特許第6050972号(P6050972)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6050972情報処理装置、情報通知方法及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6050972
(24)【登録日】2016年12月2日
(45)【発行日】2016年12月21日
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報通知方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 9/445 20060101AFI20161212BHJP
【FI】
   G06F9/06 650C
   G06F9/06 650A
   G06F9/06 610M
【請求項の数】10
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2012-146658(P2012-146658)
(22)【出願日】2012年6月29日
(65)【公開番号】特開2014-10606(P2014-10606A)
(43)【公開日】2014年1月20日
【審査請求日】2015年2月16日
(73)【特許権者】
【識別番号】392026693
【氏名又は名称】株式会社NTTドコモ
(74)【代理人】
【識別番号】110000752
【氏名又は名称】特許業務法人朝日特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】加藤 禎篤
(72)【発明者】
【氏名】安藤 智浩
(72)【発明者】
【氏名】寺井 はるな
【審査官】 長谷川 篤男
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2010/109776(WO,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2008/0154776(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2007/0220317(US,A1)
【文献】 特開2010−198473(JP,A)
【文献】 飯塚 康至,初心者歓迎 サンプル作成で学ぶAndroidプログラミング,日経ソフトウエア,日本,日経BP社 Nikkei Business Publications,Inc.,2011年 8月24日,第14巻 第10号,第104−111頁
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 9/445
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
自装置で利用可能なアプリケーションを動作させるアプリケーション動作部と、
前記アプリケーション動作部が2以上のアプリケーションを連係動作させて提供される機能について、自装置のユーザによる利用履歴を取得する利用履歴取得部と、
第1のアプリケーションを自装置で利用不可又は利用可能に変更する場合に、当該第1のアプリケーションについて前記利用履歴取得部が取得した利用履歴に基づいて、当該第1のアプリケーションと連係動作する第2のアプリケーションの情報をユーザに通知する通知部と
を備えることを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記通知部は、
自装置で前記第1のアプリケーションと連係動作したことのある前記第2のアプリケーションを通知対象とする
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記通知部は、
前記第1のアプリケーションと連係動作した時期が所定期間内に含まれる前記第2のアプリケーション、当該連係動作した回数が所定回数以上である前記第2のアプリケーション、又は、当該第1のアプリケーションプログラムと最後に連係動作した前記第2のアプリケーションを通知対象とする
ことを特徴とする請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記通知部による通知に対するユーザの応答を受け付ける応答受付部と、
前記応答受付部が受け付けた応答に従って処理を実行する処理実行部と
を備え、
前記通知部は、
前記第2のアプリケーションを自装置で利用不可又は利用可能のいずれとするかをユーザに問い合わせるための通知を行う
ことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記連係動作するアプリケーションは、自身と連係動作する他のアプリケーションを示す情報を有しない
ことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記連係動作に用いられるアプリケーションの動作を指定した動作要求に応じて、当該動作が可能なアプリケーションを特定する特定部を備え、
前記アプリケーション動作部は、
前記第1のアプリケーションを自装置で利用不可又は利用可能に変更する場合に、当該第1アプリケーションに前記動作要求を行わせ、
前記通知部は、
前記第1アプリケーションによる前記動作要求に応じて前記特定部により特定された前記第2アプリケーションを通知対象とする
ことを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記通知部は、
前記第1のアプリケーションを利用不可に変更する場合、前記第2のアプリケーションの単独動作が可能か否かに応じて異なる情報を通知する
ことを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記通知部は、
前記第1のアプリケーションと連係動作せず、且つ、前記第2のアプリケーションと連係動作する第3のアプリケーションの情報を、ユーザに通知する
ことを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項9】
情報処理装置が、自装置で利用可能な2以上のアプリケーションを連係動作させて提供される機能について、装置のユーザによる利用履歴を取得する利用履歴取ステップと、
前記情報処理装置が、第1のアプリケーションを装置で利用不可又は利用可能に変更する場合に、当該第1のアプリケーションについて前記利用履歴取得ステップで取得した利用履歴に基づいて、当該第1のアプリケーションと連係動作する第2のアプリケーションの情報をユーザに通知する通知ステップと
を有することを特徴とする情報通知方法。
【請求項10】
自装置で利用可能なアプリケーションを動作させる情報処理装置のコンピュータに、
前記情報処理装置が2以上のアプリケーションの連係動作を連係動作させて提供される機能について、前記情報処理装置のユーザによる利用履歴を取得する利用履歴取得ステップと、
第1のアプリケーションを前記情報処理装置で利用不可又は利用可能に変更する場合に、当該第1のアプリケーションについて前記利用履歴取得ステップで取得した利用履歴に基づいて、当該第1のアプリケーションと連係動作する第2のアプリケーションの情報をユーザに通知する通知ステップと
