特許第6051024号(P6051024)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6051024
(24)【登録日】2016年12月2日
(45)【発行日】2016年12月21日
(54)【発明の名称】エンドシール装置及び包装体
(51)【国際特許分類】
   B65B 51/10 20060101AFI20161212BHJP
   B65D 75/46 20060101ALI20161212BHJP
【FI】
   B65B51/10 A
   B65D75/46
【請求項の数】5
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2012-253076(P2012-253076)
(22)【出願日】2012年11月19日
(65)【公開番号】特開2014-101123(P2014-101123A)
(43)【公開日】2014年6月5日
【審査請求日】2015年11月8日
(73)【特許権者】
【識別番号】000206093
【氏名又は名称】大森機械工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100092598
【弁理士】
【氏名又は名称】松井 伸一
(72)【発明者】
【氏名】藤村 健
【審査官】 西堀 宏之
(56)【参考文献】
【文献】 実開昭54−067116(JP,U)
【文献】 特開2007−106486(JP,A)
【文献】 特開平03−148426(JP,A)
【文献】 特開2003−040287(JP,A)
【文献】 米国特許第02390550(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65B 51/00−51/32
B65B 9/00− 9/24
B65D 75/46
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
包装フィルムを挟んで配置される一対のシーラを備え、そのシーラを移動させて先端のシール面同士で前記包装フィルムを加熱するとともに加圧して熱シールするエンドシール装置であって、
その一対のシーラのうちの一方のシーラのシール面には、前記包装フィルムの幅方向に延びる凸条を設け、
前記一対の他方のシーラのシール面には、前記凸条に対向する位置に凹溝を設け、
前記シーラで前記包装フィルムを加熱するとともに加圧する際に、前記凸条と前記凹溝は隙間が確保され、その隙間内に位置する前記包装フィルムのフィルム部位は、前記凸条に沿って成型されるように構成され、
前記シール面にはシール目が形成され、
前記凸条の高さは、前記シール目の高さよりも高くすることを特徴とするエンドシール装置。
【請求項2】
前記一対のシーラのシール面を対向させた状態を保持しながらそのシーラを所定の軌跡で移動させる駆動機構を備えたことを特徴とする請求項1に記載のエンドシール装置。
【請求項3】
前記シール面は、前記包装フィルムの進行方向の中央位置から前方及び後方に向けてそれぞれ傾斜する傾斜面としたことを特徴とする請求項1または2に記載のエンドシール装置。
【請求項4】
前記凸条は、前記包装フィルムの進行方向の前方端側及び後方端側にそれぞれ設けたことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のエンドシール装置。
【請求項5】
筒状に製袋した包装フィルムの両側縁を貼り合わせてセンターシール部とするとともに、そのセンターシール部と交差方向の両端開口を熱シールしてトップシール部を形成してなる包装体において、
前記トップシール部は、前記交差方向に延びるコシ付け部を有し、
前記コシ付け部は、前記トップシール部の根本付近に形成されるものであり、加熱されて前記トップシール部の表面側或いは裏面側に突出する湾曲部が前記交差方向に一直線に延びるように配置され、
前記湾曲部の高さは前記トップシール部に形成される前記交差方向に延びるシール目の高さよりも高くしたことを特徴とする包装体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、包装フィルムを筒状に製袋し、その筒状に製袋した包装フィルム内に製品を供給後、製品の前後において包装フィルムをシールするエンドシール装置及び包装体に関する。
【背景技術】
【0002】
包装体の形態には多種多様のものがあるが、その中の一つとしてピロー包装体がある。このピロー包装体は、帯状の包装フィルムを製袋器に通過させることで筒状に製袋し、その包装フィルムの進行方向両端縁同士をシール(センターシール)することで筒状フィルムとし、更に、その筒状フィルム内に被包装物を内包させると共に前後の被包装物間のフィルム部位を筒状フィルムの進行方向と直交する方向にシール(エンドシール)するとともにカットすることで製造される。
