特許第6051400号(P6051400)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6051400
(24)【登録日】2016年12月9日
(45)【発行日】2016年12月27日
(54)【発明の名称】ドラム式洗濯機
(51)【国際特許分類】
   D06F 33/02 20060101AFI20161219BHJP
   D06F 23/06 20060101ALI20161219BHJP
【FI】
   D06F33/02 F
   D06F23/06
   D06F33/02 R
   D06F33/02 P
【請求項の数】3
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2011-191335(P2011-191335)
(22)【出願日】2011年9月2日
(65)【公開番号】特開2013-52064(P2013-52064A)
(43)【公開日】2013年3月21日
【審査請求日】2014年7月9日
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106116
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 健司
(74)【代理人】
【識別番号】100170494
【弁理士】
【氏名又は名称】前田 浩夫
(72)【発明者】
【氏名】蒲生 健
(72)【発明者】
【氏名】尾関 祐仁
(72)【発明者】
【氏名】野村 真理子
【審査官】 栗山 卓也
(56)【参考文献】
【文献】 特開平08−299658(JP,A)
【文献】 特開平06−327879(JP,A)
【文献】 特開2008−006179(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
D06F 33/02
D06F 23/06
D06F 25/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体内に弾性支持された水槽と、前記水槽内に回転可能に設けられたドラムと、前記ドラムの内周側面に設けたバッフルと、前記ドラムを回転駆動する駆動モータと、前記水槽内に洗濯水を給水する給水手段と、前記ドラム内に投入された洗濯物の量を検知する重量検知手段と、洗濯物の吸水率を検知して布質を判定する布質判定手段と、前記水槽内の洗濯水を前記ドラム内へ循環させる循環手段と、前記駆動モータを制御し、洗い、すすぎ、脱水の工程を制御する制御手段とを備え、前記制御手段は、前記布質判定手段によって洗濯物の布質が化繊類が多いと判定された場合は、洗い工程において、洗濯物が前記ドラムの底部で転がる回転数で前記ドラムを回転駆動し、綿類が多いと判定された場合は、洗い工程において、前記ドラムの内面に洗濯物が張り付く回転数で回転させるとともに、前記循環手段により前記水槽内の洗濯水を前記ドラム内の洗濯物に散布するようにしたドラム式洗濯機。
【請求項2】
制御手段は、布質判定手段によって洗濯物の布質が綿類と化繊類のいずれにも偏っていないと判定された場合は、洗い工程において、洗濯物がドラムの底部で転がる回転数と、ドラムの内面に洗濯物が張り付く回転数で、正逆回転を繰り返すようにした請求項1記載のドラム式洗濯機。
【請求項3】
制御手段は、重量検知手段によって洗濯物の量が多いと判定され、かつ、布質判定手段によって綿類が多いと判定された場合は、洗い工程において、ドラムの内面に洗濯物が張り付く回転数で回転させるとともに、循環手段により水槽内の洗濯水を前記ドラム内の洗濯物に散布するようにした請求項1記載のドラム式洗濯機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、衣類等の洗濯物を洗うドラム式洗濯機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種のドラム式洗濯機は、衣類等の洗濯物の布質を判別し、洗濯を最適におこなうことが考えられている。その一例は、所定水位まで給水後、洗濯物を撹拌し水位の低下によって布質を検知し、化繊と木綿の割合を判別することにより、脱水すすぎ時の水量の過不足をなくして、すすぎが充分にでき、かつ、水と時間に無駄がないようにすることである(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
