特許第6051406号(P6051406)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6051406
(24)【登録日】2016年12月9日
(45)【発行日】2016年12月27日
(54)【発明の名称】洗濯機
(51)【国際特許分類】
   D06F 37/42 20060101AFI20161219BHJP
【FI】
   D06F37/42 A
【請求項の数】2
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2012-267116(P2012-267116)
(22)【出願日】2012年12月6日
(65)【公開番号】特開2014-113187(P2014-113187A)
(43)【公開日】2014年6月26日
【審査請求日】2015年9月17日
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106116
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 健司
(74)【代理人】
【識別番号】100170494
【弁理士】
【氏名又は名称】前田 浩夫
(72)【発明者】
【氏名】竹内 和吉
(72)【発明者】
【氏名】近藤 信二
【審査官】 梶本 直樹
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−085777(JP,A)
【文献】 特開平10−272293(JP,A)
【文献】 特開2004−344294(JP,A)
【文献】 特開2008−302064(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2011/0083476(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
D06F 37/42
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
洗濯物等を収容するドラムと、前記ドラムもしくは前記ドラム内に設けたパルセータを回転させるモータと、前記ドラムに洗濯物等を出し入れする開閉自在なドアと、前記モータ等を制御して洗濯機の運転を行う制御装置と、前記ドアの閉成により前記ドアのフックが係合することで摺動移動する摺動部材と、前記フックが前記摺動部材に係合したとき、前記フックを前記摺動部材と外郭で挟み込み前記ドアの開放を阻止する保持手段と、前記保持手段を動作させる駆動源と、前記保持手段の位置を検出する位置検出手段と、前記摺動部材の近傍に設けた前記ドアの開閉検知をするスイッチ手段とを備え、前記制御装置は、前記フックと一体で設けた前記スイッチ手段を押す押し板部が回動し、前記スイッチ手段がドア閉を検出した後に、前記位置検出手段により、前記ドアの開放を阻止したことを検出した時のみ、前記モータを動作させる洗濯機。
【請求項2】
前記制御装置は、前記位置検出手段が前記保持手段により前記ドアの開放を阻止したことを検出した後に前記スイッチ手段がドア閉を検出しても前記モータを動作させない請求項1に記載の洗濯機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はドアを開閉自在に設けた洗濯機に関する。より詳しくは、ドアのロックを制御するドアスイッチ装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の洗濯機及びそのドアスイッチ装置は図7図10に示すように構成していた。以下、その構成について説明する。
【0003】
以下に説明する洗濯機は、洗濯物を収容したドラム12をモータ11によって回転させて洗濯物の洗濯、すすぎ、乾燥を行うドラム式洗濯機である。図7及び図8に示すように、ドア1は機器本体2の開口部に開閉自在に設け、フック3をレバー4を介して矢印Aの方向に移動自在に装着し、このフック3を機器本体2に設けたドアスイッチ装置5にてドア1を閉状態にロックできるようにしている。
【0004】
ドアスイッチ装置5は図9及び図10に示すように構成しており、摺動部材6はばね7により付勢された状態で左右方向に移動自在としており、ドア1の閉成によりドア1に設けたフック3が係合することで摺動移動する。この摺動部材6の移動により、操作部材8を回転させてスイッチ手段9を動作させる。スイッチ手段9はソレノイド(駆動源)10およびモータ11などの負荷に接続している。モータ11は洗濯物を収容するドラム12を回転させる。ソレノイド10に保持手段13を連結し、保持手段13の一部が摺動部材6の一部と嵌合しており、スイッチ手段9が動作してソレノイド10に通電されることによって摺動部材6が係止されて、ドア1を閉状態にロックするようにしている。
