(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
樹脂材からなる第1部材(20)と、導電性を有する金属材料からなり、上記第1部材(20)と共に物品の収容空間(R)を区画形成する第2部材(10)とが結合され、
上記第1部材(20)における上記第2部材(10)と結合される側には、上記収容空間(R)の外方へ延びるように第1締結部(23)が設けられ、
上記第2部材(10)における上記第1部材(20)と結合される側には、上記収容空間(R)の外方へ延びる第2締結部(13)が上記第1締結部(23)に対応するように設けられ、
上記第1部材(20)には、電磁波遮蔽性を持たせるための導電体層(25)が設けられるとともに、上記第1締結部(23)及び第2締結部(13)を締結する締結部材(B2)が挿通する締結用カラー(D)が導電体層(25)と導通するように設けられ、
上記締結部材(B1、B2)により上記第1部材(20)及び上記第2部材(10)を締結した状態で上記締結用カラー(D)は、上記第2部材(10)と接触して導通していることを特徴とする電磁波遮蔽容器(1)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、特許文献1では、容器本体の金属芯材の突出部を金属カバーのフランジ部に押し当てているが、金属芯材は簡単に変形する薄肉状のものなので、何らかの力が加わった際に、金属芯材が大きく折れ曲がってしまい、設計通りの形状とは異なる形状になってしまい易い。こうなると、容器本体のフランジ部と金属カバーのフランジ部とを締結した際に、金属芯材の突出部が金属カバーから離れてしまい、導通を安定して確保できず、ひいては、電磁波の遮蔽性能が低下することが考えられる。
【0005】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、複数の部材間で導通を安定して確実に確保できるようにして電磁波の遮蔽性能を高めることにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、第1の発明は、樹脂材からなる第1部材と、導電性を有する金属材料からなり、上記第1部材と共に物品の収容空間を区画形成する第2部材とが結合され、
上記第1部材における上記第2部材と結合される側には、上記収容空間の外方へ延びるように第1締結部が設けられ、
上記第2部材における上記第1部材と結合される側には、上記収容空間の外方へ延びる第2締結部が上記第1締結部に対応するように設けられ、
上記第1部材には、電磁波遮蔽性を持たせるための導電体層が設けられるとともに、上記第1締結部及び第2締結部を締結する締結部材が挿通する締結用カラーが導電体層と導通するように設けられ、
上記締結部材により上記第1部材及び上記第2部材を締結した状態で上記締結用カラーは、上記第2部材と接触して導通していることを特徴とする。
【0007】
この構成によれば、樹脂材からなる第1部材に導電体層を設けたので、電磁波シールド性を与えることが可能になる。そして、締結部材により第1部材及び第2部材を締結した状態では、第1部材の導電体層に導通する締結用カラーが第2部材と導通するので、第1部材の導電体層と第2部材とが導通状態となる。このとき、締結部材が挿通する締結用カラーを介して導通状態を確保するようにしているので、導通状態が確実に、かつ、安定的に得られる。
【0008】
第2の発明は、樹脂材からなる第1部材と、樹脂材からなり、上記第1部材と共に物品の収容空間を区画形成する第2部材とが結合され、
上記第1部材における上記第2部材と結合される側には、上記収容空間の外方へ延びるように第1締結部が設けられ、
上記第2部材における上記第1部材と結合される側には、上記収容空間の外方へ延びる第2締結部が上記第1締結部に対応するように設けられ、
上記第1部材及び上記第2部材には、電磁波遮蔽性を持たせるための導電体層がそれぞれ設けられ、
上記第1部材及び上記第2部材の一方の部材には、上記第1締結部及び第2締結部を締結する締結部材が挿通する締結用カラーが該一方の部材の導電体層と導通するように設けられ、他方の部材には、締結部材が螺合するナットが該他方の部材の導電体層と導通するように設けられ、
上記締結部材を上記ナットに螺合して上記第1部材及び上記第2部材を締結した状態で、上記締結用カラー及び上記ナットが接触して導通していることを特徴とする。
【0009】
この構成によれば、樹脂材からなる第1部材及び第2部材に導電体層をそれぞれ設けたので、電磁波シールド性を与えることが可能になる。そして、締結部材により第1部材及び第2部材を締結した状態では、第1部材及び第2部材の一方の導電体層と導通する締結用カラーが、他方の導電体層に導通するナットと導通するので、両部材の導電体層が導通状態となる。このとき、締結部材が挿通する締結用カラー及びナットを介して導通状態を確保するようにしているので、導通状態が確実に、かつ、安定的に得られる。
【0010】
第3の発明は、第1または2の発明において、