また、他の例は、洗い工程前に重量検知手段によって検知した衣類の重量ランクと、衣類が水分を含んでいる状態のときのトルク検知手段によって検知したトルク出力ランクに基づいて、衣類の布質を判定し、吸水率が低いと判定したときは、すすぎ工程時の水量を減少させるようにすることである(例えば、特許文献2参照)。
【0004】
また、他の例は、衣類等の洗濯物の布質を判別し、洗濯時のドラムの回転数を変えるようにすることである。具体的には、綿類が多い場合には、洗濯物がたたき洗い状態となるようにドラムの回転数を設定し、化繊類が多い場合には、洗濯物がドラムに張り付くことなく持ち上げられて、洗濯物がたたき洗いされるように回転数を低くすることである(例えば、特許文献3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平8−173683号公報
【特許文献2】特開2008−6179号公報
【特許文献3】特開平11−114278号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1〜3に記載のドラム式洗濯機は、衣類等の洗濯物の布質を判別し、洗濯を最適におこなうものであるが、布質に応じて効果的に洗浄することができないという問題があった。すなわち、特許文献3には、綿類が多い場合と、化繊類が多い場合とで、ドラムの回転数を変えるようにしたものであるが、いずれの場合も洗濯物がたたき洗いされるようにしたものである。特に、化繊類の場合は、含水率が低く軽量であるため、たたき洗いでは洗濯物に加わる機械的衝撃が弱く、汚れ落ちが悪いという課題があった。
【0007】
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、判別した布質に応じて、洗い工程におけるドラムの駆動を最適におこなうことができるドラム式洗濯機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記従来の課題を解決するために、本発明のドラム式洗濯機は、ドラム内に投入された洗濯物の量を検知する重量検知手段と、洗濯物の吸水率を検知して布質を判定する布質判
定手段と、水槽内の洗濯水を前記ドラム内へ循環させる循環手段と、駆動モータを制御し、洗い、すすぎ、脱水の工程を制御する制御手段とを備え、前記制御手段は、前記布質判定手段によって洗濯物の布質が化繊類が多いと判定された場合は、洗い工程において、洗濯物が前記ドラムの底部で転がる回転数で前記ドラムを回転駆動し、綿類が多いと判定された場合は、洗い工程において、前記ドラムの内面に洗濯物が張り付く回転数で回転させるとともに、前記循環手段により前記水槽内の洗濯水を前記ドラム内の洗濯物に散布するようにしたものである。
【0009】
これによって、洗濯物が綿類と化繊類のいずれが多い場合でも、洗い工程において、ドラムの駆動を最適にし、布質を問わず効果的に洗浄することができるとともに、化繊類の汚れ落ちをよくすることができる。
【発明の効果】
【0010】
本発明のドラム式洗濯機は、洗濯物が綿類と化繊類のいずれが多い場合でも、布質を問わず効果的に洗浄することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の実施の形態1におけるドラム式洗濯機の要部断面図
図2】同ドラム式洗濯機のブロック図
図3】(a)(b)同ドラム式洗濯機の動作時の洗濯物の状態図
図4】本発明の実施の形態2におけるドラム式洗濯機の動作を示すタイムチャート