を実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、連係動作して機能を提供するアプリケーションの管理に関する。
【背景技術】
【0002】
動作上のつながりのある複数のソフトウェアを管理する技術として、特許文献1は、ソフトウェア同士の依存関係を規定したデータベースを参照し、依存関係にある一のソフトウェアが利用不可又は利用可能となる場合に、動作上の不具合が生じないように他のソフトウェアについて対処することを開示している。パッケージ管理システムなどと呼ばれるシステムでも、ソフトウェア同士の依存関係に応じたソフトウェア管理が行われることがある。また、ダイナミックリンクライブラリでは、複数のソフトウェアから参照される部品化されたプログラムが削除されようとした場合に、このプログラムの削除による動作上の不具合の発生を警告するメッセージが表示される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−44011号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前述した技術はいずれも、ソフトウェア同士の相互の関係によって、各ソフトウェアについての対処の方法が定まるものである。これに対し、アプリケーションソフトウェア(以下、「アプリケーション」と省略する。)には、単独で動作して機能するもののほか、2以上のアプリケーションが連係動作して機能が提供されるものもある。電子メールの作成などを行うためのメールアプリと、カメラで撮影し写真画像を得るためのカメラアプリとが連係動作した場合、例えば、電子メールの作成中にカメラアプリを動作させて、そのときの撮影により得られた写真画像を電子メールに添付する、という機能が提供される。この種のアプリケーションを利用不可又は利用可能に変更(例えば、アンインストール又はインストール)する場合に、これと連係動作する他のアプリケーションについての対処(例えば、同時にアンインストール又はインストールする)が一律であると、ユーザにとって必要であった機能がユーザの知らぬ間に利用できなくなったり、ユーザにとって必要でなかった機能のアプリケーションが残って、例えばメモリを無駄に消費したりすることが考えられる。
そこで、本発明の目的は、アプリケーションを利用不可又は利用可能に変更する場合に、ユーザにとっての機能の必要性を加味して、連係動作する他のアプリケーションの情報を通知することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述した課題を解決するため、本発明の情報処理装置は、自装置で利用可能なアプリケーションを動作させるアプリケーション動作部と、前記アプリケーション動作部が2以上のアプリケーションを連係動作させて提供される機能について、自装置のユーザによる利用履歴を取得する利用履歴取得部と、第1のアプリケーションを自装置で利用不可又は利用可能に変更する場合に、当該第1のアプリケーションについて前記利用履歴取得部が取得した利用履歴に基づいて、当該第1のアプリケーションと連係動作する第2のアプリケーションの情報をユーザに通知する通知部とを備えることを特徴とする。
【0006】
本発明において、前記通知部は、自装置で前記第1のアプリケーションと連係動作したことのある前記第2のアプリケーションを通知対象としてもよい。
本発明において、前記通知部は、前記第1のアプリケーションと連係動作した時期が所定期間内に含まれる前記第2のアプリケーション、当該連係動作した回数が所定回数以上である前記第2のアプリケーション、又は、当該第1のアプリケーションプログラムと最後に連係動作した前記第2のアプリケーションを通知対象としてもよい。
【0007】
また、本発明において、前記通知部による通知に対するユーザの応答を受け付ける応答受付部と、前記応答受付部が受け付けた応答に従って処理を実行する処理実行部とを備え、前記通知部は、前記第2のアプリケーションを自装置で利用不可又は利用可能のいずれとするかをユーザに問い合わせるための通知を行うようにしてもよい。
【0008】
また、本発明において、前記連係動作するアプリケーションは、自身と連係動作する他のアプリケーションを示す情報を有しないようにしてもよい。
また、本発明において、前記連係動作に用いられるアプリケーションの動作を指定した動作要求に応じて、当該動作が可能なアプリケーションを特定する特定部を備え、前記アプリケーション動作部は、前記第1のアプリケーションを自装置で利用不可又は利用可能に変更する場合に、当該第1アプリケーションに前記動作要求を行わせ、前記通知部は、前記第1アプリケーションによる前記動作要求に応じて前記特定部により特定された前記第2アプリケーションを通知対象としてもよい。
【0009】
また、本発明において、前記通知部は、前記第1のアプリケーションを利用不可に変更する場合、前記第2のアプリケーションの単独動作が可能か否かに応じて異なる情報を通知するようにしてもよい。
また、本発明において、前記通知部は、前記第1のアプリケーションと連係動作せず、且つ、前記第2のアプリケーションと連係動作する第3のアプリケーションの情報を、ユーザに通知するようにしてもよい。
【0010】
また、本発明の情報通知方法は、情報処理装置が、自装置で利用可能な2以上のアプリケーションを連係動作させて提供される機能について、装置のユーザによる利用履歴を取得する利用履歴取ステップと、前記情報処理装置が、第1のアプリケーションを装置で利用不可又は利用可能に変更する場合に、当該第1のアプリケーションについて前記利用履歴取得ステップで取得した利用履歴に基づいて、当該第1のアプリケーションと連係動作する第2のアプリケーションの情報をユーザに通知する通知ステップとを有することを特徴とする。
【0011】
また、本発明のプログラムは、自装置で利用可能なアプリケーションを動作させる情報処理装置のコンピュータに、前記情報処理装置が2以上のアプリケーションの連係動作を連係動作させて提供される機能について、前記情報処理装置のユーザによる利用履歴を取得する利用履歴取得ステップと、第1のアプリケーションを前記情報処理装置で利用不可又は利用可能に変更する場合に、当該第1のアプリケーションについて前記利用履歴取得ステップで取得した利用履歴に基づいて、当該第1のアプリケーションと連係動作する第2のアプリケーションの情報をユーザに通知する通知ステップとを実行させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、アプリケーションを利用不可又は利用可能に変更する場合に、ユーザにとっての機能の必要性を加味して、連係動作する他のアプリケーションの情報を通知することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】ユーザ端末のハードウェア構成を示すブロック図。
図2】利用履歴DBの構成例を示す図。
図3】メール作成画面を示す図。
図4】ユーザ端末の制御部の機能構成を示す機能ブロック図。
図5】ユーザ端末における処理の流れを示すフローチャート。
図6】アプリケーションを通知する通知画面を示す図。