【0005】
係止手段14は保持手段13の位置を係止してドア1をロック状態またはロック解除状態に保持するもので、図10に示すようなハート形カム15とばね16とで構成し、ソレノイド10の通電を遮断してもハート形カム15の働きで保持手段13をその位置に係止し、再度、ソレノイド10に通電すると保持手段13の係止位置を変更して、保持手段13の一部と摺動部材6の一部との嵌合が外れてロックが解除されるように構成している。
【0006】
マイクロスイッチ(位置検出手段)17はフック3を外れない状態に保持する保持手段13の保持状態を検知し、保持されていることを出力するものである(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平10−272293号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上記従来のドラム式洗濯機のドアスイッチ装置の構造では、ドラム式洗濯機が運転中即ちドラム12が回転中はドア1はロックするような制御をしているが、ドラム式洗濯機が運転中にユーザーが誤ってドア1を開こうとして、レバー4を引っ張り、フック3を矢印Aの方向に回転移動させた時、フック3はドアスイッチ装置5の外郭部と摺動部材6に挟み込まれて移動できないように固定されているため、一定の力以上にレバー4を引っ張り、フック3に応力を加えて場合、フック3の中央部で破損してフック3先端部をドアスイッチ装置5の外郭部と摺動部材6に挟み込まれたまま、ドア1が開いてしまう場合があった。この場合、摺動部材6はばね7を介して操作部材8を回転させて、ス
イッチ手段9を通電状態のままの状態となっているため、ドラム12を回転させるモータ11は運転状態となるため、ドア1が開いているのにドラム12は回転するという危険な状態が発生するという課題を有していた。また、通常の使用状態においても、指で摺動部材6を介してスイッチ手段9を動作させると、ドラム12が回転するという不安全な状態となるという課題を有している。
【0009】
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、洗濯機が運転中にユーザーが誤ってドアを開こうとして、一定の力以上にレバーを引っ張り、フックに応力を加えて場合、フックの中央部で破損してフック先端をドアスイッチ装置の外郭部と摺動部材に挟み込まれたまま、ドアが開いてしまう場合でも、ドラムの回転を停止させ、安全性を確保するとともに、指で摺動部材を介してスイッチ手段を動作させると、ドラムが回転するという不安全な状態を回避することができる洗濯機を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために、本発明の洗濯機は、洗濯物等を収容するドラムと、前記ドラムもしくは前記ドラム内に設けたパルセータを回転させるモータと、前記ドラムに洗濯物等を出し入れする開閉自在なドアと、前記モータ等を制御して洗濯機の運転を行う制御装置と、前記ドアの閉成により前記ドアのフックが係合することで摺動移動する摺動部材と、前記フックが前記摺動部材に係合したとき、前記フックを前記摺動部材と外郭で挟み込み前記ドアの開放を阻止する保持手段と、前記保持手段を動作させる駆動源と、前記保持手段の位置を検出する位置検出手段と、前記摺動部材の近傍に設けた前記ドアの開閉検知をするスイッチ手段とを備え、前記制御装置は、前記フックと一体で設けた前記スイッチ手段を押す押し板部が回動し、前記スイッチ手段がドア閉を検出した後に、前記位置検出手段により、前記ドアの開放を阻止したことを検出した時のみ、前記モータを動作させる洗濯機としたものである。
【0011】
これによって、洗濯機の運転中にユーザーが一時停止スイッチを押すとモータが停止し、ドアの開放を阻止する保持手段を解除し、ドアを開けられるようになるが、誤って手でドア開閉検知をするスイッチ手段を押すとドアが閉まったと制御装置が判断し、再びモータを動作させ、ドアを開いた状態でモータが動作するような危険な状態となることを防止でき、安全性を確保することができる。
【0012】