【発明を実施するための形態】
【0012】
第1の発明は、筐体内に弾性支持された水槽と、前記水槽内に回転可能に設けられたドラムと、前記ドラムの内周側面に設けたバッフルと、前記ドラムを回転駆動する駆動モータと、前記水槽内に洗濯水を給水する給水手段と、前記ドラム内に投入された洗濯物の量を検知する重量検知手段と、洗濯物の吸水率を検知して布質を判定する布質判定手段と、前記水槽内の洗濯水を前記ドラム内へ循環させる循環手段と、前記駆動モータを制御し、洗い、すすぎ、脱水の工程を制御する制御手段とを備え、前記制御手段は、前記布質判定手段によって洗濯物の布質が化繊類が多いと判定された場合は、洗い工程において、洗濯物が前記ドラムの底部で転がる回転数で前記ドラムを回転駆動し、綿類が多いと判定された場合は、洗い工程において、前記ドラムの内面に洗濯物が張り付く回転数で回転させるとともに、前記循環手段により前記水槽内の洗濯水を前記ドラム内の洗濯物に散布するようにしたことにより、化繊類の洗濯物が多い場合は、ドラムを低速で回転し、軽量の洗濯物がドラムの底で転がってバッフルに繰り返し衝突して、効果的に洗浄することができ汚れ落ちをよくすることができる。一方、綿類の洗濯物が多い場合は、水槽内の洗濯水をドラム内へ循環させながら、洗濯物がドラムの内面に張り付く回転数で回転させることにより、遠心力で洗濯物の汚れを一時的に外に出すことができると同時に、洗濯物の中心にできる空洞に向って洗濯水を噴射することができる。また、これにより、繊維中の洗濯水の交換を盛んにさせることにより、繊維間の汚れを効率よく排出することができ、洗濯物が綿類と化繊類のいずれが多い場合でも、布質を問わず効果的に洗浄することができる。
【0013】
第2の発明は、特に、第1の発明の制御手段は、布質判定手段によって洗濯物の布質が綿類と化繊類のいずれにも偏っていないと判定された場合は、洗い工程において、洗濯物がドラムの底部で転がる回転数と、ドラムの内面に洗濯物が張り付く回転数で、正逆回転を繰り返すようにしたことにより、綿類と化繊類の洗濯物が混在した状態であっても、ドラム内で洗濯物の位置の入れ替わりを促進することができ、洗いムラをなくして洗浄効果を高めることができる。
【0014】
第3の発明は、特に、第1の発明の制御手段は、重量検知手段によって洗濯物の量が多いと判定され、かつ、布質判定手段によって綿類が多いと判定された場合は、洗い工程において、ドラムの内面に洗濯物が張り付く回転数で回転させるとともに、循環手段により
水槽内の洗濯水を前記ドラム内の洗濯物に散布するようにしたことにより、洗濯物の量が多く、かつ、綿類が多いときは、洗濯物がバッフルによってドラムの上方まで持ち上げられ落下する動作、所謂叩き洗いが容易にできないため、洗濯物がドラムの内面に張り付く回転数で回転させる動作、所謂遠心洗いをすることにより、繊維間に溜まった汚れを遠心力で外に排出することができ、かつ、遠心力でできた洗濯物の空洞に向って洗濯水を噴射することにより、効率よく洗濯水を交換することでき、効果的に洗浄することができる。
【0015】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本案が限定されるものではない。
【0016】
(実施の形態1)
図1は、本発明の第1の実施の形態におけるドラム式洗濯機の要部断面図、図2は、同ドラム式洗濯機のブロック図である。
【0017】
図1および図2において、ドラム式洗濯機の筐体1は、その内部には洗濯水を溜める水槽2を前上がりに傾斜させた状態に配設されており、吊り下げばね(図示せず)およびダンパー(図示せず)によって弾性支持している。水槽2内には洗濯物を収容する有底円筒状のドラム3が回転可能に設けられている。ドラム3の周側壁面には、複数のバッフル4と、水槽2内と連通する多数の小孔5が設けられ、前面側には洗濯物を出し入れする開口部6が設けられている。
【0018】