図7】ユーザ端末の制御部の機能構成を示す機能ブロック図(変形例2)。
図8】ユーザ端末における処理の流れを示すフローチャート(変形例2)。
図9】アプリケーションを通知する通知画面を示す図(変形例3)。
図10】アプリケーションを通知する通知画面を示す図(変形例4)。
図11】ユーザ端末における処理の流れを示すフローチャート(変形例6)。
図12】アプリケーションを通知する通知画面を示す図(変形例6)。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照しつつ本発明の実施形態を説明する。
図1は、ユーザ端末10のハードウェア構成を示すブロック図である。図1に示すように、ユーザ端末10は、制御部11と、操作部12、通信部13と、表示部14と、記憶部15とを備える。
制御部11は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)を有するマイクロコンピュータを備える。CPUは、ROMや記憶部15に記憶されたプログラムをRAMに読み出して実行することにより、ユーザ端末10の各部を制御する。操作部12は、表示部14の表示面に重ねて設けられたタッチスクリーンやハードボタンを有し、ユーザの操作を受け付ける。通信部13は、無線通信回路やアンテナを有し、ネットワークに接続して通信するためのインタフェースである。表示部14は、画像を表示する表示面を有し、この表示面に各種画面を表示する。
【0015】
記憶部15は、例えばEEPROM(Electronically Erasable and Programmable ROM)やフラッシュメモリなどの記憶装置を備え、制御部11により実行されるアプリケーションを含む各種プログラムや、利用履歴DB151及びアプリケーション管理情報152を記憶する。本実施形態のアプリケーションは、例えば、他のアプリケーションと連係して動作するものを含むが、自身と連係する他のアプリケーションを示す情報を自身では有しない、疎結合なアプリケーションであるものとする。
【0016】
利用履歴DB151は、2以上のアプリケーションが連係動作して提供される機能について、ユーザによる利用履歴を格納したデータベースである。連係動作とは、アプリケーションが単独で動作して提供される機能とは異なる機能を提供するために、2以上のアプリケーションがつながりをもって動作することをいう。アプリケーションの連係動作は、例えば、一のアプリケーションの動作中に、他のアプリケーションにはたらきかけて動作させる(例えば、起動させる)ことにより実現される動作である。以下の説明では、連係動作をはたらきかけるアプリケーションを「連係元アプリ」といい、このはたらきかけに応じて動作するアプリケーションを「連係先アプリ」という。
なお、連係動作は、これ以外にも、2以上のアプリケーションが同時に動作したり共通のパラメータを用いて動作したりすることにより、アプリケーションが単独で動作したときとは別の機能が提供される動作であればよい。よって、アプリケーション同士の動作上のつながり方は様々な態様がありうる。
【0017】
図2は、利用履歴DB151の構成例を示す図である。図2に示すように、利用履歴DB151は、「連係元アプリ」と、「連係先アプリ」と、「利用履歴」という各情報を対応付けて格納したデータベースである。
「連係元アプリ」は、ユーザ端末10において連係元アプリとなりうるアプリケーションを示す。図2において「(利用可能)」と記された連係元アプリは、ユーザ端末10で利用可能なアプリケーションである。利用可能なアプリケーションは、具体的には、ユーザ端末10の記憶部15にインストール済みで、且つ、ユーザ端末10で動作させることが許可されたアプリケーションである。このようなアプリケーションのことを、ユーザ端末10において有効化されたアプリケーションという。一方で、図2には図示していないが、利用不可であるアプリケーションは、現時点で、ユーザ端末10で利用できないアプリケーションであり、具体的には、ユーザ端末10の記憶部15にインストールされていない(アンインストール済みを含む。)か、又は、記憶部15にインストール済みであるがユーザ端末10で動作させることが許可されていないアプリケーション(つまり、無効化されたアプリケーション)である。ユーザ端末10におけるアプリケーションの動作の許可又は不許可は、本実施形態では、ユーザが自由に設定変更できるものとする。アプリケーションの無効化は、バックグラウンドでのアプリケーションの動作によるリソースの消費の抑制などを目的として、例えばアプリケーションを一時的に利用不可にしておく場合に、ユーザにより設定される。
【0018】
図2において、「連係先アプリ」は、ユーザ端末10において連係先アプリとなりうるアプリケーションを示す。利用履歴DB151で対応付けられた連係元アプリと連係先アプリとは、ユーザ端末10において連係動作することが可能である。「利用履歴」は、アプリケーションの連係動作により提供される機能のユーザによる利用履歴を示す。本実施形態の「利用履歴」は、「利用日時」と「利用回数」とを含む。「利用日時」は、機能が利用された日時を示し、例えばユーザにより連係先アプリの動作が指示された日時を示す(図2では、図中右側ほど新しい利用日時を示す)。「利用回数」は、機能が利用された回数を示し、ここではユーザにより機能が利用された総回数を示す。ユーザ端末10では、連係動作により提供される機能が利用されるごとに、利用履歴DB151の利用履歴が更新される。
【0019】
アプリケーション管理情報152は、ユーザ端末10におけるアプリケーションの管理に関する情報である。アプリケーション管理情報152は、記憶部15にインストール済みのアプリケーションを示す情報や、アプリケーション毎の有効化又は無効化の設定を示す情報などを含む。
以上の構成を有するユーザ端末10は、ここではスマートフォンであり、図1に示す構成以外にも、撮影するためのカメラや音声の入出力を行うためのマイクロホン及びスピーカなど、通常のスマートフォンと共通の構成を有している。また、ユーザ端末10は、スマートフォン以外の、例えばタブレット型コンピュータや携帯電話機、パーソナルコンピュータ、PDA(Personal Digital Assistant)などの情報処理装置であってもよい。
次に、利用履歴DB151の構成を説明する。
ここで、図2に示したアプリケーションについて簡単に説明する。
【0020】
「メールアプリ」は、メーラとしての機能を提供するもので、電子メールの作成や送信などの電子メールに関する処理を行うためのアプリケーションである。「電話帳アプリ」は、電話帳機能を提供するもので、登録されたユーザの名前や電子メールアドレス、電話番号などの情報を参照するためのアプリケーションである。「電話アプリ」は、電話を掛ける(つまり、音声通信を行う)ためのアプリケーションである。「カメラアプリA」及び「カメラアプリB」は、それぞれ、ユーザ端末10が有するカメラを用いた撮影機能を提供し、撮影結果を示す写真画像を生成するためのアプリケーションである。「表示アプリ」は、メールアプリで送受信された電子メールを特定の表示態様(例えば、送受信相手毎の電子メールのやり取りの流れを表示する。)で表示するための表示機能を提供するアプリケーションである。「写真画像加工アプリ」は、カメラアプリBを用いて得られた写真画像を加工するためのアプリケーションである。