【0003】
このようにして製造された包装体1は、図1に示すように、内部に被包装物2を内包すると共に、1本のセンターシール部と、両端に形成されるトップシール部4により密封された形態を採る。
【0004】
係るピロー包装体のトップシール部4を形成するエンドシール装置は、上下一対のシーラを備え、そのシーラのシール面の中央部に凹溝が形成されている。そして、下側のシーラの凹溝内に、カッターが配置されている。このカッターは、シーラに対して相対的に上下移動可能となっている。これにより、一対のシーラにて筒状フィルムを挟み込むことでシールすることができ、更に、カッターが上昇してその先端がシール面よりも上方に突出することにより筒状フィルムのシール部位をカットする。この種のエンドシール装置は、例えば特許文献1の従来の技術等に開示されている。
【0005】
また、シール面には、所定パターンの凹凸からなるシール目が形成される。このシール目は、上下が互い違いに成り、上側のシーラのシール面の凸の部分は下側のシーラのシール面では凹となり、上下の凹凸でフィルム部位をしっかり挟み込んで加熱しながら加圧し、フィルムの片面に形成したシーラント面を溶融して密着・一体化してシールするようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2008−239165公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従来の包装体は、トップシール部4が幅方向に波打ちしてしまうことがあり、見栄えが悪くなる。この現象は、例えばフィルムの厚さが幅方向に均一ではなくて偏肉しており、加圧力が幅方向に均一に加わらずにストレスがかかるのが原因の一つと考えられる。また、シーラは内部にシール部の幅方向にヒータが配置され、そのヒータから発する熱が拡散してシール面に伝わり、そのシール面の熱によりフィルム部位が加熱される。よって、ヒータから発する熱が、そもそも部分的にばらついて均一でなかったり、仮にヒータから発する熱は全体で均一であったとしてもヒータからシール面までの距離が一定でなかったりヒータの熱伝導率がばらついているなどして、フィルムに接触するシール面全体での温度分布が一定でないこともあり、フィルム全体が均一に加熱されないこともフィルムの浪打の原因と考えられる。
【0008】
係る現象は、従前からあったものの、トップシール部は包装体全体での見た目の悪さの比重が少なく、着目されていなかったのが実情である。すなわち、例えば包装体の前面などは、被包装物の商品名や各種の広告・デザインが施されていることもあり、皺が寄ったり、波打ったりするのは好ましくないが、トップシール部はそもそも包装体の端部であり、その存在自体もあまり目立たず、上記の商品名や各種の広告等もされないことから多少波打っていてもそのまま良品として処理されていた。
【0009】
一方、例えば個別包装した包装体を複数用意し、その複数の包装体を包装する集合包装体の態様も各種ある。昨今では、集合包装体で包装される包装体の個数が少なく、また、集合包装体の全体のパッケージは透明で内部に収納された包装体の状態が外部から見えるものがある。この場合、個々の包装体自体も宣伝効果の一つとなり、個々の包装体の見栄えも重要な要素となる。すると、トップシール部の波打ち形態が見栄えが悪く、好ましくないとされるようになり、波打ちのないあるいは波打ちの程度が少なくあまり目立たないトップシール部を形成するエンドシール装置及び係るトップシール部を備えた包装体が欲しいという課題が生じる。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上述した課題を解決するため、本発明のエンドシール装置では、(1)包装フィルムを挟んで配置される一対のシーラを備え、そのシーラを移動させて先端のシール面同士で前記包装フィルムを加熱するとともに加圧して熱シールするエンドシール装置であって、その一対のシーラのうちの一方のシーラのシール面には、前記包装フィルムの幅方向に延びる凸条を設け、前記一対の他方のシーラのシール面には、前記凸条に対向する位置に凹溝を設け、前記シーラで前記包装フィルムを加熱するとともに加圧する際に、前記凸条と前記凹溝は隙間が確保され、その隙間内に位置する前記包装フィルムのフィルム部位は、前記凸条に沿って成型されるように構成され、前記シール面にはシール目が形成され、前記凸条の高さは、前記シール目の高さよりも高くするようにした。