上記第1部材には、上記導電体層を形成する第1シート材及び第2シート材の端部同士が厚み方向に重なるように設けられ、
上記第1部材は、上記第1シート材及び上記第2シート材に導通するインサート部材がインサート成形され、
上記締結部材は、導電性を有するとともに、上記インサート部材と接続線を介して導通するように接続されていることを特徴とする。
【0011】
この構成によれば、第1部材に第1シート材及び第2シート材で導電体層を形成する場合に、この導電体層をインサート部材及び接続線を介して締結部材を利用して第2部材と導通させることが可能になる。
【0012】
第4の発明は、第1または2の発明において、
上記第1部材には、上記導電体層を形成する第1シート材及び第2シート材が設けられ、
上記第1部材には、上記第1シート材及び上記第2シート材の端部に導通するインサート部材がインサート成形されていることを特徴とする。
【0013】
この構成によれば、第1部材に第1シート材及び第2シート材で導電体層を形成する場合に、第1シート材及び第2シート材をインサート部材によって導通させることができる。
【0014】
第5の発明は、第4の発明において、
上記締結部材は、導電性を有するとともに、上記インサート部材と接続線を介して導通するように接続されていることを特徴とする。
【0015】
この構成によれば、第1部材に第1シート材及び第2シート材で導電体層を形成する場合に、この導電体層をインサート部材及び接続線を介して締結部材を利用して第2部材と導通させることが可能になる。
【0016】
第6の発明は、第1または2の発明において、
上記第1部材には、上記導電体層を形成する第1シート材及び第2シート材が設けられるとともに、該第1シート材及び第2シート材の端部が挿入される溝部が形成され、該溝部には、上記第1シート材及び上記第2シート材を導通させるための導通用部材が挿入され、
上記第1シート材の端部は、上記第2部材に導通していることを特徴とする。
【0017】
この構成によれば、第1部材に第1シート材及び第2シート材で導電体層を形成する場合に、第1部材の溝部に導通用部材を挿入することで第1シート材及び第2シート材を導通させてこれらシート部材を第2部材に導通させることが可能になる。
【発明の効果】
【0018】
第1の発明によれば、樹脂材からなり、導電体層を有する第1部材と、導電性を有する金属材料からなる第2部材とを締結部材で締結する際に、締結部材が挿通する締結用カラーを導電体層に導通させるとともに、この締結用カラーを第2部材に導通させたので、第1部材と第2部材との締結力を利用して導通状態を確実に、かつ、安定的に得ることができる。
【0019】
第2の発明によれば、樹脂材からなる第1部材及び第2部材を締結部材で締結する際に、締結部材が挿通する締結用カラーを一方の部材の導電体層に導通させ、他方の部材の導電体層にナットを導通させ、第1部材と第2部材との締結力を利用して締結用カラー及びナットを導通させるようにしたので、両部材の導通状態を確実に、かつ、安定的に得ることができる。
【0020】
第3の発明によれば、第1部材に導電体層を形成する第1シート材及び第2シート材を設け、第1シート材及び第2シート材の重なった端部に導通するインサート部材を第1部材にインサート成形し、締結部材とインサート部材とを接続線を介して導通するようにしたので、複数のシート材を設ける場合にも確実に導通状態を得ることができる。
【0021】
第4の発明によれば、第1部材に導電体層を形成する第1シート材及び第2シート材を設け、第1シート材及び第2シート材の端部に導通するインサート部材を第1部材にインサート成形したので、インサート部材により第1シート材及び第2シート材を導通させることができる。
【0022】
第5の発明によれば、締結部材とインサート部材とを接続線を介して導通するようにしたので、複数のシート材を設ける場合にも確実に導通状態を得ることができる。
【0023】
第6の発明によれば、第1部材に設けた溝部に第1シート材及び第2シート材の端部を挿入し、さらに、この溝部に第1シート材及び第2シート材を導通させるための導通用部材を挿入して第1シート材の端部を第2部材に導通させたので、複数のシート材を設ける場合にも確実に導通状態を得ることができる。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。尚、以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものではない。
【0026】
(実施形態1)
図1は、本発明の実施形態1に係る電磁波遮蔽容器1を示すものである。
図1では、締結用ボルトB1(
図4に示す)を省略している。この電磁波遮蔽容器1は、例えば、電気自動車に搭載されるバッテリー(物品)を収容することができる大型の容器である。尚、電磁波遮蔽容器1は、電気自動車のバッテリーの他、例えば電磁波に弱い電子部品等を収容してもよいし、電磁波を発生する電子部品等を収容してもよい。また、電磁波遮蔽容器1の大きさは収容する物に合わせて任意に設定することができる。
【0027】
