特許第6051126号(P6051126)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6051126
(24)【登録日】2016年12月2日
(45)【発行日】2016年12月27日
(54)【発明の名称】配線基板の製造方法
(51)【国際特許分類】
   H05K 3/28 20060101AFI20161219BHJP
   G03F 7/004 20060101ALI20161219BHJP
   G03F 7/095 20060101ALI20161219BHJP
   G03F 7/26 20060101ALI20161219BHJP
   G03F 7/20 20060101ALI20161219BHJP
【FI】
   H05K3/28 B
   G03F7/004 512
   G03F7/095
   G03F7/26
   H05K3/28 D
   G03F7/20 501
【請求項の数】1
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2013-180768(P2013-180768)
(22)【出願日】2013年8月31日
(65)【公開番号】特開2015-50310(P2015-50310A)
(43)【公開日】2015年3月16日
【審査請求日】2015年10月27日
(73)【特許権者】
【識別番号】000006633
【氏名又は名称】京セラ株式会社
(72)【発明者】
【氏名】櫻井 敬三
【審査官】 小林 大介
(56)【参考文献】
【文献】 特開平05−198929(JP,A)
【文献】 特開平04−097588(JP,A)
【文献】 特開平02−241079(JP,A)
【文献】 特開2012−209389(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2003/0056366(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 3/28
G03F 7/004
G03F 7/095
G03F 7/20
G03F 7/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも一方の主面に配線導体が被着された絶縁基板の両主面間に、電子部品を収容するため、もしくは電子部品に面するための貫通穴が形成されているとともに、前記絶縁基板の両主面および前記貫通穴内壁に、前記配線導体の一部を露出させるとともに前記内壁を被覆し、かつ前記貫通穴の位置に貫通口を有するソルダーレジスト層を被着させて成る配線基板の製造方法であって、
少なくとも一方の主面に前記配線導体が形成されているとともに両主面間に前記貫通穴が形成された前記絶縁基板を準備する工程と、
前記絶縁基板の一方の主面に、前記ソルダーレジスト用の感光性樹脂フィルムを、前記一方の主面および前記貫通穴上を覆うとともに、該貫通穴内に前記絶縁基板の厚みの1/4以上の高さに入り込むように被着する工程と、
前記絶縁基板の他方の主面に、前記ソルダーレジスト用の感光性樹脂ペーストを、前記他方の主面および前記貫通穴内を覆うように塗布する工程と、
前記感光性樹脂フィルムおよび前記感光性樹脂ペーストを露光および現像することにより、前記配線導体の一部を露出させるとともに前記内壁を被覆し、かつ前記貫通穴の位置に前記貫通口を有する前記ソルダーレジスト層を形成することを特徴とする配線基板の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、絶縁基板の両主面間に、電子部品を収容するため、もしくは電子部品に面するための貫通穴が形成されて成る配線基板の製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
まず、図4を基に、従来の製造方法により製造される配線基板Cの一例を説明する。配線基板Cは、絶縁基板41と、配線導体42と、ソルダーレジスト層43とを具備する。
【0003】
絶縁基板41は、熱硬化性樹脂を主成分とした電気絶縁材料から成る。絶縁基板41は、その両主面間に貫通穴41aおよびスルーホール41bを有している。また、絶縁基板41の表面およびスルーホール41b内には配線導体42が形成されている。さらに、絶縁基板41の両主面および貫通穴41a内壁には、ソルダーレジスト層43が被着されている。ソルダーレジスト層43は、配線導体42の一部を露出させる開口部43a、43bを有するとともに、貫通穴41a内壁を被覆し、かつ貫通穴41aの位置に貫通口43cを有している。
