(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6051197
(24)【登録日】2016年12月2日
(45)【発行日】2016年12月27日
(54)【発明の名称】マルチプルアームを備えた搬送ロボット
(51)【国際特許分類】
H01L 21/677 20060101AFI20161219BHJP
B65G 49/07 20060101ALI20161219BHJP
B25J 9/04 20060101ALI20161219BHJP
【FI】
H01L21/68 A
B65G49/07 C
B25J9/04 B
【請求項の数】10
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2014-255515(P2014-255515)
(22)【出願日】2014年12月17日
(65)【公開番号】特開2016-115887(P2016-115887A)
(43)【公開日】2016年6月23日
【審査請求日】2014年12月17日
(73)【特許権者】
【識別番号】514321644
【氏名又は名称】ロボスター・カンパニー・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100114188
【弁理士】
【氏名又は名称】小野 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100119253
【弁理士】
【氏名又は名称】金山 賢教
(74)【代理人】
【識別番号】100124855
【弁理士】
【氏名又は名称】坪倉 道明
(74)【代理人】
【識別番号】100129713
【弁理士】
【氏名又は名称】重森 一輝
(74)【代理人】
【識別番号】100137213
【弁理士】
【氏名又は名称】安藤 健司
(74)【代理人】
【識別番号】100143823
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 英彦
(74)【代理人】
【識別番号】100151448
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 孝博
(74)【代理人】
【識別番号】100183519
【弁理士】
【氏名又は名称】櫻田 芳恵
(74)【代理人】
【識別番号】100196483
【弁理士】
【氏名又は名称】川嵜 洋祐
(74)【代理人】
【識別番号】100185959
【弁理士】
【氏名又は名称】今藤 敏和
(74)【代理人】
【識別番号】100146318
【弁理士】
【氏名又は名称】岩瀬 吉和
(74)【代理人】
【識別番号】100127812
【弁理士】
【氏名又は名称】城山 康文
(72)【発明者】
【氏名】キム・ミンホ
(72)【発明者】
【氏名】ジョン・イルヨン
(72)【発明者】
【氏名】ソ・ミンソク
【審査官】
儀同 孝信
(56)【参考文献】
【文献】
特開2009−208941(JP,A)
【文献】
特開平11−163082(JP,A)
【文献】
特開平04−167538(JP,A)
【文献】
特表2011−530189(JP,A)
【文献】
登録実用新案第3144064(JP,U)
【文献】
特開2010−179419(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/677
B25J 9/04
B65G 49/07
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
搬送物それぞれを搬送する第1〜第4ハンドを備え、同一の運動経路を有する第1〜第4ロボットアームを含み、
前記第1〜第4ロボットアームは、一方向に延びる立体形状からなるとともに、立体形状の長手方向外側から見て格子状に配列され、
前記第1〜第4ロボットアームそれぞれの内側面は、水平ガイドと長手方向に沿ってレール結合されることにより、前記第1〜第4ロボットアームが第1段水平直線運動をし、
前記第1〜第4ロボットアームそれぞれの外側面には、前記第1〜第4ハンドを先端部に有するハンドベースが長手方向に沿ってレール結合されることにより、前記第1〜第4ハンドが第2段水平直線運動をし、
前記第1〜第4ロボットアームによって前記搬送物が同時又は個別に一つの同一位置から別の一つの同一位置に取り出し、搬送又は積載される、マルチプルアームを備えた搬送ロボット。
【請求項2】
前記第1〜第4ロボットアームそれぞれの外側面には、「┐」状又は「└」状形態の前記ハンドベースがレール結合される、請求項1に記載のマルチプルアームを備えた搬送ロボット。