また、洗濯機が運転中にユーザーが誤ってドアを開こうとして、一定の力以上にレバーを引っ張り、フックに応力を加えて場合、フックの中央部で破損してフック先端をドアスイッチ装置の外郭部と摺動部材に挟み込まれたまま、ドアが開いてしまう場合でも、ドア開閉を検知するスイッチ手段を押す押し板部はドアと一体でスイッチ手段から容易に外れるため、スイッチ手段がドラムの回転を速やかに停止させ、安全性を確保することができる。
【0013】
また、本発明の洗濯機は、前記制御装置は、前記位置検出手段が前記保持手段により前記ドアの開放を阻止したことを検出した後に前記スイッチ手段がドア閉を検出しても前記モータを動作させない洗濯機としたものである。
【0014】
これによって、洗濯機が運転中にユーザーが誤ってドアを開こうとして、一定の力以上にレバーを引っ張り、フックに応力を加えて場合、フックの中央部で破損してフック先端をドアスイッチ装置の外郭部と摺動部材に挟み込まれたまま、ドアが開いてしまう場合においても、手でドア開閉検知をするスイッチ手段を押されてもモータは再び駆動することなく、安全性を確保することができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明の洗濯機は、洗濯機が運転中にユーザーが誤ってドアを開こうとして、一定の力以上にレバーを引っ張り、フックに応力を加えて場合、フックの中央部で破損してフック先端をドアスイッチ装置の外郭部と摺動部材に挟み込まれたまま、ドアが開いてしまう場合でも、ドア開閉を検知するスイッチ手段を押す押し板部はドアと一体でスイッチ手段から容易に外れるため、スイッチ手段がドラムの回転を速やかに停止させることができる。また、この状態において手でドア開閉検知をするスイッチ手段を押されてもモータは再び駆動することなく、安全性を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の実施の形態1における洗濯機の外観斜視図
図2】本発明の実施の形態1における洗濯機のドアのロックの構成を示す要部斜視図
図3】(a)本発明の実施の形態1における洗濯機のドアのフックがドアスイッチ装置に挿入された時の要部断面図(b)同洗濯機のドアの押し板部がドアスイッチ装置に挿入された時の要部断面図
図4】本発明の実施の形態1における洗濯機のドアスイッチ装置の内部構成を示す斜視図
図5】本発明の実施の形態1における洗濯機のドアスイッチ装置の摺動部材を取り除いた時の内部構成を示す平面断面図
図6】本発明の実施の形態1における洗濯機の制御ブロック図
図7】従来の洗濯機の側面断面図
図8】従来の洗濯機のドアのロックの構成を示す要部斜視図
図9】(a)従来の洗濯機のドアスイッチ装置の内部構成を示す平面断面図(b)従来の洗濯機のドアスイッチ装置の側面断面図
図10】従来の洗濯機のドアスイッチ装置の内部の要部拡大斜視図
【発明を実施するための形態】
【0017】
第1の発明は、洗濯物等を収容するドラムと、前記ドラムもしくは前記ドラム内に設けたパルセータを回転させるモータと、前記ドラムに洗濯物等を出し入れする開閉自在なドアと、前記モータ等を制御して洗濯機の運転を行う制御装置と、前記ドアの閉成により前記ドアのフックが係合することで摺動移動する摺動部材と、前記フックが前記摺動部材に係合したとき、前記フックを前記摺動部材と外郭で挟み込み前記ドアの開放を阻止する保持手段と、前記保持手段を動作させる駆動源と、前記保持手段の位置を検出する位置検出手段と、前記摺動部材の近傍に設けた前記ドアの開閉検知をするスイッチ手段とを備え、前記制御装置は、前記フックと一体で設けた前記スイッチ手段を押す押し板部が回動し、前記スイッチ手段がドア閉を検出した後に、前記位置検出手段により、前記ドアの開放を阻止したことを検出した時のみ、前記モータを動作させることにより、洗濯機の運転中にユーザーが一時停止スイッチを押すとモータが停止し、ドアの開放を阻止する保持手段を解除し、ドアを開けられるようになるが、誤って手でドア開閉検知をするスイッチ手段を押すとドアが閉まったと制御装置が判断し、再びモータを動作させ、ドアを開いた状態でモータが動作するような危険な状態となることを防止でき、安全性を確保することができる。
【0018】
また、洗濯機が運転中にユーザーが誤ってドアを開こうとして、一定の力以上にレバーを引っ張り、フックに応力を加えて場合、フックの中央部で破損してフック先端をドアスイッチ装置の外郭部と摺動部材に挟み込まれたまま、ドアが開いてしまう場合でも、ドア開閉を検知するスイッチ手段を押す押し板部はドアと一体でスイッチ手段から容易に外れるため、スイッチ手段がドラムの回転を速やかに停止させ、安全性を確保することができる。
