【実施例】
【0048】
次に、本発明の実施例について説明する。ただし、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
【0049】
<1.硬化性組成物に用いた化合物>
(1)チタニウムアルコキシド
チタニウムアルコキシドとして、チタニウムテトライソプロポキシド(関東化学株式会社製、以後、「TTiP」と略する)を用いた。
(2)キレート化剤
キレート化剤として、アセト酢酸エチル(関東化学株式会社製、以後、「EAcAc」と略する)、アセチルアセトン(関東化学株式会社製、以後、「AcAc」と略する)およびマロン酸ジメチル(東京化成工業株式会社製、以後、「DM」と略する)を用いた。
(3)グアニジン化合物
グアニジン化合物として、1,1,3,3−テトラメチルグアニジン(東京化成工業株式会社製、以後、「TMG」と略する)および1−フェニルグアニジン(日本カーバイド工業株式会社製、以後、「PhG」と略する)を用いた。
【0050】
<2.反応性ケイ素基を有する有機重合体>
反応性ケイ素基を有する有機重合体として、両末端シラノール変性ポリジメチルシロキサン(信越シリコーン株式会社製、品番:X−21−5841、Mw=1000、以後、「PDMS」と略する)およびアルコキシシリル基含有アクリル系ポリマー(東亜合成株式会社製、品番:ARUFON US−6170、Mw=2900、Si基数:0.5/MN、以後、「US−6170」と略する)を用いた。さらに、反応性ケイ素基を有する有機重合体として、シリル末端ポリエーテル(株式会社カネカ製、品番:S303、以後、「S303」と略する)も使用した。
【0051】
<3.架橋剤>
架橋剤として、メチルトリメトキシシラン(信越シリコーン株式会社製、以後、「MTMS」と略する)を用いた。
【0052】
<4.ポリウレタン原料>
ポリウレタンの原料として、二液混合型粘着性無黄変低硬度ポリウレタン(商品名: セフタック A30−NY)のポリプロピレン系ポリオールを主成分とするポリオール配合物(ウレタン技研工業株式会社製、以後、「PPG」と略する)と、同ポリウレタンの脂肪族系ジイソシアネートを主成分とするイソシアネート配合物(ウレタン技研工業株式会社製、以後、「DIC」と略する)を用いた。
【0053】
<5.比較硬化剤および比較硬化剤原料>
比較硬化剤として、ジラウリン酸ジブチル錫(東京化成工業株式会社製、以後、「DBTDL」と略する)およびチタンジイソプロポキシドビス(エチルアセトアセテート)(マツモトファインケミカル株式会社製、商品名:オルガチックスTC−750、以後、「TC−750」と略する)を用いた。さらに、比較硬化剤を構成する原料の一つとして、3−アミノプロピルトリメトキシシラン(東京化成工業株式会社製、以後、「アミノシラン」と略する)も使用した。
【0054】
<6.硬化性組成物の調製>
(1)調製例1(TTiP−EAcAc−TMG系)
TTiP0.142gとEAcAc0.13gを容積13.5ccのスクリュー管ビンに秤取り、密封して、マグネチックスターラーを用いて30分間混合後、さらにTMG0.0576gを加え、30分間攪拌して、硬化性組成物1とした。この一連の操作は、乾燥窒素ガスを流した状態のグローブボックス内で行った。硬化性組成物1の組成は、モル比にて、TTiP:EAcAc:TMG=1:2:1であった。
【0055】
(2)調製例2(TTiP−AcAc−TMG系)
調製例1のEAcAc0.13gの代わりにAcAc0.10gを用いた以外、調製例1と同一の手順にて硬化性組成物2を作製した。硬化性組成物2の組成は、モル比にて、TTiP:AcAc:TMG=1:2:1であった。
【0056】
(3)調製例3(TTiP−EAcAc−PhG系)
調製例1のTMG0.0576gの代わりにPhG0.135gを用いた以外、調製例1と同一の手順にて硬化性組成物3を作製した。硬化性組成物3の組成は、モル比にて、TTiP:EAcAc:PhG=1:2:2であった。