なお、本実施形態では、カメラアプリB、表示アプリ及び写真画像加工アプリは、連係元アプリにはならないものとする。またカメラアプリA、表示アプリ及び写真画像加工アプリは、単独動作することはなく、メールアプリとの連係動作のみに利用されるアプリケーションである。前掲のそれ以外のアプリケーションは、単独動作もするアプリケーションである。
【0021】
図3は、メールアプリの実行中に表示部14に表示される画面を示す図である。図3(a)は、電子メールの作成中に表示されるメール作成画面sc1を示す図である。メール作成画面sc1は、作成中の電子メールを表示する領域と、各種操作を行うためのソフトボタンが複数配置された領域とを含む。メール作成画面sc1において、「アプリ」と記されたソフトボタンb1がユーザにより操作されると、メール作成画面sc1は図3(b)に示す表示に変わる。このメール作成画面sc1は、メールアプリを連係元アプリとして連係動作することが可能なアプリケーションの一覧を示したウィンドウW1を含む。具体的に、ウィンドウW1には、アプリケーション管理情報152に基づいて、利用可能なアプリケーションのうち、メールアプリとの連係動作が可能な「電話帳アプリ」、「電話アプリ」、「カメラアプリA」、「カメラアプリB」及び「表示アプリ」と記されたソフトボタンb11〜b15が配置されている。ユーザは、操作部12の操作によりソフトボタンb11〜b15のいずれかを選択して、連係先アプリを選択する。
ここで、連係動作により提供される機能について簡単に説明する。
【0022】
まず、連係元アプリをメールアプリとした連係動作を説明する。連係先アプリを電話帳アプリとした場合、電子メールの送信先の電子メールアドレスを、電話帳アプリを用いて設定する機能が提供される。連係先アプリを電話アプリとした場合、電子メールの送信先として指定された相手に、電話アプリを用いて電話を掛ける機能が提供される(必要な電話番号は、例えば電話帳機能を用いて得られる)。連係先アプリを「カメラアプリA」とした場合、カメラアプリAにより得られた写真画像を作成中の電子メールに添付する機能が提供される。連係先アプリを「カメラアプリB」とした場合、カメラアプリBにより得られた写真画像を作成中の電子メールに添付する機能が提供される。連係先アプリを表示アプリとした場合、前述したように、メールアプリで送受信された電子メールを特定の表示態様で表示するための表示機能が提供される。
これ以外に、カメラアプリAを連係元アプリとし、連係先アプリを写真画像加工アプリとすれば、カメラアプリAで得られた写真画像を、写真画像加工アプリを用いて加工する機能が提供される。電話帳アプリや電話アプリが連係元アプリとなった場合にも、他のアプリケーションと連係動作することで、単独動作の場合とは別の機能が提供される。
次に、ユーザ端末10の機能構成を説明する。
【0023】
図4は、ユーザ端末10の制御部11の機能構成を示す機能ブロック図である。図4に示すように、ユーザ端末10の制御部11は、アプリケーション動作部111と、利用履歴更新部112と、利用履歴取得部113と、変更指示受付部114と、通知部115と、応答受付部116と、処理実行部117とに相当する機能を実現する。
アプリケーション動作部111は、ユーザ端末10で利用可能なアプリケーションを記憶部15から読み出し、読み出したアプリケーションを動作させる。アプリケーション動作部111は、アプリケーションを単独で動作させる場合もあれば、2以上のアプリケーションを連係動作させる場合もある。
利用履歴更新部112は、アプリケーション動作部111により行われたアプリケーションの連係動作に基づいて、利用履歴DB151を更新する。利用履歴更新部112は、連係動作が行われた連係元アプリと連係先アプリとに対応付けて、その利用日時を利用履歴DB151に格納するとともに利用回数を更新する(増加させる)。
【0024】
利用履歴取得部113は、利用履歴DB151に格納された連係動作の利用履歴を取得する。
変更指示受付部114は、第1のアプリケーションをユーザ端末10で利用不可又は利用可能に変更する変更指示を、操作部12の操作によりユーザから受け付ける。
【0025】
通知部115は、前述の第1のアプリケーションについて利用履歴取得部113が取得した利用履歴に基づいて、この第1のアプリケーションと連係動作する第2のアプリケーションの情報を、表示部14の表示によりユーザに通知する。通知部115は、例えば、ユーザ端末10で第1のアプリケーションと連係動作したことのある第2のアプリケーションを通知対象とする。ここにおいて、通知部115は、変更指示受付部114が第1のアプリケーションを利用不可(つまり、アンインストール又は無効化)にする変更指示を受け付けていた場合に、第2のアプリケーションをユーザ端末10で利用不可又は利用可能のいずれとするかをユーザに問い合わせるための通知を行う。
【0026】
応答受付部116は、通知部115による通知に対するユーザの応答を、ユーザの操作部12の操作により受け付ける。
処理実行部117は、応答受付部116が受け付けたユーザからの応答に従って処理を実行する。処理実行部117は、例えば、直接は利用不可に変更することが指示されていない第2のアプリケーションについて、ユーザの応答に従って、利用不可としたりそのまま利用可能としたりするよう、アプリケーション管理情報152を更新したり、アプリケーションのアンインストールなどを行ったりする。
【0027】
次に、ユーザ端末10の動作を説明する。以下では、アプリケーションを利用不可にすることがユーザに指示された場合のユーザ端末10の動作を説明するが、これとは別に、ユーザ端末10の制御部11は、連係動作により提供される機能の利用に応じて利用履歴DB151を更新したり、アプリケーション管理情報152を更新したりする。
【0028】
図5は、アプリケーションを利用不可にすることがユーザに指示された場合のユーザ端末10における処理の流れを示すフローチャートである。
ユーザ端末10の制御部11は、アプリケーションを利用不可に変更する変更指示を、操作部12の操作によりユーザから受け付ける(ステップSA1)。ここでは、制御部11がメールアプリをアンインストールする変更指示(以下、「アンインストール指示」という。)を受け付けたものとする。
【0029】
次に、制御部11は、変更指示を受け付けたアプリケーションを連係元アプリとした場合の、連係先アプリがあるか否かを判断する(ステップSA2)。制御部11は、アプリケーション管理情報152を参照して、連係先アプリの有無を判断する。ここではメールアプリのアンインストール指示を受け付けたから、制御部11は、ステップSA2の処理で「YES」と判断し、ステップSA3の処理に進む。
次に、制御部11は、変更指示を受け付けたアプリケーションについての利用履歴を、利用履歴DB151から取得する(ステップSA3)。ここでは、制御部11は、メールアプリとの連係動作が可能な電話帳アプリ、電話アプリ、カメラアプリA、カメラアプリB及び表示アプリの利用履歴を取得する。
【0030】