ドラム3を回転駆動する駆動モータ7は、水槽2の外周下部に固定され、ベルト8およびプーリー9を介してドラム3を回転させる構成となっている。水槽2内に洗濯水を供給する給水手段としての給水弁10は、給水路11中に設けた洗剤を投入する洗剤ケース12を介して水槽2内に洗濯水を供給する。
【0019】
水槽2内の底部には洗濯水を溜める水溜部13が設けられている。この水溜部13内に水槽2内に溜められる洗濯水の水面と略平行にヒータ14が配設され、水溜部13に溜められた洗濯水を洗濯に適した所定の温度(例えば、30〜40℃)に加熱することができる。水溜部13の温度はサーミスタ等の温度検知手段15によって検知する。
【0020】
水槽2内の水溜部13に溜められた洗濯水は、循環水路16に設けた循環手段としてのポンプ17によってドラム3内へ循環させることができる。水溜部13の底部に循環水路16と連通した洗濯水を吸い込む吸い込み部18を設け、ドラム3の前面側に設けた開口部6の上部に、ドラム3内に向けて洗濯水が吐出されるように吐出部19を設けている。
【0021】
循環水路16にはポンプ17の下流側に切換弁20が設けてあり、吐出部19に通じる循環水路16と、洗濯水を機外へ排出する排水路21のいずれかに選択的に切換えることができる。洗いおよびすすぎ時は、水溜部13内の洗濯水を循環水路16を通して吐出部19からドラム3内の洗濯物に向けて吐出することができ、洗いおよびすすぎ後の洗濯水を排水路21を通して機外へ排出することができる。
【0022】
筐体1内に設けられた制御手段22は、駆動モータ7、給水弁10、ヒータ14、ポンプ17、切換弁20等を駆動し、洗い、すすぎ、脱水の各工程を逐次制御する。
【0023】
以上のように構成されたドラム式洗濯機について、以下その動作、作用を説明する。筐体1の前面側に開閉自在に設けた扉23を開いて開口部6からドラム3内に洗濯物を投入し、操作部24の電源スイッチ(図示せず)をオンし、スタートスイッチ(図示せず)を操作して運転を開始すると、重量検知手段25により投入された洗濯物の量が検知され、給水弁10が動作して給水が開始される。
【0024】
水量は投入される布量に応じてあらかじめ設定されており、洗剤ケース12内に投入された洗剤とともに水槽2内に洗濯水が給水される。水位検知手段26により設定量の洗濯水が給水されたことを検知すると給水を停止し、駆動モータ7を駆動する。
【0025】
洗い行程では、駆動モータ7によってドラム3を正逆回転駆動し、ドラム3内の洗濯物はバッフル4によって持ち上げられ、ドラム3内の上方から水面上に落下させてたたき洗いが行われる。給水された洗濯水の温度が低いときはヒータ14に通電し、水溜部13の洗濯水を洗濯に適した温度に加熱する。温水洗浄時の洗濯水の加熱温度は、一般的には30〜40℃であり、給水時の温度が例えば10℃以下の低温時に加熱すると洗浄効果を高める上で効果的である。
【0026】
水槽2の底部に溜められた洗濯水はヒータ14によって加熱され、水溜部13の温度はその外底部に設けた温度検知手段15によって検知し、制御手段22によって洗濯水があらかじめ設定された温度になるように制御される。制御手段22は、切換弁20を循環水路16側に切換えるとともに、ポンプ17はあらかじめ設定された回転数で駆動し、所定量の洗濯水をドラム3内に循環させて、ドラム3内で撹拌されている洗濯物に洗濯水を散布し、浸透させることができる。
【0027】
水溜部13で加熱された温水を吐出部19から吐出して洗濯物に迅速に浸透させることにより、洗剤の溶解を促進させるとともに、衣類から汚れを分離する作用を強めて洗浄効果を高めることができる。
【0028】
ポンプ17により水溜部13内の洗濯水をドラム3内へ循環させることによって、水槽2内の水位が低下する。温度検知手段15によって検知した水溜部13の温度が所定温度(例えば、70℃)を超えると、ポンプ17の回転数を減少させて洗濯水を循環させる能力を低下させるようにしている。
【0029】