ソルダーレジスト層43の開口部43aに露出する配線導体42の一部は、例えばCCD等の電子部品Dと半田を介して接続される電子部品接続パッド44として機能する。また、ソルダーレジスト層43の開口部43bに露出する配線導体42の一部は、例えば光の送信部を有する外部回路基板の電極と半田を介して電気的に接続される外部接続パッド45として機能する。なお、これらの電子部品接続パッド44および外部接続パッド45の露出表面には、図示しないニッケルめっき層および金めっき層が順次被着されている。
そして、貫通口43cが電子部品Dの受光部に面する状態で電子部品Dの電極と電子部品接続パッド44とを接続することによって配線基板Cに電子部品Dが実装される。さらに、電子部品Dを実装した状態で配線基板Cの外部接続パッド45と外部回路基板の電極とを電気的に接続することにより、電子部品Dが外部電気回路基板に電気的に接続される。
そして、絶縁基板41の両主面およびスルーホール41b内に形成された配線導体42を介して電子部品Dと外部回路基板との間で信号の伝送が行われる。
【0004】
ところで、このような配線基板Cにおいては、貫通穴41aの内壁から、例えば絶縁基板41を構成する熱硬化性樹脂片が上述のCCD素子の受光部表面に落下して良好な受光状態を阻害することを回避するために、貫通穴41aの内壁をソルダーレジスト層43で被覆している。
【0005】
このような従来の配線基板Cが形成される工程を、図5を基に説明する。
まず、図5(a)に示すように、両主面間に貫通穴41aおよびスルーホール41bが形成されているとともに、両主面およびスルーホール41b内に配線導体42が形成された絶縁基板41を準備する。
【0006】
次に、図5(b)に示すように、絶縁基板41の上下面に、ソルダーレジスト用の感光性樹脂フィルムを、貫通穴41a内を充填するように熱プレスにより被着する。
【0007】
次に、図5(c)に示すように、露光および現像することにより、配線導体42の一部を露出する開口部43aおよび43bを有するとともに貫通口43cを有するソルダーレジスト層43を形成する。
【0008】
最後に、ソルダーレジスト層43から露出する電子部品接続パッド44および外部接続パッド45の表面に、半田との密着性を向上させるためのニッケルめっき層および金めっき層を順次被着して成るめっき層46を形成することで配線基板Cが完成する。
【0009】
しかしながら、このような方法で配線基板Cを形成する場合に、貫通穴41a内を充填するように感光性樹脂フィルムを熱プレスで被着するときに、上下のフィルム同士の間に気泡を噛み込んでしまい、貫通穴41aの内壁付近に気泡が残留してしまうことがある。このような状態で、感光性樹脂フィルムを露光および現像して貫通口43cを形成すると、気泡の跡が貫通口43cの内壁に微小な窪みを形成する。このような窪みが生じると、上述のニッケルめっき層および金めっき層を被着させる工程において、めっきのための薬液が窪み内に入り込んで後に乾燥し、その乾燥物が異物となって上記CCD素子の受光面に落下して良好な受光状態を阻害するという問題を引き起こす。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2007−266195号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は、絶縁基板に設けられた貫通穴の内壁を被覆するソルダーレジスト層の貫通口内壁を平滑に形成することで、貫通口形成後の工程においてめっき液などの薬液が貫通口内壁に残ることを防止する。これにより、めっきをするための薬液等の乾燥物が異物として電子部品の表面に落下することなく、電子部品を安定的に稼働させることができる配線基板を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の配線基板の製造方法は、少なくとも一方の主面に配線導体が被着された絶縁基板の両主面間に、電子部品を収容するため、もしくは電子部品に面するための貫通穴が形成されているとともに、絶縁基板の両主面および貫通穴内壁に、配線導体の一部を露出させるとともに内壁を被覆し、かつ貫通穴の位置に貫通口を有するソルダーレジスト層を被着させて成る配線基板の製造方法であって、少なくとも一方の主面に配線導体が形成されているとともに両主面間に前記貫通穴が形成された絶縁基板を準備する工程と、絶縁基板の一方の主面に、ソルダーレジスト用の感光性樹脂フィルムを、一方の主面および貫通穴上を覆うとともに、貫通穴内に絶縁基板の厚みの1/4以上の高さに入り込むように被着する工程と、絶縁基板の他方の主面に、ソルダーレジスト用の感光性樹脂ペーストを、他方の主面および貫通穴内を覆うように塗布する工程と、感光性樹脂フィルムおよび感光性樹脂ペーストを露光および現像することにより、配線導体の一部を露出させるとともに内壁を被覆し、かつ貫通穴の位置に貫通口を有するソルダーレジスト層を形成することを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0013】
