(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6051299
(24)【登録日】2016年12月2日
(45)【発行日】2016年12月27日
(54)【発明の名称】包装機械
(51)【国際特許分類】
B65B 43/16 20060101AFI20161219BHJP
【FI】
B65B43/16
【請求項の数】10
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2015-515433(P2015-515433)
(86)(22)【出願日】2013年4月18日
(65)【公表番号】特表2015-522487(P2015-522487A)
(43)【公表日】2015年8月6日
(86)【国際出願番号】EP2013058044
(87)【国際公開番号】WO2013185954
(87)【国際公開日】20131219
【審査請求日】2014年12月8日
(31)【優先権主張番号】102012209987.5
(32)【優先日】2012年6月14日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】501125231
【氏名又は名称】ローベルト ボッシュ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
(74)【代理人】
【識別番号】100177839
【弁理士】
【氏名又は名称】大場 玲児
(74)【代理人】
【識別番号】100172340
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 始
(72)【発明者】
【氏名】ヴァイス,ヨーゼフ
(72)【発明者】
【氏名】グラボウスキ,リュディガー
(72)【発明者】
【氏名】ラップ,ラインハルト
【審査官】
家城 雅美
(56)【参考文献】
【文献】
欧州特許出願公開第00705684(EP,A1)
【文献】
特表平11−503693(JP,A)
【文献】
国際公開第2003/047977(WO,A2)
【文献】
米国特許第03060654(US,A)
【文献】
特開2005−132435(JP,A)
【文献】
実開昭62−102523(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65B43/00−43/62
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
包装材料(2)を搬送するための装置を有する包装機械において、
前記装置が、
環状のコンベヤ区分(3)と、
複数の第1のコンベヤエレメント(4)と複数の第2のコンベアエレメント(5)とを有しており、
前記環状のコンベヤ区分(3)が上下方向に折り返し、それによって、上行側領域(30)と下行側領域(31)とが形成されており、
前記包装材料(2)が前記下行側領域(31)において搬送され、
それぞれ1つの前記第1のコンベヤエレメント(4)と前記第2のコンベヤエレメント(5)とが、個別の前記包装材料(2)を搬送する1つの共通のコンベヤ装置(40)を形成しており、
前記コンベヤエレメント(4,5)が、それぞれ個別に、かつ互いに独立して駆動可能であり、
前記第1のコンベヤエレメント(4)が、折り畳まれた前記包装材料(2′)を起立させるための起立装置(6)を有していて、前記第2のコンベヤエレメント(5)が前記包装材料(2)を保持するための保持装置(7)を有している、
包装機械。
【請求項2】
前記起立装置(6)が旋回可能なレバーである、
ことを特徴とする、請求項1に記載の包装機械。
【請求項3】
前記保持装置(7)がグリッパまたは吸込みエレメントである、
ことを特徴とする、請求項1または2に記載の包装機械。
【請求項4】
前記共通のコンベヤ装置(40)の前記第1のコンベヤエレメント(4)および/または前記第2のコンベヤエレメント(5)が、蓋開放装置(8)を有しており、該蓋開放装置(8)が前記包装材料(2)の蓋を開放位置にもたらし、かつ/または開放位置に保つ、
ことを特徴とする、請求項1から3のいずれか1項に記載の包装機械。
【請求項5】
折り畳まれた複数の前記包装材料(2′)を有する包装材料ストック(20)を備えた包装材料モジュールがさらに設けられており、前記包装材料ストック(20)が前記環状のコンベヤ区分(3)の下に配置されている、
請求項1から4のいずれか1項に記載の包装機械。
【請求項6】
前記包装材料(2)が前記コンベヤ区分(3)の前記下行側領域(31)にある間に、包装品を前記包装材料(2)内に積み込むための積み込みモジュール(13)がさらに設けられている、