【請求項3】
前記水平ガイドは、上段水平ガイドと下段水平ガイドとが上下に配列され、
前記上段水平ガイドの両側面に、上側に位置した第1及び第2ロボットアームそれぞれがレール結合し、
前記下段水平ガイドの両側面に、下側に位置した第3及び第4ロボットアームそれぞれがレール結合する、請求項1に記載のマルチプルアームを備えた搬送ロボット。
【請求項4】
前記上段水平ガイドの上側面及び前記下段水平ガイドの下側面には、それぞれ連結部材を媒介として上段垂直スライド及び下段垂直スライドと連結される、請求項3に記載のマルチプルアームを備えた搬送ロボット。
【請求項5】
前記上段垂直スライド及び下段垂直スライドは、垂直部材に連結されて上下垂直方向に往復運動をする、請求項4に記載のマルチプルアームを備えた搬送ロボット。
【請求項6】
前記垂直部材は、下段部において回転部材と連結され、前記回転部材によって前記ロボットアームが回転する、請求項5に記載のマルチプルアームを備えた搬送ロボット。
【請求項7】
前記回転部材は、下段部においてスライドベースと連結され、前記スライドベースは、両端にレール結合して左右水平直線運動をする、請求項6に記載のマルチプルアームを備えた搬送ロボット。
【請求項8】
前記第1〜第4ロボットアームは、回転部材を介して回転が可能なように具現され、
前記第1〜第4ロボットアーム及び前記第1〜第4ハンドが水平直線移動がない位置で前記搬送物を積載した状態である時、前記搬送物の中心点と前記回転部材の回転中心軸とは同一線上に位置される、請求項1に記載のマルチプルアームを備えた搬送ロボット。
【請求項9】
前記第1〜第4ロボットアームによって前記搬送物が同時に取り出し、搬送又は積載される時、前記搬送物の中心点が同一線上で上下垂直に配列された状態に置かれる、請求項1に記載のマルチプルアームを備えた搬送ロボット。
【請求項10】
搬送物それぞれを搬送する第1〜第3ハンドを備え、同一の運動経路を有して「└」状又は「┐」状形態に配列される第1〜第3ロボットアームを含み、
前記第1〜第3ロボットアームそれぞれの内側面は、水平ガイドと長手方向に沿ってレール結合されることにより、前記第1〜第3ロボットアームが第1段水平直線運動をし、
前記第1〜第3ロボットアームそれぞれの外側面には、前記第1〜第3ハンドを先端部に有するハンドベースが長手方向に沿ってレール結合されることにより、前記第1〜第3ハンドが第2段水平直線運動をし、
前記第1〜第3ロボットアームによって前記搬送物が同時又は個別に一つの同一位置から別の一つの同一位置に取り出し、搬送又は積載される、マルチプルアームを備えた搬送ロボット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願において開示される技術は、マルチプルアームを備えた搬送ロボットに関するもので、特に、マルチプルアームの個別駆動が可能であり、一定のピッチ単位で上下積載される搬送物(基板又はウェハなど)の同時積載及び取り出しが可能なマルチプルアームを備えた搬送ロボットに関する。
【背景技術】
【0002】
半導体装置や液晶表示装置等の製造工程においては、半導体ウェハや液晶表示装置用ガラス基板等の基板に対して引き込み及び取り出し過程が行われる。
【0003】
基板処理装置(搬送ロボット)は、ダブルアームロボット、多数個のアームで構成された搬送ロボット等が開発されて使用されており、複数のキャリアを保持するキャリア保持部と、基板を処理する基板処理部と、キャリア保持部と基板処理部との間で上下に積層された反転ユニットと、各反転ユニットとキャリア保持部との間で基板を搬送するインデクサロボットと、各反転ユニットと基板処理部との間で基板を搬送するメイン搬送ロボットと、を備えるのが一般的である。
【0004】
このような搬送ロボットは、根本的に、ウェハ、基板又は搬送物の移送をさらに効率的に行うためのものであり、これで工程のタックタイム(Tack Time)を減らして工程効率を高めることができる方向に開発が成されることになる。
【0005】
一つの基板を搬送するための一つのアームを有する搬送ロボットからダブルアームを備えた搬送ロボットが開発され、ダブルアームの構造を改善してさらに効率的な工程を目的として、大韓民国公開特許公報10−2008−0047205号(基板移載ロボット)(特許文献1)及び大韓民国公開特許公報10−2012−0007449号(基板処理装置及び基板搬送方法)(特許文献2)が開示されている。
【0006】
特許文献1は、独立的回転移動及び同時的上下移動が可能な多数のアームを備え、効率的な基板移載を達成できる基板移載ロボットを開示している。