本発明の配線基板の製造方法によれば、貫通穴が形成された絶縁基板の一方の主面にソルダーレジスト用の感光性樹脂フィルムを、一方の主面および貫通穴上を覆うとともに、貫通穴内に絶縁基板の厚みの1/4以上の高さに入り込むように被着する工程と、絶縁基板の他方の主面にソルダーレジスト用の感光性樹脂ペーストを、他方の主面および貫通孔内を覆うように塗布する工程とを行う。このように、絶縁基板の一方の主面および貫通穴上を感光性樹脂フィルムで覆ったうえで、絶縁基板の他方の主面および貫通孔内に感光性樹脂ペーストを塗布することで、感光性樹脂ペーストが貫通穴内に塗布されて濡れ広がっていくときに、貫通穴内の空気は順次貫通穴外へ追い出されていき、貫通穴の内壁付近に気泡が残留してしまうことを防止できる。このため、感光性樹脂フィルムおよびペーストを露光および現像して貫通口を形成するときに、貫通口内壁に微小な窪みが生じることなく平滑な内壁を形成できる。これにより、貫通口形成後の工程において、めっき液などの薬液が貫通口内壁に残ることを防止して、薬液等の乾燥物が異物として電子部品の表面に落下することなく電子部品を安定的に稼働させることができる配線基板を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1図1は、本発明の製造方法により製造される配線基板の実施形態の一例を示す概略断面図である。
図2図2(a)〜(e)は、本発明の製造方法における実施形態の一例を説明するための工程毎の要部概略断面図である。
図3図3は、本発明の製造方法により製造される別の実施形態の配線基板が適用される組立て基板の一例を示す概略断面図である。
図4図4は、従来の製造方法により製造される配線基板の実施形態の一例を示す概略断面図である。
図5図5(a)〜(d)は、従来の製造方法における実施形態の一例を説明するための工程毎の要部概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
まず、図1を基に、本発明の製造方法により製造される配線基板Aの一例を説明する。
配線基板Aは、絶縁基板1と、配線導体2と、ソルダーレジスト層3とを具備する。
【0016】
絶縁基板1は、その両主面間に貫通穴1aおよびスルーホール1bを有している。また、絶縁基板1の表面およびスルーホール1b内には、配線導体2が形成されている。さらに、絶縁基板1の両主面および貫通穴1a内壁には、ソルダーレジスト層3が被着されている。ソルダーレジスト層3は、配線導体2の一部を露出させる開口部3a、3bを有するとともに、貫通穴1a内壁を被覆し、かつ貫通穴1aの位置に貫通口3cを有している。
ソルダーレジスト層3の開口部3aに露出する配線導体2の一部は、例えばCCD等の電子部品Dと半田を介して接続される電子部品接続パッド4として機能する。また、ソルダーレジスト層3の開口部3bに露出する配線導体2の一部は、例えば光の送信部を有する外部回路基板の電極と半田を介して電気的に接続される外部接続パッド5として機能する。なお、これらの電子部品接続パッド4および外部接続パッド5の露出表面には、図示しないニッケルめっき層および金めっき層が順次被着されている。
そして、貫通口3cが電子部品Dの受光部に面する状態で電子部品Dの電極と電子部品接続パッド4とを接続することによって配線基板Aに電子部品Dが実装される。さらに、電子部品Dを実装した状態で配線基板Aの外部接続パッド5と外部回路基板の電極とを電気的に接続することにより、電子部品Dが外部電気回路基板に電気的に接続される。
そして、絶縁基板1の両主面およびスルーホール1b内に形成された配線導体2を介して電子部品Dと外部回路基板との間で信号の伝送が行われる。
【0017】
次に、図2を基に、本発明の配線基板の製造方法を説明する。なお、図2においては、図1を基に説明した配線基板Aと同一の箇所には同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0018】