次に、制御部11は、ステップSA3で取得した利用履歴に基づいて、連係元アプリととともに利用不可の候補とする連係先アプリを、通知画面を表示部14に表示させてユーザに通知する(ステップSA4)。ここでは、制御部11は、(I)連係動作で提供された機能の利用回数が閾値(例えば、10回)以上であり、(II)現在日時から遡って所定期間内(例えば、過去2週間以内)にこの機能が利用され、且つ、(III)連係元アプリと最後に連係動作したアプリケーションを、連係先アプリとして通知対象とする。ここにおいて、(I),(II)及び(III)の条件を満たすアプリケーションは、「カメラアプリB」である。この(I),(II)及び(III)を通知の条件とすることで、連係元アプリをメールアプリとし、連係先アプリをカメラアプリBとして提供される機能が、メールアプリを用いた連係動作により提供される機能として、ユーザによって最近最もよく利用されている機能と推測できる。一方、電話帳アプリ、電話アプリ、カメラアプリA及び表示アプリは、(I),(II)及び(III)のいずれかの条件を満たさないので、ここでは通知対象とならない。
【0031】
図6は、メールアプリのアンインストール指示があった場合の通知画面sc2を示す図である。
図6に示すように、通知画面sc2は、アンインストールの候補とするアプリケーションの一覧を含み、各アプリケーションを利用可能又は利用不可のいずれとするかをユーザに問い合わせるための画面である。具体的に、通知画面sc2は、「メールアプリを削除すると、カメラアプリBが使用できなくなります。以下の中から対処方法を選択してください。」というメッセージのほか、「メールアプリだけを削除する」と記されたソフトボタンb21と、「メールアプリとカメラアプリBの両方を削除する」と記されたソフトボタンb22と、「メールアプリとカメラアプリBの両方を削除しない」と記されたソフトボタンb23を含むウィンドウW2を含む。
【0032】
ユーザ端末10が連係先アプリの情報を通知する理由は、変更指示を受け付けたアプリケーションのアンインストールにより、ユーザが知らないうちに、よく利用している連係動作による機能が利用できなくなってしまうことを回避し、また、連係動作に用いられるアプリケーションが無駄に記憶部15に残ってしまうことを回避するためである。一方で、その他の機能については、ユーザにあまり利用されていない連係動作による機能が利用できなくなってしまっても、ユーザにおいて支障を来たす可能性が低いので、ここではその機能を通知対象としないようにしている。このようにユーザにより利用されないか、又は、ほとんど利用されていない連係先アプリについては通知対象とならない。これにより、ユーザに通知される情報の量が膨大になったり、ユーザが応答操作するべき操作量が過大になったりすることを回避できる。
【0033】
ここでユーザは、自身が指示したアプリケーションのみをアンインストールしようとした場合は、「メールアプリだけを削除する」と記されたソフトボタンb21を選択する。メールアプリのほか、このメールアプリとともに連係動作によりよく利用していたアプリケーションも同時にアンインストールしようとしたユーザは、「メールアプリとカメラアプリBの両方を削除する」と記されたソフトボタンb22を選択する。メールアプリをアンインストールしようとしたが、この連係動作による機能を今後も利用したいと考えたユーザは、「メールアプリとカメラアプリBの両方を削除しない」と記されたソフトボタンb23を選択する。
【0034】
図5に戻って説明する。
制御部11は、通知画面sc2におけるソフトボタンb21〜b23のいずれかが選択されるまで待機し、いずれかを選択する操作を受け付けると、ステップSA4の通知に対するユーザからの応答を受け付ける(ステップSA5)。
次に、制御部11は、通知画面sc2を用いたユーザからの応答に従った処理を実行する(ステップSA6)。ここでは、制御部11は、ソフトボタンb21〜b23のうちの選択されたボタンに従って処理を実行する。ソフトボタンb21が選択された場合、制御部11は記憶部15に記憶されたメールアプリをアンインストールする。ソフトボタンb22が選択された場合、制御部11は記憶部15に記憶されたメールアプリ及びカメラアプリをアンインストールするとともに、ここでは、通知対象とならなかったアプリケーションのうち、連係元アプリとならず、且つ、単独で動作しないアプリケーション(ここでは、表示アプリ)も同時にアンインストールする。ソフトボタンb23が選択された場合、制御部11は、メールアプリ及びカメラアプリを含めアプリケーションのアンインストールしない。
【0035】
ここにおいて、制御部11は、ソフトボタンb22が選択された場合、通知対象とならなかった表示アプリも自発的にアンインストールする。表示アプリは連係動作が利用されることが少ないので、メールアプリ及びカメラアプリBをアンインストールするとユーザが考えた場合に、この表示アプリを用いた機能が利用できなくなることによる不都合は比較的少ないと推測できるからである。一方で、連係元アプリとなるか、又は、単独で動作するアプリケーションをアンインストールの対象としない理由は、今回アンインストールされる連係元アプリとの連係動作以外でも利用される可能性があるためであり、ユーザが知らないうちに必要なアプリケーションがアンインストールされるのを防ぐためである。
ところで、ステップSA2の処理で、制御部11が、連係先アプリが無いと判断した場合には(ステップSA2;NO)、アンインストール指示を受け付けたアプリケーションのみをアンインストールする(ステップSA7)。
以上が、ユーザ端末10の動作の説明である。以上の説明では、ユーザ端末10がアプリケーションのアンインストール指示を受け付けた場合の、連係元アプリ及び連係先アプリのアンインストールの手順を説明した。これに対し、ユーザ端末10がアプリケーションを無効化する変更指示を受け付けた場合は、上述した説明における「アンインストール」や「削除」を、「無効化」と読み替えることにより説明することができる。また、ユーザ端末10は、変更指示がアンインストール指示である場合に、連係元アプリについてはアンインストールするが、連係先アプリについては無効化に設定変更するなど、連係元アプリと連係先アプリとで、利用不可にする処理態様を異ならせてもよい。
【0036】
以上説明した実施形態では、ユーザ端末10は、連係元アプリを利用不可にすることが指示されると、その連係元アプリと連係動作する連係先アプリの利用履歴に応じて、その連係先アプリの対処の方法についてユーザに問い合わせる。これにより、例えばユーザがよく利用している連係動作により提供される機能をうっかり忘れていて、今後も使用した連係動作に関わるアプリケーションを誤って利用不可にしてしまう可能性を抑えられる。また、ユーザ端末10によれば、連係先アプリが連係動作でしか利用できない場合に、連係元アプリのみがユーザの意図しないうちに残ってしまい、記憶部15の記憶容量を無駄に消費することを防ぐこともできる。また、ユーザ端末10は、ユーザにあまり利用されていないアプリケーションについて、ここでは通知対象としないので、通知画面においてユーザに強いられる操作負担が過大になることもない。
【0037】
[変形例]
