特許第6051125号(P6051125)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特許6051125-シールド付防塵フード 図000002
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6051125
(24)【登録日】2016年12月2日
(45)【発行日】2016年12月27日
(54)【発明の名称】シールド付防塵フード
(51)【国際特許分類】
   A42B 1/04 20060101AFI20161219BHJP
   A41D 13/11 20060101ALI20161219BHJP
【FI】
   A42B1/04 J
   A42B1/04 A
   A41D13/11 G
【請求項の数】5
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2013-168963(P2013-168963)
(22)【出願日】2013年8月15日
(65)【公開番号】特開2015-36461(P2015-36461A)
(43)【公開日】2015年2月23日
【審査請求日】2015年6月16日
(73)【特許権者】
【識別番号】000006127
【氏名又は名称】森永乳業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100064908
【弁理士】
【氏名又は名称】志賀 正武
(74)【代理人】
【識別番号】100108578
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 詔男
(74)【代理人】
【識別番号】100094400
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 三義
(74)【代理人】
【識別番号】100119091
【弁理士】
【氏名又は名称】豊山 おぎ
(72)【発明者】
【氏名】木村 朋広
【審査官】 米村 耕一
(56)【参考文献】
【文献】 特開2011−001659(JP,A)
【文献】 特許第4175581(JP,B2)
【文献】 特開2011−157640(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A42B 1/00−1/24
A41D 13/11
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
顔面の少なくとも一部を露出させる開口部が形成され、前記開口部以外の頭部を覆うフード部と、
前記開口部及びこの開口部の周囲に位置するフード部の少なくとも各一部を被覆し又は露出させる顔面被覆部とを備えており、
前記顔面被覆部は、目を覆うシールドと鼻及び口を覆うマスク部とを備え、
前記マスク部の下端部が前記開口部の下方に分離不可に連結され、
前記シールドの上端部が前記開口部の上方に着脱自在に連結され、
前記マスク部の両側端部が前記開口部の側方において着脱自在に連結されていることを特徴とするシールド付防塵フード。
【請求項2】
記マスク部の外形は、前記開口部を被覆した状態で、上底の長さが下底の長さに対して長い略台形形状に形成されていることを特徴とする請求項に記載のシールド付防塵フード。
【請求項3】
前記マスク部の外形は、その前記両側端部が前記顔面の顎の下方に至るまで緩やかに湾曲しつつ漸次すぼむように形成され、その後平行又は漸次拡開するように形成されていることを特徴とする請求項に記載のシールド付防塵フード。
【請求項4】
前記マスク部の上部は、上方を開口させて前記シールドの下端部を挿入させて連結させる袋構造とされていることを特徴とする請求項又はに記載のシールド付防塵フード。
【請求項5】
前記袋構造は、前記シールドの表面と裏面と覆って挟み込む表面生地と裏面生地とを備え、
前記裏面生地が塵埃類を付着させる布材料により形成されていることを特徴とする請求項に記載のシールド付防塵フード。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シールド付防塵フードに関する。
【背景技術】
【0002】
食品その他の物の製造工場においては、髪の毛等の人体から生じる塵埃類が落ちるのを防止するために、防塵フードが着用されることがある。
