特許第6050959号(P6050959)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特許6050959-接着シートおよび接着シートの製造方法 図000002
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6050959
(24)【登録日】2016年12月2日
(45)【発行日】2016年12月21日
(54)【発明の名称】接着シートおよび接着シートの製造方法
(51)【国際特許分類】
   C09J 7/02 20060101AFI20161212BHJP
【FI】
   C09J7/02 Z
【請求項の数】2
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2012-134945(P2012-134945)
(22)【出願日】2012年6月14日
(65)【公開番号】特開2013-256629(P2013-256629A)
(43)【公開日】2013年12月26日
【審査請求日】2015年3月5日
(73)【特許権者】
【識別番号】000102980
【氏名又は名称】リンテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000637
【氏名又は名称】特許業務法人樹之下知的財産事務所
(72)【発明者】
【氏名】青木 陽太
(72)【発明者】
【氏名】田村 和幸
【審査官】 ▲吉▼澤 英一
(56)【参考文献】
【文献】 特開2013−247279(JP,A)
【文献】 特開2008−047926(JP,A)
【文献】 特開2008−311513(JP,A)
【文献】 特開2003−221562(JP,A)
【文献】 特開2004−217757(JP,A)
【文献】 特開2006−148154(JP,A)
【文献】 特開昭61−094084(JP,A)
【文献】 特開2005−349579(JP,A)
【文献】 特開昭60−168778(JP,A)
【文献】 特開2012−059929(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C09J 7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
接着剤層の一方の面に透明又は半透明な基材シートが設けられた接着シートであって、
前記接着剤層には、所定の処理が施された処理部が設けられ、
前記接着剤層と前記基材シートとの間、かつ、前記処理部の外側であって、前記処理部の所定の位置を基準にして所定の方向、かつ、所定の距離隔てた位置に前記処理部の位置を特定させる特定部が設けられ、
前記特定部の前記基材シート側の面に前記特定部を識別するための識別処理が施されていることを特徴とする接着シート。
【請求項2】
所定の処理が施された処理部の位置を特定させる特定部が設けられた接着シートを形成可能な接着シートの製造方法であって、
帯状の剥離シートが帯状の接着剤層の一方の面に仮着された原反を用意する工程と、
前記剥離シート側から接着剤層に達する第1切込を形成し、当該第1切込で囲まれた領域の内側に前記特定部を形成する工程と、
前記特定部以外の前記剥離シートを前記接着剤層から剥離する工程と、
前記特定部の所定の位置を基準にして所定の方向、かつ、所定の距離隔てた位置の接着剤層に処理部を形成する工程と、
前記剥離シートを剥離して表出した前記接着剤層の前記一方の面に透明又は半透明な基材シートを貼付する工程とを有することを特徴とする接着シートの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、接着シートおよび接着シートの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えばバンプが形成された半導体ウェハ(以下「ウェハ」と称す場合がある)に
貼付する保護部材(接着シート)が知られている(例えば、特許文献1参照)。
