(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
医療容器(1)から引き出されるN回分の投与量の製品で充填された前記医療容器と結合するための投与回数カウントデバイス(10;110;210)であって、前記医療容器は前記製品へのアクセスのための開口(3a)を提供する、前記投与回数カウントデバイスにおいて、
− 前記投与回数カウントデバイスを前記医療容器に固着するための把持部材(20)であって、前記投与回数カウントデバイスが前記医療容器に結合されたときに前記開口に面するように意図される孔(44;144;244)を含む、把持部材と、
− 前記把持部材に対して回転可能に取り付けられたカウントリング(30;230)であって、前記N回分の投与量に対応する情報データを提供されるカウントリングと、
− カバー(50;140;240)であって、カバーが前記孔へのアクセスを阻止する閉位置と、それが前記孔へのアクセスを阻止しない開位置との間で前記孔に対して移動可能なカバーと、
− 前記把持部材に対して固定されており、前記カバーの位置にかかわらず、前記投与回数カウントデバイスが前記医療容器に結合されると前記医療容器の前記開口に面するように意図される突き通し可能エラストマー部片(60)と、
を備えることを特徴とする投与回数カウントデバイス。
前記カバーと前記カウントリングとに結合された、増分システム(32、57;248、253、232、232a、232b)をさらに備え、前記増分システムは、前記カバーがそれの開位置からそれの閉位置に移動するごとに、前記カウントリングが予め定められた角度で自動的に回転することを可能にすることを特徴とする、請求項1に記載の投与回数カウントデバイス(10;210)。
前記増分システムは、作用表面(57;253)を備え、前記カウントリングは、相補作用表面(32;232a、232b)を備え、前記作用表面は、前記カバーが移動してそれの開位置からそれの閉位置に戻ると、前記カウントリングを回転させるように、前記相補作用表面と係合し協働することを特徴とする、請求項2に記載の投与回数カウントデバイス(10;210)。
前記カバーは、前記カバーがそれの閉位置からそれの開位置におよびその逆に移動すると、前記把持部材に対してR軸の周りを回転して移動可能であり、前記増分システムは、前記カバー上に配置されたギヤホイール(57)の部分を備え、前記ギヤホイールは、R軸の周りを回転可能であり、前記カバーが移動してそれの開位置からそれの閉位置に戻ると、前記カウントリングの周囲に提供された複数の相補半径方向歯(32)と協働することができる、複数の半径方向歯を提供されていることを特徴とする請求項3に記載の投与回数カウントデバイス(10)。
前記カバーは、前記カバーがそれの閉位置からそれの開位置におよびその逆に移動すると、前記把持部材に対して平行移動で移動可能であり、前記増分システムは、前記カバー上に配置された可撓性脚(253)を備え、前記可撓性脚は、前記カバーがそれの閉位置からそれの開位置に移動すると、前記カウントリングの周囲の傾斜した面(232a)からはずれることができ、前記可撓性脚は、前記カバーが移動してそれの開位置からそれの閉位置に戻ると、前記カウントリングの前記周囲の半径方向表面(232b)に係合することを特徴とする請求項3に記載の投与回数カウントデバイス(210)。
前記開口は、隔壁によって閉じられたカラー(3)であり、前記把持部材は、前記カラーを実質的に取り囲むことができるクリップ(21、24)を備えることを特徴とする請求項7乃至9のいずれか一項に記載のアセンブリ。
【背景技術】
【0002】
本出願では、構成要素または装置の遠位端部は、構成要素または装置とともに使用されることが意図される注射デバイスに関連して、ユーザの手から最も遠い端部を意味すると理解されるべきであり、近位端は、ユーザの手に最も近い端部を意味すると理解されるべきである。したがって、本出願では、遠位方向は、注射デバイスに関連して注入の方向として理解されるべきであり、近位方向は、反対方向、すなわち、バイアルから注射デバイスへの製品の移送の方向である。
【0003】
健康状態を改善する方法の1つは、いくつかの疾患に対して集団全体に免疫性を与えることである。今までのところ、注射投与がワクチンを投与する最も一般的な方法である。
【0004】
毎年、数多くの薬品たとえばワクチンが、医療機関によって世界中で用意される必要がある。多くのワクチン組成物は、たいてい室温では安定せず、代わりに特定の低温で保管されなければならない。実際、ワクチンは、生物学的性質により、取り扱いおよび保管をするのに手間がかかる。ワクチンは、たいてい温度に敏感であり、典型的には、摂氏2度(℃)と8度の間で常に維持され保管される必要がある。いくつかのワクチンは、熱曝露により敏感であり、他のいくつかは、凍結により敏感である。したがって、ワクチンの保管および取り扱いの間の適切な温度を維持し監視することが、それらの効力を持続するために重要な課題である。熱への過度な曝露および過冷却は、ワクチンの生物学的要素を破壊する結果となることがある。適切な条件で保管されないワクチンの使用は、疾病に対する集団の非効果的なワクチン接種をもたらすことがあり、成果が限られた費用がかかるキャンペーンをもたらすこととなる。
【0005】
さらに、コールドチェーンが、製薬会社における薬品の製造から患者への投与まで中断されないことが重要である。
【0006】
サプライチェーンの観点からは、最も効率的なワクチンのパッケージングは、複数回投与バイアルのような複数回投与容器、すなわち、最大10、100、または1000回分の投与量のワクチンを収容できるバイアルであり、1回分の投与量は1人の患者を対象に意図されている。これらのバイアルはたいてい隔壁によって閉じられている。ユーザは、ワクチンの注射に備えて、空のシリンジの針でバイアルの隔壁を突き通し、次いで、1回分の投与量のワクチンでシリンジを充填し、患者へのワクチンの注射に進む。
【0007】
したがって、複数回投与バイアルは、バイアルの隔壁が、多数回、すなわち、バイアル内に存在する投与量の回数と同じだけ連続して突き通されることを含意する。安全な注射を確実にするために、バイアルが使用される期間全体を通してバイアルの隔壁の無菌性が維持されるべきである。
【0008】
いずれにせよ、良好な衛生状態を維持することが難しい場所、たとえば、町および病院施設から遠い遠隔地などで、複数回投与バイアルが外気において取り扱われ処理される場合がある。そのような場合、バイアルの隔壁が、外気によって汚染される、または投与量のワクチンが取り出されるたびに使われる空のシリンジの針によって汚染される場合がある。
【0009】
また、冷蔵庫のような冷却機器に電力を与えるエネルギーの供給が限られているまたは場合によっては存在しない地域では、複数回投与バイアルが、アイスパックとの単純な接触によって低温状態に維持されることがある。時間が経過とともに、氷の部分が溶けて水になることがあり、複数回投与バイアルの隔壁が、そのようなバイアルの隔壁を汚染し得る水と接触することがある。
【0010】
そして、たとえば、10回分の投与量のバイアルのような、複数回投与バイアルが開けられ、3回分の投与量のみが3人の患者のみをワクチン接種するために使用され、バイアルの残りの内容物は、バイアルを開けた後の充分に短い時間内で投与されることが意図されないため、ワクチンまたは薬品の無菌性を保証するために廃棄されるということが起こり得る。