【0019】
第2の発明は、前記制御装置は、前記位置検出手段が前記保持手段により前記ドアの開放を阻止したことを検出した後に前記スイッチ手段がドア閉を検出しても前記モータを動作させないことにより、洗濯機が運転中にユーザーが誤ってドアを開こうとして、一定の力以上にレバーを引っ張り、フックに応力を加えて場合、フックの中央部で破損してフック先端をドアスイッチ装置の外郭部と摺動部材に挟み込まれたまま、ドアが開いてしまう場合においても、手でドア開閉検知をするスイッチ手段を押されてもモータは再び駆動することなく、安全性を確保することができる。
【0020】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
【0021】
(実施の形態1)
本実施の形態における洗濯機は、洗濯物を収容したドラムをモータによって回転させて洗濯物の洗濯、すすぎ、乾燥を行うドラム式洗濯機である。その基本構成は、よく知られた一般的なドラム式洗濯機と同様であるので、詳しい説明は省略し、以下、ドアのロックに関する構成について詳しく説明する。
【0022】
図1は本発明の第1の実施の形態における洗濯機のドアを開いた状態を示す外観斜視図、図2は同洗濯機のドアのロックの構成を示す要部斜視図、図3は同洗濯機のドアのフック及び押し板部がドアスイッチ装置に挿入された時の要部断面図、図4は同洗濯機のドアスイッチ装置の内部構成を示す斜視図、図5は同洗濯機のドアスイッチ装置の摺動部材を取り除いた時の内部構成を示す平面断面図、図6は同洗濯機の制御装置のブロック図である。
【0023】
図1において、洗濯機のドア1にはフック3が設けられており、ドア1を閉めた時、機器本体2に収納されたドアスイッチ装置5のフック挿入穴21に収まるように設定されている。
【0024】
図2において、ドア1にはフック3を回転させるためのレバー4が設けられている。フック3は、レバー4との間に掛けられたコイルバネ(図示せず)によって、ドアスイッチ装置5内のフック挿入穴21に対応する位置に配置された摺動部材6への係止を維持する方向に付勢されている。フック3の下方には、フック3と一体でレバー4により回転する押し板部22が設けられている。ドアスイッチ装置5には、フック3が挿入されるフック挿入穴21と押し板部22が挿入されるドア開検知用穴23を有している。
【0025】
図3(a)に示すように、ドアスイッチ装置5の外郭は、摺動部材6が収納される部分がフック挿入穴21を備えた箱状に形成されている。摺動部材6は、フック3が挿入、係合される凹部6aが箱状に形成されており、ドア1が閉じずフック3が挿入、係合されていない状態では、凹部6aはフック挿入穴21に対応する位置に配置されている。
【0026】
ドア1を閉めると、フック3がドアスイッチ装置5のフック挿入穴21に挿入されて摺動部材6の凹部6aに係合され、図3(a)で2点鎖線で示した位置から実線で示した位置へと移動することによって、摺動部材6は奥方向に移動し、フック3を摺動部材6とドアスイッチ装置5の外郭で挟み込むように構成されている。
【0027】
また、この動きに連動して、図3(b)に示すように、フック3と一体に形成された押し板部22がドアスイッチ装置5のドア開検知用穴23に挿入され、図3(b)で2点鎖線で示した位置から実線で示した位置へと移動することによって、ドア1の開閉を検知するためのボタン25が奥方向に移動するように構成されている。また、押し板部22のボタン25との当接面は平面で構成されている。
【0028】
また、図4に示すように、フック3にて移動する摺動部材6は、スプリングA24にてC方向に反力が与えられており、ドア1を開くためレバー4を引き、フック3によりC方向に摺動部材6を移動させることができる。
【0029】
また、図4及び図5に示すように、ドア1を閉めると、ボタン25は、押し板部22により押されるとスプリングB26を介してスイッチA27(スイッチ手段)を押し、スイッチA27はON状態となる。ドア1を開いてフック3と一体に設けた押し板部22がボタン25から離れるとスイッチA27はOFF状態となる。ドア1にロックを掛ける時はソレノイド10(駆動源)に通電し、保持手段13を横方向に移動させ、その動きを連結機構部品28により縦方向に変換し、突起部30を縦方向に移動させて摺動部材6を固定してドア1にロックをかけるように構成してある。
【0030】