電磁波遮蔽容器1は、下側部材10と上側部材20とが結合されてなるものであり、下側部材10及び上側部材20によって内部に物品の収容空間Rが区画形成される。下側部材(本発明の第2部材)10は、電磁波遮蔽容器1の上下方向略中央部よりも下側部分を構成するものであり、上方に開放する凹状をなしている。凹状の部材は、下側部材10と上側部材20との一方であってもよい。
【0028】
図2に示すように、下側部材10は、底壁部11と、底壁部11の周縁部から上方へ延びる周壁部12と、周壁部12の上端部(上側部材20と結合される側)から収容空間Rの外方へ延びる第1締結部としての下側フランジ部13とを備えている。底壁部11、周壁部12及び下側フランジ部13は、非導電性を有する樹脂材を用いて一体成形されている。底壁部11は、略平坦で、平面視で略矩形状に形成されている。周壁部12は、上端に近づくほど水平断面が拡大するように傾斜して延びている。
【0029】
下側フランジ部13は、周壁部12の周方向に連続していて略水平方向に延びている。下側フランジ部13には、下側部材10と上側部材20とを締結するための締結部材としてのボルトB1、B2(
図3、
図4に示す)を挿入する複数の孔部13a(
図3、
図4に示す)が周方向に互いに間隔をあけて形成されている。孔部13aは上下方向に延びている。下側フランジ部13における孔部13aが形成された部位は、他の部位に比べて大きく延出している。
図2にも示すように、孔部13aには、締結用ナットC1と導通用ナットC2とが抜けないように嵌入されている。一般的には、締結用ナットC1及び導通用ナットC2を加熱しておいて、孔部13aに圧入する。
【0030】
締結用ナットC1は、締結用ボルトB1が螺合するネジ孔を有しており、孔部13aの内面に固定されている。また、導通用ナットC2は、締結機能を持たせた導通用ボルトB2が螺合するネジ孔を有しており、孔部13aの内面に固定されている。この実施形態では、締結用ナットC1は複数設けられているが、導通用ナットC2は1つだけである。
図3及び
図4に示すように、導通用ナットC2は、締結用ナットC1よりも下側フランジ部13の延出方向内側に位置している。締結用ナットC1及び導通用ナットC2の上端部には、下側フランジ部13の上面13dに沿う鍔部C1a及びC2aがそれぞれ設けられている。締結用ボルトB1、導通用ボルトB2、締結用ナットC1及び導通用ナットC2は、導電性を有する金属材料からなるものである。
【0031】
図3に示すように、下側フランジ部13の上面13dは略水平に延びており、この上面13dには、シール材Sが嵌まるシール溝13bが形成されている。シール溝13bは、下側フランジ部13の上面13dにおける締結用ナットC1よりも延出方向内側、かつ、導通用ナットC2よりも延出方向外側に位置付けられており、下側部材10の上方の開放部分を囲む環状溝で構成されている。シール材Sは、下側部材10と上側部材20との間をシールして主に水密性を確保するためのものであり、例えばゴム等の弾性材料で構成されている。このシール材Sは、シール溝13bの形状に対応して環状となっている。上側フランジ部23の下面23dに、シールSが嵌まるシール溝が形成されていてもよい。
【0032】
また、下側フランジ部13の上面13dには、シール溝13bよりも延出方向内側に、段部13cが形成されている。この段部13cは、後述する上側部材20の突出部23aが収容される収容部となっており、下側フランジ部13の周方向に連続している。段部13cの底面は略水平に延びている。また、段部13cの側面13sは上下方向に延びている。
【0033】
下側部材10の内面には、導電体層15が設けられている。この導電体層15は、シート材で構成されたものである。シート材は、例えば金属が蒸着されたシート、金属繊維からなるシート、多数の細孔が形成された金属シート等のような導電性を有するシートを使用することができる。導電体層15はシート材をインサート成形することによって得られる。すなわち、下側部材10を成形する金型の内部にシート材を配置しておき、この状態で溶融樹脂を金型内に射出して溶融樹脂の成形と同時にシート材を成形して下側部材10に貼り付けた状態とする。
【0034】
尚、導電体層15の形成方法は、インサート成形に限られるものではなく、下側部材10の成形後に作業者がシート材を手作業で貼り付けていく、いわゆる手貼り作業による形成方法であってもよい。
【0035】
導電体層15は、下側部材10の下側フランジ部13の段部13cの側面13sから底面まで連続し、さらに、導通用ナットC2の配設部位まで連続して設けられている。導通用ナットC2の鍔部C2aは、シート材を下側フランジ部13の上面13dとの間に挟むことによって導電体層15と導通している。
【0036】
図1に示す上側部材(本発明の第1部材)20は、電磁波遮蔽容器1の上下方向略中央部よりも上側部分を構成するものであり、下方に開放する凹状をなしている。上側部材20は、上壁部21と、上壁部21の周縁部から下方へ延びる周壁部22と、周壁部22の下端部(下側部材10と結合される側)から収容空間Rの外方へ延びる第2締結部としての上側フランジ部23とを備えている。上壁部21、周壁部22及び上側フランジ部23は、非導電性を有する樹脂材を用いて一体成形されている。上壁部21は、略平坦で、平面視で略矩形状に形成されている。周壁部22は、下端に近づくほど水平断面が拡大するように傾斜して延びている。
