特許第6051402号(P6051402)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6051402
(24)【登録日】2016年12月9日
(45)【発行日】2016年12月27日
(54)【発明の名称】燃料電池システム
(51)【国際特許分類】
   H01M 8/04 20160101AFI20161219BHJP
   H01M 8/06 20160101ALI20161219BHJP
   H01M 8/04228 20160101ALI20161219BHJP
   H01M 8/04303 20160101ALI20161219BHJP
   H01M 8/10 20160101ALN20161219BHJP
   H01M 8/12 20160101ALN20161219BHJP
【FI】
   H01M8/04 N
   H01M8/04 J
   H01M8/04 Z
   H01M8/06 W
   H01M8/04 Y
   !H01M8/10
   !H01M8/12
【請求項の数】8
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2012-172634(P2012-172634)
(22)【出願日】2012年8月3日
(65)【公開番号】特開2014-32843(P2014-32843A)
(43)【公開日】2014年2月20日
【審査請求日】2015年3月6日
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106116
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 健司
(74)【代理人】
【識別番号】100170494
【弁理士】
【氏名又は名称】前田 浩夫
(72)【発明者】
【氏名】井上 篤敬
(72)【発明者】
【氏名】龍井 洋
(72)【発明者】
【氏名】森田 純司
(72)【発明者】
【氏名】若松 英俊
(72)【発明者】
【氏名】行正 章典
【審査官】 笹岡 友陽
(56)【参考文献】
【文献】 特開2003−288936(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 8/00− 8/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
酸化剤ガスと燃料ガスとを用いて発電を行う燃料電池と、
前記燃料電池から排出される、オフ酸化剤ガスもしくはオフ燃料ガスのうちの少なくとも一方のオフガスに含まれる水蒸気を凝縮させて発生した凝縮水を貯める凝縮水タンクと、
上端が前記凝縮水タンクよりも鉛直方向の上方に配置された給水口であり、前記給水口から前記凝縮水タンクへ精製水を供給するための供給経路と、
を備えている燃料電池システムにおいて、
前記オフガスを前記燃料電池システムの外部へ排出するための排気経路を備え、
前記凝縮水タンクは、前記凝縮水が供給される第1貯水部を備えており、
前記凝縮水タンクに接続される前記供給経路の下端は、手動給水で給水された場合に到達するように予め設定されている第1水位よりも鉛直方向の下方の前記第1貯水部内に配置されるように構成されており、前記供給経路の最上部と前記供給経路の下端との鉛直方向の距離に相当する水頭差による封止圧が予め定められる第1圧力より大きくなるように構成することを特徴とした、
燃料電池システム。
【請求項2】
前記凝縮水タンク内の水位を検知する水位センサをさらに備え、
前記凝縮水タンクに接続される前記供給経路の下端は、前記水位センサで検知する第2水位よりも鉛直方向の下方に配置されるように構成されていることを特徴とした、
請求項1に記載の燃料電池システム。
【請求項3】
前記水位センサで検知する水位が前記第2水位よりも低くなった場合、前記燃料電池システムが停止動作するように構成されていることを特徴とした、請求項2に記載の燃料電池システム。
【請求項4】
前記凝縮水タンクの排水口に接続されており、前記第1貯水部の内部に蓄えられた水を少なくとも前記第1貯水部の外部へ排出するための第1排水経路をさらに備え、
前記凝縮水タンクは、前記第1貯水部と連通しているとともに前記第1貯水部の気体を水封するように構成されている第2貯水部をさらに備え、
前記凝縮水タンクに接続される前記供給経路の下端は、前記排水口よりも鉛直方向の下方の前記第1貯水部に配置されるように構成されていることを特徴とした、
請求項1〜3のいずれか1項に記載の燃料電池システム。
【請求項5】
前記燃料電池に酸化剤ガスまたは燃料ガスを供給するガス供給器と、
少なくとも前記燃料電池と前記凝縮水タンクと前記ガス供給器とを収納するとともに、前記オフガスを排気するための排気部が形成されている筐体と、
をさらに備え、
前記排気経路は、一端が前記凝縮水タンクの前記第1貯水部に接続されており、他端が前記排気部に接続されており、
前記凝縮水タンクは、前記第1貯水部を備えている第1凝縮水タンクと、前記第1貯水部の内部に蓄えられた水を少なくとも前記第1貯水部の外部へ排出するための第1排水経路を介して前記第1凝縮水タンクと連通するとともに第2貯水部を備える第2凝縮水タンクと、を備え、
前記第2凝縮水タンクは、前記排気部から供給される凝縮水を貯めており、前記排気部からの排気ガスが排気されないように水封する水封部を備えており、
前記第2貯水部の内部に蓄えられた水を前記第2貯水部の外部へ排出するための第2排水経路が、前記第2凝縮水タンクに接続されていることを特徴とした、
請求項1〜3のいずれか1項に記載の燃料電池システム。
【請求項6】
前記燃料電池に酸化剤ガスまたは燃料ガスを供給するガス供給器と、
少なくとも前記燃料電池と前記凝縮水タンクと前記ガス供給器とを収納するとともに、前記オフガスを排気するための排気部が形成されている筐体と、
前記排気部から供給される凝縮水を貯めるとともに、前記排気部からの排気が流れないように水封する水封部を備えている水回収タンクと、
をさらに備え、
前記凝縮水タンクは、前記第1貯水部と隔壁を隔てて形成されている第2貯水部と、前記凝縮水タンク内に形成されるとともに前記凝縮水タンクの下部で前記第1貯水部と前記第2貯水部とを連通するように構成された連通部と、を備えており、
前記排気経路は、一端が前記凝縮水タンクに接続されており、他端が前記排気部に接続されており、