防塵フードとしては、両目を覆う部分を開口させ、それ以外の顔面を含む頭部全体を覆うフードと、フードの下端部に連結されて肩部を被覆するスカート部と、視界を良好に保ちつつ開口部を覆うシールドとを備えたものが広く知られている(例えば下記特許文献1)。
下記特許文献1に代表される防塵フードは、シールドをフードの開口部に着脱自在に取り付けられるように構成しており、シールドをフードから取り外して防塵フードを洗濯したり、シールド表面の汚れを清掃したりできるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−49312号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、従来の防塵フードは、シールドで覆われた両目部分は開口自在であるが、鼻や口は塞いでしまっている。よって、例えば製造された食品の匂いを嗅いで風味をチェックしたり試食をしたりする際に、防塵フードをまくり上げたり、脱いだりしなければならず、その際防塵フードに付着した塵埃類や人体から生じた塵埃類が飛散するという問題があった。
そこで本発明は、塵埃類の飛散を防止しつつ鼻又は口の部分を開口させることができる防塵フードを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
顔面の少なくとも一部を露出させる開口部が形成され、前記開口部以外の頭部を覆うフード部と、前記開口部及びこの開口部の周囲に位置するフード部の少なくとも各一部を被覆し又は露出させる顔面被覆部とを備えていることを特徴とする。
この構成によれば、顔面被覆部を開閉するだけで開口部を開閉することができる。
【0006】
本発明のシールド付防塵フードは、前記顔面被覆部が、目を覆うシールドと鼻及び口を覆うマスク部とを備え、前記マスク部の下端部が前記開口部の下方に分離不可に連結され、前記シールドの上端部が前記開口部の上方に着脱自在に連結され、前記マスク部の両側端部が前記開口部の側方において着脱自在に連結されていることが好ましい。
この構成によれば、前記開口部を開口させ、顔面被覆部を下げられるため、顔面被覆部が開口部を開口させた状態で行う作業の邪魔になりにくい。
【0007】
本発明の前記顔面被覆部は、前記マスク部の外形は、前記開口部を被覆した状態で、上底の長さが下底の長さに対して長い略台形形状に形成されていることが好ましい。
この構成によれば、マスク部の上底の長さが下底の長さに対して長い略台形形状に形成されている、すなわちマスク部の外形が下方に向かって窄み、顔の輪郭に沿う形状となっているため、顔面被覆部を閉じた際にマスク部のダブつきが防止される。
【0008】
本発明の前記マスク部の外形は、その前記両側端部が前記顔面の顎の下方に至るまで緩やかに湾曲しつつ漸次すぼむように形成され、その後平行又は漸次拡開するように形成されていることが好ましい。
この構成によれば、マスク部を顔面にフィットさせやすくなり、顔面被覆部を閉じた際にマスク部のダブつきが防止される。
【0009】
本発明の前記マスク部の上部は、上方を開口させて前記シールドの下端部を挿入させて連結させる袋構造とされていることが好ましい。
この構成によれば、シールドの裏面を伝って下方に落ちる塵埃類を袋構造により受けることができる。
【0010】
本発明の前記袋構造は、前記シールドの表面と裏面と覆って挟み込む表面生地と裏面生地とを備え、前記裏面生地が塵埃類を付着させる布材料により形成されていることが好ましい。
この構成によれば、袋構造の裏面生地に塵埃類を付着させることにより、顔面被覆部を下げた際に、袋構造の裏面生地に付着した塵埃類が飛散することを防止しやすくなる。
【発明の効果】
【0011】
本発明のシールド付防塵フードは、顔面被覆部を開閉するだけで開口部のみを容易に開閉することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の一実施形態として開口部を閉じた状態のシールド付防塵フードを示した正面図である。
図2】本発明の一実施形態として開口部を閉じた状態のシールド付防塵フードを示した側面図である。
図3】本発明の一実施形態として開口部を開口させた状態のシールド付防塵フードを示した正面図である。
図4】本発明の一実施形態として開口部を開口させた状態のシールド付防塵フードを示した側面図である。
図5】本発明の一実施形態の変形例として開口部を開口させた状態のシールド付防塵フードを示した正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