【0011】
このようにすると、一対のシーラ(シール面)で加圧・加熱されて形成されるトップシール部には、凸条と凹溝間の隙間に位置するフィルム部位が凸条の表面に沿って包装フィルムの幅方向に延びるように成型される。よって、係るトップシール部に形成される成型部位によりフィルムにコシがでて、トップシール部に幅方向への波打ちが抑制され、製品の仕上がりも良くなる。
【0012】
(2)前記一対のシーラのシール面を対向させた状態を保持しながらそのシーラを所定の軌跡で移動させる駆動機構を備えるとよい。このようにすると、シール面のほぼ全面が同時にフィルムに接触するため、トップシール部の全面に対するシール面による加熱・加圧処理をしつつ、凸条と凹溝間の隙間によるフィルム部位の成型ができるのでよい。
【0013】
本発明では、前記シール面にはシール目が形成され、前記凸条の高さは、前記シール目の高さよりも高くしたため、そのシール目の高さよりも凸条を高くすることで、フィルムにコシを付けるためにしっかりと成型することができる。
【0014】
(3)前記シール面は、前記包装フィルムの進行方向の中央位置から前方及び後方に向けてそれぞれ傾斜する傾斜面とするとよい。
【0015】
(4)前記凸条は、前記包装フィルムの進行方向の前方端側及び後方端側にそれぞれ設けるとよい。このようにすると、トップシール部の根元部分(本体近傍側)に凸条に沿う成型部位(実施形態の湾曲部41bに対応)が形成され、コシが強く波打の発生がより抑制される。
【0016】
(5)本発明に係る包装体は、筒状に製袋した包装フィルムの両側縁を貼り合わせてセンターシール部とするとともに、そのセンターシール部と交差方向の両端開口を熱シールしてトップシール部を形成してなる包装体において、前記トップシール部は、前記交差方向に伸びるコシ付け部を有するものを前提とする。コシ付け部は、実施形態の湾曲部41bに対応する。コシ付け部を有することで、トップシール部にコシが出て幅方向への波打ちが抑制され、製品の仕上がりも良くなる。
【0017】
上述した前提において、前記コシ付け部は、前記トップシール部の根本付近に形成されるものであり、加熱されて前記トップシール部の表面側或いは裏面側に突出する湾曲部が前記交差方向に一直線に延びるように配置され、前記湾曲部の高さは前記トップシール部に形成される前記交差方向に延びるシール目の高さよりも高くした。トップシール部の表面とは、包装体をおいた場合に上側に位置する面であり、トップシール部の裏面とは包装体をおいた場合に下側に位置する面である。実施形態では、コシ付け部は、表面側に突出する湾曲部により構成したが、それとは逆に下側に突出する形態としても良い。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、波打ちのないあるいは波打ちの程度が少なくあまり目立たないトップシール部を形成することができ、包装体の製品価値が高くなる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】従来の装置を用いて製造された包装体を示す斜視図である。
図2】本発明に係るエンドシール装置が組み込まれたピロー包装機の一例を示す正面図である。
図3】エンドシール装置の要部(一対のシーラ)を示す拡大図である。
図4】(a)はシール状態におけるシール面を拡大して示す図であり、(b)は一対のシーラが離反した状態におけるシール面を示す図である。
図5】本実施形態を用いて製造された包装体を示す斜視図である。
図6】(a)は本実施形態を用いて製造された包装体を示す平面図であり、(b)はその包装体のトップシール部周辺を示す部分正面図であり、(c)は図6(b)中、矢印Aからトップシール部41を見た状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
図2図4は、本発明の好適な一実施形態を示している。図2に示すように、本実施形態のエンドシール装置が組み込まれたピロー包装機10は、包装機本体11と、その包装機本体11に対して帯状の包装フィルムを連続して供給するフィルム供給装置12と、包装機本体11の上流側に配置され、その包装機本体11に対して被包装物13を所定間隔毎に供給する被包装物搬送供給装置14とを備えている。
【0021】
フィルム供給装置12は、帯状フィルム15をロール状に巻き取った原反ロール16に対し、図示省略する駆動モータ(サーボモータ等の速度制御可能なモータ)の出力を連係し、原反ロール16の回転速度を適宜制御しながら一定速度で包装機本体11に供給する。また、原反ロール16から包装機本体11に至る所定位置に各種のローラ17(図では、代表して1個のみ記載している)を配置し、原反ロール16から送り出された帯状フィルム15は、そのローラ17に掛け渡されることで、所定の経路を通って包装機本体11に導かれる。もちろん、本発明では、必ずしも原反ロール16に駆動モータを連係する必要はなく、包装フィルムの搬送経路上にフィードローラを設け、引き出すようにしても良い。