前記水回収タンクは、第1排水経路を介して前記凝縮水タンクと連通しており、内部に蓄えられた水を前記水回収タンク外部へ排出するための第3排水経路が接続されていることを特徴とした、
請求項1〜3のいずれか1項に記載の燃料電池システム。
【請求項7】
前記凝縮水タンクの第1貯水部の圧力が予め定められる第2圧力以上になったことを検知する圧力検知器をさらに備え、
前記供給経路の最上部と前記供給経路の下端との鉛直方向の距離に相当する水頭差による封止圧が、前記第2圧力より大きくなるように構成されていることを特徴とした、
請求項1〜6のいずれか1項に記載の燃料電池システム。
【請求項8】
前記圧力検知器で検知する圧力が、前記第2圧力よりも高くなると燃料電池システムを停止動作させるように構成されていることを特徴とした、
請求項7に記載の燃料電池システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、燃料電池から排出される排ガスに含まれる水分を貯えるタンクを備える燃料電池システムの構成に関するものである。
【背景技術】
【0002】
燃料電池は水素を含む燃料ガスと酸素を含む酸化剤ガスとの電気化学的反応により発電して水と熱を発生する装置である。燃料電池は、燃料の持つ化学エネルギーを力学的エネルギーに変換することなく直接電気エネルギーとして取り出せるので発電効率が高いことで注目されているが、いまだ十分にコストダウンが進んでいるとは言えず、燃料電池システムの普及にあたりコストダウンを進めることが大きな課題となっていた。
【0003】
また、燃料電池を備える燃料電池システムでは、発電時の燃料として用いられる燃料ガス(水素ガス)は一般的なインフラとして整備されていないため、通常、水素生成装置を備えている。水素生成装置では、天然ガス等の原料ガスと水とが用いられる水蒸気改質反応により、水素を豊富に含む燃料ガスが生成される。水蒸気改質反応は、水素生成装置に内蔵されたバーナーより加熱されて進行する。このバーナーでは、原料ガスや、燃料電池から排出される発電に用いられなかった燃料ガス(以下、オフ燃料ガスと称す)が供給されることで、燃焼が行われる。
【0004】
そして、燃料電池本体から排出されるオフ酸化剤ガスやバーナーから排出されるオフ燃焼ガスからの生成水を凝縮させたものを回収する凝縮水タンクを備える燃料電池発電装置が知られている(例えば特許文献1や特許文献2参照)。特許文献1は、凝縮水タンク内を隔壁で分離する構成により、排気口が閉塞した場合には、凝縮水タンクの水位低下を発生させ、水位低下の検知により燃料電池システムを停止動作させることで、燃料電池装置の内圧上昇を抑制することが可能となるものである。特許文献2は、燃料電池の冷却水循環回路への初回水張り時に、燃料電池冷却水循環ポンプと燃料処理機回路の供給ポンプを運転させる構成により、従来燃料電池冷却用ポンプのみで行っていた、燃料電池の冷却水循環回路への水張りを、短時間でエア噛みなく充填することが可能になるものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】国際公開第2011/093066号
【特許文献2】特開2011−119045号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、特許文献1や特許文献2に開示されている凝縮水タンクを参照すると、以下のような構成となる。すなわち、凝縮水タンクには、凝縮水タンクよりも鉛直方向の上方に配置された供給経路より水が供給され、凝縮水タンクの上方には開空間が設けられ、自然落下で凝縮水タンク内に水を落とす構成となる。そして、オフ燃焼ガスやオフ酸化剤ガスから凝縮水を回収するために、凝縮水タンクはオフ燃焼ガス経路やオフ酸化剤ガス経路と連通する構成となる。ここで、一般的な燃料電池システムでは、燃料電池システムの運転に必要な水は、発電中に発生する凝縮水を再利用することでまかなう。
【0007】
しかしながら、燃料電池システムを設置したときに動作させる場合(例えば設置後初めて動作させる場合やメンテナンスなどで水抜きをした後に動作させる場合)は、燃料電池システムの運転に必要な水を凝縮水タンクに給水する必要があり、従来は、市水の水道圧
と市水を利用した自動給水で行なわれる。しかしながら、市水の水道圧を利用した自動給水後は、閉止弁(電磁弁)で市水を封止する必要があることによりコストアップの要因になっていたこと、市水を燃料電池システムの運転で利用できるようにするためには利用する市水分、水浄化器の容量を大きく設計する必要があることにより、構成の簡略化、省スペース化及び、省電力化が課題であった。
【0008】
一方で、凝縮水タンクへの給水に燃料電池システムの運転に利用可能な精製水を使用し、給水口を開けて手動で行うようにすること(以下、「手動給水」と称す)により、閉止弁の廃止と、水浄化器の小型化が可能になる。しかしながら、万が一給水口を閉め忘れた際には、凝縮水タンクの上方の開空間を介し、オフ燃焼ガスやオフ酸化剤ガスが燃料電池システムから漏れ出てしまう。また、排気部が閉塞もしくは閉塞に至る途中閉塞(完全に閉塞されていないが、排気されるガスの流通が阻害されている状態)の場合には、供給経路を介し、オフ燃焼ガスやオフ酸化剤ガスが燃料電池システムから漏れ出てしまうという課題があることを本願発明者らは見出した。
【0009】
本発明は、上記のように、手動給水で給水が行われる燃料電池システムにおいて、燃料電池システムの構成を簡素化し、省スペース化及び省電力化を図ることができ、効率よく運転することのできる発電システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の従来の課題を解決するために、本発明に係る燃料電池システムは、
酸化剤ガスと燃料ガスとを用いて発電を行う燃料電池と、
燃料電池から排出される、オフ酸化剤ガスもしくはオフ燃料ガスのうちの少なくとも一方のオフガスに含まれる水蒸気を凝縮させて発生した凝縮水を貯める凝縮水タンクと、
上端が凝縮水タンクよりも鉛直方向の上方に配置された給水口であり、給水口から凝縮水タンクへ精製水を供給するための供給経路と、
を備えている燃料電池システムにおいて、
オフガスを燃料電池システムの外部へ排出するための排気経路を備え、
凝縮水タンクは、凝縮水が供給される第1貯水部を備えており、