図1図2に示すように、シー ルド付防塵フード(以下単に「防塵フード」という)1は、顔面を露出させる開口部2が形成され顔面以外の頭部を覆うフード部3と、開口部2及びその周囲に位置するフード部3(以下「周囲部4」という)を開閉自在に被覆し、開口部2を閉じた際にこの開口部2の全周に巡る周囲部4に重なるように覆う顔面被覆部5と、フード部3の下端部14に連結されたスカート部6とを備えている。
【0014】
フード部3は、布材により形成され、両目,鼻及び口を含む部分以外を覆う頭頂部7,額部8,両耳を含む側頭部9,後頭部10及び首部11備え、略筒状に形成されている。
開口部2によって顔面を露出させる領域は、特に限定されるものではないが、眉を可及的に含む額及びこめかみから下方よりも内側に設定されている。
【0015】
そして、図3図4に示すように、周囲部4のうち眉に沿う上縁部4aと上縁部4aの両端から下方にU字状に延在する下縁部4bとが伸縮性のある布地により縁取られて顔面に略フィットし、眉,前髪及びもみあげ部までフード部3によって可及的に覆われるように形成されている。すなわち、目,鼻及び口(包括的に顔面前部とも言う)以外の部分を可及的に被覆し、例えば顔面前部を露出してもよい防塵レベルの環境においては、かかる環境下で用いられる防塵フード1の役割を果たし得る構造になっている。上縁部4aの上方には、つば部13が形成されている。
【0016】
フード部3の下端部14は、SS〜LL等のように所定の範囲で設定された頭部のサイズよりも大きめに開口され、頭から被って着用しやすいようになっている。
一方、図2に示すように、フード部3の後頭部上部に対応する位置15と、頭部と首部11の略境目に対応する位置16には、水平方向にフード部3を伸縮させるゴム部材が縫い込まれており、フード部3の着用時には頭部の形状に合わせて伸長し、着用完了時には収縮して後頭部10の上方及び下方においてフィットするようになっている。
【0017】
フード部3の耳に対応する部分17は、メッシュ生地等により形成され、通気性を良好にするとともに音が聞こえやすいようになっている。
図3図4に示すように、周囲部4の下縁部4bと耳に対応する部分17との間には、左右に対を成して構成されるファスナーの一方側FS1が下方前方に向かって延在するように取り付けられている。ファスナーの一方側FS1どうしの間寸法は下方に向かって漸次窄むように形成されている。
【0018】
図1図2に示すように、スカート部6は、フード部3の下端部14から下方に向かって広がるように下端部14に縫合され、着用者の両肩,胸上部及び背中上部を覆うようになっており、メッシュ素材等により形成されている。
【0019】
顔面被覆部5は、開口部2及び周囲部4のそれぞれの少なくとも一部を覆うカバー生地である。周囲部4とは、顔及び首の前側の略全体から開口部2を除いた領域(すなわち上下方向には額の髪の生え際付近から首の付け根付近まで、水平方向には両耳の間、に亘る領域の開口部2を除いた領域)である。本実施形態において、顔面被覆部5は、開口部2内に位置する着用者の鼻、口及び周囲部4の下半分を覆うマスク部20と、開口部2内に位置する着用者の両目及び周囲部4の上半分を覆うシールド21とを備えている。
マスク部20の幅寸法は、図1図2に示すように、開口部2の被覆時に下方に向かってやや窄む略台形形状に形成され、上部20A,中央部20B及び下部20Cに分けて構成されている。
【0020】
具体的には、マスク部20は、下底部(下底)23に対して上底部(上底)40の長さ寸法が大きく形成され、開口部2を被覆した状態で幅方向の寸法が下方に向かって漸次小さくなるように形成され、図3に示すように下底部23がフード部3の開口部2の下方に水平方向に縫合されている。そして、下底部23を軸として上下に反転し開口部2を開閉自在となっている。
【0021】
マスク部20の上部20Aは、図1図2に示すように鼻及び口近傍を覆う部分となっており、セオアルファ(登録商標)等の通気性の良い生地を2枚重ねて図3に示す袋構造24となるように形成されている。
この上部20Aの袋構造24は、顔面被覆部5を閉じた際に上方が開口して、シールド21の下端部21bを所定深さ挿入できるようになっている。所定深さとは、挿入されたシールド21がマスク部20の上部20Aに対して多少相対移動することがあってもシールド21の下端部21bが簡単に飛び出さない程度の深さである。更に、袋構造24を構成する図3に示す表面生地25と裏面生地26とは、シールド21の下端部21bに略フィットさせる形状で両生地がシールド21に対して殆ど無駄なダブつきなく重ね合されているとともに、表面生地25又は裏面生地26の内面側には、シールド21を固定するスナップ式のボタン30,30が取り付けられている。