請求項1から5のいずれか1項に記載の包装機械。
【請求項7】
前記積み込みモジュール(13)が、搬送中の前記包装材料(2)の側方に配置されており、前記包装品を前記包装材料(2)内に側方から押し込むための押し込みエレメントを有している、
ことを特徴とする、請求項6に記載の包装機械。
【請求項8】
前記積み込みモジュール(13)がさらに、閉じられた循環軌道を有しており、該循環軌道において複数の前記押し込みエレメントが循環運動し、この際に、該複数の前記押し込みエレメントがそれぞれ個別に、かつ互いに独立して駆動可能である、
ことを特徴とする、請求項7に記載の包装機械。
【請求項9】
積み込まれた前記包装材料を閉鎖するための閉鎖モジュール(14)、ならびに/または空の前記包装材料および/若しくは積み込まれた前記包装材料を秤量するための計量モジュール、ならびに/または前記包装材料(2)の特徴を示すためのマーキングモジュール(12)をさらに有している、
請求項1から8のいずれか1項に記載の包装機械。
【請求項10】
前記包装材料(2)が、厚紙である、
ことを特徴とする、請求項1から9のいずれか1項に記載の包装機械。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、搬送材料を環状のコンベヤ区分において特に懸架式に搬送することができる包装機械、特に厚紙包装機械に関する。
【背景技術】
【0002】
包装技術分野における1つの技術分野は厚紙による包装であり、厚紙による包装においては、包装材料に基づいて特別な要求を満たす必要がある。この場合、しばしば、複数の包装品が1つの厚紙に一緒に包装され、発送準備が行われる。一般的に、開放された厚紙内への積み込みは、例えば特許文献1により公知であるように、上方から行われる。しかしながらこの公知の厚紙機械は、サイズ変更時、例えばより大きい厚紙またはより小さい厚紙に切り替える際に、厚紙のための相応の保持装置も交換するか、または例えば機械的に調整する必要があり、従って厚紙機械の長い準備時間および停止時間を必要とする、という欠点を有している。また、公知の厚紙機械においては、様々な操作段階、例えば折り畳まれた厚紙切片の展開、展開された厚紙への積み込み、積み込まれた厚紙の閉鎖等が、様々な長さのサイクル時間を必要とするので、達成可能な機械生産量が、最も長くかかるプロセスによって決定される、という問題が常に存在する。これによって、運転中にしばしば、より短い作業時間を有するモジュールにおける不都合な速度の変動、若しくは不都合な停止状態および同期化問題が生じる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】ヨーロッパ特許第1530541号明細書
【発明の概要】
【0004】
これに対して、請求項1の特徴を有する本発明による包装機械は、包装材料、特に厚紙から成る折り畳み箱を、垂直に配置された環状のコンベヤ区分の下行側領域において搬送することができる、という利点を有している。従って本発明によれば、包装材料を懸架式に搬送することができる。これによって、垂直に配置されたコンベヤ区分の下の領域は空いており、例えば様々な操作モジュールを配置するために利用することができる。従って、本発明によれば、特に厚紙を包装材料として使用する際に非常に役立つ高い自由度が得られる。何故ならば、厚紙包装材料においては、多くの操作ステップが必要である(例えば一般的に折り畳まれた状態で供給された厚紙の開放、厚紙蓋の開放維持、厚紙への積み込み、厚紙の閉鎖、厚紙のプリント/文字入れ等)。これによってさらに、僅かな所要スペースしか必要としない非常にコンパクトな包装機械が得られる。
【0005】
従属請求項は、本発明の好適な実施態様を示す。
【0006】
好適な形式で、環状のコンベヤ区分に複数のコンベヤエレメントが配置されており、これらのコンベヤエレメントは、それぞれ個別にかつ互いに独立して駆動可能である。これによって、個別のコンベヤエレメントを個別に制御することによって個別の搬送要求を満たすことができる搬送装置が提供される。これによって特に、製品の流れの変動の補正、または個別のコンベヤエレメント間の任意に生ぜしめられた所定の間隔の補正を実現することができる。さらに引き渡し速度への製品の同期化が軽減され、製品のためにやさしい搬送が実現される。さらに、新たなサイズ、例えば様々な包装の大きさおよび/または様々な包装形状は、切り替え時間を必要とすることなしに、個別に駆動可能なコンベヤエレメントによって直接切り替えられる。個別のコンベヤエレメントは、好適にはリニア駆動装置によって駆動される。択一的な実施例では、物品の懸架式搬送は、フレキシブル性に関して公知の欠点を有する、従来の搬送システム(例えばチェーン、歯付きベルト等)を使用して行うことができる。