【0057】
<7.各種硬化特性評価>
(1)PDMSのシロキサン結合生成による硬化実験
(実施例1)
上述の手順で作製した硬化性組成物1を含むスクリュー管ビンに、PDMS10gを投入し、管内の溶液の温度が60℃になるように加熱しながら、撹拌子を用いてマグネチックスターラーにて2時間の撹拌を行った。撹拌終了後、スクリュー管ビン内の試料を1時間室温になるまで放置し、室温まで冷却した後、内径96mm、深さ12mmのテトラフルオロエチレン製のシャーレにそれを展開し、室温23±2℃、相対湿度50%の環境下に放置し、1週間後に分子量分布を測定した。分子量分布は、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)によって測定した。測定機器にはHLC−8220GPC(東ソー株式会社製)を、カラムにはTSK−GEL SUPER HZM−M(東ソー株式会社製)を、標準物質にはポリスチレン(Polymer Laboratories Ltd.)を、溶媒にはトルエン(和光純薬工業株式会社製)を、それぞれ用いて、GPCを測定した。試料15mgに対してトルエン1ccの割合で容量4ccのガラス製スクリュー管ビン内にて溶かし、その後、容量2ccのGPC用サンプルカップに移し、GPCを測定した。以後のGPCの測定条件も同様である。
【0058】
(実施例2)
硬化性組成物1を硬化性組成物2に代えた以外、実施例1と同様の条件にて試料を作製し、その硬化特性を評価した。
(比較例1)
硬化性組成物を加えずに、PDMSのみを用いて実施例1と同様の条件にて試料を作製し、その硬化特性を評価した。
(比較例2)
実施例1の硬化性組成物に代えて、TTiPのみとした以外、実施例1と同様の条件にて試料を作製し、その硬化特性を評価した。
(比較例3)
調整例1に代えて、TTiP0.142gとEAcAc0.13gを容積13.5ccのガラス製スクリュー管に秤取り、密封して、マグネチックスターラーで30分間混合後、モル比にてTTiP:EAcAc=1:2の混合物を調製した。それ以外、実施例1と同様の条件にて試料を作製し、その硬化特性を評価した。
(比較例4)
EAcAc0.13gに代えてAcAc0.10gを用いた以外、比較例3と同様の条件で、モル比にてTTiP:AcAc=1:2の混合物を調製し、その硬化特性を評価した。
(比較例5)
EAcAc0.13gに代えてDM0.132gを用いた以外、比較例3と同様の条件で、モル比にてTTiP:DM=1:2の混合物を調製し、その硬化特性を評価した。
(比較例6)
実施例1に用いた硬化性組成物1に代えて、TMG0.0576gのみを用いた以外、実施例1と同様の条件にて試料を作製し、その硬化特性を評価した。
(比較例7)
実施例1に用いた硬化性組成物1に代えて、TTiP0.142gとTMG0.0576gの混合物を用いた以外、実施例1と同様の条件にて試料を作製し、その硬化特性を評価した。
(比較例8)
実施例1に用いた硬化性組成物1に代えて、DBTDL0.316gを用いた以外、実施例1と同様の条件にて試料を作製し、その硬化特性を評価した。
【0059】
【表1】
【0060】
【表2】
【0061】
表1は、実施例1,2および比較例1〜8の各試料の配合組成を示す。表2および
図1は、各試料の生成物の分子量分布測定結果を示す。表2中、Mwは重量平均分子量を、Mnは数平均分子量を、Mは分布曲線トップの分子量を、それぞれ示す。
【0062】
PDMSの顕著な高分子化が確認された試料は、実施例1,2および比較例7,8であった。これらの内、実施例1の試料が最もピーク値が大きく、錫系硬化剤を用いた比較例8と同等の高分子化が確認された。
【0063】
(2)アルコキシシランを架橋剤とするPDMSのシロキサン結合生成による硬化実験
(実施例3)