凝縮水タンクに接続される供給経路の下端は、手動給水で給水された場合に到達するように予め設定されている第1水位よりも鉛直方向の下方の第1貯水部内に配置されるように構成されており、供給経路の最上部と供給経路の下端との鉛直方向の距離に相当する水頭差による封止圧が予め定められる第1圧力より大きくなるように構成するものである。
【0011】
ここで、第1圧力は、排気経路が閉塞または途中閉塞(完全に閉塞されていないが、排気されるガスの流通が阻害されている状態)した場合にオフ酸化剤ガスもしくはオフ燃料ガスのうちの少なくとも一方のオフガスが供給経路を介して燃料電池システムの外部へ漏れないように設定されている圧力であり、予め実験やシミュレーション等で設定されている。
【0012】
これによって、燃料電池システムへの給水を、凝縮水タンクに設けられた給水口から手動で行い、給水口の閉め忘れが発生した場合でも、凝縮水タンクに蓄えられる水によって、供給経路の下端が水で封止されているため、凝縮水タンクの上方の開空間を介し、オフ燃料ガスやオフ酸化剤ガスが燃料電池システムから漏れ出てしまうことを防止することが可能となる。また、排気部が閉塞もしくは閉塞に至る途中閉塞の場合でも、供給経路の最上部と供給経路の下端との鉛直方向の距離に相当する水頭差による封止圧が、予め定められる第1圧力より大きくなるように構成されているため、供給経路の水頭差による封止圧を超えることがなく、燃料電池のオフ酸化剤ガスもしくはオフ燃料ガスが、給水口を介し、燃料電池システムの外部へ漏れ出ることを防止することが可能となる。
【発明の効果】
【0013】
本発明の燃料電池システムによれば、手動給水で凝縮水タンクに蓄えられる精製水によって供給経路の下端が水で封止されることにより、燃料電池の排ガスが給水口を介して燃料電池システムから漏れ出ることを防止することができる。そのため、従来の燃料電池システムに比して、閉止弁の追加と水浄化器の大型化をすることなく、構成を簡素化することができ、省スペース化及び省電力化を図ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の実施の形態1に係る燃料電池システムの概略構成を模式的に示すブロック図
図2図1におけるA部の凝縮水タンク内の水位と構成部品の高さを示す概略図
図3図1におけるB部の給水口と供給経路の構成を示す概略図
図4】本発明の実施の形態2に係る燃料電池システムの概略構成を模式的に示すブロック図
図5】本発明の実施の形態3に係る燃料電池システムの概略構成を模式的に示すブロック図
図6】本発明の実施の形態4に係る燃料電池システムの概略構成を模式的に示すブロック図
図7】本発明の実施の形態5に係る燃料電池システムの概略構成を模式的に示すブロック図
【発明を実施するための形態】
【0015】
本願発明は、
酸化剤ガスと燃料ガスとを用いて発電を行う燃料電池と、
燃料電池から排出される、オフ酸化剤ガスもしくはオフ燃料ガスのうちの少なくとも一方のオフガスに含まれる水蒸気を凝縮させて発生した凝縮水を貯める凝縮水タンクと、
上端が凝縮水タンクよりも鉛直方向の上方に配置された給水口であり、給水口から凝縮水タンクへ精製水を供給するための供給経路と、
を備えている燃料電池システムにおいて、
オフガスを燃料電池システムの外部へ排出するための排気経路を備え、
凝縮水タンクは、凝縮水が供給される第1貯水部を備えており、
凝縮水タンクに接続される供給経路の下端は、手動給水で給水された場合に到達するように予め設定されている第1水位よりも鉛直方向の下方の第1貯水部内に配置されるように構成されており、供給経路の最上部と供給経路の下端との鉛直方向の距離に相当する水頭差による封止圧が予め定められる第1圧力より大きくなるように構成することを特徴としている。
【0016】
この構成により、燃料電池のオフ酸化剤ガスもしくはオフ燃料ガスが、給水口を介し、燃料電池システムの外部へ漏れ出ることを防止できる。また、従来の燃料電池システムに比して、閉止弁を追加と水浄化器の大型化をすることなく、構成を簡素化することができ、省スペース化及び省電力化を図ることが可能となる。
【0017】
また、凝縮水タンク内の水位を検知する水位センサをさらに備え、
凝縮水タンクに接続される供給経路の下端は、水位センサで検知する第2水位よりも鉛直方向の下方に配置されるように構成されていてもよい。この構成により、凝縮水タンク内の水位が供給経路の下端よりも低くなる前に、水位センサで検知させることが可能となる。
【0018】
さらに、水位センサで検知する水位が第2水位よりも低くなった場合、燃料電池システムが停止動作するように構成されていてもよい。この構成により、凝縮水タンクの水位が
低下しても、燃料電池のオフ酸化剤ガスもしくはオフ燃料ガスが、給水口を介し、燃料電池システムから漏れ出る前に、燃料電池システムを停止動作させることが可能となる。
【0019】
また、凝縮水タンクの排水口に接続されており、第1貯水部の内部に蓄えられた水を少なくとも第1貯水部の外部へ排出するための第1排水経路をさらに備え、
凝縮水タンクは、第1貯水部と連通しているとともに第1貯水部の気体を水封するように構成されている第2貯水部をさらに備え、
凝縮水タンクに接続される供給経路の下端は、排水口よりも鉛直方向の下方の第1貯水部に配置されるように構成されていてもよい。この構成により、燃料電池のオフ酸化剤ガスもしくはオフ燃料ガスが、給水口を介し、燃料電池システムの外部へ漏れ出ることを防止できる。
【0020】
さらに、燃料電池に酸化剤ガスまたは燃料ガスを供給するガス供給器と、
少なくとも燃料電池と凝縮水タンクとガス供給器とを収納するとともに、オフガスを排気するための排気部が形成されている筐体と、
をさらに備え、
排気経路は、一端が凝縮水タンクの第1貯水部に接続されており、他端が排気部に接続されており、
凝縮水タンクは、第1貯水部を備えている第1凝縮水タンクと、第1貯水部の内部に蓄えられた水を少なくとも第1貯水部の外部へ排出するための第1排水経路を介して第1凝縮水タンクと連通するとともに第2貯水部を備える第2凝縮水タンクと、を備え、
第2凝縮水タンクは、排気部から供給される凝縮水を貯めており、排気部からの排気ガスが排気されないように水封する水封部を備えており、
第2貯水部の内部に蓄えられた水を第2貯水部の外部へ排出するための第2排水経路が、第2凝縮水タンクに接続されていてもよい。この構成により、排気部が閉塞及び途中閉塞しても、供給経路の下端が、水位よりも低くなることを防止することが可能となり、燃料電池のオフ酸化剤ガスもしくはオフ燃料ガスが、給水口を介し、燃料電池システムの外部へ漏れ出ることを防止できる。