【0007】
特に好適には、それぞれ1つの第1のコンベヤエレメントと第2のコンベヤエレメントとが、個別の包装材料のみを搬送する1つの共通のコンベヤ装置を形成している。これによって2つの個別のコンベヤエレメントが1つの共通のコンベヤ装置に統合され、協働して包装材料をコンベヤ区分に沿って搬送する。
【0008】
特に好適には、第1のコンベヤエレメントが、折り畳まれた包装材料、特に折り畳まれた厚紙を起立させるための起立装置を有している。また好適には、第2のコンベヤエレメントが包装材料を保持するための保持装置を有している。保持装置は特に好適にはグリッパまたは吸込みエレメント等である。起立装置は好適には旋回可能なレバーであって、この場合、レバーの旋回運動によって折り畳まれた包装材料が起立される。
【0009】
本発明の別の好適な実施態様によれば、本発明による包装機械は、折り畳まれた複数の包装材料を有する包装材料ストックを備えた包装材料モジュールを有している。この場合、包装材料ストックは、環状のコンベヤ区分の下に配置されている。これによって、コンベヤエレメントは、包装材料ストックに沿って移動する際に包装材料を引き取り、次いで包装材料を起立(開放)させて、コンベヤ区分を介して搬送する。
【0010】
さらに好適には、一緒に1つの共通のコンベヤ装置を形成する第1および/または第2のコンベヤエレメントは、蓋開放装置を有しており、この蓋開放装置は、包装材料の蓋を開放位置にもたらし、かつ開放位置に保つ。これによって、次いで行われる積み込み過程の際に、包装材料の蓋が積み込み過程の邪魔になることはなく、包装材料は完全に開放されていることが、保証される。
【0011】
本発明のさらに好適な実施態様によれば、包装機械はさらに、包装材料がまだ環状のコンベヤ区分の下行側領域にある間に、包装品を包装材料内にもたらすための積み込みモジュールを有している。これによって、本発明による包装機械に、追加的に積み込みモジュールが組み込まれており、この積み込みモジュールは好適な形式で、包装材料の側方に配置されていて、包装材料は側方が開放されている。従って、押し込み過程は、包装品を側方から開放された包装材料内に押し込むために、例えば押し込みエレメントによって水平方向で実施される。また好適には、積み込みモジュールはさらに、特に長円形の閉じられた循環軌道を有しており、この循環軌道に沿って複数の押し込みエレメントが循環運動する。この場合、好適な形式で、それぞれの押し込みエレメントが個別に、かつ他の押し込みエレメントから独立して駆動可能である。これによっても、個別の押し込みエレメントによって独立した押し込み運動が実現される。積み込みモジュールに循環軌道を使用することによって、作業側区分およびリターン側区分は同一ではなく、例えばフレキシブルな運動プロフィールを有する押し込みエレメントをそれぞれの区分において移動させることができる。このようなフレキシブルな積み込みモジュールによっても、サイズ変更若しくはサイズ切り替えが、積み込みモジュールに影響を及ぼすことはなく、積み込みモジュールは、このようなサイズ変更にフレキシブルに、動作経過の変更だけによって簡単に適合させることができる。リターン作業のために、押し込みエレメントは、駆動力なしでも徐々にガイドされるか、または停滞等において機械的な連動または走行によって、または存在する運動エネルギーを利用して移動させることができる。好適には、押し込みエレメントはリニア駆動装置によって駆動される。
【0012】
さらに好適には、本発明による包装機械は、積み込まれた包装材料を閉鎖するための閉鎖モジュールを有している。好適な形式で閉鎖モジュールは、包装材料の蓋を閉鎖し、次いで例えば熱接着剤によって固定するための装置を有している。
【0013】
好適な形式で、空のおよび/または積み込まれた包装材料を秤量するための計量モジュールが設けられている。
【0014】
さらに好適には、本発明による包装機械は、包装材料の特徴を示すためのマーキングモジュールを有している。マーキングモジュールは、例えば包装材料にマーキングを直接プリントする印刷装置を有しているか、または選択的にラベル等を包装材料に貼り付けるラベル貼り付け装置を有していてよい。
【0015】
