, 3H), 2.44 (s, 3H), 0.83 (s, 9H), 0.00 (s, 6H) ppm.
【0190】
中間体39A
4−アミノ−6−ホルミル−5−(7−メトキシ−5−メチル−1−ベンゾチオフェン−2−イル)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−7−カルボニトリル
【化81】
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ジクロロメタン(5ml)中の実施例68(250mg, 0.684mmol)の溶液を、デス・マーチン・ペルヨージナン(1,1,1−トリアセトキシ−1,1−ジヒドロ−1,2−ベンゾヨードキソール−3(1H)−オン, 377mg, 0.889mmol)で処理し、室温で1時間撹拌した。反応混合物を、50mgのテストランの反応混合物と合わせ、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液および飽和チオ硫酸ナトリウム水溶液(1:1)で反応停止させ、室温で30分間撹拌した。水相を酢酸エチルで3回抽出し、合わせた有機相を硫酸ナトリウムで乾燥し、蒸発させた。シリカゲルのカラムクロマトグラフィーによって精製し(シクロヘキサン/25% 酢酸エチル→100% 酢酸エチル)、102mg(理論値の24%)の表題化合物を得た。
LC-MS (方法2): Rt = 1.02分; MS (ESIpos): m/z = 364 (M+H)+
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ = 9.86 (s, 1H), 8.78 (br. s, 1H), 8.30 (s, 1H), 7.62 (s, 1H), 7.36 (s, 1H), 6.91 (s, 1H), 6.51 (br. s, 1H), 3.97 (s, 3H), 2.46 (s, 3H) ppm.
【0191】
中間体40A
4−アミノ−6−(アジドメチル)−5−(7−メトキシ−5−メチル−1−ベンゾチオフェン−2−イル)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−7−カルボニトリル
【化82】
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ジクロロメタン(5ml)中の実施例68(100mg, 273μmol)の溶液を、塩化チオニル(39μl, 547μmol)で処理し、室温で15分間撹拌した。蒸発後、残渣をDMF(6ml)に溶解し、ヨウ化ナトリウム(205mg, 1.36mmol)およびアジ化ナトリウム(355mg, 5.47mmol)で処理した。混合物を80℃で一夜撹拌し、水で希釈し、酢酸エチルで3回抽出した。合わせた有機層を、水で、次に飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、蒸発させ、91mgの粗生成物を得た。これをさらに精製することなく次の工程に用いた。
LC-MS (方法2): Rt = 1.13分; MS (ESIpos): m/z = 391 (M+H)+
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6): d = 8.65-8.45 (br. s, 1H), 8.23 (s, 1H), 7.46 (s, 1H), 7.34 (s, 1H), 6.88 (s, 1H), 6.41-6.10 (br. s, 1H), 4.57 (s, 2H), 3.96 (s, 3H), 2.46 (s, 3H) ppm.
【0192】
中間体41A
5,7−ジブロモ−6−({[tert−ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}メチル)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−4−アミン
【化83】
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DMF(20ml)中の中間体18A(2g, 6.21mmol)の溶液を、イミダゾール(846mg, 12.4mmol)および塩化 tert−ブチルジメチルシリル(1.12g, 7.45mmol)で処理し、室温で20時間撹拌した。反応混合物を水(200ml)で希釈し、室温でさらに2時間撹拌した。固体を濾過し、2.46g(理論値の88%)の表題化合物を得た。
LC-MS (方法2): Rt = 1.37分; MS (ESIpos): m/z = 437 (M+H)+
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ = 8.49-8.05 (br. s, 1H), 7.96 (s, 1H), 7.15-6.76 (br. s, 1H), 4.64 (s, 2H), 0.87 (s, 9H), 0.09 (s, 6H) ppm.
【0193】
中間体42A
2−[4−アミノ−5−ブロモ−6−({[tert−ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}メチル)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−7−イル]プロパン−2−オール
【化84】
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アルゴン下、THF(40ml)中の中間体41A(1g, 2.29mmol)の溶液を−78℃まで冷却し、ジエチルエーテル中1.6Mのメチルリチウム溶液(1.5ml, 2.40mmol)で処理した。−78℃で10分間撹拌した後、ヘキサン中1.6Mのn−ブチルリチウム溶液(1.58ml, 2.52mmol)を加え、10分間撹拌を続けた。アセトン(1.68ml, 22.92mmol)を加え、得られた混合物を室温までゆっくりと温め、室温で18時間撹拌した。反応を水で停止させ、水相を酢酸エチルで2回抽出した。合わせた有機相を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、蒸発させた。シリカゲルのフラッシュクロマトグラフィーによって精製し(シクロヘキサン/酢酸エチル 2:1)、306mg(理論値の30%)の表題化合物を得た。
LC-MS (方法4): Rt = 1.39分; MS (ESIpos): m/z = 415/417 (M+H)+
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ = 8.23-7.85 (br. s, 1H), 7.89 (s, 1H), 7.05-6.82 (br. s, 1H), 5.49 (s, 1H), 4.88 (s, 2H), 1.66 (s, 6H), 0.87 (s, 9H), 0.08 (s, 6H) ppm.
【0194】
中間体43A
2−[4−アミノ−5−ブロモ−6−(ヒドロキシメチル)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−7−イル]プロパン−2−オール
【化85】
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THF(15ml)中の中間体42A(304mg, 0.732mmol)の溶液を、THF中1Mのフッ化 テトラ−n−ブチルアンモニウム溶液(768μl, 768μmol)で処理し、室温で2分間撹拌した。反応混合物をアセトニトリル(20ml)で希釈し、蒸発させ、残渣を分取RP−HPLC(Reprosil C18, 濃度勾配 10〜30% アセトニトリル/0.2%TFA水溶液)によって精製した。このようにして得られた生成物をメタノールに溶解し、アニオン交換カートリッジ(Stratospheres SPE, PL-HCO3 MP-樹脂)で濾過した。カートリッジをメタノールで溶出し、濾液を蒸発させ、180mg(理論値の67%)の表題化合物を得た。
LC-MS (方法2): Rt = 0.55分; MS (ESIpos): m/z = 301/303 (M+H)+
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ = 8.21-7.90 (m, 1H), 7.87 (s, 1H), 7.09-6.60 (br. s, 1H), 5.90 (br. s, 1H), 5.03 (br. s, 1H), 4.63 (s, 2H), 1.66 (s, 6H) ppm.
【0195】
中間体44A
4−アミノ−7−(2−ヒドロキシプロパン−2−イル)−5−(7−メトキシ−5−メチル−1−ベンゾチオフェン−2−イル)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−6−カルボアルデヒド
【化86】
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ジクロロメタン(7ml)中の実施例73(135mg, 純度89%, 302μmol)の溶液を、デス・マーチン・ペルヨージナン(1,1,1−トリアセトキシ−1,1−ジヒドロ−1,2−ベンゾヨードキソール−3(1H)−オン, 166mg, 392μmol)で処理し、室温で70分間撹拌した。反応混合物を、18mg(45μmol)のテストランの反応混合物と合わせ、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液および飽和チオ硫酸ナトリウム水溶液(1:1)で反応停止させた。水相をジクロロメタンで3回抽出した。合わせた有機相を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、蒸発させ、143mg(純度77%, 理論値の92%)の表題化合物を得た。
LC-MS (方法2): Rt = 1.08分; MS (ESIpos): m/z = 397 (M+H)+.
【0196】
中間体45A
6−({[tert−ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}メチル)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−4−アミン
【化87】
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15mlの乾燥DMF中の1.5g(9.14mmol)の中間体8Aの溶液を、1.65g(10.96mmol)の塩化 tert−ブチルジメチルシリルおよび1.24g(18.27mmol)のイミダゾールで処理し、室温で一夜撹拌した。反応混合物を250mlの水に注ぎ、5分間撹拌した。得られた沈殿物を濾過し、45℃で、真空で乾燥した。
収量:2.28g(理論値の90%)。
LC-MS (方法5): Rt = 2.12分; MS (ESIpos): m/z = 279 (M+H)+.
【0197】
中間体46A
6−({[tert−ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}メチル)−7−クロロピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−4−アミン
【化88】
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20mlのTHF中の2g(7.18mmol)の中間体45Aの溶液を、893mg(6.47mmol)のN−クロロスクシンイミドの6部で、60分かけて−10℃で処理した。−10℃で15分間撹拌を続け、混合物を室温まで温めた。さらに192mg(1.44mmol)のN−クロロスクシンイミドを室温で加え、一夜撹拌を続けた。約1/10の反応混合物を乾固するまで蒸発させ、残渣を、分取RP−HPLCによって精製し(Reprosil C18, 濃度勾配 10〜95% アセトニトリル/0.1%蟻酸水溶液)、94mg(理論値の4%)の表題化合物を得た。反応混合物の主要な部分をシリカゲルに吸着させ、イソヘキサン/酢酸エチル 5〜66%を溶出液としてシリカゲルのクロマトグラフィーを行い、899mg(理論値の40%)の表題化合物を得た。
総収量:993mg(理論値の44%).
LC-MS (方法5): Rt = 2.45分; MS (ESIpos): m/z = 313 (M+H)+
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ = 7.69-8.04 (m, 3H), 7.0 (s, 1H), 4.70 (s, 2H), 0.88 (s, 9H), 0.08 (s, 6H) ppm.
【0198】
中間体47A
5−ブロモ−6−({[tert−ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}メチル)−7−クロロピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−4−アミン
【化89】
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20mlのDMF中の890mg(2.85mmol)の中間体46Aの溶液を、506mg(2.85mmol)のN−ブロモスクシンイミドで、少しずつ、−10℃で1時間かけて処理した。−10℃で3時間、次いで室温で一夜、撹拌を続けた。水(200ml)を加え、混合物を2時間撹拌した。沈殿した固体を濾過して取り、水で洗浄し、45℃で真空で乾燥した。
収量:997mg(理論値の89%).
LC-MS (方法5): Rt = 2.82分; MS (ESIpos): m/z = 391/393/395 (M+H)+
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ = 8.32 (br. s, 1H), 7.97 (s, 1H), 6.97 (br. s, 1H), 4.66 (s, 2H), 0.87 (s, 9H), 0.09 (s, 6H) ppm.
【0199】
中間体48A
6−({[tert−ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}メチル)−7−クロロ−5−(7−メトキシ−5−メチル−1−ベンゾチオフェン−2−イル)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−4−アミン
【化90】
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アルゴン雰囲気下、フラスコに、800mg(2.04mmol)の中間体47A、680mg(2.04mmol)の中間体6A、80mg(0.1mmol)の(2'−アミノビフェニル−2−イル)−(クロロ)パラジウム−ジシクロヘキシル(2',4',6'−トリイソプロピルビフェニル−2−イル)ホスフィン(1:1, S. L. Buchwald et al., J. Am. Chem. Soc. 132 (40), 14073-14075 (2010)を参照のこと)および1.3g(6.13mmol)のリン酸カリウムを入れた。次いで、30mlの脱気した1,4−ジオキサン/水混合物(5:1)を加え、溶液を70℃で1時間撹拌した。さらに680mg(2.04mmol)の中間体6Aおよび32mg(0.04mmol)の(2'−アミノビフェニル−2−イル)(クロロ)パラジウム−ジシクロヘキシル(2',4',6'−トリイソプロピルビフェニル−2−イル)ホスフィン(1:1)を加え、70℃でさらに1時間撹拌を続けた。出発物質が消費されるまで(LC−MSによりコントロール)、この手順を3回繰り返した。反応物の最後の部分で、pH値が8〜9に至るまで1.6mlの5M 水酸化ナトリウム水溶液を加えた。反応の最後に、油状物が分離するまで、30mlの水および5Mの蟻酸水溶液を加えた(pH 3〜4)。この油状物の一部を分取RP−HPLCによって精製した(Reprosil C18, 濃度勾配 10〜95% アセトニトリル/0.1%蟻酸水溶液)。表題化合物の2つのフラクションを得た:103mgの固体(LC−MSによる純度89%, 理論値の9%)および23mgの固体(LC−MSによる純度100%, 理論値の2%)。油状物の残りおよび上清を水で希釈し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液でpH 8〜9に調節し、ジクロロメタンで3回抽出した。合わせた有機相を水で洗浄し、乾燥し、減圧下で蒸発させ、2.1gの油状物を得た。この物質を、シリカゲルのカラムクロマトグラフィーによって、ジクロロメタン/0〜5% メタノールを溶出液として精製し、さらに709mg(LC−MSによる純度43%, 理論値の31%)の表題化合物を得た。
総収率:理論値の42%
LC-MS (方法2): Rt = 1.57分; MS (ESIpos): m/z = 489 (M+H)+
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ = 8.08 (s, 1H), 7.43 (s, 1H), 7.32 (s, 1H), 6.88 (s, 1H), 4.66 (s, 2H), 3.98 (s, 3H), 2.47 (s, 3H), 0.84 (s, 9H), -0.03 (s, 6H) ppm.
【0200】
中間体49A
4−アミノ−7−クロロ−5−(7−メトキシ−5−メチル−1−ベンゾチオフェン−2−イル)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−6−カルボアルデヒド
【化91】
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3mlのジクロロメタン中の166mg(0.44mmol)の実施例79およびモレキュラー・シーブ(3Å)の懸濁液に、207mg(0.49mmol)のデス・マーチン・ペルヨージナン(1,1,1−トリアセトキシ−1,1−ジヒドロ−1,2−ベンゾヨードキソール−3(1H)−オン)を、0〜5℃で加えた。混合物をこの温度で10分間撹拌し、さらに56mg(0.13mmol)のデス・マーチン・ペルヨージナンを加え、5℃で15分間、環境温度で10分間撹拌を続けた。この後、混合物を珪藻土に吸着させ、シリカゲルのカラムクロマトグラフィーによって、ジクロロメタン/0〜10% メタノールを溶出液として精製した。
収量:100mgの固体(LC−MSによる純度92.7%, 理論値の56%).
LC-MS (方法2): Rt = 1.08分; MS (ESIpos): m/z = 373 (M+H)+
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ = 9.90 (s, 1H), 8.46 (br. s, 1H), 8.15 (s, 1H), 7.54 (s, 1H), 7.34 (s, 1H), 6.89 (s, 1H), 6.07 (br. s, 1H), 3.96 (s, 3H), 2.46 (s, 3H) ppm.
【0201】
中間体50A
7−クロロ−6−(クロロメチル)−5−(7−メトキシ−5−メチル−1−ベンゾチオフェン−2−イル)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−4−アミン
【化92】
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表題化合物を、実施例79の製造(下記参照)における副生成物として単離した。
収量:9.2mg(理論値の10%).
LC-MS (方法3): Rt = 2.98分; MS (ESIpos): m/z = 393/395 (M+H)+.
【0202】
中間体51A
6−({[tert−ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}メチル)−7−メチルピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−4−アミン
【化93】
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60mlの1,4−ジオキサン中の3g(8.4mmol)の中間体35Aの溶液に、アルゴン雰囲気下、171mg(0.21mmol)のPdCl(dppf)・DCMを加え、10分かけて16.8mlのトルエン中2Mのジメチル亜鉛溶液を滴下した(22℃から31℃への温度上昇が起こる)。最初に環境温度で10分間、次いで90℃で13時間撹拌を続けた。この後、水(10ml)を反応混合物に室温で加え、懸濁液を1時間撹拌した。混合物を減圧下で蒸発させ、残渣を水および酢酸エチルに溶かし、さらに1時間撹拌した。沈殿物を濾過して廃棄し、相を分離し、水層を酢酸エチルで2回抽出した。合わせた有機相を乾燥し、蒸発させ、2.45g(LC−MSによる純度92%, 理論値の92%)の表題化合物を得た。
LC-MS (方法5): Rt = 2.18分; MS (ESIpos): m/z = 293 (M+H)+
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ = 7.98-7.78 (m, 3H), 7.04 (s, 1H), 4.68 (s, 2H), 0.89 (s, 9H), 0.09 (s, 6H) ppm.
【0203】
中間体52A
(4−アミノ−7−メチルピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−6−イル)メタノール
【化94】
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【0204】
方法1:
2mlの1,4−ジオキサン中の100mg(0.28mmol)の中間体35Aの溶液に、アルゴン雰囲気下、6mg(0.01mmol)のPdCl(dppf)・DCMを加え、10分かけて、0.56mlのトルエン中2Mのジメチル亜鉛溶液を滴下した。混合物を90℃で一夜撹拌し、次いで蒸発させ、残渣をアセトニトリルおよび5Mの蟻酸水溶液で処理した。沈殿物を濾過し、濾液を蒸発させ、残渣をDMSO/アセトニトリルに溶かし、分取RP−HPLCによって精製した(Reprosil C18, 濃度勾配 10〜95% アセトニトリル/0.1%蟻酸水溶液)。
収量:33mg(理論値の66%).
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ = 7.79 (s, 1H), 7.47 (br. s, 2H), 6.80 (s, 1H), 4.84 (t, 1H), 4.49 (d, 2H), 2.36 (s, 3H) ppm.
【0205】
方法2:
アルゴン雰囲気下、マイクロ波反応容器に、750mg(3.1mmol)の中間体34A、515μl(3.7mmol)のトリメチルボロキシン、786mg(3.7mmol)のリン酸カリウムおよび73mg(0.09mmol)の(2'−アミノビフェニル−2−イル)(クロロ)パラジウム−ジシクロヘキシル(2',4',6'−トリイソプロピルビフェニル−2−イル)ホスフィン(1:1, S. L. Buchwald et al., J. Am. Chem. Soc. 132 (40), 14073-14075 (2010)を参照のこと)を入れた。次いで、13mlの脱気した1,4−ジオキサン/水混合物(5:1)を加え、容器を密封し、混合物を、マイクロ波中(4bar, 50watt)、140℃で20分間加熱した。さらに、50mgの(2'−アミノビフェニル−2−イル)−(クロロ)パラジウム−ジシクロヘキシル(2',4',6'−トリイソプロピルビフェニル−2−イル)ホスフィン(1:1)を加え、混合物を再度マイクロ波中で140℃で20分間加熱した。さらに515μlのトリメチルボロキシンを加え、容器を再度140℃で20分間加熱した。LC−MSにより少量の出発物質しか残っていないことが示されるまで、後者の手順を各30分間の加熱時間で2回以上繰り返した。混合物を珪藻土で濾過し、1,4−ジオキサンで洗浄し、合わせた濾液を蒸発乾固した。この残渣を先の100mgのテストランと合わせて、分取RP−HPLCによって精製した(XBridge C18, 濃度勾配 5〜42% アセトニトリル/0.05%水酸化アンモニウム水溶液)。
収量:238mg(理論値の38%).
LC-MS (方法5): Rt = 0.51分; MS (ESIneg): m/z = 177 (M-H)-
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ = 7.79 (s, 1H), 7.48 (br. s, 2H), 6.80 (s, 1H), 4.84 (t, 1H), 4.49 (d, 2H), 2.36 (s, 3H) ppm.
【0206】
中間体53A
(4−アミノ−5−ブロモ−7−メチルピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−6−イル)メタノール
【化95】
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8.8mlのDMF中の245mg(1.38mmol)の中間体52Aの溶液を、288mg(1.62mmol)のN−ブロモスクシンイミドを少しずつ加えて、−10℃で2時間処理した。−10℃で30分間、次いで環境温度で2時間撹拌を続けた。混合物を50mlの水に注ぎ、酢酸エチルで抽出した。合わせた有機相を乾燥し、蒸発させた。残渣について、ジクロロメタン/0〜15% メタノールを溶出液として、シリカゲルのフラッシュクロマトグラフィーを行った。
収量:148mg(理論値の42%).
LC-MS (方法4): Rt = 0.42分; MS (ESIpos): m/z = 257/259 (M+H)+
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ = 7.85 (s, 1H), 6.14-8.22 (broad, 2H), 4.88 (t, 1H), 4.45 (d, 2H), 2.43 (s, 3H) ppm.
【0207】
中間体54A
4−アミノ−5−(7−メトキシ−5−メチル−1−ベンゾチオフェン−2−イル)−7−メチルピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−6−カルボアルデヒド
【化96】
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3.5mlのジクロロメタン中の175mg(0.49mmol)の実施例75およびモレキュラー・シーブ(3Å)の懸濁液に、230mg(0.54mmol)のデス・マーチン・ペルヨージナン(1,1,1−トリアセトキシ−1,1−ジヒドロ−1,2−ベンゾヨードキソール−3(1H)−オン)を0〜5℃で加えた。混合物を、この温度で5分間、続いて室温で30分間撹拌した。この後、混合物を珪藻土に吸着させ、シリカゲルのフラッシュクロマトグラフィーによって、イソヘキサン/10〜100% 酢酸エチルを溶出液として精製した。
収量:139mgの固体(理論値の79%).
LC-MS (方法5): Rt = 2.34分; MS (ESIpos): m/z = 353 (M+H)+
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ = 9.93 (s, 1H), 8.06 (s, 1H), 7.50 (s, 1H), 7.33 (s, 1H), 6.88 (s, 1H), 3.96 (s, 3H), 2.71 (s, 3H), 2.46 (s, 3H) ppm.
【0208】
中間体55A
4−[(4−アミノ−6−メチルピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−7−イル)メチル]ピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチル
【化97】
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酢酸(8ml)中の6−メチルピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−4−アミン(500mg, 3.3mmol;PCT国際特許出願WO 2007/056170に記載された製法)の溶液を、37%のホルムアルデヒド水溶液(328μl, 4.04mmol)およびピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチル(754mg, 4.04mmol)で処理した。混合物を60℃で一夜撹拌した。蒸発後、残渣を酢酸エチルに溶かし、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄した。水層を酢酸エチルで2回抽出した。合わせた有機相を硫酸マグネシウムで乾燥し、蒸発させ、1.2gの粗生成物を得た。これをさらに精製することなく次の工程に用いた。
LC-MS (方法2): Rt = 0.56分; MS (ESIpos): m/z = 347 (M+H)+
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ = 7.79 (s, 1H), 7.51 (br. s, 2H), 6.67 (s, 1H), 3.76 (br. s, 2H), 3.29-3.17 (m, 4H), 2.36-2.29 (m, 4H), 2.22 (s, 3H), 1.37 (s, 9H) ppm.
【0209】
中間体56A
4−[(4−アミノ−5−ブロモ−6−メチルピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−7−イル)メチル]ピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチル
【化98】
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THF(20ml)中の中間体55A(1.17g, 3.37mmol)の溶液を−60℃に冷却し、1,3−ジブロモ−5,5−ジメチルヒダントイン(5.78mg, 2.02mmol)で処理した。混合物を−60℃〜−20℃で4時間撹拌した。この後、反応混合物を10% チオ硫酸ナトリウム水溶液で反応停止させた。大部分のTHF溶媒を蒸発させると、固体が沈殿した。濾過し、アセトンから再結晶して、862mg(理論値の59%)の表題化合物を得た。
LC-MS (方法2): Rt = 0.66分; MS (ESIpos): m/z = 425/427 (M+H)+
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ = 8.29-7.62 (br. s, 1H), 7.85 (s, 1H), 7.17-6.44 (br. s, 1H), 3.80 (s, 2H), 3.29-3.22 (m, 4H), 2.37-2.27 (m, 4H), 2.16 (s, 3H), 1.37 (s, 9H) ppm.
【0210】
中間体57A
4−{[4−アミノ−5−(7−メトキシ−5−メチル−1−ベンゾチオフェン−2−イル)−6−メチルピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−7−イル]メチル}ピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチル
【化99】
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脱気した1,4−ジオキサン(3ml)中の中間体56A(100mg, 235μmol)の溶液を、中間体6A(93mg, 282μmol)、ジシクロヘキシル(2',6'−ジメトキシビフェニル−2−イル)ホスフィン(S−Phos;9.6mg, 23μmol)および酢酸パラジウム(2.6mg, 11μmol)で処理した。脱気した3Mのリン酸カリウム水溶液(588μl)を加え、得られた混合物を60℃で1時間撹拌した。さらなる中間体6A(78mg, 235μmol)を加え、60℃で一夜撹拌を続けた。反応混合物を2Mの水酸化ナトリウム水溶液で反応停止させ、水相を酢酸エチルで抽出した。合わせた有機相を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、蒸発させた。シリカゲルのカラムクロマトグラフィーによって精製し(シクロヘキサン/酢酸エチル 3:2)、82mg(理論値の62%)の表題化合物を得た。
LC-MS (方法2): Rt = 0.97分; MS (ESIpos): m/z = 523 (M+H)+
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ = 7.94 (s, 1H), 7.34 (s, 1H), 7.30 (s, 1H), 6.84 (s, 1H), 3.95 (s, 3H), 3.84 (s, 2H), 3.30-3.23 (m, 4H, 水のピークと重複), 2.45 (s, 3H), 2.42-2.33 (m, 4H), 2.19 (s, 3H), 1.39 (s, 9H) ppm.
【0211】
中間体58A
4−[(4−アミノ−6−クロロピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−7−イル)メチル]ピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチル
【化100】
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中間体55Aの手順に従って、4g(23.7mmol)の6−クロロピロロ[2,1−f][1,2,4]−トリアジン−4−アミン(PCT国際特許出願WO 2007/064883に記載された製造)を反応させ、11.2gの表題化合物を粗製の物質として得た。これをさらに精製することなく次の工程に用いた。
LC-MS (方法5): Rt = 0.74分; MS (ESIpos): m/z = 367 (M+H)+
【0212】
100mgの上で得られた粗製の物質の分取RP−HPLC後(Reprosil C18, 濃度勾配 10〜95% アセトニトリル/0.1%蟻酸水溶液)、67mgの対応する蟻酸塩のサンプルである4−[(4−アミノ−6−クロロピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−7−イル)メチル]ピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチル蟻酸塩を単離した。
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6): とりわけ δ = 8.14 (s, 1H), 7.91 (s, 1H), 7.83 (br. s, 2H), 6.95 (s, 1H), 3.80 (s, 2H), 3.17 (s, 2H), 2.38 (br. s, 4H), 1.37 (s, 9H) ppm.
【0213】
中間体59A
4−[(4−アミノ−5−ブロモ−6−クロロピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−7−イル)メチル]ピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチル
【化101】
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中間体56Aの手順に従って、11g(30mmol)の中間体58Aを反応させ、シリカゲルのフラッシュクロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール 10:1)、続いて分取RP−HPLC(Daiso C18, 濃度勾配 40〜65% アセトニトリル/水)の後、1.17g(理論値の9%)の表題化合物を得た。
LC-MS (方法2): Rt = 0.74分; MS (ESIpos): m/z = 445/447/449 (M+H)+
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6): とりわけ δ = 7.96 (s, 1H), 3.84 (s, 2H), 2.37 (br. s, 4H), 1.37 (s, 9H) ppm.