【0007】
特許文献1に記載された発明は、東西南北の4方向に設置され位置された搬送物をそれぞれの方向から搬送可能な構造という点で利得があるが、東西南北の4方向に独立的に動作するので、インライン工程や一方向に進められる工程では、使用するのに不適合な短所を有している。
【0008】
特許文献2に記載された発明は、基板処理装置のスループット(throughput、単位時間当たりの基板の処理枚数)を増加させて、インデクサロボット及びメイン搬送ロボットの待機時間を短縮するための搬送ロボットを提供する。
【0009】
特許文献2に記載された発明は、工程時間を短縮する長所を有しているが、一つのアームに多数のハンドが取り付けられた構造なので同時駆動をしなければならない短所を有し、多数のハンド構造により一定間隔で位置した場合にだけ多数の搬送物の搬送が可能であるという短所を有している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】大韓民国公開特許公報10−2008−0047205号
【特許文献2】大韓民国公開特許公報10−2012−0007449号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明の様々な実施形態では、同じ水平方向の直線運動で搬送物の同時又は個別的な搬送が可能なマルチプルアームを備えた搬送ロボットを提供する。
【0012】
また、本発明の様々な実施形態では、インライン(In−Line)工程及び一方向に連続する工程において、搬送物を1個〜4個の同時移送で迅速な工程の流れを誘導し、工程時間を短縮して工程効率を高めることができるマルチプルアームを備えた搬送ロボットを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上述した課題を解決するための本発明の一態様によるマルチプルアームを備えた搬送ロボットは、搬送物それぞれを搬送する第1〜第4ハンドを備え、同一の運動経路を有して「ロ」状形態に配列される第1〜第4ロボットアームを含み、前記第1〜第4ロボットアームによって前記搬送物が同時又は個別に一つの同一位置から別の一つの同一位置に取り出し、搬送又は積載されるように具現されて、同時に多数個の搬送物を搬送することができ、TACT TIME(タクトタイム)を減らすことができるようになる。
【0014】
ここで、前記第1〜第4ロボットアームそれぞれの外側面には、「┐」状又は「└」状形態のハンドベースがレール結合するように具現されてもよい。
【0015】
ここで、前記第1〜第4ロボットアームそれぞれの内側面は、水平ガイドとレール結合されて水平直線運動をするように具現されてもよい。
【0016】
ここで、前記水平ガイドは、上段水平ガイドと下段水平ガイドとが上下に配列され、前記上段水平ガイドの両側面に、上側に位置した第1及び第2ロボットアームそれぞれがレール結合し、前記下段水平ガイドの両側面に、下側に位置した第3及び第4ロボットアームそれぞれがレール結合するように具現されてもよい。
【0017】
ここで、前記上段水平ガイドの上側面及び前記下段水平ガイドの下側面には、それぞれ連結部材を媒介として上段垂直スライド及び下段垂直スライドと連結するように具現されてもよい。
【0018】
ここで、前記上段垂直スライド及び下段垂直スライドは、垂直部材に連結されて上下垂直方向に往復運動をするように具現されてもよい。
【0019】
ここで、前記垂直部材は、下段部において回転部材と連結し、前記回転部材によって前記ロボットアームが回転するように具現されてもよい。
【0020】
ここで、前記回転部材は、下段部においてスライドベースと連結し、前記スライドベースは、両端にレール結合して左右水平直線運動をするように具現されてもよい。
【0021】
ここで、前記第1〜第4ロボットは、回転部材を介して回転が可能なように具現され、前記第1〜第4ロボットアーム及び前記第1〜第4ハンドが水平直線移動がない位置で前記搬送物を積載した状態である時、前記搬送物の中心点と前記回転部材の回転中心軸とは、同一線上に位置することが、搬送ロボットの回転半径を減らして作業空間の効率性を高めることができる。
【0022】
ここで、前記第1〜第4ロボットアームによって前記搬送物が同時に取り出し、搬送又は積載される時、前記搬送物の中心点が同一線上で上下垂直に配列された状態に置かれることが好ましい。
【0023】
また、本発明の一態様によるマルチプルアームを備えた搬送ロボットは、搬送物それぞれを搬送する第1〜第3ハンドを備え、同一の運動経路を有して「└」状又は「┐」状形態に配列される第1〜第3ロボットアームを含み、前記第1〜第3ロボットアームによって前記搬送物が同時又は個別に一つの同一位置から別の一つの同一位置に取り出し、搬送又は積載されてもよい。