まず、図2(a)に示すように、主面間に貫通穴1aおよびスルーホール1bを有しており、表面およびスルーホール1b内に配線導体2が形成された絶縁基板1を準備する。絶縁基板1は、例えばガラスクロスにエポキシ樹脂やビスマレイミドトリアジン樹脂等の熱硬化性樹脂を含浸させて熱硬化させることで形成される。また、貫通穴1aおよびスルーホール1bは、ブラスト加工やドリル加工、あるいはレーザー加工により形成される。貫通穴1aの直径は、1〜2mm程度であり、スルーホール1bの直径は、50〜300μm程度である。また、配線導体2は、例えば周知のサブトラクティブ法やセミアディティブ法により銅などの良導電性金属により形成される。
【0019】
次に、図2(b)に示すように、絶縁基板1の一方の主面に、ソルダーレジスト用の感光性樹脂フィルム3Fを一方の主面および貫通穴1a上を覆うように熱プレスで被着する。感光性樹脂フィルム3Fは、例えばエポキシ樹脂やポリイミド樹脂等の熱硬化性樹脂を含有する電気絶縁材料から成る。このとき、感光性樹脂フィルム3Fの一部が貫通穴1a内に入り込むように被着することが好ましい。感光性樹脂フィルム3Fの一部が貫通穴1a内に入り込む高さは、絶縁基板1の厚みの4分の1以上であることが好ましい。感光性樹脂フィルム3Fの一部が貫通穴1a内に、絶縁基板1の厚みの4分の1以上の高さに入り込むことにより、後述する感光性樹脂ペースト3Pを絶縁基板1の他方の主面及び貫通穴1a内に塗布する際に、貫通穴1a内に気泡を巻き込むことなく感光性樹脂ペースト3Pを塗布することが容易となる。
【0020】
次に、図2(c)に示すように、絶縁基板1の他方の主面に、ソルダーレジスト用の感光性樹脂ペースト3Pを他方の主面および貫通穴1a内を覆うように塗布する。感光性樹脂ペースト3Pは、例えばエポキシ樹脂やポリイミド樹脂等の熱硬化性樹脂を含有する電気絶縁材料から成る。また、感光性樹脂ペースト3Pは、貫通穴1a内に濡れ広がり易いように流動性が高いものであることが好ましい。このとき、感光性樹脂ペースト3Pが、感光性樹脂フィルム3Fで塞がれた貫通穴1a内に塗布されて濡れ広がっていくときに、貫通穴1a内の空気は貫通穴1aの外に追い出されることから貫通孔1a内の感光性樹脂ペースト3Pに気泡が形成されることを有効に防止できる。なお、感光性樹脂ペースト3Pを貫通穴1a内に塗布するときに、もしも気泡を噛み込んでしまった場合でも、従来のように絶縁基板の両主面が感光性樹脂フィルムで被覆されていないので、脱泡処理を行うことにより気泡を貫通穴1aの外に追い出すことができる。
【0021】
次に、図2(d)に示すように、感光性樹脂フィルム3Fおよび感光性樹脂ペースト3Pを露光および現像することにより、配線導体2の一部を露出する開口部3a、3bを有するとともに、貫通穴1aの内壁を被覆し、かつ貫通穴1aの位置に貫通口3cを有するソルダーレジスト層3を形成する。このとき、貫通穴1aを塞いでいた感光性樹脂フィルム3Fおよび感光性樹脂ペースト3Pには気泡が形成されていなかったことから、貫通口3cの内壁に気泡に起因した微小な窪みが形成されることはなく、平滑な内壁を有する貫通口3cが形成される。
【0022】
次に、図2(e)に示すように、電子部品接続パッド4および外部接続パッド5の表面に、例えば無電解めっき法によりニッケルめっきおよび金めっきを順次被着させて成るめっき層6を形成する。これにより、配線基板Aが形成される。このとき、貫通口3cの内壁が平滑となっていることから、めっき液等の薬液が貫通口3cの内壁に残留することを有効に防止することができる。したがって、薬液等の乾燥物が異物として電子部品Dの表面に落下することなく電子部品Dを安定的に稼働させることができる配線基板Aを提供することができる。
【0023】
なお、本発明は上述の実施形態の一例に特定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲であれば種々の変更は可能である。上述した一例では、配線基板Aの貫通口3cが電子部品Dに面する状態で配置される例を示したが、例えば図3に示す配線基板Bのように、貫通穴21a内に被着されたソルダーレジスト層23の貫通口23c内に電子部品Dが収容される場合においても適用は可能である。
【符号の説明】
【0024】
1 絶縁基板
1a 貫通穴
2 配線導体
3 ソルダーレジスト層
3c 貫通口
3F 感光性樹脂フィルム
3P 感光性樹脂ペースト
A 配線基板
D 電子部品
図1
図2
図3
図4
図5