【0022】
被包装物搬送供給装置14は、前後に配置されたスプロケット19と、その複数のスプロケット19に掛け渡されたエンドレスチェーン20と、そのエンドレスチェーン20に所定ピッチ毎に取り付けられた複数の押送フィンガー21とにより構成される。これにより、被包装物13の後面に押送フィンガー21が突き当たると、押送フィンガー21の移動に伴い、被包装物13も搬送路17上を前進移動する。
【0023】
包装機本体11は、供給される帯状フィルム15を筒状フィルム24に整袋する製袋器25と、その製袋器25の下流側に配置され、筒状フィルム24のフィルム重合端を進行方向に沿って熱シールするセンターシール装置27と、そのセンターシール装置27の下流側に配置され、被包装物13を内包する筒状フィルム24を搬送するベルトコンベア26と、ベルトコンベア26の下流側に配置されたエンドシール装置30と、エンドシール装置30の下流側に配置された搬出コンベア28と、を備えている。
【0024】
ここでエンドシール装置30は、いわゆるボックスモーションタイプのもので、上下に配置された一対のシーラ31,32が、互いのシール面31a,32aを対向させた状態を維持しながら所定の軌跡で移動させるための駆動機構を備える。この駆動機構により動作する両シーラ31,32は、所定距離だけ離れた基準位置から互いに接近移動して筒状フィルム24を上下から挟み込むことで、そのシール面31a,32aに接触したフィルム部位を所定の圧力で加圧すると共に加熱する。そして、両シーラ31,32は、上記のように互いに接近して筒状フィルム24を挟持した状態を維持したまま互いに筒状フィルム24の移動方向に沿って前進移動する。このときの移動速度は、筒状フィルム24の移動速度と等しくしている。両シーラ31,32は、所定距離だけ移動すると互いに離反移動すると共に、筒状フィルム24の移動方向と逆方向に移動して基準位置に至る。
【0025】
図3に拡大して示すように、上下のシーラ31,32のシール面31a,32aの中央部には、それぞれ凹溝31b,32bを設けているとともに、そのシール面31a,32aの近傍にヒータ31c,32cを内蔵している。そして、上側のシーラ31に設けた凹溝31b内には、カッター刃34を上下移動可能に配置している。カッター刃34は、通常状態では凹溝31b内に位置し、シリンダその他の駆動源に従いカッター刃34が当該シーラ31に対して相対的に昇降移動する。そして、カッター刃34が最下端位置にくると、先端の刃部はシール面31aよりも下方に突出する。
【0026】
下側のシーラ32に設けた凹溝32bは、上側のシーラ31の凹溝31bに対向する位置に設けられ、そのシーラ31のシール面31aから下方に突出したカッター刃34の下端部分が挿入可能となる。両凹溝31b,32bの幅は等しくし、カッター刃34の厚さに対して一回り大きくし、カッター刃34の昇降移動時にカッター刃34が凹溝31b,32bに接触するのを抑止している。
【0027】
さらに本実施形態では、両シーラ31,32のシール面31a,32aは、凹溝31b,32bから外側に行くにつれて徐々に高くなる上方傾斜状の傾斜面としている。また、シール面31a,32aには、ヨコ目のシール目を形成した。ヨコ目とは、シールの長手方向に平行なシール目である。つまり、シール目は、シーラ31,32の長手方向に沿って平行となるため、図3に拡大して示すように、シーラ31,32(シール面31a,32a)の短手方向には、山部(凸部)31a′,32a′と谷部(凹部)31a″,32a″が、交互に位置するパターンとなる。また、各山部31a′,32a′と谷部31a″,32a″は、シーラの長手方向にそれぞれ平行に延びた凸条と凹溝となる。そして、シーラ31(シール面31a)に形成した山部31a′と、シーラ32(シール面32a)に形成した谷部32a″が対向し、シーラ31(シール面31a)に形成した谷部31a″と、シーラ32(シール面32a)に形成した山部32a′が対向するようにし、山部31a′の高さ(谷部31a″の最深部と山部31a′の頂点の高低差)と、山部32a′の高さ(谷部32a″の最深部と山部32a′の頂点の高低差)は等しくし、山部と谷部の表面形状も略付合するようにしている。
【0028】