【0021】
また、燃料電池に酸化剤ガスまたは燃料ガスを供給するガス供給器と、
少なくとも燃料電池と凝縮水タンクとガス供給器とを収納するとともに、オフガスを排気するための排気部が形成されている筐体と、
排気部から供給される凝縮水を貯めるとともに、排気部からの排気が流れないように水封する水封部を備えている水回収タンクと、
をさらに備え、
凝縮水タンクは、第1貯水部と隔壁を隔てて形成されている第2貯水部と、凝縮水タンク内に形成されるとともに凝縮水タンクの下部で第1貯水部と第2貯水部とを連通するように構成された連通部と、を備えており、
排気経路は、一端が凝縮水タンクに接続されており、他端が排気部に接続されており、水回収タンクは、第1排水経路を介して凝縮水タンクと連通しており、内部に蓄えられた水を水回収タンク外部へ排出するための第3排水経路が接続されていてもよい。
【0022】
ここで、凝縮水タンクの下部とは、凝縮水タンクの排水口よりも鉛直方向の下方に位置することを意味する。
【0023】
この構成により、排気部が閉塞及び途中閉塞しても、供給経路の下端が、水位よりも低くなることを防止することが可能となり、燃料電池のオフ酸化剤ガスもしくはオフ燃料ガスが、給水口を介し、燃料電池システムの外部へ漏れ出ることを防止できる。
【0024】
さらに、凝縮水タンクの第1貯水部の圧力が予め定められる第2圧力以上になったこと
を検知する圧力検知器をさらに備え、供給経路の最上部と供給経路の下端との鉛直方向の距離に相当する水頭差による封止圧が、第2圧力より大きくなるように構成されていてもよい。この構成により、排気部が閉塞及び途中閉塞しても、供給経路の下端の水位が第2圧力よりも高くなる前に、圧力検知器で検出することが可能となる。
【0025】
また、圧力検知器で検知する圧力が、第2圧力よりも高くなると燃料電池システムを停止動作させるように構成されていてもよい。この構成により、確保している供給経路の上端と供給経路の下端との鉛直方向の距離に相当する水頭差による封止圧よりも、排気部が閉塞及び途中閉塞した際の圧力が高くなる前に、燃料電池システムを停止動作でき、燃料電池のオフ酸化剤ガスもしくはオフ燃料ガスが、給水口を介し、燃料電池システムの外部へ漏れ出ることを防止できる。
【0026】
以下、本発明の実施の形態を具体的に例示する。なお、全ての図面において、同一または相当部分には同一符号を付し、重複する説明は省略する。また、全ての図面において、本発明を説明するために必要となる構成要素のみを抜粋して図示しており、その他の構成要素については図示を省略している。さらに、本発明は以下の実施の形態に限定されない。
【0027】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1に係る燃料電池システム100の概略構成を模式的に示すブロック図である。
【0028】
図1に示すように、本発明の実施の形態1に係る燃料電池システム100は、水素生成器1、燃料電池5、ブロワー6、酸化剤ガス経路7、第1オフ酸化剤ガス経路8、オフ燃焼ガス凝縮水経路10、給水を行うための供給経路12、凝縮水タンク13、排ガス熱交換器18、排空気熱交換器19、給水口21、第1排水経路22及び水浄化器32を備えている。
【0029】
水素生成器1は、改質器1aと該改質器を加熱するための燃焼器1bを有している。水素生成器1の燃焼器1bには、オフ燃料ガス経路4bが接続されている。燃焼器1bは、オフ燃料ガス経路4bを介して供給された原料ガス又は燃料電池5で使用されなかった燃料ガスを燃焼して、オフ燃焼ガスを生成する。水素生成器1の燃焼器1bで生成されたオフ燃焼ガスは、改質器1aを加熱した後にオフ燃焼ガス経路9に排出され、排ガス熱交換器18、排気部20を介して、燃料電池システム100外に排出される。
【0030】
水素生成器1の改質器1aには、原料供給部2と水供給部3が接続されている。原料供給部2は、改質器1aにその流量を調整しながら、原料ガスを供給するように構成されている。原料供給部2としては、例えば、流量調整弁とポンプで構成されていてもよく、流量調整可能なポンプで構成されていてもよい。なお、原料ガスとしては、天然ガスやLPガス等が例示される。
【0031】
水供給部3には、凝縮水タンク13で貯えられている凝縮水を浄化して改質器1aに供給するための水供給器31及び水浄化器32が設けられている。水供給器31としては、改質器1aにその流量を調整しながら、凝縮水を供給するように構成されていれば、どのような態様であってもよく、例えば、流量調整弁とポンプで構成されていてもよく、流量調整可能なポンプで構成されていてもよい。凝縮水タンク13に蓄えられている凝縮水は、若干の不純物を含むため、イオン交換樹脂等からなる水浄化器32を介して純水化され、水供給部3に供給される。
【0032】
そして、水素生成器1の改質器1aは、原料ガスと水(例えば、凝縮水)を改質反応さ
せて、水素を含む燃料ガスを生成するように構成されている。改質器で生成された燃料ガスは、水素供給経路4aを介して、燃料電池5のアノード(図示せず)に供給される。
【0033】
燃料電池5は、アノードとカソード(図示せず)を有している。なお、燃料電池5は、高分子電解質形燃料電池や直接内部改質型固体酸化物形燃料電池や間接内部改質型固体酸化物形燃料電池等の各種の燃料電池を用いることができる。
【0034】
また、本実施の形態1においては、水素生成器1と燃料電池5とを別々に構成する態様を採用したが、これに限定されず、固体酸化物形燃料電池のように水素生成器1と燃料電池5が一体で構成されていてもよい。この場合、水素生成器1と燃料電池5とが共通の断熱材で覆われた一つのユニットとして構成され、水素生成器1の燃焼器は、改質器1aだけでなく燃料電池5も加熱する。また、直接内部改質型固体酸化物形燃料電池においては、燃料電池5のアノードが改質器の機能を有することから、燃料電池5のアノードと水素生成器1の改質器1aとが一体で構成されていてもよい。さらに、燃料電池5の構成は、一般的な燃料電池と同様に構成されているため、その詳細な説明は省略する。
【0035】