【発明の効果】
【0024】
上述した本発明の様々な実施形態によれば、同じ水平方向の直線運動で搬送物の同時又は個別的な搬送が可能であり、インライン(In−Line)工程及び一方向に連続する工程において、搬送物を3個又は4個の同時移送で迅速な工程の流れを誘導し、工程時間を短縮して工程効率を高めることができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1】本発明の一実施形態によるマルチプルアームを備えた搬送ロボットの斜視図である。
【
図2】本発明の一実施形態によるマルチプルアームを備えた搬送ロボットの正面図である。
【
図3】本発明の一実施形態によるマルチプルアームを備えた搬送ロボットの第1ロボットアームが水平前進した状態図である。
【
図4】本発明の一実施形態によるマルチプルアームを備えた搬送ロボットの第2ロボットアームが水平前進した状態図である。
【
図5】本発明の一実施形態によるマルチプルアームを備えた搬送ロボットの第3ロボットアームが水平前進した状態図である。
【
図6】本発明の一実施形態によるマルチプルアームを備えた搬送ロボットの第4ロボットアームが水平前進した状態図である。
【
図7】本発明の一実施形態によるマルチプルアームを備えた搬送ロボットのマルチプルアーム全体が水平前進した状態図である。
【
図8】本発明の他の実施形態によるマルチプルアームを備えた搬送ロボットの構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、添付された図面を参照して、本発明の様々な実施形態によるマルチプルアーム(Multiple Arm)を備えた搬送ロボットの構造及び作用効果を説明する。
【0027】
図1は、本発明の一実施形態によるマルチプルアームを備えた搬送ロボットの斜視図であり、
図2は、本発明の一実施形態によるマルチプルアームを備えた搬送ロボットの正面図であり、
図1の(A)と(B)はそれぞれ異なる角度から見た斜視図である。
【0028】
図1及び
図2に示されたように、本発明の一実施形態によるマルチプルアームを備えた搬送ロボット10は、ベースフレーム11、スライドベース12、レールボックス13、レール14、回転部材15a、垂直部材15b、上下段垂直スライド17a、17b、上下段連結部材18a、18b、上下段水平ガイド19a、19b、第1〜第4ロボットアーム20a〜20d)、上下段ハンドベース21a、21b、及び第1〜第4ハンド22a〜22dを含んでなる。
【0029】
ベースフレーム11は、マルチプルアームロボット10を支持して四角フレーム形態から成ってもよく、必要に応じて移動が容易なようにキャスターが装着されてもよく、ロボットの作動時に流動性を防止するように多数の固定装置24が付着されてもよい。また、マルチプルアームロボット10の左右移動距離を確認するために、ベースフレーム11にはストッパー25が装着されてもよい。
【0030】
ベースフレーム11の内側にはスライドベース12が位置し、ベースフレーム11の両側の上にはスライドベース12の水平移動のためのレール14が形成される。
【0031】
レール14は、レールボックス13によってカバーされてもよく、レールボックス13内には、電源及び制御信号を送るケーブル(図示せず)が安着されてもよい。
【0032】
スライドベース12は、両側にレール14と連結されて左右水平移動が可能なように構成され、中心上段には回転部材15aが形成され、回転部材15aの先端には垂直部材15bが形成されてもよい。回転部材15aの中心には回転中心軸16が設けられてもよい。
【0033】
回転部材15aは、回転中心軸16を基準として第1〜第4ロボットアーム20a〜20dを360度回転させ、垂直部材15bは、第1〜第4ロボットアーム20a〜20dを上下往復直線運動を可能にする。
【0034】
垂直部材15bの一側面にはレールを形成し、このレールには、上段垂直スライド17aと下段垂直スライド17bとが結合されて上下段垂直スライド17a、17bが同時に上下往復直線運動をする。
【0035】
上下段垂直スライド17a、17bの先端には、上段連結部材18aと下段連結部材18bそれぞれの互いに向かい合う方向に形成され、上段連結部材18aの下側には上段水平ガイド19aが連結され、下段連結部材18bの上側には下段水平ガイド19bが連結される。
【0036】