この特許文献1の保護部材は、バンプが形成されていないウェハの外周領域に貼着する外周貼着部と、外周貼着部に囲繞されバンプを支持し保護するバンプ保護部と、外周貼着部とバンプ保護部とで形成された凹部とを備え、バンプに粘着剤の一部が残存しないように凹部内に全てのバンプが収容されるよう構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−109433号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、特許文献1のような保護部材を例えばバンプや回路などのパターンが形成されたウェハに貼着する場合、パターンが形成された領域と凹部とを位置合わせする必要があるが、外周貼着部とバンプ保護部とが透明な場合には、外周貼着部とバンプ保護部とが識別しにくく、凹部を特定するために、外周貼着部とバンプ保護部との境界を特定するセンサの閾値や画像処理の精度を上げる必要があった。しかしながら、閾値や精度の調整には限界があり、閾値や精度を上げすぎるとノイズが特定されやすくなり、凹部の正確な位置特定が難しいという問題があった。
【0005】
本発明の目的は、被着体に対する接着シートの正確な位置特定が可能な接着シートおよび接着シートの製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的を達成するために、本発明の接着シートは、接着剤層の一方の面に透明又は半透明な基材シートが設けられた接着シートであって、前記接着剤層には、所定の処理が施された処理部が設けられ、前記接着剤層と前記基材シートとの間、かつ、前記処理部の外側であって、前記処理部の所定の位置を基準にして所定の方向、かつ、所定の距離隔てた位置に前記処理部の位置を特定させる特定部が設けられ、前記特定部の前記基材シート側の面に前記特定部を識別するための識別処理が施されている、という構成を採用している。
【0008】
一方、本発明の接着シートの製造方法は、所定の処理が施された処理部の位置を特定させる特定部が設けられた接着シートを形成可能な接着シートの製造方法であって、帯状の剥離シートが帯状の接着剤層の一方の面に仮着された原反を用意する工程と、前記剥離シート側から接着剤層に達する第1切込を形成し、当該第1切込で囲まれた領域の内側に前記特定部を形成する工程と、前記特定部以外の前記剥離シートを前記接着剤層から剥離する工程と、前記特定部の所定の位置を基準にして所定の方向、かつ、所定の距離隔てた位置の接着剤層に処理部を形成する工程と、前記剥離シートを剥離して表出した前記接着剤層の前記一方の面に透明又は半透明な基材シートを貼付する工程とを有する、という構成を採用している。
【発明の効果】
【0009】
以上のような本発明によれば、接着剤層と透明又は半透明な基材シートとの間かつ処理部の外側に特定部を設けたので、センサの閾値や画像処理の精度を上げることなく特定部を容易に検出することができ、接着シートを被着体に貼付するときに処理部の位置を正確に特定できる。また、接着シートの表面又は裏面にラベルの貼付又はマーキングの印刷による特定部を設けた場合に比べ、接着シートの繰り出し動作時にラベルがずれたり、印刷が擦れて薄くなったりすることなく接着シートを被着体に貼付するときの処理部の位置を正確に特定できる。
【0010】
この際、特定部の基材シートと対向する面に識別処理を施せば、識別処理の有無によって特定部をより容易に検出することができる。
【0011】
さらに、本発明の接着シートの製造方法によれば、処理部と特定部との間隔を一定に保ちつつ接着剤層と透明又は半透明な基材シートとの間かつ処理部の外側に特定部を確実に形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】(A)は本発明の一実施形態に係る原反の平面図、(B)は(A)のX矢視断面図。
図2】(A)〜(E)は原反の製造方法の説明図。
図3】(A)(B)は接着シートの位置検出手順を説明する図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
まず、接着シートとしての原反RSについて説明する。図1において、原反RSは、接着剤層ADの一方の面AD1に透明又は半透明な基材シートBSが設けられた接着シートASと、接着剤層ADの他方の面AD2に仮着された第2剥離シートRL2とを備えている。接着シートASの接着剤層ADには、所定の処理としての接着剤層ADが除去された処理部としての開口部AS1が設けられ、接着剤層ADと基材シートBSとの間、かつ、開口部AS1の外側であって、開口部AS1の所定の位置を基準にして所定の方向、かつ、所定の距離隔てた位置に開口部AS1の位置を特定させる特定部AS2が設けられている。