【0011】
したがって、ワクチン接種キャンペーンは、地域によっては困難になり、ワクチンのかなりの割合が、それらが対象に届く時までに廃棄される可能性がある。これは、予防接種キャンペーンを担当する保健機関には受け入れられないコストを有する。また、ワクチン接種キャンペーンまたはパンデミックの場合、良好な衛生状態を維持することが難しい場所、たとえば、町および病院施設から遠い遠隔地などで、何百もの患者が非常に短時間にワクチン接種される必要があるということが起こり得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
したがって、複数回投与バイアル隔壁の何回かの一連の突き通しを可能にし、無菌状態、特に複数回投与バイアルの寿命中に隔壁が無菌に維持される状態で、それらの突き通しが行われることを保証するデバイスであって、バイアルから既に引き出された、または逆にバイアルに依然として残存する製品の投与量の回数を正確にカウントすることを可能にする、デバイスを提供することが望まれる。
【0013】
さらに、薬品およびワクチンのサプライチェーンを強化し、予防接種キャンペーン中に価値ある医薬品の浪費を阻止するデバイスを提供する必要がある。
【0014】
また、ユーザが心変わりし医療デバイスを閉じる前に図らずも偶発的にそれを開け始めた場合であっても、容器から既に引き出されたまたは容器内に依然として残存する製品の投与量の回数に関してユーザに信頼できる情報を提供する、医療容器とともに使用可能な投与回数カウントデバイスが必要である。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明の第1の態様は、医療容器から引き出されるN回分の投与量の製品で充填された医療容器と結合するための投与回数カウントデバイスであって、前記医療容器は前記製品へのアクセスのための開口を提供する、投与回数カウントデバイスにおいて、
− 投与回数カウントデバイスを医療容器に固着するための把持部材であって、前記投与回数カウントデバイスが前記医療容器に結合されたときに前記開口に面するように意図される孔を含む、把持部材と、
− 前記把持部材に対して回転可能に取り付けられたカウントリング(counting ring)であって、N回分の投与量に対応する情報データを提供されるカウントリングと、
− カバーであって、カバーが前記孔へのアクセスを阻止する閉位置と、それが前記孔へのアクセスを阻止しない開位置との間で、前記孔に対して移動可能なカバーと、を備える投与回数カウントデバイスである。
【0016】
本発明の投与回数カウントデバイスは、医療容器、たとえば、ワクチン用の複数回投与バイアルのような医薬製品を保管するための従来のバイアルなどに、取り付けられ結合されることが意図される。そのようなバイアル1は、
図1A〜1Cに示され、一般に、長手軸Aを有し端部で閉じられ他端部にカラー3を有する、管状胴部2を備え、前記カラー3は、隔壁4によって閉じられる開口3aを形成する。通常、隔壁4は、周辺バンド5によってバイアル1のカラー3に固定して付着され、前記周辺バンド5は、本明細書では隔壁の外表面4aと呼ばれる隔壁4の部分を残して、その部分が、バイアル1の外側すなわち外部環境に直面する。隔壁4は、通常、気体および液体に対して不透過性の材料で形成され、それはバイアル1の内容物を密封する。隔壁4はまた、バイアルに収容された製品で充填されることが意図される注射デバイスの針によって突き通し可能であり、前記隔壁4は、それの外表面4aを介して前記針にアクセス可能である。
【0017】
あるいは、投与回数カウントデバイスは、隔壁によって閉じられない開口を有する医療容器と組み合わせて使用され得る。
【0018】
以下の説明は、
図1A〜1Cに示されるように隔壁によって閉じられるバイアルを伴う本発明の投与回数カウントデバイスの使用を記述するが、本発明の投与回数カウントデバイスは、いかなる隔壁もない医療容器に組み合わせて使用され取り付けられてもよい。たとえば、医療容器は、それが収容する製品にアクセスするための開口を提供されている限り、この開口が隔壁によって閉じられるかどうかという事実にかかわらず、ボトル、アンプル、フラスコ、または医療分野で使用可能な任意の他の容器とすることができる。
【0019】
本発明の投与回数カウントデバイスは、医療容器たとえばバイアルからの製品の投与量の引き出しの際に良好な衛生状態を維持するとともに、何回分の投与量の製品が医療容器たとえばバイアルに残されているかをユーザが通知されることを可能にする。実際、本発明の投与回数カウントデバイスは、医療容器たとえばバイアルの寿命全体にわたって、すなわち、医療容器たとえばバイアルに当初存在するN回分の投与量の製品の一連の引き出しにわたって、医療容器たとえばバイアルの開口を保護することを可能にする。したがって、医療容器の良好な衛生状態が維持される。
【0020】
本発明の投与回数カウントデバイスの把持部材は、投与回数カウントデバイスを、特に、医療容器のカラーのあたりに、一時的または永続的な方法で、医療容器に固着することができる任意の部材とすることができる。把持部材の医療容器に対する連結は、側方向または軸方向連結であってよい。
【0021】
実施形態において、投与回数カウントデバイスは、前記カバーと前記カウントリングとに結合された、増分システムをさらに備え、前記増分システムは、前記カバーがそれの閉位置からそれの開位置に移動してからそれの閉位置に戻るごとに、カウントリングが予め定められた角度で自動的に回転することを可能にする。特に、実施形態において、投与回数カウントデバイスは、前記カバーと前記カウントリングとに結合された、増分システムをさらに備え、前記増分システムは、前記カバーがそれの開位置からそれの閉位置に移動するごとに、カウントリングが予め定められた角度で自動的に回転することを可能にする。したがって、ユーザがカバーをそれの閉位置からそれの開位置に移動させてからそれの閉位置に戻すごとに、特に、ユーザがカバーをそれの開位置からそれの閉位置に移動させるごとに、カウントリングが自動的に増分されるので、ユーザは前記カウントリングを手動で回転させる必要がない。したがって、そのような実施形態では、ユーザはカバーを開けて再びそれを閉じるだけでよく、カバーそれ自体が投与回数カウントの増分を完了するので、投与回数カウントデバイスは受動デバイスである。カウントは、カバーの取り扱いで行われる。
【0022】
実施形態において、前記増分システムは、作用表面を備え、前記カウントリングは、相補作用表面を備え、前記作用表面は、前記カバーが移動してそれの開位置からそれの閉位置に戻ると、前記カウントリングを回転させるように、前記相補作用表面と係合し協働する。
【0023】
N回分の投与量に対応する情報データを提供されるカウントリングの回転は、したがって、2つのステップの工程、すなわち、第1のステップでカバーをそれの閉位置からそれの開位置に移動させること、および第2のステップでカバーをそれの開位置からそれの閉位置に移動させることに依存し、カウントリングの回転は、第2のステップ中のみに発生する。したがって、このシステムは、ユーザへ表示され得るN回分の投与量に対応する情報データの信頼性を保ちながら、ユーザによるカバーの不完全なまたは偶発的な操作に対して耐性を有する。実際、カウントリングは第2のステップ中のみで回転するので、ユーザが、偶発的か否か、第1のステップを部分的にのみ行った場合、カウントリングの回転は発生せず、カウントリングに提供されたN回分の投与量に対応する情報データは変化しない。したがって、ユーザは、カウントリングに関する正確な情報を提供され、混乱のリスクが排除される。
