特許第6051403号(P6051403)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6051403
(24)【登録日】2016年12月9日
(45)【発行日】2016年12月27日
(54)【発明の名称】送風装置
(51)【国際特許分類】
   F04D 29/44 20060101AFI20161219BHJP
   F04D 29/00 20060101ALI20161219BHJP
【FI】
   F04D29/44 N
   F04D29/00 C
   F04D29/44 Q
   F04D29/44 Y
【請求項の数】2
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2012-201168(P2012-201168)
(22)【出願日】2012年9月13日
(65)【公開番号】特開2014-55557(P2014-55557A)
(43)【公開日】2014年3月27日
【審査請求日】2015年9月9日
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106116
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 健司
(74)【代理人】
【識別番号】100170494
【弁理士】
【氏名又は名称】前田 浩夫
(72)【発明者】
【氏名】藤園 崇
(72)【発明者】
【氏名】小田 一平
【審査官】 冨永 達朗
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2011/086592(WO,A1)
【文献】 特開昭56−085595(JP,A)
【文献】 実開平01−108398(JP,U)
【文献】 実開平01−108399(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F04D 29/44
F04D 29/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体吸込口と筐体吹出口を備えた筐体内に、電動機により駆動される羽根車と、前記羽根車の周囲を囲うスクロールケーシングと、前記筐体の外側に前記筐体吹出口とダクトを接続するアダプタを備え、天井や壁に埋め込んで使用する送風装置であって、
前記スクロールケーシングは、
前記筐体吸込口と連通したケーシング吸込口と、前記筐体吹出口と連結したケーシング吹出口を備え、
前記アダプタの形状は、
空気の流れ方向に垂直なアダプタ断面において、前記羽根車の回転軸方向の寸法Dhの最大値が、回転軸方向と直する方向の寸法Dwの最大値よりも短く構成されている略楕円形状であり、
前記アダプタ断面の形状が、前記寸法Dhが最大値となる位置を、前記寸法Dw/2の位置よりも前記ケーシング吹出口を通過する空気の風速が速い方向へ0.2Dw〜0.4Dwの位置としたことを特徴とする送風装置。
【請求項2】
筐体吸込口と筐体吹出口を備えた筐体内に、電動機により駆動される羽根車と、前記羽根車の周囲を囲うスクロールケーシングと、前記筐体の外側に前記筐体吹出口とダクトを接続するアダプタを備え、天井や壁に埋め込んで使用する送風装置であって、
前記スクロールケーシングは、
前記筐体吸込口と連通したケーシング吸込口と、前記筐体吹出口と連結したケーシング吹出口を備え、
前記アダプタの形状は、
空気の流れ方向に垂直なアダプタ断面において、前記羽根車の回転軸方向の寸法Dhの最大値が、回転軸方向と直交する方向の寸法Dwの最大値よりも短く構成されている略楕円形状であり、
前記アダプタ断面の寸法Dw/2の位置が、前記ケーシング吹出口の中心よりも前記ケーシング吹出口を通過する空気の風速が速い方向に位置したことを特徴とする送風装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、天井埋込型換気扇等に使用される送風装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の送風装置は、天井埋込型の換気扇等が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
以下、その送風装置について図4を参照しながら説明する。
【0004】
図4に示すように、遠心送風機106は、一面を開口した外郭101と、この外郭101内の天面102に羽根車103を固着した電動機104と、羽根車103の周囲を取り囲むケーシング105を備え、ケーシング105の吹出し口107とダクト108が外郭101に取付けられたダクト接続アダプタ109で接続された構成となっている。
【0005】
上記構成において、羽根車103が回転すると、吸込空気はケーシング105より羽根車103に入り羽根車103により昇圧され、ケーシング105の内部を通り吹出し口107からダクト接続アダプタ109を介してダクト108より排気される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平8−303831号公報(第1図)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