燃料電池5のカソードには、ブロワー6から酸化剤ガス経路7を介して酸化剤ガス(空気)が供給される。そして、アノードに供給された燃料ガスとカソードに供給された酸化剤ガスとが反応して、水が生成され、電気と熱が発生する。燃料電池5で使用されなかった燃料ガスは、オフ水素ガスとして、オフ燃料ガス経路4bを介して、水素生成器1の燃焼器1bに供給される。また、燃料電池5で使用されなかった酸化剤ガスは、第1オフ酸化剤ガス経路8、第2オフ酸化剤ガス経路11及び排気部20を介して、燃料電池システム100外に排出される。
【0036】
なお、発生した電気は、図示されない電力調整器により、外部電力負荷(例えば、家庭の電気機器)に供給される。また、発生した熱は、冷却水流路(図示せず)を通流する冷却水が回収する。
【0037】
排熱回収水経路23は、オフ燃焼ガス経路9と第1オフ酸化剤ガス経路8とを通流する、オフ燃焼ガスとオフ酸化剤ガスから熱を回収するように構成されている。すなわち、排ガス熱を回収するための経路である。本実施の形態1においては、その一部が、筐体101外に位置するように設けられている。排熱回収水経路23には、排ガス熱交換器18、排空気熱交換器19が設けられている。そして、排熱回収水経路23内の第1熱媒体は、各熱交換器でオフ燃料ガス、オフ酸化剤ガスと熱交換しながら通流する。なお、第1熱媒体としては、水又は不凍液(例えば、エチレングリーコール含有液)等を用いることができる。
【0038】
排ガス熱交換器18は、排熱回収水経路23とオフ燃焼ガス経路9とを接触させるように設けられていて、排熱回収水経路23を通流する第1熱媒体とオフ燃焼ガス経路9を通流するオフ燃焼ガスとの間で熱交換するように構成されている。なお、排ガス熱交換器18で第1熱媒体と熱交換することにより、オフ燃焼ガス中の水蒸気が凝縮して、凝縮水が生成される。生成された凝縮水は、オフ燃焼ガス凝縮水経路10を介して、凝縮水タンク13に回収される。凝縮水が回収された後のオフ燃焼ガスは、凝縮水タンク13上方の開空間より第2オフ酸化剤ガス経路11、排気部20を介して、燃料電池システム100外に排出される。この構成にすることにより、オフ燃焼ガス中の凝縮水のみが凝縮水タンク13に回収される。
【0039】
また、排空気熱交換器19は、排熱回収水経路23と第1オフ酸化剤ガス経路8を接触させるように設けられていて、排熱回収水経路23を通流する第1熱媒体と第1オフ酸化剤ガス経路8を通流するオフ酸化剤ガスとの間で熱交換するように構成されている。なお
、排空気熱交換器19で第1熱媒体と熱交換することにより、オフ酸化剤ガス中の水蒸気が凝縮して、凝縮水が生成される。生成された凝縮水は、第1オフ酸化剤ガス経路8を介して、凝縮水タンク13に回収される。凝縮水が回収された後のオフ酸化剤ガスは、凝縮水タンク13上方の開空間より第2オフ酸化剤ガス経路11、排気部20を介して、燃料電池システム100外に排出される。この構成にすることにより、オフ酸化剤ガス中の凝縮水のみが凝縮水タンク13に回収される。
【0040】
[凝縮水タンクの構成]
次に本発明の特徴部分である供給経路12及び凝縮水タンク13及び給水口21の構成について図2及び図3を用いて説明する。
【0041】
凝縮水タンク13に蓄えられた凝縮水は凝縮水タンク13の下面からの高さH3以上になると第1排水経路22の排水口34を介し、外部に自然に排出されるように構成されているが、凝縮水タンク13からの排水が可能であれば、この態様に限定しない。
【0042】
なお、本実施の形態では、一端が凝縮水タンク13の排水口34に接続されており、多端が燃料電池システム100の外部にある下水管に接続されている第1排水経路22を例示したが、凝縮水タンク13から凝縮水が溢れ出ないように排ガス熱交換器18および排空気熱交換器19からの凝縮水量を調整可能であれば、第1排水経路22を備えなくてもよい。その場合、凝縮水タンク13の下面からの高さH3が、手動給水で給水される「第1水位」と設定され、手動給水時には第1水位である、凝縮水タンク13の下面からの高さH3まで給水される。なお、手動給水は、仕様書などに給水される水の量をリットル単位などで予め示されていたり、予め用意されている容器に精製水を給水して、燃料電池システム100へ給水することが一般的である。
【0043】
凝縮水タンク13内には隔壁14を形成してもよい。隔壁14は、凝縮水タンク13の上面から、凝縮水タンク13の下面からの高さH1まで、第1貯水部15と第2貯水部16を分離する。なお、この実施の形態に限定されず、例えば、第1排水経路22を備えない場合には、隔壁14を備えなくてもよい。
【0044】
供給経路12は、凝縮水タンク13に鉛直方向の上方から供給経路12を介して給水できるように配置されている。また、供給経路12の下端(=下流端)は、凝縮水タンク13の下面からの高さH3よりも低い位置であるH1に配置されている。供給経路12の上端(=上流端)である給水口21は供給経路12を介して凝縮水タンク13に給水するように構成されているが、燃料電池システム100への給水が可能であれば、この態様に限定しない。
【0045】
なお、給水口21は漏斗式を例示するが、給水ができればどのような態様であってもよく、給水口21から凝縮水タンク13までの供給経路12は鉛直方向下方に給水できる態様を例示するが、図3(a)に示すような、供給経路12の途中に屈曲部を設け、凝縮水タンク13からの水蒸気蒸発を抑制できる態様でもよい。また、給水口21の取り付け方向は鉛直方向の上方向を例示するが、図3(b)に示すように、凝縮水タンクに水を供給できれば、供給経路12に対して水平以上の角度がついていればよい。また、図3(c)に示すように、供給経路12が給水口21よりも鉛直方向の上方に配置されていてもよく、その場合の供給経路12の最上部は供給経路12の途中の経路になり、この態様での給水時には押し込み式ポンプ等を使用してもよい。凝縮水タンク13の中には高さH2以下の水位を検知するための水位センサ17が構成されている。水位センサ17としては、フロートスイッチを例示するが、水位が検知できればどのような態様であってもよい。水位センサ17が排水口34より低く連通部33より高い高さH2以下の水位を検知すると、燃料電池システム100を停止動作させるように構成されている。ここで、「第2水位」
は、水位センサ17が高さH2以下となる水位を指す。
【0046】
[燃料電池システムの作用と効果]
次に、本実施の形態1に係る燃料電池システム100の作用と効果について、図1及び図2(a)〜(b)を参照しながら説明する。
【0047】