図5は摺動部材6を取り除いた状態のドアスイッチ装置5を示した図である。連結機構部品28の先端には突起部30を有しており、突起部30が縦方向に移動することにより摺動部材6を固定したり、解除したりして、ロックを掛けたり、解除することができる。保持手段13がソレノイド10により横方向に移動すると、スプリングC29を介して回転レバー35を回転させて、位置検出手段であるスイッチB31を押す。スイッチB31が、ロック状態ではON、解除状態ではOFFになることによりロック状態か解除状態かを検知することができる。スイッチA27とスイッチB31にリード線32、33がそれぞれ接続されており、機器本体2に設けられ、洗濯物を収容するドラム12を回転させるモータ11等の動作を制御する制御装置36に開閉信号を送ることができる。
【0031】
図6はドアスイッチ装置5やモータ11を制御する制御装置36のブロック図である。図6に示すように、制御装置36は、洗濯開始と一時停止の信号を兼用して出力する開始スイッチ37と、ドア1の開閉を検出するスイッチA27と、ドア1がロック状態か解除状態かを検知するスイッチB31を入力装置として、洗濯物を収容するドラム12を回転させるモータ11と、ドア1のロック動作と解除動作をするためのソレノイド10を出力装置として構成されている。
【0032】
以上のように構成されたドラム式洗濯機の動作、作用について説明する。制御装置36によって行われる洗濯、すすぎ、乾燥の各工程における動作、作用は、よく知られた一般的なドラム式洗濯機と同様であるので、詳しい説明は省略し、ドアスイッチ装置5について、以下にその動作、作用を説明する。
【0033】
ドア1を開くため、レバー4を引きフック3を回転させると、ドアスイッチ装置5のフック挿入穴21に収まっているフック3の先端の移動により摺動部材6を摺動させることによりドア1を開くことができる。ドア1を閉める時は、フック3が付勢力を有しているため、ドア1を押すことによりドアスイッチ装置5のフック挿入穴21にフック3の先端部が挿入し、摺動部材6を摺動させることにより、ドア1を閉じた状態に保持することができる。
【0034】
フック3の動きと連動して、ドア1を閉めたとき、押し板部22がドアスイッチ装置5のドア開検知用穴23に挿入され、ドア1の開閉を検知するためのボタン25は押し板部22に押されて奥方向に移動する。ボタン25は押し板部22の回転方向と同一方向に動作行程を設定されている。ボタン25は押し板部22により押されるとスプリングB26を介してスイッチA27を押し、スイッチA27はON状態となる(図5参照)。この状態により、ドアスイッチ装置5はドア1が閉まっていることを検知し、制御装置36はドア1が閉まっていると判断できる。
【0035】
また、ドア1を開いた時、レバー4と連動してフック3が回転し、押し板部22がドア開検知用穴23から離れるため、ボタン25がスプリングB26により元に戻り、スイッチA27はOFF状態となる。この状態により、ドアスイッチ装置5はドア1が開いていることを検知し、制御装置36はドア1が開いていると判断できる。また、押し板部22のボタン25との当接面は平面で構成されているので、押し板部22は横方向に移動する際に回転動作を伴うが、ボタン25との当接および当接解除は確実に実行される。
【0036】
フック3にて移動する摺動部材6はスプリングA24にてC方向に反力が与えられている。ドア1を開くためレバー4を引き、フック3によりC方向に摺動部材6を移動させることができる。ドア1を閉め、洗濯開始するためにロックを掛ける時は、ソレノイド10に通電し、保持手段13を横方向に移動させ、その動きを連結機構部品28により縦方向に変換し、突起部30を縦方向に移動させて摺動部材6を固定してドア1にロックをかける。
【0037】
連結機構部品28の先端には突起部30を有しており、突起部30が縦方向に移動することにより摺動部材6を固定したり、解除したりして、ロックを掛けたり、解除することができる。保持手段13がソレノイド10により横方向に移動するとスプリングC29を介して回転レバー35を回転させて、位置検出手段であるスイッチB31を押す。スイッチB31が、ロック状態ではON、解除状態ではOFFになることによりロック状態か解除状態かを検知することができる。スイッチA27とスイッチB31にリード線32、33に接続されており、機器本体2にある制御装置36に開閉信号が送られる。
【0038】