【0037】
上側フランジ部23は、下側フランジ部13と対応しており、周壁部22の周方向に連続して略水平方向に延びている。
図3や
図4にも示すように、上側フランジ部23には、上記ボルトBが挿通する締結用カラーDが上記下側部材10の孔部13aと一致するように配設されている。締結用カラーDは、上側フランジ部23を貫通するように設けられている。締結用カラーDの下端部には、上側フランジ部23の下面23dに沿うように鍔部Daが設けられている。上側フランジ部23の形状は、下側フランジ部13の形状と対応している。締結用カラーDの鍔部Daと、締結用ナットC1及び導通用ナットC2の鍔部C2aとが接触するようになっている。
【0038】
図3に示すように、上側フランジ部23は、下側フランジ部13の上面13dと略平行に延びている。上側フランジ部23の下面23dの延出方向内端部には、下方へ突出する突出部23aが形成されている。突出部23aは、上側フランジ部23の周方向に連続する突条部を構成している。この突出部23aの鉛直方向の断面は、略矩形状とされている。突出部23aにおける収容空間Rに臨む内側面は、周壁部22の内面と同一面を形成するように上下方向に延びている。また、突出部23aにおける上記内側面とは反対側の外側側面23sも上下方向に延びており、段部13cの側面13sに沿うように形成されている。さらに、突出部23aの突出方向先端面23tは、略水平に延びており、段部13cの底面に沿うように形成されている。
【0039】
上側フランジ部23の下面において突出部23aが形成された部分以外は、略平坦に形成されている。この平坦な部分にシール材Sが接触するようになっている。
【0040】
上側部材20の内面には、導電体層25が設けられている。この導電体層25は、下側部材10の導電体層15と同様なシート材で構成されたものである。
【0041】
導電体層25は、上側部材20の上側フランジ部23の突出部23aの内側面から突出方向先端面23t、外側側面23sまで連続し、さらに、上側フランジ部23の下面の締結用カラーDが配設された部位まで連続して設けられている。締結用カラーDの鍔部Daは、シート材を上側フランジ部23の下面との間に挟むことによって導電体層25と導通している。
【0042】
上記シート材は、表面が腐食防止や破れ防止や防水性を持たせるために樹脂によってコーティングされる場合があるが、そのような状態であって導通用ナットC2が加熱されて孔部13aに挿入されるので、コーティングされた樹脂を熱溶融により除去して導通用ナットC2を確実に導電体層15と導通させることができる。また、電磁波の遮蔽性能を高めることができる。
【0043】
次に、上記のように構成された電磁波遮蔽容器1に物品を収容する場合について説明する。
【0044】
下側部材10に例えば電気自動車の走行用バッテリーを収容した後、そのバッテリーを上方から覆うように上側部材20をバッテリーにかぶせる。そして、上側部材20の上側フランジ部23と、下側部材10の下側フランジ部13とを合わせるようにして、上側フランジ部23の突出部23aを下側フランジ部13の段部13cに嵌めて収容した状態とする。この状態では、
図3(b)に示すように、下側部材10の下側フランジ部13の導通用ナットC2の鍔部C2aと、上側部材20の上側フランジ部23の締結用カラーDの鍔部Daとが接触して導通状態になる。
【0045】
その後、
図4に示すように締結用ボルトB1を締結用カラーDに挿通して締結用ナットC1に螺合することで、下側部材10の下側フランジ部13と上側部材20の上側フランジ部23とが締結される。また、
図3に示すように導通用ボルトB2を締結用カラーDに挿通して導通用ナットC2に螺合することによっても、下側部材10の下側フランジ部13と上側部材20の上側フランジ部23とが締結され、このように締結部分で導通用ナットC2の鍔部C2aと締結用カラーDの鍔部Daとを接触させているので、両鍔部C2a、Daが離れてしまうことはない。
【0046】
以上説明したように、この実施形態1によれば、樹脂材からなる上側部材20及び下側部材10を締結用ボルトB1及び導通用ボルトB2で締結する際に、導通用ボルトB2が挿通する締結用カラーDを上側部材20の導電体層25に導通させ、下側部材10の導電体層15に導通用ナットC2を導通させ、上側部材20と下側部材10との締結力を利用して締結用カラーD及び導通用ナットC2を導通させるようにしたので、下側部材10の導電体層15と上側部材20の導電体層25との導通状態を確実に、かつ、安定的に得ることができる。
【0047】
尚、上記実施形態1では、上側部材20に締結用カラーDを設け、下側部材10に導通用ナットC2を設けているが、これとは反対に、上側部材20に導通用ナットC2を設け、下側部材10に締結用カラーDを設けてもよい。この場合、導通用ボルトB2は下方から締結用カラーDに挿入して導通用ナットC2に螺合させる。