上段水平ガイド19aの両側面にはレールが形成され、このレールに第1及び第2ロボットアーム20a、20bが連結され、下段水平ガイド19bの両側面にはレールが形成され、このレールに第3及び第4ロボットアーム20c、20dが結合される。
【0037】
第1〜第4ロボットアーム20a〜20dは、格子配列、すなわち第1及び第4ロボットアーム20a、20dと第2及び第3ロボットアーム20b、20cがそれぞれ互いに対角方向に配置され、第1及び第2ロボットアーム20a、20bが上段水平配列、第3及び第4ロボットアーム20c、20dが下段水平配列になっており、その中心には、第1〜第4ハンド22a〜22dと搬送物23が位置する。
【0038】
第1〜第4ロボットアーム20a〜20dの外側面には、第1〜第4ハンドベース21a〜21dが水平移動するように結合し、第1及び第2ハンドベース21a、21bは「└」状に、第3及び第4ハンドベース21c、21dは「┐」状に配置される。
【0039】
第1〜第4ハンドベース21a〜21dの先端部それぞれには、第1〜第4ハンド22a〜22dが装着され、第1〜第4ハンド22a〜22dの上には搬送物23が位置する。
【0040】
第1〜第4ロボットアーム20a〜20dは、それぞれ独立して駆動されてもよく、また、同時駆動が可能である。
【0041】
第1〜第4ハンド22a〜22dに置かれる搬送物23の中心点は、同一線上に置かれ、また、回転部材15aの回転中心軸16と同一線上に置かれることになる。
【0042】
ここで、搬送物23、すなわち4個の搬送物が同一位置に配置されるのは、4個の搬送物を同一位置に同時に積載及び搬送が可能なようにし、搬送物23の中心点と回転中心軸16とが同一線上に位置するように形成するのは、搬送ロボットの作業空間、すなわち回転半径を最小化して作業空間の効率性を高めるためである。
【0043】
第1〜第4ロボットアーム20a〜20dは、x軸方向の水平直線運動x、y軸方向の垂直直線運動y、z軸方向の2段水平直線運動z1、z2、及び回転運動θを同時又は個別に具現することになる。
【0044】
x軸方向の水平直線運動xは、スライドベース12とレール14の結合によってスライドベース12のx軸方向に往復運動をすることで具現が可能であり、y軸方向の垂直直線運動yは、垂直部材15bを基準として上下段垂直スライド17a、17bがy軸方向に上下垂直運動を可能にし、z軸方向の2段水平直線運動z1、z2は、上下段水平ガイド19a、19bを基準として第1〜第4ロボットアーム20a〜20dがz軸方向に1段水平直線運動z1を行い、第1〜第4ロボットアーム20a〜20dを基準として第1〜第4ハンドベース21a〜21dがz軸方向に2段水平直線運動z2を行い、回転運動θは、回転部材15aの回転中心軸16を基準として360度回転運動による。
【0045】
第1〜第4ロボットアーム20a〜20dの配列は、格子配列、すなわち「ロ」状に配列され、搬送物23の同時搬送及び積載が可能なように構成される。
【0046】
第1〜第4ロボットアーム20a〜20dの配列に応じて4個の搬送物23を同時又は個別搬送及び積載が可能であるが、工程に応じて何れか一つ又は二つのロボットアームの駆動なしに、3つのロボットアーム又は2つのロボットアームの駆動によって3個の搬送物又は2個の搬送物の同時搬送及び個別積載が可能である。
【0047】
また、第1〜第4ロボットアーム20a〜20dの何れか一つのロボットアームを構成させずに、3つのロボットアームを構成させることがあってもよく、この時のロボットアームの配列は、「└」状又は「┐」状形態の配列が可能であろう。
【0048】
図3は、本発明の一実施形態によるマルチプルアームを備えた搬送ロボットの第1ロボットアームが水平前進した状態図であり、
図4は、本発明の一実施形態によるマルチプルアームを備えた搬送ロボットの第2ロボットアームが水平前進した状態図であり、
図5は、本発明の一実施形態によるマルチプルアームを備えた搬送ロボットの第3ロボットアームが水平前進した状態図であり、
図6は、本発明の一実施形態によるマルチプルアームを備えた搬送ロボットの第4ロボットアームが水平前進した状態図である。
【0049】
図3を参照すると、第1ロボットアーム20aは上段水平ガイド19aを基準として前進方向に水平移動してもよく(1段z軸方向移動)、第1ハンド22aは第1ロボットアーム20aを基準として前進方向に水平移動してもよい(2段z軸方向移動)。
【0050】
図4を参照すると、第2ロボットアーム20bは上段水平ガイド19aを基準として前進方向に水平移動してもよく(1段z軸方向移動)、第2ハンド22bは第2ロボットアーム20bを基準として前進方向に水平移動してもよい(2段z軸方向移動)。