【0024】
実施形態において、前記カバーは、前記カバーがそれの閉位置からそれの開位置におよびその逆に移動すると、前記把持部材に対してR軸(Z軸又はそれに平行な軸)の周りを回転して移動可能であり、前記増分システムは、前記カバー上に配置されたギヤホイールの部分を備え、前記ギヤホイールは、R軸の周りを回転可能であり、前記カバーが移動してそれの開位置からそれの閉位置に戻ると、カウントリングの周囲に提供された複数の相補半径方向歯と協働することができる、複数の半径方向歯を提供されている。
【0025】
あるいは、前記カバーは、前記カバーがそれの閉位置からそれの開位置におよびその逆に移動すると、前記把持部材に対して平行移動で移動可能であり、前記増分システムは、前記カバー上に配置された可撓性脚を備え、前記可撓性脚は、前記カバーがそれの閉位置からそれの開位置に移動すると、前記カウントリングの周囲の傾斜した面からはずれることができ、前記可撓性脚は、前記カバーが移動してそれの開位置からそれの閉位置に戻ると、前記カウントリングの前記周囲の半径方向表面に係合する。したがって、前記可撓性脚は、カバーがそれの開位置からそれの閉位置に移動すると、工程の第2のステップ中にカウントリングの移動すなわち回転を引き起こす。
【0026】
あるいは、他の実施形態では、前記カバーがそれの閉位置からそれの開位置におよびその逆に移動すると、前記カバーは、前記把持部材に対して平行移動で移動可能であり、前記増分システムは、前記カバー上に配置された可撓性脚を備え、前記可撓性脚は、前記カバーがそれの閉位置からそれの開位置に移動すると、前記カウントリングの前記周囲の半径方向表面に係合し、それによりカウントリングの回転を引き起こすことができ得る。
【0027】
実施形態において、投与回数カウントデバイスは、把持部材に対して固定されており、カバーの位置にかかわらず、前記投与回数カウントデバイスが前記医療容器に結合されると医療容器の開口に面するように意図される突き通し可能エラストマー部片をさらに備える。実施形態において、突き通し可能エラストマー部片は、投与回数カウントデバイスの把持部材の孔内に嵌め込まれる(lodged)。
【0028】
本出願において、「突き通し可能」は、バイアルの開口に到達しそこから投与量の製品を引き出すために、シリンジ、自動注入装置、または再構成デバイスのような注射デバイスの針によって、隔壁およびエラストマー部片が突き通され横断され得ることを意味する。
【0029】
実施形態において、エラストマー部片は、圧力で屈曲できる気体および液体不透過性材料で形成されている。たとえば、エラストマー部片は、厚さが1から8mm、好ましくは2から4mmの範囲である。エラストマー部片は、規格DIN 53505に従って測定される10から100ショアA、好ましくは40から70ショアAの範囲の硬度を示し得る。
【0030】
本発明のアダプタの突き通し可能エラストマー部片のための適切な材料は、天然ゴム、アクリレート−ブタジエンゴム、シス−ポリブタジエン、クロロまたはブロモブチルゴム、塩素化ポリエチレンエラストマー、ポリアルキレンオキシドポリマー、エチレンビニルアセテート、フロロシリコーンゴム、ヘキサフルオロプロピレン−フッ化ビニリデン−テトラフルオロエチレンターポリマー、ブチルゴム、ポリイソブテン、合成ポリイソプレンゴム、シリコーンゴム、スチレンーブタジエンゴム、テトラフルオロエチレンプロピレンコポリマー、熱可塑性コポリエステル、もしくは熱可塑性エラストマーなど、またはこれらの組合せを含む。
【0031】
実施形態において、突き通し可能エラストマー部片は自己再生シール(self-resealing)である。「自己再生シール」は、本出願では、針がエラストマー部片から取り出されると、エラストマー部片が、針の突き通しで作られた孔を自動的に迅速に、たとえば0.5秒未満で閉じることを意味する。この自動閉鎖ステップは、多数回、たとえば、複数回投与医療容器に収容されたN回分の投与量の製品を取り出すために必要な回数にわたり生じ得る。この自動閉塞は、空気および/または汚染物質が、医療容器内部に、またエラストマー部片と隔壁の間の境界部分に入るのを制限または阻止し、それにより無菌状態の維持を可能にする。さらに、針が隔壁から取り出された後に突き通し可能エラストマー部片にそれがまだ存在するので、突き通し可能エラストマー部片の存在は、医療容器の隔壁が再シールする時間を与える。したがって、1または複数回分の製品の引き出しの後に医療容器が負圧に維持される場合であっても、医療容器内部またはエラストマー部片と隔壁の間の境界部分に空気も汚染物質も導入され得ない。また、医療容器の隔壁は、それ自体が自己再生シールである。
【0032】
自己再生シールの突き通し可能エラストマー部片のための適切な材料は、合成ポリイソプレン、天然ゴム、シリコーンゴム、もしくは熱可塑性エラストマーなど、またはこれらの組合せを含む。
【0033】
したがって、本発明の投与回数カウントデバイスは、連続した複数回にわたり、良好な衛生状態で、たとえば医療容器の隔壁の突き通しによる、医療容器へのアクセスを可能にする。実際、ユーザが医療容器に収容されている投与量の薬品を空のシリンジに充填しようと決めると、ユーザは単に把持部材を用いて医療容器に本発明の投与回数カウントデバイスを固着する。投与回数カウントデバイスが医療容器に固着されると、投与回数カウントデバイスの孔が医療容器の開口に面し、突き通し可能エラストマー部片が前記孔内に存在する場合、突き通し可能エラストマー部片は、医療容器の隔壁が存在する場合その外表面と接触する。次いで、ユーザは、隔壁および/または突き通し可能エラストマー部片を保護する投与回数カウントデバイスのカバーを開けるだけでよい。結果として、医療容器に針を導入することが、針がまずエラストマー部片を突き通し横断することを含意する。このステップ中、針は、エラストマー部片を形成する材料と機械的に擦れ合い、前記針がエラストマー部片を突き通すときに潜在的細菌が針から拭い取られるので、それは自然に掃除される。また、針がエラストマー部片から突出すると、それは医療容器の隔壁に直接入り、したがって外的要素によって汚染されることがない。
【0034】
ユーザは、医療容器に収容された全回数分の投与量が取り出されるまで、新しい空の注射デバイスの針を用いる突き通しステップを繰り返すことができる。本発明の投与回数カウントデバイスは、隔壁の保護の役割をする。
【0035】
実施形態において、投与回数カウントデバイスは、カバーをそれの閉位置にさせるための付勢手段をさらに備える。付勢手段は、投与回数カウントデバイスが長期間にわたってカバーの開位置のままにされないことを確実にし、したがって、突き通し可能エラストマー部片、および/または医療容器の隔壁の汚染のリスクを低減する。
【0036】