このような従来のダクト接続アダプタ109を用いた遠心送風機106では、羽根車103によって生じた空気の流れが羽根車103の回転による影響でダクト接続アダプタ109内を通過する際に均一な速度分布にならず、圧力損失となるという課題を有していた。
【0008】
そこで本発明は、上記従来の課題を解決するものであり、アダプタを通過する空気の風速分布のばらつきが小さい効率の良い送風装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
そして、この目的を達成するために、本発明は、筐体吸込口と筐体吹出口を備えた筐体内に、電動機により駆動される羽根車と、前記羽根車の周囲を囲うスクロールケーシングと、前記筐体の外側に前記筐体吹出口とダクトを接続するアダプタを備え、前記スクロールケーシングは前記筐体吸込口と連通したケーシング吸込口と、前記筐体吹出口と連結したケーシング吹出口を備え、前記アダプタの形状は、空気の流れ方向に垂直なアダプタ断面において、前記羽根車の回転軸方向の寸法Dhの最大値が、回転軸方向と直する方向の寸法Dwの最大値よりも短く構成されている略楕円形状であり、天井や壁に埋め込んで使用する送風装置で、前記アダプタ断面の形状が、前記寸法Dhが最大値となる位置を、前記寸法Dw/2の位置よりも前記ケーシング吹出口を通過する空気の風速が速い方向へ0.2Dw〜0.4Dwの位置としたことを特徴とする送風装置としたものであり、これにより所期の目的を達成するものである。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、筐体吸込口と筐体吹出口を備えた筐体内に、電動機により駆動される羽根車と、前記羽根車の周囲を囲うスクロールケーシングと、前記筐体の外側に前記筐体吹出口とダクトを接続するアダプタを備え、前記スクロールケーシングは前記筐体吸込口と連通したケーシング吸込口と、前記筐体吹出口と連結したケーシング吹出口を備え、前記アダプタの形状は、空気の流れ方向に垂直なアダプタ断面において、前記羽根車の回転軸方向の寸法Dhの最大値が、回転軸方向と直する方向の寸法Dwの最大値よりも短く構成されている略楕円形状であり、天井や壁に埋め込んで使用する送風装置で、前記アダプタ断面の形状が、前記寸法Dhが最大値となる位置を、前記寸法Dw/2の位置よりも前記ケーシング吹出口を通過する空気の風速が速い方向へ0.2Dw〜0.4Dwの位置としたという構成にしたことにより、アダプタを通過する風速分布のばらつきが小さくなるので、圧力損失が小さくなり効率が良くなるという効果を得ることができる。
【0011】
また、筐体吸込口と筐体吹出口を備えた筐体内に、電動機により駆動される羽根車と、前記羽根車の周囲を囲うスクロールケーシングと、前記筐体の外側に前記筐体吹出口とダクトを接続するアダプタを備え、前記スクロールケーシングは前記筐体吸込口と連通したケーシング吸込口と、前記筐体吹出口と連結したケーシング吹出口を備え、アダプタ断面の寸法Dw/2の位置が、前記ケーシング吹出口の中心よりも前記ケーシング吹出口を通過する空気の風速が速い方向に位置した構成にしたことにより、ケーシング吹出口を通過する空気の風速の速い方向のアダプタ断面積が大きくなるので、アダプタによる圧力損失を低減し効率を向上させることが可能となるという効果を得ることができる
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の実施の形態1の送風装置を示す構成図
図2】本発明の実施の形態1のアダプタを示す構成図
図3】本発明の実施の形態2の送風装置を示す構成図
図4】従来技術の一例を示す構成図
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の請求項1記載の送風装置は、筐体吸込口と筐体吹出口を備えた筐体内に、電動機により駆動される羽根車と、前記羽根車の周囲を囲うスクロールケーシングと、前記筐体の外側に前記筐体吹出口とダクトを接続するアダプタを備え、前記スクロールケーシングは前記筐体吸込口と連通したケーシング吸込口と、前記筐体吹出口と連結したケーシング吹出口を備え、前記アダプタの形状は、空気の流れ方向に垂直なアダプタ断面において、前記羽根車の回転軸方向の寸法Dhの最大値が、回転軸方向と直する方向の寸法Dwの最大値よりも短く構成されている略楕円形状であり、前記アダプタ断面の形状が、前記寸法Dhが最大値となる位置を、前記寸法Dw/2の位置よりも前記ケーシング吹出口を通過する空気の風速が速い方向へ0.2Dw〜0.4Dwの位置とした構成を有する。これにより、アダプタを通過する空気の風速分布のばらつきが小さくなるので、効率を向上させることが可能となるという効果を奏する。
【0014】
また、請求項2記載の送風装置は、筐体吸込口と筐体吹出口を備えた筐体内に、電動機により駆動される羽根車と、前記羽根車の周囲を囲うスクロールケーシングと、前記筐体の外側に前記筐体吹出口とダクトを接続するアダプタを備え、前記スクロールケーシングは前記筐体吸込口と連通したケーシング吸込口と、前記筐体吹出口と連結したケーシング吹出口を備え、アダプタ断面の寸法Dw/2の位置が、前記ケーシング吹出口の中心よりも前記ケーシング吹出口を通過する空気の風速が速い方向に位置した構成にしてもよい。これにより、ケーシング吹出口を通過する空気の風速の速い方向のアダプタ断面積が大きくなるので、アダプタによる圧力損失を低減し効率を向上させることが可能となるという効果を奏する。