乾燥窒素ガスを流した状態のグローブボックス内にて、予め容積13.5ccのガラス製スクリュー管内で硬化性組成物1の5倍量を準備した。その後、硬化性組成物1を1.65g用意し、容積300ccのガラス製フラスコ内のPDMS50gとMTMS6.811gの溶液中に添加した。次に、このフラスコを4本の枝付きガラス蓋で閉じ、混合溶液を撹拌棒により乾燥窒素雰囲気下、40℃にて24時間攪拌し、FT−IRによるSi−O−Ti結合の吸収ピークの消滅を確認後、内径96mm、深さ12mmのテトラフルオロエチレン製シャーレに展開した。シャーレへの展開後、温度25℃、湿度RH50%±10%の雰囲気下で7日間放置して、硬化体シートを得た。作製したシート状硬化試料から、金型を用いてダンベル試料を打ち抜き、精密万能試験機(株式会社島津製作所製、型番:AUTOGRAPH AGS−J)を用いて、JIS K6251に準じて、500mm/minのヘッドスピードにて引張試験を行った。
【0064】
(比較例9)
実施例3の硬化性組成物1に代えてTTiP0.711gを用いた以外、実施例3と同様の条件にて試料を作製し、その硬化体の引張特性を評価した。
(比較例10)
実施例3の硬化性組成物1に代えてTMG0.288gを用いた以外、実施例3と同様の条件にて試料を作製し、その硬化体の引張特性を評価した。
(比較例11)
実施例3の硬化性組成物1に代えて、比較例3にて作製した混合物の5倍量1.362gを用いた以外、実施例3と同様の条件にて試料を作製し、その硬化体の引張特性を評価した。
(比較例12)
実施例3の硬化性組成物1に代えて、DBTDL1.579gを用いた以外、実施例3と同様の条件にて試料を作製し、その硬化体の引張特性を評価した。
【0065】
【表3】
【0066】
表3は、実施例3および比較例9〜12の各試料の配合組成を示す。
図2は、表3に示す各試料を用いて作製した各硬化体の引張特性を示す。
図2中、各試料の左側、中央および右側の各棒グラフは、それぞれ、弾性率、破断点強度および破断点伸び率を示す。
【0067】
実施例3の硬化体は、最も大きな破断点強度を有しており、かつ比較例12の硬化体より柔らかくて破断点伸び率も大きかった。比較例9の硬化体は、最も大きな破断点伸び率を有するものの、実施例3の硬化体および比較例12の硬化体に比べて、破断点強度の点で劣っていた。比較例10の硬化体は、実施例3の硬化体に比べて、破断点強度の点で劣り、破断点伸び率も小さかった。比較例11の硬化体は、弾性率の測定が不能なほど硬化状態が劣っていた。また、実施例3の硬化体は、比較例12の硬化体に比べて大きな破断点強度および大きな破断点伸び率を有していた。このことから、硬化性組成物1を用いた硬化体は、錫系硬化剤を用いた硬化体より、硬化特性上、優れていると考えられる。
【0068】
(実施例4)
実施例3で作製した硬化体の耐熱水性試験を実施した。試験片には、各硬化体を縦1cm×横1cm×約1.5mm厚の形状にカッターを用いて切り抜いたものを使用した。重量を測定した硬化体を約30gの純水と共にテトラフルオロエチレン製の分解容器(アズワン株式会社製)に入れ、120℃に保った恒温槽にて5日間放置した後、重量を測定した。重量測定は、取り出した試料を50℃に維持された乾燥炉内で2時間乾燥させた後に行い、最終的に、この試験前後の重量減少率を求めた。
【0069】
(比較例13)
比較例12で作製した硬化体について、実施例4と同じ方法で耐熱水性試験を行った。
【0070】
図3は、実施例4および比較例13の結果を示す。
【0071】
実施例4の重量減少率は、比較例13の約1/4であった。このことから、硬化性組成物1を用いた硬化体は、錫系硬化剤を用いた硬化体よりも耐熱水性の面で優れていると考えられる。
【0072】
(3)ポリエーテルあるいはアクリル系ポリマーを主鎖とする架橋性シリル基ポリマーのシロキサン結合生成による硬化実験
(実施例5)