【0048】
(実施形態2)
図5及び
図6は、本発明の実施形態2に係る電磁波遮蔽容器1の一部を示す断面図である。実施形態2の電磁波遮蔽容器1は、下側部材10が導通性を有する金属材料からなる点で実施形態1のものと異なっている。以下、実施形態1と同じ部分には同じ符号を付して説明を省略し、異なる部分について説明する。
【0049】
下側部材10は、例えば鋼鈑等の板材をプレス成形してなるものであり、下側フランジ部13には、締結用ボルトB1及び導通用ボルトB2の位置に対応してバーリング加工されたバーリング加工部14が下方へ突出するように形成されている。バーリング加工部14の内周面には締結用ボルトB1及び導通用ボルトB2が螺合するネジ孔14aが形成されている。
【0050】
また、シール材Sは、上側部材20の上側フランジ部23の下面に形成されたシール溝23bに嵌まるようになっている。上側部材20の上側フランジ部23の締結用カラーDの鍔部Daは、下側部材10の下側フランジ部13のバーリング加工部14周縁部に接触して導通するようになっている。
【0051】
図5に示すように、上側部材20の上側フランジ部23に締結用カラーDを組み付けると、導電体層25と締結用カラーDとが導通する。下側部材10にバッテリーを収容した後、そのバッテリーを上方から覆うように上側部材20をバッテリーにかぶせて、上側部材20の上側フランジ部23と、下側部材10の下側フランジ部13とを合わせ、上側フランジ部23の突出部23aを下側フランジ部13の段部13cに嵌める。この状態では、上側部材20の上側フランジ部23の締結用カラーDの鍔部Daが下側部材10の下側フランジ部13に接触して導通状態になる。
【0052】
その後、
図6に示すように、締結用ボルトB1を締結用カラーDに挿通して締結用ナットC1に螺合することで、下側部材10の下側フランジ部13と上側部材20の上側フランジ部23とが締結される。また、
図5に示すように、導通用ボルトB2を締結用カラーDに挿通して導通用ナットC2に螺合することによっても、下側部材10の下側フランジ部13と上側部材20の上側フランジ部23とが締結され、このように締結部分で締結用カラーDの鍔部Daと下側部材10の下側フランジ部13を接触させているので、鍔部Daが下側フランジ部13から離れてしまうことはない。
【0053】
以上説明したように、この実施形態2によれば、樹脂材からなる上側部材20と、金属材からなる下側部材10を締結用ボルトB1及び導通用ボルトB2で締結する際に、導通用ボルトB2が挿通する締結用カラーDを上側部材20の導電体層25に導通させ、上側部材20と下側部材10との締結力を利用して締結用カラーDと下側部材10とを導通させるようにしたので、導通状態を確実に、かつ、安定的に得ることができる。
【0054】
尚、実施形態2では、下側部材10を板材で構成しているが、これに限らず、鋳物等であってもよい。
【0055】
(実施形態3)
図7は、本発明の実施形態3に係る電磁波遮蔽容器1の一部を示す断面図である。実施形態3の電磁波遮蔽容器1は、下側部材10が導通性を有する金属材料からなる点と、導電体層25が複数のシート材T1、T2からなる点と、導通用の接続線37が設けられている点とで実施形態1のものと異なっている。以下、実施形態1と同じ部分には同じ符号を付して説明を省略し、異なる部分について説明する。
【0056】
下側部材10は、実施形態2のものと同様な構成である。上側部材20の上壁部21は、インサート部材30がインサート成形されている。インサート部材30は、導通性を有する部材である。インサート部材30の下端部は、上壁部21を貫通して下方へ突出し、下側雄ネジ部31となっている。インサート部材30の上端部は、上壁部21を貫通して上方へ突出し、上側雄ネジ部32となっている。
【0057】
上側部材20の内面に設けられる導電体層25は、第1シート材T1及び第2シート材T2を備えている。第1シート材T1の端部と第2シート材T2の端部とは、インサート部材30の配設部位において厚み方向に重なるように配置されている。第1シート材T1の端部と第2シート材T2の端部とは、導通状態となっている。インサート部材30の下側雄ネジ部31は、第1シート材T1の端部と第2シート材T2の端部を貫通している。この下側雄ネジ部31には、ワッシャ33が挿通した状態でナット34が螺合している。ナット34によってワッシャ33を介して第1シート材T1の端部と第2シート材T2の端部を上壁部21に押圧することができるようになっている。
【0058】
また、インサート部材30の上側雄ネジ部32にも、ワッシャ35が挿通した状態でナット36が螺合している。上記ワッシャ33、35及びナット34、36は導電性を有する部材からなる。
【0059】
上側のワッシャ35には、導電性を有する接続線37の一端部が導通状態で接続されている。この接続線37の他端部は、導通用ボルトB2が挿通するワッシャ38に接続されている。このワッシャ38も導電性を有する部材からなる。つまり、導通用ボルトB2は、インサート部材30と接続線37を介して導通するように接続されている。