図2(a)に示すように、燃料電池システム100の凝縮水タンク13に供給経路12を介し、精製水の給水が行われた場合は、凝縮水タンク13の下面からの高さがH3以上になると、第1排水経路22を介し、自然に水が排出するように構成されている。そのため、凝縮水タンク13内の水の量を一定以下に保つことが可能になる。また、第1排水経路22を備えない場合には、手動給水で給水される給水量を第1水位である、凝縮水タンク13の下面からの高さH3までにすることにより、凝縮水タンク13内の水の量を一定に保つことが可能になる。
【0048】
また、供給経路12は、凝縮水タンク13に鉛直方向の上方から供給経路12を介して給水できるように配置されている。そのため、重力によって自然と水が落ちるので、給水を効率よく行うことができる。
【0049】
そして、供給経路12は、第1排水経路22の凝縮水タンク13の下面からの高さH3よりも低い位置であるH1に配置されている。そのため、給水後の高さH1以上に水が満たされているときに、第1オフ酸化剤ガス経路8及びオフ燃焼ガス凝縮水経路10のうちの少なくとも一方のオフガスの経路を介し、第2オフ酸化剤ガス経路11や凝縮水タンク13内に通流するオフ酸化剤ガスもしくはオフ燃料ガスが、凝縮水タンク13の上部の開空間、供給経路12、及び給水口21を介し、燃料電池システム100から漏れ出ることを防止することが可能となる。
【0050】
さらに、凝縮水タンク13の中には高さH2以下の水位を検知するための水位センサ17が構成されており、水位センサ17が高さH2以下の水位を検知すると、燃料電池システム100を停止動作させるように構成されている。これにより、図2(b)に示すような、水位低下時でも、オフ酸化剤ガスもしくはオフ燃料ガスが、凝縮水タンク13の上部の開空間、供給経路12、及び給水口21を介し、燃料電池システム100から漏れ出ることを防止することが可能となる。また、手動給水により精製水を給水するため、市水を利用した自動給水時に必要であった、市水利用分の水浄化機能が不要となるため、水浄化器を小型化することが可能となる。
【0051】
また、供給経路12の最上部と供給経路12の下端との鉛直方向の距離に相当する水頭差による封止圧が、予め定められる第1圧力より大きくなるように構成されている態様を例示するものである。
【0052】
ここで、第1圧力は、排気経路が閉塞または途中閉塞(完全に閉塞されていないが、排気されるガスの流通が阻害されている状態)した場合にオフ酸化剤ガスもしくはオフ燃料ガスのうちの少なくとも一方のオフガスが供給経路を介して燃料電池システムの外部へ漏れないように設定されている圧力であり、予め実験やシミュレーション等で設定されている。
【0053】
そのため「第1圧力」は、ブロワー6及び原料供給部2からの供給圧力よりも高い圧力で設定してもよい。
【0054】
(実施の形態2)
実施の形態2では、実施の形態1と異なる部分を中心に説明を行う。
【0055】
実施の形態2に係る燃料電池システム100は、燃料電池5に酸化剤ガスまたは燃料ガスを供給するガス供給器と、少なくとも燃料電池5と凝縮水タンク13とガス供給器とを収納するとともに、排気部20を備えた筐体101と、一端が凝縮水タンク13の第1貯水部15に接続され、他端が排気部20に接続されている第2オフ酸化剤ガス経路11と、凝縮水タンク13は、第1貯水部15を備える第1凝縮水タンク24と、第1凝縮水タンク24と第1排水経路22を介して連通し第2貯水部16を備える第2凝縮水タンク25で構成され、第2凝縮水タンク25は、排気部20から供給される凝縮水を貯めるとともに、排気部20からの排気が流れないように水封する水封部を備えており、第2貯水部の内部に蓄えられた水を第2貯水部16の外部へ排出するための第2排水経路27が、第2凝縮水タンク25に接続されており、供給経路12の上端と供給経路12の下端との鉛直方向の距離に相当する水頭差による封止圧が、予め定められる第1圧力より大きくなるように構成されている態様を例示するものである。
【0056】
ここで、第1圧力は、排気経路が閉塞または途中閉塞(完全に閉塞されていないが、排気されるガスの流通が阻害されている状態)した場合にオフ酸化剤ガスもしくはオフ燃料ガスのうちの少なくとも一方のオフガスが供給経路を介して燃料電池システムの外部へ漏れないように設定されている圧力であり、予め実験やシミュレーション等で設定されている。
【0057】
そのため「第1圧力」は、ブロワー6及び原料供給部2からの供給圧力よりも高い圧力で設定してもよい。
【0058】
また、ガス供給器は、実施の形態2では、酸化剤ガスを供給するブロワー6、又は、原料供給部2であるが、これ以外にも水素を直接燃料電池に供給する燃料電池システム100の場合は水素を供給する機器であってもよい。
【0059】
図4は、本発明の実施の形態2に係る燃料電池システム100の概略構成を示す模式図である。
【0060】
図4に示すように、本発明の実施の形態2に係る燃料電池システム100は、実施の形態1に係る燃料電池システム100と基本的構成は同じであるが、凝縮水タンク13の第1貯水部15と第2貯水部16を分離する隔壁14を、排気部20からの排気が流れないように水封する水封部を備えている第2凝縮水タンク25に変更している点が異なる。
【0061】
第2凝縮水タンク25は、排気部20の排ガス凝縮水経路26と第1凝縮水タンク24の第1排水経路22を連通するように構成されており、第2排水経路27と第1排水経路22を第2凝縮水タンク25内で気液分離することにより、凝縮水タンク13及び、排気部20内のオフ酸化剤ガスもしくはオフ燃料ガスが第2凝縮水タンク25を介し、第2排水経路27から漏れ出ることを防止している。また、第2凝縮水タンク25は、第2排水経路27と、第2凝縮水タンク25内に配置されている排ガス通路との鉛直方向の距離に相当する水頭差による封止圧が、第1圧力よりも大きくなるように構成されている。
【0062】
[燃料電池システムの作用と効果]
次に、本実施の形態2に係る燃料電池システム100の作用と効果について説明する。
【0063】
上述したように、排気部20が閉塞、もしくは閉塞に至る途中閉塞の場合には、排気部20に接続される第1凝縮水タンク24及び第2凝縮水タンク25内の圧力が増加する。第2凝縮水タンク25は、排気部20からの排気が流れないように水封する水封部を備えているため、排気部20からの排気が流れ出ずに、所定の圧力で第1凝縮水タンク24と
第2凝縮水タンク25の排ガス連通部が釣り合う。その時、第1凝縮水タンク24内に配置されている供給経路12には、同じく当該所定の圧力が掛かる。そのため、筐体101外に配置されている供給経路12内の水が当該所定の圧力と大気圧の圧力差分の鉛直方向の上方まで上昇する。