乾燥窒素ガスを流した状態のグローブボックス内にて、アルコキシシリル基含有アクリル系ポリマー(東亞合成株式会社製、品番:ARUFON US−6170)を40g、硬化性組成物1を1.82g入れて、高密度ポリエチレン製容器(容積300cc)内に封入し、遊星式撹拌混合装置(thinky株式会社製、型番:ARE−250T)により、2000rpmで5分間の攪拌と、1500rpmで2分間の脱泡を行った。30分間、室温にて静置後、混合物15gを内径96mm、深さ12mmのテトラフルオロエチレン製のシャーレに展開し、一定時間経過後、粘度測定を行った。粘度測定にはRE−85R(東機産業株式会社製)を用いた。被測定物の測定温度を30℃に維持するため、測定物ホルダーには、ポンプを介して30℃の温水を循環させた。校正は、JIS規格のシリコーンオイルを用いて行った。
【0073】
(実施例5a)
実施例5の硬化性組成物1に代えて、硬化性組成物2を1.65g入れる以外、実施例5と同じ条件として同様の試験を行った。
(実施例5b)
実施例5の硬化性組成物1中のTMGに代えて、PhGを0.37g入れる以外、実施例5と同じ条件として同様の試験を行った。
(実施例5c)
実施例5の硬化性組成物1中のEAcAcに代えて、DMを0.72g入れる以外、実施例5と同じ条件として同様の試験を行った。
(比較例14)
実施例5の硬化性組成物1を比較例3記載の方法で作製した混合物1.50gに代えて、実施例5と同様な試験を行った。
(比較例15)
実施例5の硬化性組成物1をTMG0.32gに代えて、実施例5と同様な試験を行った。
(比較例16)
実施例5の硬化性組成物1をDBTDL1.74gに代えて、実施例5と同様な試験を行った。
【0074】
【表4】
【0075】
表4は、実施例5,5a,5b,5cおよび比較例14〜16の各試料の配合組成およびシャーレ展開後の初期粘度を示す。
図4は、表4に示す実施例5および比較例14〜16の各試料をシャーレに展開した後の粘度の経時変化(増粘率の変化)を示す。
図5は、表4に示す実施例5,5a,5b,5cの各試料をシャーレに展開した後の粘度の経時変化(増粘率の変化)を示す。
【0076】
図4に示すように、実施例5の試料は、比較例14〜16の各試料に比べて、シャーレ展開後に、より急速に増粘した。また、
図5に示すように、実施例5,5a,5b,5cの各試料の範囲で比較すると、実施例5の試料は、実施例5a,5b,5cの各試料に比べて、シャーレ展開後に、比較的大きな増粘速度を有していた。これらの結果から、TTiPとキレート化剤とグアニジン化合物系の混合物から成る硬化性組成物は、錫系硬化剤、TTiPとキレート化剤のみから成る混合物、グアニジン化合物のみよりも、優れた硬化特性を発揮させるものであり、中でも、キレート化剤にEAcAcを、グアニジン化合物にTMGを用いた硬化性組成物1がより優れた硬化特性を発揮できると考えられる。
【0077】
(実施例6)
乾燥窒素ガスを流した状態のグローブボックス内にて、シリル末端ポリエーテル(株式会社カネカ製、品番:S303)を50g、硬化性組成物3を3.83g入れて、高密度ポリエチレン製容器(容積300cc)内に封入し、遊星式撹拌混合装置(thinky株式会社製、型番:ARE−250T)により、2000rpmで5分間の攪拌と、1500rpmで2分間の脱泡を行った。この混合物試料を25℃の室内に30分間静置後、以下の試験を行った。
(1)皮張り時間の評価
25℃±2℃、相対湿度50±5%の雰囲気下で調製した混合物試料を、内径30mm、深さ6mmのプラスチック製容器に満たして静置し、表面に張った硬化皮膜が指触により、指に転着しなくなるまでの時間を測定して皮張り時間とし、硬化性の指標とした。皮張り時間が短いほど硬化性に優れることを意味する。
(2)接着強度試験
アルミニウム板に、調製した混合物を塗布し、厚さ0.2mmのスペーサーを介してもう一方のアルミニウム板を直ちに貼り合せた。接着面積は、2cm×2cmとした。温度25℃、相対湿度50%の雰囲気下で、クリップを用いて24時間貼り合せた後、JIS K 6850(剛性被着材の引張りせん断接着強さ試験方法)に準じて、接着強度を測定した。