【0014】
また、特定部AS2の基材シートBS側の面には、可視光を散乱させる凹凸を形成することで面を粗くし、特定部AS2と接着剤層ADとを識別するための識別処理としてのマット処理が施されている。
マット処理方法としては、例えば、サンドマット処理、マットコート処理又は練り込みマット処理が挙げられる。マット処理の表面粗さは、特に限定されることはなく、既存の光学センサやCCDカメラなどの検出手段が容易にマット処理面と基材シートBSとを識別できる範囲のものであればよく、使用する検出手段の検出能力によって適宜変更が可能である。
【0015】
次に、原反RSの製造方法について説明する。
原反RSの製造にあたっては、図2(A)に示すように、表面にマット処理が施された帯状の剥離シートとしての第1剥離シートRL1の裏面が帯状の接着剤層ADの一方の面AD1に仮着され、他方の面AD2に第2剥離シートRL2が仮着された原反RS0を用意する。そして、図2(A)に実線で示すように、第1切込形成手段11が第1剥離シートRL1の表面側から接着剤層ADに達する第1切込CU1を形成し、当該第1切込CU1の内側に特定部AS2を形成する。
【0016】
次に、図2(B)に示すように、第1剥離手段としてのローラ13で特定部AS2以外の第1剥離シートRL1を接着剤層ADの一方の面AD1から剥離することで、所定間隔ごとに特定部AS2が設けられた接着剤層ADの一方の面AD1が表出する。
次いで、図2(C)に示すように、隣接する特定部AS2の間において、前記特定部AS2の中心を基準にして帯状の接着剤層ADの長手方向、かつ、所定の距離隔てた位置に第2切込形成手段12が接着剤層ADの一方の面AD1側から第2剥離シートRL2に達する第2切込CU2を形成し、当該第2切込CU2の内側かつ特定部AS2の外側に開口部AS1に対応する円形状の不要接着剤層AD0を形成する。
そして、図2(D)に示すように、第2剥離手段14が不要接着剤層AD0を吸引して第2剥離シートRL2から剥離することで開口部AS1を形成する。
以降上述同様の動作を繰り返すことで、所定間隔ごとに特定部AS2および開口部AS1を形成する。
次に、図2(E)に示すように、第1剥離シートRL1を剥離して表出した接着剤層ADの一方の面AD1に貼付手段としてのローラ15が基材シートBSを貼付することで、原反RSを形成することができる。
【0017】
次に、接着シートASの繰出位置算出方法について、図3を参照して説明する。
なお、繰出位置算出方法は、本出願人によって出願された特願2011−071693号に開示されたものと実質的に同一である。従って、以下においては、概略的に説明するものとし、詳細な説明を省略する。
【0018】
まず、接着シートASの繰り出しが完了する前の時点で、制御手段が剥離板41に設けられた第1,第2基準標識SP1,SP2を識別し、これらを結んだ中間点を仮想基準標識SP0として記憶する。また、予め制御手段に記憶させた第1,第2基準標識SP1,SP2間の距離を数値化し、ずれ量を数値で出力するための基準を算出する。次に、図3(A)に示すように、接着シートASが繰り出された時点で、制御手段が図示しない撮像装置を駆動して接着シートASを基材シート側から撮像する。そして、繰出方向Aに隣り合う開口部AS1間かつ繰出方向Aに直交する直交方向Bに沿って互いに離隔して設けられた第1,第2特定部AS21,AS22を識別し、これらを結んだ中間点を仮想特定部AS20として記憶する。ここで、第1,第2特定部AS21,AS22の基材シートBSと対向する面にマット処理が施されているため、第1,第2特定部AS21,AS22を容易に検出することができる。
そして、算出した仮想基準標識SP0と仮想特定部AS20との繰出方向Aおよび直交方向Bに沿ったずれ量に基づき、制御手段は、剥離手段と接着シートASとの相対位置を検出する。この際、図3(B)に示すように、接着シートASが繰出方向Aに傾斜して繰り出された場合には、第1,第2特定部AS21,AS22を結んだ直線と第1,第2基準標識SP1,SP2を結んだ直線との傾きθを算出し、この傾きθに基づき、制御手段は、剥離手段と接着シートASとの相対回転角を検出する。そして、検出した剥離手段と接着シートASとの相対位置および相対回転角と、仮想特定部AS20から開口部AS1の中心である仮想中心点DCまでの既知の距離とに基づき、制御手段が仮想基準標識SP0に対する仮想中心点DCの位置すなわち接着シートASの繰出位置を算出する。