【0064】
本実施の形態2に係る燃料電池システム100では、排気部20が閉塞もしくは閉塞に至る前の途中閉塞の場合でも、供給経路12の上端と供給経路12の下端との鉛直方向の距離に相当する水頭差による封止圧が、予め定められる第1圧力より大きくなるように構成されている。そのため、供給経路12の水頭差による封止圧を超えることがなく、燃料電池のオフ酸化剤ガスもしくはオフ燃料ガスが、給水口を介し、燃料電池システム100の外部へ漏れ出ることを防止することが可能となる。
【0065】
(実施の形態3)
実施の形態3では、実施の形態1及び2と異なる部分を中心に説明を行う。
【0066】
本発明の実施の形態3に係る燃料電池システム100は、燃料電池5に酸化剤ガスまたは燃料ガスを供給するガス供給器と、少なくとも燃料電池5と凝縮水タンク13とガス供給器とを収納するとともに、排気部20を備えた筐体101と、凝縮水タンク13は、第1貯水部15と第2貯水部との間に形成されるとともに、凝縮水タンク13の下部で第1貯水部と第2貯水部とを連通するように隔壁14を備え、一端が凝縮水タンク13の第1貯水部15に接続され、他端が排気部20に接続されている第2オフ酸化剤ガス経路11と、排気部20から供給される凝縮水を貯めるとともに、排気部20からの排気が流れないように水封する水封部を備えている水回収タンク28と、を備えており、水回収タンク28は、第1排水経路22を介して凝縮水タンク13と連通しており、内部に蓄えられた水を水回収タンク28外部へ排出するための第3排水経路29が接続されており、供給経路12の上端と供給経路12の下端との鉛直方向の距離に相当する水頭差による封止圧が、予め定められる第1圧力より大きくなるように構成されている態様を例示するものである。
【0067】
ここで、ガス供給器は、実施の形態3では、酸化剤ガスを供給するブロワー6、又は、原料供給部2であるが、これ以外にも水素を直接燃料電池に供給する燃料電池システム100の場合は水素を供給する機器であってもよい。
【0068】
図5は、本発明の実施の形態3に係る燃料電池システム100の概略構成を示す模式図である。
【0069】
図5に示すように、本発明の実施の形態3に係る燃料電池システム100は、実施の形態1に係る燃料電池システム100と基本的構成は同じであるが、排気部20からの排気が流れないように水封する水封部を備えている水回収タンク28を追加している点が異なる。
【0070】
水回収タンク28は、排気部20の排ガス凝縮水経路26と凝縮水タンク13の第1排水経路22を連通するように構成されており、第3排水経路29と第1排水経路22を水回収タンク28内で気液分離することにより、排気部20内のオフ酸化剤ガスもしくはオフ燃料ガスが排ガス凝縮水経路26を介し、第3排水経路29から漏れ出ることを防止している。また、水回収タンク28は、第2排水経路27と、水回収タンク28内に配置されている排ガス通路との鉛直方向の距離に相当する水頭差による封止圧が、第1圧力よりも大きくなるように構成されている。
【0071】
[燃料電池システムの作用と効果]
次に、本実施の形態3に係る燃料電池システム100の作用と効果について説明する。
【0072】
上述したように、排気部20が閉塞、もしくは閉塞に至る途中閉塞の場合には、排気部20に接続される凝縮水タンク13及び水回収タンク28内の圧力が増加して所定の圧力となる。水回収タンク28は、排気部20からの排気が流れないように水封する水封部を備えているため、排気部20からの排気が流れ出ずに、当該所定の圧力で凝縮水タンク13と水回収タンク28の排ガス連通部が釣り合う。その時、凝縮水タンク13内に配置されている供給経路12には、当該所定の圧力が掛かる。そのため、筐体101外に配置されている供給経路12内の水が当該所定の圧力と大気圧の圧力差分の鉛直方向の上方まで上昇する。
【0073】
本実施の形態3に係る燃料電池システム100では、排気部20が閉塞もしくは閉塞に至る途中閉塞の場合でも、供給経路12の上端と供給経路12の下端との鉛直方向の距離に相当する水頭差による封止圧が、予め定められる第1圧力より大きくなるように構成されている。そのため、供給経路12の水頭差による封止圧を超えることがなく、燃料電池のオフ酸化剤ガスもしくはオフ燃料ガスが、給水口を介し、燃料電池システム100の外部へ漏れ出ることを防止することが可能となる。
【0074】
(実施の形態4)
実施の形態4では、実施の形態1〜3と異なる部分を中心に説明を行う。
【0075】
図6を用いて、本実施の形態4に係る燃料電池システム100について説明する。
【0076】
図6は、本実施の形態4の燃料電池システム100の概略構成を示す模式図である。
【0077】
図6に示すように、本実施の形態4の燃料電池システム100は、実施の形態2に係る燃料電池システム100と基本的構成は同じであるが、排気部20に接続される第1凝縮水タンク24の第1貯水部15の圧力が予め定められる第2圧力以上になったことを検知する圧力検知器30をさらに備えており、供給経路12の上端と供給経路12の下端との鉛直方向の距離に相当する水頭差による封止圧が、予め定められる第2圧力より大きくなるように構成されており、圧力検知器30で検知する圧力が、第2圧力よりも高くなると燃料電池システム100を停止動作させるよう構成されている点が異なる。
【0078】
圧力検知器30で検知する圧力は、排気部20に接続される凝縮水タンク13の第1貯水部15に掛かる圧力を指し、通常時は大気圧と同等となるが、排気部20が閉塞及び途中閉塞した際には、ブロワー6及び原料供給部2からの供給圧力である第1圧力が掛かる。
【0079】
そのため「第2圧力」は、燃料電池システム100の構成上確保できる供給経路12の上端と供給経路12の下端との鉛直方向の距離に相当する水頭差による封止圧よりも低い圧力で設定される。
【0080】
圧力検知器30は、検知する圧力が、第2圧力以上になると内部の電気回路を切断し、燃料電池システム100を停止動作させる圧力スイッチの態様を例示したが、これに限定されず、圧力計と、圧力計で検知する圧力値によって異常を判定する制御部との組み合わせで構成されてもよい。また、圧力検知器30は第1貯水部15に掛かる圧力を直接検知できるように第1凝縮水タンク24内への配置を例示しているが、第1貯水部15に掛かる圧力が検知できれば、例えば排気部20内に配置されていてもよい。