本発明の別の態様は、開口を備え、前記開口を介してそこから引き出されるN回分の投与量の製品で充填された医療容器と、上述されたような投与回数カウントデバイスとを備えるアセンブリである。前記開口は、隔壁によって閉じられ得る。実施形態において、前記投与回数カウントデバイスが前記医療容器に結合されると、前記突き通し可能エラストマー部片が前記隔壁と接触する。
【0037】
したがって、針による突き通し可能エラストマー部片の突き通し位置にかかわらず、ユーザは、針の遠位端が突き通し可能エラストマー部片に挿通された後に隔壁を直接突き通すことを確実にされる。したがって、前記遠位端は、隔壁の外表面と突き通し可能エラストマー部片の表面との間に捕えられる外気または他の要素と接触しない。特に、そのような実施形態では、隔壁の外表面および突き通し可能エラストマー部片の表面が、それらの表面全体で密接に互いに接触し、閉じられた境界部分をもたらすように、それらは互いに合致する。
【0038】
したがって、隔壁は、突き通し可能エラストマー部片によって保護される。したがって、針による隔壁を汚染するリスクは減少される。実施形態において、前記開口は、隔壁によって閉じられたカラーであり、前記把持部材は、前記カラーを実質的に取り囲むことができるクリップを備える。したがって、投与回数カウントデバイスはバイアルによく固着される。
【発明を実施するための形態】
【0040】
図2を参照すると、
図1A〜1Cに示されるように複数回投与バイアル1上に結合されることが意図される本発明の第1の実施形態による投与回数カウントデバイス10の分解図が示されている。
【0041】
前述されたように、以下の説明は、
図1A〜1Cに示されるように隔壁によって閉じられるバイアル1を伴う本発明の投与回数カウントデバイス10の使用を記述するが、本発明の投与回数カウントデバイスは、いかなる隔壁もない医療容器に組み合わせて使用され取り付けられてもよい。たとえば、医療容器は、それが収容する製品にアクセスするための開口を提供されている限り、この開口が隔壁によって閉じられるかどうかという事実にかかわらず、ボトル、アンプル、フラスコ、または医療分野で使用可能な任意の他の容器とすることができる。
【0042】
図2を参照すると、投与回数カウントデバイス10は、それをバイアル1上に固着するように意図される把持部材20と、バイアル1から既に引き出されおよび/またはバイアル1に依然として残された製品の投与量の回数に関する情報を提供するように意図されたカウントリング30と、把持部材20に固定されるように意図されたキャップ40と、投与回数カウントデバイス10がバイアル1に結合されるとバイアル1の開口3aへのアクセスを阻止するまたは可能にするように意図されたカバー50とを備える。
【0043】
図2を参照して、把持部材20がここで詳細に説明される。把持部材20は、バイアル1のカラー3を取り囲む(
図5A〜C参照)ために適した高さを示す部分的に管状壁22を有するU字形本体21を備え、2つの自由端部22aがU字の分岐の端部に対応しており、したがってU字形本体21はクリップ部材を形成する。各自由端部22aの近くで、管状壁22はそれの外表面上に(
図2では1つのみが見える)半径方向ペグ23を提供されている。さらに、各自由端部22aは、半径方向リム24を形成する遠位前方突起を提供されている。図示されない実施形態では、管状壁は、いかなる自由端部も持たず、閉じられた環状リングであり、バイアルのカラーとともに別の種類のクリップ部材を形成する。
【0044】
図2をさらに参照すると、カウントリング30は、それの周囲31aに沿って分散された複数の外側半径方向歯32を提供されたフラットシリンダ31で形成される。フラットシリンダ31は、
図3を参照して後で説明されるように、キャップ40の遠位カラー47の周りにフィットするような寸法および形状にされた中心孔33をさらに提供されている。
図2〜7に示される例では、投与回数カウントデバイス10は、10回分の投与量の製品が充填される複数回投与バイアル1に結合されるように意図される。結果として、カウントリング30は、バイアル1から引き出されるこれら10回分の投与量の製品に対応する情報データを提供され、この図では、フラットシリンダ31は、1から10の数を示す印刷された数字34を提供され、これらの数字は、フラットシリンダ31の周縁に沿って規則的に分散されている。
【0045】
図2および3を参照して、キャップ40がここで詳細に説明される。キャップ40は、隅部41aを形成する直角を除いて実質的に円形状を有する横断壁41を備える。円形リム42が、横断壁41から遠位方向に延びる。U字形スカート43が、円形リム42から遠位方向に延び、U字の自由端部43aがスカート43の開口43bを形成する。各自由端部43aの近くで、スカート43は、それの外表面上に(
図2では1つのみが見える)凹部43cを提供されている。円形横断壁41は、中心孔44を提供されており、また、中心孔44からU字形スカート43の開口43aの方向にずらされた側孔45を提供されている。後の説明から明らかなように、中心孔44は、投与回数カウントデバイス10がバイアル1に結合されたときにバイアル1の開口3aに面するように意図される。横断壁41は、それの隅部41bに隅孔46をさらに提供されている。図示されない実施形態では、スカートは、円形リム42から遠位方向に延びる閉環状スカートであり、開口を有していない。
【0046】
図3を参照すると、横断壁41の遠位面は、中心孔44の縁部から延びる遠位カラー47を提供され、また、遠位外側リム47aを提供されている。
図3をさらに参照すると、U字形スカート43は、それの内壁に、隅孔46に面する隅部横断リム48を提供されている。隅部横断リム48は、中心孔48aを提供されている。
【0047】
キャップ40は、その中にカウントリング30および把持部材20を受け入れるようなサイズおよび形状にされており、
図2および5Aに示されるように、投与回数カウントデバイス10が使用されるとき、カウントリング30は、円形リム42内に閉じ込められ、U字形スカート43は、把持部材20のU字形要素21と整合される。図示されない実施形態では、スカートが円形状を有する場合、スカートは把持部材の環状本体と整合される。
【0048】
図2および
図4を参照して、カバー50がここで詳細に説明される。カバー50は、隅部51bが横断壁41の隅部41bに面するように意図された、実質的にキャップ40の横断壁41の形状を有するシート51を備える。シート51は、それの近位面に、隅部51bに配置された垂直軸53に対するシート51の反時計回り回転を示す印刷された矢印52を提供される。また、示された例において、情報を書き込むまたはラベルを貼るためのスペースを設けるために、シート51の近位面に大きな平面部51aが画成されている。シート51は、投与回数カウントデバイス10が使用されているときにキャップ40の横断壁41の側孔45に面するように意図された、側孔55を提供される。
図4を参照すると、シート51の遠位面は、それの隅部51bに、遠位方向に延び垂直軸53と整合されるシャフト56を提供されており、シャフト56は、遠位外側リム56aで終端される。それの遠位外側リム56aから近位に離間されて、シャフト56は、半ギヤホイール57、すなわち、それの周縁の半分(180°)またはそれ未満のみに外側半径方向歯を提供されたギヤホイールを提供されており、半径方向歯は、
図4に示されるようにシート51の外側に面する。