【0214】
中間体60A
4−{[4−アミノ−6−クロロ−5−(7−メトキシ−5−メチル−1−ベンゾチオフェン−2−イル)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−7−イル]メチル}ピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチル
【化102】
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アルゴン雰囲気下、フラスコに、140mg(0.31mmol)の中間体59A、102mg(0.46mmol)の中間体5A、16mg(0.02mmol)のPdCl(dppf)・DCMおよび122mg(1.15mmol)の炭酸ナトリウムを入れた。3mlの脱気した1,2−ジメトキシエタン/水(3:1)を添加後、懸濁液を60℃で2.5時間撹拌した。さらなる中間体5A(50mg, 0.23mmol)およびPdCl(dppf)・DCM(8mg, 0.01mmol)を加え、40℃で2.5時間撹拌を続けた。出発物質が消費されるまで、後者の手順を1回以上繰り返した。次いで、反応混合物を減圧下で部分的に蒸発させ、水を加え、混合物をジクロロメタンで抽出した。合わせた有機相を、水で、そして飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、乾燥し、減圧下で蒸発させた。残渣(322mg)を分取RP−HPLCによって精製し(Reprosil C18, 濃度勾配 10〜95% アセトニトリル/0.1%蟻酸水溶液)、49mgの表題化合物およびBoc脱保護誘導体である6−クロロ−5−(7−メトキシ−5−メチル−1−ベンゾチオフェン−2−イル)−7−(ピペラジン−1−イルメチル)−ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−4−アミンの混合物を得た。この混合物を次の反応工程(実施例85を参照)にそのまま用いた。
LC-MS (方法2): Rt = 1.00分; MS (ESIpos): m/z = 543 (M+H)+, および Rt = 0.81分; MS (ESIpos): m/z = 443 (M+H)+.
【0215】
中間体61A
4−{[4−アミノ−6−(メトキシメチル)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−7−イル]メチル}ピペラジン−2−オン
【化103】
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酢酸(85ml)中の中間体10A(5g, 28.1mmol)およびピペラジン−2−オン(3.09g, 30.9mmol)の溶液を、37%のホルムアルデヒド水溶液(3.15ml, 42.1mmol)で処理し、60℃で16時間撹拌した。揮発成分を減圧下で蒸発させ、残渣をメタノールに溶解し、珪藻土に吸着させた。シリカゲルのカラムクロマトグラフィーによって精製し(5〜10% メタノール/ジクロロメタン)、3.91g(理論値の46%)の表題化合物を得た。
LC-MS (方法3): Rt = 1.68分; MS (ESIpos): m/z = 291 (M+H)+.
【0216】
中間体62A
4−{[4−アミノ−5−ブロモ−6−(メトキシメチル)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−7−イル]メチル}ピペラジン−2−オン
【化104】
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DMF(50ml)中の中間体61A(3.9g, 13.4mmol)の溶液を0℃に冷却し、DMF(6ml)中のN−ブロモスクシンイミド(2.63g, 14.8mmol)の溶液で処理した。混合物を0℃で1時間撹拌した。次いで、溶媒を蒸発させ、残渣をメタノールに溶解し、珪藻土に吸着させた。シリカゲルのカラムクロマトグラフィーによって精製し(5〜10% メタノール/ジクロロメタン)、1.99g(理論値の39%)の表題化合物を得た。
LC-MS (方法3): Rt = 1.86分; MS (ESIpos): m/z = 369/371 (M+H)+
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ = 7.96-8.23 (br. s, 1H), 7.90 (s, 1H), 7.71 (s, 1H), 6.72-6.98 (br. s, 1H), 4.45 (s, 2H), 3.91 (s, 2H), 3.27 (s, 3H), 3.07 (br. s, 2H), 2.96 (s, 2H), 2.56 (br. s, 2H) ppm.
【0217】
中間体63A
7−(クロロメチル)−6−(エトキシメチル)−5−(7−メトキシ−5−メチル−1−ベンゾチオフェン−2−イル)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−4−アミン塩酸塩
【化105】
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トルエン(60ml)中の実施例86(1g, 2.51mmol)の懸濁液を、塩化チオニル(1.83ml, 25.1mmol)で滴下して処理し、混合物を室温で一夜撹拌した。揮発成分を減圧下で蒸発させた。残渣を減圧下でトルエンと共に3回共沸させ、0.85g(理論値の74%)の表題化合物を得た。これをさらに精製することなく次の工程に直接用いた。
【0218】
中間体64A
4−アミノ−6−(エトキシメチル)−5−(7−メトキシ−5−メチル−1−ベンゾチオフェン−2−イル)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−7−カルボン酸
【化106】
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THF/水(10:1, 220ml)中の中間体17A(5g, 12.6mmol)の懸濁液を、THF中2Mの2−メチル−2−ブテン溶液(31.5ml, 63.1mmol)で、そしてリン酸二水素ナトリウム(6.96g, 50.4mmol)で処理した。混合物を室温で5分間撹拌した。次いで、塩化ナトリウム(4.56g, 50.44mmol)を加え、得られた混合物を室温で20時間撹拌した。懸濁液を濾過し、得られた固体を水で洗浄し、4.24g(理論値の74%)の表題化合物を得た。これをさらに精製することなく次の工程に用いた。
LC-MS (方法4): Rt = 1.06分; MS (ESIpos): m/z = 413 (M+H)+
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ = 13.22 (br. s, 1H), 8.53-8.00 (br. s, 1H), 8.14 (s, 1H), 7.41 (s, 1H), 7.33 (s, 1H), 6.86 (s, 1H), 6.28-5.65 (br. s, 1H), 4.61 (s, 2H), 3.96 (s, 3H), 3.36 (q, 2H), 2.46 (s, 3H), 1.01 (t, 3H) ppm.
【0219】
中間体65A
5,7−ジメトキシ−1−ベンゾチオフェン
【化107】
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アセトン(20ml)中の1−ベンゾチオフェン−5,7−ジオール(1.16g, 6.98mmol)の溶液に、アルゴン下、炭酸カリウム(2.89g, 20.9mmol)およびヨードメタン(912μl, 14.6mmol)を加えた。得られた混合物を還流しながら18時間撹拌した。室温まで冷却した後、混合物をメタノール中7Mのアンモニア溶液(10ml)で30分間処理し、シリカゲルに吸着させた。シリカゲルのカラムクロマトグラフィーによって精製し(シクロヘキサン/酢酸エチル 40:1)、0.52g(理論値の32%)の表題化合物を得た。
LC-MS (方法4): Rt = 1.02分; MS (ESIpos): m/z = 195 (M+H)+
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ = 7.69 (d, 1H), 7.35 (d, 1H), 7.02 (d, 1H), 6.57 (d, 1H), 3.92 (s, 3H), 3.81 (s, 3H) ppm.
【0220】
中間体66A
(5,7−ジメトキシ−1−ベンゾチオフェン−2−イル)ボロン酸
【化108】
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アルゴン雰囲気下、ヘキサン中1.6Mのn−ブチルリチウム溶液(1.84ml, 2.95mmol)を、乾燥THF(5ml)中の中間体65A(520mg, 2.68mmol)の溶液に、−70℃で滴下した。−70℃で1時間後、ホウ酸トリイソプロピル(742μl, 3.21mmol)を加え、混合物を16時間撹拌し、その間ゆっくりと室温まで温めた。ジクロロメタンおよび飽和塩化アンモニウム水溶液を加え、1M 塩酸の添加によって、pH値を6に調節した。有機相を分離し、水相をジクロロメタンで抽出した。合わせた有機相を硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、蒸発させた。得られた残渣をシリカゲルのカラムクロマトグラフィーによって精製し(最初にジクロロメタン/メタノール 40:1、次いでメタノール、最後にメタノール/1,4−ジオキサン中4Mの塩化水素 10:1で溶出)、631mg(純度71%, 理論値の71%)の表題化合物を得た。
LC-MS (方法4): Rt = 0.83分; MS (ESIpos): m/z = 239 (M+H)+.
【0221】
中間体67A
4−アミノ−6−(クロロメチル)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−7−カルボアルデヒド
【化109】
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中間体11Aの合成の副生成物として、シリカゲルのカラムクロマトグラフィー後(ジクロロメタン/アセトン 8:2→7:3)、中間体67Aを単離した。
LC-MS (方法2): Rt = 0.6分; MS (ESIpos): m/z = 211/213 (M+H)+.
【0222】
中間体68A
4−アミノ−6−[(3−オキソピペラジン−1−イル)メチル]ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−7−カルボアルデヒド
【化110】
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331mlのDMF中の中間体67A(11.03g, 52.4mmol)および2−オキソピペラジン(6.82g, 68.1mmol)の溶液を、室温で、DIPEA(13.7ml, 78.6mmol)で処理し、一夜撹拌した。沈殿物を濾過し、DMFで、そしてジエチルエーテルで洗浄し、真空で乾燥し、11.64gの表題化合物を得た(純度89%, 理論値の72%)。
LC-MS (方法7): Rt = 1.30分; MS (ESIpos): m/z = 275 (M+H)+.
【0223】
中間体69A
4−{[4−アミノ−7−(ヒドロキシメチル)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−6−イル]メチル}ピペラジン−2−オン
【化111】
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1Mの塩酸(370ml)およびメタノール(370ml)中の中間体68A(10.17g, 純度89%, 33.01mmol)の溶液に、室温で、亜鉛粉末(12.1g, 185mmol)を加え、混合物を室温で18時間撹拌した。シリカゲル(100g)を加え、揮発成分を減圧下で蒸発させた。残渣をメタノールに懸濁し、揮発成分を再度減圧下で蒸発させ、残渣を真空で乾燥した。固体についてシリカゲルのカラムクロマトグラフィーを行い(濃度勾配 ジクロロメタン/メタノール中7Mのアンモニア 10:1→3:1)、6.39gの表題化合物を得た(理論値の60%)。
LC-MS (方法8): Rt = 1.12分; MS (ESIpos): m/z = 277 (M+H)+
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ = 7.83 (s, 1H), 7.76 (br. s, 1H), 7.64 (br. s, 2H), 6.83 (s, 1H), 5.01 (br. s, 1H), 4.74 (s, 2H), 3.64 (br. s, 2H), 3.14 (br. s, 2H), 2.95 (br. s, 2H), 2.58 (br. s, 2H) ppm.
【0224】
中間体70A
4−{[4−アミノ−5−ブロモ−7−(ヒドロキシメチル)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−6−イル]メチル}ピペラジン−2−オン トリフルオロ酢酸塩
【化112】
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メタノール/水(10:1, 33ml)中の中間体69A(1g)の懸濁液を、トリフルオロ酢酸(0.56ml, 7.24mmol)で処理すると、透明な溶液が得られた。メタノール(30ml)中のN−ブロモスクシンイミド(708mg, 3.98mmol)の溶液を0℃で滴下し、混合物を0℃で1時間撹拌した。形成した沈殿物を濾過し、真空で乾燥し、700mgの表題化合物を得た(理論値の41%)。
LC-MS (方法7): Rt = 1.38分; MS (ESIpos): m/z = 355/357 (M+H)+
1H-NMR (400 MHz, D2O): δ = 7.90 (s, 1H), 5.00 (s, 2H), 4.44 (s, 2H), 3.85 (s, 2H), 3.58 (br. t, 2H), 3.50 (br. t, 2H) ppm.
【0225】
製造例:
実施例1
4−{[4−アミノ−6−(メトキシメチル)−5−(7−メトキシ−5−メチル−1−ベンゾチオフェン−2−イル)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−7−イル]メチル}ピペラジン−2−オン
【化113】
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【0226】
方法1:
メタノール(87ml)中の中間体13A(3g, 7.84mmol)の溶液を、酢酸(0.898ml, 15.68mmol)、2−オキソピペラジン(1.17g, 11.76mmol)およびトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(4.98g, 23.53mmol)で処理した。混合物を室温で4.5時間撹拌した。さらに2−オキソピペラジン(392mg, 3.9mmol)およびトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(3.3g, 15.68mmol)を加え、得られた混合物を60℃で一夜撹拌した。蒸発後、残渣を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液に溶かし、酢酸エチルで抽出した。合わせた有機相を硫酸ナトリウムで乾燥し、蒸発させ、残渣をシリカゲルのカラムクロマトグラフィーによって精製した(ジクロロメタン/メタノール 40:1→10:1)。このようにして得られた生成物をメタノールで磨砕し、濾過して、540mg(理論値の14%)の表題化合物を得た。メタノール性母液を蒸発させ、残渣を2倍RP−HPLCによって精製した(Reprosil C18, 濃度勾配 10〜95% アセトニトリル/0.1%蟻酸水溶液)。純粋な生成物を含むフラクションを合わせて、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で中和した。アセトニトリル溶媒を蒸発させ、水相を酢酸エチルで抽出した。合わせた有機相を硫酸ナトリウムで乾燥し、蒸発させ、395mg(理論値の13%)の表題化合物を第2バッチとして得た。
【0227】
方法2:
酢酸(2.9ml)中の中間体21A(291mg, 0.82mmol)の溶液を、37%のホルムアルデヒド水溶液(104μl, 1.39mmol)および2−オキソピペラジン(139mg, 1.39mmol)で処理した。混合物を60℃で3時間撹拌し、蒸発させた。分取RP−HPLCによって精製し(Reprosil C18, 濃度勾配 10〜95% アセトニトリル/0.1%蟻酸水溶液)、184mg(理論値の44%)の表題化合物を得た。
LC-MS (方法4): Rt = 0.77分; MS (ESIpos): m/z = 467 (M+H)+
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ = 8.00 (s, 1H), 7.73 (br. s, 1H), 7.37 (s, 1H), 7.31 (s, 1H), 6.84 (s, 1H), 4.41 (s, 2H), 3.97 (s, 2H), 3.96 (s, 3H), 3.20 (s, 3H), 3.15-3.08 (br. s, 2H), 3.01 (s, 2H), 2.64 (br. t, 2H), 2.45 (s, 3H) ppm.
【0228】
実施例2
4−{[4−アミノ−6−(メトキシメチル)−5−(7−メトキシ−5−メチル−1−ベンゾチオフェン−2−イル)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−7−イル]メチル}ピペラジン−2−オン 二塩酸塩
【化114】
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1,4−ジオキサン(2ml)中の実施例1(100mg, 214μmol)の溶液を、1,4−ジオキサン中4Mの塩化水素溶液(2ml, 8mmol)で処理した。溶媒を蒸発させ、130mg(定量的)の表題化合物を得た。
LC-MS (方法2): Rt = 0.79分; MS (ESIpos): m/z = 467 (M+H)+
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ = 8.39 (br. s, 1H), 8.31-8.53 (br. s, 1H), 8.17 (s, 1H), 7.38 (s, 1H), 7.34 (s, 1H), 6.87 (s, 1H), 6.21-6.42 (br. s, 1H), 4.81 (br. s, 2H), 4.52 (br. s, 2H), 3.96 (s, 3H), 3.57 (s, 2H), 3.32-3.72 (m, 4H), 3.26 (s, 3H), 2.46 (s, 3H) ppm.
【0229】
実施例3
(3R)−3−({[4−アミノ−6−(メトキシメチル)−5−(7−メトキシ−5−メチル−1−ベンゾチオフェン−2−イル)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−7−イル]メチル}アミノ)ピロリジン−2−オン 二塩酸塩
【化115】
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メタノール(15ml)および酢酸(156μl, 2.7mmol)中の中間体13A(520mg, 1.36mmol)の溶液を、(R)−3−アミノピロリジン−2−オン(503mg, 5.0mmol)およびトリアセトキシ水素化ホウ素塩(1.06g, 5.0mmol)で処理した。混合物を室温で一夜撹拌し、蒸発させた。分取RP−HPLCによって精製し(Reprosil C18, 濃度勾配 10〜95% アセトニトリル/0.1%蟻酸水溶液)、このようにして得られた生成物を1,4−ジオキサン中4Mの塩化水素溶液から凍結乾燥して、272mg(理論値の36%)の表題化合物を得た。
LC-MS (方法2): Rt = 0.70分; MS (ESIpos): m/z = 467 (M+H)+
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ = 9.62 (br. s, 1H), 9.46 (br. s, 1H), 8.56-8.22 (br. s, 1H), 8.44 (s, 1H), 8.19 (s, 1H), 7.38 (s, 1H), 7.34 (s, 1H), 6.87 (s, 1H), 6.54-6.12 (br. s, 1H), 4.89-4.65 (m, 2H), 4.58-4.46 (m, 2H), 4.17-4.07 (br. s, 1H, 水のピークと重複), 3.96 (s, 3H), 3.36-3.16 (m, 2H), 3.25 (s, 3H), 2.48-2.39 (m, 1H), 2.46 (s, 3H), 2.23-2.06 (m, 1H) ppm.
【0230】
実施例4
(3R)−3−({[4−アミノ−6−(メトキシメチル)−5−(7−メトキシ−5−メチル−1−ベンゾチオフェン−2−イル)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−7−イル]メチル}アミノ)ピロリジン−2−オン
【化116】
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メタノール(58ml)および酢酸(0.6ml)中の中間体13A(2.0g, 5.2mmol)の溶液を、(R)−3−アミノピロリジン−2−オン(785mg, 7.8mmol)およびトリアセトキシ水素化ホウ素塩(3.32g, 15.6mmol)で処理した。混合物を室温で一夜撹拌した。この後、反応混合物を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で希釈し、酢酸エチルで3回抽出した。合わせた有機相を硫酸ナトリウムで乾燥し、蒸発させた。2倍シリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製し(ジクロロメタン/メタノール 40:1〜10:1)、957mg(理論値の37%)の表題化合物を得た。
LC-MS (方法4): Rt = 0.72分; MS (ESIpos): m/z = 467 (M+H)+
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ = 8.01 (s, 1H), 7.75 (s, 1H), 7.35 (s, 1H), 7.31 (s, 1H), 6.85 (s, 1H), 4.46-4.34 (m, 2H), 4.24-4.02 (m, 2H), 3.96 (s, 3H), 3.24-3.04 (m, 3H), 3.21 (s, 3H), 2.45 (s, 3H), 2.40-2.27 (m, 1H), 1.80-1.65 (m, 1H) ppm.
【0231】
実施例5
4−{[4−アミノ−6−(エトキシメチル)−5−(7−メトキシ−5−メチル−1−ベンゾチオフェン−2−イル)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−7−イル]メチル}ピペラジン−2−オン
【化117】
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【0232】
方法1:
THF(100ml)中の中間体17A(2g, 5.05mmol)の溶液を、0℃で、2−オキソピペラジン(1.01g, 10.1mmol)、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(1.07g, 5.04mmol)および酢酸(0.29ml, 5.04mmol)で処理した。得られた混合物を0℃で30分間撹拌した。トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(1.07g, 5.04mmol)および酢酸(0.29ml, 5.04mmol)を30分毎に4回加え、得られた混合物を0℃でさらに30分間、次いで、35℃で25分間、最後に室温で一夜撹拌した。10%の塩化ナトリウム水溶液で反応を停止させ、酢酸エチルで2回抽出した。合わせた有機層を蒸発させた。残渣をシリカゲルのカラムクロマトグラフィーによって精製し(ジクロロメタン/メタノール 95:5→90:10)、360mg(理論値の17%)の実施例86に記載された化合物(下記参照)および1.82gの表題化合物を別個のフラクションで得た。このようにして得られた表題生成物をエタノール(20ml)に懸濁し、2時間還流し、15℃に冷却した。固体を濾過し、エタノールで洗浄し、1.63g(理論値の67%)の純粋な表題化合物を得た。
【0233】
方法2:
ジクロロメタン(18ml)中の実施例13(930mg, 1.9mmol)の溶液を、塩化チオニル(210μl, 2.8mmol)で処理し、室温で15分間撹拌した。蒸発後、残渣をエタノール(18ml)に溶解し、DIPEA(670μl, 3.8mmol)で処理した。混合物を70℃で2時間撹拌し、蒸発させた。残渣をシリカゲルのカラムクロマトグラフィーによって精製した(ジクロロメタン/メタノール 98:2→90:10)。このようにして得られた生成物を、アセトニトリル/ジエチルエーテル混合物中で磨砕し、濾過した。濾液を蒸発させ、残渣を再度シリカゲルのカラムクロマトグラフィーによって精製した(ジクロロメタン/メタノール 98:2→90:10)。再度、このようにして得られた生成物を、アセトニトリル/ジエチルエーテル中で磨砕し、濾過した。この手順を1回以上繰り返した。このようにして得られた固体の3つのバッチを合わせて、再度アセトニトリル/ジエチルエーテル中で1回磨砕し、最後に濾過し、600mg(理論値の62%)の表題化合物を得た。
【0234】
方法3:
酢酸(10ml)中の中間体22A(720mg, 純度89%, 1.74mmol)の溶液を、ピペラジン−2−オン(261mg, 2.61mmol)で、60℃で撹拌した。これに、37%のホルムアルデヒド水溶液(260μl, 3.48mmol)を3回、それぞれ0時間目、3時間目および12時間目に加え、混合物を60℃で合計24時間撹拌した。次いで、揮発成分を減圧下で除去し、残渣を酢酸エチルおよび飽和炭酸水素ナトリウム水溶液の層間に分配した。有機相を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、蒸発させた。残渣をメタノールおよびジクロロメタンの混合物に溶解し、珪藻土に吸着させ、真空で乾燥し、シリカゲルのフラッシュクロマトグラフィーによって精製した(濃度勾配 0〜6% メタノール/ジクロロメタン)。生成物のフラクションを合わせて、蒸発させ、再度、分取RP−HPLCによって精製した(Reprosil C18, 濃度勾配 30〜50% アセトニトリル/0.2%TFA水溶液)。生成物のフラクションを再度合わせて、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で希釈し、酢酸エチルで抽出した。有機相を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、蒸発させ、281mg(理論値の31%)の表題化合物を得た。
LC-MS (方法2): Rt = 0.86分; MS (ESIpos): m/z = 481 (M+H)+
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ = 8.01 (s, 1H), 7.8-8.05 (br. s, 1H), 7.74 (br. s, 1H), 7.38 (s, 1H), 7.31 (s, 1H), 6.85 (s, 1H), 5.6-5.9 (br. s, 1H), 4.45 (s, 2H), 3.97 (s, 2H), 3.94 (s, 3H), 3.41 (q, 2H), 3.09-3.13 (m, 2H), 3.02 (s, 2H), 2.63-2.69 (br. s, 2H), 2.45 (s, 3H), 1.07 (t, 3H) ppm.
【0235】
実施例6
4−{[4−アミノ−6−(エトキシメチル)−5−(7−メトキシ−5−メチル−1−ベンゾチオフェン−2−イル)ピロロ−[2,1−f][1,2,4]トリアジン−7−イル]メチル}ピペラジン−2−オン 二塩酸塩
【化118】
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メタノール(6ml)中の中間体17A(60mg, 純度69%, 104μmol)の溶液を、2−オキソピペラジン(22mg, 209μmol)、シアノ水素化ホウ素ナトリウム(33mg, 522mmol)および酢酸(12μl, 209μmol)で処理した。混合物を60℃で16時間撹拌し、濾過した。濾液および残渣を、分取RP−HPLCによって別個に精製した(Reprosil C18, 濃度勾配 40〜60% アセトニトリル/0.2%TFA水溶液)。生成物のフラクションを合わせて、1M 塩酸(3ml)で希釈し、蒸発乾固し、46mg(理論値の79%)の表題化合物を得た。
LC-MS (方法2): Rt = 0.87分; MS (ESIpos): m/z = 481 (M+H)+
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ = 8.37 (br. s, 1H), 8.31 (br. s, 1H), 8.14 (s, 1H), 7.38 (s, 1H), 7.33 (s, 1H), 6.87 (s, 1H), 6.13 (br. s, 1H), 4.80 (br. s, 2H), 4.52 (s, 2H), 3.96 (s, 3H), 3.86 (br. s, 2H), 3.36-3.51 (m, 5H), 2.46 (s, 3H), 1.11 (t, 3H) ppm.
【0236】
実施例7
(3R)−3−({[4−アミノ−6−(エトキシメチル)−5−(7−メトキシ−5−メチル−1−ベンゾチオフェン−2−イル)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−7−イル]メチル}アミノ)ピロリジン−2−オン 二塩酸塩
【化119】
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メタノール(3ml)中の中間体17A(60mg, 純度69%, 104μmol)の溶液を、(R)−3−アミノピロリジン−2−オン(22mg, 209μmol)、シアノ水素化ホウ素ナトリウム(33mg, 522μmol)および酢酸(12μl, 209μmol)で処理した。混合物を60℃で4時間撹拌し、濾過した。濾液を分取RP−HPLCによって精製した(Reprosil C18, 濃度勾配 40〜60% アセトニトリル/0.2%TFA水溶液)。生成物のフラクションを合わせて、1M 塩酸で希釈し、蒸発乾固し、46mg(理論値の79%)の表題化合物を得た。
LC-MS (方法4): Rt = 0.74分; MS (ESIpos): m/z = 481 (M+H)+
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ = 9.58-9.75 (m, 1H), 9.33-9.54 (m, 1H), 8.44 (s, 1H), 8.27-8.71 (br. s, 1H), 8.19 (s, 1H), 7.38 (s, 1H), 7.34 (s, 1H), 6.87 (s, 1H), 6.18-6.48 (br. s, 1H), 4.68-4.87 (m, 2H), 4.49-4.62 (q, 2H), 3.96 (s, 3H), 3.45 (q, 2H), 3.18-3.35 (m, 2H), 2.46 (s, 4H), 2.08-2.22 (m, 1H), 1.10 (t, 3H)ppm.
【0237】
実施例8
(3R)−3−({[4−アミノ−6−(エトキシメチル)−5−(7−メトキシ−5−メチル−1−ベンゾチオフェン−2−イル)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−7−イル]メチル}アミノ)ピロリジン−2−オン
【化120】
[この文献は図面を表示できません]
メタノール(4ml)中の中間体17A(226mg, 純度75%, 428μmol)の溶液を、(R)−3−アミノピロリジン−2−オン(85mg, 855μmol)、シアノ水素化ホウ素ナトリウム(134mg, 2.14mmol)および酢酸(49μl, 855μmol)で処理した。混合物を室温で1.5時間撹拌した。この後、混合物を分取RP−HPLCによって直接分離した(Reprosil C18, 濃度勾配 40〜60% アセトニトリル/0.2%TFA水溶液)。生成物のフラクションを合わせて、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で希釈し、酢酸エチルで抽出した。合わせた有機相を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、蒸発乾固し、180mg(理論値の88%)の表題化合物を得た。
LC-MS (方法4): Rt = 0.74分; MS (ESIpos): m/z = 481 (M+H)+
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ = 8.00 (s, 1H), 7.76 (s, 1H), 7.8-8.1 (br. s, 1H), 7.35 (s, 1H), 7.31 (s, 1H), 6.84 (s, 1H), 5.6-5.9 (br. s, 1H), 4.39-4.49 (m, 2H), 4.04-4.23 (m, 2H), 3.96 (s, 3H), 3.41 (q, 2H), 3.05-3.23 (m, 3H), 2.45 (s, 3H), 2.31-2.40 (m, 1H), 1.68-1.79 (m, 1H), 1.08 (t, 3H) ppm.