【0022】
マスク部20の中央部20Bは、口近傍以下を覆う部分となっており、メッシュ素材により形成され、通気性を良くするとともに声を良好に通し得るようになっている。
マスク部20の下部は、首部を覆う部分となっており、セオアルファ(登録商標)等の等の通気性の良い生地により形成されている。
【0023】
図3に示すように、マスク部20の両側端部27,27には、それぞれフード部3の開口部2の側方に取り付けられたファスナーの一方側FS1と対をなすファスナーの他方側FS2が取り付けられている。この構成の下に、マスク部20がフード部3に対して開口部2の側方において着脱自在となっている。
マスク部20の表面積は、鼻及び口に位置する開口部2の面積よりも大きく、開口部2の側方及び下方に形成された周囲部4に亘って覆い得る寸法に形成されている。
【0024】
シールド21は、特に限定されないが、透明又は半透明の可撓性を有する樹脂シートにより形成され、視界を良好に確保できるようになっている。シールド21の外形は、角部21Kが円弧状に湾曲して形成された略矩形形状に形成されるとともに、下端部21bがその中央部で上辺側に湾曲するようにやや凹んだ形状となっており、両目とその周辺の全体を大きく被覆する大きさに形成されている。
シールド21の上端部21aの中央と下端部21bの左右両側寄りには、つば部13に取り付けられたスナップ式のボタン30と図3に示す表面生地25又は裏面生地26の内面に設けられたスナップ式のボタン30,30とにそれぞれ対応するボタン31,31・・が設けられており、マスク部20の上部20A及びつば部13に着脱自在に取り付けられている。
【0025】
次に、防塵フード1の使用方法について説明する。
防塵フード1を着用して使用するにあたっては、図1図2に示すようにまずシールド21をマスク部20の上部20Aの袋構造24の内部に挿入し、つば部13に設けられたスナップ式のボタン30及び袋構造24内に設けられたスナップ式のボタン30に対応するボタン31,31・・を合わせて留める。
【0026】
そして、開口部2を顔面側に向けてスカート部6の裾から防塵フード1を被りフード部3内に頭部を挿入する。開口部2の上縁部4aと下縁部4bとを顔面前部を露出させてフィットさせ、下縁部4bの下方を顎の下にかけて、ファスナーFS1,FS2を閉じる。そうすると顔面被覆部5が開口部2及び周囲部4を覆って固定される。
この状態で防塵フード1の着用が完了するので、着用者が自己に付着した塵埃類が飛散することを気にせずに作業を行うことができる。
【0027】
そして、例えば、食品の製造中に食品の風味をチェックしたり試食をしたりする場合など、鼻又は口の覆いを取りたい場合には、作業スペースから離れた適切なエリアでつば部13に取り付けられたボタン30とボタン31とを外し、ファスナーFS1,FS2を下ろして顔面被覆部5を下方に向けてフード部3から下げ、開口部2を開口させて試食等をおこなう。
試食等の作業が完了すると、再び顔面被覆部5を開口部2に覆わせ、ファスナーFS1,FS2を閉めて顔面被覆部5を固定する。
【0028】
このように、防塵フード1によれば、つば部13のボタン30とボタン31とを外し、開口部2の両側方に設けられたファスナーFS1,FS2を開閉するだけで、防塵フード1を脱いだり下からまくったりすることなく、簡単に顔面前部のみを開口させることができるという効果が得られる。
特に、顔面被覆部5は、台形形状というシンプルな形状で開口部2の全体をその周辺の周囲部4を含めて大きく覆い得るように形成され、かつ、ファスナーFS1,FS2が開口部2の側方と両側端部27,27とのそれぞれに略直線的に設けられている。したがって、顔面被覆部5の開閉が非常に容易となるという効果が得られる。
【0029】
更に、図1図3又は図2図4に示すように、両側部27,27が下方かつ前方に向延在しているため、ファスナーFS1,FS2の下端が、後方には手が回し難い首部において首の前側に位置することになる。したがって、ファスナーFS1,FS2を前方に向かって引き、側方に向かって上げることができ、マスク部20の開閉が更に行いやすいという効果が得られる。
【0030】