これにより、上下の一対のシーラ31,32で筒状フィルム24を挟み込んだ場合、筒状フィルム24が潰されて内周面側のシーラント面同士が接触した状態となり、さらに一対のシーラ31,32が噛み合うと、筒状フィルム24のシーラ間に位置するフィルム部位は、山部31a′と谷部32a″間或いは山部32a′と谷部32a″で加圧・加熱されて、フィルム部位に形成されたシーラント層が溶融・密着されて熱シールされる。また、このシーラ31,32で筒状フィルム24を挟み込んで熱シールするタイミングに合わせてカッター刃34を下降移動させて筒状フィルム24を横方向にカットする。
【0029】
これにより、筒状フィルム24の先端側が分離され、包装体40が製造される。包装体40は、図2に示す搬出コンベア28により搬出される。また、図5に示すように、包装体40の両端には、両シーラ31,32で挟まれてシールされたフィルム部位がトップシーラ部41となる。本実施形態では、シール面31a,32aは、傾斜面としていたため、トップシール部41も斜め下に向いた姿勢で揃う。さらに、シール面31a,32aに形成したヨコ目により、トップシール部41には幅方向に延びるシール目41aが形成される。
【0030】
本実施形態では、シール面31a,32aの外側近傍にフィルムのコシ付け部を設けた。このフィルムのコシ付け部は、トップシール部41のフィルムに幅方向の強度を持たせるもので、下側のシーラ32のシール面32aには凸条35を設け、上側のシーラ31のシール面31aには凸条35に対向する位置に凹溝36を設けた。凸条35,凹溝36は、ともにシール面31a,32aの長手方向に延びる一直線状に形成される。谷部32a″の最深部を基準レベルとした凸条35の高さh1は、シール目を構成する山部32a′の高さh2よりも高く(例えば3倍〜4倍)する。同様に、山部31a′の頂部を基準レベルとした凹溝36の深さd1は、シール目を構成する谷部31a″の深さd2よりも深く(例えば3倍〜4倍)する(図4参照)。さらに、図4(a)に拡大して示すように、シーラ31,32が接近してシール目を構成する山部31a′,32a′と谷部32a″,31a″が接触した状態でも、凸条35と凹溝36の間には所定の隙間Sが形成されるように設定している。
【0031】
これにより、一対のシーラ31,32のシール面31a,32aが筒状フィルム24に接触して所定の圧力で加圧するとともに加熱し、筒状フィルムのシーラント層が溶融して潰されて密着するが、凸条35と凹溝36の間で挟まれたフィルム部位は、その表面に接触してある程度加熱するものの上記の隙間Sの効果により筒状フィルムのシーラント層は押し潰されることはなく、フィルム部位を凸条35の表面に沿って湾曲するように成型する。この凸条35,凹溝36は、シール面31a,32aの外側近傍に形成されるため、この凸条35,凹溝36に挟まれるフィルム部位は、トップシール部41の根元側に位置する。その結果、図6(b)に示すように、トップシール部41の根本付近に、小さい湾曲部41bが形成される。この湾曲部41bは、図6(a)に示すように、トップシール部41の幅方向に一直線に延びるように形成される。この一直線状の湾曲部41bにより、フィルム部位にコシが出る。図6(c)は、図6(b)中、矢印Aからトップシール部41を見た状態を示している。上記のように、湾曲部41bによりフィルムにコシができ、図6(c)に示すように、トップシール部41bが幅方向に波打が抑制される。よって、製品の仕上がりが良く、商品価値が向上する。
【0032】
上述した実施形態では、シール面31a,32aを傾斜面としたが、本発明はこれに限ることはなく、水平面としてもよい。また、上述した実施形態では、シール面に形成するシール目は、ヨコ目としたが、タテ目やゴザ目など各種のシール目しても良く、さらにはシール目がないタイプとしても良い。
【0033】
また、上述した実施形態では、一対のシーラ31,32が接近離反するとともに、接近した状態で筒状フィルムの移動に同期して前進移動するボックスモーションタイプのエンドシール装置30としたが、本発明はこれに限ることはなく、例えば、前後進移動せずに接近離反移動のみするタイプでも良いし、さらには回転式のエンドシール装置に適用しても良い。
【符号の説明】
【0034】
10 ピロー包装機
11 包装機本体
12 フィルム供給装置
13 被包装物
14 被包装物搬送供給装置
24 筒状フィルム
27 センターシール装置
30 エンドシール装置
31,32 シーラ
31a,32a シール面
31a′,32a′ 山部
31a″,32a″ 谷部
31b,32b 凹溝
34 カッター刃
35 凸条
36 凹溝
40 包装体
41 トップシール部
41b 湾曲部(コシ付け部)
図1
図2
図3
図4
図5
図6