【0238】
実施例9
−{[4−アミノ−6−(エトキシメチル)−5−(7−メトキシ−5−メチル−1−ベンゾチオフェン−2−イル)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−7−イル]メチル}グリシンアミド 二塩酸塩
【化121】
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メタノール(3ml)中の中間体17A(60mg, 純度69%, 104μmol)の溶液を、グリシンアミド塩酸塩(23mg, 209μmol)、シアノ水素化ホウ素ナトリウム(32mg, 522mmol)および酢酸(12μl, 209μmol)で処理した。混合物を60℃で16時間撹拌した。濾過後、濾液を分取RP−HPLCによって分離した(Reprosil C18, 濃度勾配 20〜40% アセトニトリル/0.2%TFA水溶液)。生成物のフラクションを合わせて、1M 塩酸で希釈し、蒸発乾固し、濾過工程から得た残渣と合わせた。この物質を、再度、2倍分取RP−HPLCによって精製した(Reprosil C18, 濃度勾配 20〜40% アセトニトリル/0.2%TFA水溶液)。再度生成物のフラクションを合わせて、1M 塩酸で希釈し、蒸発乾固し、7.4mg(理論値の13%)の表題化合物を得た。
LC-MS (方法2): Rt = 0.80分; MS (ESIpos): m/z = 455 (M+H)+
1H-NMR (500 MHz, DMSO-d6): δ = 9.33 (br. s, 2H), 9.05 (br. s, 1H), 8.31 (s, 1H), 7.93 (br. s, 1H), 7.58 (br. s, 1H), 7.40 (s, 1H), 7.35 (s, 1H), 7.05 (br. s, 1H), 6.88 (s, 1H), 4.65 (br. m, 2H), 4.56 (s, 2H), 3.96 (s, 3H), 3.74 (br. m, 2H), 3.46 (q, 2H), 2.46 (s, 3H), 1.10 (t, 3H) ppm.
【0239】
実施例10
6−(エトキシメチル)−5−(7−メトキシ−5−メチル−1−ベンゾチオフェン−2−イル)−7−(モルホリン−4−イルメチル)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−4−アミン
【化122】
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メタノール(3ml)中の中間体17A(55mg, 純度73%, 101μmol)の溶液を、モルホリン(18mg, 202μmol)、シアノ水素化ホウ素ナトリウム(19mg, 303mmol)および酢酸(18μl, 304μmol)で処理した。混合物を60℃で18時間撹拌した。さらなる量のモルホリン(18mg, 202μmol)、シアノ水素化ホウ素ナトリウム(19mg, 303mmol)および酢酸(18μl, 304μmol)を加え、60℃でさらに3時間撹拌を続けた。沈殿物を溶解させるために、得られた混合物をTHFで希釈し、分取RP−HPLCによって分離した(Reprosil C18, 濃度勾配 20〜40% アセトニトリル/0.2%TFA水溶液)。生成物のフラクションを合わせて、蒸発乾固した。残渣をメタノールに溶解し、アニオン交換カートリッジ(Stratospheres SPE, PL-HCO3 MP-樹脂)で濾過した。カートリッジをメタノールで溶出し、濾液を蒸発させ、32mg(理論値の68%)の表題化合物を得た。
LC-MS (方法2): Rt = 0.78分; MS (ESIpos): m/z = 468 (M+H)+
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ = 7.98 (s, 1H), 7.9 (br. s, 1H), 7.37 (s, 1H), 7.31 (s, 1H), 6.84 (s, 1H), 5.75 (br. s, 1H), 4.45 (s, 2H), 3.95 (s, 3H), 3.88 (s, 2H), 3.51-3.56 (m, 4H), 3.40 (q, 2H), 2.4-2.5 (m, 4H), 2.45 (s, 3H), 1.06 (t, 3H) ppm.
【0240】
実施例11
1−(4−{[4−アミノ−6−(エトキシメチル)−5−(7−メトキシ−5−メチル−1−ベンゾチオフェン−2−イル)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−7−イル]メチル}ピペラジン−1−イル)エタノン 二塩酸塩
【化123】
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メタノール(8ml)中の中間体17A(130mg, 0.328mmol)の溶液を、N−アセチルピペラジン(63mg, 0.492mmol)、シアノ水素化ホウ素ナトリウム(103mg, 1.63mmol)および酢酸(37μl, 0.655mmol)で処理した。混合物を60℃で3時間撹拌した。次いでそれを30mgのテストランの反応混合物と合わせて、蒸発させ、分取RP−HPLCによって精製した(Reprosil C18, 濃度勾配 10〜95% アセトニトリル/0.1%蟻酸水溶液)。このようにして得られた生成物を、1,4−ジオキサンから凍結乾燥し、酢酸エチルに溶解し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し、蒸発させ、再度1,4−ジオキサンから凍結乾燥した。分取RP−HPLCによって再度精製し(Reprosil C18, 濃度勾配 10〜95% アセトニトリル/0.1%蟻酸水溶液)、続いて、2倍シリカゲルカラムクロマトグラフィーを行い(ジクロロメタン/メタノール 98:2→4:1)、1,4−ジオキサン中4Mの塩化水素溶液から凍結乾燥して、49mg(理論値の18%)の表題化合物を得た。
LC-MS (方法2): Rt = 0.82分; MS (ESIpos): m/z = 509 (M+H)+
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6): とりわけ δ = 8.65-8.26 (br. s, 1H), 8.17 (s, 1H), 7.38 (s, 1H), 7.34 (s, 1H), 6.87 (s, 1H), 6.53-6.05 (br. s, 1H), 4.75 (br. s, 2H), 4.56 (br. s, 2H), 3.96 (s, 3H), 3.45 (q, 2H, 水のピークと重複), 2.46 (s, 3H), 2.03 (s, 3H), 1.09 (t, 3H) ppm.
【0241】
実施例12
[4−アミノ−5−(7−メトキシ−5−メチル−1−ベンゾチオフェン−2−イル)−7−(ピペラジン−1−イルメチル)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−6−イル]メタノール 二蟻酸塩
【化124】
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1,4−ジオキサン中4Mの塩化水素溶液(3.7ml)中の中間体23A(95mg, 152μmol)の溶液を、室温で2時間撹拌した。蒸発後、残渣を分取RP−HPLCによって精製し(Reprosil C18, 濃度勾配 10〜95% アセトニトリル/0.1%蟻酸水溶液)、44mg(理論値の62%)の表題化合物を得た。
LC-MS (方法2): Rt = 0.63分; MS (ESIpos): m/z = 439 (M+H)+
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ = 8.28 (br. s, 2H), 7.98 (s, 1H), 7.37 (s, 1H), 7.31 (s, 1H), 6.85 (s, 1H), 4.50 (s, 2H, 水のピークと重複), 3.98 (s, 2H, 水のピークと重複), 3.95 (s, 3H, 水のピークと重複), 2.95-2.84 (m, 4H), 2.61-2.55 (m, 4H, DMSOのピークと重複), 2.45 (s, 3H) ppm.
【0242】
実施例13
4−{[4−アミノ−6−(ヒドロキシメチル)−5−(7−メトキシ−5−メチル−1−ベンゾチオフェン−2−イル)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−7−イル]メチル}ピペラジン−2−オン
【化125】
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酢酸(13.9ml)中の中間体20A(1.34g, 3.96mmol)の溶液を、37%のホルムアルデヒド水溶液(501μl, 6.6mmol)および2−オキソピペラジン(670mg, 6.6mmol)で処理した。混合物を50℃で2時間撹拌し、蒸発させた。シリカゲルのカラムクロマトグラフィーによって精製し(ジクロロメタン/メタノール 98:2→90:10)、942mg(理論値の49%)の表題化合物を得た。
LC-MS (方法2): Rt = 0.67分; MS (ESIpos): m/z = 453 (M+H)+
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ = 7.99 (s, 1H), 7.76 (br. s, 1H), 7.39 (s, 1H), 7.31 (s, 1H), 6.84 (s, 1H), 4.51 (s, 2H), 4.03 (br. s, 2H), 3.95 (s, 3H), 3.18-3.13 (m, 2H), 3.07-2.98 (m, 2H), 2.72-2.60 (m, 2H), 2.45 (s, 3H) ppm.
【0243】
実施例14
7−{[(3S)−3−アミノ−3−メチルピロリジン−1−イル]メチル}−6−(メトキシメチル)−5−(7−メトキシ−5−メチル−1−ベンゾチオフェン−2−イル)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−4−アミン 三塩酸塩
【化126】
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酢酸(1ml)中の中間体21A(100mg, 0.28mmol)の溶液を、37%のホルムアルデヒド水溶液(25μl, 0.33mmol)および[(3S)−3−メチルピロリジン−3−イル]カルバミン酸tert−ブチル(Yoshida et al., Chem. Pharm. Bull. 1996, 44 (7), 1376-1386, 67mg, 0.33mmol)で処理した。混合物を室温で3時間撹拌し、蒸発させた。残渣を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で希釈し、もはやガスが発生しなくなるまで固体の炭酸カリウムを加えた。水相を酢酸エチルで3回抽出した。合わせた有機相を硫酸ナトリウムで乾燥し、蒸発させた。残渣を1,4−ジオキサン中4Mの塩化水素溶液(2ml)に溶解し、室温で2時間撹拌した。蒸発後、残渣を2倍分取RP−HPLCによって精製した(最初にReprosil C18, 濃度勾配 10〜95% アセトニトリル/0.1%蟻酸水溶液;次いでShield RP18, 濃度勾配 5〜50% メタノール+0.1%TFA水溶液/0.1%TFA水溶液)。このようにして得られた生成物を、1,4−ジオキサン中4Mの塩化水素溶液から凍結乾燥し、14mg(理論値の8%)の表題化合物を得た。
LC-MS (方法2): Rt = 0.67分; MS (ESIpos): m/z = 467 (M+H)+
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6): とりわけ δ = 8.50-8.22 (br. s, 1H), 8.14 (s, 1H), 7.36 (s, 1H), 7.34 (s, 1H), 6.87 (s, 1H), 6.36-6.01 (br. s, 1H), 4.88 (br. s, 2H), 4.56 (br. s, 2H), 3.96 (s, 3H, 水のピークと重複), 3.26 (s, 3H), 2.46 (s, 3H), 1.52 (s, 3H) ppm.
【0244】
実施例15
7−{[(3S)−3−アミノ−3−メチルピロリジン−1−イル]メチル}−6−(エトキシメチル)−5−(7−メトキシ−5−メチル−1−ベンゾチオフェン−2−イル)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−4−アミン
【化127】
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酢酸(1ml)中の中間体17A(100mg, 271μmol)の溶液を、37%のホルムアルデヒド水溶液(24μl, 326μmol)および[(3S)−3−メチルピロリジン−3−イル]カルバミン酸tert−ブチル(Yoshida et al., Chem. Pharm. Bull. 1996, 44 (7), 1376-1386, 65mg, 326μmol)で処理した。混合物を60℃で4時間撹拌した。さらに37%のホルムアルデヒド水溶液(10μl, 136μmol)および[(3S)−3−メチルピロリジン−3−イル]カルバミン酸tert−ブチル(27mg, 136μmol)を加え、60℃で一夜撹拌を続けた。蒸発後、残渣を酢酸エチルと飽和炭酸水素ナトリウム水溶液の層間に分配した。もはやガスが発生しなくなるまで、固体の炭酸カリウムを加えた。水相を酢酸エチルで3回抽出した。合わせた有機相を硫酸ナトリウムで乾燥し、蒸発させ、分取RP−HPLCによって精製した(Reprosil C18, 濃度勾配 10〜95% アセトニトリル/0.1%蟻酸水溶液)。このようにして得られた生成物を、1,4−ジオキサン中4Mの塩化水素溶液(2ml)に溶解し、室温で1時間撹拌した。蒸発後、残渣を分取RP−HPLCによって精製し(Reprosil C18, 濃度勾配 10〜95% アセトニトリル/0.1%蟻酸水溶液)、24mg(理論値の18%)の表題化合物を得た。
LC-MS (方法4): Rt = 0.70分; MS (ESIpos): m/z = 481 (M+H)+
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6): とりわけ δ = 8.19 (s, 1H), 7.38 (s, 1H), 7.34 (s, 1H), 6.87 (s, 1H), 4.90 (br. s, 2H), 3.96 (s, 3H), 3.46 (q, 3H), 2.46 (s, 3H), 1.54 (s, 3H), 1.14-1.05 (m, 3H) ppm.
【0245】
実施例16
1−(4−{[4−アミノ−6−(メトキシメチル)−5−(7−メトキシ−5−メチル−1−ベンゾチオフェン−2−イル)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−7−イル]メチル}ピペラジン−1−イル)エタノン 二塩酸塩
【化128】
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酢酸(1ml)中の中間体21A(50mg, 141μmol)の溶液を、37%のホルムアルデヒド水溶液(4.6μl, 169μmol)およびN−アセチルピペラジン(21.6mg, 169μmol)で処理した。混合物を75℃で3時間撹拌した。蒸発後、残渣を分取RP−HPLCによって精製した(Reprosil C18, 濃度勾配 10〜95% アセトニトリル/0.1%蟻酸水溶液)。1,4−ジオキサン中4Mの塩化水素溶液から凍結乾燥し、34mg(理論値の39%)の表題化合物を得た。
LC-MS (方法5): Rt = 1.78分; MS (ESIpos): m/z = 495 (M+H)+
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6): とりわけ δ = 8.70-8.35 (br. s, 1H), 8.18 (s, 1H), 7.37 (s, 1H), 7.34 (s, 1H), 6.86 (s, 1H), 6.61-6.19 (br. s, 1H), 4.74 (br. s, 2H), 4.54 (br. s, 2H), 3.96 (s, 3H), 3.25 (s, 3H), 2.46 (s, 3H), 2.03 (s, 3H) ppm.
【0246】
実施例17
6−(メトキシメチル)−5−(7−メトキシ−5−メチル−1−ベンゾチオフェン−2−イル)−7−(ピペラジン−1−イルメチル)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−4−アミン蟻酸塩
【化129】
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ジクロロメタン(2.2ml)中の中間体23A(110mg, 204μmol)の溶液を、塩化チオニル(29μl, 408μmol)で処理し、室温で15分間撹拌した。蒸発後、残渣をメタノールに溶解し(2.2ml)、DIPEA(39μl, 224μmol)で処理した。混合物を70℃で1時間撹拌し、蒸発させた。残渣を1,4−ジオキサン中4Mの塩化水素溶液(2.2ml)に溶かし、室温で2時間撹拌した。蒸発させ、分取RP−HPLCによって精製し(Reprosil C18, 濃度勾配 10〜95% アセトニトリル/0.1%蟻酸水溶液)、44.9mg(理論値の46%)の表題化合物を得た。
LC-MS (方法2): Rt = 0.73分; MS (ESIpos): m/z = 453 (M+H)+
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ = 8.28 (br. s, 1H), 8.00 (s, 1H), 7.35 (s, 1H), 7.31 (s, 1H), 6.85 (s, 1H), 4.41 (s, 2H), 4.00-3.90 (m, 5H), 3.00-2.90 (m, 4H), 2.65-2.56 (m, 4H), 2.45 (s, 3H) ppm.
【0247】
実施例18
6−(エトキシメチル)−5−(7−メトキシ−5−メチル−1−ベンゾチオフェン−2−イル)−7−(ピペラジン−1−イルメチル)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−4−アミン
【化130】
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ジクロロメタン(2ml)中の中間体23A(80mg, 317μmol)の溶液を、塩化チオニル(22μl, 297μmol)で処理し、室温で15分間撹拌した。蒸発後、残渣をエタノール(2ml)に溶解し、DIPEA(28μl, 163μmol)で処理した。混合物を70℃で1時間撹拌し、蒸発させた。残渣を1,4−ジオキサン中4Mの塩化水素溶液(2ml)に溶かし、室温で1時間撹拌した。蒸発させ、分取RP−HPLCによって精製し(Reprosil C18, 濃度勾配 10〜95% アセトニトリル/0.1%蟻酸水溶液)、35mg(理論値の50%)の表題化合物を得た。
LC-MS (方法2): Rt = 0.82分; MS (ESIpos): m/z = 467 (M+H)+
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6): とりわけ δ = 8.09 (br. s, 1H), 7.36 (s, 1H), 7.32 (s, 1H), 6.86 (s, 1H), 4.50 (br. s, 2H), 3.96 (s, 3H), 3.42 (q, 2H, 水のピークと重複), 2.45 (s, 3H), 1.05 (t, 3H) ppm.
【0248】
実施例19
6−(エトキシメチル)−5−(7−メトキシ−5−メチル−1−ベンゾチオフェン−2−イル)−7−(ピペラジン−1−イルメチル)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−4−アミン 二塩酸塩
【化131】
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1,4−ジオキサン中4Mの塩化水素溶液(1ml)中の実施例18(50mg, 107μmol)の溶液を、室温で15分間撹拌した。蒸発後、55mg(理論値の93%)の表題化合物を得た。
LC-MS (方法4): Rt = 0.74分; MS (ESIpos): m/z = 467 (M+H)+
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6): とりわけ δ = 8.18 (s, 1H), 7.37 (s, 1H), 7.34 (s, 1H), 6.87 (s, 1H), 4.76 (br. s, 2H), 4.60 (br. s, 2H), 3.96 (s, 3H), 3.45 (q, 2H), 2.46 (s, 3H), 1.09 (t, 3H) ppm.
【0249】
実施例20
1−(4−{[4−アミノ−6−(エトキシメチル)−5−(7−メトキシ−5−メチル−1−ベンゾチオフェン−2−イル)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−7−イル]メチル}ピペラジン−1−イル)エタノン
【化132】
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ジクロロメタン(2ml)およびTHF(0.8ml)中の実施例18(70mg, 150μmol)の溶液を、塩化アセチル(21μl, 300μmol)および炭酸ナトリウム(127mg, 1.2mmol)で処理した。混合物を室温で一夜撹拌した。蒸発後、残渣を分取RP−HPLCによって精製し(Reprosil C18, 濃度勾配 10〜95% アセトニトリル/0.1%蟻酸水溶液)、27mg(理論値の31%)の表題化合物を得た。
LC-MS (方法4): Rt = 0.77分; MS (ESIpos): m/z = 509 (M+H)+
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ = 7.98 (s, 1H), 7.37 (s, 1H), 7.31 (s, 1H), 6.84 (s, 1H), 4.45 (s, 2H), 3.95 (s, 3H), 3.92 (s, 2H), 3.45-3.36 (m, 6H), 2.48-2.38 (m, 7H, DMSOのピークと重複), 1.97 (s, 3H), 1.06 (t, 3H) ppm.
【0250】
実施例21
4−({4−アミノ−6−[(2−ヒドロキシエトキシ)メチル]−5−(7−メトキシ−5−メチル−1−ベンゾチオフェン−2−イル)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−7−イル}メチル)ピペラジン−2−オン蟻酸塩
【化133】
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ジクロロメタン(2ml)中の実施例13(60mg, 132μmol)の溶液を、塩化チオニル(14μl, 198μmol)で処理した。混合物を室温で15分間撹拌し、蒸発させた。残渣をエチレングリコール(500μl)に溶解し、100℃で90分間撹拌した。分取RP−HPLCによって精製し(Reprosil C18, 濃度勾配 10〜95% アセトニトリル/0.1%蟻酸水溶液)、34mg(理論値の47%)の表題化合物を得た。
LC-MS (方法2): Rt = 0.69分; MS (ESIpos): m/z = 497 (M+H)+
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ = 8.14 (s, 1H), 8.00 (s, 1H), 7.74 (br. s, 1H), 7.42 (s, 1H), 7.31 (s, 1H), 6.84 (s, 1H), 4.49 (s, 2H), 3.99 (s, 2H), 3.96 (s, 3H), 3.50-3.43 (m, 2H), 3.42-3.36 (m, 2H, 水のピークと重複), 3.15-3.07 (m, 2H), 3.03 (s, 2H), 2.69-2.61 (m, 2H), 2.45 (s, 3H) ppm.
【0251】
実施例22
2−{[4−アミノ−5−(7−メトキシ−5−メチル−1−ベンゾチオフェン−2−イル)−7−(ピペラジン−1−イルメチル)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−6−イル]メトキシ}エタノール 二塩酸塩
【化134】
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ジクロロメタン(4ml)中の中間体23A(100mg, 185μmol)の溶液を、塩化チオニル(27μl, 371μmol)で処理した。混合物を室温で20分間撹拌し、蒸発させた。残渣をエチレングリコール/THF(2:1, 1.5ml)に溶解し、100℃で2時間撹拌した。蒸発後、残渣を、分取RP−HPLCによって(Reprosil C18, 濃度勾配 10〜95% アセトニトリル/0.1%蟻酸水溶液)、次にシリカゲルのカラムクロマトグラフィーによって精製した(ジクロロメタン/メタノール+0.1%アンモニア水溶液 98:2→90:10)。1,4−ジオキサン中4Mの塩化水素溶液から凍結乾燥し、67mg(理論値の64%)の表題化合物を得た。
LC-MS (方法2): Rt = 0.66分; MS (ESIpos): m/z = 483 (M+H)+
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ = 8.16 (s, 1H), 7.49 (s, 1H), 7.43 (s, 1H), 6.98 (s, 1H), 4.86 (s, 2H), 4.69 (s, 2H), 4.03 (s, 3H), 3.81-3.49 (m, 12H), 2.50 (s, 3H) ppm.
【0252】
実施例23
6−(ブトキシメチル)−5−(7−メトキシ−5−メチル−1−ベンゾチオフェン−2−イル)−7−(ピペラジン−1−イルメチル)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−4−アミン蟻酸塩
【化135】
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ジクロロメタン(2ml)中の中間体23A(100mg, 185μmol)の溶液を、塩化チオニル(27μl, 371μmol)で処理した。混合物を室温で15分間撹拌し、蒸発させた。残渣を1−ブタノール(2ml)に溶解し、70℃で1時間加熱した。蒸発後、残渣を1,4−ジオキサン中4Mの塩化水素溶液(2ml)に溶かし、室温で2時間撹拌した。蒸発させ、分取RP−HPLCによって精製し(Reprosil C18, 濃度勾配 10〜95% アセトニトリル/0.1%蟻酸水溶液)、22mg(理論値の24%)の表題化合物を得た。
LC-MS (方法2): Rt = 0.82分; MS (ESIpos): m/z = 495 (M+H)+
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ = 8.29 (s, 1H), 7.99 (s, 1H), 7.35 (s, 1H), 7.29 (s, 1H), 6.84 (s, 1H), 4.43 (s, 2H), 3.95 (s, 3H), 3.92 (s, 2H), 3.35 (t, 2H), 2.90-2.79 (m, 4H), 2.45 (s, 3H), 1.47-1.37 (m, 2H), 1.31-1.18 (m, 2H), 0.80 (t, 3H) ppm.
【0253】
実施例24
5−(7−メトキシ−5−メチル−1−ベンゾチオフェン−2−イル)−7−(ピペラジン−1−イルメチル)−6−(プロポキシ−メチル)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−4−アミン 二蟻酸塩
【化136】
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ジクロロメタン(2ml)中の中間体23A(100mg, 185μmol)の溶液を、塩化チオニル(27μl, 371μmol)で処理した。混合物を室温で15分間撹拌し、蒸発させた。残渣を1−プロパノール(2ml)に溶解し、DIPEA(48μl, 278μmol)で処理し、室温で1時間撹拌した。蒸発後、残渣を1,4−ジオキサン中4Mの塩化水素溶液(2ml)に溶かし、室温で2時間撹拌した。蒸発させ、分取RP−HPLCによって精製し(Reprosil C18, 濃度勾配 10〜95% アセトニトリル/0.1%蟻酸水溶液)、15mg(理論値の16%)の表題化合物を得た。
LC-MS (方法2): Rt = 0.78分; MS (ESIpos): m/z = 481 (M+H)+
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ = 8.26 (br. s, 2H), 7.98 (s, 1H), 7.36 (s, 1H), 7.30 (s, 1H), 6.84 (s, 1H), 4.44 (s, 2H), 3.95 (s, 3H), 3.92 (s, 2H), 3.32 (t, 2H), 2.87-2.79 (m, 4H), 1.52-1.39 (m, 2H), 0.81 (t, 3H) ppm.
【0254】
実施例25
6−[(シクロプロピルメトキシ)メチル]−5−(7−メトキシ−5−メチル−1−ベンゾチオフェン−2−イル)−7−(ピペラジン−1−イルメチル)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−4−アミン 二蟻酸塩
【化137】
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ジクロロメタン(2ml)中の中間体23A(100mg, 185μmol)の溶液を、塩化チオニル(27μl, 371μmol)で処理した。混合物を室温で15分間撹拌し、蒸発させた。残渣をシクロプロピルメタノール(2ml)に溶解し、DIPEA(48μl, 278μmol)で処理し、70℃で2時間撹拌した。蒸発後、残渣を1,4−ジオキサン中4Mの塩化水素溶液(2ml)に溶かし、室温で2時間撹拌した。蒸発させ、分取RP−HPLCによって精製し(Reprosil C18, 濃度勾配 10〜95% アセトニトリル/0.1%蟻酸水溶液)、29mg(理論値の30%)の表題化合物を得た。
LC-MS (方法2): Rt = 0.78分; MS (ESIpos): m/z = 493 (M+H)+
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ = 8.28 (br. s, 2H), 7.99 (s, 1H), 7.37 (s, 1H), 7.30 (s, 1H), 6.84 (s, 1H), 4.45 (s, 2H), 3.95 (s, 3H), 3.93 (s, 2H), 3.21 (d, 2H), 2.95-2.83 (m, 4H), 2.61-2.56 (m, 4H), 2.45 (s, 3H), 1.01-0.91 (m, 1H), 0.46-0.37 (m, 2H), 0.15-0.08 (m, 2H) ppm.
【0255】
実施例26
6−[(シクロブチルオキシ)メチル]−5−(7−メトキシ−5−メチル−1−ベンゾチオフェン−2−イル)−7−(ピペラジン−1−イルメチル)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−4−アミン
【化138】
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ジクロロメタン(1.7ml)中の中間体23A(85mg, 157μmol)の溶液を、塩化チオニル(23μl, 315μmol)で処理した。混合物を室温で15分間撹拌し、蒸発させた。残渣をシクロブタノール(1.7ml)に溶解し、DIPEA(41μl, 236μmol)で処理し、70℃で2時間撹拌した。蒸発後、残渣を1,4−ジオキサン中4Mの塩化水素溶液(1.7ml)に溶かし、室温で2時間撹拌した。蒸発させ、分取RP−HPLCによって精製し(Reprosil C18, 濃度勾配 10〜95% アセトニトリル/0.1%蟻酸水溶液)、23mg(理論値の28%)の表題化合物を得た。
LC-MS (方法2): Rt = 0.82分; MS (ESIpos): m/z = 493 (M+H)+
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ = 8.01 (s, 1H), 7.37 (s, 1H), 7.32 (s, 1H), 6.85 (s, 1H), 4.37 (s, 2H), 4.06-3.86 (m, 6H), 3.14-2.97 (m, 4H), 2.80-2.62 (m, 4H), 2.45 (s, 3H), 2.10-1.96 (m, 2H), 1.83-1.69 (m, 2H), 1.65-1.52 (m, 1H), 1.49-1.33 (m, 1H) ppm.