【0049】
シート51は、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン(ABS)、シリコン樹脂、または任意の他の硬質ポリマーのような任意の材料で形成され得る。あるいは、金属、木材、またはガラスのような材料が使用されてもよい。
【0050】
図1A〜1Cのバイアルと連結する投与回数カウントデバイス10の使用が、ここで
図2〜7を参照して説明される。本発明の投与回数カウントデバイス10の使用位置において、すなわち、本発明の投与回数カウントデバイスがバイアルに結合されたとき、カバー50は、閉位置(
図5A〜C、
図7)または開位置(
図6A〜C)をとることができる。
【0051】
図5A〜5Cを参照すると、投与回数カウントデバイス10が、バイアル1に結合されて、カバー50の閉位置において示されている。また、これらの図では、
図2〜4の投与回数カウントデバイス10は、突き通し可能エラストマー部片60をさらに提供されており、突き通し可能エラストマー部片60は、バイアル1の隔壁4の外表面4aと接触するように、キャップ40の中心孔44に嵌め込まれ、カウントリング30の中心孔33を横断している。したがって、中心孔44および突き通し可能エラストマー部片は、バイアル1の開口3aに面する。
【0052】
本出願において、「突き通し可能」とは、針がバイアルの内部にアクセスし投与量の製品を引き出すために、シリンジ、自動注入装置、または再構成デバイスのような注射デバイスの針によって隔壁およびエラストマー部片が突き通され横断され得ることを意味する。
【0053】
突き通し可能エラストマー部片60は、全体的にはフラットシリンダの形状を有し、摩擦を伴ってキャップ40の横断壁41の中心孔44内に受け入れられるような寸法および形状にされる。突き通し可能エラストマー部片60は、圧力で屈曲できる気体および液体不透過性材料で形成されている。
【0054】
本発明のアダプタの突き通し可能エラストマー部片30のための適切な材料は、天然ゴム、アクリレート−ブタジエンゴム、シス−ポリブタジエン、クロロまたはブロモブチルゴム、塩素化ポリエチレンエラストマー、ポリアルキレンオキシドポリマー、エチレンビニルアセテート、フロロシリコーンゴム、ヘキサフルオロプロピレン−フッ化ビニリデン−テトラフルオロエチレンターポリマー、ブチルゴム、ポリイソブテン、合成ポリイソプレンゴム、シリコーンゴム、スチレンーブタジエンゴム、テトラフルオロエチレンプロピレンコポリマー、熱可塑性コポリエステル、もしくは熱可塑性エラストマーなど、またはこれらの組合せを含む。
【0055】
好ましくは、エラストマー部片は、自己再生シールであり、針がエラストマー部片から取り出されると、それは針の突き通しで作られた孔を自動的にシールし、たとえば0.5秒未満で自動的に迅速にシールする。この自動閉鎖ステップは、多数回、特に、複数回投与バイアル1に当初存在するN回分の投与量の製品を取り出すために必要な回数にわたり生じ得る。自己再生シール突き通し可能エラストマー部片のための適切な材料は、合成ポリイソプレン、天然ゴム、シリコーンゴム、もしくは熱可塑性エラストマーなど、またはこれらの組合せを含む。
【0056】
本発明の投与回数カウントデバイス10の使用位置において、
図5A〜5Cに示されるように、フラットシリンダ31は、それの中心孔33に用いてキャップ40にスナップフィットされ、中心孔33は、キャップ40の遠位カラー47に係合され、遠位カラー47の遠位外側リム47aによって遠位方向にブロックされ、フラットシリンダ31は、遠位カラー47に対して回転することができる。また、キャップ40は、それ自体が、それの凹部43cを用いて把持部材20にスナップフィットされ、凹部43cは、把持部材20のU字形要素21の管状壁22の半径方向ペグ23で係合される。結果として、中心孔44と同様にキャップ40が、把持部材20に対して固定される。図示されない実施形態では、キャップ40およびU字形要素21は、統合して1つの単一要素すなわち把持部材を形成することができる。
【0057】
本発明の投与回数カウントデバイス10の使用位置において、
図5A〜5Cに示されるように、カバー50は、シャフト56を用いてキャップ40に連結され、シャフト56は、横断壁41の隅孔46を横断し、シャフト56の遠位外側リム56aが隅部横断リム48の中心孔48aを越えた後に隅部横断リム48内にスナップフィットされる。シャフト56は、隅孔46内で、矢印52によって示される反時計回り回転方向で軸53の周りを回転することを可能にされる。
【0058】
図5A〜5Cにおいて、投与回数カウントデバイス10はバイアル1に結合される。この図では、把持部材20が、摺動する仕方でバイアルのカラー3に取り付けられており、半径方向リム24はここでカラー3を取り囲み、それによりバイアル1の投与回数カウントデバイス10を固着する。バイアル1に対する投与回数カウントデバイス10のこの結合された位置において、突き通し可能エラストマー部片60がその中に嵌め込まれる中心孔44は、バイアル1の隔壁4および開口3aと整合される。
【0059】
また、カバー50の閉位置の際、
図5A〜5Cに示されるように、シート51の中心部が中心孔44を閉じ、それにより、注射デバイスの針による中心孔44およびバイアル1の開口3aへのいかなるアクセスも阻止する。また、この位置の際、シート51の側孔55がキャップ40の側孔45に面し、ユーザは、カウントリング30のフラットシリンダ31上に印刷された1つの数字を見ることが可能である。示された例では、
図5Bを参照すると、数字「10」を見ることができ、これは、たとえば、バイアル1からまだ投与量が引き出されていないこと、および10回分の投与量がその中に残されていることを意味する。
【0060】
ユーザが製品の初回の投与量を引き出す準備ができているとき、カバー50がそれの開位置にある
図6A〜6Cに示されるように、ユーザは、カバー50の180°回転を引き起こすように反時計方向でカバー50を回転させる。これらの図に示されるように、カバー50のこの位置の際、シート51の中心部は、もはやキャップ40の中心孔44をもはやカバーせず、突き通し可能エラストマー部片60および隔壁4を突き通すことができる針による中心孔44およびバイアル1の開口3aへのアクセスがもはや阻止されない。また、カバー50のそれの閉位置からそれの開位置への回転は、フラットシリンダ31のいかなる動きも引き起こしておらず、
図6Bに示されるように、フラットシリンダ31は、キャップ40の側孔45を通して数字「10」を依然として表示する。実際、カバー50のこの回転において、シャフト56および半ギヤホイール57も180°回転を完了し、結果として、
図6Cに示されるように、カバーの開位置の際、半ギヤホイール57の端歯は、フラットシリンダ31の外側半径方向歯32と係合するが、カウントリング30の回転を引き起こすためにフラットシリンダ31の複数の外側半径方向歯32と協働することは依然としてしていない。
【0061】
ユーザがバイアル1から製品の投与量を引き出すと、キャップ40の中心孔44を再びカバーし保護するようにカバー50をそれの閉位置に戻すために、ユーザはカバー50の反時計回り回転を継続する。カバーのそれの開位置からそれの閉位置へのこの第2の180°回転において、半ギヤホイール57の歯は、そこでそれらが係合されるフラットシリンダ31の外側半径方向歯32と協働する。したがって、フラットシリンダ31は回転させられ、フラットシリンダ31の後続の数字、すなわち数字「9」が、