本発明は、上述した実施形態と異なる形態で実施することが可能である。本発明は、例えば、以下のような形態で実施することも可能である。また、以下に示す変形例は、各々を適宜に組み合わせてもよい。
(変形例1)
上述した実施形態では、ユーザ端末10は、(I)連係動作で提供された機能の利用回数が閾値以上であり、(II)現在日時から遡って所定期間内にこの機能が利用され、且つ、(III)連係元アプリと最後に連係動作したアプリケーションを、連係先アプリとして通知対象としていたが、これ以外の条件に基づいて通知対象の連係先アプリを決定してもよい。
例えば、ユーザ端末10は、(I)から(III)のいずれか1つ又は2つを満たすことを条件としてもよい。例えばユーザ端末10は、現在日時から遡って所定期間内(例えば、過去1週間以内)に連係動作したことのみを条件とすれば、たとえ利用回数が少なくとも、最近になってユーザが利用しだした連係先アプリの情報を通知する(この場合、表示アプリが通知対象となる)。また、利用回数のみを通知条件とすれば、ユーザ端末10は、過去によく利用している機能の情報を通知することとなる(この場合、電話帳アプリが通知対象となる)。また、最後に連係動作したことを条件としても、ユーザ端末10は、たとえ利用回数が少なくとも、アプリケーション毎に最も近い時期に利用した連係先アプリの情報を通知することができる(この場合、カメラアプリBが通知対象となる)。
【0038】
また、ユーザ端末10は、(I)から(III)に関する複数条件を用いた重みづけ演算により通知対象を決めてもよい。例えば、ユーザ端末10は、連係動作した時期が近いほど重みづけを大きくし、連係動作した回数が多いほど重みづけを大きくし、また、アプリケーション毎に、より近い時期に利用した場合ほど重みづけを大きくして、予め決められた演算により重みづけ演算の結果を算出する。そして、ユーザ端末10は、この演算結果に応じたアプリケーションを通知する。
なお、ユーザ端末10は、前掲の利用履歴以外に、アプリケーションの利用頻度などの、ユーザの連係動作で提供される機能の利用度合いの高低を表す利用履歴を用いるようにしてもよい。
【0039】
(変形例2)
上述した実施形態では、ユーザ端末10は、連係元アプリと連係先アプリとの関係をアプリケーション管理情報152で保持していたが、連係元アプリと連係先アプリとの関係を記憶部15で保持しない構成であってもよい。ユーザ端末10は、例えば暗黙的インテントなどと呼ばれる手法を利用して、連係元アプリと連係先アプリとの関係を特定してもよい。要するに、ユーザ端末10は、上述した実施形態のように、連係先アプリを直接指定することに代えて、“写真を撮る”、“電話を掛ける”などの、連係動作において連係先アプリに要求する動作を指示する(つまり、アプリケーションを間接的に指定するような態様である)。この場合、制御部11は、連係元アプリにより動作要求に応じた動作が可能なアプリケーションを探し出して、ユーザにアプリケーションの選択肢を提示する。ユーザは提示された機能の中から実行したいものがあれば、その場でアプリケーションを呼び出して動作させることができる。
なお、本実施形態では、ユーザ端末10は、連係元アプリと連係先アプリとの対応関係を規定するデータを保持していなくてもよい。
【0040】
図7は、本変形例のユーザ端末10の制御部11の機能構成を示す機能ブロック図である。図7に示すように、ユーザ端末10の制御部11は、アプリケーション動作部111と、利用履歴更新部112と、利用履歴取得部113と、変更指示受付部114と、通知部115と、応答受付部116と、処理実行部117と、特定部118とに相当する機能を実現する。
特定部118は、第1のアプリケーションによる連係動作の要求に基づいて、この第1のアプリケーションと連係動作する第2のアプリケーションを特定する。
アプリケーション動作部111は、第1のアプリケーションを自装置で利用不可に変更する場合に、この第1アプリケーションにより連係動作の要求を行わせる。
通知部115は、特定部118により特定された第2のアプリケーションの情報を通知する。
ここで説明しなかった制御部11の機能は、基本的には上述した実施形態と同じでよい。
【0041】
図8は、アプリケーションを利用不可にすることがユーザに指示された場合の、ユーザ端末10における処理の流れを示すフローチャートである。以下の説明で図5と同じ符号を付した処理ステップでは、同じ処理が実行されるので、ここではその説明を省略する。
ユーザ端末10の制御部11は、アプリケーションを利用不可にする変更指示を受け付けると(ステップSA1)、このアプリケーションに連係動作の要求を行わせる(ステップSA8)。そして、制御部11は、ステップSA8の処理で要求した連係動作が可能なアプリケーションを特定する(ステップSA9)。ユーザ端末10は、アプリケーションがインストールされたときに、このアプリケーションで実現可能な動作の情報を、例えばOS(Operating System)の機能を利用して保持している。そして、制御部11は、この情報に基づいて、連係動作が可能なアプリケーションを特定する。制御部11は、この特定結果に応じた連係先アプリに基づいて、上述した実施形態と同様にして、ステップSA2以降の処理を実行する。
【0042】
この変形例によれば、ユーザ端末10は、連係元アプリと連係先アプリとの対応関係を規定するアプリケーション管理情報152を保持したり、アプリケーション管理情報152に相当する情報を参照したりしなくてもよい。
【0043】
(変形例3)
上述した実施形態において、ユーザ端末10は、連係先アプリの単独動作が可能であるか否かに応じて、通知する情報を異ならせてもよい。例えば、連係先アプリの単独動作が可能であれば、ユーザがそのアプリケーションを連係動作で利用しなくとも、単独で利用する場合もあるので、ユーザの連係先アプリに対する対処方法に影響することがある。そこで、制御部11は、ステップSA4の処理で、図9に示す通知画面sc3を表示させることとなる。図9に示す通知画面sc3は、変更指示がアンインストール指示である場合の通知画面である。
図9に示すように、通知画面sc3は、「メールアプリを削除すると、カメラアプリBが使用できなくなりますが、カメラアプリBは単独で使用することもできます。以下の中から対処方法を選択してください。」というメッセージのほか、「メールアプリだけを削除する」と記されたソフトボタンb31と、「すべてのアプリを削除する」と記されたソフトボタンb32と、「すべてのアプリを削除しない」と記されたソフトボタンb33を含むウィンドウW3を含む。ここでユーザは、今後も単独でカメラアプリBを利用すると考えて、自身が指示したアプリケーションのみをアンインストールしようとした場合は、「メールアプリだけを削除する」と記されたソフトボタンb31を選択する。メールアプリのほか、このメールアプリとともに単独でもカメラアプリBを利用せず同時にアンインストールしようとしたユーザは、「メールアプリとカメラアプリBの両方を削除する」と記されたソフトボタンb32を選択する。メールアプリをアンインストールしようとしたが、この連係動作による機能を今後も利用したいと考えたユーザは、「すべてのアプリを削除しない」と記されたソフトボタンb33を選択する。