【0256】
実施例27
6−(イソプロポキシメチル)−5−(7−メトキシ−5−メチル−1−ベンゾチオフェン−2−イル)−7−(ピペラジン−1−イル−メチル)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−4−アミン蟻酸塩
【化139】
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ジクロロメタン(1.3ml)中の中間体23A(65mg, 120μmol)の溶液を、塩化チオニル(17μl, 241μmol)で処理した。混合物を室温で15分間撹拌し、蒸発させた。残渣を2−プロパノール(1.3ml)に溶解し、DIPEA(23μl, 132μmol)で処理し、70℃で1時間撹拌した。さらにDIPEA(23μl, 132μmol)を加え、再度混合物を70℃で1時間撹拌した。次いで、さらにDIPEA(63μl, 362μmol)を加え、90℃で3時間撹拌を続けた。蒸発後、残渣を1,4−ジオキサン中4Mの塩化水素溶液(1.3ml)に溶かし、室温で2時間撹拌した。蒸発させ、分取RP−HPLCによって精製し(Reprosil C18, 濃度勾配 10〜95% アセトニトリル/0.1%蟻酸水溶液)、23mg(理論値の34%)の表題化合物を得た。
LC-MS (方法4): Rt = 0.74分; MS (ESIpos): m/z = 481 (M+H)+
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ = 8.30 (s, 1H), 7.98 (s, 1H), 7.37 (s, 1H), 7.30 (s, 1H), 6.84 (s, 1H), 4.43 (s, 2H), 3.95 (s, 3H), 3.90 (s, 2H), 3.57 (m, 1H, 水のピークと重複), 2.88-2.78 (m, 4H), 2.45 (s, 3H), 1.04 (d, 6H) ppm.
【0257】
実施例28
6−[(2−メトキシエトキシ)メチル]−5−(7−メトキシ−5−メチル−1−ベンゾチオフェン−2−イル)−7−(ピペラジン−1−イルメチル)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−4−アミン蟻酸塩
【化140】
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ジクロロメタン(2ml)中の中間体23A(100mg, 185μmol)の溶液を、塩化チオニル(27μl, 371μmol)で処理した。混合物を室温で15分間撹拌し、蒸発させた。残渣を2−メトキシエタノール(2ml)に溶解し、DIPEA(35μl, 204μmol)で処理し、70℃で1時間撹拌した。蒸発後、残渣を1,4−ジオキサン中4Mの塩化水素溶液(2ml)に溶かし、室温で2時間撹拌した。蒸発させ、分取RP−HPLCによって精製し(Reprosil C18, 濃度勾配 10〜95% アセトニトリル/0.1%蟻酸水溶液)、50mg(理論値の50%)の表題化合物を得た。
LC-MS (方法2): Rt = 0.75分; MS (ESIpos): m/z = 497 (M+H)+
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ = 8.26 (br. s, 1H), 7.99 (s, 1H), 7.39 (s, 1H), 7.30 (s, 1H), 6.84 (s, 1H), 4.48 (s, 2H), 3.95 (s, 3H), 3.94 (s, 2H), 3.52-3.46 (m, 2H, 水のピークと重複), 3.44-3.37 (m, 2H, 水のピークと重複), 3.20 (s, 3H), 2.94-2.84 (m, 4H), 2.61-2.54 (m, 4H, DMSOのピークと重複), 2.45 (s, 3H) ppm.
【0258】
実施例29
5−(7−メトキシ−5−メチル−1−ベンゾチオフェン−2−イル)−7−(ピペラジン−1−イルメチル)−6−[(2,2,2−トリフルオロエトキシ)メチル]ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−4−アミン蟻酸塩
【化141】
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ジクロロメタン(2ml)中の中間体23A(100mg, 185μmol)の溶液を、塩化チオニル(27μl, 371μmol)で処理した。混合物を室温で15分間撹拌し、蒸発させた。残渣を2,2,2−トリフルオロエタノール(2ml)に溶かし、DIPEA(35μl, 204μmol)で処理し、70℃で1時間撹拌した。さらにDIPEA(35μl, 204μmol)を加え、室温で1時間撹拌を続けた。蒸発後、残渣を1,4−ジオキサン中4Mの塩化水素溶液(2ml)に溶かし、室温で2時間撹拌した。蒸発させ、分取RP−HPLCによって精製し(Reprosil C18, 濃度勾配 10〜95% アセトニトリル/0.1%蟻酸水溶液)、23mg(理論値の23%)の表題化合物を得た。
LC-MS (方法2): Rt = 0.79分; MS (ESIpos): m/z = 521 (M+H)+
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ = 8.28 (br. s, 1H), 8.00 (s, 1H), 7.37 (s, 1H), 7.30 (s, 1H), 6.85 (s, 1H), 4.66 (s, 2H), 4.08 (q, 2H), 3.95 (s, 3H), 3.92 (s, 2H), 2.85-2.75 (m, 4H), 2.45 (s, 3H) ppm.
【0259】
実施例30
6−[(2−アミノエトキシ)メチル]−5−(7−メトキシ−5−メチル−1−ベンゾチオフェン−2−イル)−7−(ピペラジン−1−イルメチル)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−4−アミン 三塩酸塩
【化142】
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ジクロロメタン(5ml)中の中間体23A(150mg, 278μmol)の溶液を、塩化チオニル(40μl, 556μmol)で処理した。混合物を室温で15分間撹拌し、蒸発させた。残渣をTHF(0.5ml)に溶解し、(2−ヒドロキシエチル)カルバミン酸tert−ブチル(1ml)およびDIPEA(242μl, 1.39mmol)で処理した。混合物を100℃で一夜撹拌した。蒸発後、残渣を1,4−ジオキサン(10ml)に溶かし、1,4−ジオキサン中4Mの塩化水素溶液(10ml)で処理し、室温で1時間撹拌した。揮発成分を減圧下で除去し、残渣を分取RP−HPLCによって精製した(Reprosil C18, 濃度勾配 10〜95% アセトニトリル/0.1%蟻酸水溶液)。分取RP−HPLCによってさらに精製し(Shield RP18, 25% アセトニトリル/75% 0.01%TFA水溶液)、次に1,4−ジオキサン中4Mの塩化水素溶液から凍結乾燥し、10mg(理論値の6%)の表題化合物を得た。
LC-MS (方法2): Rt = 0.58分; MS (ESIpos): m/z = 482 (M+H)+
1H-NMR (400 MHz, D2O): δ = 8.12 (s, 1H), 7.50 (s, 1H), 7.44 (s, 1H), 6.99 (s, 1H), 4.61 (s, 2H), 4.04 (s, 3H), 3.88-3.80 (m, 1H), 3.70-3.60 (m, 3H), 3.52-3.46 (m, 4H), 3.40-3.34 (m, 4H), 3.07 (t, 2H), 2.51 (s, 3H) ppm.
【0260】
実施例31
{[4−アミノ−5−(7−メトキシ−5−メチル−1−ベンゾチオフェン−2−イル)−7−(ピペラジン−1−イル−メチル)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−6−イル]メトキシ}酢酸メチル
【化143】
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ジクロロメタン(2ml)中の中間体23A(50mg, 92μmol)の溶液を、塩化チオニル(13μl, 186μmol)で処理した。混合物を室温で15分間撹拌し、蒸発させた。残渣をグリコール酸メチル(1ml)に溶解し、DIPEA(80μl, 464μmol)で処理し、70℃で2時間撹拌した。蒸発後、残渣をジクロロメタン(1.6ml)に溶かし、トリフルオロ酢酸(400μl, 5.19mmol)で処理し、室温で1時間撹拌した。次いで、混合物を蒸発させ、残渣を分取RP−HPLCによって精製した(Reprosil C18, 濃度勾配 10〜95% アセトニトリル/0.1%TFA水溶液)。表題化合物を含むフラクションを飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で中和し、蒸発させた。残渣を水に溶かし、混合物をジクロロメタンで3回抽出した。合わせた有機相を硫酸ナトリウムで乾燥し、蒸発させ、21mg(理論値の43%)の表題化合物を得た。
LC-MS (方法2): Rt = 0.72分; MS (ESIpos): m/z = 511 (M+H)+
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ = 7.99 (s, 1H), 7.39 (s, 1H), 7.31 (s, 1H), 6.85 (s, 1H), 4.59 (s, 2H), 4.11 (s, 2H), 3.95 (s, 3H), 3.90 (s, 2H), 3.57 (s, 3H), 2.81-2.69 (m, 4H), 2.48-2.39 (m, 7H) ppm.
【0261】
実施例32
{[4−アミノ−5−(7−メトキシ−5−メチル−1−ベンゾチオフェン−2−イル)−7−(ピペラジン−1−イルメチル)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−6−イル]メトキシ}酢酸
【化144】
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THF(14ml)中の中間体24A(200mg, 327μmol)の溶液を、2.5Mの水酸化リチウム水溶液(16ml)で処理し、80℃で2時間撹拌した。混合物を27mgのテストランの反応混合物と合わせた。水相をTHFで2回抽出し、合わせた有機相を蒸発させた。残渣を1,4−ジオキサン中4Mの塩化水素溶液(2ml)に溶解し、室温で3時間撹拌した。蒸発後、残渣を分取RP−HPLCによって精製した(Reprosil C18, 濃度勾配 10〜95% アセトニトリル/0.1%TFA水溶液)。1,4−ジオキサン中4Mの塩化水素溶液から凍結乾燥し、分取RP−HPLCによって再度精製し(XBridge C18, 濃度勾配 5〜95% アセトニトリル/0.1%水酸化アンモニウム水溶液)、13mg(理論値の7%)の表題化合物を得た。
LC-MS (方法2): Rt = 0.69分; MS (ESIpos): m/z = 497 (M+H)+
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ = 8.00 (s, 1H), 7.38 (s, 1H), 7.30 (s, 1H), 6.84 (s, 1H), 4.54 (s, 2H), 4.08 (s, 2H), 3.95 (s, 3H), 3.79 (s, 2H), 2.99-2.89 (m, 4H), 2.73-2.63 (m, 4H), 2.44 (s, 3H) ppm.
【0262】
実施例33
2−{[4−アミノ−5−(7−メトキシ−5−メチル−1−ベンゾチオフェン−2−イル)−7−(ピペラジン−1−イルメチル)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−6−イル]メトキシ}アセトアミド
【化145】
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中間体24A(200mg, 327μmol)を、メタノール中7Mのアンモニア溶液(10ml)で処理し、室温で一夜撹拌した。混合物を20mgのテストランの反応混合物と合わせ、溶媒を蒸発させた。残渣を1,4−ジオキサン中4Mの塩化水素溶液(2ml)で処理し、室温で2時間撹拌した。蒸発させ、分取RP−HPLCによって連続精製を行い(最初に Reprosil C18, 濃度勾配 10〜95% アセトニトリル/0.1%TFA水溶液;次いで XBridge C18, 濃度勾配 5〜95% アセトニトリル/0.1%水酸化アンモニウム水溶液)、5.5mg(理論値の3%)の表題化合物を得た。
LC-MS (方法2): Rt = 0.69分; MS (ESIpos): m/z = 496 (M+H)+
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ = 8.14-7.59 (br. s, 1H), 7.99 (s, 1H), 7.39 (s, 1H), 7.35-7.22 (m, 3H), 6.85 (s, 1H), 4.54 (s, 2H), 3.95 (s, 3H), 3.90 (s, 2H), 3.79 (s, 2H), 2.73-2.66 (m, 4H), 2.45 (s, 3H), 2.43-2.35 (m, 4H) ppm.
【0263】
実施例34
2−({7−[(4−アセチルピペラジン−1−イル)メチル]−4−アミノ−5−(7−メトキシ−5−メチル−1−ベンゾチオフェン−2−イル)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−6−イル}メトキシ)アセトアミド
【化146】
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THF/ジクロロメタン(1:2.5, 3.9ml)中の実施例33(105mg, 純度68%, 144μmol)の溶液を、炭酸ナトリウム(179mg, 1.6mmol)で処理し、室温で30分間撹拌した。塩化アセチル(30μl, 424μmol)を加え、得られた混合物を室温で30分間撹拌し、メタノール(2ml)で反応停止させ、蒸発させた。分取RP−HPLCによって精製し(Reprosil C18, 濃度勾配 10〜95% アセトニトリル/0.1%蟻酸水溶液)、30mg(純度85%, 理論値の34%)の表題化合物を得た。
LC-MS (方法5): Rt = 1.67分; MS (ESIpos): m/z = 538 (M+H)+
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ = 7.99 (s, 1H), 7.40 (s, 1H), 7.33-7.19 (m, 3H), 6.85 (s, 1H), 4.55 (s, 2H), 3.96 (s, 5H), 3.80 (s, 2H), 3.43-3.36 (m, 4H), 2.47-2.38 (m, 7H), 1.97 (s, 3H) ppm.
【0264】
実施例35
5−(7−メトキシ−5−メチル−1−ベンゾチオフェン−2−イル)−6−(フェノキシメチル)−7−(ピペラジン−1−イル−メチル)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−4−アミン 二蟻酸塩
【化147】
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ジクロロメタン(2ml)中の中間体23A(100mg, 185μmol)の溶液を、塩化チオニル(27μl, 371μmol)で処理した。混合物を室温で15分間撹拌し、蒸発させた。残渣をTHF(2ml)に溶解し、フェノール(174mg, 1.85mmol)およびDIPEA(48μl, 278μmol)で処理し、70℃で2時間撹拌した。さらにフェノール(174mg, 1.85mmol)およびDIPEA(64μl, 371μmol)を加え、70℃で一夜撹拌を続けた。蒸発後、残渣を1,4−ジオキサン中4Mの塩化水素溶液(2ml)に溶かし、室温で2時間撹拌した。蒸発させ、分取RP−HPLCによって精製し(Reprosil C18, 濃度勾配 10〜95% アセトニトリル/0.1%蟻酸水溶液)、8mg(理論値の8%)の表題化合物を得た。
LC-MS (方法2): Rt = 0.84分; MS (ESIpos): m/z = 515 (M+H)+
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ = 8.26 (s, 2H), 8.02 (s, 1H), 7.36 (s, 1H), 7.30-7.22 (m, 3H), 6.99-6.89 (m, 3H), 6.81 (m, 1H), 5.04 (s, 2H), 3.93 (s, 5H), 2.78-2.71 (m, 4H), 2.42 (s, 3H) ppm.
【0265】
実施例36
5−(7−メトキシ−5−メチル−1−ベンゾチオフェン−2−イル)−6−[(メチルアミノ)メチル]−7−(ピペラジン−1−イルメチル)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−4−アミン 三塩酸塩
【化148】
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THF(3ml)中の中間体25A(150mg, 279μmol)を、酢酸(32μl, 559μmol)、THF中2Mのメチルアミン溶液(698μl, 1.39mmol)およびトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(296mg, 1.39mmol)で処理した。混合物を60℃で2時間撹拌し、蒸発させた。残渣を1,4−ジオキサン中4Mの塩化水素溶液(1.87ml)に溶解し、室温で2時間撹拌した。蒸発後、残渣を分取RP−HPLCによって精製した(Reprosil C18, 濃度勾配 10〜95% アセトニトリル/0.1%TFA水溶液)。1,4−ジオキサン中4Mの塩化水素溶液から凍結乾燥し、79mg(理論値の49%)の表題化合物を得た。
LC-MS (方法2): Rt = 0.56分; MS (ESIpos): m/z = 452 (M+H)+
1H-NMR (400 MHz, D2O): δ = 8.17 (s, 1H), 7.57 (s, 1H), 7.46 (s, 1H), 7.01 (s, 1H), 4.52 (s, 2H), 4.46 (s, 2H), 4.04 (s, 3H), 3.48-3.39 (m, 4H), 3.25-3.15 (m, 4H), 2.59 (s, 3H), 2.51 (s, 3H) ppm.
【0266】
実施例37
6−[(ジメチルアミノ)メチル]−5−(7−メトキシ−5−メチル−1−ベンゾチオフェン−2−イル)−7−(ピペラジン−1−イルメチル)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−4−アミン 三塩酸塩
【化149】
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THF(3ml)中の中間体25A(150mg, 279μmol)の溶液を、酢酸(32μl, 559μmol)、THF中2Mのジメチルアミン溶液(698μl, 1.39mmol)およびトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(296mg, 1.39mmol)で処理した。混合物を60℃で2時間撹拌し、蒸発させた。残渣を1,4−ジオキサン中4Mの塩化水素溶液(1.88ml)に溶解し、室温で2時間撹拌した。蒸発後、残渣を分取RP−HPLCによって精製した(Reprosil C18, 濃度勾配 10〜95% アセトニトリル/0.1%TFA水溶液)。1,4−ジオキサン中4Mの塩化水素溶液から凍結乾燥し、83mg(理論値の50%)の表題化合物を得た。
LC-MS (方法4): Rt = 0.50分; MS (ESIpos): m/z = 466 (M+H)+
1H-NMR (400 MHz, D2O): δ = 8.17 (s, 1H), 7.57 (s, 1H), 7.45 (s, 1H), 7.01 (s, 1H), 4.57 (s, 2H), 4.50 (s, 2H), 4.04 (s, 3H), 3.47-3.36 (m, 4H), 3.21-3.12 (m, 4H), 2.80 (s, 6H), 2.51 (s, 3H) ppm.
【0267】
実施例38
6−[(エチルアミノ)メチル]−5−(7−メトキシ−5−メチル−1−ベンゾチオフェン−2−イル)−7−(ピペラジン−1−イルメチル)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−4−アミン 三塩酸塩
【化150】
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THF(1ml)中の中間体25A(60mg, 111.8μmol)の溶液を、THF中2Mのエチルアミン溶液(83μl, 167μmol)、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(118mg, 559μmol)および酢酸(83μl, 167μmol)で処理した。混合物を60℃で90分間撹拌した。さらに2Mのエチルアミン溶液(83μl, 167μmol)およびトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(71mg, 335μmol)を加え、60℃でさらに2時間撹拌を続けた。蒸発後、残渣を1,4−ジオキサン中4Mの塩化水素溶液(3ml)に溶解し、室温で一夜撹拌した。混合物を蒸発させ、残渣を分取RP−HPLCによって精製し(Reprosil C18, 濃度勾配 10〜95% アセトニトリル/0.1%蟻酸水溶液)、1,4−ジオキサン中4Mの塩化水素溶液から凍結乾燥した。分取RP−HPLCによって再度精製し(Sunfire C18, 20% アセトニトリル/80% 0.02%TFA水溶液)、1,4−ジオキサン中4Mの塩化水素溶液から再度凍結乾燥し、19mg(理論値の29%)の表題化合物を得た。
LC-MS (方法2): Rt = 0.56分; MS (ESIpos): m/z = 466 (M+H)+
1H-NMR (400 MHz, D2O): δ = 8.14 (s, 1H), 7.56 (s, 1H), 7.45 (s, 1H), 7.01 (s, 1H), 4.45 (s, 4H), 4.04 (s, 3H), 3.45-3.32 (m, 4H), 3.18-3.05 (m, 4H), 2.99 (q, 2H), 2.51 (s, 3H), 1.10 (t, 3H) ppm.
【0268】
実施例39
2−({[4−アミノ−5−(7−メトキシ−5−メチル−1−ベンゾチオフェン−2−イル)−7−(ピペラジン−1−イルメチル)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−6−イル]メチル}アミノ)エタノール 三塩酸塩
【化151】
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THF(3ml)中の中間体25A(150mg, 279μmol)の溶液を、2−アミノ−エタノール(84μl, 1.39mmol)、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(296mg, 1.39mmol)および酢酸(32μl, 559μmol)で処理した。混合物を60℃で2時間撹拌し、蒸発させた。残渣を1,4−ジオキサン中4Mの塩化水素溶液(1.87ml)に溶解し、室温で2時間撹拌した。蒸発後、残渣を分取RP−HPLCによって精製した(Reprosil C18, 濃度勾配 10〜95% アセトニトリル/0.1%TFA水溶液)。1,4−ジオキサン中4Mの塩化水素溶液から凍結乾燥し、140mg(理論値の80%)の表題化合物を得た。
LC-MS (方法2): Rt = 0.54分; MS (ESIpos): m/z = 482 (M+H)+
1H-NMR (400 MHz, D2O): δ = 8.15 (s, 1H), 7.56 (s, 1H), 7.45 (s, 1H), 7.00 (s, 1H), 4.47 (s, 2H), 4.37 (s, 2H), 4.04 (s, 3H), 3.79-3.71 (m, 2H), 3.42-3.34 (m, 4H), 3.19-3.12 (m, 2H), 3.06-2.97 (m, 4H), 2.51 (s, 3H) ppm.
【0269】
中間体25Aによる還元的アミノ化反応についての一般的な手順(GP1):
THF中0.1Mの中間体25A溶液を、5当量の反応性アミン成分、5当量のトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウムおよび2当量の酢酸で処理した。得られた混合物を60℃で2時間撹拌し、蒸発させた。1,4−ジオキサン中4Mの塩化水素溶液中、0.15Mのこのようにして得られた残渣の溶液を室温で1〜2時間撹拌した。蒸発後、残渣を下記の通り精製した。
【0270】
実施例40
rac−1−{[4−アミノ−5−(7−メトキシ−5−メチル−1−ベンゾチオフェン−2−イル)−7−(ピペラジン−1−イルメチル)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−6−イル]メチル}ピペリジン−3−オール 三塩酸塩
【化152】
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GP1に従って、中間体25A(150mg, 279μmol)を、3−ヒドロキシピペリジン(141mg, 1.39mmol)と反応させた。分取RP−HPLCによって精製し(Reprosil C18, 濃度勾配 10〜95% アセトニトリル/0.1%TFA水溶液)、1,4−ジオキサン中4Mの塩化水素溶液から凍結乾燥し、178mg(定量的)の表題化合物を得た。
LC-MS (方法2): Rt = 0.54分; MS (ESIpos): m/z = 522 (M+H)+
1H-NMR (400 MHz, D2O): δ = 8.16 (s, 1H), 7.55 (s, 1H), 7.45 (s, 1H), 7.01 (s, 1H), 4.66-4.16 (m, 5H), 4.04 (s, 3H), 3.55-2.71 (m, 11H), 2.51 (s, 3H), 1.96-1.42 (m, 4H), 1.64-1.50 (m, 1H) ppm.
【0271】
実施例41
1−{[4−アミノ−5−(7−メトキシ−5−メチル−1−ベンゾチオフェン−2−イル)−7−(ピペラジン−1−イルメチル)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−6−イル]メチル}ピペリジン−4−オール 三塩酸塩
【化153】
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GP1に従って、中間体25A(150mg, 279μmol)を、4−ヒドロキシピペリジン(141mg, 1.39mmol)と反応させた。分取RP−HPLCによって精製し(Reprosil C18, 濃度勾配 10〜95% アセトニトリル/0.1%TFA水溶液)、1,4−ジオキサン中4Mの塩化水素溶液から凍結乾燥し、162mg(理論値の91%)の表題化合物を得た。
LC-MS (方法4): Rt = 0.48分; MS (ESIpos): m/z = 522 (M+H)+
1H-NMR (400 MHz, D2O): δ = 8.16 (s, 1H), 7.58 (br. s, 1H), 7.46 (s, 1H), 7.01 (s, 1H), 4.67-4.48 (m, 4H), 4.04 (s, 4H), 3.59-2.78 (m, 12H), 2.51 (s, 3H), 2.14-1.38 (m, 4H) ppm.
【0272】
実施例42
rac−1−{[4−アミノ−5−(7−メトキシ−5−メチル−1−ベンゾチオフェン−2−イル)−7−(ピペラジン−1−イルメチル)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−6−イル]メチル}ピロリジン−3−オール 三塩酸塩
【化154】
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GP1に従って、中間体25A(150mg, 279μmol)を、3−ヒドロキシピロリジン(113μl, 1.39mmol)と反応させた。分取RP−HPLCによって精製し(Reprosil C18, 濃度勾配 10〜95% アセトニトリル/0.1%TFA水溶液)、1,4−ジオキサン中4Mの塩化水素溶液から凍結乾燥し、148mg(理論値の85%)の表題化合物を得た。
LC-MS (方法4): Rt = 0.46分; MS (ESIpos): m/z = 508 (M+H)+
1H-NMR (400 MHz, D2O): δ = 8.18 (s, 1H), 7.58 (s, 1H), 7.46 (s, 1H), 7.01 (s, 1H), 4.71-4.30 (m, 5H), 4.04 (s, 3H), 3.70-2.95 (m, 12H), 2.51 (s, 3H), 2.32-2.14 (m, 1H), 2.03-1.87 (m, 1H) ppm.
【0273】
実施例43
6−[(ジエチルアミノ)メチル]−5−(7−メトキシ−5−メチル−1−ベンゾチオフェン−2−イル)−7−(ピペラジン−1−イルメチル)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−4−アミン 三塩酸塩
【化155】
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GP1に従って、中間体25A(150mg, 279μmol)を、ジエチルアミン(144μl, 1.39mmol)と反応させた。分取RP−HPLCによって精製し(Reprosil C18, 濃度勾配 10〜95% アセトニトリル/0.1%TFA水溶液)、1,4−ジオキサン中4Mの塩化水素溶液から凍結乾燥し、127mg(理論値の69%)の表題化合物を得た。
LC-MS (方法2): Rt = 0.55分; MS (ESIpos): m/z = 494 (M+H)+
1H-NMR (400 MHz, D2O): δ = 8.19 (s, 1H), 7.61 (s, 1H), 7.47 (s, 1H), 7.01 (s, 1H), 4.59 (s, 2H), 4.51 (s, 2H), 4.04 (s, 3H), 3.47-3.35 (m, 4H), 3.29-3.00 (m, 8H), 2.51 (s, 3H), 1.07 (t, 6H) ppm.
【0274】
実施例44
6−[(シクロブチルアミノ)メチル]−5−(7−メトキシ−5−メチル−1−ベンゾチオフェン−2−イル)−7−(ピペラジン−1−イルメチル)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−4−アミン 三塩酸塩
【化156】
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GP1に従って、中間体25A(150mg, 279μmol)を、シクロブチルアミン(119μl, 1.39mmol)と反応させた。分取RP−HPLCによって精製し(Reprosil C18, 濃度勾配 10〜95% アセトニトリル/0.1%TFA水溶液)、1,4−ジオキサン中4Mの塩化水素溶液から凍結乾燥し、127mg(理論値の72%)の表題化合物を得た。
LC-MS (方法2): Rt = 0.58分; MS (ESIpos): m/z = 492 (M+H)+
1H-NMR (400 MHz, D2O): δ = 8.16 (s, 1H), 7.59 (s, 1H), 7.47 (s, 1H), 7.00 (s, 1H), 4.40 (s, 2H), 4.37 (s, 2H), 4.04 (s, 3H), 3.69-3.58 (m, 1H), 3.44-3.33 (m, 4H), 3.21-3.12 (m, 4H), 2.51 (s, 3H), 2.02-1.87 (m, 4H), 1.81-1.62 (m, 2H) ppm.