図7に示されるようにここで側孔45および55を通して表示される。
【0062】
図2〜7で示される実施形態では、フラットシリンダ31の外側半径方向歯32とともに、シャフト56および半ギヤホイール57が、ユーザがカバーをそれの開位置からそれの閉位置に移動させるごとに、決定された角度でカウントリング30を自動的に回転させるための増分システムを形成する。カウントリングの回転、ならびに孔45および55に表示される数字の変化は、したがって、2つのステップの工程、すなわち、第1のステップでカバー50をそれの閉位置からそれの開位置に移動させること、および第2のステップでカバー50をそれの開位置からそれの閉位置に移動させることに依存し、カウントリングの回転は、第2のステップ中のみに発生する。したがって、このシステムは、残りの投与量の回数を示し、また、ユーザに表示される数字の信頼性を損ねることなく、カバー50の不完全なまたは偶発的な操作に対して耐性を有する。実際、カウントリング30は第2のステップ中のみで回転するので、ユーザが、偶発的か否か、第1のステップを部分的にのみ行った場合、カウントリング30の回転は発生せず、残りの投与量の回数を示す数字は変化しない。また、数字に対するカバー50の位置は、半ギヤホイール57の歯の数を変化させることにより調整されてもよい。たとえば、数字は、第2のステップ中にカバー50によって覆われたとき、すなわちユーザによって見ることができないときのみに変更されてもよく、それによりユーザがこの変更で混乱させられないようになり、第2のステップが終わると、新しい数字が孔45および55を通してユーザによりさらに明確に見える。したがって、ユーザは、何回分の投与量の製品がバイアルに残されているかに関する正確な情報を提供され、混乱のすべてのリスクが排除される。
【0063】
さらに、そのような増分システムを伴いながら、投与回数カウントデバイスは、非常にコンパクトなサイズである。複数回投与バイアルは、たいてい空間容量が限られた医療冷蔵庫または医療保冷ボックスのような冷所で保管されるので、この小型のサイズは特に価値がある。さらに、カバーの回転が容易に実現され得るので、本発明の投与回数カウントデバイスは、片手でも取り扱うのが容易である。
【0064】
図8〜11を参照すると、本発明の第2の実施形態による投与回数カウントデバイス110が示されており、この実施形態では、増分システムが存在せず、ユーザはカウントリングを手動で回転し得る。
図2〜7の実施形態と同じ要素を示す参照符号が維持されている。
【0065】
図10を参照すると、キャップ140は、横断壁141を備え、横断壁141からスカート143が遠位方向に延びている。横断壁141は、中心孔144を提供されている。キャップ140は、カウントリング30のフラットシリンダ31(
図8および9参照)がユーザの手で到達されることを可能にする窓142を提供されている。それの隅部141bにおいて、横断壁141の近位面は、近位方向に延びるシャフト146を提供されている。
【0066】
図11を参照すると、カバー150が、シート151を備え、シート151は、それの隅部151bに隅孔156を提供されている。
【0067】
図8では、投与回数カウントデバイス110が、カバー150が閉位置の状態でバイアル1に結合されて示されている。カバー150は、隅孔156内に嵌め込まれているシャフト146を用いてキャップ140に連結される。ユーザがバイアル1から投与量の製品を引き出す準備ができているとき、
図9に示されるように、ユーザは、シャフト146の軸の周りで時計方向にカバー150を回転させ、カバー150に180°の回転を完了させる。カバーのこの開位置の際、中心孔144および突き通し可能エラストマー部片60へのアクセス、バイアル1の隔壁および開口3aへのアクセスは、もはや阻止されず、ユーザはバイアル1から投与量の製品を引き出すことができる。
【0068】
投与量の製品が引き出されると、ユーザは、カバー150をそれの閉位置に戻すために、カバー150の時計回りの回転を継続する。カバー150のそれの開位置からそれの閉位置へのこの第2の180°回転において、フラットシリンダ31とカバー150の任意の部分との間に協働が発生しなかった。結果として、ユーザは、バイアル1に残された投与量の回数を表示するようにフラットシリンダ31を手動で回転させなければならず、
図8および
図9に示されるように、ユーザは窓142を通してフラットシリンダ31に到達できるので、ユーザは、このステップを完了させることができる。
【0069】
図12〜17を参照すると、本発明の第3の実施形態による投与回数カウントデバイス210が示されており、この実施形態では、カバーが把持部材に対して平行移動で移動可能である。
【0070】
投与回数カウントデバイス210は、
図1A〜1Cに示されるように、複数回投与バイアル1に結合されるように意図される。前述されたように、以下の説明は、
図1A〜1Cに示されるように隔壁によって閉じられるバイアル1を伴う本発明の投与回数カウントデバイス210の使用を記述するが、本発明の投与回数カウントデバイスは、いかなる隔壁もない医療容器に組み合わせて使用され取り付けられてもよい。たとえば、医療容器は、それが収容する製品にアクセスするための開口を提供されている限り、この開口が隔壁によって閉じられるかどうかという事実にかかわらず、ボトル、アンプル、フラスコ、または医療分野で使用可能な任意の他の容器とすることができる。
【0071】
前述の実施形態と同様に、投与回数カウントデバイス210は、それをバイアル1上に固着するように意図される把持部材220と、バイアル1から既に引き出されおよび/またはバイアル1に依然として残された製品の投与量の回数に関する情報を提供するように意図されたカウントリング230と、把持部材220に固定されるように意図されたキャップ240と、投与回数カウントデバイス210がバイアル1に結合されるとバイアル1の開口3aへのアクセスを阻止するまたは可能にするように意図されたカバー250とを備える。
【0072】
図12を参照すると、把持部材220は、バイアル1のカラー3を取り囲むために適した高さを示す部分的な管状壁222を有するU字形本体221を備え、2つの自由端部222aがU字の分岐の端部に対応しており、したがってU字形本体221はクリップ部材を形成する。各自由端部222aの近くで、管状壁222はそれの外表面上に(
図12では1つのみが見える)半径方向ペグ223を提供されている。さらに、各自由端部222aは、半径方向リム224を形成する遠位前方突起を提供されている。図示されない実施形態では、管状壁は、いかなる自由端部も持たず、閉じられた環状リングであり、バイアルのカラーとともに別の種類のクリップ部材を形成する。
【0073】
図12をさらに参照すると、カウントリング230は、それの周囲231aに沿って分散された複数の外側半径方向突起232を提供されたフラットシリンダ231で形成される。各半径方向突起232は、傾斜した面232aおよび半径方向表面232bを提供されている。さらに、フラットシリンダ231は、
図2〜7の実施形態について説明されたのと同様に、キャップ240の遠位カラー247(