本発明の別の好適な実施態様によれば、搬送しようとする物品は、包装材料、特に厚紙である。この場合、特に好適には、この機械は厚紙包装機械であって、この厚紙包装機械において、折り畳まれた厚紙が引き取られ、起立(展開)され、次いで積み込まれ、閉鎖され、場合によってはさらに特徴付けされ、この際に、全てのプロセスは、好適には環状のコンベヤ区分の下行側領域において実施される。次いで、別の搬送システムへの引き渡しが行われる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本発明の第1実施例による包装機械の概略的な側面図である。
【
図2】本発明の第2実施例による包装機械の概略的な側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下に本発明の好適な実施例を、添付の図面を用いて詳しく説明する。
【0018】
以下に
図1を用いて、本発明の第1の好適な実施例による包装機械1を詳しく説明する。
【0019】
図1に示されているように、包装機械1は、包装材料2を搬送するために、長円形に配置された環状のコンベヤ区分3を有している。この場合、環状のコンベヤ区分3は垂直方向に配置されていて、上行側領域30と下行側領域31とが設けられている。包装材料2の搬送は、下行領域31において懸架形式で行われる。
【0020】
環状のコンベヤ区分に複数のコンベヤエレメントが配置されており、この場合、符号4は第1のコンベヤエレメントを示し、符号5は第2のコンベヤエレメントを示す。2つのコンベヤエレメント4,5は、それぞれ異なる操作装置を有しており、第1のコンベヤエレメント4が起立装置6を有していて、第2のコンベヤエレメント5が保持装置7を有している。第1のコンベヤエレメントの起立装置6は、旋回可能なレバーであって、この旋回可能なレバーの自由端部はフック状に折り曲げられていて、蓋開放装置8を形成している。この実施例の保持装置7は吸込み器であるが、吸込み器の代わりに例えばグリッパ等であってもよい。
【0021】
図1に波括弧により示されているように、第1のコンベヤエレメント4と第2のコンベヤエレメント4とは、1つの共通のコンベヤ装置40を形成している。この場合、コンベヤ装置40の2つのコンベヤエレメント4,5は、包装材料2の引き取りおよび開放の際に協働する。しかしながら、各コンベヤ装置40の各コンベヤエレメントは、好適にはリニア駆動装置によって、他のコンベヤエレメントとは無関係に個別に制御可能かつ、運動可能である。
【0022】
さらに
図1に示されているように、包装材料2は複数の包装材料ストック20内に配置されており、この場合、符号2′は、それぞれ包装材料ストック内で折り畳まれた、包装材料の状態を示している。環状のコンベヤ区分3は垂直に配置されているので、包装材料ストック20はコンベヤ区分3の下側に配置されていてよい。従って、1つの共通のコンベヤ装置40を形成する、協働作業する第1および第2の両コンベヤエレメント4,5は、ストックの、それぞれ最上位の折り畳まれた包装材料2′を引き取ることができる。この場合、
図1に示されているように、コンベヤ区分3の下に複数の包装材料ストックが設けられており、各ストック間で、折り畳まれた包装材料2′の取り出し位置の特にフレキシブルな交換が可能である。折り畳まれた包装材料2′の引き取りは、包装材料ストック内の残りの積み重ね量とは無関係に、上から行われるので、常に確実な作業性が得られる。何故ならば、包装材料ストックは、それぞれ引き取られた後でその高さが調整されるからである(矢印D)。さらに、包装材料ストックは、包装機械の外において包装材料で予め満たされており、製造プロセスの運転中に、機械を停止させることなしに、空のマガジンと交換することができる。
【0023】
さらに、個別に駆動可能かつ運転可能な第1および第2の2つのコンベヤエレメント4,5を使用することによって、それぞれ包装材料を、サイズに関係なく包装材料ストック20から引き取り、起立させることができる。つまり、本発明によれば、走行方向で第1のコンベヤエレメントと第2のコンベヤエレメントとの間の間隔は、制御ユニットによってそれぞれの包装サイズに合わせて個別に予設定され得るので、異なる大きさの包装材料を問題なく処理することができる。この場合、例えば包装のためのホルダまたは収容部等によってサイズが制限されることはまったくない。第1のコンベヤエレメント4と第2のコンベヤエレメント5との間の間隔は、それぞれ個別に調節することができる。本発明による包装機械によって、例えば交互に異なる大きさの包装材料を処理することもできる。
【0024】