なお、本変形例においても、制御部11は、通知対象としなかったアプリケーションのうち、連係元アプリになりえないものは利用不可に変更してもよい。
【0044】
この変形例によれば、ユーザが連係先アプリの単独動作ができることを知らないで、誤ってアプリケーションを利用不可にしてしまう可能性を抑制できる。
また、この変形例において、ユーザ端末10は、アプリケーションの単独動作の利用履歴を利用履歴DB151などで管理し、この利用履歴に応じて、最近の利用度合いが一定レベル以上である場合に、単独動作に関する通知をしてもよい。また、ユーザ端末10は、連係先アプリの単独動作が可能であれば、その旨の通知も含めて通知してもよい。
【0045】
(変形例4)
上述した実施形態において、ユーザ端末10は、変更指示のあった連係元アプリと連係動作する連係先アプリだけでなく、この連係先アプリを、連係元アプリとした場合の連係先アプリ(第3アプリケーション)の情報も通知してもよい。例えば、図3に示す写真画像加工アプリは、メールアプリとは連係動作しないものの、カメラアプリAと連係動作するものである。よって、メールアプリのアンインストール指示によりカメラアプリAがアンインストールされる場合には、これもアンインストールされることが好ましいと考えることもできる。
【0046】
そこで、制御部11は、ステップSA4の処理においては、通知条件を満たした連係先アプリを連係元アプリとした場合の連係先アプリも、通知条件を満たすものとして扱い、通知対象とする。この場合、制御部11は、図10に示す通知画面をステップSA4の処理で表示させることとなる。図10に示す通知画面sc4は、変更指示がアンインストール指示である場合の通知画面である。
図10に示すように、通知画面sc4は、「メールアプリを削除すると、カメラアプリBと、カメラアプリBで使用できる写真画像加工アプリが使用できなくなります。以下の中から対処方法を選択してください。」というメッセージのほか、「メールアプリだけを削除する」と記されたソフトボタンb41と、「すべてのアプリを削除する」と記されたソフトボタンb42と、「すべてのアプリを削除しない」と記されたソフトボタンb43を含むウィンドウW4を含む。ここでユーザは、自身が指示したアプリケーションのみをアンインストールしようとした場合は、「メールアプリだけを削除する」と記されたソフトボタンb41を選択する。メールアプリのほか、このメールアプリとともに連係動作によりよく利用していたアプリケーションも同時にアンインストールしようとしたユーザは、「すべてのアプリを削除する」と記されたソフトボタンb42を選択する。メールアプリをアンインストールしようとしたが、この連係動作による機能を今後も利用したいと考えたユーザは、「すべてのアプリを削除しない」と記されたソフトボタンb43を選択する。
なお、本変形例においても、ユーザ端末10は、通知対象とならなかったアプリケーションのうち、連係元アプリになりえず、且つ、単独起動できないものは利用不可に変更してもよい。
この変形例のユーザ端末10によれば、連係先の連係先といったアプリケーションで不要なものが記憶部15に残ってしまう可能性を抑制できる。
【0047】
(変形例5)
また、ユーザ端末10は、通知対象とする連係先アプリの数を1つに限るのではなく、複数としてもよい。例えば、ユーザ端末10は、最後に利用されたものに限らず、最近の所定回数に連係動作させた複数の連係先アプリ通知対象としてもよいし、所定期間内に利用されたすべてのアプリケーションを通知対象としてもよい。この場合、図6図9及び図10に示す通知画面sc4に相当する通知画面は、通知対象の各アプリケーションについての対処をユーザに問い合わせる内容となる。
また、ユーザ端末10は、連係元アプリ毎に一部の連係先アプリだけを通知するのではなく、すべての連係先アプリを通知してもよい。
このようにユーザ端末10は、連係先アプリの通知条件として、どのような条件を採用してもよいが、利用不可にする変更指示のあった連係元アプリと連係動作したことのある連係先アプリを通知対象とすることが好ましい。
【0048】
(変形例6)
上述した実施形態では、ユーザ端末10は、アプリケーションを利用不可にする変更指示を受け付けたときに、連係先アプリの情報を通知していたが、アプリケーションを利用可能に変更する(つまり、インストール又は有効化する)変更指示を受け付けたときに、連係先アプリの情報を通知してもよい。この変形例のユーザ端末10の具体的な動作は、図11に示すとおりである。
【0049】
図11は、アプリケーションを利用可能にすることがユーザに指示された場合のユーザ端末10における処理の流れを示すフローチャートである。
ユーザ端末10の制御部11は、アプリケーションを利用可能に変更する変更指示を、操作部12の操作によりユーザから受け付ける(ステップSB1)。ここでは、制御部11がメールアプリをインストールする変更指示(以下、「インストール指示」という。)を受け付けたものとする。
【0050】
次に、制御部11は、変更指示を受け付けたアプリケーションを連係元アプリとした場合の連係先アプリがあるか否かを判断する(ステップSB2)。制御部11は、例えば利用履歴DB151を参照して連係先アプリの有無を判断する。ここでは、メールアプリをインストールするインストール指示を受け付けたから、制御部11はステップSB2の処理で「YES」と判断し、ステップSB3の処理に進む。
次に、制御部11は、変更指示を受け付けたアプリケーションについての利用履歴を、利用履歴DB151から取得する(ステップSB3)。ここでは、制御部11は、メールアプリとの連係動作が可能な電話帳アプリ、電話アプリ、カメラアプリA、カメラアプリB及び表示アプリの利用履歴を取得する。
【0051】
次に、制御部11は、ステップSB3で取得した利用履歴に基づいて、連係元アプリととともに利用可能の候補とする連係先アプリを、通知画面を表示部14に表示させてユーザに通知する(ステップSB4)。ここでは、制御部11は、(I)連係動作で提供された機能の利用回数が閾値(ここでは、10回)以上であり、(II)現在日時から遡って所定期間内(例えば、過去3ヶ月以内)に利用され、(III)連係元アプリと最後に連係動作したアプリケーションを、連係先アプリとしての通知対象とする。
【0052】
図12は、メールアプリを利用可能にする場合の通知画面を示す図である。
図12に示すように、通知画面sc5は、利用可能に変更する候補のアプリケーションの一覧を含み、各アプリケーションを利用可能又は利用不可のいずれとするかをユーザに問い合わせるための画面である。具体的に、通知画面sc5は「メールアプリを追加すると、カメラアプリBを使用できます。以下の中から対処方法を選択してください。」というメッセージのほか、「メールアプリを追加する」と記されたソフトボタンb51と、「メールアプリを追加し、カメラアプリBを有効化する」と記されたソフトボタンb52とを含むウィンドウW5を含む。
【0053】