図3参照)の周りフィットするような寸法および形状にされた中心孔233をさらに提供されている。前述の実施形態においてと同様に、投与回数カウントデバイス210は、10回分の投与量の製品が充填される複数回投与バイアル1に結合されるように意図される。結果として、カウントリング230は、前述の実施形態おいてと同様に、バイアル1から引き出されるこれら10回分の投与量の製品に対応する情報データを提供される。
【0074】
図12および
図13を参照して、キャップ240がここで詳細に説明される。キャップ240は、実質的に長方形状を有する横断壁241を備える。リム242が、横断壁241から遠位方向に延びる。U字形スカート243が、リム242から遠位方向に延び、U字の自由端部243aがスカート243の開口243bを形成する。各自由端部243aの近くで、スカート243は、それの外表面上に凹部243cおよび外側ペグ249を提供されている。横断壁241は、中心孔244を提供されており、また、中心孔244からU字形スカート243の開口243aの方向にずらされた側孔245を提供されている。後の説明から明らかなように、中心孔244は、投与回数カウントデバイス210がバイアル1に結合されたときにバイアル1の開口3aに面するように意図される。図示されない実施形態では、スカートは、円形リム42から遠位方向に延びる閉環状スカートであり、開口を有していない。
【0075】
図13を参照すると、横断壁241の遠位面は、中心孔244の縁部から延びる遠位カラー247を提供され、また、遠位外側リム247aを提供されている。
図13をさらに参照すると、キャップ240の内壁は、キャップ240の中心に向かって延びる斜め脚248を提供されている。
【0076】
キャップ240は、その中にカウントリング230および把持部材220を受け入れるようなサイズおよび形状にされており、
図12および
図15Aに示されるように、投与回数カウントデバイス210が使用されるとき、カウントリング230は、円形リム242内に閉じ込められ、U字形スカート243は、把持部材220のU字形要素221と整合される。
【0077】
図12および
図14を参照して、カバー250がここで詳細に説明される。カバー250は、実質的にキャップ240の横断壁241の形状を有するシート251を備える。シート251の近位面は、その上に情報を書き込むまたはラベルを貼る領域を提供するために大きな平面251aを提供される。シート251は、キャップ240を受け入れることができる遠位スカート252をさらに提供され、以下の説明から分かるように、キャップ240は、U字形スカート243のU字の自由端部の方向に沿ってカバー250に対して平行移動で移動可能である。シート251は、投与回数カウントデバイス210が使用されているときにキャップ240の横断壁241の側孔245に面するように意図された、側孔255を提供されている。
図14を参照すると、カバー250の遠位スカート252の内壁は、休止位置から曲がることができる可撓性脚253を提供され、それはカバー250の中心に向かってストレス位置に延び、それは遠位スカート252の壁と整合され、それは壁の横断窓254内に嵌めこまれる(
図12参照)。
【0078】
遠位スカート252の側壁は、横断窓254から遠位に離間された横断窓256をさらに提供される。
【0079】
投与回数カウントデバイス210の使用が、
図12〜17を参照してここで説明される。明瞭にするため、バイアル1は、これらの図に示されていないが、前述の実施形態に関して説明されたのと同様に、投与回数カウントデバイス210が、それの把持部材220を介して
図1A〜1Cに示されるようにバイアルに結合されること、および中心孔244がバイアル1の開口3aに面することが意図されている。
【0080】
本発明の投与回数カウントデバイス210の使用位置において、フラットシリンダ231は、それの中心孔233を用いてキャップ240にスナップフィットされ、中心孔233は、キャップ240の遠位カラー247に係合され、遠位カラー247の遠位外側リム247aによって遠位方向にブロックされ、フラットシリンダ231は、遠位カラー247に対して回転することができる。また、キャップ240は、それ自体が、それの凹部243cを用いて把持部材220にスナップフィットされ、凹部243cは、把持部材220のU字形要素221の管状壁222の半径方向ペグ223で係合される。結果として、中心孔244と同様にキャップ240が、把持部材220に対して固定される。図示されない実施形態では、キャップ240およびU字形要素221は、統合して1つの単一要素すなわち把持部材を形成することができる。
【0081】
本発明の投与回数カウントデバイス210の使用位置において、
図15A〜15Cに示されるように、カバー250は、キャップ240の外側ペグ249を用いてキャップ240に連結され、外側ペグ249は、カバー250の遠位横断窓256に平行移動して受け入れられる。
図15Cを参照すると、キャップ240の斜め脚248が、フラットシリンダ231の1つの突起232の半径方向表面232bに当接しており、それにより、フラットシリンダ231が、この
図15Cに関して反時計方向で回転するのを阻止する。また、可撓性脚253は、それの休止位置にあり、フラットシリンダ231の別の突起232の傾斜した面232aに当接している。
【0082】
カバー250の閉位置の際、
図15A〜15Cに示されるように、シート251の中心部が中心孔244を閉じ、それにより、注射デバイスの針による中心孔244への、したがってバイアルの開口へのいかなるアクセスも阻止する。また、この位置の際、シート251の側孔255がキャップ240の側孔245に面し、ユーザは、カウントリング230のフラットシリンダ231上に印刷された1つの数字を見ることが可能にされる。示された例では、
図15Aを参照すると、数字「10」を見ることができ、これは、たとえば、バイアルからまだ投与量が引き出されていないこと、および10回分の投与量がその中に残されていることを意味する。
【0083】
ユーザが製品の初回の投与量を引き出す準備ができているとき、
図16A〜16Cに示されるように、ユーザは、
図15Cに示される矢印F1の方向にカバー250を押して、それをそれの開位置に移動させるようにする。これらの図に示されるように、カバー250のこの位置の際、シート251の側孔255がキャップ240の中心孔244に対して到来し、針による中心孔244およびバイアルの開口へのアクセスがもはや阻止されない。また、カバー250のそれの閉位置からそれの開位置への平行移動は、フラットシリンダ231のいかなる移動も引き起こしておらず、
図16Aに示されるように、キャップ240の側孔245を通して数字「10」を依然として表示する。実際、カバー250のこの平行移動において、可撓性脚253が、フラットシリンダ231の隣接した突起232によって横断窓254内に曲がるようにされ、フラットシリンダ231は、1つの突起232の半径方向表面232bに当接している斜め脚248を用いて、
図16Cに関して反時計方向で回転することを阻止される。カバー250が
図16A〜Cに示されるようにそれの開位置に到達すると、可撓性脚253は、
図16Cに示されるように、隣接した突起232から逃れてそれの休止位置に戻る。