図1に示した実施例によれば、第1のコンベヤエレメント4と第2のコンベヤエレメント5とによって形成された共通のコンベヤ装置40によって、まず、折り畳まれた1枚の包装材料2′が包装材料ストック20から引き取られる。次いで、折り畳まれた包装材料は、起立装置6を矢印C方向に旋回させることによって起こされ、この際に、第1および第2のコンベヤエレメントは環状のコンベヤ区分3に沿って矢印A方向に移動せしめられる。この場合、起立装置6の旋回方向は、コンベヤ区分における搬送方向とは逆方向である。また、折り畳まれた包装材料2′を起立させるために、2つのコンベヤエレメント4,5は同じ速度で移動せしめられるか、または択一的にコンベヤエレメント4,5の一方を他方よりも迅速に移動させ、それによって起立させることができる。全処理プロセス中に包装材料の引き渡しは行われない。このことは、この解決策の変化実施例の大きな利点である(インターフェースの省略)。次いで、起立された包装材料2は、搬送システム10に引き渡され、この搬送システム10を介して矢印B方向でさらに搬送される。
【0025】
さらに、符号11で廃棄容器が示されており、この廃棄容器11内に欠陥のある包装材料が廃棄される。複数の廃棄容器を配置してもよい(例えば各処理ステップの後ろに)。
【0026】
図2は、本発明の第2実施例による包装機械1を示しており、この場合、同じ構成部分若しくは技術的に同じ構成部分は、第1実施例と同じ符号で示されている。
【0027】
第1実施例と同様に、第2実施例においては、第1のコンベヤエレメント4と第2のコンベヤエレメント5とが1つの共通のコンベヤ装置40を形成している。しかしながら、第2実施例では、環状のコンベヤ区分30の下に、折り畳まれた包装材料2の引き取り機能および起立機能の他にさらに、マーキングモジュール12と閉鎖モジュール14とが配置されている。マーキングモジュール12によって、中味の特徴を示すために包装材料2に印刷が行われる。さらに、積み込みモジュール13によって、開放された包装材料2内に包装品が積み込まれる。積み込みモジュール13は、垂直に配置されたコンベヤ区分3の側方に配置されているので、開放された包装材料2内に包装品を側方から押し込むことができる。この場合、申し分のない押し込みを可能にするために、起立装置6の自由端部に、折り曲げられたフック状の部材として構成された蓋開放装置8が設けられており、このフック状の部材は、包装材料2の蓋を開放し、開放位置に維持する。搬送方向(矢印A)で積み込みモジュール13の後ろに閉鎖モジュール14が配置されており、この閉鎖モジュール14は、積み込み済みであるが、まだ開放している包装材料2を閉鎖する。閉鎖モジュール14は、閉鎖過程を実施するために、例えばグリッパ等の能動部材、および/または受動部材(定置のガイドレール等)を有していてよい。
【0028】
第2実施例でも、個別のコンベヤエレメント4,5がそれぞれやはり個別に、互いに独立して駆動可能である。それによって特に様々なモジュールにおいて様々な速度が実現される。例えばマーキングモジュールにおいて、第1および第2のコンベヤエレメント4,5によって形成された共通のコンベヤ装置40を完全に停止させることができる。それとは異なり、積み込みモジュール13においては、第1および第2のコンベヤエレメント4,5によって形成された共通のコンベヤ装置の所定の速度が維持され、この場合、積み込みモジュールは、共同運動する相応の押し込みエレメントを有している。閉鎖モジュール14において、例えばグリッパ等の能動的な閉鎖部材が、移動する包装材料と共に所定の速度で共同運動するようになっていてもよい。
【0029】
要約すれば、これによって、本発明による包装機械1の前記実施例のために、包装材料特に厚紙包装材料の懸架式の搬送が可能である、ということであり、この場合、同時に、折り畳まれた包装材料を引き取って、起立させることもできる。従って、垂直に配置されたコンベヤ区分3に基づく包装材料の懸架式配置によって、搬送される包装材料の下のスペースを様々なモジュールを配置するために利用することができる。特に好適には、コンベヤエレメントは、コンベヤ区分において個別に移動せしめられ、その際にそれぞれ第1のコンベヤエレメント4と第2のコンベヤエレメント5とが1つの共通のコンベヤ装置40を形成し、このコンベヤ装置40が、コンベヤ区分3における搬送過程を実施する。
【符号の説明】
【0030】
1 包装機械
2,2′ 包装材料
3 コンベヤ区分
4 第1のコンベヤエレメント
5 第2のコンベヤエレメント
6 起立装置
7 保持装置
8 蓋開放装置
10 搬送システム
11 廃棄容器
12 マーキングモジュール
13 積み込みモジュール
14 閉鎖モジュール
20 包装材料ストック
30 上行側領域
31 下行側領域
40 コンベヤ装置
A,B,C,D 矢印