これにより、洗濯水の循環量が減少し、水槽2内の水位を上昇させることができる。水位が上昇すると水溜部13の温度が低下し、再び設定された温度に制御される。ヒータ14は上昇した洗濯水に水没し、制御手段22によって安定的に設定温度が維持される。したがって、ヒータ14は洗濯水の水面から露出することなく洗濯水に放熱可能な状態を保持し、洗濯水を最適な温度に加熱しながらドラム3内に循環させることができる。
【0030】
制御手段22は、布質判定手段27によりドラム3内で洗濯水に濡れた衣類の布質判定を行う。ドラム3を回転駆動することにより、回転時の駆動モータ7の電流値を測定し、駆動モータ7の出力トルク特性を測定する。これは出力トルクがドラム3を駆動する駆動モータ7の回転数の上昇に比例するようにして上昇するが、ドラム3内の衣類の重量に応じてトルクの上昇は異なることが知られている。
【0031】
この出力トルクは、一般的に知られているように直流ブラシレスモータをベクトル制御する場合に得られるq軸電流値に比例したものとなっており、この性質を利用して駆動モータ7の電流値を測定することにより、駆動モータ7の出力トルク特性から布質を判断することができる。
【0032】
この検知した電流値を駆動モータ7の出力トルク特性から、トルク値のランク付けを行い、衣類の重量判定から導き出した衣類重量と、出力トルク判定ランクから導き出した駆動モータ7のトルクランクとのデータに基づいて、制御手段22に記憶された布質判定基準に照らして布質判定が行われる。
【0033】
ドラム3に投入された衣類は、洗濯水で濡れることによって吸水し重量が増加する。布質が綿類の場合、化繊類より吸水率が高く、洗濯水の含水量が多くなることから、衣類が洗濯水で濡れる前後の含水量の変化の相違を利用して衣類の布質の違いを判定するものである。
【0034】
この布質判定手段27で判定した布質レベルをそれぞれ3段階に分けて、それをテーブルとして持つことにより、吸水率を「低」、「標準」、「高」とする。吸水率が「低」と判定した場合、ドラム3内の衣類は化繊類が多いことが分かるため、制御手段22は駆動モータ7を制御し、ドラム3を37rpm〜41rpmで回転する。
【0035】
これにより、図3(a)に示すように、ドラム3が矢印イ方向へ回転すると、衣類はバッフル4で回転方向へ持ち上げられるが、ドラム3内の底で転がるようにしてバッフル4に衝突し、このバッフル4への衝突による機械力によって化繊類の洗濯物を効果的に洗浄することができる。
【0036】
また、吸水率が「高」と判定した場合、ドラム3内の衣類は綿類が多いことが分かるため、制御手段22は駆動モータ7を制御し、ポンプ17により水溜部13内の洗濯水をドラム3内へ循環させるとともに、ドラム3を150rpm〜200rpmまで上昇させ回転する。
【0037】
これにより、図3(b)に示すように、ドラム3が矢印イ方向へ回転すると、遠心力で洗濯物がドラム3の内面に張り付くような状態になる。この時、洗濯物の中に含まれる洗濯水を遠心力で外に一旦排出することにより、繊維間に溜まった汚れを取り去り、繊維中の洗濯水の交換を盛んにすることができるため、綿類の洗濯物を効果的に洗浄することができる。
【0038】
洗い工程に続いて実行されるすすぎ行程においても同様に、水槽2内の洗濯水を排水した後、給水弁10が開いて給水が開始され、水槽2内に所定量のすすぎ水が給水される。水位検知手段26によって所定の水位を検知すると給水を停止し、駆動モータ7が駆動する。すすぎ行程では、ドラム3は駆動モータ7によって正逆回転駆動され、ドラム3内の洗濯物は持ち上げられて水面上に落下される。
【0039】
このとき、水槽2の底部に設けたヒータ14に通電し、水槽2内のすすぎ水を加熱してすすぎを行うことが可能である。このため、すすぎ行程においても、切換弁20を循環水路16側に切換えてポンプ17を動作させることにより、すすぎ水をドラム3内に循環させ、洗剤成分や残った汚れを早く衣類から離脱させ、すすぎ効果を高めることができる。
【0040】