【0084】
ユーザがバイアルから投与量の製品を引き出すと、キャップ240の中心孔244を再び覆って保護するように、カバー250をそれの閉位置に戻すために、ユーザは、
図16C順序に示される矢印F2の方向にカバー250を押し戻す。カバー250のそれの開位置からそれの閉位置へのこの帰りの平行移動において、可撓性脚253の自由端部が、隣接した突起232の半径方向表面に対して当接し、半径方向表面232bを押す。したがって、フラットシリンダ231は、
図16Cに関して時計方向で回転させられ、フラットシリンダ231の後続の数字、すなわち数字「9」が、
図17に示されるようにここで側孔245および255を通して表示される。カバー250の平行移動は実現するのが容易であり、ユーザは、投与回数カウントデバイス210のカバー250を片手で開け閉めすることができる。
【0085】
別の実施形態(図示せず)において、投与回数カウントデバイス210は、カバー250をそれの閉位置にさせる、ばねなどの付勢手段を提供される。このばねは、投与回数カウントデバイスが長期間にわたってカバーの開位置のままにされないことを確実にし、したがって、突き通し可能エラストマー部片および/または隔壁の汚染のリスクを低減する。
【0086】
図12〜17に示される実施形態では、フラットシリンダ231の突起232とともに、可撓性脚253、斜め脚248が、ユーザがカバーをそれの開位置からそれの閉位置に移動させるごとに、決定された角度でカウントリング230を自動的に回転させるための増分システムを形成する。上記のように、カウントリングの回転、ならびに孔245および255に表示される数字の変化は、したがって、2つのステップの工程、すなわち、第1のステップでカバー250をそれの閉位置からそれの開位置に移動させること、および第2のステップでカバー250をそれの開位置からそれの閉位置に移動させることに依存し、カウントリングの回転は、第2のステップ中のみに発生する。したがって、このシステムは、残りの投与量の回数を示しまたユーザに表示される数字の信頼性を損ねることなく、カバー250の不完全なまたは偶発的な操作に対して耐性を有する。実際、カウントリング230は第2のステップ中のみで回転するので、ユーザが、偶発的か否か、第1のステップを部分的にのみ行った場合、カウントリング230の回転は発生せず、残りの投与量の回数を示す数字は変化しない。したがって、ユーザは、何回分の投与量の製品がバイアルに残されているかに関する正確な情報を提供され、混乱のすべてのリスクが排除される。
【0087】
図示されない他の実施形態では、可撓性脚が、カバーがそれの閉位置からそれの開位置に移動すると、カウントリングの周囲の半径方向表面に係合し、それによりカウントリングの回転を引き起こすことができ得る。例として、この実施形態は、カバーが何回開けられているかをユーザに示すために有用であり得る。
【0088】
本発明の投与回数カウントデバイスおよびアセンブリは、ユーザがカバーをそれの閉位置からそれの開位置に移動させて次いでそれの閉位置に戻すごとに、カウントリングが自動的に増分され得るので、何回分の投与量の製品がバイアルに残されているかに関する正確な情報をユーザに提供しながら、連続した複数回にわたり、有利な衛生状態および無菌状態を生じる複数回投与バイアルの隔壁を突き通すことを可能にする。
【0089】
また、本発明の投与回数カウントデバイスの上述のすべての実施形態において、投与回数カウントデバイスは、時間監視システム(図示せず)を提供され得る。実際、バイアルの内容物は、たとえば28から30日間までの、限られた時間の後に、汚染されると考えられることがある。したがって、初回の投与量の引き出しからの経過時間を監視するために、また、28または30日の期限前の残り時間がどれだけかをユーザに示すために、時間監視システムが、本発明による投与回数カウントデバイスに追加されてもよい。
【0090】
この時間監視システムは、電子タイマであっても、回路内へのインクの拡散に基づくシステムであってもよい。たとえば、経過または残り時間は、マイクロ流体回路におけるインクの推移の動態によって監視され得る。そのようなシステムは、それらが小さく信頼性があるため、特に魅力的である。たとえば、そのようなシステムは、投与回数カウントデバイス10の大きな中心平面部51a上に、または投与回数カウントデバイス210の大きな平面251a上に組み込まれてもよい。いくつかの時間監視システムは、商標Timestrip(登録商標)として市販されている。
【0091】
さらに、時間監視システムは、ユーザにより手動でまたは自動でトリガーされ得る。自動トリガーは、投与回数カウントデバイスがバイアル1のカラー3に取り付けられたときに生じてもよく、これは、初回の投与量の引き出しを直後に想定している。たとえば、そのような時間監視システムは、投与回数カウントデバイス(10;210)上に貼られるラベルの形態であってもよく、ブリスタ内に置かれた追加のペグ(図示せず)によってトリガーされてもよく、このブリスタは、時間監視システムと接触し、したがって、ユーザがブリスタに遠位圧力をかけたときにそれを活性化することが意図される。
【0092】
そのようなシステムは、潜在的に期限切れのワクチンまたは薬品の患者への注射を阻止することができるが、さらにサプライチェーンまたはドラッグストアの在庫管理を促進することもでき、また、最初に開けられたバイアルの使用を奨励することにより、価値ある薬品およびワクチンの浪費を回避することもできる。
【0093】
ユーザは、バイアルに収容された全回数分の投与量が取り出されるまで、新しい空のシリンジの針を用いて突き通しステップを繰り返すことができる。本発明の投与回数カウントデバイスは、バイアルの寿命にわたりバイアルの隔壁の保護の役割をする。
【0094】
投与回数カウントデバイスが医療容器に固着されると、突き通し可能エラストマー部片と医療容器の隔壁とが、存在する場合は、接触し、たとえば密着する。突き通し可能エラストマー部片と医療容器の隔壁との両方が自己再生シールである実施形態において、医療容器から投与量の製品の引き出しの後、注射デバイスの針が隔壁と突き通し可能エラストマー部片との両方から取り出されたとき、医療容器の内部と外部環境との間の連通の可能性がない。したがって、これは、医療容器に収容された製品が、細菌、未精製水、粒子、ウィルスなどのような外部の汚染物質によって汚染されることを制限または阻止する。よって、本発明の投与回数カウントデバイスは、針の取り出し中であっても、それが固着された医療容器の内容物の気密シーリングを可能にする。医療容器の内部は、医療容器からの投与量の引き出しの前、最中、および後において無菌状態に保たれる。
【0095】
本発明のこの投与回数カウントデバイスは、片手で使用されることができるので使用するのが非常に容易である。また、本発明の投与回数カウントデバイスは、バッテリも電子システムも使用せず時間内の妨害を回避しているので、非常に信頼性が高い。
【0096】
さらに、予防接種キャンペーンにおいて、本発明の投与回数カウントデバイスを用いて、注射された投与量の回数が期待される患者の数と迅速に比較されることができ、それにより各患者が投与量のワクチンを受けたことを確実にする。最後に、ドラッグストアの在庫管理が促進され、サプライチェーンが医薬品の浪費を低減するように最適化され得る。