【0060】
上側部材20の上側フランジ部23に締結用カラーDを組み付けると、第1シート材T1と締結用カラーDとが導通する。また、インサート部材30にワッシャ33、35を挿通してナット34、36を螺合させると、導電体層25が接続線37と導通する。そして、ワッシャ38に導通用ボルトB2を挿通する。
【0061】
下側部材10にバッテリーを収容した後、そのバッテリーを上方から覆うように上側部材20をバッテリーにかぶせて、上側部材20の上側フランジ部23と、下側部材10の下側フランジ部13とを合わせ、上側フランジ部23の突出部23aを下側フランジ部13の段部13cに嵌める。この状態では、上側部材20の上側フランジ部23の締結用カラーDの鍔部Daが下側部材10の下側フランジ部13に接触して導通状態になる。
【0062】
その後、導通用ボルトB2を締結用カラーDに挿通して下側部材10のバーリング加工部14に螺合する。これにより、下側部材10の下側フランジ部13と上側部材20の上側フランジ部23とが締結され、このように締結部分で締結用カラーDの鍔部Daと下側部材10の下側フランジ部13を接触させているので、鍔部Daが下側フランジ部13から離れてしまうことはない。また、接続線37が締結用カラーDに確実に導通する。
【0063】
以上説明したように、この実施形態3によれば、樹脂材からなる上側部材20と、金属材からなる下側部材10を締結用ボルトB1及び導通用ボルトB2で締結する際に、導通用ボルトB2が挿通する締結用カラーDを上側部材20の導電体層25に導通させ、上側部材20と下側部材10との締結力を利用して締結用カラーDと下側部材10とを導通させるようにしたので、導通状態を確実に、かつ、安定的に得ることができる。
【0064】
また、上側部材20に導電体層25を形成する第1シート材T1及び第2シート材T2を設け、第1シート材T1及び第2シート材T2の端部に導通するインサート部材30を上側部材20にインサート成形し、導通用ボルトB2とインサート部材30とを接続線37を介して導通するようにしたので、複数のシート材T1、T2を設ける場合にも確実に導通状態を得ることができる。
【0065】
また、この実施形態では、インサート部材30をインサート成形したが、これに限らず、例えばインサート部材30の外面に突出部の無い、単純な形状(柱状、筒状)の導電性部材を、上側部材20の成形後に加熱圧入することによって該上側部材20に組みつけてもよい。
【0066】
また、実施形態3の下側部材10を樹脂材で構成することもでき、この場合には、下側部材10にも上側部材20と同様な構造を設けることができる。
【0067】
(実施形態4)
図8は、本発明の実施形態4に係る電磁波遮蔽容器1の一部を示す断面図である。実施形態4の電磁波遮蔽容器1は、下側部材10が導通性を有する金属材料からなる点と、導電体層25が複数のシート材T1、T2からなる点とで実施形態1のものと異なっている。以下、実施形態1と同じ部分には同じ符号を付して説明を省略し、異なる部分について説明する。
【0068】
下側部材10は、実施形態2のものと同様な構成である。上側部材20の上壁部21は、インサート部材40がインサート成形されている。インサート部材40は、導通性を有する部材である。インサート部材40の下端部は、上壁部21を貫通して下方へ突出し、下側雄ネジ部41となっている。
【0069】
上側部材20の内面に設けられる導電体層25は、第1シート材T1及び第2シート材T2を備えている。第1シート材T1の端部と第2シート材T2の端部とは突き合うように配置されている。インサート部材40の下側雄ネジ部41は、第1シート材T1の端部と第2シート材T2の端部の間を通って下方へ突出している。この下側雄ネジ部41には、ワッシャ43が挿通した状態でナット44が螺合している。ナット44によってワッシャ43を介して第1シート材T1の端部と第2シート材T2の端部を上壁部21に押圧することができるようになっている。ワッシャ43及びナット44は導電性を有する部材からなり、ワッシャ43は、第1シート材T1の端部と第2シート材T2の端部に導通状態で接触している。
【0070】
上側部材20の上側フランジ部23に締結用カラーDを組み付けると、第1シート材T1と締結用カラーDとが導通する。また、インサート部材40にワッシャ43を挿通してナット44を螺合させると、第1シート材T1と第2シート材T2とが導通する。
【0071】
下側部材10にバッテリーを収容した後、そのバッテリーを上方から覆うように上側部材20をバッテリーにかぶせて、上側部材20の上側フランジ部23と、下側部材10の下側フランジ部13とを合わせ、上側フランジ部23の突出部23aを下側フランジ部13の段部13cに嵌める。この状態では、上側部材20の上側フランジ部23の締結用カラーDの鍔部Daが下側部材10の下側フランジ部13に接触して導通状態になる。
【0072】