【0019】
以上のような実施形態によれば、接着シートASに開口部AS1の位置を特定させる特定部AS2を設けたので、接着シートASをウェハに貼付するときに開口部AS1の位置を正確に特定できる。
【0020】
以上のように、本発明を実施するための最良の構成、方法等は、前記記載で開示されているが、本発明は、これに限定されるものではない。すなわち、本発明は、主に特定の実施形態に関して特に図示され、かつ説明されているが、本発明の技術的思想および目的の範囲から逸脱することなく、以上述べた実施形態に対し、形状、材質、数量、その他の詳細な構成において、当業者が様々な変形を加えることができるものである。また、上記に開示した形状、材質などを限定した記載は、本発明の理解を容易にするために例示的に記載したものであり、本発明を限定するものではないから、それらの形状、材質などの限定の一部もしくは全部の限定を外した部材の名称での記載は、本発明に含まれるものである。
【0021】
例えば、特定部AS2を識別するための識別処理としては、マット処理に限らず、光の乱反射が生じる処理であるコロナ処理であってもよい。また、印刷などによる着色処理であってもよく、予め着色された第1剥離シートを利用してもよい。さらに、識別処理は、特定部AS2の両面に施されていてもよく、予め両面に識別処理が施された第1剥離シートを利用してもよい。
また、接着剤層ADは、透明であってもよいし半透明でもよい。
さらに、処理部である開口部AS1の形状としては、円形、楕円形や、三角形、四角形等の多角形、幾何学的な模様の形状であってもよい。
また、処理部としては、開口部AS1に限らず、例えば、紫外線を照射することにより接着剤が硬化する接着剤層ADを用いて、紫外線を照射して接着剤層ADの一部の接着力を弱める又はなくす処理であってもよい。
さらに、第2剥離シートRL2が設けられていない場合、他方の面AD2側から第2切込CU2を形成し、第2切込CU2の内側に開口部AS1を形成してもよい。
【0022】
また、開口部AS1を囲む4個の特定部AS2を設け、対角線に位置する特定部AS2同士をX字状に結んだ交点を開口部AS1の中心としてもよい。
さらに、特定部AS2の利用方法として、開口部AS1の検出を必要とするあらゆる方法に適用することができ、例えば、特定部AS2の検出結果に基づき開口部AS1間で原反RSを切断し、枚葉状の接着シートASを製造する方法に適用してもよい。また、枚葉状の接着シートASは、特定部AS2を含んでいてもよいし含んでいなくてもよいが、特定部AS2を含む場合、上記実施形態と同様の位置検出方法を用いることで、当該枚葉状の接着シートASをウェハに対して位置ずれすることなく貼付することができる。
【0023】
また、本発明における接着シートASの種別や材質などは、特に限定されず、例えば、基材シートBSと接着剤層ADとの間に設けられる透明又は半透明な中間層を有するものや、他の透明又は半透明な層を有する等3層以上のものでもよい。また、半導体ウェハは、シリコン半導体ウェハや化合物半導体ウェハ等が例示でき、このような半導体ウェハに貼付する接着シートは、保護シート、ダイシングテープ、ダイアタッチフィルムに限らず、その他の任意のシート、フィルム、テープ等、任意の用途、形状のシート等が適用できる。さらに、被着体が光ディスクの基板であって、接着シートが記録層を構成する樹脂層を有したものであってもよい。また、被着体としては、ガラス板、鋼板、樹脂板、基板等や、その他の部材のみならず、任意の形態の部材や物品なども対象とすることができる。さらに、ウェハの表面にパターン回路が形成されたものも対象とすることができる。
【符号の説明】
【0024】
AD…接着剤層
AS…接着シート
AS1…開口部(処理部)
AS2…特定部
BS…基材シート
CU1,CU2…第1,第2切込
RL1…第1剥離シート
RS0…原反(接着シート)
図1
図2
図3