【実施例】
【0033】
以下、本発明に係る建築構造体を使用した庇及び屋根について、実施例によってさらに詳細に説明する。しかし、本発明は実施例に限定されるものではない。本発明に係る建築構造体は、庇及び屋根以外にも、壁等の様々な建築物の形成に用いることができる。
【0034】
<建築構造体を用いた庇>
図5は、本発明に係る建築構造体(1)を使用した庇の一例を示す図である。
建築構造体(1)は、
図1に示すように、板材(2)同士を、連結部材(3)を用いてx軸方向に連結したものである。
x軸方向の最も端に設置された板材(2)の建築構造体(1)の外側の結合部(5)には、サイドカバー等の側端部材(13)が取り付けられる。側端部材(13)は、サイドカバー、化粧材、化粧縁等の、庇の側端部材として通常使用されるものであればいかなるものでもよい。側端部材(13)の取り付け方法は、特に限定されないが、例えば、ビス等を用いて側端部材(13)と板材(2)の結合部(5)の上部を固定する等、庇の側端部材を固定するために通常使用されるものであればいかなる方法を用いてもよい。
建築構造体(1)のy軸方向(Y)の建造物の外側の末端には、軒先水切りや軒樋等の先端部材(14)が取り付けられる。先端部材(14)は、直接あるいは下地材を介して、ビス等を使用して建築構造体(1)に取り付けられる。取り付けに使用するビスはビス止め穴(6)に嵌め込まれる。
次に、建築構造体(1)を用いて庇を形成する方法の一例を示す。尚、以下に示す方法は一例であって、これに限定されるものではなく、庇の形成に当業者が通常採用しようとする方法はいかなる方法も適応可能である。
まず、庇を形成する箇所の軒側(壁側)に保持具(図示せず)を固定し、設置された保持具に板材(2)のy軸方向(Y)の一端を固定する。尚、保持具は、庇を形成するために当業者が通常採用しようとする保持具であれば、いかなるものを使用してもよい。
次に、保持具に固定した板材(2)の結合部(5)に連結部材(3)を嵌める。
続けて、別の板材(2)を、前記連結部材(3)と嵌め合わせ、保持具に固定した板材(2)とx軸方向(X)に隣接させて保持具に固定する。このように板材(2)を連結することで、建築構造体(1)を形成する。
建築構造体(1)が所望の幅になるまで、この板材(2)の連結を繰り返す。
建築構造体(1)が所望の幅となったら、側端部材(13)と先端部材(14)を建築構造体(1)に連結し、庇が形成される。
この組み立て方法では、板材(2)を1つずつ連結していくため、重機を使用せずに作業者だけで庇を組み立てることができる。
尚、重機を使用して庇を形成する場合は、先に板材(2)と連結部材(3)と側端部材(13)と先端部材(14)を連結させて形成した建築構造体(1)を、重機を使用して持ち上げ、保持具に固定し、庇を形成してもよい。
尚、側端部材(13)と先端部材(14)は、板材(2)と直接的又は間接的に連結して建築構造体(1)を形成できるものであれば、いかなるものを用いてもよい。
【0035】
<建築構造体を用いた屋根>
図6は、本発明に係る建築構造体(1)を用いて形成した屋根(15)の一例を示す図である。
建築構造体(1)は、
図1に示すように、板材(2)同士を、連結部材(3)を用いてx軸方向に連結したものである。
x軸方向の最も端に設置された板材(2)の建築構造体(1)の外側の結合部(5)には、サイドカバー等の側端部材(16)が取り付けられる。側端部材(16)は、化粧材、化粧縁等の、屋根の側端部材として通常使用されるものであればいかなるものでもよい。側端部材(16)の取り付け方法は、特に限定されないが、例えば、ビス等を用いて側端部材(16)と板材(2)の結合部(5)の上部を固定する等、屋根の側端部材を固定するために通常使用されるものであればいかなる方法を用いてもよい。
建築構造体(1)のy軸方向(Y)の末端には、軒先水切りや軒樋等の先端部材(17)が取り付けられる。先端部材(17)は、直接あるいは下地材を介して、ビス等を使用して建築構造体(1)に取り付けられる。取り付けに使用するビスはビス止め穴(6)に嵌め込まれる。
次に、建築構造体(1)を用いて屋根を形成する方法の一例を示す。尚、以下に示す方法は一例であって、これに限定されるものではなく、屋根の形成に当業者が通常採用しようとする方法はいかなる方法も適応可能である。
まず、当業者が通常採用しようとする方法のいずれかを用いて予め設置した柱に保持具(図示せず)を固定し、設置された保持具に板材(2)のy軸方向(Y)の一端又は両端を固定する。尚、保持具は、屋根を形成するために当業者が通常採用しようとする保持具であれば、いかなるものを使用してもよい。
次に、保持具に固定した板材(2)の結合部(5)に連結部材(3)を嵌める。
続けて、別の板材(2)を、前記連結部材(3)と嵌め合わせ、保持具に固定した板材(2)とx軸方向(X)に隣接させて保持具に固定する。このように板材(2)を連結することで、建築構造体(1)を形成する。
建築構造体(1)が所望の幅になるまで、この板材(2)の連結を繰り返す。
建築構造体(1)が所望の幅となったら、側端部材(16)と先端部材(17)を建築構造体(1)に連結し、屋根が形成される。
この組み立て方法では、板材(2)を1つずつ連結していくため、重機を使用せずに作業者だけで屋根を組み立てることができる。
尚、重機を使用して屋根を形成する場合は、先に板材(2)と連結部材(3)と側端部材(16)と先端部材(17)を連結させて形成した建築構造体(1)を、重機を使用して持ち上げ、保持具に固定し、屋根を形成してもよい。
尚、側端部材(16)と先端部材(17)は、板材(2)と直接的又は間接的に連結して建築構造体(1)を形成できるものであれば、いかなるものを用いてもよい。
【0036】
本発明に係る建築構造体(1)は、連結部材(3)を用いて強固に嵌め合わせることで板材(2)を連結するため、板材(2)の連結部分の機械的強度が非常に強固なものとなる。そのため、本発明に係る建築構造体(1)は、従来の庇に用いられてきた板材と連結部材からなる構造体では形成することができなかった屋根を形成することができる。