また、防塵フード1は、作業環境に応じて開口部2を開口し顔面前部の必要な部分のみ露出させても、周囲部4を顔面にフィットさせ、露出した部分以外をしっかりと防塵するようになっている。したがって、防塵フード1は、顔面被覆部5を開口部2に被覆させなければならない作業環境と、開口部2を露出させることが可能な作業環境との双方で、衛生レベルに応じて防塵態様を変えて用いることができるという効果が得られる。
【0031】
また、開口部2の被覆時において、マスク部20の幅方向の寸法が下方に向かって漸次窄む形状となっており、ファスナーFS1,FS2によって両側方を顔の輪郭にほぼ沿って留める構造になっているため、マスク部20の下部20Cのダブつきを抑えて下方の視界を良好にすることができるという効果が得られる。
【0032】
また、シールド21が袋構造24に挿入されて留められるようになっているため、シールド21の内面を伝って落ちる塵埃類が袋構造24内又はマスク部20の内面側に落ちて、防塵フード1の外に落ちることを防止することができるという効果が得られる。
なお、上記実施形態において、マスク部20の形状は略台形形状に形成されているが、矩形形状に形成されていても、台形形状から生じる作用及び効果以外については上記実施形態と同一の作用及び効果を奏し得る。
【0033】
また、マスク部20の両側端部27,27は、図5に示すように、防塵フード1を顔の輪郭に沿って緩やかなS字又は逆S字形状に形成されていることが望ましい。具体的には、両側端部27,27は、着用者の顎の位置又は顎のやや下方に至るまで両側端部27,27が緩やかに頬の形に添って湾曲しつつ漸次窄むように形成され、その下方で平行又は下方に向かってわずかに拡開するように形成されていることが好ましい。
【0034】
マスク部20の両側端部がこのように形成されていることで、マスク部20の中央部20B及び下部20Cの両側端部27,27に形成された曲線が顔の頬から顎の部分の両側部及び顎から首の部分にかけてより良好にフィットする。したがって、開口部2を露出させた際にも、目,鼻及び口以外の部分から塵埃類が落ちるのをより好適に防止することができるという効果が得られる。また、防塵フード1を被って下方を向いた際の視界が良好となるとともに、マスク部20で開口部2を閉じた状態にした際に、マスク部20を顔面により良好にフィットさせることができるという効果が得られる。
【0035】
また、図5に示すような形状とした場合、マスク部20は、シールド21を挿入して鼻及び口部分を覆う上部20A及び中央部20Bの幅を大きく形成し、首元で幅が小さく形成された構成とさせやすい。したがって、視界を可及的に大きくすることができるとともに、中央部20Bを通気性の良いメッシュで形成することにより、鼻及び口の周囲の通気性をひろくし、かつ、顎よりも下のダブつきを抑えることができるという効果が得られる。
【0036】
また、袋構造24を形成する裏面生地26は、起毛している等、塵埃類を付着させて落ちにくい構造になっているとなおよい。
このような材料が裏面生地26に用いられていると、顔面被覆部5を下して開口部2を開口させたときに、顔面被覆部5に付着させた塵埃類を飛散させることを防止することができるという効果が得られる。
【0037】
なお、上記実施形態において、マスク部20の両側端部27,27は線ファスナーであるファスナーFS1,FS2により着脱自在な構成としたが、両側端部27,27を着脱する手段としては、線ファスナーに限定されるものではなく、面ファスナー,その他スナップボタン等着脱自在に留められるものであればどのようなものが適用されてもよい。
【0038】
また、上記実施形態において、顔面被覆部5は、開口部2及び周囲部4の略全体を覆っているが、開口部2から塵埃類が飛散しないよういなっていれば、開口部2及び周囲部4の一部を覆うものであってもよい。具体的には、顔面被覆部5は、例えば、開口部2の全体と周囲部4の一部、すなわち上下方向には額の上下方向中間部から首の上下方向中間部まで、水平方向には両耳よりも内側の領域とを覆うものであってもよい。又は、顔面被覆部5は、開口部2の全体を覆うことが好ましいが、開口部2から塵埃類が飛散しないよういなっていれば、正面視で上方側が多少被覆されていない領域があってもよい。
【符号の説明】
【0039】
1 防塵フード(シールド付防塵フード)
2 開口部
3 フード部
4 周囲部
5 顔面被覆部
20 マスク部
21 シールド
21b シールドの下端部
23 下底部(顔面被覆部の下端部)
24 袋構造
25 表面生地
26 裏面生地
図1
図2
図3
図4
図5