【0275】
実施例45
5−(7−メトキシ−5−メチル−1−ベンゾチオフェン−2−イル)−7−(ピペラジン−1−イルメチル)−6−(ピロリジン−1−イルメチル)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−4−アミン 三塩酸塩
【化157】
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GP1に従って、中間体25A(150mg, 279μmol)を、ピロリジン(116μl, 1.39mmol)と反応させた。分取RP−HPLCによって精製し(Reprosil C18, 濃度勾配 10〜95% アセトニトリル/0.1%TFA水溶液)、1,4−ジオキサン中4Mの塩化水素溶液から凍結乾燥し、112mg(理論値の64%)の表題化合物を得た。
LC-MS (方法2): Rt = 0.54分; MS (ESIpos): m/z = 492 (M+H)+
1H-NMR (400 MHz, D2O): δ = 8.19 (s, 1H), 7.60 (s, 1H), 7.46 (s, 1H), 7.01 (s, 1H), 4.70-4.61 (m, 4H), 4.04 (s, 3H), 3.55-3.40 (m, 6H), 3.35-3.26 (m, 4H), 3.02-2.87 (m, 2H), 2.51 (s, 3H), 1.97-1.83 (m, 4H) ppm.
【0276】
実施例46
6−[(シクロプロピルアミノ)メチル]−5−(7−メトキシ−5−メチル−1−ベンゾチオフェン−2−イル)−7−(ピペラジン−1−イルメチル)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−4−アミン 三塩酸塩
【化158】
[この文献は図面を表示できません]
GP1に従って、中間体25A(200mg, 372μmol)をシクロプロピルアミン(129μl, 1.86mmol)と反応させた。分取RP−HPLCによって精製し(Reprosil C18, 濃度勾配 10〜95% アセトニトリル/0.1%TFA水溶液)、1,4−ジオキサン中4Mの塩化水素溶液から凍結乾燥し、140mg(理論値の62%)の表題化合物を得た。
LC-MS (方法5): Rt = 1.42分; MS (ESIpos): m/z = 478 (M+H)+
1H-NMR (400 MHz, D2O): δ = 8.16 (s, 1H), 7.56 (s, 1H), 7.46 (s, 1H), 7.01 (s, 1H), 4.57 (s, 2H), 4.47 (s, 2H), 4.04 (s, 3H), 3.46-3.34 (m, 4H), 3.19-3.07 (m, 4H), 2.61-2.54 (m, 1H), 2.51 (s, 3H), 0.75-0.64 (m, 4H) ppm.
【0277】
実施例47
6−{[(シクロプロピルメチル)アミノ]メチル}−5−(7−メトキシ−5−メチル−1−ベンゾチオフェン−2−イル)−7−(ピペラジン−1−イルメチル)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−4−アミン 三塩酸塩
【化159】
[この文献は図面を表示できません]
GP1に従って、中間体25A(200mg, 372μmol)を、シクロプロピルメチルアミン(161μl, 1.86mmol)と反応させた。分取RP−HPLCによって精製し(Reprosil C18, 濃度勾配 10〜95% アセトニトリル/0.1%TFA水溶液)、1,4−ジオキサン中4Mの塩化水素溶液から凍結乾燥し、163mg(理論値の69%)の表題化合物を得た。
LC-MS (方法2): Rt = 0.60分; MS (ESIpos): m/z = 492 (M+H)+
1H-NMR (400 MHz, D2O): δ = 8.14 (s, 1H), 7.57 (s, 1H), 7.45 (s, 1H), 7.00 (s, 1H), 4.50 (s, 2H), 4.44 (s, 2H), 4.04 (s, 3H), 3.42-3.34 (m, 4H), 3.16-3.07 (m, 4H), 2.86 (d, 2H), 2.50 (s, 3H), 0.89-0.76 (m, 1H), 0.55-0.45 (m, 2H), 0.23-0.14 (m, 2H) ppm.
【0278】
実施例48
N−{[4−アミノ−5−(7−メトキシ−5−メチル−1−ベンゾチオフェン−2−イル)−7−(ピペラジン−1−イルメチル)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−6−イル]メチル}グリシン 三塩酸塩
【化160】
[この文献は図面を表示できません]
THF(3.2ml)中の中間体25A(161mg, 300μmol)の溶液を、2−アミノ酢酸(112mg, 1.5mmol)、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(317mg, 1.5mmol)および酢酸(34μl, 600μmol)で処理した。得られた混合物を60℃で2時間撹拌し、蒸発させた。残渣を分取RP−HPLCによって精製した(Reprosil C18, 濃度勾配 10〜95% アセトニトリル/0.1%TFA水溶液)。このようにして得られた生成物を、1,4−ジオキサン中4Mの塩化水素溶液(2ml)に溶解し、室温で1時間撹拌した。蒸発後、残渣を分取RP−HPLCによって精製した(Reprosil C18, 濃度勾配 10〜95% アセトニトリル/0.1%TFA水溶液)。続いて、1,4−ジオキサン中4Mの塩化水素溶液から凍結乾燥し、18mg(理論値の9%)の表題化合物を得た。
LC-MS (方法2): Rt = 0.63分; MS (ESIpos): m/z = 496 (M+H)+
1H-NMR (400 MHz, D2O): δ = 8.14 (s, 1H), 7.54 (s, 1H), 7.45 (s, 1H), 6.99 (s, 1H), 4.42 (s, 2H), 4.36 (s, 2H), 4.03 (s, 3H), 3.64 (s, 2H), 3.42-3.33 (m, 4H), 3.07-2.96 (m, 4H), 2.50 (s, 3H) ppm.
【0279】
実施例49
4−{[4−アミノ−5−(7−メトキシ−5−メチル−1−ベンゾチオフェン−2−イル)−7−(ピペラジン−1−イルメチル)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−6−イル]メチル}ピペラジン−2−オン 三塩酸塩
【化161】
[この文献は図面を表示できません]
1,4−ジオキサン中4Mの塩化水素溶液(2ml)中の、中間体27A(220mg, 354μmol)の溶液を、室温で2時間撹拌した。次いで、混合物を蒸発させ、235mgの粗生成物を得た。これをさらに精製することなく次の工程に用いた。
LC-MS (方法4): Rt = 0.60分; MS (ESIpos): m/z = 521 (M+H)+.
【0280】
実施例50
[4−アミノ−5−(7−メトキシ−5−メチル−1−ベンゾチオフェン−2−イル)−7−(モルホリン−4−イルメチル)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−6−イル]メタノール
【化162】
[この文献は図面を表示できません]
DMF(28ml)中の中間体20A(500mg, 純度87%, 1.28mmol)および4−メチレンモルホリン−4−イウム クロリド(347mg, 2.56mmol)の溶液を、70℃で1.5時間撹拌した。混合物を酢酸エチルで希釈し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で、そして飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下で蒸発させ、710mg(純度78%, 理論値の99%)の表題化合物を得た。
LC-MS (方法2): Rt = 0.65分; MS (ESIpos): m/z = 440 (M+H)+.
【0281】
実施例51
(3S)−3−({[4−アミノ−5−(7−メトキシ−5−メチル−1−ベンゾチオフェン−2−イル)−7−(モルホリン−4−イルメチル)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−6−イル]メチル}アミノ)ピロリジン−2−オン
【化163】
[この文献は図面を表示できません]
メタノール(2ml)中の中間体33A(65mg, 149μmol)の溶液を、(3S)−3−アミノピロリジン−2−オン(45mg, 446μmol)、シアノ水素化ホウ素ナトリウム(47mg, 743μmol)および酢酸(26μl, 446μmol)で処理した。60℃で16時間撹拌した後、得られた混合物を分取RP−HPLCによって分離した(Reprosil C18, 濃度勾配 20〜40% アセトニトリル/0.2%TFA水溶液)。このようにして得られた生成物をメタノールに溶解し、アニオン交換カートリッジ(Stratospheres SPE, PL-HCO3 MP-樹脂)で濾過した。カートリッジをメタノールで溶出し、濾液を蒸発させ、49mg(理論値の63%)の表題化合物を得た。
LC-MS (方法2): Rt = 0.71分; MS (ESIpos): m/z = 522 (M+H)+
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ = 7.96 (s, 1H), 7.66 (s, 1H), 7.5-8.1 (br. s, 1H), 7.44 (s, 1H), 7.31 (s, 1H), 6.84 (s, 1H), 5.4-6.0 (br. s, 1H), 3.95 (s, 3H), 3.91 (s, 2H), 3.75 (d, 2H), 3.50-3.66 (m, 4H), 3.06-3.19 (m, 3H), 2.94-3.05 (m, 1H), 2.61 (t, 1H), 2.45 (t, 3H), 2.38-2.44 (m, 4H), 1.89-1.99 (m, 1H), 1.49-1.60 (m, 1H) ppm.
【0282】
実施例52
4−{[4−アミノ−5−(7−メトキシ−5−メチル−1−ベンゾチオフェン−2−イル)−7−(モルホリン−4−イルメチル)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−6−イル]メチル}ピペラジン−2−オン
【化164】
[この文献は図面を表示できません]
メタノール(2ml)中の中間体33A(65mg, 149μmol)の溶液を、2−オキソピペラジン(45mg, 446μmol)、シアノ水素化ホウ素ナトリウム(47mg, 743μmol)および酢酸(26μl, 446μmol)で処理した。60℃で16時間撹拌した後、得られた混合物を分取RP−HPLCによって分離した(Reprosil C18, 濃度勾配 20〜40% アセトニトリル/0.2%TFA水溶液)。このようにして得られた生成物をメタノールに溶解し、アニオン交換カートリッジ(Stratospheres SPE, PL-HCO3 MP-樹脂)で濾過した。カートリッジをメタノールで溶出し、濾液を蒸発させ、41mg(理論値の53%)の表題化合物を得た。
LC-MS (方法2): Rt = 0.70分; MS (ESIpos): m/z = 522 (M+H)+
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ = 7.97 (s, 1H), 7.67 (br. s, 1H), 7.55-8.05 (br. s, 1H), 7.38 (s, 1H), 7.30 (s, 1H), 6.84 (s, 1H), 5.29-5.88 (br. s, 1H), 3.95 (s, 3H), 3.92 (s, 2H), 3.58 (s, 2H), 3.51-3.56 (m, 4H), 3.00-3.06 (m, 2H), 2.85 (s, 2H), 2.45 (s, 3H), 2.43-2.48 (m, 5H) ppm.
【0283】
実施例53
rac−1−({[4−アミノ−5−(7−メトキシ−5−メチル−1−ベンゾチオフェン−2−イル)−7−(モルホリン−4−イルメチル)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−6−イル]メチル}アミノ)プロパン−2−オール
【化165】
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メタノール(2ml)中の中間体33A(64mg, 146μmol)の溶液を、rac−1−アミノプロパン−2−オール(33mg, 439μmol)、シアノ水素化ホウ素ナトリウム(46mg, 731μmol)および酢酸(25μl, 439μmol)で処理した。60℃で16時間撹拌した後、得られた混合物を分取RP−HPLCによって分離した(Reprosil C18, 濃度勾配 20〜40% アセトニトリル/0.2%TFA水溶液)。このようにして得られた生成物をメタノールに溶解し、アニオン交換カートリッジ(Stratospheres SPE, PL-HCO3 MP-樹脂)で濾過した。カートリッジをメタノールで溶出し、濾液を蒸発させ、42mg(理論値の57%)の表題化合物を得た。
LC-MS (方法5): Rt = 1.63分; MS (ESIpos): m/z = 497 (M+H)+
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ = 7.96 (s, 1H), 7.47-7.92 (br. s, 1H), 7.39 (s, 1H), 7.30 (s, 1H), 6.84 (s, 1H), 5.36-5.92 (br. s, 1H), 4.36 (d, 1H), 3.95 (s, 3H), 3.90 (s, 2H), 3.64-3.75 (m, 2H), 3.49-3.61 (m, 5H), 2.45 (s, 3H), 2.39-2.47 (m, 4H), 2.31-2.38 (m, 2H), 0.97 (d, 3H) ppm.
【0284】
実施例54
1−({[4−アミノ−5−(7−メトキシ−5−メチル−1−ベンゾチオフェン−2−イル)−7−(モルホリン−4−イルメチル)−ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−6−イル]メチル}アミノ)−2−メチルプロパン−2−オール
【化166】
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メタノール(2ml)中の中間体33A(80mg, 183μmol)の溶液を、1−アミノ−2−メチルプロパン−2−オール(34mg, 274μmol)、シアノ水素化ホウ素ナトリウム(57mg, 914μmol)および酢酸(21μl, 366μmol)で処理した。60℃で16時間撹拌した後、得られた混合物を分取RP−HPLCによって分離した(Reprosil C18, 濃度勾配 20〜40% アセトニトリル/0.2%TFA水溶液)。このようにして得られた生成物をメタノールに溶解し、アニオン交換カートリッジ(Stratospheres SPE, PL-HCO3 MP-樹脂)で濾過した。カートリッジをメタノールで溶出し、濾液を蒸発させ、29mg(理論値の31%)の表題化合物を得た。
LC-MS (方法2): Rt = 0.65分; MS (ESIpos): m/z = 511 (M+H)+
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ = 7.96 (s, 1H), 7.50-8.02 (br. s, 1H), 7.42 (s, 1H), 7.28 (s, 1H), 6.84 (s, 1H), 5.4-6.0 (br. s, 1H), 4.11 (s, 1H), 3.95 (s, 3H), 3.90 (s, 2H), 3.70 (d, 2H), 3.51-3.58 (m, 4H), 2.45 (s, 3H), 2.39-2.46 (m, 4H), 2.33 (d, 2H), 1.83-1.92 (m, 1H), 1.03 (s, 6H) ppm.
【0285】
実施例55
1−(4−{[4−アミノ−6−(ヒドロキシメチル)−5−(7−メトキシ−5−メチル−1−ベンゾチオフェン−2−イル)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−7−イル]メチル}ピペラジン−1−イル)エタノン
【化167】
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酢酸(5ml)中の中間体20A(345mg, 1.01mmol)の溶液を、37%のホルムアルデヒド水溶液(91μl, 1.22mmol)および1−アセチルピペラジン(160mg, 1.22mmol)で処理した。混合物を60℃で6時間撹拌し、蒸発させた。残渣をTHF/1M水酸化リチウム水溶液(1:1, 10ml)の混合物に溶解し、室温で2時間撹拌した。混合物を100mgのテストランの反応混合物と合わせて、飽和塩化アンモニウム水溶液を加えた。混合物を酢酸エチルで抽出し、有機相を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下で蒸発させ、678mg(純度87%, 理論値の94%)の表題化合物を得た。
LC-MS (方法2): Rt = 0.71分; MS (ESIpos): m/z = 481 (M+H)+.
【0286】
実施例56
(3R)−3−[({7−[(4−アセチルピペラジン−1−イル)メチル]−4−アミノ−5−(7−メトキシ−5−メチル−1−ベンゾチオフェン−2−イル)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−6−イル}メチル)アミノ]ピロリジン−2−オン
【化168】
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メタノール(1.4ml)中の中間体31A(80mg, 167μmol)の溶液を、(3R)−3−アミノピロリジン−2−オン(21mg, 251μmol)、シアノ水素化ホウ素ナトリウム(52mg, 836μmol)および酢酸(19μl, 334μmol)で処理した。60℃で16時間撹拌した後、得られた混合物を分取RP−HPLCによって分離した(Reprosil C18, 濃度勾配 20〜40% アセトニトリル/0.2%TFA水溶液)。このようにして得られた生成物をメタノールに溶解し、アニオン交換カートリッジ(Stratospheres SPE, PL-HCO3 MP-樹脂)で濾過した。カートリッジをメタノールで溶出し、濾液を蒸発させ、46mg(理論値の49%)の表題化合物を得た。
LC-MS (方法2): Rt = 0.70分; MS (ESIpos): m/z = 563 (M+H)+
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ = 8.42 (s, 1H), 8.05 (s, 1H), 7.93-8.24 (br. s, 1H), 7.51 (s, 1H), 7.34 (s, 1H), 6.88 (s, 1H), 5.75-6.07 (br. s, 1H), 4.21-4.37 (m, 2H), 4.19 (s, 2H), 4.10 (t, 1H), 3.96 (s, 3H), 3.56-3.66 (m, 2H), 3.44-3.54 (m, 4H), 3.11-3.27 (m, 4H), 2.47 (s, 4H), 2.16-2.25 (m, 1H), 2.00 (s, 3H), 1.86-1.95 (m, 1H) ppm.
【0287】
実施例57
1−(4−{[4−アミノ−6−{[(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)アミノ]メチル}−5−(7−メトキシ−5−メチル−1−ベンゾチオフェン−2−イル)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−7−イル]メチル}ピペラジン−1−イル)エタノン
【化169】
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メタノール(2ml)中の中間体31A(80mg, 183μmol)の溶液を、1−アミノ−2−メチルプロパン−2−オール(31mg, 251μmol)、シアノ水素化ホウ素ナトリウム(53mg, 836μmol)および酢酸(19μl, 334μmol)で処理した。60℃で16時間撹拌した後、得られた混合物を分取RP−HPLCによって分離した(Reprosil C18, 濃度勾配 20〜40% アセトニトリル/0.2%TFA水溶液)。このようにして得られた生成物をメタノールに溶解し、アニオン交換カートリッジ(Stratospheres SPE, PL-HCO3 MP-樹脂)で濾過した。カートリッジをメタノールで溶出し、濾液を蒸発させ、29mg(理論値の31%)の表題化合物を得た。
LC-MS (方法2): Rt = 0.71分; MS (ESIpos): m/z = 552 (M+H)+
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ = 7.96 (s, 1H), 7.59-8.02 (br. s, 1H), 7.42 (s, 1H), 7.28 (s, 1H), 6.84 (s, 1H), 5.45-5.93 (br. s, 1H), 4.13 (br. s, 1H), 3.95 (s, 3H), 3.93 (s, 2H), 3.71 (s, 2H), 3.37-3.44 (m, 4H), 2.45 (s, 3H), 2.32-2.43 (m, 6H), 1.97 (s, 3H), 1.03 (s, 6H) ppm.
【0288】
実施例58
4−({4−アミノ−5−(7−メトキシ−5−メチル−1−ベンゾチオフェン−2−イル)−6−[(3−オキソピペラジン−1−イル)−メチル]ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−7−イル}メチル)ピペラジン−1−カルボアルデヒド蟻酸塩
【化170】
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無水酢酸(498μl, 5.17mmol)および蟻酸(237μl, 6.28mmol)を、最初に50℃で2時間、次いで室温で一夜撹拌した。続いて、混合物をジクロロメタン(5.1ml)で希釈し、1.16mlのこの溶液を、ピリジン(89μl)中の実施例49(233mg, 370μmol)の溶液に加えた。室温で2時間撹拌した後、混合物をメタノールで希釈し、蒸発させた。残渣を分取RP−HPLCによって精製し(Reprosil C18, 濃度勾配 10〜95% アセトニトリル/0.1%蟻酸水溶液)、77mg(理論値の35%)の表題化合物を得た。
LC-MS (方法4): Rt = 0.62分; MS (ESIpos): m/z = 549 (M+H)+
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6): とりわけ δ = 8.14 (s, 1H), 7.97 (s, 2H), 7.67 (s, 1H), 7.38 (s, 1H), 7.30 (s, 1H), 6.84 (s, 1H), 3.96 (s, 2H), 3.95 (s, 3H), 3.58 (s, 2H), 3.04 (br. t, 2H), 2.86 (s, 2H), 2.45 (s, 3H), 2.42 (br. t, 2H) ppm.
【0289】
実施例59
4−({7−[(4−アセチルピペラジン−1−イル)メチル]−4−アミノ−5−(7−メトキシ−5−メチル−1−ベンゾチオフェン−2−イル)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−6−イル}メチル)ピペラジン−2−オン
【化171】
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ジクロロメタン/THF(2.5:1, 9.64ml)中の実施例49(310mg, 522μmol)の懸濁液を、炭酸ナトリウム(442mg, 4.17mmol)で処理し、室温で30分間撹拌した。塩化アセチル(74μl, 1.04mmol)を加え、得られた混合物を室温で2時間撹拌した。メタノールで反応停止させた後、混合物を蒸発させ、残渣を分取RP−HPLCによって精製し(Reprosil C18, 濃度勾配 10〜95% アセトニトリル/0.1%蟻酸水溶液)、133mg(理論値の45%)の表題化合物を得た。
LC-MS (方法2): Rt = 0.69分; MS (ESIpos): m/z = 563 (M+H)+
1H-NMR (400 MHz, メタノール-d4): δ = 7.89 (s, 1H), 7.30 (s, 1H), 7.28 (s, 1H), 6.79 (s, 1H), 4.13 (s, 2H), 3.98 (s, 3H), 3.74 (s, 2H), 3.59 (t, 2H), 3.54 (t, 2H), 3.18 (t, 2H), 3.02 (s, 2H), 2.68-2.55 (m, 6H), 2.48 (s, 3H), 2.08 (s, 3H) ppm.
【0290】
実施例60
4−アミノ−5−(7−メトキシ−5−メチル−1−ベンゾチオフェン−2−イル)−7−(ピペラジン−1−イルカルボニル)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−6−カルボン酸メチル 二蟻酸塩
【化172】
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THF/メタノール混合物(5:1, 180μl)中の中間体28A(15mg, 26μmol)の0℃に冷却した溶液に、(トリメチルシリル)ジアゾメタン(ヘキサン中2Mの溶液, 15μl, 32μmol)を加えた。得られた混合物を30分かけてゆっくりと室温まで温め、次いで蒸発させた。残渣を1,4−ジオキサン中4Mの塩化水素溶液(0.5ml)に溶解し、室温で1時間撹拌した。蒸発後、残渣を分取RP−HPLCによって精製し(Reprosil C18, 濃度勾配 10〜95% アセトニトリル/0.1%蟻酸水溶液)、4.8mg(理論値の35%)の表題化合物を得た。
LC-MS (方法2): Rt = 0.66分; MS (ESIpos): m/z = 481 (M+H)+
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6): とりわけ δ = 8.17 (s, 2H), 8.38-8.23 (br. s, 1H), 8.04 (s, 1H), 7.43 (s, 1H), 7.31 (s, 1H), 6.86 (s, 1H), 5.71-5.58 (br. s, 1H), 3.96 (s, 3H), 3.60 (s, 3H, 水のピークと重複), 2.46 (s, 3H) ppm.
【0291】
実施例61
5−(7−メトキシ−5−メチル−1−ベンゾチオフェン−2−イル)−6−(1,3−オキサゾール−5−イル)−7−(ピペラジン−1−イルメチル)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−4−アミン 三塩酸塩
【化173】
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メタノール(3.33ml)中の中間体25A(100mg, 0.19mmol)の溶液を、(4−トルエンスルホニル)メチルイソシアニド(36mg, 0.19mmol)および炭酸カリウム(25mg, 186μmol)で処理した。混合物を6時間還流した。次いで、それを3つの30mgのテストランの反応混合物と合わせて、蒸発させた。残渣を1,4−ジオキサン中4Mの塩化水素溶液(10ml)に溶解し、室温で2時間撹拌した。蒸発後、残渣を2倍分取RP−HPLCによって精製した(Reprosil C18, 濃度勾配 10〜95% アセトニトリル/0.1%TFA水溶液)。さらに、シリカゲルのカラムクロマトグラフィーによって精製し(ジクロロメタン/メタノール 5:1, 0.5%アンモニア水溶液含有)、1,4−ジオキサン中4Mの塩化水素溶液から凍結乾燥し、75mg(理論値の34%)の表題化合物を得た。
LC-MS (方法4): Rt = 0.69分; MS (ESIpos): m/z = 476 (M+H)+
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6): とりわけ δ = 8.40 (s, 1H), 8.20 (s, 1H), 7.46 (s, 1H), 7.35 (s, 1H), 6.96 (s, 1H), 6.89 (s, 1H), 3.95 (s, 3H), 2.46 (s, 3H) ppm.
【0292】
実施例62
6−(アミノメチル)−5−(7−メトキシ−5−メチル−1−ベンゾチオフェン−2−イル)−7−(ピペラジン−1−イルメチル)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−4−アミン 三塩酸塩
【化174】
[この文献は図面を表示できません]
メタノール中0.5Mの塩化水素溶液(20ml)中の中間体29A(76mg, 134μmol)および10% Pd/C(60mg)の懸濁液を、1atmの水素下、室温で3時間撹拌した。次いで、混合物を珪藻土で濾過し、濾液を蒸発させ、残渣を分取RP−HPLCによって精製した(Reprosil C18, 濃度勾配 10〜95% アセトニトリル/0.1%TFA水溶液)。このようにして得られた生成物を1,4−ジオキサン中4Mの塩化水素溶液から凍結乾燥し、34mg(理論値の46%)の表題化合物を得た。
LC-MS (方法2): Rt = 0.55分; MS (ESIpos): m/z = 438 (M+H)+
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6): とりわけ δ = 8.24 (br. s, 3H), 8.12 (s, 1H), 7.52 (s, 1H), 7.34 (s, 1H), 6.89 (s, 1H), 3.96 (s, 3H), 3.76-3.63 (m, 1H), 3.52-3.42 (m, 1H), 2.47 (s, 3H) ppm.
【0293】
実施例63
N−{[4−アミノ−5−(7−メトキシ−5−メチル−1−ベンゾチオフェン−2−イル)−7−(ピペラジン−1−イルメチル)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−6−イル]メチル}アセトアミド ビス(トリフルオロアセテート)
【化175】
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ジクロロメタン(26ml)中の中間体30A(210mg, 362μmol)の溶液を、トリフルオロ酢酸(5.2ml)で処理し、室温で1時間撹拌した。室温で蒸発後、残渣を分取RP−HPLCによって精製し(Reprosil C18, 濃度勾配 10〜95% アセトニトリル/0.1%TFA水溶液)、163mg(理論値の63%)の表題化合物を得た。
LC-MS (方法3): Rt = 2.42分; MS (ESIpos): m/z = 480 (M+H)+
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6): とりわけ δ = 9.00-8.75 (br. s, 1H), 8.30-8.16 (br. s, 1H), 8.08 (s, 1H), 7.38 (s, 1H), 7.33 (s, 1H), 6.87 (s, 1H), 4.32 (br. d, 2H), 3.96 (s, 3H), 3.40-2.98 (m, 8H), 2.46 (s, 3H), 1.77 (s, 3H) ppm.