ここで、(I)から(III)の条件を満たす連係先アプリの情報を通知する理由は、今回のアプリケーションのインストールにより、ユーザが以前によく利用していた連係動作による機能が利用できるように予め通知されるようにするためである。一方で、利用回数が閾値未満であるアプリケーション、現在日時から遡って所定期間内に利用されていないアプリケーション、又は、利用可能に変更するアプリケーションと最後に連係していないアプリケーションを通知しない理由は、ユーザがあまり利用していない機能が利用できるようになっても、ユーザのメリットは少なく、通知される情報が膨大になる可能性があるためである。このように、ユーザ端末10は、ユーザにより利用されない、又は、ほとんど利用されていない連係先アプリについては通知対象としない。
【0054】
図12に戻って説明する。
制御部11は、通知画面sc5におけるソフトボタンb51又はb52のいずれかが選択されるまで待機し、いずれかを選択する操作を受け付けると、ステップSB4の通知に対するユーザからの応答を受け付ける(ステップSB5)。
次に、制御部11は、通知画面を介したユーザからの応答に従った処理を実行する(ステップSB6)。ここでは、制御部11は、ソフトボタンb51〜b52の選択されたボタンに従って処理を実行する。ソフトボタンb51が選択された場合、制御部11は記憶部15に記憶されたメールアプリをインストールする。ソフトボタンb52が選択された場合、制御部11はメールアプリをインストールし、且つ、無効化されていたカメラアプリBを有効化する。
【0055】
ところで、ステップSB2の処理で、制御部11が、連係先アプリが無いと判断した場合には(ステップSB2;NO)、インストール指示を受け付けたアプリケーションをインストールする(ステップSB7)。
また、以上の動作説明では、ユーザ端末10がアプリケーションのインストール指示を受け付けた場合の連係元アプリ及び連係先アプリのインストールの手順を説明したが、ユーザ端末10がアプリケーションを有効化に変更する変更指示を受け付けた場合、以上の説明のうち、アプリケーションの「追加」や「インストール」を「有効化」と読み替えることにより説明することができる。また、以上の動作説明では、ユーザ端末10がアプリケーションを利用可能にする場合に、このアプリケーションを連係元アプリとしたときの連係先アプリを無効化から有効化に変更していた。これ以外にも、ユーザ端末10は、例えば所定のサーバにアクセスするなどして、この連係先アプリをインストールすることができるのであれば、連係先アプリを記憶部16にインストールしてから有効化してもよい。
なお、この変形例においても、ユーザ端末10は、例えば、変形例(1)でも説明したような、様々な手法で通知対象の連係先アプリを決めてもよいし、変形例(2)のような動作要求を用いて連係先アプリを特定してもよく、利用不可に変更する場合の処理を適宜採用することができる。
【0056】
(変形例7)
上述した実施形態において、ユーザ端末10は、連係先アプリのうち連係元アプリ(例えば、電話帳アプリや電話アプリ)となりうるものや、単独動作が可能な連係先アプリ(例えば、カメラアプリB)については、連係元アプリを利用不可に変更するときの通知対象としないようにしてもよい。連係動作以外でも利用可能なアプリについては、様々な目的で利用される可能性があるので、必ずしも、連係アプリを利用不可にするときに同時に利用不可にすることが好ましいわけではないと考えられるからである。このようにすればユーザが必要なアプリケーションについての通知が増大することを抑えられる。
また、ユーザ端末10は、利用履歴DB151を参照して連係元アプリとしての利用履歴や単独動作での利用履歴に基づいて、この通知の有無を判断してもよい。
【0057】
(変形例8)
上述した実施形態において、ユーザ端末10がアプリケーション管理情報152を記憶していたが、これに相当する情報を外部装置が記憶しており、ユーザ端末10は通信部13の通信により、この外部装置からアプリケーション管理情報を取得してもよい。
例えば、外部装置がアプリケーションを販売するなどして提供するサーバ装置であれば、提供したアプリケーションの情報をユーザ毎に保持していることがある。そこで、ユーザ端末10は、このサーバ装置と通信してアプリケーション管理情報を取得すればよい。また、ユーザ端末10は、自装置内で利用履歴DB151を記憶していなくてもよく、外部装置が記憶していてもよい。この場合、ユーザ端末10は、連係動作による機能を利用する毎にその旨を外部装置に通知して、利用履歴DBを更新させるとよい。
【0058】
(変形例9)
上述した実施形態では、ユーザ端末10はユーザによる変更指示に従って利用可能又は利用不可を変更していたが、この変更指示の受け付け以外の契機に変更してもよい。例えば、ユーザ端末10は、あまり利用されなくなったアプリケーションを自動で判別して、このアプリケーションを利用不可に変更してもよい。また、ユーザ端末10は、ユーザがよく利用する機能からお勧めのアプリケーションを推奨する場合に、このアプリケーションを利用可能に変更してもよい。このような契機に、ユーザ端末10は、前述のような利用履歴に基づいた連係先アプリの情報を通知してもよい。
【0059】
(変形例10)
ユーザ端末10が通知するアプリケーション(連係元アプリや連係先アプリ)の情報は、アプリケーションを利用不可又は利用可能のいずれとするかをユーザに問い合わせるものに限らない。ユーザ端末10は、例えばアプリケーション名を表示するだけであってもよいし、利用履歴に応じてユーザがどの程度機能を利用しているかを通知するものであってもよい。このように、ユーザ端末10は、変更指示を受け付けたアプリケーションを用いた連係動作の存在をユーザに知らしめるための通知を行えばよい。
【0060】
(変形例11)
上述した実施形態では、利用履歴DB151は、連係元アプリと連係先アプリとに対応付けて利用履歴を格納していたが、“電子メールの作成中の撮影により得た写真画像の添付”とか、“電子メールの送信先の電子メールアドレスを、電話帳アプリを用いて設定する”といったような、連係動作により提供される機能に対応付けて利用履歴を格納してもよい。このようにすれば、共通の機能が提供される連係動作の種類(言い換えれば、アプリケーションの組み合わせ)が複数ある場合であっても、ユーザ端末10は、連係動作により提供される機能毎の利用履歴を参照することができる。
【0061】
(変形例12)
上述した実施形態において、連係動作するアプリケーションはいわゆる疎結合なアプリケーションであるが、本発明において連係動作するアプリケーションは、少なくとも、他のアプリケーションと連係して動作することにより機能が提供されるものであればよい。
ユーザ端末10の制御部11が実現する各機能は、複数のプログラムの組み合わせによって実現され、又は、複数のハードウェア資源の協働によって実現されうる。
また、本発明の情報処理装置は、コンピュータや制御部11が実行するプログラムや情報通知方法として把握することも可能である。
【符号の説明】
【0062】
10…ユーザ端末、11…制御部、111…アプリケーション動作部、112…利用履歴更新部、113…利用履歴取得部、114…変更指示受付部、115…通知部、116…応答受付部、117…処理実行部、118…特定部、12…操作部、13…通信部、14…表示部、15…記憶部、151…利用履歴DB、152…アプリケーション管理情報
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12