【0081】
[燃料電池システムの作用と効果]
次に、本実施の形態4に係る燃料電池システム100の作用と効果について説明する。
【0082】
上述したように、排気部20が閉塞、もしくは閉塞に至る途中閉塞の場合には、排気部20に接続される第1凝縮水タンク24及び第2凝縮水タンク25内の圧力が増加する。第2凝縮水タンク25は、排気部20からの排気が流れないように水封する水封部を備えているため、排気部20からの排気が流れ出ずに、所定の圧力で第1凝縮水タンク24と第2凝縮水タンク25の排ガス連通部が釣り合う。その時、第1凝縮水タンク24内に配置されている供給経路12には、当該所定の圧力が掛かる。そのため、筐体101外に配置されている供給経路12内の水が当該所定の圧力と大気圧の圧力差分の鉛直方向の上方まで上昇する。
【0083】
本実施の形態4に係る燃料電池システム100では、排気部20が閉塞もしくは閉塞に至る途中閉塞の場合でも、供給経路12の上端と供給経路12の下端との鉛直方向の距離に相当する水頭差による封止圧が、予め定められる第2圧力より大きくなるように構成されている。また、圧力検知器30で検知する圧力が、第2圧力よりも高くなると燃料電池システム100を停止動作させるよう構成されている。そのため、供給経路12の水頭差による封止圧を超えることがなく、燃料電池のオフ酸化剤ガスもしくはオフ燃料ガスが、給水口を介し、燃料電池システム100の外部へ漏れ出ることを防止することが可能となる。
【0084】
(実施の形態5)
実施の形態5では、実施の形態1〜4と異なる部分を中心に説明を行う。
【0085】
図7を用いて、本実施の形態5に係る燃料電池システム100について説明する。
【0086】
図7は、本実施の形態5の燃料電池システム100の概略構成を示す模式図である。
【0087】
図7に示すように、本実施の形態5の燃料電池システム100は、実施の形態3に係る燃料電池システム100と基本的構成は同じであるが、排気部20に接続される凝縮水タンク13の第1貯水部15の圧力が予め定められる第2圧力以上になったことを検知する圧力検知器30をさらに備えており、供給経路12の上端と供給経路12の下端との鉛直方向の距離に相当する水頭差による封止圧が、予め定められる第2圧力より大きくなるように構成されており、圧力検知器30で検知する圧力が、第2圧力よりも高くなると燃料電池システム100を停止動作させるよう構成されている点が異なる。
【0088】
圧力検知器30で検知する圧力は、排気部20に接続される凝縮水タンク13の第1貯水部15に掛かる圧力を指し、通常時は大気圧と同等となるが、排気部20が閉塞及び途中閉塞した際には、ブロワー6及び原料供給部2からの供給圧力である第1圧力が掛かる。
【0089】
そのため「第2圧力」は、燃料電池システム100の構成上確保できる供給経路12の上端と供給経路12の下端との鉛直方向の距離に相当する水頭差による封止圧よりも低い圧力で設定される。
【0090】
圧力検知器30は、検知する圧力が、第2圧力以上になると内部の電気回路を切断し、燃料電池システム100を停止動作させる圧力スイッチの態様を例示したが、これに限定されず、圧力計と、圧力計で検知する圧力値によって異常を判定する制御部との組み合わせで構成されてもよい。また、圧力検知器30は第1貯水部15に掛かる圧力を直接検知できるように凝縮水タンク13内への配置を例示しているが、第1貯水部15に掛かる圧力が検知できれば、例えば排気部20内に配置されていてもよい。
【0091】
[燃料電池システムの作用と効果]
次に、本実施の形態5に係る燃料電池システム100の作用と効果について説明する。上述したように、排気部20が閉塞、もしくは閉塞に至る途中閉塞の場合には、排気部20に接続される凝縮水タンク13及び水回収タンク28内の圧力が増加する。水回収タンク28は、排気部20からの排気が流れないように水封する水封部を備えているため、排気部20からの排気が流れ出ずに、所定の圧力で凝縮水タンク13と水回収タンク28の排ガス連通部が釣り合う。その時、凝縮水タンク13内に配置されている供給経路12には、当該所定の圧力が掛かる。そのため、筐体101外に配置されている供給経路12内の水が当該所定の圧力と大気圧の圧力差分の鉛直方向の上方まで上昇する。
【0092】
本実施の形態5に係る燃料電池システム100では、排気部20が閉塞もしくは閉塞に至る途中閉塞の場合でも、供給経路12の上端と供給経路12の下端との鉛直方向の距離に相当する水頭差による封止圧が、予め定められる第2圧力より大きくなるように構成されている。また、圧力検知器30で検知する圧力が、第2圧力よりも高くなると燃料電池システム100を停止動作させるよう構成されている。そのため、供給経路12の水頭差による封止圧を超えることがなく、燃料電池のオフ酸化剤ガスもしくはオフ燃料ガスが、給水口を介し、燃料電池システム100の外部へ漏れ出ることを防止することが可能となる。
【0093】
なお、特許請求の範囲に記載されている排気経路は、オフ燃料ガス経路4b、第1オフ酸化剤ガス経路8、オフ燃焼ガス経路9、オフ燃焼ガス凝縮水経路10、第2オフ酸化剤ガス経路11のうちの少なくとも一つである。
【産業上の利用可能性】
【0094】
本発明の燃料電池システムは、給水口を閉め忘れても、燃料電池の排ガスが給水口から燃料電池システムから漏れ出ることを防止できるため、燃料電池の分野で有用である。
【符号の説明】
【0095】
1 水素生成器
2 原料供給部
3 水供給部
4a 水素供給経路
4b オフ燃料ガス経路
5 燃料電池
6 ブロワー
7 酸化剤ガス経路
8 第1オフ酸化剤ガス経路
9 オフ燃焼ガス経路
10 オフ燃焼ガス凝縮水経路
11 第2オフ酸化剤ガス経路
12 供給経路
13 凝縮水タンク
14 隔壁
15 第1貯水部
16 第2貯水部
17 水位センサ
18 排ガス熱交換器
19 排空気熱交換器
20 排気部
21 給水口
22 第1排水経路
23 排熱回収水経路
24 第1凝縮水タンク
25 第2凝縮水タンク
26 排ガス凝縮水経路
27 第2排水経路
28 水回収タンク
29 第3排水経路
30 圧力検知器
31 水供給器
32 水浄化器
33 連通部
34 排水口
100 燃料電池システム
101 筐体
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7