【0294】
実施例64
N−{[4−アミノ−5−(7−メトキシ−5−メチル−1−ベンゾチオフェン−2−イル)−7−(ピペラジン−1−イルメチル)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−6−イル]メチル}アセトアミド 二塩酸塩
【化176】
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ジクロロメタン(10ml)およびトリフルオロ酢酸(2ml)中の中間体30A(80mg, 0.14mmol)の溶液を、室温で1時間撹拌し、蒸発させた。分取RP−HPLCによって精製し(Reprosil C18, 濃度勾配 10〜95% アセトニトリル/0.1%蟻酸水溶液)、メタノールおよび1,4−ジオキサン中4Mの塩化水素溶液の混合物から凍結乾燥し、39mg(理論値の50%)の表題化合物を得た。
LC-MS (方法5): Rt = 1.56分; MS (ESIpos): m/z = 480 (M+H)+
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6): とりわけ δ = 8.12 (s, 1H), 7.38 (s, 1H), 7.33 (s, 1H), 6.87 (s, 1H), 4.37 (br. d, 2H), 3.96 (s, 3H), 3.85-3.20 (m, 8H, 水のピークと重複), 2.46 (s, 3H), 1.76 (s, 3H) ppm.
【0295】
実施例65
N−({4−アミノ−7−[(4−ホルミルピペラジン−1−イル)メチル]−5−(7−メトキシ−5−メチル−1−ベンゾチオフェン−2−イル)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−6−イル}メチル)アセトアミド蟻酸塩
【化177】
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無水酢酸(304μl, 3.16mmol)および蟻酸(145μl, 3.16mmol)を、最初に50℃で2時間、次いで室温で一夜撹拌した。続いて、混合物をジクロロメタン(3.1ml)で希釈し、663μlのこの溶液をピリジン(54μl)中の実施例63(160mg, 226μmol)の溶液に加えた。混合物を室温で2時間撹拌し、メタノール(1ml)で希釈し、40℃でさらに2時間撹拌を続けた。蒸発後、残渣を分取RP−HPLCによって精製し(Reprosil C18, 濃度勾配 10〜95% アセトニトリル/0.1%蟻酸水溶液)、74mg(理論値の61%)の表題化合物を得た。
LC-MS (方法4): Rt = 0.65分; MS (ESIpos): m/z = 508 (M+H)+
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ = 8.13 (s, 1H), 8.06-7.89 (m, 3H), 7.38 (s, 1H), 7.31 (s, 1H), 6.85 (s, 1H), 4.28 (d, 2H), 4.01-3.88 (m, 5H), 2.47-2.34 (m, 7H), 1.75 (s, 3H) ppm.
【0296】
実施例66
N−({7−[(4−アセチルピペラジン−1−イル)メチル]−4−アミノ−5−(7−メトキシ−5−メチル−1−ベンゾチオフェン−2−イル)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−6−イル}メチル)アセトアミド
【化178】
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THF/ジクロロメタン(1:2, 3ml)中の実施例63(110mg, 229μmol)および塩化アセチル(32μl, 458μmol)の溶液を、炭酸ナトリウム(194mg, 1.83mmol)で処理し、室温で一夜撹拌した。次いで、混合物をメタノール(2ml)および水(1ml)で希釈し、室温で1時間撹拌した。蒸発後、残渣を分取RP−HPLCによって精製した(Reprosil C18, 濃度勾配 10〜95% アセトニトリル/0.1%蟻酸水溶液)。1,4−ジオキサンから凍結乾燥し、再度シリカゲルのカラムクロマトグラフィーによって精製し(ジクロロメタン/メタノール 50:1→100% メタノール)、35mg(理論値の28%)の表題化合物を得た。
LC-MS (方法2): Rt = 0.70分; MS (ESIpos): m/z = 522 (M+H)+
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ = 8.04-7.98 (m, 2H), 7.38 (s, 1H), 7.31 (s, 1H), 6.85 (s, 1H), 4.27 (d, 2H), 3.95 (s, 3H), 3.91 (s, 2H), 3.44-3.36 (m, 4H), 2.48-2.35 (m, 7H), 1.98 (s, 3H), 1.75 (s, 3H) ppm.
【0297】
実施例67
N−({4−アミノ−5−(7−メトキシ−5−メチル−1−ベンゾチオフェン−2−イル)−7−[(3−オキソピペラジン−1−イル)メチル]ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−6−イル}メチル)アセトアミド
【化179】
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メタノール(4.1ml)中の中間体32A(35mg, 73μmol)の懸濁液を、無水酢酸(13μl, 146μmol)および10% Pd/C(41mg)で処理し、1atmの水素下、室温で1時間撹拌した。珪藻土で濾過し、濾液を蒸発させ、30mg(理論値の79%)の表題化合物を得た。
LC-MS (方法5): Rt = 1.65分; MS (ESIpos): m/z = 494 (M+H)+
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ = 7.99 (s, 2H), 7.75 (br. s, 1H), 7.39 (s, 1H), 7.31 (s, 1H), 6.85 (s, 1H), 4.27 (s, 1H), 4.26 (s, 1H), 3.95 (s, 5H), 3.19-3.08 (m, 2H), 3.05-2.96 (m, 2H), 2.66-2.57 (m, 2H), 2.45 (s, 3H), 1.72 (s, 3H) ppm.
【0298】
実施例68
4−アミノ−6−(ヒドロキシメチル)−5−(7−メトキシ−5−メチル−1−ベンゾチオフェン−2−イル)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−7−カルボニトリル
【化180】
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THF(10ml)中の中間体38A(1g, 2.08mmol)の溶液を、THF中1Mのフッ化 テトラ−n−ブチルアンモニウム溶液(12ml, 12mmol)で処理した。混合物を室温で一夜撹拌し、蒸発させた。残渣を水に溶かし、酢酸エチルで3回抽出した。合わせた有機相を、硫酸マグネシウムで乾燥し、蒸発させた。残渣をtert−ブチル メチル エーテル中で磨砕し、固体を濾過し、680mg(理論値の78%)の表題化合物を得た。
LC-MS (方法2): Rt = 0.95分; MS (ESIpos): m/z = 366 (M+H)+
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ = 8.61-8.29 (br. s, 1H), 8.18 (s, 1H), 7.43 (s, 1H), 7.32 (s, 1H), 6.87 (s, 1H), 6.32-6.03 (br. s, 1H), 5.46 (t, 1H), 4.55 (d, 2H), 3.96 (s, 3H), 2.45 (s, 3H) ppm.
【0299】
実施例69
4−アミノ−6−(メトキシメチル)−5−(7−メトキシ−5−メチル−1−ベンゾチオフェン−2−イル)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−7−カルボニトリル
【化181】
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ジクロロメタン(5ml)中の実施例68(60mg, 164μmol)の溶液を、塩化チオニル(18μl, 246μmol)で処理した。混合物を室温で15分間撹拌し、蒸発させた。残渣をメタノールに溶解し(2ml)、DIPEA(57μl, 328μmol)で処理した。混合物を最初60℃で2時間撹拌し、次いで一夜還流し、最後にマイクロ波装置中、150℃で30分間加熱した。この後、混合物を蒸発させ、残渣を分取RP−HPLCによって精製した(Reprosil C18, 濃度勾配 10〜95% アセトニトリル/0.1%TFA水溶液)。このようにして得られた生成物をメタノールに溶解し、アニオン交換カートリッジ(Stratospheres SPE, PL-HCO3 MP-樹脂)で濾過した。カートリッジをメタノールで溶出し、濾液を蒸発させ、18mg(理論値の28%)の表題化合物を得た。
LC-MS (方法4): Rt = 1.12分; MS (ESIpos): m/z = 379 (M+H)+
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ = 8.61-8.40 (br. s, 1H), 8.21 (s, 1H), 7.42 (s, 1H), 7.33 (s, 1H), 6.87 (s, 1H), 6.34-6.09 (br. s, 1H), 4.47 (s, 2H), 3.96 (s, 3H), 3.26 (s, 3H), 2.45 (s, 3H) ppm.
【0300】
実施例70
4−アミノ−6−(エトキシメチル)−5−(7−メトキシ−5−メチル−1−ベンゾチオフェン−2−イル)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−7−カルボニトリル
【化182】
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ジクロロメタン(5ml)中の実施例68(60mg, 164μmol)の溶液を、塩化チオニル(18μl, 246μmol)で処理した。混合物を室温で15分間撹拌し、次いで蒸発させた。残渣をエタノール(2ml)に溶解し、DIPEA(57μl, 328μmol)で処理した。混合物を60℃で一夜撹拌し、次いで、マイクロ波装置中、150℃で30分間加熱した。この後、混合物を蒸発させ、残渣を分取RP−HPLCによって精製した(Reprosil C18, 濃度勾配 10〜95% アセトニトリル/0.1%TFA水溶液)。このようにして得られた生成物をエタノール(2ml)に溶解し、再度、マイクロ波オーブン中、150℃で30分間加熱した。DIPEA(57μl, 328μmol)を加え、マイクロ波オーブン中、150℃でさらに30分間加熱し続けた。蒸発後、残渣をシリカゲルのカラムクロマトグラフィーによって精製し(ジクロロメタン/メタノール 95:5)、16mg(理論値の23%)の表題化合物を得た。
LC-MS (方法2): Rt = 1.18分; MS (ESIpos): m/z = 393 (M+H)+
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ = 8.61-8.38 (br. s, 1H), 8.20 (s, 1H), 7.42 (s, 1H), 7.33 (s, 1H), 6.87 (s, 1H), 6.33-6.08 (br. s, 1H), 4.51 (s, 2H), 3.96 (s, 3H), 3.45 (q, 2H), 2.45 (s, 3H), 1.10 (t, 3H) ppm.
【0301】
実施例71
4−アミノ−5−(7−メトキシ−5−メチル−1−ベンゾチオフェン−2−イル)−6−[(3−オキソピペラジン−1−イル)メチル]ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−7−カルボニトリル
【化183】
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THF(0.73ml)中の中間体39A(20mg, 55μmol)の溶液を、酢酸(6μl, 110μmol)、2−オキソピペラジン(27mg, 275μmol)およびトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(58mg, 275μmol)で処理した。室温で3時間撹拌した後、さらにTHF(1ml)、酢酸(6μl, 110μmol)、2−オキソピペラジン(27mg, 275μmol)およびトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(58mg, 275μmol)を加え、室温で一夜撹拌を続けた。蒸発後、残渣を分取RP−HPLCによって精製した(Reprosil C18, 濃度勾配 10〜95% アセトニトリル/0.1%TFA水溶液)。このようにして得られた生成物をメタノールに溶解し、アニオン交換カートリッジ(Stratospheres SPE, PL-HCO3 MP-樹脂)で濾過した。カートリッジをメタノールで溶出し、濾液を蒸発させ、13mg(理論値の52%)の表題化合物を得た。
LC-MS (方法2): Rt = 0.86分; MS (ESIpos): m/z = 447 (M+H)+
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ = 8.60-8.31 (br. s, 1H), 8.19 (s, 1H), 7.74 (s, 1H), 7.44 (s, 1H), 7.33 (s, 1H), 6.87 (s, 1H), 6.25-5.98 (br. s, 1H), 3.96 (s, 3H), 3.62 (s, 2H), 3.13-3.07 (m, 2H), 2.91 (s, 2H), 2.45 (s, 3H) ppm.
【0302】
実施例72
N,N'−{[4−アミノ−5−(7−メトキシ−5−メチル−1−ベンゾチオフェン−2−イル)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−6,7−ジイル]ビス(メチレン)}ジアセトアミド
【化184】
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メタノール(12ml)中の中間体40A(粗製, 85mg)、10% Pd/C(115mg)および無水酢酸(40μl, 435μmol)の懸濁液を、1atmの水素下、室温で撹拌した。4時間後、さらに10% Pd/C(115mg)および無水酢酸(40μl, 435μmol)を加え、1atmの水素下、室温で2時間撹拌を続けた。得られた混合物を珪藻土で濾過し、濾液を蒸発させ、残渣を分取RP−HPLCによって精製した(Reprosil C18, 濃度勾配 10〜95% アセトニトリル/0.1%TFA水溶液)。このようにして得られた生成物をメタノールに溶解し、アニオン交換カートリッジ(Stratospheres SPE, PL-HCO3 MP-樹脂)で濾過した。カートリッジをメタノールで溶出し、濾液を蒸発させ、18mg(理論値の18%)の表題化合物を得た。
LC-MS (方法2): Rt = 0.73分; MS (ESIpos): m/z = 452 (M+H)+
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ = 8.29 (br. t, 1H), 8.04 (br. t, 1H), 8.00 (s, 1H), 7.34 (s, 1H), 7.31 (s, 1H), 6.85 (s, 1H), 4.58 (d, 2H), 4.26 (d, 2H), 3.95 (s, 3H), 2.45 (s, 3H), 1.81 (s, 3H), 1.74 (s, 3H) ppm.
【0303】
実施例73
2−[4−アミノ−6−(ヒドロキシメチル)−5−(7−メトキシ−5−メチル−1−ベンゾチオフェン−2−イル)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−7−イル]プロパン−2−オール
【化185】
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THF/水(10:1, 11ml)中の中間体43A(180mg, 598μmol)、中間体6A(299mg, 897μmol)およびフッ化セシウム(454mg, 2.99mmol)の懸濁液を含むフラスコを、減圧下で脱気し、アルゴンを再充填した。4−(ジ−tert−ブチルホスフィノ)−N,N−ジメチルアニリン−ジクロロパラジウム(2:1, 13mg, 18μmol)を加えた。得られた混合物を再度脱気し、アルゴン下、50℃で16時間撹拌した。この後、反応混合物を分取RP−HPLCによって分離した(Reprosil C18, 濃度勾配 30〜50% アセトニトリル/0.2%TFA水溶液)。生成物のフラクションをメタノール中7Mのアンモニア溶液で希釈し、減圧下で濃縮した。沈殿物を濾過して取り、水で洗浄し、真空で乾燥し、99mg(理論値の42%)の表題化合物を得た。
LC-MS (方法2): Rt = 0.89分; MS (ESIpos): m/z = 399 (M+H)+
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ = 7.96 (s, 1H), 7.51-8.02 (br. s, 1H), 7.37 (s, 1H), 7.31 (s, 1H), 6.86 (s, 1H), 5.99 (s, 1H), 5.23-5.82 (br. s, 1H), 5.04 (t, 1H), 4.53 (d, 2H), 3.96 (s, 3H), 2.45 (s, 3H), 1.73 (s, 6H) ppm.
【0304】
実施例74
4−{[4−アミノ−7−(2−ヒドロキシプロパン−2−イル)−5−(7−メトキシ−5−メチル−1−ベンゾチオフェン−2−イル)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−6−イル]メチル}ピペラジン−2−オン
【化186】
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メタノール(4ml)中の中間体44A(50mg, 純度73%, 92μmol)の溶液を、2−オキソピペラジン(28mg, 276μmol)、シアノ水素化ホウ素ナトリウム(23mg, 368μmol)および酢酸(21μl, 368μmol)で処理した。混合物を、最初に60℃で18時間、室温で3日間撹拌した。この後、混合物を分取RP−HPLCによって分離した(Reprosil C18, 濃度勾配 20〜40% アセトニトリル/0.2%TFA水溶液)。生成物のフラクションをメタノール中7Mのアンモニア溶液で希釈し、減圧下で蒸発させた。残渣を酢酸エチルに溶解し、水で洗浄した。有機相を硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。残渣を1,4−ジオキサンに溶解し、凍結乾燥し、24mg(理論値の52%)の表題化合物を得た。
LC-MS (方法5): Rt = 1.85分; MS (ESIpos): m/z = 481 (M+H)+
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ = 7.99 (s, 1H), 7.73-8.01 (br. s, 1H), 7.41 (s, 1H), 7.33 (s, 1H), 6.87 (s, 1H), 5.2-5.7 (br. s, 1H), 3.95 (s, 3H), 3.57 (s, 2H), 3.14 (br. s, 2H), 2.60 (br. s, 4H), 2.46 (s, 3H), 1.70 (br. s, 6H) ppm.
【0305】
実施例75
[4−アミノ−5−(7−メトキシ−5−メチル−1−ベンゾチオフェン−2−イル)−7−メチルピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−6−イル]メタノール
【化187】
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アルゴン雰囲気下、フラスコに、165mg(0.64mmol)の中間体53A、143mg(0.64mmol)の中間体5A、25mg(0.03mmol)の(2'−アミノビフェニル−2−イル)−(クロロ)パラジウム−ジシクロヘキシル(2',4',6'−トリイソプロピルビフェニル−2−イル)ホスフィン(1:1, S. L. Buchwald et al., J. Am. Chem. Soc. 132 (40), 14073-14075 (2010)を参照のこと)および409mg(1.93mmol)のリン酸カリウムを入れた。次いで、7mlの1,4−ジオキサンおよび水(5:1)の脱気した混合物を加え、溶液を70℃で1時間撹拌した。さらに中間体5A(142mg, 0.64mmol)および(2'−アミノビフェニル−2−イル)(クロロ)パラジウム−ジシクロヘキシル(2',4',6'−トリイソプロピルビフェニル−2−イル)ホスフィン(10mg, 0.012mmol)を加え、1時間撹拌を続けた。この後、反応混合物を減圧下で一部蒸発させ、水を加え、混合物を酢酸エチルで抽出した。合わせた有機相を減圧下で蒸発させ、残渣をアセトニトリルで磨砕した。沈殿物を濾過し、真空で乾燥し、180mg(LC−MSによる純度92%, 理論値の73%)の表題化合物を得た。濾液から、第2バッチ(41mg, 理論値の18%)を、分取RP−HPLCによって得た(Reprosil C18, 濃度勾配 10〜95% アセトニトリル/0.1%蟻酸水溶液)。
総収率:理論値の91%
LC-MS (方法5): Rt = 1.92分; MS (ESIpos): m/z = 355 (M+H)+
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ = 7.95 (s, 1H), 7.35 (s, 1H), 7.30 (s, 1H), 6.83 (s, 1H), 4.82 (t, 1H), 4.44 (d, 2H), 3.95 (s, 3H), 2.45 (s, 3H) ppm.
【0306】
実施例76
4−{[4−アミノ−5−(7−メトキシ−5−メチル−1−ベンゾチオフェン−2−イル)−7−メチルピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−6−イル]メチル}ピペラジン−2−オン
【化188】
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THF(1.5ml)中の55mg(0.16mmol)の中間体54Aの懸濁液を、78mg(0.78mmol)のピペラジン−2−オン、18μl(0.31mmol)の酢酸および166mg(0.78mmol)のトリアセトキシ水素化ホウ素塩で処理した。混合物を環境温度で一夜撹拌した。次いで、1.5mlの水を加え、大部分のTHF溶媒を減圧下で蒸発させた。残った混合物をさらに水で希釈し、沈殿した固体を濾過して取り、乾燥させた(35mg)。この物質をさらに分取RP−HPLCによって精製した(Reprosil C18, 濃度勾配 10〜95% アセトニトリル/0.1%蟻酸水溶液)。生成物のフラクションを固体炭酸カリウムでpH 9に調節し、減圧下で一部濃縮した。沈殿した固体を濾過し、45℃で真空で乾燥し、16mg(理論値の24%)の表題化合物を得た。
LC-MS (方法5): Rt = 1.74分; MS (ESIpos): m/z = 437 (M+H)+
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ = 7.95 (s, 1H), 7.66 (br. s, 1H), 7.35 (s, 1H), 7.30 (s, 1H), 6.83 (s, 1H), 3.95 (s, 3H), 3.50 (s, 2H), 3.05 (m, 2H), 2.84 (s, 2H), 2.45 (m, 5H) ppm.
【0307】
実施例77
1−({[4−アミノ−5−(7−メトキシ−5−メチル−1−ベンゾチオフェン−2−イル)−7−メチルピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−6−イル]メチル}アミノ)−2−メチルプロパン−2−オール蟻酸塩
【化189】
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THF(1.5ml)中の55mg(0.16mmol)の中間体54Aの懸濁液を、98mg(0.78mmol)の1−アミノ−2−メチルプロパン−2−オール塩酸塩、39mg(0.47mmol)の酢酸ナトリウムおよび166mg(0.78mmol)のトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウムで処理した。混合物を環境温度で一夜撹拌した。次いで、1.5mlの水を加え、混合物を減圧下で蒸発させた。残渣を分取RP−HPLCによって精製し(Reprosil C18, 濃度勾配 10〜95% アセトニトリル/0.1%蟻酸水溶液)、38mg(理論値の52%)の表題化合物を得た。
LC-MS (方法5): Rt = 1.68分; MS (ESIpos): m/z = 426 (M+H)+
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ = 8.19 (s, 1H), 7.94 (s, 1H), 7.38 (s, 1H), 7.29 (s, 1H), 6.84 (s, 1H), 3.95 (s, 3H), 2.45 (s, 3H), 2.34 (s, 2H), 1.02 (s, 6H)ppm.
【0308】
実施例78
1−({[4−アミノ−5−(7−メトキシ−5−メチル−1−ベンゾチオフェン−2−イル)−7−メチルピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−6−イル]メチル}アミノ)−2−メチルプロパン−2−オール
【化190】
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3mlのメタノール中の29mg(0.06mmol)の実施例77の溶液を、予め2mlのメタノールで調整したStratospheres SPE PL-HCO3 MP-樹脂カートリッジに通した。カートリッジを4mlのメタノールで洗浄し、溶出液を蒸発させ、21.5mg(理論値の82%)の表題化合物を得た。
LC-MS (方法4): Rt = 0.68分; MS (ESIpos): m/z = 426 (M+H)+
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ = 7.94 (s, 1H), 7.37 (s, 1H), 7.28 (s, 1H), 6.83 (s, 1H), 4.07 (s, 1H), 3.95 (s, 3H), 3.63-3.75 (m, 2H), 2.45 (s, 3H), 2.32 (m, 3H), 1.42-1.56 (m, 1H), 1.02 (s, 6H) ppm.
【0309】
実施例79
[4−アミノ−7−クロロ−5−(7−メトキシ−5−メチル−1−ベンゾチオフェン−2−イル)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−6−イル]メタノール
【化191】
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5mlのTHF中の中間体48A(117mg, 0.24mmol)の溶液を5mlの濃塩酸で処理し、環境温度で一夜撹拌した。次いで、12mlの5M 水酸化ナトリウム水溶液および酢酸エチルを加え、層を分離し、水層を酢酸エチルで2回抽出した。合わせた有機相を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、乾燥し、蒸発させた。残渣を分取RP−HPLCによって精製し(Reprosil C18, 濃度勾配 10〜95% アセトニトリル/0.1%蟻酸水溶液)、30mg(理論値の34%)の表題化合物を得た。
LC-MS (方法2): Rt = 0.90分; MS (ESIpos): m/z = 375 (M+H)+
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ = 8.04 (s, 1H), 7.43 (s, 1H), 7.32 (s, 1H), 6.85 (s, 1H), 5.02 (t, 1H), 4.43 (d, 2H), 3.96 (s, 3H), 2.45 (s, 3H) ppm.
【0310】
9.2mg(理論値の10%)の7−クロロ−6−(クロロメチル)−5−(7−メトキシ−5−メチル−1−ベンゾチオフェン−2−イル)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−4−アミンを副生成物として単離した(中間体50A参照)。
【0311】
実施例80
4−{[4−アミノ−7−クロロ−5−(7−メトキシ−5−メチル−1−ベンゾチオフェン−2−イル)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−6−イル]メチル}ピペラジン−2−オン
【化192】
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表題化合物を、40mg(0.11mmol)の中間体49Aから出発して、実施例76の手順に従って製造した。
収量:27mg(理論値の55%).
LC-MS (方法2): Rt = 0.86分; MS (ESIpos): m/z = 457 (M+H)+
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ = 8.05 (s, 1H), 7.68 (br. s, 1H), 7.44 (s, 1H), 7.31 (s, 1H), 6.85 (s, 1H), 3.96 (s, 3H), 3.52 (s, 2H), 3.05 (br. s, 2H), 2.86 (s, 2H), 2.45 (s, 3H) ppm.
【0312】
実施例81
1−({[4−アミノ−7−クロロ−5−(7−メトキシ−5−メチル−1−ベンゾチオフェン−2−イル)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−6−イル]メチル}アミノ)−2−メチルプロパン−2−オール蟻酸塩
【化193】
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表題化合物を、40mg(0.11mmol)の中間体49Aから出発して、実施例77の手順に従って製造した。
収量:24mg(理論値の45%).
LC-MS (方法2): Rt = 0.73分; MS (ESIpos): m/z = 446 (M+H)+
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ = 8.15 (s, 1H), 8.04 (s, 1H), 7.45 (s, 1H), 7.30 (s, 1H), 6.85 (s, 1H), 3.96 (s, 3H), 3.73 (s, 2H), 2.45 (s, 3H), 2.32 (s, 2H), 1.00 (s, 6H) ppm.
【0313】
実施例82
1−({[4−アミノ−7−クロロ−5−(7−メトキシ−5−メチル−1−ベンゾチオフェン−2−イル)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−6−イル]メチル}アミノ)−2−メチルプロパン−2−オール
【化194】
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表題化合物を、実施例81から、実施例78の手順に従って製造した。
LC-MS (方法2): Rt = 0.72分; MS (ESIpos): m/z = 446 (M+H)+
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ = 8.04 (s, 1H), 7.45 (s, 1H), 7.30 (s, 1H), 6.85 (s, 1H), 4.09 (br. s, 1H), 3.95 (s, 3H), 3.71 (s, 2H), 2.45 (s, 3H), 2.31 (s, 2H), 1.44-1.64 (m, 1H), 1.00 (s, 6H) ppm.
【0314】
実施例83
7−クロロ−6−(エトキシメチル)−5−(7−メトキシ−5−メチル−1−ベンゾチオフェン−2−イル)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−4−アミン
【化195】
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8.2mg(0.02mmol)の中間体50Aを1mlのエタノールに懸濁し、41μl(0.11mmol)のエタノール中2.68Mのナトリウム エタノレート溶液で処理し、1分間還流した。透明な溶液を蒸発させ、粗生成物を分取RP−HPLCによって精製し(Reprosil C18, 濃度勾配 10〜95% アセトニトリル/0.1%蟻酸水溶液)、5mg(理論値の56%)の表題化合物を得た。
LC-MS (方法4): Rt = 1.25分; MS (ESIpos): m/z = 402 (M+H)+
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ = 8.06 (s, 1H), 7.40 (s, 1H), 7.32 (s, 1H), 6.86 (s, 1H), 4.40 (s, 2H), 3.96 (s, 3H), 3.40 (q, 2H), 2.45 (s, 3H), 1.06 (t, 3H)ppm.