【0015】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
【0016】
(実施の形態1)
図1に示すように、浴室やトイレなどの空間を換気するために天井や壁に取り付けられ埋込型換気扇として使用される送風装置1は、筐体吸込口3と筐体吹出口4を備えた260mm角で高さが85mmの筐体2内に、電動機5により駆動される外径が175mmの羽根車6と、羽根車6の周囲を囲うスクロールケーシング7と、筐体2の外側に筐体吹出口4とダクト8を接続するアダプタ9を備え、スクロールケーシング7は筐体吸込口3と連通したケーシング吸込口10と、筐体吹出口4と連結したケーシング吹出口11を備えている。
【0017】
ケーシング吸込口10から吸込まれた空気は羽根車6で昇圧され、ケーシング吹出口11、アダプタ9を通ってダクト8へと流れる。
【0018】
図2に示すように、アダプタ9のダクト8接続側の開口形状は、空気の流れ方向に垂直なアダプタ断面において、羽根車6の回転軸方向の寸法Dhの最大値が、回転軸方向と直する方向の寸法Dwの最大値よりも短く構成されている略楕円状であり、ダクト8とアダプタ9を接続する際はダクト8を押しつぶしてアダプタ9の外形に合わせて接続するもので、アダプタ9のダクト8接続側の開口形状は、寸法Dhが最大値となる位置を、寸法Dwの中心の位置よりもケーシング吹出口11を通過する空気の風速が速い方向へDxずらした位置としている。
【0019】
本実施の形態では、アダプタ9のダクト8接続側の開口の形状は、寸法Dhの最大値が63mm、寸法Dwが124mmとしており、ケーシング吹出口11を通過する風速は、スクロールケーシング7のスクロールが始まる位置側の風速が速いため、寸法Dhが最大となる位置は、寸法Dwの中心の位置よりもスクロールが始まる位置側となっており、Dxを0.2Dw、すなわち約25mmとしている。
【0020】
ここでケーシング吹出口11を通過する空気の風速分布から、風速の最大値はDxが0.2Dw〜0.4Dwの範囲内であり、寸法Dhが最大となる位置もこの範囲が好ましい。
【0021】
このような構成によれば、アダプタ9を通過する空気の風速分布のばらつきが小さくなるため、圧力損失が小さくなり効率を向上させることが可能となる。
【0022】
さらに、ダクト8を取り付ける際に、Dw/2を挟んでDhの最大値がある側からDhの最大値のない側へとダクト8を取り付けることで、アダプタ9のダクト8接続側の開口部とダクト8との引っかかりを少なくすることができダクト8を容易に取り付けることが可能となる。
【0023】
なお、本実施の形態では、寸法Dhの最大値の位置をスクロールケーシング7のスクロールが始まる位置側としたが、スクロールが始まる位置と対向する側の風速が速い場合は、スクロールが始まる位置と対向する側に寸法Dhの最大値が位置するような構成としても良い。
【0024】
(実施の形態2)
図3において、図1および図2と同様の構成要素については同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0025】
図3は、アダプタ9のダクト8接続側の開口の寸法Dw/2の位置が、ケーシング吹出口11の中心位置(図中の破線)よりもケーシング吹出口11を通過する空気の風速が速い方向に位置した送風装置1の構成図である。
【0026】
本実施の形態では、ケーシング吹出口11を通過する空気の風速は、スクロールケーシング7のスクロールが始まる位置側が速いため、アダプタ9のダクト8接続側の開口の寸法Dw/2の位置をケーシング吹出口11の中心よりも、スクロールが始まる位置側に位置した構成とした。
【0027】
上記構成において、ケーシング吹出口11を通過する空気の風速の速い方向のアダプタ9の断面積が大きくなるため、アダプタ9による圧力損失を低減し効率を向上させることが可能となる。
【0028】
なお、本実施の形態では、アダプタ9のダクト8接続側の開口の寸法Dw/2の位置をスクロールケーシング7のスクロールが始まる位置側としたが、スクロールが始まる位置と対向する側の風速が速い場合は、スクロールが始まる位置と対向する側にアダプタ9のダクト8接続側の開口の寸法Dw/2が位置するような構成としても良い。
【産業上の利用可能性】
【0029】
本発明にかかる送風装置は、高効率化を可能とするものであるので、天井埋込型換気扇等に使用される送風装置等として有用である。
【符号の説明】
【0030】
1 送風装置
2 筐体
3 筐体吸込口
4 筐体吹出口
5 電動機
6 羽根車
7 スクロールケーシング
8 ダクト
9 アダプタ
10 ケーシング吸込口
11 ケーシング吹出口
101 外郭
102 天面
103 羽根車
104 電動機
105 ケーシング
106 遠心送風機
107 吹出し口
108 ダクト
109 ダクト接続アダプタ
図1
図2
図3
図4