以上のように、本実施の形態においては、布質判定手段27によって洗濯物の布質が化繊類が多いと判定された場合は、洗い工程において、洗濯物がドラム3の底部で転がる回転数でドラム3を回転駆動し、綿類が多いと判定された場合は、洗い工程において、洗濯物がドラム3の内面に張り付く回転数でドラム3を回転駆動するようにしたものであり、これによって、洗濯物が綿類と化繊類のいずれが多い場合でも、洗い工程において、ドラム3の駆動を最適にし、布質を問わず効果的に洗浄することができるとともに、化繊類の汚れ落ちをよくすることができるものである。
【0041】
(実施の形態2)
図4は、本発明の第2の実施の形態におけるドラム式洗濯機の動作を示すタイムチャートである。本実施の形態の特徴は、布質判定手段27によって洗濯物の布質が綿類と化繊類のいずれにも偏っていないと判定された場合は、洗い工程において、洗濯物がドラム3の底部で転がる回転数と、ドラムの内面に洗濯物が張り付く回転数で、正逆回転を繰り返
すようにしたものである。他の構成は実施の形態1と同じであり、同一の構成に同一の符号を付して、詳細な説明は実施の形態1のものを援用する。
【0042】
布質判定手段27で判定した布質レベルの吸水率が「標準」と判定した場合、すなわち、洗濯物の布質が綿類と化繊類のいずれにも偏っていないと判定された場合は、洗い工程において、洗濯物がドラム3の底部で転がる回転数で所定時間正逆回転駆動した後、ドラム3の内面に洗濯物が張り付く回転数で所定時間正逆回転させ、これを繰り返すようにしたものである。
【0043】
上記の構成によれば、綿類と化繊類の洗濯物がほぼ同程度に混在した状態であっても、ドラム3内で洗濯物の位置の入れ替わりを促進することができるため、洗いムラをなくして洗浄効果を高めることができる。
【0044】
(実施の形態3)
本実施の形態の特徴は、重量検知手段25により洗濯物の量が多いと判定され、かつ、布質判定手段27によって洗濯物の布質が綿類が多いと判定された場合、洗い工程において、ドラム3の内面に洗濯物が張り付く回転数でドラム3を回転させるとともに、循環手段としてのポンプ17により、水槽2内の洗濯水をドラム3内の洗濯物に散布するようにしたものである。他の構成は実施の形態1、2と同じであり、同一の構成に同一の符号を付して、詳細な説明は実施の形態1、2のものを援用する。
【0045】
重量検知手段25および布質検知手段27により、洗濯物の量が多く、かつ、布質が綿類が多い場合、制御手段22は、駆動モータ7を制御し、ポンプ17により水溜部13内の洗濯水をドラム3内へ循環させるとともに、ドラム3を150rpm〜200rpmまで上昇させ回転する。
【0046】
これにより、図3(b)に示すように、ドラム3が矢印イ方向へ回転すると、洗濯物は遠心力でドラム3の内面に張り付くような状態になる。この時、洗濯物の中に含まれる洗濯水を遠心力で外に一旦排出することにより、繊維間に溜まった汚れを取り去り、繊維中の洗濯水を盛んに交換することができるため、綿類の洗濯物を効果的に洗浄することができる。
【0047】
特に、洗濯物の量が多く、ドラム3の定格容量、或いは、それに近い量の洗濯物がドラム3に投入されると、洗濯物はドラム3の中で自由に移動可能なスペースが少なくなる。したがって、低速回転或いは叩き洗い(55rpm〜65rpm)では、洗濯物に機械力を作用させることができず、洗濯物の汚れを効果的に落とすことができない。そこで、ドラム3を高速回転(150rpm〜200rpm)し、洗濯物に遠心力を作用させることによって、繊維間に洗濯水を盛んに交換することができるため、効果的に洗浄することができるようになる。
【産業上の利用可能性】
【0048】
以上のように、本発明にかかるドラム式洗濯機は、洗濯物が綿類と化繊類のいずれが多い場合でも、布質を問わず効果的に洗浄することができるので、ドラム式洗濯機として有用である。
【符号の説明】
【0049】
1 筐体
2 水槽
3 ドラム
4 バッフル
7 駆動モータ
10 給水弁(給水手段)
17 ポンプ(循環手段)
22 制御手段
25 重量検知手段
27 布質判定手段
図1
図2
図3
図4