【0315】
実施例84
5−(7−メトキシ−5−メチル−1−ベンゾチオフェン−2−イル)−6−メチル−7−(ピペラジン−1−イルメチル)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−4−アミン蟻酸塩
【化196】
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1,4−ジオキサン中4Mの塩化水素溶液(2ml)中の中間体57A(100mg, 191μmol)の溶液を、室温で3時間撹拌し、蒸発させた。2倍分取RP−HPLCによって精製し(Reprosil C18, 濃度勾配 10〜95% アセトニトリル/0.1%蟻酸水溶液)、71mg(理論値の67%)の表題化合物を得た。
LC-MS (方法2): Rt = 0.81分; MS (ESIpos): m/z = 423 (M+H)+
1H-NMR (400 MHz, CDCl3): δ = 8.46 (br. s, 1H), 7.89 (s, 1H), 7.27 (s, 1H, CHClのピークと重複), 7.18 (s, 1H), 6.67 (s, 1H), 4.01 (s, 3H), 3.97 (s, 2H), 3.18-3.09 (m, 4H), 2.82-2.73 (m, 4H), 2.50 (s, 3H), 2.24 (s, 3H) ppm.
【0316】
実施例85
6−クロロ−5−(7−メトキシ−5−メチル−1−ベンゾチオフェン−2−イル)−7−(ピペラジン−1−イルメチル)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−4−アミン 三塩酸塩
【化197】
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中間体60A(65mg, 0.12mmol)を、1mlの1,4−ジオキサン中4Mの塩化水素溶液中で2時間室温で撹拌した。懸濁液を蒸発乾固し、粗生成物を分取RP−HPLCによって精製し(Reprosil C18, 濃度勾配 10〜95% アセトニトリル/0.1%塩酸水溶液)、49mg(理論値の74%)の表題化合物を得た。
LC-MS (方法2): Rt = 0.81分; MS (ESIpos): m/z = 443 (M+H)+
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6): とりわけ δ = 9.56 (br. s, 1H), 8.45 (br. s, 1H), 8.19 (s, 1H), 7.44 (s, 1H), 7.36 (s, 1H), 6.89 (s, 1H), 6.30 (br. s, 1H), 4.63 (br. s, 1H), 3.40 (br. s, 8H), 2.46 (s, 3H) ppm.
【0317】
実施例86
[4−アミノ−6−(エトキシメチル)−5−(7−メトキシ−5−メチル−1−ベンゾチオフェン−2−イル)ピロロ[2,1−f]−[1,2,4]トリアジン−7−イル]メタノール
【化198】
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表題化合物(360mg)を、実施例5の製造における副生成物として、製造方法1によって得た。
LC-MS (方法2): Rt = 0.99分; MS (ESIpos): m/z = 399 (M+H)+
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ = 8.09-7.72 (br. s, 1H), 7.99 (s, 1H), 7.35 (s, 1H), 7.31 (s, 1H), 6.84 (s, 1H), 6.05-5.48 (br. s, 1H), 5.04 (br. s, 1H), 4.81 (d, 2H), 4.47 (s, 2H), 3.96 (s, 3H), 3.39 (q, 3H), 2.45 (s, 3H), 1.05 (t, 3H) ppm.
【0318】
実施例87
1−{[4−アミノ−6−(エトキシメチル)−5−(7−メトキシ−5−メチル−1−ベンゾチオフェン−2−イル)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−7−イル]メチル}イミダゾリジン−2−オン
【化199】
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THF(5ml)中の中間体63A(100mg, 0.221mmol)の懸濁液を、イミダゾリジン−2−オン(57mg, 0.662mmol)およびN,N−ジイソプロピルエチルアミン(153μl, 0.926mmol)で処理し、混合物を、マイクロ波オーブン中、150℃で90分間加熱した。この後、反応混合物を分取RP−HPLCによって精製した(Reprosil C18, 濃度勾配 40〜60% アセトニトリル/0.2%トリフルオロ酢酸水溶液)。このようにして得られた生成物をメタノールに溶解し、アニオン交換カートリッジ(Stratospheres SPE, PL-HCO3 MP-樹脂)で濾過した。カートリッジをメタノールで溶出し、濾液を蒸発させた。生成物をもう一度シリカゲルの分取薄層クロマトグラフィーによって精製し(シクロヘキサン/酢酸エチル 3:1)、24mg(理論値の22%)の表題化合物を得た。
LC-MS (方法2): Rt = 0.99分; MS (ESIpos): m/z = 467 (M+H)+
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ = 8.21-7.65 (br. s, 1H), 7.99 (s, 1H), 7.36 (s, 1H), 7.31 (s, 1H), 6.84 (s, 1H), 6.38 (s, 1H), 6.04-5.56 (br. s, 1H), 4.65 (s, 2H), 4.46 (s, 2H), 3.95 (s, 3H), 3.38 (q, 2H), 3.31-3.10 (m, 4H), 2.45 (s, 3H), 1.06 (t, 3H) ppm.
【0319】
実施例88
4−{[4−アミノ−5−(7−メトキシ−1−ベンゾチオフェン−2−イル)−6−(メトキシメチル)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−7−イル]メチル}ピペラジン−2−オン
【化200】
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脱気したTHF/水(10:1, 2.2ml)中の、中間体62A(72.6mg, 197μmol)、(7−メトキシ−1−ベンゾチオフェン−2−イル)−ボロン酸(45mg, 216μmol)およびフッ化セシウム(149mg, 983μmol)の溶液に、アルゴン下、(2'−アミノビフェニル−2−イル)(クロロ)パラジウム−ジシクロヘキシル(2',4',6'−トリイソプロピルビフェニル−2−イル)ホスフィン(1:1, 7.7mg, 9.8μmol, S. L. Buchwald et al., J. Am. Chem. Soc. 132 (40), 14073-14075 (2010)を参照のこと)を加えた。得られた混合物を再度脱気し、アルゴン下、60℃で3時間撹拌した。この後、混合物を分取RP−HPLCによって分離した(Reprosil C18, 濃度勾配 20〜40% アセトニトリル/0.1%TFA水溶液)。生成物のフラクションを合わせて、蒸発乾固した。残渣をメタノールに溶解し、アニオン交換カートリッジ(Stratospheres SPE, PL-HCO3 MP-樹脂)で濾過した。カートリッジをメタノールで溶出し、濾液を蒸発させ、31mg(理論値の35%)の表題化合物を得た。
LC-MS (方法2): Rt = 0.71分; MS (ESIpos): m/z = 453 (M+H)+
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ = 8.00 (s, 1H), 7.72 (s, 1H), 7.61-8.23 (br. s, 1H), 7.51 (d, 1H), 7.46 (s, 1H), 7.40 (t, 1H), 6.99 (d, 1H), 5.57-6.11 (br. s, 1H), 4.42 (s, 2H), 3.98 (s, 5H), 3.20 (s, 3H), 3.11 (br. m, 2H), 3.01 (s, 2H), 2.62-2.67 (m, 2H) ppm.
【0320】
実施例89
4−{[4−アミノ−6−(メトキシメチル)−5−(5−メチル−1−ベンゾチオフェン−2−イル)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−7−イル]メチル}ピペラジン−2−オン
【化201】
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脱気したTHF/水(10:1, 4.4ml)中の、中間体62A(50mg, 135μmol)、(5−メチル−1−ベンゾチオフェン−2−イル)−ボロン酸(28.6mg, 149μmol)およびフッ化セシウム(103mg, 677μmol)の溶液に、アルゴン下、(2'−アミノビフェニル−2−イル)(クロロ)パラジウム−ジシクロヘキシル(2',4',6'−トリイソプロピルビフェニル−2−イル)ホスフィン(1:1, 5.3mg, 6.8μmol, S. L. Buchwald et al., J. Am. Chem. Soc. 132 (40), 14073-14075 (2010)を参照のこと)を加えた。得られた混合物を再度脱気し、アルゴン下、60℃で16時間撹拌した。この後、混合物を分取RP−HPLCによって分離した(Reprosil C18, 濃度勾配 30〜50% アセトニトリル/0.1%TFA水溶液)。生成物のフラクションを合わせて、蒸発乾固した。残渣をメタノールに溶解し、アニオン交換カートリッジ(Stratospheres SPE, PL-HCO3 MP-樹脂)で濾過した。カートリッジをメタノールで溶出し、濾液を蒸発させ、27mg(理論値の45%)の表題化合物を得た。
LC-MS (方法2): Rt = 0.79分; MS (ESIpos): m/z = 437 (M+H)+
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ = 8.00 (s, 1H), 7.89 (d, 1H), 7.73 (s, 1H), 7.71 (s, 1H), 7.58-8.18 (br. s, 1H), 7.40 (s, 1H), 7.24 (dd, 1H), 5.58-6.03 (m, 1H), 4.42 (s, 2H), 3.97 (s, 2H), 3.21 (s, 3H), 3.11 (br. t, 2H), 3.01 (s, 2H), 2.64 (t, 2H), 2.44 (s, 3H) ppm.
【0321】
実施例90
1−[4−アミノ−6−(エトキシメチル)−5−(7−メトキシ−5−メチル−1−ベンゾチオフェン−2−イル)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−7−イル]エタノール
【化202】
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アルゴン下、THF中1Mの臭化 メチルマグネシウム溶液(630μl, 630μmol)を、室温で、THF(10ml)中の中間体17A(100mg, 252μmol)の溶液に滴下した。混合物を室温で3時間撹拌し、さらにTHF中の臭化 メチルマグネシウム(177μl, 177μmol)で処理した。反応混合物をさらに16時間撹拌し、次いで、飽和塩化アンモニウム水溶液で反応停止させ、酢酸エチルで抽出した。合わせた有機層を塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、蒸発させた。残渣を分取RP−HPLCによって精製した(Reprosil C18, 濃度勾配 40〜60% アセトニトリル/0.1%TFA水溶液)。生成物のフラクションを飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で希釈し、酢酸エチルで抽出した。有機相を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、蒸発させ、39mg(理論値の36%)の表題化合物を得た。
LC-MS (方法4): Rt = 1.07分; MS (ESIpos): m/z = 413 (M+H)+
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ = 7.95 (s, 1H), 7.56-8.07 (br. s, 1H), 7.35 (s, 1H), 7.31 (s, 1H), 6.84 (s, 1H), 5.46-5.54 (m, 1H), 5.37-5.95 (br. s, 1H), 5.26 (d, 1H), 4.67 (d, 1H), 4.38 (d, 1H), 3.95 (s, 3H), 3.38 (q, 2H), 2.45 (s, 3H), 1.52 (d, 3H), 1.05 (t, 3H) ppm.
【0322】
実施例91
[4−アミノ−6−(エトキシメチル)−5−(7−メトキシ−5−メチル−1−ベンゾチオフェン−2−イル)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−7−イル](シクロプロピル)メタノール
【化203】
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アルゴン下、THF中0.5Mの臭化 シクロプロピルマグネシウム溶液(1.26ml, 630μmol)を、室温で、THF(5ml)中の中間体17A(100mg, 252μmol)の溶液に滴下した。混合物を室温で1時間撹拌し、次いで飽和塩化アンモニウム水溶液で反応停止させ、酢酸エチルで抽出した。合わせた有機層を塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、蒸発させた。残渣を分取RP−HPLCによって精製した(Reprosil C18, 濃度勾配 50〜70% アセトニトリル/0.1%TFA水溶液)。生成物のフラクションを飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で希釈し、酢酸エチルで抽出した。有機相を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、蒸発させ、10mg(理論値の10%)の表題化合物を得た。
LC-MS (方法2): Rt = 1.13分; MS (ESIpos): m/z = 439 (M+H)+
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ = 7.94 (s, 1H), 7.68-8.04 (br. s, 1H), 7.36 (s, 1H), 7.31 (s, 1H), 6.84 (s, 1H), 5.47-5.89 (br. s, 1H), 5.30 (d, 1H), 4.64 (d, 1H), 4.59-4.67 (m, 1H), 4.39 (d, 1H), 3.96 (s, 3H), 3.38 (q, 2H), 2.45 (s, 3H), 1.54-1.64 (m, 1H), 1.04 (t, 3H), 0.51-0.59 (m, 1H), 0.40-0.47 (m, 1H), 0.28-0.38 (m, 2H) ppm.
【0323】
実施例92
(3S)−3−({[4−アミノ−6−(メトキシメチル)−5−(7−メトキシ−5−メチル−1−ベンゾチオフェン−2−イル)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−7−イル]メチル}アミノ)ピロリジン−2−オン
【化204】
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THF(2ml)中の中間体13A(100mg, 0.233mmol)の懸濁液を、(S)−3−アミノピロリジン−2−オン(35mg, 0.349mmol)、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(148mg, 0.698mmol)および酢酸(26.6μl, 0.465mmol)で処理した。得られた混合物を室温で3時間撹拌し、直接分取RP−HPLCによって精製した(Reprosil C18, 濃度勾配 40〜60% アセトニトリル/0.2%トリフルオロ酢酸水溶液)。生成物のフラクションを合わせて、蒸発乾固した。残渣をメタノールに溶解し、アニオン交換カートリッジ(Stratospheres SPE, PL-HCO3 MP-樹脂)で濾過した。カートリッジをメタノールで溶出し、濾液を蒸発させ、56mg(理論値の51%)の表題化合物を得た。
LC-MS (方法4): Rt = 0.72分; MS (ESIpos): m/z = 467 (M+H)+
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ = 8.01 (s, 1H), 7.76 (s, 1H), 7.35 (s, 1H), 7.31 (s, 1H), 6.85 (s, 1H), 4.48 (d, 2H), 4.43 (d, 2H), 4.24-4.02 (m, 2H), 3.96 (s, 3H), 3.26-2.99 (m, 6H), 2.45 (s, 3H), 2.40-2.27 (m, 1H), 1.82-1.64 (m, 1H) ppm.
【0324】
実施例93
(3S)−3−({[4−アミノ−6−(エトキシメチル)−5−(7−メトキシ−5−メチル−1−ベンゾチオフェン−2−イル)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−7−イル]メチル}アミノ)ピロリジン−2−オン
【化205】
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THF(2ml)中の中間体17A(100mg, 0.252mmol)の懸濁液を、(S)−3−アミノピロリジン−2−オン(38mg, 378μmol)、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(160mg, 757μmol)および酢酸(30μl, 504μmol)で処理した。得られた混合物を室温で3時間撹拌し、直接分取RP−HPLCによって精製した(Reprosil C18, 濃度勾配 30〜50% アセトニトリル/0.2%トリフルオロ酢酸水溶液)。生成物のフラクションを合わせて、蒸発乾固した。残渣をメタノールに溶解し、アニオン交換カートリッジ(Stratospheres SPE, PL-HCO3 MP-樹脂)で濾過した。カートリッジをメタノールで溶出し、濾液を蒸発させ、84mg(理論値の69%)の表題化合物を得た。
LC-MS (方法4): Rt = 0.75分; MS (ESIpos): m/z = 481 (M+H)+
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ = 8.00 (s, 1H), 7.75 (s, 1H), 7.67-8.11 (br. s, 1H), 7.35 (s, 1H), 7.31 (s, 1H), 6.85 (s, 1H), 5.5-6.0 (br. s, 1H), 4.44 (q, 2H), 4.14-4.21 (m, 1H), 4.02-4.11 (m, 1H), 3.38-3.45 (q, 2H), 3.16-3.24 (m, 1H), 3.05-3.16 (m, 2H), 2.45 (s, 3H), 2.31-2.40 (m, 1H), 1.67-1.79 (m, 1H), 1.08 (t, 3H) ppm.
【0325】
表I中の実施例94〜105を製造するための一般的な手順:
THF中0.13Mの中間体17Aの懸濁液を、1.5当量の各アミン成分、3当量のトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウムおよび1.5当量の酢酸で処理した。得られた混合物を60℃で3〜20時間撹拌した。この後、示された方法に従って精製を行った。
【0326】
【表3】
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【0327】
【表4】
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【0328】
【表5】
[この文献は図面を表示できません]
【0329】
【表6】
[この文献は図面を表示できません]
【0330】
実施例106
4−アミノ−6−(エトキシメチル)−5−(7−メトキシ−5−メチル−1−ベンゾチオフェン−2−イル)−N−[(3R)−2−オキソピロリジン−3−イル]ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−7−カルボキサミド
【化206】
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DMF(2ml)中の中間体64A(50mg, 121μmol)の溶液を、撹拌しながら、室温で、N−[(1H−ベンゾトリアゾール−1−イルオキシ)(ジメチルアミノ)メチレン]−N−メチルメタンアミニウム テトラフルオロボレート(TBTU)(43mg, 133μmol)およびDIPEA(53μl, 303μmol)で処理した。15分後、(3R)−3−アミノピロリジン−2−オン(24mg, 242μmol)を加え、得られた混合物を室温でさらに2時間撹拌した。この後、混合物を分取RP−HPLCによって分離した(Reprosil C18, 濃度勾配 30〜50% アセトニトリル/0.2%トリフルオロ酢酸水溶液)。生成物のフラクションを合わせて、蒸発乾固した。残渣をメタノールに溶解し、アニオン交換カートリッジ(Stratospheres SPE, PL-HCO3 MP-樹脂)で濾過した。カートリッジをメタノールで溶出し、濾液を蒸発させ、36mg(理論値の60%)の表題化合物を得た。
LC-MS (方法2): Rt = 0.91分; MS (ESIpos): m/z = 495 (M+H)+
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ = 9.50 (d, 1H), 8.21-8.45 (br. s, 1H), 8.17 (s, 1H), 7.97 (s, 1H), 7.41 (s, 1H), 7.33 (s, 1H), 6.86 (s, 1H), 5.84-6.09 (br. s, 1H), 4.74 (dd, 2H), 4.47-4.56 (m, 1H), 3.96 (s, 3H), 3.37 (q, 2H), 3.22-3.29 (m, 2H), 2.54-2.61 (m, 1H), 2.46 (s, 3H), 1.90-2.03 (m, 1H), 1.00 (t, 3H) ppm.
【0331】
実施例107
4−{[4−アミノ−6−(エトキシメチル)−5−(7−メトキシ−5−メチル−1−ベンゾチオフェン−2−イル)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−7−イル]カルボニル}ピペラジン−2−オン
【化207】
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DMF(2ml)中の中間体64A(50mg, 121μmol)の溶液を、撹拌しながら、室温で、TBTU(43mg, 133μmol)およびDIPEA(53μl, 303μmol)で処理した。15分後、ピペラジン−2−オン(24mg, 242μmol)を加え、得られた混合物を室温でさらに16時間撹拌した。この後、混合物を分取RP−HPLCによって分離した(Reprosil C18, 濃度勾配 40〜60% アセトニトリル/0.2%トリフルオロ酢酸水溶液)。生成物のフラクションを合わせて、蒸発乾固した。残渣をメタノールに溶解し、アニオン交換カートリッジ(Stratospheres SPE, PL-HCO3 MP-樹脂)で濾過した。カートリッジをメタノールで溶出し、濾液を蒸発させ、45mg(理論値の68%)の表題化合物を得た。
LC-MS (方法2): Rt = 0.92分; MS (ESIpos): m/z = 495 (M+H)+
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ = 8.14 (br. s, 1H), 7.99-8.01 (m, 1H), 7.9-8.3 (br. s, 1H), 7.41 (d, 1H), 7.32 (s, 1H), 6.86 (s, 1H), 5.78-6.05 (br. s, 1H), 4.30-4.49 (m, 2H), 4.13-4.23 (m, 1H), 4.03-4.10 (m, 1H), 3.96 (s, 3H), 3.76-3.87 (m, 1H), 3.57-3.74 (m, 1H), 3.35-3.43 (m, 2H), 3.14-3.25 (m, 1H), 2.45 (s, 3H), 0.96-1.05 (m, 3H) ppm.
【0332】
表II中の実施例108〜123を製造するための一般的な手順:
DMF中0.13Mの中間体64Aの溶液を1.1当量のTBTUおよび2.5当量のDIPEAで処理し、室温で15分間撹拌した。2当量の各アミンを加え、得られた混合物を室温でさらに18時間撹拌した。この後、示された方法に従って精製を行った。
【0333】
【表7】
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【0334】
【表8】
[この文献は図面を表示できません]
【0335】
【表9】
[この文献は図面を表示できません]
【0336】
【表10】
[この文献は図面を表示できません]
【0337】
【表11】
[この文献は図面を表示できません]
【0338】
【表12】
[この文献は図面を表示できません]
【0339】
実施例124
4−{[4−アミノ−5−(5,7−ジメトキシ−1−ベンゾチオフェン−2−イル)−6−(メトキシメチル)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−7−イル]メチル}ピペラジン−2−オン
【化208】
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脱気したTHF/水(10:1, 5ml)中の、中間体62A(100mg, 271μmol)、中間体66A(77mg, 325μmol)およびフッ化セシウム(206mg, 1.35mmol)の溶液に、アルゴン下、(2'−アミノビフェニル−2−イル)(クロロ)パラジウム−ジシクロヘキシル(2',4',6'−トリイソプロピル−ビフェニル−2−イル)ホスフィン(1:1, 42.6mg, 54μmol, S. L. Buchwald et al., J. Am. Chem. Soc. 132 (40), 14073-14075 (2010))を加えた。得られた混合物を再度脱気し、アルゴン下、60℃で6時間撹拌した。次いで、さらに中間体66A(39mg, 162μmol)を加え、60℃で10時間撹拌を続けた。この後、反応混合物を分取RP−HPLCによって分離した(Reprosil C18, 濃度勾配 30〜50% アセトニトリル/0.1%TFA水溶液)。生成物のフラクションを合わせて、蒸発乾固した。残渣をメタノールに溶解し、アニオン交換カートリッジ(Stratospheres SPE, PL-HCO3 MP-樹脂)で濾過した。カートリッジをメタノールで溶出し、濾液を蒸発させ、40mg(理論値の28%)の表題化合物を得た。
LC-MS (方法2): Rt = 0.78分; MS (ESIpos): m/z = 483 (M+H)+
1H-NMR (500 MHz, DMSO-d6): δ = 7.99 (s, 1H), 7.68 (br. s, 1H), 7.49-8.17 (br. s, 1H), 7.37 (s, 1H), 7.05 (d, 1H), 6.63 (d, 1H), 5.5-6.0 (br. s, 1H), 4.42 (s, 2H), 3.97 (s, 2H), 3.94 (s, 3H), 3.84 (s, 3H), 3.20 (s, 3H), 3.09-3.14 (m, 2H), 3.01 (s, 2H), 2.62-2.67 (m, 2H) ppm.
【0340】
実施例125
4−{[4−アミノ−7−(ヒドロキシメチル)−5−(7−メトキシ−5−メチル−1−ベンゾチオフェン−2−イル)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−6−イル]メチル}ピペラジン−2−オン
【化209】
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脱気したTHF/水(2:1, 90ml)中の、中間体70A(700mg, 1.49mmol)、中間体5A(497mg, 2.24mmol)およびフッ化セシウム(1.36g, 8.95mmol)の懸濁液に、アルゴン下、(2'−アミノビフェニル−2−イル)(クロロ)パラジウム−ジシクロヘキシル(2',4',6'−トリイソプロピル−ビフェニル−2−イル)ホスフィン(1:1, 117mg, 0.149mmol, S. L. Buchwald et al., J. Am. Chem. Soc. 132 (40), 14073-14075 (2010)を参照のこと)を加えた。得られた混合物を再度脱気し、アルゴン下、60℃で一夜撹拌した。さらに、中間体5A(231mg, 1.04mmol)および(2'−アミノビフェニル−2−イル)(クロロ)パラジウム−ジシクロヘキシル(2',4',6'−トリイソプロピルビフェニル−2−イル)ホスフィン(1:1, 117mg, 0.149mmol)を加え、60℃で3時間撹拌を続けた。沈殿物を濾過して取り、THFで洗浄し、真空で乾燥した。固体を、DMFおよび1Mのトリフルオロ酢酸水溶液の混合物に懸濁し、濾過した。濾液を分取RP−HPLCによって分離した(Reprosil C18, 濃度勾配 20〜40% アセトニトリル/0.2%トリフルオロ酢酸水溶液)。生成物のフラクションを合わせて、次いで、飽和重炭酸ナトリウム水溶液を添加することによってアルカリ化した。溶液を酢酸エチルで抽出し、有機層を塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、蒸発させ、88mgの表題化合物(理論値の13%)を得た。
LC-MS (方法2): Rt = 0.70分; MS (ESIpos): m/z = 453 (M+H)+
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6): とりわけ δ = 7.6-8.0 (br. s, 1H), 7.98 (s, 1H), 7.71 (s, 1H), 7.37 (s, 1H), 7.31 (s, 1H), 6.84 (s, 1H), 5.4-5.8 (br. s, 1H), 5.19 (t, 1H), 4.85 (d, 2H), 3.95 (s, 3H), 3.58 (s, 2H), 3.04 (br. m, 2H), 2.88 (s, 2H), 2.45 (s, 3H) ppm.
【0341】
実施例126
4−{[4−アミノ−7−(メトキシメチル)−5−(7−メトキシ−5−メチル−1−ベンゾチオフェン−2−イル)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−6−イル]メチル}ピペラジン−2−オン
【化210】
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ジクロロメタン(5ml)中の実施例125(88mg, 194μmol)の懸濁液を、塩化チオニル(29μl, 389μmol)で処理し、混合物を室温で65分間撹拌した。さらに塩化チオニル(29μl, 389μmol)を加え、1.5時間撹拌を続けた。過剰のメタノールを加え、続いて、pH 8に至るまで、メタノール中5.4Mのナトリウム メチレート溶液(84mg, 1.56mmol)を滴下した。3日間撹拌した後、揮発成分を減圧下で蒸発させ、残渣を分取RP−HPLCによって分離した(Reprosil C18, 濃度勾配 20〜40% アセトニトリル/0.2%トリフルオロ酢酸水溶液)。生成物のフラクションを蒸発させ、19mgの表題化合物(理論値の21%)を得た。
LC-MS (方法2): Rt = 0.77分; MS (ESIpos): m/z = 466 (M+H)+
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ = 7.99 (s, 1H), 7.75-8.11 (br. s, 1H), 7.68 (s, 1H), 7.38 (s, 1H), 7.31 (s, 1H), 6.84 (s, 1H), 5.51-5.82 (m, 1H), 4.77 (s, 2H), 3.95 (s, 3H), 3.55 (s, 2H), 3.31 (s, 3H), 3.04 (br. s, 2H), 2.85 (s, 2H), 2.42-2.48 (m, 5H) ppm.