【0078】
(実施例7)
実施例6における硬化性組成物3の代わりに、硬化性組成物1を3.09g用いて、実施例6と同様に試験を行った。
(比較例17)
実施例6における硬化性組成物3の代わりに、TTiP1.33g+EAcAc1.22gを用いて、実施例6と同様に試験を行った。
(比較例18)
実施例6における硬化性組成物3の代わりに、PhG0.64gを用いて、実施例6と同様に試験を行った。
(比較例19)
実施例6における硬化性組成物3の代わりに、DBTDL3.0gを用いて、実施例6と同様に試験を行った。
(比較例20)
実施例6における硬化性組成物3の代わりに、DBTDL3.0gとアミノシラン3.0gを用いて、実施例6と同様に試験を行った。
【0079】
【表5】
【0080】
【表6】
【0081】
表5は、実施例6,7および比較例17〜20の各試料の配合組成を示す。表6は、表5に示す各試料の皮張り時間と引張せん断接着強度を示す。表6中の「評価不可」は、静置後24時間を経過しても十分に硬化しなかったため、評価に供することができなかったことを意味する。
【0082】
表6に示すように、実施例6および実施例7により作製した試料は、共に皮張り時間が短く、比較例により作製した各試料に比べ、硬化体の引張りせん断接着強度が大きかった。この結果から、TTiP+EAcAcと、TMG若しくはPhGとを添加した硬化性組成物は、錫系硬化剤やそれにアミノシランカップリング剤を加えた硬化性組成物、TTiPとキレート化剤のみを加えた硬化性組成物、グアニジン化合物のみからなる硬化性組成物よりも、シリル末端ポリエーテルに対して優れた硬化速度と接着強度を発揮させるものであることがわかった。
【0083】
(4)ポリオールとポリイソシアネートの反応によるウレタン結合生成による硬化実験
(実施例8)
PPG45.3gと、硬化性組成物1を約0.036g取り、ポリエチレン製カップ内でマグネチックスターラーを用いて混合し、さらにそこにDIC16.0gを加え、プラスチック製のへらを用いて混合した。これらの操作は、乾燥窒素ガスを流した状態のグローブボックス内にて行った。真空脱泡後、調製した混合物15gを内径96mm、深さ12mmのフッ素樹脂製シャーレに展開し、一定時間経過後、粘度測定を行った。粘度測定は、実施例5と同様の方法により行った。
【0084】
(実施例9)
実施例8における硬化性組成物1の配合量を0.5倍量として調製した混合物につき、実施例8と同様の方法にて粘度測定を行った。
【0085】
(比較例21)
実施例8における硬化性組成物1をTTiP0.0155gに代えた以外、実施例8と同様の条件にて、混合物を作製してその粘度を測定した。
(比較例22)
実施例8における硬化組成物1をTMG0.0360gに代えた以外、実施例8と同様の条件にて、混合物を作製してその粘度を測定した。
(比較例23)
実施例8における硬化性組成物1をTC−750 0.026gに代えた以外、実施例8と同様の条件にて、混合物を作製してその粘度を測定した。
(比較例24)
実施例8における硬化性組成物1をDBTDL 0.036gに代えた以外、実施例8と同様の条件にて、混合物を作製してその粘度を測定した。
【0086】
【表7】
【0087】
表7は、実施例8,9および比較例21〜24の各試料の配合組成を示す。
図6は、表7に示す各試料をシャーレに展開した後の粘度の経時変化を示す。
【0088】
各試料をシャーレに展開後60分では、実施例8は、錫系硬化剤を用いた比較例24の約5倍の粘度増加を示した。また、硬化性組成物1の配合量を実施例8の0.5倍量とした実施例9においても、比較例24より粘度増加が大きかった。一方、比較例21,22,23では、粘度増加は極めて小さかった。特に、TMGのみを添加した比較例22では、試験時間中、粘度増加がほとんど無かった。