また、ドア1を閉めてフック3により摺動部材6を押されていないと連結機構部品28の動作が阻害されてロック状態にできず、スイッチB31がON状態にならない構成としている。この構成によって、ドア1を閉めないと制御装置36はロック状態と判断できないので、ドア1が閉まっていない状態ではモータ11が駆動されてドラム12が回転することはない。また、指でフック挿入穴21から摺動部材6を押しても、モータ11が駆動されてドラム12が回転することはない。
【0039】
また、指でドア開検知用穴23からボタン25を押しても、モータ11が駆動されてドラム12が回転することはない。
【0040】
したがって、制御装置36は、スイッチA27でドア1が閉まっていることを検出し、かつスイッチB31にてロック状態を検出した時のみ、洗濯用のモータ11を動作させる。
【0041】
以上のように本発明にかかる洗濯機は、洗濯物等を収容するドラムと、前記ドラムもしくは前記ドラム内に設けたパルセータを回転させるモータと、前記ドラムに洗濯物等を出し入れする開閉自在なドアと、前記モータ等を制御して洗濯機の運転を行う制御装置と、前記ドアの閉成により前記ドアのフックが係合することで摺動移動する摺動部材と、前記フックが前記摺動部材に係合したとき、前記フックを前記摺動部材と外郭で挟み込み前記ドアの開放を阻止する保持手段と、前記保持手段を動作させる駆動源と、前記保持手段の位置を検出する位置検出手段と、前記摺動部材の近傍に設けた前記ドアの開閉検知をするスイッチ手段とを備え、前記制御装置は、前記フックと一体で設けた前記スイッチ手段を押す押し板部が回動し、前記スイッチ手段がドア閉を検出した後に、前記位置検出手段により、前記ドアの開放を阻止したことを検出した時のみ、前記モータを動作させる。
【0042】
これによって、洗濯機が運転中にユーザーが誤ってドアを開こうとして、一定の力以上にレバーを引っ張り、フックに応力を加えて場合、フックの中央部で破損してフック先端をドアスイッチ装置の外郭部と摺動部材に挟み込まれたまま、ドアが開いてしまう場合で
も、ドア開閉を検知するスイッチ手段を押す押し板部はドアと一体でスイッチ手段から外れるため、スイッチ手段がドラムの回転を停止させ、安全性を確保することができる。
【0043】
また、洗濯機の運転中にユーザーが一時停止スイッチを押すとモータが停止し、ドアの開放を阻止する保持手段を解除し、ドアを開けられるようになるが、誤って手でドア開閉検知をするスイッチ手段を押すとドアが閉まったと制御装置が判断し、再びモータを動作させ、ドアを開いた状態でモータが動作してドラムが回転するような危険な状態となることを防止でき、安全性を確保することができる。
【0044】
さらに、本発明にかかる洗濯機は、前記制御装置は、前記位置検出手段が前記保持手段により前記ドアの開放を阻止したことを検出した後に前記スイッチ手段がドア閉を検出しても前記モータを動作させないことにより、洗濯機が運転中にユーザーが誤ってドアを開こうとして、一定の力以上にレバーを引っ張り、フックに応力を加えて場合、フックの中央部で破損してフック先端をドアスイッチ装置の外郭部と摺動部材に挟み込まれたまま、ドアが開いてしまう場合でも、ドア開閉を検知するスイッチ手段を押す押し板部はドアと一体でスイッチ手段から容易に外れるため、スイッチ手段がドラムの回転を速やかに停止させ、安全性を確保することができる。また、この状態において手でドア開閉検知をするスイッチ手段を押されてもモータは再び駆動することなく、安全性を確保することができる。
【産業上の利用可能性】
【0045】
以上のように、本発明にかかる洗濯機は、運転中にユーザーが誤ってドアを開こうとして、一定の力以上にレバーを引っ張り、フックに応力を加えてフックの中央部で破損し、フック先端がドアスイッチ装置の外郭部と摺動部材に挟み込まれたまま、ドアが開いてしまう場合でも、ドア開閉を検知するスイッチ手段を押す押し板部はドアと一体でスイッチ手段から外れるため、スイッチ手段がドラムの回転を停止させ、安全性を確保することができるので、ドラムやパルセータを回転させて洗濯物を洗濯する洗濯機等として有用である。また、そのドアスイッチ装置は、ドラムを回転させて洗濯物等を乾燥させる乾燥機や回転する洗浄ノズルから洗浄水を噴射させて食器類を洗浄する食器洗い乾燥機等の用途にも適用できる。
【符号の説明】
【0046】
1 ドア
3 フック
4 レバー
5 ドアスイッチ装置
6 摺動部材
10 ソレノイド(駆動源)
11 モータ
12 ドラム
13 保持手段
21 フック挿入穴
22 押し板部
23 ドア開検知用穴
25 ボタン
27 スイッチA(スイッチ手段)
31 スイッチB(位置検出手段)
36 制御装置
図6
図1
図2
図3
図4
図5
図7
図8
図9
図10