【0051】
図5を参照すると、第3ロボットアーム20cは下段水平ガイド19bを基準として前進方向に水平移動してもよく(1段z軸方向移動)、第3ハンド22cは第3ロボットアーム20cを基準として前進方向に水平移動してもよい(2段z軸方向移動)。
【0052】
図6を参照すると、第4ロボットアーム20dは下段水平ガイド19bを基準として前進方向に水平移動してもよく(1段z軸方向移動)、第4ハンド22dは第4ロボットアーム20dを基準として前進方向に水平移動してもよい(2段z軸方向移動)。
【0053】
図7は、本発明の一実施形態によるマルチプルアームを備えた搬送ロボットのマルチプルアーム全体が水平前進した状態図であり、(A)と(B)はそれぞれ異なる角度から見た斜視図である。
【0054】
図3〜
図6の場合は、マルチプルアームが個別的に駆動する場合を示した例示ならば、
図7は、マルチプルアーム(第1〜第4ロボットアーム)が同時に同一方向へ駆動する場合を示した例である。なお、
図7では、参照符号a〜eの各々は○で囲まれた形式で示されているが、便宜上、本明細書では、これらの参照符号をそれぞれ[a]〜[e]という形式で示す。
【0055】
第1〜第4ロボットアーム20a〜20dは、スライドベース12とレール14によって水平直線往復運動[a]をすることができ、回転部材15aによって回転運動[b]が可能であり、垂直部材15bと上下段垂直スライド17a、17bによって垂直直線往復運動[c]が可能であり、上下段水平ガイド19a、19bとのレール結合によって1次水平前後進往復運動[d]が可能であり、第1〜第4ハンド22a〜22dは、第1〜第4ロボットアーム20a〜20dの側面レール結合に伴って2次水平前後進往復運動[e]が可能である。
【0056】
このような[a]〜[e]までの運動は、4つのロボットアームが同時に動作されてもよく、必要に応じては個別動作されてもよく、その運動方向の順序は、現場の工程に応じて変更されてもよいだろう。
【0057】
従来の場合、ダブルアーム搬送ロボットが使用されたが、3個又は4個の搬送物を装備段から同時に取り出した後、カセットに個別収納したり、カセットから個別に取り出した後、装備段に同時収納して、TACT TIME(作業工程時間)を格段に減らすことができる。
【0058】
上述したように、本発明の様々な実施形態のマルチプルアームを備えた搬送ロボットは、4つのロボットアームを正方格子配列させて具現も可能であるが、必要に応じて2つ又は3つのロボットアームの同時作動を具現することができ、また、3つのロボットアームのみを装着した搬送ロボットの具現も可能であることは、上で説明した通りである。また、4つのロボットアームは、上下段水平ガイド19a、19bに脱着可能な構造で具現することができる。
【0059】
図8は、本発明の他の実施形態によるマルチプルアームを備えた搬送ロボットの構成図である。
【0060】
図8は、
図1〜
図7の実施形態の4つのロボットアーム20a〜20dのうちの何れか一つのロボットアームを除去させて、3つのロボットアームで構成させた例である。
【0061】
一つのロボットアームを構成させず、3つのロボットアームで搬送ロボットを具現すると、その配列は「└」状形態や「┐」状形態の配列で具現され、3つのロボットアームの中心部にハンドと搬送物が配置される。
【0062】
以上、添付された図面を参照して本発明の好ましい実施形態を説明したが、上述した本発明の技術的構成は、本発明に属する技術分野の当業者が、本発明のその技術的思想や必須的特徴を変更せずに、他の具体的な形態で実施され得ることが理解できるだろう。それゆえに、以上において上述した実施形態は、全ての面で例示的なものであり、限定的なものでないことと理解されなければならず、本発明の範囲は、上記詳細な説明よりは後述する特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲の意味及び範囲、そしてその等価概念から導出される全ての変更又は変形された形態が、本発明の範囲に含まれるものと解釈されなければならない。
【符号の説明】
【0063】
10 マルチプルアームロボット
11 ベースフレーム
12 スライドベース
13 レールボックス
14 レール
15a 回転部材
15b 垂直部材
16 回転中心軸
17a、17b 垂直スライド
18a、18b 連結部材
19a、19b 水平ガイド
20a、20b、20c、20d ロボットアーム
21a、21b、21c、21d ハンドベース
22a、22b、22c、22d ハンド
23 搬送物
24 固定装置
25 ストッパー