その後、導通用ボルトB2を締結用カラーDに挿通して下側部材10のバーリング加工部14に螺合する。これにより、下側部材10の下側フランジ部13と上側部材20の上側フランジ部23とが締結され、このように締結部分で締結用カラーDの鍔部Daと下側部材10の下側フランジ部13を接触させているので、鍔部Daが下側フランジ部13から離れてしまうことはない。
【0073】
以上説明したように、この実施形態4によれば、樹脂材からなる上側部材20と、金属材からなる下側部材10を締結用ボルトB1及び導通用ボルトB2で締結する際に、導通用ボルトB2が挿通する締結用カラーDを上側部材20の導電体層25に導通させ、上側部材20と下側部材10との締結力を利用して締結用カラーDと下側部材10とを導通させるようにしたので、導通状態を確実に、かつ、安定的に得ることができる。
【0074】
また、上側部材20に導電体層25を形成する第1シート材T1及び第2シート材T2を設け、第1シート材T1及び第2シート材T2の端部に導通するインサート部材40を上側部材20にインサート成形したので、複数のシート材T1、T2を設ける場合にも確実に導通状態を得ることができる。
【0075】
また、この実施形態では、インサート部材40をインサート成形したが、これに限らず、単純な形状(柱状、筒状)の導電性部材を、上側部材20の成形後に加熱圧入することによって該上側部材20に組みつけてもよい。
【0076】
また、実施形態4の下側部材10を樹脂材で構成することもでき、この場合には、下側部材10にも上側部材20と同様な構造を設けることができる。
【0077】
(実施形態5)
図9は、本発明の実施形態5に係る電磁波遮蔽容器1の一部を示す断面図である。実施形態5の電磁波遮蔽容器1は、下側部材10が導通性を有する金属材料からなる点と、導電体層25が複数のシート材T1、T2からなる点と、導通用の接続線37が設けられている点と、導通用ボルトB2の機能も兼ね備えた締結用ボルトB1のみを用いる点とで実施形態1のものと異なっている。以下、実施形態1と同じ部分には同じ符号を付して説明を省略し、異なる部分について説明する。
【0078】
下側部材10は、実施形態2のものと同様な構成である。上側部材20の上壁部21は、実施形態3と同様に構成されており、インサート部材30がインサート成形されている。
【0079】
上側部材20の内面に設けられる導電体層25は、第1シート材T1及び第2シート材T2を備えている。第1シート材T1の端部と第2シート材T2の端部とは、突き合うように配置されている。
【0080】
インサート部材30の下側雄ネジ部31は、第1シート材T1の端部と第2シート材T2の端部の間を通って下方へ突出している。ナット34によってワッシャ33を介して第1シート材T1の端部と第2シート材T2の端部を上壁部21に押圧することができるようになっている。ワッシャ33は、第1シート材T1の端部と第2シート材T2の端部に導通状態で接触している。
【0081】
インサート部材30にワッシャ33、35を挿通してナット34、36を螺合させると、導電体層25が接続線37を介してワッシャ38及び締結用ボルトB1と導通する。
【0082】
下側部材10にバッテリーを収容した後、そのバッテリーを上方から覆うように上側部材20をバッテリーにかぶせて、上側部材20の上側フランジ部23と、下側部材10の下側フランジ部13とを合わせ、上側フランジ部23の突出部23aを下側フランジ部13の段部13cに嵌める。この状態では、上側部材20の上側フランジ部23の締結用カラーDの鍔部Daが下側部材10の下側フランジ部13に接触して導通状態になる。
【0083】
その後、締結用ボルトB1を締結用カラーDに挿通することで、締結用ボルトB1及び締結用カラーDが導通する。そして、締結用ボルトB1を下側部材10のバーリング加工部14に螺合する。これにより、下側部材10の下側フランジ部13と上側部材20の上側フランジ部23とが締結され、このように締結部分で締結用カラーDの鍔部Daと下側部材10の下側フランジ部13を接触させているので、鍔部Daが下側フランジ部13から離れてしまうことはない。
【0084】
以上説明したように、この実施形態5によれば、樹脂材からなる上側部材20と、金属材からなる下側部材10を締結用ボルトB1で締結する際に、上側部材20と下側部材10との締結力を利用して締結用カラーDと下側部材10とを導通させるようにしたので、導通状態を確実に、かつ、安定的に得ることができる。締結用ボルトB1に導通用ボルトB2の機能を持たせたので、導通用ボルトB2を廃止できる。
【0085】
また、実施形態5の下側部材10を樹脂材で構成することもでき、この場合には、下側部材10にも上側部材20と同様な構造を設けることができる。
【0086】
(実施形態6)
図10及び
図11は、本発明の実施形態6に係る電磁波遮蔽容器1の一部を示す断面図である。実施形態6の電磁波遮蔽容器1は、下側部材10が導通性を有する金属材料からなる点と、導電体層25が複数のシート材T1〜T3からなる点とで実施形態1のものと異なっている。以下、実施形態1と同じ部分には同じ符号を付して説明を省略し、異なる部分について説明する。