【0342】
実施例127
4−{[4−アミノ−7−(エトキシメチル)−5−(7−メトキシ−5−メチル−1−ベンゾチオフェン−2−イル)ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−6−イル]メチル}ピペラジン−2−オン
【化211】
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ジクロロメタン(10ml)中の実施例125(100mg, 221μmol)の懸濁液を、塩化チオニル(161μl, 2.21mmol)で処理し、混合物を室温で30分間撹拌した。エタノールを加え、揮発成分を減圧下で蒸発させた。残渣をエタノール(10ml)に溶解し、ナトリウム エチレート(30mg, 442μmol)を加え、混合物を室温で1時間撹拌した。混合物を直接分取RP−HPLCによって分離した(Reprosil C18, 濃度勾配 20〜40% アセトニトリル/0.2%トリフルオロ酢酸水溶液)。生成物のフラクションを合わせて、飽和重炭酸ナトリウム水溶液を添加することによってアルカリ化した。溶液を酢酸エチルで抽出し、有機層を塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、蒸発させ、57mgの表題化合物(理論値の54%)を得た。
LC-MS (方法2): Rt = 0.85分; MS (ESIpos): m/z = 480 (M+H)+
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ = 7.99 (s, 1H), 7.75-8.09 (br. s, 1H), 7.64-7.71 (m, 1H), 7.38 (s, 1H), 7.31 (s, 1H), 6.84 (s, 1H), 5.38-5.91 (br. s, 1H), 4.81 (s, 2H), 3.95 (s, 3H), 3.49-3.59 (m, 4H), 2.99-3.08 (m, 2H), 2.86 (s, 2H), 1.12 (t, 3H) ppm.
【0343】
B. 生物学的活性の評価
略号および頭字語:
【表13】
[この文献は図面を表示できません]
【0344】
本発明の化合物の活性の証明は、当技術分野で周知のインビトロ、エクスビボおよびインビボアッセイで達成され得る。例えば、本発明の化合物の活性を証明するために、下記のアッセイを用い得る。
【0345】
B−1. FGFR−1高ATPキナーゼアッセイ
本発明の化合物の、FGFR−1と共に予めインキュベート後の高濃度ATPでのFGFR−1阻害活性を、次の段落に記載する通りにTR−FRETをベースとするFGFR−1高ATPアッセイを用いて定量化した:
SF9昆虫細胞中でバキュロウイルス発現系を用いて発現させ、グルタチオン・アガロースアフィニティークロマトグラフィーによって精製した、タグ付組み換えFGFR−1融合タンパク質[グルタチオン−S−トランスフェラーゼ(GST)(N末端)、His6タグ、トロンビン切断部位、およびアミノ酸G400〜R800(GenBankエントリー番号NM_015850)のヒトFGFR−1の細胞内部分の融合]を、Proqinase (製品番号0101-0000-1)から購入し、酵素として用いた。キナーゼ反応の基質として、ビオチン化ペプチド ビオチン−Ahx−AAEEEYFFLFAKKK(アミド型のC末端)を用いた。これは、例えばBiosyntan (Berlin-Buch, Germany)から購入できる。
【0346】
通常、試験化合物は、同じマイクロタイタープレートで、20μM〜0.1nMの範囲の11種の異なる濃度で(例えば20μM、5.9μM、1.7μM、0.51μM、0.15μM、44nM、13nM、3.8nM、1.1nM、0.33nMおよび0.1nM)、各濃度について二組試験した。希釈シリーズを、アッセイ前に、DMSO中の100倍濃度ストック溶液として別個に調製した;正確な濃度は、用いられたピペッターに依存して変化する。アッセイのために、50nlのDMSO中の試験化合物のストック溶液を、それぞれ、黒色の低容量384ウェルマイクロタイタープレート(Greiner Bio-One, Frickenhausen, Germany)にピペットで入れた。2μlの水性アッセイ緩衝液[8mMのMOPS(pH 7.0)、10mMの酢酸マグネシウム、1.0mMのジチオスレイトール、0.05%(w/v)のウシ血清アルブミン(BSA)、0.07%(v/v)のTween-20、0.2mMのEDTA]中の上記FGFR−1融合タンパク質の溶液を加え、混合物を22℃で15分間インキュベートして、予め試験化合物を酵素に結合させた。次いで、3μlのアッセイ緩衝液中のアデノシン三リン酸(ATP, 3.3mM;5μlのアッセイ容量中の最終濃度=2mM)および基質(0.16μM;5μlのアッセイ容量中の最終濃度=0.1μM)の溶液を添加することによって、キナーゼ反応を開始させ、得られた混合物を、反応時間15分間、22℃でインキュベートした。FGFR−1融合タンパク質の濃度を、酵素ロットの活性に応じて調節し、アッセイが直線範囲内(典型的な濃度は0.05μg/mlの範囲であった)となるように適切に選択した。5μlのHTRF検出反応剤溶液[EDTA水溶液(50mM HEPES/NaOH(pH 7.5)中の50mMのEDTA、0.1%(w/v)のBSA)中の25nMのストレプトアビジン-XL665(Cis Biointernational)および1nMのPT66-Eu-キレート、すなわちユーロピウムキレート標識抗ホスホチロシン抗体(Perkin-Elmer; PT66-Tb-クリプテート(Cis Biointernational)を代わりに用いてもよい)]を添加することによって、反応を停止させた。
【0347】
得られた混合物を22℃で1時間インキュベートして、ホスホリル化ビオチン化ペプチドと検出反応剤で錯体を形成させた。続いて、Euキレートからストレプトアビジン-XL665への共鳴エネルギー移動を測定することによって、ホスホリル化基質の量を測定した。これについては、350nmで励起後、620nmおよび665nmでの蛍光放出を、TR−FRETリーダー[例えば Rubystar (BMG Labtechnologies, Offenburg, Germany) または Viewlux (Perkin-Elmer)]で測定した。665nmおよび620nmでの放出の比を、ホスホリル化した基質の量についての測定値とした。データを正規化し(阻害剤なしでの酵素反応=0%阻害、酵素がない以外他のアッセイ成分全て=100%阻害)、社内ソフトウェアを用いて、4変数フィットによって、IC50値を計算した。
【0348】
このアッセイから得られた個々の本発明の化合物についてのIC50値を、下記の表1Aに挙げる。
【表14】
[この文献は図面を表示できません]
【0349】
【表15】
[この文献は図面を表示できません]
【0350】
【表16】
[この文献は図面を表示できません]
【0351】
最も近い先行技術(国際特許出願WO 2007/061737-A2およびそれに記載された実施例化合物)の代表例と考えられる選択された8−アミノ−1−(ベンゾチオフェン−2−イル)イミダゾ[1,5−a]ピラジン誘導体および関連化合物を、公表された手順に従って合成し、比較の目的のために、FGFR−1高ATPアッセイで試験した。これらの化合物について得られたIC50値を、下記の表1Bに挙げる。
【0352】
【表17】
[この文献は図面を表示できません]
【0353】
【表18】
[この文献は図面を表示できません]
【0354】
表1Aおよび1Bに特記されたIC50値は、本発明の化合物が選択された先行技術化合物より約5〜1000倍強力にFGFR−1キナーゼ活性を阻害することを証明している。
【0355】
B−2. FGFR−3キナーゼアッセイ
FGFR−3と共に予めインキュベートした後の本発明の化合物のFGFR−3阻害活性を、次の段落に記載する通りにTR−FRETをベースとするFGFR−3アッセイを用いて定量化した:
SF9昆虫細胞中でバキュロウイルス発現系を用いて発現させ、グルタチオン−S−トランスフェラーゼアフィニティークロマトグラフィーによって精製した、タグ付組み換えFGFR−3融合タンパク質[グルタチオン−S−トランスフェラーゼ(GST)(N末端)、His6タグ、トロンビン切断部位、およびアミノ酸R397〜T806 (NCBI/タンパク質エントリー番号NP_000133.1)のヒトFGFR−3の細胞内部分の融合]を、Proqinas (製品番号1068-0000-1)から購入し、酵素として用いた。キナーゼ反応の基質として、ビオチン化ペプチド ビオチン-Ahx-AAEEEYFFLFAKKK (アミド型のC末端)を用いた。これは、例えばBiosyntan (Berlin-Buch, Germany)から購入できる。
【0356】
通常、試験化合物は、同じマイクロタイタープレートで、20μM〜0.1nMの範囲の11種の異なる濃度で(例えば20μM、5.9μM、1.7μM、0.51μM、0.15μM、44nM、13nM、3.8nM、1.1nM、0.33nMおよび0.1nM)、各濃度について二組試験した。希釈シリーズを、アッセイ前に、DMSO中の100倍濃度ストック溶液として別個に調製した;正確な濃度は、用いられたピペッターに依存して変化する。アッセイのために、50nlのDMSO中の試験化合物のストック溶液を、それぞれ、黒色の低容量384ウェルマイクロタイタープレート(Greiner Bio-One, Frickenhausen, Germany)にピペットで入れた。2μlの水性アッセイ緩衝液[8mMのMOPS(pH 7.0)、10mMの酢酸マグネシウム、1.0mMのジチオスレイトール、0.05%(w/v)のウシ血清アルブミン(BSA)、0.07%(v/v)のTween-20、0.2mMのEDTA]中の上記FGFR−3融合タンパク質の溶液を加え、混合物を22℃で15分間インキュベートして、予め試験化合物を酵素に結合させた。次いで、3μlのアッセイ緩衝液中のアデノシン三リン酸(ATP, 16.7μM;5μlアッセイ容量中の最終濃度=10μM)および基質(0.8μM;5μlのアッセイ容量中の最終濃度=0.5μM)の溶液を添加することによって、キナーゼ反応を開始させ、得られた混合物を、反応時間60分間、22℃でインキュベートした。FGFR−3融合タンパク質の濃度を、酵素ロットの活性に応じて調節し、アッセイが直線範囲内(典型的な濃度は0.03μg/mlの範囲であった)となるように適切に選択した。5μlのHTRF検出反応剤溶液[EDTA水溶液(50mMのHEPES/NaOH(pH 7.5)中の50mMのEDTA、0.1%(w/v)のBSA)中の100nMのストレプトアビジン-XL665 (Cis Biointernational)および1nMのPT66-Tb-クリプテート、すなわちテルビウム−クリプテート標識抗ホスホチロシン抗体(Cis Biointernational; PT66-Eu-キレート(Perkin-Elmer)を代わりに用いてもよい)]を添加することによって、反応を停止させた。
【0357】
得られた混合物を22℃で1時間インキュベートして、ホスホリル化ビオチン化ペプチドと検出反応剤で錯体を形成させた。続いて、Tbキレートからストレプトアビジン-XL665への共鳴エネルギー移動を測定することによって、ホスホリル化基質の量を測定した。これについては、350nmで励起後、620nmおよび665nmでの蛍光放出を、TR−FRETリーダー[例えば Rubystar (BMG Labtechnologies, Offenburg, Germany) または Viewlux (Perkin-Elmer)]で測定した。665nmおよび620nmでの放出の比を、ホスホリル化した基質の量についての測定値とした。データを正規化し(阻害剤なしでの酵素反応=0%阻害、酵素がない以外他のアッセイ成分全て=100%阻害)、社内ソフトウェアを用いて、4変数フィットによって、IC50値を計算した。
【0358】
このアッセイから得られた個々の本発明の化合物についてのIC50値を、下記の表2Aに挙げる。
【表19】
[この文献は図面を表示できません]
【0359】
【表20】
[この文献は図面を表示できません]
【0360】
最も近い先行技術(国際特許出願WO 2007/061737-A2およびそれに記載された実施例化合物)の代表例と考えられる選択された8−アミノ−1−(ベンゾチオフェン−2−イル)イミダゾ[1,5−a]ピラジン誘導体および関連化合物を、公表された手順に従って合成し、比較の目的のために、FGFR−3アッセイで試験した。これらの化合物について得られたIC50値を、下記の表2Bに挙げる。
【0361】
【表21】
[この文献は図面を表示できません]
【0362】
【表22】
[この文献は図面を表示できません]
【0363】
表2Aおよび2Bに特記されたIC50値は、本発明の化合物が選択された先行技術化合物より約3〜1000倍強力にFGFR−3キナーゼ活性を阻害することを証明している。
【0364】
B−3. FGFR−4高ATPキナーゼアッセイ
FGFR−4と共に予めインキュベートした後の本発明の化合物の高濃度ATPでのFGFR−4阻害活性を、次の段落に記載する通りにTR−FRETをベースとするFGFR−4高ATPアッセイを用いて定量化した:
SF9昆虫細胞中でバキュロウイルス発現系を用いて発現させ、グルタチオン・アガロースアフィニティークロマトグラフィーによって精製した、タグ付組み換えFGFR−4融合タンパク質[グルタチオン−S−トランスフェラーゼ(GST)(N末端)、His6タグ、トロンビン切断部位、およびアミノ酸R391〜T802 (GenBankエントリー番号NM_002011)のヒトFGFR−4の細胞内部分の融合]を、Proqinase (製品番号0127-0000-3)から購入し、酵素として用いた。キナーゼ反応の基質として、ビオチン化ペプチド ビオチン−Ahx−AAEEEYFFLFAKKK(アミド型のC末端)を用いた。これは、例えばBiosyntan (Berlin-Buch, Germany)から購入できる。
【0365】
通常、試験化合物は、同じマイクロタイタープレートで、20μM〜0.1nMの範囲の11種の異なる濃度で(例えば20μM、5.9μM、1.7μM、0.51μM、0.15μM、44nM、13nM、3.8nM、1.1nM、0.33nMおよび0.1nM)、各濃度について二組試験した。希釈シリーズを、アッセイ前に、DMSO中の100倍濃度ストック溶液として別個に調製した;正確な濃度は、用いられたピペッターに依存して変化する。アッセイのために、50nlのDMSO中の試験化合物のストック溶液を、それぞれ、黒色の低容量384ウェルマイクロタイタープレート(Greiner Bio-One, Frickenhausen, Germany)にピペットで入れた。2μlの水性アッセイ緩衝液[8mMのMOPS(pH 7.0)、10mMの酢酸マグネシウム、1.0mMのジチオスレイトール、0.05%(w/v)のウシ血清アルブミン(BSA)、0.07%(v/v)のTween-20、0.2mMのEDTA]中の上記FGFR−4融合タンパク質の溶液を加え、混合物を22℃で15分間インキュベートして、予め試験化合物を酵素に結合させた。次いで、3μlのアッセイ緩衝液中のアデノシン三リン酸(ATP, 3.3mM;5μlのアッセイ容量中の最終濃度=2mM)および基質(0.8μM;5μlのアッセイ容量中の最終濃度=0.5μM)の溶液を添加することによって、キナーゼ反応を開始させ、得られた混合物を、反応時間60分間、22℃でインキュベートした。FGFR−4融合タンパク質の濃度を、酵素ロットの活性に応じて調節し、アッセイが直線範囲内(典型的な濃度は0.03μg/mlの範囲であった)となるように適切に選択した。5μlのHTRF検出反応剤溶液[EDTA水溶液(50mMのHEPES/NaOH(pH 7.5)中の50mMのEDTA、0.1%(w/v)のBSA)中の100nMのストレプトアビジン-XL665 (Cis Biointernational)および1nMのPT66-Tb-クリプテート、すなわちテルビウム−クリプテート標識抗ホスホチロシン抗体(Cis Biointernational; PT66-Eu-キレート(Perkin-Elmer)を代わりに用いてもよい)]を添加することによって、反応を停止させた。
【0366】
得られた混合物を22℃で1時間インキュベートして、ホスホリル化ビオチン化ペプチドと検出反応剤で錯体を形成させた。続いて、Tbキレートからストレプトアビジン-XL665への共鳴エネルギー移動を測定することによって、ホスホリル化基質の量を測定した。これについては、350nmで励起後、620nmおよび665nmでの蛍光放出を、TR−FRETリーダー[例えば Rubystar (BMG Labtechnologies, Offenburg, Germany) または Viewlux (Perkin-Elmer)]で測定した。665nmおよび620nmでの放出の比を、ホスホリル化した基質の量についての測定値とした。データを正規化し(阻害剤なしでの酵素反応=0%阻害、酵素がない以外他のアッセイ成分全て=100%阻害)、社内ソフトウェアを用いて、4変数フィットによって、IC50値を計算した。
【0367】
B−4. mTORキナーゼアッセイ(比較の目的のため)
本発明の化合物のmTOR阻害活性は、次の段落に記載する通りにTR−FRETをベースとするmTORアッセイを用いて定量化した:
昆虫細胞中で発現させ、グルタチオン・セファロースアフィニティークロマトグラフィーによって精製した、タグ付組み換えmTOR融合タンパク質[アミノ酸1360〜2549のヒトmTORと融合したグルタチオン−S−トランスフェラーゼ(GST)]を、Invitrogen (カタログ番号4753)から購入し、酵素として用いた。キナーゼ反応の基質として、GFPおよび4E−BP1の組み換え融合タンパク質(Invitrogenから購入, カタログ番号PV4759)を用いた。
【0368】
試験化合物をDMSOに溶解して、10mMのストック溶液を作る。これらの溶液を最初に100%のDMSOによって10倍希釈し、100%DMSO中1mMの溶液を得て、次に、50%のDMSOによって100倍希釈し、50%DMSO中10μMの溶液を得る。
【0369】
アッセイのために、0.5μlの50%DMSO中10μMの試験化合物の溶液を、黒色の低容量384ウェルマイクロタイタープレート(Greiner Bio-One, Frickenhausen, Germany)にピペットで入れた。2μlの水性アッセイ緩衝液[50mMのHEPES/NaOH(pH 7.5)、5mMの塩化マグネシウム、1.0mMのジチオスレイトール、1mMのEGTA、0.01%(v/v)のTriton-X100、0.01%(w/v)のウシ血清アルブミン(BSA)]中の上記mTOR融合タンパク質の溶液を加え、混合物を22℃で15分間インキュベートして、予め試験化合物を酵素に結合させた。次いで、2.5μlのアッセイ緩衝液中のアデノシン三リン酸(ATP, 80μM;5μlのアッセイ容量中の最終濃度=40μM)および基質(0.6μM;5μlのアッセイ容量中の最終濃度=0.3μM)の溶液の添加によって、キナーゼ反応を開始させ、得られた混合物を反応時間60分間、22℃でインキュベートした。mTOR融合タンパク質の濃度を、アッセイが直線範囲内(5μlのアッセイ容量中の典型的な最終濃度は1.25ng/μlであった)となるように適切に選択した。5μlの30mMのEDTA(10μlのアッセイ容量中の最終濃度=15mM)およびFRET緩衝液中の2nMのTbキレート標識抗4E−BP1[pT46]ホスホ特異的抗体[Invitrogen カタログ番号PV4755](10μlのアッセイ容量中の最終濃度=1nM)の添加によって、反応を停止させた。
【0370】
得られた混合物を22℃で1時間インキュベートして、ホスホリル化基質とTbキレート標識抗体で錯体を形成させた。続いて、TbキレートからGFPへの共鳴エネルギー移動を測定することによって、ホスホリル化基質の量を測定した。これについては、340nmで励起後、495nmおよび520nmでの蛍光放出を、Envision 2104 multilabel reader (Perkin-Elmer)で測定した。 520nmおよび495nmでの放出の比を、ホスホリル化した基質の量についての測定値とした。データを正規化し(阻害剤なしでの酵素反応=0%阻害、酵素がない以外他のアッセイ成分全て=100%阻害)、平均値(1つの濃度で反復して試験したならば)、または、IC50値(社内ソフトウェアを用いた4変数フィットによる)を計算した。
【0371】
個々の本発明の化合物についての1μMでの平均阻害値を、下記の表3に挙げる。
【表23】
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【0372】
【表24】
[この文献は図面を表示できません]
【0373】
【表25】
[この文献は図面を表示できません]
(阻害効果検出できず=1μMで阻害効果が検出できなかった)。
【0374】
表3中のデータは、本発明の化合物が、mTORキナーゼに対して、あったとしても弱い阻害効果しか有さないことを示し、これらの化合物で観察される薬理学的活性に寄与するとは考えられない。
【0375】
B−5. 増殖因子介在細胞増殖の阻害
ヒト臍帯静脈内皮細胞(HUVEC)を Cellsystems (FC-0003)から購入し、2%のウシ胎児血清(FBS)を含むVasculife VEGF完全培地(Cellsystems, LL-1020)中で37℃で5% COで増殖させた。細胞を最大7継代で増殖アッセイに用いた。
【0376】
HUVEC細胞をaccutase (PAA, L11-007)を用いて回収し、96ウェルプレート(Falcon MICROTEST 組織培養プレート96ウェル平底, BD 353075、または、μCLEAR-PLATE, 黒色, 96ウェル, Greiner Bio-One, No. 655090)のカラム2〜12に、100μlのVasculife VEGF完全培地中2500細胞/ウェルの細胞密度で播種し、残りの空のカラム1をブランクとした。細胞を、37℃、5% COで少なくとも6時間インキュベートした。次いで、細胞をPBSで1回洗浄し、ヘパリン、アスコルビン酸塩およびL−グルタミン(Vasculife Life Factors Kitの構成成分, Cellsystems, LL-1020)、および、0.2%のFBSを含むVasculife基本培地(Cellsystems, LM-0002)中で一夜飢餓状態とした。
【0377】
約18時間後、飢餓培地を廃棄し、細胞を、100μlの飢餓培地中、10pM〜30μMの範囲の9種の連続対数または半対数濃度の試験化合物、および、5、10または20ng/mlのhFGF−2(組み換えヒトFGFベーシック, R&D Systems, 233-FB)に、72時間曝露した。DMSO中10mMの試験化合物ストック溶液を、DMSOで200×最終濃度に希釈し、全てのウェルで最終DMSO濃度を0.5%とした。コントロールは、飢餓培地のみの中で増殖させた細胞と、0.5%のDMSOを含むhFGF−2含有飢餓培地中で増殖させた細胞からなる。細胞増殖を測定するために、5μlのAlamar Blue溶液(Biosource, DAL1100)をそれぞれのウェルに加え(1:20希釈)、細胞を、37℃、5% COでさらに4時間インキュベートした後、Spectrafluor Plus Tecan plate reader (XFLUOR4 version 4.20)で蛍光を測定した(励起535nm, 放出595nm)。幾つかの実験において、ATP測定キット(BIAFFIN GmbH, LBR-T100)を製造者の指示に従って用いた。各実験において、サンプルを三組アッセイして、標準偏差を決定した。データを分析するためにGraphPad Prism 5 softwareを用いて、IC50値を得た。全ての試験化合物を独立した実験で2〜10回アッセイし、類似の結果を得た。
【0378】
下記の表4に挙げるデータは、対応する平均pIC50値から得られる代表的な本発明の化合物についてのIC50値を表す。
【0379】
【表26】
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【0380】
【表27】
[この文献は図面を表示できません]
【0381】
本発明の化合物の大部分は、血管内皮増殖因子(VEGF−A165アイソフォーム)を媒介増殖因子として(FGF−2の代わりに)用いたとき、この増殖アッセイで約10〜100倍低下した阻害活性を示し、VEGFRキナーゼに対するFGFRへのこれらの化合物の著しい選択性を示した。
【0382】
B−6. ヒト異種移植および同系腫瘍モデル
本発明の化合物をインビボでプロファイルするために、異なる腫瘍モデルを行った。ヒト、ラットまたはマウスの腫瘍細胞をインビトロで培養し、免疫不全または免疫適格性マウス、または、免疫不全ラットの何れかに移植した。腫瘍確立後に処置を開始し、腫瘍担持動物を、種々の経路(経口、静脈内、腹腔内、または皮下)を介して物質で処置した。物質を、単剤治療または他の薬理学的物質との併用治療として試験した。腫瘍が平均サイズ120mm2に達するまで腫瘍担持動物の処置を行った。ノギスを用いて2方向で腫瘍を測定し、腫瘍体積を式:(長さ×幅)/2によって計算した。物質の有効性を実験終了時にT/C比[T=処置群の最終腫瘍重量;C=コントロール群の最終腫瘍重量]を用いて評価した。コントロール群と処置群の有効性の統計学的有意性を、ANOVA分散検定を用いて決定した。全ての動物試験をドイツの規制ガイドラインに従って行った。
【0383】
本発明は特定の具体的態様に言及して開示したが、他の態様および本発明の変法も、本発明の精神および範囲を逸脱せずに、他の当業者によって考案され得る。請求の範囲は、このような態様および等価の変法を全て含むと解釈されることを意図される。
【0384】
C. 医薬組成物に関する例
本発明の医薬組成物は、下記の通り説明できる。
滅菌処理された静脈内投与用溶液:
望ましい本発明の化合物の5mg/ml溶液は、滅菌処理された注射用水を用いて調製でき、必要であればpHを調節する。溶液は、投与のために、滅菌処理された5%のブドウ糖で1〜2mg/mlに希釈され、約60分に亘って静脈内点滴として投与される。
【0385】
静脈内投与用凍結乾燥粉末:
滅菌処理された製剤は、(i)100〜1000mgの凍結乾燥粉末としての望ましい本発明の化合物、(ii)32〜327mg/mlのクエン酸ナトリウム、および、(iii)300〜3000mgのデキストラン 40で製造できる。製剤は、滅菌処理された注射用食塩水または5%のブドウ糖で、10〜20mg/mlの濃度に再構成され、これは、さらに食塩水または5%のブドウ糖で0.2〜0.4mg/mlに希釈され、静脈内にボラスとして投与されるか、または、15〜60分に亘って静脈内点滴によって投与される。
【0386】
筋肉内投与用懸濁液:
下記の溶液または懸濁液を筋肉内注射用に製造できる:
50mg/mlの望ましい水不溶性の本発明の化合物;5mg/mlのカルボキシメチルセルロース ナトリウム;4mg/mlのTween 80;9mg/mlの塩化ナトリウム;9mg/mlのベンジルアルコール。
【0387】
ハードシェルカプセル:
100mgの望ましい粉末状の本発明の化合物、150mgの乳糖、50mgのセルロースおよび6mgのステアリン酸マグネシウムを、標準的な2ピース硬ゼラチンカプセルにそれぞれ充填することによって、多数の単位カプセルを製造する。
【0388】
軟ゼラチンカプセル:
可消化油、例えば大豆油、綿実油またはオリーブ油中の、望ましい本発明の化合物の混合物を調製し、容積型移送式ポンプによって融解ゼラチンに注入して、100mgの有効成分を含む軟ゼラチンカプセルを形成する。カプセルを洗浄し、乾燥する。望ましい本発明の化合物を、ポリエチレングリコール、グリセリンおよびソルビトールの混合物に溶解し、水混和性医薬ミックスを調製できる。
【0389】
錠剤:
投与単位が、100mgの望ましい本発明の化合物、0.2mgのコロイド状二酸化ケイ素、5mgのステアリン酸マグネシウム、275mgの微晶性セルロース、11mgの澱粉および98.8mgの乳糖であるように、多数の錠剤を慣用の手順によって調製する。嗜好性を向上し、上品さおよび安定性を改善し、または、吸収を遅らせるために、適切な水性および非水性コーティングを適用してもよい。
【0390】
眼への局所適用のための溶液または懸濁液(点眼薬):
滅菌製剤を、5mlの滅菌食塩水中で再構成された、100mgの凍結乾燥粉末としての望ましい本発明の化合物で調製できる。保存料として、塩化ベンザルコニウム、チメロサール、硝酸フェニル水銀などを、約0.001重量%〜1重量%の範囲で用いてもよい。