【0087】
下側部材10は、実施形態2のものと同様な構成である。上側部材20の上壁部21の内面には、溝50が形成されている。この溝50内には、導電体層25を構成する第1シート材T1の端部、第2シート材T2の端部及び第3シート材T3が収容されている。第3シート材T3は、溝50の底面から両側面を覆い、上壁部21内面の平坦部分までを覆うように設けられている。第1シート材T1の端部は、第3シート材T3の一部を覆うように設けられている。また、第2シート材T2の端部も、第3シート材T3の一部を覆うように設けられている。第1シート材T1の端部及び第2シート材T2の端部は、第3シート材T3に重なっている。
【0088】
図11に示すように、溝50の両側面には、互いに対向するように突出する第1突出部51,51と、同様に対向するように突出する第2突出部52,52とが溝50の長手方向に間隔をあけて形成されている。第1突出部51,51の間には、隙間53が形成され、また、第2突出部52,52の間には、隙間54が形成されている。隙間53,54を形成することで、シート材T1〜T3を手作業で貼ることもできる。
【0089】
第1突出部51と第2突出部52との間には、ビス100をねじ込むためのねじ込み凹部55が形成されている。ビス100は、例えばタッピングビス等を用いることができ、このビス100をねじ込み凹部55にねじ込む際には、図示しないワッシャを使用してもよい。ビス100は導電性を有する材料からなる。
【0090】
図12に示すように、ビス100をねじ込み凹部55にねじ込むことで、ビス100のねじ山が、溝50の内面に配置されている第1シート材T1の端部、第2シート材T2の端部及び第3シート材T3に食い込んでシート材T1〜T3の金属と接触する。これにより、ビス100によって第1シート材T1、第2シート材T2及び第3シート材T3を互いに導通させることができる。
【0091】
上側部材20の上側フランジ部23に締結用カラーDを組み付けると、導電体層25と締結用カラーDとが導通する。また、ビス100をねじ込み凹部55にねじ込んで、ビス100によって第1シート材T1、第2シート材T2及び第3シート材T3を互いに導通させておく。
【0092】
そして、下側部材10にバッテリーを収容した後、そのバッテリーを上方から覆うように上側部材20をバッテリーにかぶせて、上側部材20の上側フランジ部23と、下側部材10の下側フランジ部13とを合わせるようにして、上側フランジ部23の突出部23aを下側フランジ部13の段部13cに嵌めて収容した状態とする。この状態では、下側部材10の下側フランジ部13の導通用ナットC2の鍔部C2aが下側部材10に接触して導通状態になる。
【0093】
その後、締結用ボルトB1を締結用カラーDに挿通して下側部材10のバーリング加工部14に螺合する。これにより、下側部材10の下側フランジ部13と上側部材20の上側フランジ部23とが締結され、このように締結部分で締結用カラーDの鍔部Daと下側部材10の下側フランジ部13を接触させているので、鍔部Daが下側フランジ部13から離れてしまうことはない。
【0094】
以上説明したように、この実施形態6によれば、樹脂材からなる上側部材20及び下側部材10を締結用ボルトB1及び導通用ボルトB2で締結する際に、上側部材20と下側部材10との締結力を利用して締結用カラーD及び下側部材10を導通させるようにしたので、導通状態を確実に、かつ、安定的に得ることができる。
【0095】
また、ビス100を用いることで、複数のシート材T1、T2、T3(接続部用シート材)を設ける場合にも確実に導通状態を得ることができる。シート材は4枚以上設けてもよい。
【0096】
また、実施形態6の下側部材10を樹脂材で構成することもでき、この場合には、下側部材10にも上側部材20と同様な構造を設けることができる。
【0097】
また、上記実施形態では、下側部材10の導電体層15を下側部材10の内面に設けているが、下側部材10の外面に設けてもよい。また、上側部材20の導電体層25を上側部材20の外面に設けてもよい。
【0098】
また、上記実施形態では、締結用カラーDの鍔部Daが導電体層25と導通している構成であるが、鍔部Daの無い締結用カラーDを用いて、該締結用カラーDの外周面と、フランジ部のカラー挿入用孔部の内周面との間に導電体層25を挟んで導通させるようにしてもよい。
【0099】
また、上側部材20と下側部材10のいずれか一方を板状に成形して他方に対して蓋となるようにしてもよい。
【0100】
また、実施形態2〜6において、上側部材20を鋼鈑で構成し、下側部材10を樹脂材で構成してもよい。
【0101】
上述の実施形態はあらゆる点で単なる例示に過ぎず、限定的に解釈してはならない。さらに、特許請求の範囲の均等範囲に属する変形や変更は、全て本発明の範囲内のものである。
【0102】
なお、上記実施形態の下側部材10の導電体層15を、例えば、電気自動車の車体に導通するように取り付けることによって電磁波遮蔽容器1と車体とを導通させることができるので、電磁波遮蔽効果を簡単な取り付け構造で得ることができる。